極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

二兎を追いて一兎も得ず④

2021年01月17日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から
救ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言え
る赤備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗り
にした部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキ
ャラクター。愛称「ひこにゃん」


                                  

15 衛霊公 えいれいこう
-----------------------------------------------------------
「人、遠慮なければ、必ず近憂あり」(12)
「これをいかん、これをいかんといわざる者は、われこれをいか
んともするなきのみ」(16)
「君子はこれをおのれに求む。小人はこれを人に求む」(21)
「過ちて改めざる、これを過ちと謂う」(30)
「仁に当たりては、師にも譲らず」(36)
-----------------------------------------------------------
15 自分には厳格な態度を持し、他人には寛容な態度で臨む。
こういう生き方を貫けば、対人関係に怨恨は芽生えない。
                          (孔子)

子曰、躬自厚、而薄責於人、則遠怨矣。
Confucius said, "You can avoid a grudge if you are strict
for yourself and generous for others."                        

 



国内感染:新型コロナ 56人死亡 7012人感染
(16日19時40分)
16日はこれまでに全国で7012人の感染。また、大阪府で12人、北
海道で7人、埼玉県で6人、兵庫県で3人、広島県で3人、東京都で
3人、神奈川県で3人、京都府で2人、千葉県で2人、熊本県で2人、
福岡県で2人、福島県で2人、群馬県で2人、宮城県で1人、岐阜県
で1人、愛媛県で1人、愛知県で1人、栃木県で1人、茨城県で1人、
長崎県で1人の合わせて56人の死亡。国内で感染が確認された人
は、空港の検疫などを含め32万4783人、クルーズ船の乗客・乗員
が712人で、合わせて32万5495人となる。なくなった人は国内で
感染した人が4476人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて4489
人。(新型コロナウイルス、NHKニュース)


武漢でコロナ感染、約17万人? 公式統計の3倍
新型コロナ感染症が最初に確認された中国湖北省武漢市の感染者
数が昨年5月までに16万8千人に上っていたとする推計結果を、
武漢大などの研究チームが11日までに米科学誌に発表。無症状
の人を含んでいなかった公式統計より3倍以上多い。当局公表を
大きく上回る規模の感染者がいた可能性を指摘。武漢市当局は昨
年5月、感染症の発症者の累計は5万340人と発表している。
だが研究チームは抗体保有率から、武漢市の人口約1千万人のう
ち16万8千人が感染していたと推計。「(統計で公表されなか
った)少なくとも3分の2の感染者は無症状だった」と分析。(
武漢でコロナ感染、約17万人か 中国研究チーム、公式統計の
3倍:東京新聞 TOKYO Web
※ Clinical features of patients infected with 2019 novel
coronavirus in Wuhan, China.,The Lancet - X-MOL


 

❐ ポストエネルギー革命序論 237:アフターコロナ時代㊼
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」



図1 回転型可変焦点メタレンズの原理。右図のような位
相分布をもつ2
枚の素子を重ね合わせることでレンズとし
て動作する。2枚の回転角を調整することで、焦点距離は
連続的に変化し、凹レンズにも凸レンズにもなる。

凹レンズにも凸レンズにも!
焦点距離を自在に変えられる極薄なメタレンズ

東京農工大学の研究グループは、メタサーフェスを利用し、
凹レンズから凸レンズまで幅広い焦点距離調整が可能な極
薄メタレンズの製作に成功。この成果は超小型映像技術の
実用化に貢献することが期待されるという。
極薄の平面レンズであるメタレンズは、超小型・軽量であ
ることから、小型飛行ロボット・ドローンの眼やバーチャ
ルリアリティ用ヘッドセット・プロジェクタの小型化、ス
マートフォンカメラの薄型化などへの応用が期待される。
メタレンズの実用化のためには、小型・軽量という特徴を
生かしつつ、少ない色収差や可変焦点機能など従来の屈折
レンズが持っている種々の機能を実現することが望まれて
いるが、従来の可変焦点メタレンズは、可変焦点機能を付
与しようとすると大型化してしまったり、焦点の可変範囲
が狭いという問題がある。



