善通寺では朝5時半からおつとめがあります。宿坊のお遍路さんは「弘法大師誕生之場」との扁額がある御影堂に集まります。
御影堂ではまず授戒があります。導師が三帰(帰依仏、帰依法、帰依僧)三竟(帰依仏竟、帰依法竟、帰依僧竟)十善戒を唱えるのについて唱和します。
次に20人ほどの僧侶が前讃、理趣経などを唱える間、導師は修法をします。最後に合掌して三国伝来の錫杖をいただきます。これは唐でお大師様が恵果阿闍利から真言八祖の証として授かったものです。
錫杖経には「この音を聞くものはよく一切の苦を除く」とあります。説法明眼論には
「錫杖品第九、塔ノ高妙、タトエバ須弥山王ノ如シ、今北ノ錫杖ハ即是宝塔ナリ。功徳ノ高顕モ亦須弥ノ如シ。此ノ錫杖ヲ見ルハココ二須弥法界塔婆ヲ見ルナリ。一見ノ人天ハ現世安楽後生浄刹、悉ク仏果ヲ成ス。語参地蔵ノ此ノ錫杖ヲ持スルコトハ将二一見ノ人天ノ功徳ヲ成センカ為メナリ。是ノ故二至心二徳ヲ唱テ三種ノ三宝ヲ供養ス。モシ此供養ヲ法界塔婆ニ致せば道場に来入し、大願を成ず。」とあり、大変功徳があることが書かれています。「錫杖」とは密教大辞典によると「梵に隙棄羅、喫棄羅といふ。聲杖、鳴杖又は智杖、徳杖等と訳す。その名義につき釈子要覧には、この杖を振れば錫の声あるゆえに錫杖となずくと云ひ、錫杖経に錫の字を釈して錫は軽の義なり、此の杖に依倚すれば煩悩を除き、三界を出故に錫杖と称すと。又錫は明なり、智慧の明を得るが故に錫杖と名く等、種々の説を出せり。又同経には智杖、徳杖の名義を釈して、聖智を彰顕するがゆえに智杖と名け、功徳の本を行ずるがゆえに徳杖と号すると云へり。其の形状は木杖の上端しに銅鉄等の金属にて作れる四鈷または二鈷を附し、その鈷に十二個或は六個の鐶を掛く。是を振る時音を発す。比丘十八物の一にして、行乞のとき之を振りて人家の注意を喚起せしめ或は行路にて禽獣毒類等を警しむ。後世修験者亦六鐶の錫杖を用ふ。錫杖経には錫杖を持つ威儀法に二十五事ありといへり。千手観音、延命地蔵、不空羂索菩薩等これを所持す。また縁覚の通三昧耶形なり。二鈷は真俗二諦・四鈷は苦集滅道の四諦、六鐶は六度満行、十二鐶は十二因縁、上のあ五輪は五大所成の法界塔婆を表す。
錫杖を用ふる時、唱える偈頌に二種あり。一を九条錫杖と称し、一を三条錫杖と称す。・・・三条錫杖の文は九条錫杖の最初の三条の文にして、・・・三条は三界、九条は九地にして共に迷界を表す。聲曲は諸仏説法の音聲なり、之を振り之を唱へて、三界九地の衆生を驚愕して生死を出離せしむ。・・」
なお「九条錫杖経」というお経はよく真言宗のお寺でとなえられます。密教辞典に「九条錫杖経・・・文段九条に分る、第一平等施会条、第二信發願条、第三六道智識条、第四三諦修習条、第五六道化生条、第六捨悪持善条、第七邪類遠離条、第八三道消滅条、第九回向発願条なり。第一条の最初『手執錫杖 当願衆生 設大施会 示如実道』の四句一偈は新訳華厳経十四浄行品に出も、他の諸句は出拠明かならず。・・・この錫杖は普通の法会には用ひず、二十一年目毎に行ふ高野山奥の院御廟葺替の落慶法要にこれを用ひしが、近来は三月二十一日高野山奥の院の通夜にもこれを用ふ。智積院にては毎年十二月十一日朝より開山堂にて通夜、興行大師陀羅尼会を修し、翌十二日講堂における午前の法要の最初に・・この九条錫杖を誦唱す。・・・」とあります。普通のお寺では護摩祈祷、大般若祈願、地鎮祭、交通安全祈願その他お払いに唱えられるようです。
「九条錫杖経」です
(第一平等施会条(錫杖を手に執るものは常に、十界の凡夫と聖者に法や財を施し、悟りへの道を示して、衆生を導き、この功徳を以て、仏法僧の三宝に供養するよう心がけねばならない))
手執錫杖 しゅじしゃくじょう
當願衆生 とうがんしゅじょう
設大施会 せつだいせえ
示如実道 じにょうじつどう
供養三宝 くようさんぼう
設大施会 せつだいせえ
示如実道 じにょうじつどう
供養三宝 くようさんぼう
(第二信發願条)
以清浄心 いしょうじょうしん
供養三宝 くようさんぼう
発清浄心 ほっしょうじょうしん
