先日のブログで泉の森での中学校陸上部のクロスカントリー開催にはあまり賛成でない旨のことを書いたのですが、今日はその理由や大会を安全に行うための対策案などを述べたいと思います。
泉の森(住所:大和市上草柳字篠山1878外)は引地川の源である大和水源地を中心に広がる、大和市の自然の核として位置づけられている総面積約42ヘクタールの森で、約600種類の植物や年間約80種類の鳥類を観ることができる自然の森です。湿生植物園や自然観察センター、しらかしのいえ、またキャンプ場などの施設も充実しており、管理運営は公益財団法人大和スポーツ・よか・みどり財団が行っています。
この泉の森には多くの市民や近隣の人たちが散策に訪れており、また自然の中で走ることが出来る数少ない公園の一つなので多くのランナー、ジョガーも訪れて自然を楽しんでいます。また11月上旬には市内小学生を対象にしたクロスカントリー大会も大和スポーツ・よか・みどり財団の主催で行われています。
さて、私もこの泉の森で年間200日以上は走ることを楽しんでいるのですが、しかしこの公園はランニングを楽しむための専用の公園ではありません。あくまでも市民が野鳥や植物など自然と触れ合うための公園です。また公園内散策道は一般の来園者と同時にランナーが行きかうことが出来るほどの道幅はありません。狭い所では1人ずつがすれ違うだけで精一杯の場所もあるのです。園内を散策している人たちは5,6人のグループもいれば犬を連れての散歩を楽しんでいる人もいて、犬を繋いでいるリードが長く延びている場合もあります。またお年寄りの方々も多いこともあって、園内でランニングあるいはジョギングを楽しむ場合は一般の方々に対しての十分な注意が必要なのです。実際私も前方に5,6名のグループが道いっぱいに広がって歩いて来る、あるいは私が追い抜くような場面に何度も遭遇していますが、そのつど「すいません、右端通りまーす!」とかその時どきの状況を見て声を掛けることもしばしばです。単独でランニングやジョギングを楽しむ場合はそれなりの注意をすることで一般の散策者とのトラブルはないと思いますし、実際にランニングが禁止になっている訳ではありません。
しかし中学生が集団でそれも皆が全力で走ることを競う大会を行うとなれば話が別なのです。私が危惧しているのは大会を行うに当たっての安全面での配慮がなされていないこと、これに尽きます。
園内の地図です。黒線を引いてあるのが中学校陸上部が行うクロスカントリー大会のコースで、1周約1.5km弱です。このコース上では何箇所かで前方が見通せない場所があります。個人でランニングあるいはジョギングを楽しんでいる人たちでもこの箇所は危険に感じていることと思います。ですからここを通過する際には出来るだけ早く前方が見えるように外側を走り、尚且つスピードも緩めて走っています。万一前方からの散策者と出会い頭に正面からぶつかってしまったら双方が大怪我をしてしまうことでしょう。
写真は、公園西側、大和斎場のある入り口から入ると最初の十字路を右に曲がって100mほど進んだ地点にあるカーブです。右側がコンクリートの壁が続きこの先が見えません。右に曲がると更にカーブが続きます。そのカーブの先もまた前方から来る人を事前に確認することが出来ないのです。
また、この先50mほど前方から下り坂に入りますが、下り坂のカーブでも前方を確認出来ない所があります。これらの場所では全力で走る様なことはできません。
コース上の危険な場所以外での安全確保をしなければならないことの一つとして、園内に設置された自動販売機への商品補充業務に係る大型車両の進入があります。
去年10月に引地台公園で行われた大和市中学校駅伝大会の時の出来事ですが、園内の自動販売機の商品補充のために飲料メーカーの車がスタート直前にコースに侵入してきてコースを塞ぐようなことになってしまってビックリしたことがあったのです。この時はたまたまその場に私がいたので、車の運転手に事情を説明して子供たちの走行の邪魔にならない場所に移動してもらい事なきを得たのでした。
この時私とドライバーの会話の中で、「事前に連絡をしてもらえば納品日を変更したのに」と言うドライバーの意見がありました。商品を搬入するドライバーの方々も何も連絡を受けていなくて、いざ現地に行ってみたら大会が開催されていて子供たちが走り回っていたのでは怖くておちおち作業ができませんよね。大会を運営するに当たっては当事者が事前に業者の方々に連絡をすることが礼儀だと思いますし、当然の責任だと考えます。そして搬入スケジュールを変更してもらえれば子供たちも安心して走りに集中することが出来ますし、業者の方々にしても大会が開催されていない日であれば安心して仕事が出来るのです。引地台公園を使用した大和市中学校の大会運営ではこの公園は普段通りのままで大会が開催されており、大会開催中の自販機関係の営業車の進入を別の日にしてもらうとかの特別な配慮というのは成されていませんでした。
今回中止となった泉の森でのクロスカントリー大会においても自販機の補充業務に関しては学校側の運営責任者は何も行動を起こしておりません。商品搬入のための大型車が進入してくるとコース上をあらかた塞いでしまいます。
そして今回はもう1件別の問題もあったのです。それは泉の森の中央を高架で南北に貫く国道246号線の高架橋の補強工事が行われていたのです。そしてクロスカントリーのコース上では2箇所でその工事による影響が考えられました。