今回、ガラス基板上にアモルファスシリコンのナノ柱構造
をメタアトムとして1,700万本配置した「モアレ・メタレン
ズ」を作成しました。これは2枚のレンズからなり、お互い
に回転させることで図のように凸レンズにも凹レンズにも
なります。これは、焦点距離が正(凸レンズ)から負(凹
レンズ)に連続的に変化することに対応。また、回転させ
るだけで焦点距離が変るため、通常のズームレンズのよう
にレンズ間に間隔を必要とせず、小型化に適している構造
であることが特徴。電子線描画技術等を用いてこのレンズ
を実際に制作し、波長900nm の近赤外線で焦点距離を変化
させられることを実証。
今後は可視光などより短波長での動作や、カラー化(色収
差の抑制:違う色を入れても焦点距離が変らない)を進め
ていく。また現在は手動で回転角を変えているが、マイク
ロ自動ステージと集積化することなどによる自動化を目指
す。 
✔ メタ(超)レンズはハーバード大学などの研究事例な
どブログ掲載してきたが、商用化までは至っていないよう
だ。


太陽光発電の施工を20%省力化
2020年12月17日、古河電気工業とSFCCは、製造販売を手掛け
るアルミ導体CVケーブル「らくらくアルミケーブル」が、鹿
児島県の太陽光発電所に採用されたと発表。発電所建設にお
ける延線工事の約20%の省力化に貢献。

古河電工らが開発したらくらくアルミケーブルは、導体にア
ルミニウム、絶縁被覆に柔軟性架橋ポリエチレンを採用した
高機能型低圧CVケーブル。銅を利用したケーブルより価格が
安く、一般的な銅導体ケーブルと比較して30〜50%軽量で、
延線作業の効率化により工期の短縮を実現できるメリットが
あるという。なお、従来の銅導体CVケーブルと同等の性能を
持たせるため、「JIS C3605:600Vポリエチレンケーブル」
「JCS 4348:600V アルミ導体架橋ポリエチレンケーブル」
などの規格に準拠して設計製造を行う。今回、6600Vアルミ
導体CVケーブル(以下、「6600V AL-CVケーブル」)を初め
て納入し、さらに既存製品の600Vアルミ導体CVケーブルと併
せて用いることで、発電所建設における延線工事の約20%の
省力化に貢献したという。




風蕭々と碧い時代:
見つめあう恋:ハーマンズ・ハーミッツ
(作詞)(作曲)ジェフ・スティーヴンス、レス・リード



ハーマンズ・ハーミッツ(Herman's Hermits)は、イギリス
のバンド。1960年代にブリティッシュ・インヴェイジョン(
英国の侵略)勢力のバンドとして活動。1964年8月に発表し
たデビュー曲「朝からゴキゲン」がイギリスで大ヒットし、
翌1965年にはビートルズの成功に続くべくアメリカに上陸。
ヴォーカルのピーター・ヌーンのアイドル的ルックスと、清
潔感のある親しみやすいイメージ戦略で高い人気を博し、「
ミセス・ブラウンのお嬢さん」「ヘンリー8世君」など多く
の全米トップ10ヒット曲を連発。1965年から1966年にかけて
アメリカで大きな人気を獲得し、1966年には MGMから主演映
画『ホールド・オン!(英語版)』が封切られ、2月に来日公
演。1967年には「見つめあう恋」が大ヒットする。



「見つめあう恋」(みつめあうこい、原題:There's a Kind
of 
Hush (All Over the World))は、ハーマンズ・ハーミ
ッツが1967
年に発表したシングル。カーペンターズによる
カヴァーでも知ら
れている。



