エッフェル塔の東側にあるラップ通りに 何とも奇妙な装飾の建築がある
名前はラヴィット邸
建築家ジュール・ラヴィットと 陶芸家アレクサンドル・ビゴのコンビが完成させたものだ
正面入口の扉に周りは 明らかに過剰と思える装飾で埋め尽くされている
中央上部に据えられた女性像は 見るからに憂鬱そう
その上方には左にイヴ右にアダムと 人類の創世を象徴する二人
ファザードは石材 鉄 木材 ガラスなど 様々な素材を組み合わせた模様が広がり
扉にはクジャクやトカゲなどが 奇妙に徘徊している
この20世紀初頭のアール・ヌーヴォー建築は ただ独特という表現では捉え切れない異彩を放つ
1905年のパリ市ファザードコンクールで入賞し 現在は歴史的建造物に指定されている
パリはこれまでも他国の無名芸術家の卵を 多数受け入れてきた
そして彼らにエッフェル塔建築を許し ルーブルの庭にピラミッドを造らせた
パリという都市が いかなる表現をも飲み込んで
自らの栄養にしてしまうという 異次元の懐を持つことが
この建築の例を見ても はっきりとわかるような気がする
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます