大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道42

2008-04-18 19:13:35 | E,霧の狐道
 俺は校長の話を聞いている振りをした。
聞いている振りがバレないように、時々、ウンウンと相槌を打つ。

“ これで、完璧だ・・・。”

でも、予想よりも校長の話は長かった。

“ 長い・・・・。”

 俺は欠伸を噛み殺した。
今も、校長の話は続いている。

“ 参ったなァ~。”

 校長は、昔の自慢話を絶好調にベラベラ話している。
そして、俺の顔を見ながら、話し過ぎて喉が渇いたのか、右手で湯飲みを取ろうとした。
俺は校長の顔は見飽きたので、テーブルの湯飲みに眼を落とした。

“ スッ!”

湯飲みは少しだけ右に移動した。

“ ん・・・。
 誰も触っていないのに、湯飲みが勝手に動いたぞ?”

校長の右手は湯飲みの元あった場所を掴んだ。
でも、湯飲みは、もうそこには無かった。

「 あらっ・・・?」

 校長は、テーブルを見た。
そして、湯飲みが掴んだ位置より左にあることに気が付いた。

「 あ、ちょっと、違う所を掴んだな、ハハハ・・・。」



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