『日本國に告ぐ』(ポール・リシャール(注1))
「曙の児等よ、海原の児等よ
花と焔との国、力と美との国の児等よ
聴け、涯しなき海の諸々の波が
日出づる諸子の島々を讃ふる栄誉の歌を
諸子の国に七つの栄誉あり
故にまた七つの大業あり
さらば聴け、其の七つの栄誉と七つの使命とを
独り自由を失はざりし亜細亜の唯一の民よ
貴国こそ亜細亜に自由を与ふべきものなれ
曾て他国に隷属せざりし世界の唯一の民よ
一切の世界の隷属の民のために起つは貴国の任なり
曾て滅びざりし唯一の民よ
一切の人類幸福の敵を亡ぼすは貴国の使命なり
新しき科学と旧き知慧と、欧羅巴(ヨーロッパ)の思想と
亜細亜の思想とを自己の衷(うち)に統一せる唯一の民よ
此等二つの世界、来るべき世の此等両部を統合するは貴国の任なり
流血の跡なき宗教を有てる唯一の民よ
一切の神々を統一して更に神聖なる真理を発揮するは貴国なる可し
建国以来、一系の天皇、永遠に亘る一人の天皇を奉戴せる
唯一の民よ
貴国は地上の万国に向かって、人は皆な一天の子にして、天を永遠
の君主とする一個の帝国を建設すべきことを教へんが為に生れたり
万国に優りて統一ある民よ
貴国は来るべき一切の統一に貢献せん為に生れ
また貴国は戦士なれば、人類の平和を促さんが為に生れたり
曙の児等よ、海原の児等よ
斯く如きは、花と焔との国なる貴国の
七つの栄誉と七つの大業となり」(大川周明訳)
(注1・ポール・リシャールは、フランスの詩人、弁護士、キリスト教の牧師。大正年(1916)訪日。『告日本國』は大正6年の著作。この著書は日本の世界史的使命と日本人への期待を高らかに歌いました。 )
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