1つは売店とトイレの先の高架下(上の地図の246号と交差している2箇所の内、上の部分に当たります)です。この場所はクロスカントリーのコースに当たるところですが、高架下に重機搬入のためのトラックが出入りしているのです。
そしてもう一箇所が左の写真の箇所です。(地図の246号と交差している下の部分です。)ここもコース上なのですが、この狭いトンネルの様な場所に櫓を組んだり、脚立を立てての作業が行われる日もあるのです。こんな狭い場所に脚立を立てられたら子供たちが走って通り抜けるのはとても危険な状況です。
大会1週間前に南中陸上部が泉の森で練習を行った際に陸上部の顧問の先生に尋ねたところ今回の泉の森を使用するに当たっても高架橋の工事関係者と事前の打ち合わせはしていない様子でした。そこで私が直接工事現場の責任者の方にお会いして翌週に大会が有ることをお話して当日どの様な作業が行われるのかを尋ねました。すると「大会が行われるのであれば午前中は工事車輌の出入りをしないように、また道を塞いでしまう様な脚立を立てての作業も控えます。」と仰っていただいたのでした。また大会が開催されるということは初めて聞いたそうで中学校の大会運営責任者からの事前連絡はなかったそうです。
このことがあって、責任者が何もしていないことが判明したため、私は自販機の商品搬入を行っている会社3社に連絡を取りました。連絡先は自販機に明記されていますので、そこに書かれている自販機番号と共に、翌週に大会があって危険なため出来ることであれば搬入作業のスケジュールを調整して欲しいとお願いしたのでした。3社の内1社は当日の作業がないとのことでした。残り2社は当日の作業があるそうですが、両社共快く作業日の変更をしてくださいました。やはり彼らにとっても子供たちが走っている最中の作業では不安を感じるのでしょう。事前に連絡してくれたことに対してとても喜んでくれたという風でした。
この様にして営業者の侵入をご遠慮願っても一般車輌の進入を止めることまでは出来ません。上の地図の茶色の線で描いた距離にしてほんの100m程度の場所ですが、ここは脇に駐車場がある関係で一般の車の出入りがあって、コース上を車が通行する危険な場所です。よって大会開催中は十分な注意が必要なのです。
泉の森を紹介した文章の中で、11月上旬に小学生達のクロスカントリー大会が開催されると書きましたが、この大会では主催者がかなりの人数を割いて安全対策が行われています。また1週間程度前からでしょうか、大会が開催される旨の立て看板を何箇所かに立て、事前に来園者に告知をしております。また中学生と比べると小学生の体格は小柄なことは歴然ですし、走力についても中学生のそれとは比べ物になりません。ですから彼ら小学生が走ることで生じる危険度と中学生のそれとは大きな違いがあります。逆に言いますと、小学生の大会でもここまでやっているのに、何で中学生の大会では成されていないのかが不思議でなりません。キツイことを言わせていただけば中学校の責任者は大会を運営するにあたっての安全面での配慮に無頓着過ぎて恐ろしいと言わざるを得ません。
打つべき手立てはいくらでもあります。来年1月にまた中学校陸上部のクロスカントリー大会が予定されるのでしょうが、その際には下記安全策を検討されますことを切に望むものであります。
1.万一また園内での工事が有る場合は事前にその作業を確認し、今回していただいた様に出来ることであれば車輌の進入や工事作業の中断をお願いしてください。
2.自販機の関係会社へ連絡し商品搬入スケジュールを調整してもらってください。
3.1週間程度前から立て看板等で事前の告知をし、来園者へのご理解を得る努力をしてください。
4.コース上の危険箇所についての危険回避策を考えてください。上記に述べた前方が見え辛い箇所ではその箇所10m程度でしょうか、コース脇に当日だけの避難コースを設置し(木々の中を進むことになりますが、人一人が通るスペースは十分にあると思います)、散策する方々と交錯しない様にすることも可能ではないでしょうか。
5.車輌が通行する場所、また上記4.などの危険箇所には適切な人数の係りを立たせ安全確保をしてください。これらは父兄などに声をかけることで協力してくれる方を募りましょう。
6.一部来園者の中にはかなりの年配の方が両手に杖を持って、それも左右かなりの幅に広げた状態で杖を突き森の散策を楽しまれています。この様な方には安全対策として前後に一緒に歩く係りを配置しくれぐれも子供たちと交錯しないような特別な配慮をしてください。
また中学校の大会運営者の方と話をした中で、公園管理者に使用許可を得たと言っておりましたが、公園管理者が上記の様な安全対策を取ってくれる訳ではありません。公園を使用するに当たっての当事者が受益者負担する事柄であると考えます。
過去に事故がなかったからと言って現状を放置することはできません。また中学生の部員達がこれらの安全対策を自分達の手で行うことは出来ません。運営責任者や父兄、大人があくまでも準備し安全を子供たちに与えるべきです。万一来園者と中学生が交錯してしまい大怪我をした場合の責任は子供たちにはありません。全て運営に係った大人の責任です。
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