福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

終戦詔勅と象徴の文字の由来(「玄峰老師」)

2020-08-15 | 法話
・・老大師は・・我が国国体の危機に際しては要路の大官に偉大な示唆をお与えになったことが一再ではないのであります。・・終戦当時の首相鈴木貫太郎氏も老大師に親しまれた一人であります。終戦直前鈴木氏がお尋ねしたとき、老大師から「相撲でいえば日本は大関である。大関は大関らしく負けなきゃいかん。また忍びがたきを忍べ」とさとされたのでありました。それが終戦のお言葉になっているといわれます。

 また新憲法制定の時内閣書記官長であった楢橋渡氏は老大師から大きな示唆をうけたことについて次の如く発表されています。「(憲法の天皇の問題で)アメリカ側の要求としては天皇を「のける」という憲法でいかんのかという(極東委員会でそういう方向にといっているというので、天皇をのけものにすれば日本は反乱しそれを口実にソ連が北海道に進出するそういうことになればマッカーサーも失敗したということになる。だから天皇の問題は簡単ではないと主張した。)そのとき私の頭に浮かんだのは山本玄峯老師の教えを受けようということだった。・・玄峰老師は『天皇の問題で来たな、わしは天皇が政治や政権に興味を持ったら内部抗争が絶えないと思う。・・だから天皇が一切政治から超然として空に輝く太陽の如くしておって今度はその天皇の大御心を受けて真善美の政治をするということで眷眷身をつつしんで政治をすることになれば天皇がおられてももっと立派な民主主義国ができるではないか、天皇は空に輝く象徴みたいなものだい』といわれた。わたしは非常に感動してしまってこの案にかぎるということですぐ引き返して司令部の連中に会った。そして「天皇は民族の象徴、主権は在民で、天皇は一切政治に関与しない。天皇は民族全体を象徴しているから政治を担当するものはその気持ちをうけているという形態がいい」といったところそれはいいことに気が付いたというわけである。そういうことが示唆となって総司令部の出してきた新憲法に天皇は日本国民統合のの象徴にしてという名句ができあがったと思っている。・・」
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