供養三宝 くようさんぼう
願清浄心 がんしょうじょうしん
供養三宝 くようさんぼう
(第三六道智識条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
作天人師 さてんにんしん
虚空満願 こうくまんがん
度苦衆生 どくしゅじょう
法界圍繞 ほうかいいにょう
供養三宝 くようさんぼう
値遇諸仏 ちぐしょうぶつ
速證菩提 そくしょうぼだい
(第四三諦修習条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
真諦修習 しんたいしゅうじゅう
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
俗諦修習 ぞくたいしゅうじゅう
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
一乗修習 いちじょうしゅうじゅう
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
恭敬供養 くぎょうくよう
佛寶法寶 ぶっぽうほうぼう
僧宝一體三寶 そうぼういったいさんぼう
(第五六道化生条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
檀波羅蜜 だんばらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
尸羅波羅蜜 しりやはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
セン提波羅蜜 せんだいはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
毘梨耶波羅蜜 びりやはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
禅那波羅蜜 ぜんなはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
般若波羅蜜 はんにゃはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
(第六捨悪持善条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
十方一切 じっぽういっせい
無量衆生 むりょうしゅじょう
聞錫杖聲 もうしゃくじょうしょう
懈怠者精進 けだいしゃしょうじん
破戒者持戒 はかいしゃじかい
不信者令信 ふしんじゃりょうしん
慳貪者布施 けんどんしゃふせ
瞋恚者慈悲 しんにんしゃじひ
愚痴者智慧 ぐちしゃちえ
驕慢者恭敬 きょうまんしゃくぎょう
放逸者攝心 ほういつっしゃしょうしん
具修万行 ぐしゅまんぎょう
速證菩提 そくしょうぼだい
(第七邪類遠離条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
十方一切 じっぽういっせい
邪魔外道 じゃまげどう
魍魎鬼神 もうりょうきしん
毒獣毒龍 どくじゅうどくりゅう
毒蟲之類 どくちゅうしるい
聞錫杖聲 もんしゃくじょうしょう
催伏毒害 さいぶくどくがい
発菩提心 ほつぼだいしん
具修万行 ぐしゅまんぎょう
速證菩提 そくしょうぼだい
(第八三道消滅条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
十方一切 じっぽういっさい
地獄餓鬼畜生 じごくがきちくしょう
八難之處 はつなんししょ
受苦衆生 じゅくしゅじょう
聞錫杖聲 もんしゃくじょうしょう
速得解脱 そくとくげだつ
或癖ニ障 わくちにしょう
百八煩悩 ひゃくはつぼんのう
発菩提心 ほつぼだいしん
具修万行 ぐしゅまんぎょう
速證菩提 そくしょうぼだい
(第九回向発願条(過去・現在・未来の三世の諸仏も、錫杖の功徳によって正覚したまう))
