カトリックの教会で必ずと言っていいほど見かけるのは、ピエタ像だ。十字架にかけられたキリストの遺体を前に、悲しみにくれる人々の姿を捉えた像だ。ここにもピエタ像があった。
ただ、この像の異なった点は、死せるキリストの下に聖人像があること。書簡を開いているのは、キリストの死後その教えを広めた福音書記者を想定しているのだろうか。
もう1つのピエタ像。これはまさに十字架からキリストが下ろされる場面を再現したものだ。
一方、こちらは十字架にかけられている場面。976年に大司教ゲロから寄贈された木製の像で187cmと大きく、十字架のキリスト像としては現存するヨーロッパ最古のものと言われる。従ってこれも大聖堂にある聖遺物の1つとなっている。
左側廊を歩いていると、中ほどに変わった雰囲気の絵を見つけた。ゲロの十字架像に比べると圧倒的に現代的なイラストだ。そんな絵が何枚か並んでいた。
天を仰ぎ見るキリスト。
こちらは聖母マリアだろうか。
サンタクロース?
なんか、緊張度の高い作品ばかりがずらりと揃った堂内だが、この一角だけは肩の力を抜いて気持ちの和む感じで歩けた場所だった。