階段紀行シリーズも今回からは横浜編をお届けします。
横浜市開港記念会館は、横浜開港50周年を記念して資金を市民に募り、コンペ形式で設計を公募して1918年に開館した。赤いレンガに花崗岩のアクセントが付いて美しい外観だ。
みなと大通りの角に立ち、時計塔は「ジャック」の愛称で市民に親しまれている。
中に入ると、アールデコの階段がどっしりと構える。
斜め左側の部屋入口にはアーチが施されていて、そのアーチ越しに見ると、また一段と趣が増す。
上階から見下ろすと、結構な急傾斜にも見える。
でも、軽快さも感じることが出来る。
上階に行くと、壁にしつらえられた大窓が目に入る。その落とした影の揺らぎも含めて面白い。
奥まで歩いて行くと、突き当りにこんな螺旋階段があった。
調べてみると、これは屋上の時計塔に繋がる階段だった。簡易な造りだが、結構丁寧に細工されている。
ステンドグラスもある。向かって左には大井の渡し、右には箱根越えの模様が描かれて、地域の歴史を思い出させるものだ。
中央のステンドグラスは2羽の鳳凰があしらわれ、その中心には横浜市章「ハマ菱」が描かれている。
そうそう、ステンドグラスはもう1枚あった。階段の途中にちらっと見えたのは、幕末にペリー提督が乗って来航した黒船「ポールタン号」だ。これも神奈川の歴史に欠かせない出来事だった。
雑学の知識を1つ。この会館のある場所は、日本美術史の開拓者である岡倉天心誕生の地でもある。
最後に、ライトアップされたジャックの塔をどうぞ!