過去諸佛 かーこしょぶつ
執持錫杖 しゅうじしゃくじょう
己成仏 いじょうぶつ
現在諸佛 げんざーいしょぶつ
執持錫杖 しゅうじしゃくじょう
現成仏 げんじょうぶつ
未来諸佛 みらいしょぶつ
執持錫杖 しゅうじしゃくじょう
當成仏 とうじょうぶつ
故我稽首 こがけいしゅ
執持錫杖 しつじしゃくじょう
供養三宝 くようさんぼう
故我稽首 こがけいしゅ
執持錫杖 しつじしゃくじょう
供養三宝 くようさんぼう
南無恭敬供養 なーむくぎょうくよう
三尊界会 さんぞんかいえー
恭敬供養 くーぎょうくよう
顕蜜聖教 けんみつしょうぎょう
哀愍摂受 あいみんしょうじゅ
護持弟子 ごーじでし
お遍路さんは神妙に錫杖を頂いています。
そのあと内陣で稚児大師さまに焼香でき、最後に戒壇巡りができます。戒壇めぐりの入り口には「金剛界、胎蔵界の仏、四天王、を両壁に描き、足元には88所のお砂をしきつめている。遍路は諸仏の中を押し分けてすすんでいく浄土の道になっている。」とありました。 なんともいえない有難いことです。
真っ暗な中すすむと明るくなったところがあり、お大師様が説教をされていました。お大師様の骨相を元に専門家が音声を合成したそうです。若々しいしかし厳かなお声でした。「仏縁をいただいていることは有難いこと。1人1人生きることを大切にせよ」とのお話でした。
1回目にお声を聞きまた聞きたいと思っていたらすぐ2回目の遍路にくることができました。この場所は丁度お大師様のお生まれになった場所の真下ということです。 回をかさねるごとに深いご縁をいただけます。善通寺にはいろいろな伝説が残っているのでしょうがとりわけ遍路に縁のふかいものは先に述べましたが寛治年中(11世紀)東寺の定額僧勝実が善通寺の別当で下向したとき感得した大師の御筆に「卜居於高野樹下(居を高野の樹の下に卜して)、遊神於兜率雲上(こころを兜率の雲上に遊ばす)、不闕日々之影ごう(日々之影ごうをかかさず)、検知処々之遺跡(ゆいせき)(処々の遺跡を検知す)」とあったということです。塵添壒囊鈔(じんてんあいのうしょう)にあります。遍路はこの御誓願によりお大師様にお会いできるのです。
御影堂ではまず授戒があります。導師が三帰(帰依仏、帰依法、帰依僧)三竟(帰依仏竟、帰依法竟、帰依僧竟)十善戒を唱えるのについて唱和します。
次に20人ほどの僧侶が前讃、理趣経などを唱える間、導師は修法をします。最後に合掌して三国伝来の錫杖をいただきます。これは唐でお大師様が恵果阿闍利から真言八祖の証として授かったものです。
錫杖経には「この音を聞くものはよく一切の苦を除く」とあります。説法明眼論には
「錫杖品第九、塔ノ高妙、タトエバ須弥山王ノ如シ、今北ノ錫杖ハ即是宝塔ナリ。功徳ノ高顕モ亦須弥ノ如シ。此ノ錫杖ヲ見ルハココ二須弥法界塔婆ヲ見ルナリ。一見ノ人天ハ現世安楽後生浄刹、悉ク仏果ヲ成ス。語参地蔵ノ此ノ錫杖ヲ持スルコトハ将二一見ノ人天ノ功徳ヲ成センカ為メナリ。是ノ故二至心二徳ヲ唱テ三種ノ三宝ヲ供養ス。モシ此供養ヲ法界塔婆ニ致せば道場に来入し、大願を成ず。」とあり、大変功徳があることが書かれています。「錫杖」とは密教大辞典によると「梵に隙棄羅、喫棄羅といふ。聲杖、鳴杖又は智杖、徳杖等と訳す。その名義につき釈子要覧には、この杖を振れば錫の声あるゆえに錫杖となずくと云ひ、錫杖経に錫の字を釈して錫は軽の義なり、此の杖に依倚すれば煩悩を除き、三界を出故に錫杖と称すと。又錫は明なり、智慧の明を得るが故に錫杖と名く等、種々の説を出せり。又同経には智杖、徳杖の名義を釈して、聖智を彰顕するがゆえに智杖と名け、功徳の本を行ずるがゆえに徳杖と号すると云へり。其の形状は木杖の上端しに銅鉄等の金属にて作れる四鈷または二鈷を附し、その鈷に十二個或は六個の鐶を掛く。是を振る時音を発す。比丘十八物の一にして、行乞のとき之を振りて人家の注意を喚起せしめ或は行路にて禽獣毒類等を警しむ。後世修験者亦六鐶の錫杖を用ふ。錫杖経には錫杖を持つ威儀法に二十五事ありといへり。千手観音、延命地蔵、不空羂索菩薩等これを所持す。また縁覚の通三昧耶形なり。二鈷は真俗二諦・四鈷は苦集滅道の四諦、六鐶は六度満行、十二鐶は十二因縁、上のあ五輪は五大所成の法界塔婆を表す。
