
コロンバノ楽器博物館に出かけた。

ここは16世紀ころから聖コロンバノ祈祷書所という教会の建物だった。

従って、壁にフレスコ画が描かれているなど、あまりミュージアム的な外観ではなく、見逃すところだった。
まだ閉鎖中だったので少し周辺を散歩した後、改めて来てみると、学芸員の方が手招きして中に案内してくれた。

入ってみてまずびっくりしたのは、数世紀前のチェンバロ、ピアノなどの古楽器が所狭しと陳列されていること。

それも、ピアノの翼面にカラフルな絵が描かれている。

まるで古きイタリアの風景が音楽を伴って見えてくるような錯覚にとらわれてしまう。

絵のテーマはローマやその郊外の風景が多いという。

さらに、建物も教会の面影を残して優美だ。

こんな風にピアノの側面一杯に広がる絵もあった。

そしてさらに驚くのは、上階に上ると部屋の壁面を埋め尽くすようにフレスコ画の世界が広がること。

最上階の部屋は完全に360度のフレスコ画。

1600年ころに描かれ始めた絵だが、最近になって建物修理の際次々とこれらの絵が発見されたという。

作者もドメニキーノ、グイド・レーニなど著名な人たちが参加しているとのことだ。

ちょうど演奏者が、夜のコンサートに備えて準備を始めたところ。ちょっとだけ古楽器の音色を聞くことが出来た。