「太平記」正成天王寺未来記披見の事
元弘二年八月三日、楠木兵衛正成住吉に参詣し、神馬三疋献之。翌日天王寺に詣でて白鞍置いたる馬、白輻輪の太刀、鎧一両副(そへ)て引き進(まゐら)す。これは大般若経転読の御布施なり。啓白事終て、宿老の寺僧巻数を捧げて来たれり。楠木則ち対面して申しけるは、「正成、不肖の身として、この一大事を思ひ立ちて候ふ事、涯分を不計に似たりといへども、勅命の不軽礼儀 . . . 本文を読む
聖徳太子日本國未来記 太子厩戸奉勘之
大日本國末世の勘計也。自今已後、六百年の時節を過ぎて、両主位を諍ひ二臣世を論(あらそは)ん。黒鼠朝食を噉ひしかば、黄龍金殿に登らん。兄王西海に沉(しずみ)しかば、武士禁裏を汚さん。寶劒を失し而して兵乱を止ず。弟王無禪、而位に即。神璽明鏡武士に依りて再に宮闕に入り、藤華散廃して源葉三台に登らん。公家年年㐮廃し而武士度度興隆して日本一州悉く武家の領と為る。已に . . . 本文を読む
信解円通
2023-10-28 | 諸経
涅槃經「信ありて解なきは無明を増長す。解ありて信なきは邪見を増長す。信解円通してまさに行の本となる(信仰一辺倒で智慧のないときは無明となり、智慧ばかりで信仰の無い者は邪見となる)(大般涅槃經 「信心無有智慧是人則能増長無明若有智慧無有信心是人則能増長邪見」)」。 . . . 本文を読む
第二十八番 はしだて石龍山橋立寺 。御堂三間四面南向。
本尊馬頭觀音 座像御長一尺三寸(約49cm) 弘法大師御作
當山の本尊馬頭觀世音は、弘法大師此郡中に兼て霊場たるべき處を見そなはし給ひ、其地の縁に従ひて 本尊を彫刻し給ふ時、當山にては此山に年久しき柚の木を以て彫刻ましまし、其残れる處の柚の木を地中に指し給ふ。今其木堂前にあつて、此地の佛法とともに昌へを萬代に傳ふ。されば六 . . . 本文を読む