サンマルコ広場に夕暮れが近づいてきた。ライオン像を載せた円柱と鐘楼が背比べをしている。
その鐘楼の横に出ている月はちょうど半月。
まだ、マッジョーレ教会側の空は明るいが、ゴンドラの影が長くなってきた。
西の空に夕陽が沈んでゆく。
鐘楼の存在感が、さらに増してくる。
旗を掲げるポールの先の像が、雲をバックにシルエットを描く。
聖堂のサンマルコ像が、夕闇の青空に包まれ始めた。
中空の月が輝きを増してくる。
広場横の行政館に照明が入り、一気に華やかさを纏う。
街灯の明かりが強くなった。対岸のマッジョーレ教会は闇に沈もうとしている。
その教会と、彼方に広がる船誘導用のランプが、海面に光の円を描いて浮かび上がった。
サンマルコ大聖堂は、黄金の輝きでヴェネツィアの夜を支配し続けている。
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