ドイツ連邦議会議事堂は、当初ドイツ帝国が誕生した1894年に創設された。日本でいう国会議事堂だ。
ただ、この議事堂は不幸な歴史を背負っている。1933年、ヒトラー政権が樹立されたその年に、放火によって被災した。ヒトラー政権はこれを「反対勢力による仕業」との宣伝活動と共に超法規的な権限を持つ緊急命令を発令し、強圧支配を加速して戦争に突入して行った。
ようやく不幸な第二次世界大戦が終結すると、議事堂の運命も翻弄される。ドイツは分割され西ドイツの首都はボンに移された。首都でなくなったベルリンには議事堂の存在価値はない。建物は放置状態になってしまった。
それが1989年、ベルリンの壁が崩壊し、再びベルリンが統一ドイツの首都に返り咲いて、議事堂が再び脚光を浴びることになる。
議事堂は本来の役割を通り戻し、大規模な改修が行われて今日の姿になった。
特に大きな変化は、屋上部にガラス製のドーム屋根が設置されたこと。国民に開放されるスペースとなり、外国人でもネット予約さえすれば無料で入ることが出来る。
エレベーターでドーム屋根の空間に行くと、中心部には逆円錐形の柱がそびえる。まるで宇宙に飛び立つロケットのようなガラスの柱だ。
半円の外周に沿ってスロープのような階段が螺旋形に取り巻く。
その階段をゆっくりと上り、円の頂上まで行くことが出来る。
屋上広場に出れば、ガラスドーム全体を眺めることも出来る。
上から見下ろす光景も超モダンだ。この「芯」の部分から下にある議場に光が降り注ぎ、明るい空間での審議が行われるようになっているのだという。
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