未来はEV軽が世界を席巻する!
軽初! 前方衝突予測警報

2台前を走る車両を検知し注意を喚起。2台前を走る車両
の車間・
相対速度をミリ波レーダーでモニタリング。自車
からは見えない
前方の状況を検知し、減速が必要と判断し
た場合にはディスプレ
イ表示とブザーによる警報でドライ
バーに注意を促し、ブレーキ
の踏み遅れによる玉突き事故
回避を支援。

*インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)を搭載した
軽自動
車が初(2020年2月現在 日産調べ)。

SOSコール(ヘルプネット)
高性能の位置情報、センサー情報とともに専門のオペレー
ターに
つながる急病時や危険を感じたときには、SOSコール
スイッチを
押す。万が一の事故発生時には、エアバッグ展
開と連動し自動通
報されるという。専門のオペレーターが
警察や消防への連携をサ
ポートする。自車位置や所有車の
情報が自動的に連絡されている。





車線逸脱防止支援システム+車線逸脱警報
走行車線からのはみ出しを警告し抑制。警告音とともに、ブレー
キを制御することで車両をもとの車線内に戻すような力を短時間
発生させ、クルマを車線内に戻すようドライバーのステアリング
操作をアシスト。

踏み間違いによる衝突回避をアシスト
ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んだ場合に、
エンジン出力を抑制しブレーキを制御。壁やコンビニなどのガラ
ス、人との衝突回避をアシスト。

低速加速抑制機能(前進時/後退時)
進行方向の正面に障害物がある場合に、アクセルペダルを必要以
上に踏み込むと、警報とともに加速を抑制する。さらに、前進時
(停車時含む)は車両や歩行者を検知している場合にも作動。

低速衝突軽減ブレーキ機能(前進時/後退時)
障害物に衝突する恐れがある場合は、エンジン出力制御にブレー
キ制御を加え、万一の衝突事故を回避または被害の軽減をアシス
トする。

走行中の衝突回避をアシスト
前方の車両や人を検知。ぶつかる可能性が高まると表示とブザー
で回避操作を促し、安全に減速できなかった場合ブレーキが作動
させる。

クルマに対して
前方の車両に衝突する危険を察知すると、メーター内の警告表示
とブザーでドライバーの回避操作を促す。人に対して前方の歩行
者も検知。衝突の恐れがある場合には、ドライバーの回避操作を
促し、ドライバーが安全に減速できなかった場合にはブレーキを
かけて衝突回避を支援する。



いま、日本で一番売れているクルマ(2020年6月の新車販売台数)
は、ホンダN-BOX(1万5557台)。そして乗用車を含む販売台数ベ
スト10に、N-BOXと同じスーパーハイト系軽自動車からスズキ・ス
ペーシア(1万2072台)、最新の日産ルークス(9431台)、ダイハ
ツ・タント(7263台)がランクイン。スーパーハイト系軽自動車
のすべてが売れている。
ルークスは、日産が初めてイチか
ら開発したデイズをベースに、
先代デイズ・ルークスに対してホ
イールベースを65mm伸ばし、全
高を5mm高めたボディサイズを採用。

標準車とカスタム系のハイウェイスターを用意しているのはもち
ろん、パワートレインはデイズで新開発したスマートシンプルハ
イブリッド採用のNA、およびターボエンジンを揃え、ハイウェイ
スターには高速道路同一車線運転支援技術となるプロパイロット
エディションを設定。デイズで軽自動車に初採用された緊急通報
サービス=SOSコールや、クラス唯一の電子パーキングブレーキの
採用も大きな注目点である。三菱eKスペース/eKクロス スペース
はその兄弟車で、SOSコールこそ搭載しないものの、ルークスのハ
イウェイスターに代わる、三菱らしいクロスオーバーテイストを
まとったeKクロススペースを、また、プロパイロットをMIパイロ
ットと名称変更して用意している。その魅力は、まず、パッケー
ジ面で言えば、ルークスの大きな特徴点として挙げられるのが、
先代より61mmも高めらた、ミニバンのセレナに迫る前席アイポイ
ントの高さ、Bピラーの前方移動によるスライドドア開口幅の拡
(先代比+95mm!)、そして後席5:5分割320mmのロングスライ

