オストゥーニもまた南イタリアの「白い街」の1つだ。丘の中央にドゥオモがあり、周囲に住宅が広がる。ただ、高低差が大きいためどこに行くにも階段の世話にならなければならない。
この階段などは、どこまでも登ってゆくような錯覚を覚えるほど厳しい表情を持った階段だ。
岩をくりぬいた場所もあるので、トンネルと階段がセットになった所も何か所か見かけた。
一方、不愛想さをカバーしようと、階段途中に花の鉢を置いているところにも出会った。こんな気遣いにはホッと心が休まる。
この地域は車も通れるように、道路の中央は坂道のままにして、両脇に階段を設けていた。確かに全部階段だと車が通れないものね。
とにかく階段だらけの町だ。
ドゥオモにも外階段が設置されていた。あれ、でもここは上り切った場所が壁で塞がれている。どうして?
こんな風に町を歩いているうちは全体像が全く分からなかったが、帰りがけにちょっと離れた高台に来てみると、見事な全体像がライトアップされて浮かび上がった。こんなサプライズも、旅人にとってはこの上もなくうれしい体験になった。