SAILIN' SHOES

デジタル一眼、ライカ等でのスナップ写真や、カメラ、音楽、鉄道・車、子育ての日々雑感です。

関西へ02

2008-07-31 | 旅行
一心寺から大国町に向かい、御堂筋線でJR大阪駅に行く。
大阪駅から特急「北近畿」で城崎温泉へ行くのだ。



大阪駅には頻繁に在来線特急が出入りする。
それも国鉄色のままの車両が多く嬉しくなる。
東京では望めない景色だ。
JR西日本は財務的に厳しいというのもあるが、
古いものをリニューアルしながら使うのが上手い。
これは文化の違いというのもあるかもしれないと思う。
東京は震災、空襲、そもそも何もない原野から出発し歴史も短い。
何でも一旦、無にして仕切りなおしてしまう。
その方が結局はコスト的にも安いと考えるし、合理的な考え方だ。
きっぱり白黒をつけるのはそもそも江戸っ子気質だ。(江戸っ子なんて
もう居ないのだが。)

関西は長い歴史を持った地なので、物を改修するのは当たり前だ。
しばしばケチという言い方もされるが、ちょっと違うだろう。
御破算にできない歴史を抱え込んでいて、寺社仏閣を補修してきた
技術を持っている。
「物は大切にせんと、神さんに怒られる。」ってな感覚もふつうにある。

それにしても、写真の雷鳥号は大幅に遅れて到着しているのが気がかりだ。
琵琶湖周辺が激しい雷雨で、運転取り止めになっている。
我々もその後、雷雨に襲われることになる。



関西では南紀白浜や城崎温泉はポピュラーな観光地だ。
しかし奈良や大阪で少年期を過ごしたのに私は城崎温泉に行ったことが無いのだ。
福知山線や山陰本線は頻繁に乗っていたのだが。
思えば、私の興味はローカル客車鈍行に乗ることやSLであって、温泉ではなかったからだ。
その当時は長距離鈍行が多く走っており、夜行もあったので、
お金の無い小学生や中学生、高校生は宿泊などできるはずもなく、夜は列車で過ごしたのだ。
夜汽車の風情も捨てがたいものがあったし。
日本中のローカル線に子供達がウロウロしていた。
SLブームであり、世の中の治安も良かった。
駅で一夜を過ごす少年も多かったし、駅前の駐在所の警官も
補導するのではなく、町で一番安い民宿まで連れて行ってくれた。
携帯電話が無い時代に親がそんな子供の行動を許すような平和な
時代だったのだ。

私よりすこしだけ年齢が上の方が先日出した本「編集長敬白」名取紀之(著)にも
そんな少年時代の乗り歩きの日記が詳細に書かれていてたいへん面白かった。
夜行急行で往ったり来たりしながら夜を過ごし、食べたパンやラーメンの値段まで書かれている。
広い北海道で、何回も同じ少年に出会っては別れて、お互いに蒸気機関車の勇姿を追い求めている。
そんな行動がリアルに語られていて面白く、自分のことも思い出された。


編集長敬白
名取 紀之
ネコ・パブリッシング

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乗車した特急北近畿。
指定席4輌、自由席2輌だが、指定席はガラガラだ。



福知山線、山陰本線は近年、直流電化されたが、乗った車輌は交直両用の485系改造車だった。

私が子供の頃の福知山線はDD54が牽く客車列車が2時間に一本程度走るローカル線だったが、田んぼと川しかなかった風景はマンションや新しい住宅が立ち並ぶベッドタウンに変貌していた。
大脱線事故の記憶も生々しい。



「北近畿ビッグXネットワーク」
福知山駅をジャンクションとして、JR福知山線、山陰本線、北近畿タンゴ鉄道が四方に伸びるように特急が直通しているネットワークのことだ。
ビッグXは私が子供の頃のTVアニメだ。



宝塚を過ぎると、風景は一変する。
渓谷沿いに進む風景はむかしと変わらない。
この先、三田がニュータウン化した以外はむかしのままだ。



福知山駅の変貌ぶりに驚いた。
典型的な国鉄の駅だったのだが、最新の高架駅になっていた。
ちょっとショックだった。
福知山に高架は似合わない気がするのだ。(失礼)

ビッグXネットワークのため、京都等の他方からの特急と接続するようになっている。
ところが京都方面は激しい雷雨で、接続の特急が大幅に遅れている。
そのため、我々の北近畿も様子を見ながらの長時間の停車となった。



列車は福知山から山陰線に入る。
和田山駅は播但線との接続駅。
写真は有名だったSLの機関庫だ。
まだ残されていたことに感動した。
播但線は山越えが多く、三重連もあったしC57で有名な線だったのだ。



和田山の先から急激に天気が悪化した。
あちこちで雷鳴が轟き、豪雨となった。
途端に単線での擦れ違い駅の長い停車が頻発し、
あっという間に1時間近い遅れとなった。
何も無い信号所での擦れ違いもあり、何だか閉じ込められたような状況になった。

写真には落雷した瞬間の火の玉が写っている。



終点の城崎温泉には1時間弱の遅れで到着。
すぐに折り返しで新大阪に向かって出発していった。



到着した時には雨が上がってほっとした。
城崎温泉駅前の風景だ。

1300年の歴史を誇る著名な温泉街なのだが、繁華街や歓楽街の無い、
静かな温泉街である。
かつて文人が好んで訪れたという歴史に恥じない風情を保っている。

来て良かったと駅前を見ただけで思えた。


SONY α100、AF17-35mm/F2.8-4.0、タムロンA09


コメント (4)
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