おれはここで生きている

■味乃家 魚野川■新潟県魚沼市下島70-1 定休日 水曜日
死ぬまで生きる のらりくらりのなんでもありのガクさん

雪中貯蔵大根

2007-01-29 08:09:02 | Weblog
不安なほど雪の降らない冬が続き安く買った大根の雪中貯蔵の雪が無くなりそうだ。
いつもは厄介な雪も消えてしまえば大根が露出して今度気温が下がったとき凍結してしまう。
貯蔵場の近くに独活畑があるがあまりにも小雪でまだ枯れた独活の木がひょい、ひょいと畑の中に立っている。
そのうちに埋もれて折れてしまうと見ていたがどうも今年はそのまま行きそうな気配。
長年やってきたリズムを断ち切れず、そしてこのままでは済まなくその内にどかーんと災害か異常気象が襲ってくるのかもしれない不安が心のかせになっているのか、時間があるような気がするが何も始められないでいる。
昨日荒川の川漁師から寒鮒が31キロ送られてきた。
去年はたいした料理も出来ず、フナ寿司に挑戦したが途中でだめにしてしまった。
今年は素焼きにして甘露煮にし酒のつまみや蕎麦のお供に、そして真空にしてお土産に売ってみようと考えている。
荒川は去年日本で一番綺麗な川に選ばれた川で飯豊山から流れ出る清冽な水は素晴らしい川魚を育てている。
でも食文化が変わり川魚の鮎さえ食べる人がいなくなってしまった。
そんな時代に寒鮒の甘露煮など喜ばれないことはわかっているけど、フナに対する思い入れがどうしてもやらせてしまうのかもしれない。
35年前親方の所に住み込みで就職した。
お客さんの中で栄屋さんと言う燃料やさんがいて燃料の卸もしていたので毎日会った。
戦争中は憲兵総長をやっていてたまに店に行くと英字新聞など広げて読んでいた。
親方の話ではそれぐらいの役職の人は戦犯で死刑になった人がいたが彼は裁判で彼の取調べを受けたアメリカ兵の嘆願で無罪になったと話してくれた。
いつも穏やかで奥さんは赤坂の売れっ子芸者だったそうだ。
そのうちに釣りの話になったとき親方がこいつは釣りきちで新潟の釣り堀にささっていたのを釣り上げてきたのだといった。
榮屋さんも暇さえあれば釣りをやり息子さんものめりこんでいた。
夏は海に行くけどフナやオイカワなどもやっていた。
誘われたので水郷のフナ釣りについていった。
土のにおい水面の光のざわめき、夢中でフナを釣った。
20人いた釣り会の人たちは始めは親切に手にとって教えてくれたけど、三番目の釣果に次の釣り会にはライバルと見なされ何も教えてくれなくなった。
ある時目黒区のフナ釣り大会が行われ、大型バス50台の規模で参加者1800人だった。
そのとき榮屋さんと一緒に同じ場所をつった。
一時終了後検量とあったが当日は寒くてフナの追いも無くあまりつれなかったので11時前にやめ二人で熱燗とお昼を食べてから検量に行った。
そしたらほかの人たちも釣れてなかったので、僕が4位榮屋さんが3位だった。
もう少しやっていればもっと上位に行ったのに。
そんな思い出や山竹を切って釣竿にしてフナ釣りをして釣ったフナを焼いて煮てくれた父の姿などをいつもフナを見ると思い出す。
フナの思い出が薄れ掛けた頃星野さんとであった。
大沢川のフナつり子供みたいに狂喜する星野さん。
今日も来てくれたけど、予約でたいした話が出来なかった。
荒川のフナの甘露煮でまたフナつりの話と一杯やりたかったのに。

コメント
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