福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

還暦求聞持成満の記 その81

2010-01-03 | 還暦求聞持成満の記
9月6日、寝過ごして1時45分におきました。2時出堂。十六夜のお月様が岩の上で108禮する私をを照らしてくれます。影は岩を越えてがけ下の松の枝に映し出されています。

「十六夜の月影長し舎心嶽」


入法界観を岩の上で修しました。堂内とはまた別の格段の味わいがしました。
帰るとすごい現象が待っていました。お堂の正面と明星と覚鑁栢と三者が一直線になっていたのです。再度明星を拝みました。
44座は5時くらいになりました。いつもより1時間以上遅れました。しかしとくにあせることもありません。行もねむ気は出ませんでした。
そろそろ行もあと半分になります。しかし特別の感懐は沸いてきません。なぜか伊勢物語の書き出し「昔、男ありけり。その男、身を要なきものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に住むべき国求めよにとて行きけり。」を思い出します。自分も60を過ぎていまさら俗世に未練はありません。このお堂にいつまでもいてもいいと思うほどです。それにしても「身を要なきものに思ひなして」とはまさに自分の気持ちをよく言い表しているとおもいました。
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