新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ストラスブール大聖堂② 「愚かな乙女たち」のほうが断然魅力的に見えてしまった扉口の群像

2019-01-09 | フランス・ストラスブール
 「石の奇跡」とも称されるストラスブール大聖堂の外壁にある彫像群から見て行こう。

 大聖堂の周りにはクリスマス市が開かれて賑やかだ。

 正面入り口付近にもたくさんの人だかりが出来ていた。

 まずは西正面扉口。ここには3つの扉口があるが、うち一番右の扉口には、左右の側壁に4像ずつの像が並んでいる。

 左の側壁を見てみよう。左端には「誘惑」の象徴像で、隣の3体が「愚かな乙女たち」。リンゴを持つ男の誘惑に負けて堕落の道に落ちてしまうという乙女たちの表現だ。
 体をそらしたり、興味深げに眺めたりの乙女たち。その大胆とも思える姿勢が面白い。

 一方、右の側壁はイエスと「賢き乙女たち」。こちらの乙女たちは正しい道を照らすランプをしっかり掲げて進む道を確認している。
 対照的な2つの群像。でも、個人的には自由でおおらかな姿勢、姿の乙女たちに魅力を感じてしまう。(そんな具合だと、最後の審判で地獄に落とされてしまうのかも・・・)

 中央扉口のタンパンには、最後の晩餐、復活などキリストの生涯が描かれる。

 また、その上の三角形の破風スペース最上段には聖母マリアが座り、その下にソロモン像。階段状のところには12匹の獅子が置かれている。

 バラ窓は直径13mと大きく丸くファザード中央にどんと位置している。中に入ってその色彩に接するのが楽しみになってくる。

 中央扉口の聖母子像は近代に造られたもののようだ。

 左手扉口にも彫像がずらりと並ぶ。

 南側に回って袖廊にある扉口には、私が最も見たかった「目隠しをされた女性(シナゴーグ)と十字架を持つエクレシアの像があるのだが、この時は南袖廊(写真の右側部分)修復作業の真っ最中で封鎖されていた。残念!
 ただ、壁面にあるのはレプリカで、オリジナルは博物館に収蔵されているとの事。改めて博物館でお目にかかることにしよう。

コメント
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