錫杖を用ふる時、唱える偈頌に二種あり。一を九条錫杖と称し、一を三条錫杖と称す。・・・三条錫杖の文は九条錫杖の最初の三条の文にして、・・・三条は三界、九条は九地にして共に迷界を表す。聲曲は諸仏説法の音聲なり、之を振り之を唱へて、三界九地の衆生を驚愕して生死を出離せしむ。・・」
なお「九条錫杖経」というお経はよく真言宗のお寺でとなえられます。密教辞典に「九条錫杖経・・・文段九条に分る、第一平等施会条、第二信發願条、第三六道智識条、第四三諦修習条、第五六道化生条、第六捨悪持善条、第七邪類遠離条、第八三道消滅条、第九回向発願条なり。第一条の最初『手執錫杖 当願衆生 設大施会 示如実道』の四句一偈は新訳華厳経十四浄行品に出も、他の諸句は出拠明かならず。・・・この錫杖は普通の法会には用ひず、二十一年目毎に行ふ高野山奥の院御廟葺替の落慶法要にこれを用ひしが、近来は三月二十一日高野山奥の院の通夜にもこれを用ふ。智積院にては毎年十二月十一日朝より開山堂にて通夜、興行大師陀羅尼会を修し、翌十二日講堂における午前の法要の最初に・・この九条錫杖を誦唱す。・・・」とあります。普通のお寺では護摩祈祷、大般若祈願、地鎮祭、交通安全祈願その他お払いに唱えられるようです。
「九条錫杖経」です
(第一平等施会条(錫杖を手に執るものは常に、十界の凡夫と聖者に法や財を施し、悟りへの道を示して、衆生を導き、この功徳を以て、仏法僧の三宝に供養するよう心がけねばならない))
手執錫杖 しゅじしゃくじょう
當願衆生 とうがんしゅじょう
設大施会 せつだいせえ
示如実道 じにょうじつどう
供養三宝 くようさんぼう
設大施会 せつだいせえ
示如実道 じにょうじつどう
供養三宝 くようさんぼう
(第二信發願条)
以清浄心 いしょうじょうしん
供養三宝 くようさんぼう
発清浄心 ほっしょうじょうしん
供養三宝 くようさんぼう
願清浄心 がんしょうじょうしん
供養三宝 くようさんぼう
(第三六道智識条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
作天人師 さてんにんしん
虚空満願 こうくまんがん
度苦衆生 どくしゅじょう
法界圍繞 ほうかいいにょう
供養三宝 くようさんぼう
値遇諸仏 ちぐしょうぶつ
速證菩提 そくしょうぼだい
(第四三諦修習条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
真諦修習 しんたいしゅうじゅう
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
俗諦修習 ぞくたいしゅうじゅう
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
一乗修習 いちじょうしゅうじゅう
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
恭敬供養 くぎょうくよう
佛寶法寶 ぶっぽうほうぼう
僧宝一體三寶 そうぼういったいさんぼう
(第五六道化生条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
檀波羅蜜 だんばらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
尸羅波羅蜜 しりやはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
セン提波羅蜜 せんだいはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
毘梨耶波羅蜜 びりやはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
