福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

観音経講説最終回

2011-06-22 | 法話
衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦
衆生困厄を被り 無量の苦が身を逼めたとき 観音妙智の力は 能く世間の苦を救う
「人々が困難や災厄にみまわれ、さまざまな苦しみにさいなまれる時、
  観世音菩薩の妙智力は、人々を苦しみから救い出してくださいます。」


具足神通力 広修智方便 十方諸国土 無刹不現身
神通力を具足し 広く智の方便を修して 十方の諸の国土に 刹として身を現ぜざることなし
「神通力があり、広大な智恵とそれを発揮するさまざまな手段に長けた観世音菩薩は、
  あらゆる国のいたる所に姿を現わし、救っていただけます。」


種種諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦 以漸悉令滅
種々の諸の悪趣 地獄鬼畜生 生老病死の苦 以て漸く悉く滅せしむ 「輪廻して悪い世界や地獄界・餓鬼界・畜生界の苦しみを味わっているときその苦しみや生老病死の苦しみを滅してくださいます。」


真観清浄観 広大智慧観 悲観及慈観 常願常瞻仰
 真観清浄観 広大智慧観 悲観及び慈観あり 常に願い常に瞻仰すべし 「 観世音菩薩は、真実を観じ(空観)、清らかに観じ(仮観)、大きな智慧で観じ(中道の観)、苦を抜く気持ちで観じ(悲観とは空仮中の三観を用いて衆生の苦を抜くもの)、与楽の気持ちで観じ(慈観とは空仮中の三観を用いて衆生に楽をあたえること)ておられる。我々も常に願い仰ぎ見るべきです」


無垢清浄光 慧日破諸闇 能伏災風火 普明照世間
無垢清浄の光あって 慧日諸の闇を破し能く災の風火を伏して 普く明かに世間を照す
「観世音菩薩の放つ汚れなき清浄な光は、智慧の輝きで無知の闇を消し去り、
  よく災いの風や火を鎮め、この世を明らかに照らし出します。」


悲体戒雷震 慈意妙大雲 鞁甘露法雨 滅除煩悩焔
悲体の戒雷震のごとく 慈意の妙大雲のごとく甘露の法雨を・ぎ 煩悩の焔を滅除す 「観世音菩薩が憐れみの心で説かれる戒めは、雷が鳴り響くように偉大であり、 その慈しみの心は美しい大きな雲のように人々を覆い、  恵み深い智慧の雨を降らせては、人々の煩悩の炎を消し去るのです。」


諍訟経官処 怖畏軍陣中 念彼観音力 衆怨悉退散
諍訟して官処を経 軍陣の中に怖畏せんに彼の観音の力を念ぜば 衆の怨悉く退散せん 「争いに巻き込まれて法廷に立つ時や、戦場で死の危険にさらされた時も、
  観世音菩薩を念ずれば、あらゆる敵はみな退散するでしょう。」


妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音 是故須常念
妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音あり 是の故に須らく常に念ずべし 「観世音菩薩には妙音(空智の音)、観世音(中智の音)、梵音(仮智の清浄なる音)、海潮音(潮の時節をたがえないように衆生済度のため時をうしなわずに出す音、これも仮智の音)勝彼世間音(智の他に音なく、音の他に智なき境地冥合し思慮を超えた音)があり、この故に常に観世音菩薩念じるべきなのです」


念念勿生疑 観世音浄聖 於苦悩死厄 能為作依怙
念念に疑を生ずることなかれ 観世音浄聖は苦悩死厄に於て 能く為に依怙と作れり 「念じ、念じて、決して疑ってはなりません。観世音菩薩が、 苦しみと死と災いに満ちたこの世の中で、救いの真実の拠り所なのです。」


具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼
一切の功徳を具して 慈眼をもって衆生を視る 福聚の海無量なり 是の故に頂礼すべし 「観世音菩薩はあらゆる功徳を具え、衆生を慈悲の眼で御覧になっており大海のように無量の福徳をお持ちです。だからこそ一心に礼拝すべきなのです。」


爾時持地菩薩。即従座起。前白仏言。世尊。若有衆生。聞是観世音菩薩。自在之業。普門示現。神通力者。当知是人。功徳不少 
爾の時に持地菩薩、即ち座より起って、前んで仏に白して言さく、世尊、若し衆生あって是の観世音菩薩品の自在の業・普門示現の神通力を聞かん者は、当に知るべし、是の人の功徳少からじ。 「この説法をうかがって感動した持地菩薩は、座から立ち上がってお釈迦さまの前に進み出て、つつしんで申し上げました。「お釈迦さま、もし衆生が、この観世音菩薩の自由自在な救済の働きと、相手に応じてさまざまに姿を変え、あらゆる所に出現される神通力を聞き知ったならば、大きな功徳を得ることでございましょう。」」



 

仏説是普門品時。衆中八万四千衆生。皆発無等等。阿耨多羅三藐三菩提心
仏、是の普門品を説きたもう時、衆中の八万四千の衆生、皆無等等の阿耨多羅三藐三菩提の心を発しき。 「こうしてお釈迦さまが、この普門品を説かれたとき大衆の中の無数の人々が、くらべるものもなく尊い『完全なる悟り』を得たのでありました。」。


以上「妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五」

   
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