福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

老後の覚悟

2014-01-23 | お大師様のお言葉

徒然草 第四十九 「老来りて、始めて道を行ぜんと待つことなかれ」



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 老来りて、始めて道を行ぜんと待つことなかれ。古き墳、多くはこれ少年の人なり。はからざるに病を受けて、忽ちにこの世を去らんとする時にこそ、始めて、過ぎぬる方の誤れる事は知らるなれ。誤りといふは、他の事にあらず、速かにすべき事を緩くし、緩くすべき事を急ぎて、過ぎにし事の悔しきなり。その時悔ゆとも、かひあらんや。

 人は、たゞ、無常の、身に迫りぬる事を心にひしとかけて、束の間も忘るまじきなり。さらば、などか、この世の濁りも薄く、仏道を勤むる心もまめやかならざらん。

 「昔ありける聖は、人来りて自他の要事を言ふ時、答へて云はく、『今、火急の事ありて、既に朝夕に逼れり』とて、耳をふたぎて念仏して、つひに往生を遂げけり」と、禅林の十因に侍り(永観の著『往生十因』にある)。心戒といひける聖は、余りに、この世のかりそめなる事を思ひて、静かについゐけることだになく、常はうづくまりてのみぞありける(「心戒」は、人生はいつ何時どのように死の迎えが来ないと限らないから、膝を着けて座ることはせず、普段はうずくまるだけで人生を終えた、という (『一言芳談』)。



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