禅那波羅蜜 ぜんなはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
般若波羅蜜 はんにゃはらみつ
大慈大悲 だいじだいひ
一切衆生 いっさいしゅじょう
(第六捨悪持善条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
十方一切 じっぽういっせい
無量衆生 むりょうしゅじょう
聞錫杖聲 もうしゃくじょうしょう
懈怠者精進 けだいしゃしょうじん
破戒者持戒 はかいしゃじかい
不信者令信 ふしんじゃりょうしん
慳貪者布施 けんどんしゃふせ
瞋恚者慈悲 しんにんしゃじひ
愚痴者智慧 ぐちしゃちえ
驕慢者恭敬 きょうまんしゃくぎょう
放逸者攝心 ほういつっしゃしょうしん
具修万行 ぐしゅまんぎょう
速證菩提 そくしょうぼだい
(第七邪類遠離条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
十方一切 じっぽういっせい
邪魔外道 じゃまげどう
魍魎鬼神 もうりょうきしん
毒獣毒龍 どくじゅうどくりゅう
毒蟲之類 どくちゅうしるい
聞錫杖聲 もんしゃくじょうしょう
催伏毒害 さいぶくどくがい
発菩提心 ほつぼだいしん
具修万行 ぐしゅまんぎょう
速證菩提 そくしょうぼだい
(第八三道消滅条)
當願衆生 とうがんしゅじょう
十方一切 じっぽういっさい
地獄餓鬼畜生 じごくがきちくしょう
八難之處 はつなんししょ
受苦衆生 じゅくしゅじょう
聞錫杖聲 もんしゃくじょうしょう
速得解脱 そくとくげだつ
或癖ニ障 わくちにしょう
百八煩悩 ひゃくはつぼんのう
発菩提心 ほつぼだいしん
具修万行 ぐしゅまんぎょう
速證菩提 そくしょうぼだい
(第九回向発願条(過去・現在・未来の三世の諸仏も、錫杖の功徳によって正覚したまう))
過去諸佛 かーこしょぶつ
執持錫杖 しゅうじしゃくじょう
己成仏 いじょうぶつ
現在諸佛 げんざーいしょぶつ
執持錫杖 しゅうじしゃくじょう
現成仏 げんじょうぶつ
未来諸佛 みらいしょぶつ
執持錫杖 しゅうじしゃくじょう
當成仏 とうじょうぶつ
故我稽首 こがけいしゅ
執持錫杖 しつじしゃくじょう
供養三宝 くようさんぼう
故我稽首 こがけいしゅ
執持錫杖 しつじしゃくじょう
供養三宝 くようさんぼう
南無恭敬供養 なーむくぎょうくよう
三尊界会 さんぞんかいえー
恭敬供養 くーぎょうくよう
顕蜜聖教 けんみつしょうぎょう
哀愍摂受 あいみんしょうじゅ
護持弟子 ごーじでし
お遍路さんは神妙に錫杖を頂いています。
そのあと内陣で稚児大師さまに焼香でき、最後に戒壇巡りができます。戒壇めぐりの入り口には「金剛界、胎蔵界の仏、四天王、を両壁に描き、足元には88所のお砂をしきつめている。遍路は諸仏の中を押し分けてすすんでいく浄土の道になっている。」とありました。 なんともいえない有難いことです。
真っ暗な中すすむと明るくなったところがあり、お大師様が説教をされていました。お大師様の骨相を元に専門家が音声を合成したそうです。若々しいしかし厳かなお声でした。「仏縁をいただいていることは有難いこと。1人1人生きることを大切にせよ」とのお話でした。
1回目にお声を聞きまた聞きたいと思っていたらすぐ2回目の遍路にくることができました。この場所は丁度お大師様のお生まれになった場所の真下ということです。 回をかさねるごとに深いご縁をいただけます。善通寺にはいろいろな伝説が残っているのでしょうがとりわけ遍路に縁のふかいものは先に述べましたが寛治年中(11世紀)東寺の定額僧勝実が善通寺の別当で下向したとき感得した大師の御筆に「卜居於高野樹下(居を高野の樹の下に卜して)、遊神於兜率雲上(こころを兜率の雲上に遊ばす)、不闕日々之影ごう(日々之影ごうをかかさず)、検知処々之遺跡(ゆいせき)(処々の遺跡を検知す)」とあったということです。塵添壒囊鈔(じんてんあいのうしょう)にあります。遍路はこの御誓願によりお大師様にお会いできるのです。