新イタリアの誘惑

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南仏・コートダジュールへ⑪ 南仏のシャガール上 ヴァンスの町で大聖堂のモザイク画を発見

2021-12-25 | 南仏・コートダジュール

 温暖な気候と美しい風景に恵まれたこの地には多数の芸術家が訪れ、またこの地に住まいを定めて作品を生み出した。マティス、シャガール、デュフィ、ロレンス・・・。

 そんな地域を、芸術家の足跡を軸にして歩いてみた。まずはマルク・シャガール。

 シャガールは故郷のロシアからパリに出て才能を発揮、制作活動を続けていたが、第二次世界大戦の際ユダヤ人であることから迫害を受けてアメリカに亡命した。

 終戦後フランスに戻った後はコートダジュールに移って第2の人生を歩んだ。1949年にヴァンスに住居を構え、1966年にはサンポール・ド・ヴァンスに移転した。その間聖書のメッセージを作品化し、ステンドグラスの製作を開始するなど新境地の秀作を世に送り出し、1985年、この地で人生を終えることになる。

 そんな後半生を過ごしたコートダジュールで、シャガールの足跡をたどった。

 まずはヴァンスへ。山岳に連なる家々の町へはバスで。ニースのバスターミナルから400番の路線に乗り込んだ。

 車内からは雪をかぶった山々が間近に見える。

 旧市街入り口で下車した。グランシャルダン広場が街の玄関口だ。城門をくぐると13世紀から続く古い町並みが見えて来る。

 石畳の通りに入る。ちょっと趣のある風景だ。

 人通りは少ないが、所々で立ち話をする町の人達にも出会った。

 町の中心、大聖堂の入口に着いた。入口のタンパンには金色の女神像が立っている。

 中に、シャガールのモザイク画「モーゼの発見」が掲げてあった。貴重な作品だが、特に見学者もなくひっそりと置かれてあった。まずはシャガールの作品発見第1号だ。

 同時にキリスト磔刑像も。シャガールはこの地で11年間を過ごした。この後マチスの礼拝堂に向かい1つのアクシデントに見舞われたのだが、この件はマチスの項でアップすることにする。

 町の端からは微かにもやの掛かる山並みが見渡せる。高い丘に孤立した集落が点在するこの周辺が「鷲の巣村」と呼ばれる地区だ。

 

 

 

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