新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・日本 東京編㉙ 高円寺の小劇場に出現した「光の階段」

2023-05-13 | 階段紀行・日本

 高円寺は学生時代に住んでいた懐かしい場所。そこに出来た小劇場「座・高円寺」にユニークな階段があると聞いて出かけた。外観は”四角いテント小屋”だ。

 中に入ると、階段の周囲にちりばめられたドットの光に圧倒される。

 一段ずつ上っていくと、まるでその光によって進む方向を導かれるかのような気分になった。

 見上げれば天井もドットの渦。

 そんな光の中を斜めに切り裂く手すりのラインが、鮮やかにカーブを描く。

 上階から下を見下ろすと、地下にはゆったりスペースが。寝そべってスマホに見入る青年の姿が赤いバックと妙に調和して印象的だ。

 ここには劇場、区民ホール、阿波踊りホールと3つの空間があり、コミュニティの場所にもなっているようだ。これまでの公演のポスターも飾られていた。

 設計は伊東豊雄。仙台メディアパークなどの設計でも知られた建築家だ。

 

 

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階段紀行・日本 東京編㉘ 六本木ヒルズにあるカラフル階段、東京スカイツリーの流線形階段

2023-05-09 | 階段紀行・日本

 六本木ヒルズにある森美術館は、現代の新しい流れを伝える美術館として評価を得ている。ヒルズに入って展望台入口にもなっているミュージアムコーンの側面にある螺旋階段を上って、3階の美術館に行ってみた。

 階段は緑、赤、青の3色に塗り分けられたステップ。ゆったりとしている。

 平面部分はグレーのコンクリート。端にある足形のイラストには「距離を保って」との注意書きがあった。

 段の淵に塗られた黄色も含めて、いかにも美術館らしい華やかな色彩の階段は足取りを軽やかにさせてくれた。

美術館からの帰り道に見上げたヒルズの全容は、さすがに迫力満点だった。

迫力といえば、現在の東京では何といっても東京スカイツリー。

 ある日の夕方、スカイツリーに出かけた時に見つけたのがこの階段。すっきりとした流線型で、爽快な気分にさせる造形だった。

 その日のツリーライトアップを少々。先端部分がピンクに輝く。

 中央部分は七色に彩られて、落ち着いた中にきらめきを放っていた。

 

 

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階段紀行・日本 東京編㉗ 階段に新たな価値を加える二子玉イルミネーション階段、歴史を保存する旧万世橋駅階段

2023-05-06 | 階段紀行・日本

 東急田園都市線二子玉川駅に直結して、二子玉川ライズショッピングセンターがある。広大な敷地にレストラン、ショップはもちろん、映画館や大規模書店まである。

 その一部の通路部分がイルミネーション階段になっていて、夜にはちょっとしたおしゃれゾーンと化している。

 このようにカップルで階段を上がれば、その二人の姿がシルエットとなって浮かび上がり、一見ドラマのワンシーンかと見間違うようなイメージが出来上がる。

 階段の段数は多いのだが、足元から光を感じながら上がれば気分は浮き浮きで、疲れも感じずに上り切れそうだ。

 こうしたイルミネーション階段は新しくできた商業施設には次々と設置され出しているようだ。

 一方、歴史を保存する目的で現存する階段もある。場所は神田にあるマチエキュート神田万世橋。

 個性的なショップや飲食店の入る商業施設だが、かつては中央本線の通る万世橋駅があった所だ。

 旧万世橋駅は、東京駅を設計した辰野金吾の設計だった。その旧駅のレンガアーチ鉄道高架橋を有効利用して2013年にリニューアルした施設だが、その一角に鉄道階段の一部が保存されている。

 1つは1912年の駅開業時に造られた「1912階段」。地上の改札口と高架上のホームとを結んでいた階段だ。

 花崗岩や稲田石を削り出した重厚なものだ。

 もう1つは1935年に駅の階段として新たに設置された「1935階段」。これは、駅が廃止となり鉄道博物館として再生されることに伴って、導線確保のために増設された。だが、駅が廃止となったため7年間しか使われなかった。

 旧ホーム部分は「2013プラットホーム」として整備され、すぐそばを中央線が行き交う展望カフェとして活用されている。

 すぐ横にはこのように線路。マニアにはたまらないスポットだ。

 夕刻、マチエキュートを訪れると、川に面して施された隅石の装飾がライトアップされて、親水スペースとして格別な風景を見せてくれる。

 

 

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階段紀行・日本 東京編㉖ 飯田橋駅ビルの区境階段、カラオケ店の急こう配段々

2023-05-02 | 階段紀行・日本

 JR飯田橋駅ビルにある商業施設「RAMLA」には、スタイリッシュな階段がある。

 壁面にはステンドグラスが設置されており、2階に上がって正面向きに見下ろすと、このステンドグラスと階段とが一体になったかのように連動して、1つの風景を形成していた。

 ステンドグラスは吉田誠作で、タイトルは「大樹」。外の光や天井からの照明を取り込んで美しい。

 ところで、このビルは新宿区と千代田区との境目に建っている。そして階段のある場所がちょうど2つの区の境界なのだそうだ。

 階段の中央から右側が新宿区、左側が千代田区のエリアになっている。

 この写真だと1番下の位置にある大きなひし形マークが、2つの区の境界の印だ。

 従って、ステンドグラスも中央の黒い線で2つの区に分かれていることになる。ちょっとしたネタ話も獲得できるのもこの階段だ。

 友人と上野のカラオケ店に入った時、思いがけずに螺旋階段に出会った。最初、指定されたカラオケルームにはエレベーターで昇ったので気が付かなかった。が、途中トイレに行こうとしてフロアの端まで歩いていくと、カーブする手すりが目に入った。

 「あらら、階段だ」。近づいてみると、しっかりした螺旋階段。幅が狭いため結構急な傾斜だが、その分手すりのカーブが流れ落ちる滝のように激しい。

 見上げると、細長い半円形が何層にも重なって、天井の光線に収れんする。

 また、見下ろしでは急こう配にアールを描く段々が面白かった。

 

 

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