「天空しなと屋 しん」(東京都)
やんちゃ坊主が 走ってく
この界隈に 夕日が落ちる
赤んぼ抱いた婦人が せわしなく
洗濯物を 取り囲んで
子供は好きよ といった君の
優しさが 揺れています
ああ 久しぶりの
夕陽が きれいです
君はボクのものだよと
ちいさい電球 だけにして
決められた日課 みたいに
口づけすると また泣いた
部屋は狭くて 暮らしにくいけど
お金を一杯 ためましょうね
ああ ボクがかんだ
腕の傷跡 いたくなれ
さびしそうねと ボクに言ったあとの
君の方が さびしそうです
ああ ほんとに久しぶりの
夕焼けが 赤々と
(天野 滋)