新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・西日本 大阪編③ 異次元空間に引き込まれそうな、メカニカルな階段。その下には少女の彫像が・・。

2021-06-12 | 階段紀行・西日本 

 これは一体なんだ!

一瞬、宇宙空間に打ち上げる最新スペースシャトルの内部ではないか‥と思わせるようなメカニカルな光景。

 しかし、これは間違いなく階段。上方の光に照らされて、階段の螺旋部分が回転している形だ。 ここは阪急梅田駅から10分ほど東に歩いた場所にある15階建てのテナントビルにある螺旋階段。

 横に目を移すと、手すりが見事な曲線を描く。

 その一段一段がゆったりとアールを形成して行く。

 フラッシュを使って見ると、手すりの曲線がはっきりと認識できる。

 でもやっぱりノーフラッシュの方がこの階段の奥深さを一層強く受け止めることが出来るように思う。

 上の階から見下ろすと、人の像が黒い塊となって見える。

 これは佐藤忠良作の彫像「マント」。元々忠良作品は好きなので、思いがけない場所で出会えたことにも感謝だった。

 そのビルに行く途中で見かけたのは、階段がとても目立つビル。

 まるで階段を見せるために建てたのかと思ってしまった。もちろんこっちの勝手な思い込みですが・・・。

 

 

 

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階段紀行・西日本 大阪編② 夢への導入路!?ドラマチックな演劇の舞台!? 華やかでユニークな2つの階段

2021-06-08 | 階段紀行・西日本 

 2017年に大阪の中心部に開業したコンラッドホテル。その38階から39階にかけて設けられたのが、この階段。まるでひるがえる白いリボンの軌跡のように、ふんわりと円を描いた形は、さすが高級ホテルのエントランス、と感心する。

 絶妙なカーブの具合がすばらしく、見とれてしまう。

 外観は白一色だが、階段そのものは淡いブラウンに模様が入っていてスタイリッシュ。

 階段に足を踏み入れる前にいったん立ち止まって眺めると、側面の壁が高くなっていて包み込まれるよう。

 38階は広いロビーとなっている。都心に建つ高さ200mもの御超高層ビルだけに、眼下には大阪都心部ビル群の風景が広がる。

「夢への導入路」といった言葉が思い浮かんだ。

 同じエリア内にある大阪ファスティバルホールは、1958年に完成したコンサートホールが2012年に二代目のホールとしてリニューアルされたものだ。正面エントランスを入ると、高級感あふれる赤い空間が待っている。

 広い広い階段。一段ごとに金の枠で縁どられた段が広がり、奥行きも実際以上に深く感じられる。

 まるでこの階段そのものが、ドラマチックな演劇が展開される場所ではないか、と勘違いしてしまいそうなゴージャスさだ。

 両側は特製レンガで囲まれており、一層の豪華さを思わせるのに一役買っている。

 少し暗めの照明に浮かび上がるレッドカーペットのイメージ。見逃せない大階段だ。

 

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階段紀行・西日本 大阪編① 中之島図書館 府民が自由に上り下りできる国重要文化財の階段

2021-06-05 | 階段紀行・西日本 

 今回からは西日本を見て行こう。ただ、私の住まいは神奈川県なので、西の地方の資料は少ないことをご了承ください。

 まず最初は大阪府立中之島図書館。正面を眺めると、三角形の切妻屋根にコリント式の列柱が並ぶ。ギリシャ神殿のようにも見える。でも上方にはドームがあり全体のたたずまいはヴェネツィアの教会や別荘に残るアンドレオ・パラーディオの建築にも似た様式だ。

 堂々たる建築の中に入ると、豪華な階段が姿を現す。

 両側を縁どる手すりはチーク材が使われており、階段の中央付近で幅が狭まり、上下に広がるようなイメージの形だ。それが一層階段全体のスケール感のある変化を強調してる。

 上階から見下ろすと、木製の手すりが弧を描いて下の階に滑り落ちて行く。

 光は天井ドームからのみ差し込む。このドームには大阪では最古級のステンドグラスがはめ込まれているという。

 野口孫市の設計で1904年開館。1世紀を経過しても決して古めかしい印象はなく、かえってモダンな形態にさえ思われる。

 この角度から見ると、直線とカーブが交差するスリリングな姿が目に入る。今でも府民の図書館として普通に使われているのは、何ともうれしい。

 改めて正面から眺めると、フィレンツェにあるミケランジェロ設計の階段にもよく似ているような気がする。

 

 

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階段紀行・ヨーロッパ クロアチア編② ドブロヴニクの夜の階段は、神殿に通じる聖なる階段のように輝いていた

2021-06-01 | 階段紀行・ヨーロッパ 

ドブロヴニクでの宿は民宿を探した。聖イグナチオ教会の敷地内にある民宿に飛び込みで入り、予約できた。

 

 教会に通じる階段は、大きく勾配も急で、昇るのに一苦労。私の前に買い物の荷物を下げて歩く家族連れがいたが、さすがに途中で休憩を取ってから昇っていた。

 この階段は。夜になるとライトアップされていた。まるで神殿に通じる聖なる階段のようにも見えてきた。

 宿と市街地との通行ルートなので、毎日何度もここを通ったが、ある夜の帰り道、この階段でネコと戯れる女の子たちに出会った。純真無垢、まるで天使に遭遇したような気分だった。

 階段下の広場は朝市の会場。新鮮な野菜や果物が盛り沢山で売られており、私もバナナやオレンジなどを何回も購入した。

 大通りはいつでも人で大混雑状態。

 このピッカピカの道路が無人の状態で輝くところを見たい、と思い立った。それで、夜明け前の午前3時過ぎ、ベッドを抜け出して大通りに向かった。そしてみたのがこの光景。

 まるで道路全体が光を発しているかのような黄金世界を、独占することが出来た。

 帰りはアドリア海を横断してイタリア南部の町バーリの港へ。約12時間の長い航海だ。昼の時間帯は、甲板で日焼けに励む人たちで大賑わい。

 海に没して行く夕陽も見る事が出来た。

 

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