福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験・・その91

2018-12-30 | 四国八十八所の霊験
84番屋島寺麓の遍路宿に泊まったことがあります。
 夕闇の迫る中、子供たちのかくれんぼの声が遠くから聞こえます。
「もおいいかい」「もおいいかい」「まあだだよ」「まあだだよ」と周囲にこだましています。夕暮れの中の子供の声は何とも言えず郷愁を誘います。 「夕焼け小焼け」の歌「夕焼け小焼けで日が暮れて山のお寺の鐘が鳴る。お手々つないで皆帰ろう。烏と一緒に帰りましょう」を思い出します。
しかし段々子供達の声がこの世のものではないような錯覚にもとらわれます。高原家代々の幼くして死んだ水子たちの声とも思われてきました。

 此の日は自分が大きな法会に出仕している夢をみました。
このときお大師様のお姿を拝した気がします。この遍路行では、初めてお大師様の夢を見ました。なんともいえず有難い気持ちで眼が覚めました。
 そういえば昔、得度の数日前には、はっきりとお大師様の夢を見ました。こういうときの地の底から湧き上がってくるような有難い気持ちは本人にしかわかりません。
夢は古来神秘なものとされてきました。
大日経には阿闍梨が弟子を灌頂していいかどうかは弟子の夢見で判断するとありました。
 殷の武丁は夢により傅説という賢臣を得、周の文王は熊を夢に見て太公望を得、唐の李白は筆に花の咲いた夢をみて大詩人となりました。
 旧約聖書創世記にもエジプトのバロ王の夢をヨセフが解く場面がでてきます。
佛本行集経などのお釈迦様の伝記ではお釈迦様が出生されるときは摩耶夫人が六牙の白象が右脇から入ると夢をみられます。出家されるときも浄飯王や耶しゅ陀妃が お釈迦様が象にのり城を出る夢や大地が振動する夢などをみます。お釈迦様も須弥山を枕に大海に手足を安置する夢などをごらんになることが書かれています。お大師様も母君玉衣御前が天竺国の聖人懐に入ると夢見て懐妊されました(弘法大師行状絵巻等)。明恵上人は「夢記」という夢の記録を残されています。

その後も有難い夢をたびたび見るようになりました。夢はほんとうに神秘なものです。
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