今回からヨーロッパの階段のうち、スペイン編に入ります。まずはガウディ作品から。
バルセロナはアントニ・ガウディの作品があふれている。中でもサグラダ・ファミリアが有名だが、ここでは個人的に大好きなカサバトリョの階段を紹介しよう。
この建物は、正確にはガウディが建てたものではない。元々は別の建築家が設計したものだったが、改修を依頼されたガウディが、ほぼ全面的にリニューアルして全く別の建物にしてしまった。
正面、外観は海のうねり、内部は海底をイメージしたとされ、波打つ光が反射するファザードはまさに海を思わせる。中に入ろう。
エントランスホールの階段は衝撃的。急角度に上昇する手すりが、見るものを釘付けにする。
アップすると、まるでドラゴンの脊椎のように固く光る木製の階段だ。
階段脇にさりげなく置かれた装飾物。昆虫を思わせる不思議な形状。
上った階にあるメインのサロンは、深海から空を見上げているような異次元空間の雰囲気に満たされている。
窓に取り付けられたステンドグラスも、まさに水泡のようにぷっくり。
壁面には、果てしなく円の世界が広がる。
そして天井は境目のないおぼろげ状態の空間が覆う。
さらに上の階へ。階段の曲線がまた優雅だ。この上にも各所にガウディの魔術が展開される。
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