アルプス山脈のふもとの都市・トリノはいくつもの国に分かれていたイタリアが現在のような統一国家になった1861年、最初に首都となった歴史ある都市だ。リソルジメントと呼ばれるイタリア統一運動の中心的な地域となり、その実現をもたらした。
そんな活動家たちが集まり、熱い論議を戦わせた場所の1つが「カフェ。トリノ」。市の中心部サン・カルロ広場にあり、今でもスタイリッシュな内装が施されている。
中でも目を引くのがこの階段。華やかな装飾に包まれて、周囲で語らう客たちを優しく見下ろすかのように存在している。翻る風を思わせる優しいカーブの様は、ビターなエスプレッソの香りを一層味わい深くさせるものだった。
トリノの中心は王宮。イタリア統一の宣言が行われた場所。夜、ライトアップされた広場から建物の両側に立ち上がる騎馬像の姿がクローズアップされて美しかった。
トリノはまた、イタリアにおける無声映画の発祥の地。映画博物館もある。その博物館は、高さ167mの塔モーレ・アントネッリアーナの中に入っている。
そこには映画のセットの再現や名優たちの写真など様々な映画関係資料が収集されていた。その中の1枚、「カサブランカ」のポスター。ハンフリー・ボガードがイングリッド・バーグマンに発した「君の瞳に乾杯!」は、今でも繰り返される名言だ。(私もかつて借用した記憶がある)
最後に、ちょうど行われていた街並みのイルミネーションをどうぞ。