機構である。

● 今夜の寸評:換気でコロナでも焼き肉店好調
「4分強で客席全体の空気が入れ替わる」と「禁三密」が決め手。
賢く恐れるとはこう言うことなんだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太陽は沈み太陽はまた昇る

2020年12月07日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から
救ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言え
る赤備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗り
にした部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキ
ャラクター。愛称「ひこにゃん」

    
                                     

14 憲 問 けんもん
-----------------------------------------------------------
「士にして居を懐(お)うは、もって士となすに足らず」(3)
「貧にして怨むことなきは難く、富みて馴ることなきは易し」(11)
「古の学者はおのれのためにし、今の学者は人のためにす」(25)
「君子は、その言のその行ないに過ぐるを恥ず」(29)
「人のおのれを知らざるを患えず。おのれの能無きを患う」(32)
-----------------------------------------------------------
45 孔子とは幼なじみの廓劇り膝を立てた無作法な姿勢で孔子
を迎えた。孔子はかれを見るなり
「おまえはひねくれた子供であったが、大人になっても人に雄わ
れろことしかしていない。そのくせ、長生きだけは人一倍だ。お
まえみたいな奴こそ、ならず者というのだ」と、杖でかれの膝を
叩いた。

<原壌> 礼法などに無頓着な人だったらしい。母の葬儀のときに
も木に登って歌っていたと言う。
Yuan Rang had been sitting and waiting for Confucius.
Confucius said, "He was not obedient when he was a child.
He was not anything when he was an adult. He is still
living after getting old in vain. Such a person is a public
enemy." Confucius hit Yuan Rang's shin with his cane.

原壌夷俟、子曰、幼而不孫弟、長而無述焉、老而不死、是爲賊、
以杖叩其脛。

46 闕という村の出の少年が、孔子の家の取りつぎ役をしてい
た。ある人が、孔子に向かって、その少年のことをたずねた。
「向学心にもえた少年なのですか」
「いやいや、子供のくせに大人の席についたり、年長者と肩を並
べて歩いたりするところをみると、あの少年は、向学心にもえて
いるのではなく、はやく大人に見られたいだけですよ」

けつ黨童子將命矣、或問之曰、益者與、子曰、吾見其居於位也、見
其與先生竝行也、非求益者也、欲速成者也。
A boy from Que Tang served Confucius anser and. Someone
asked about the boy, "Is he promising?" Confucius replied, "
I saw the boy was sitting with adults and walking with
seniors. He does not want to improve himself. He just wants
to become an adult as soon as possible."






もみぢ葉に色みえわかずちる物はもの思ふ秋の涙なりけり

かくばかりおつる涙のつつまれば雲のたよりに見せましものを

滋賀の向冬の美景は、連歌のごとく、ツーリング、ドライブで詠
うべし。これほど手頃に紅葉と趣のある茶屋で、永遠の恋歌を静
かなる賑わいを愉しみ、二百兆分の一のそれぞれの終わりの始ま
りを慈しみたまえ。
「紅葉した葉と色が区別できずに散るものは、物思いに耽る私の
秋の涙であったよ。」「このほどまで流れ落ちる涙が包めるもの
なら、雲の上への便りに贈って見せるだろうに。」上の二首は、
いずれも楊貴妃の死を悲しむ玄宗皇帝の立場で詠んだ歌である。
一首目は紅葉を血の涙に見立て、二首目はその涙を包んで送り雲
上の楊貴妃に見せたいとの願望、とある。伊勢が宇多院の代作を
したと云い伝う。

   

ポストエネルギー革命序論 227:アフターコロナ時代㊲
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」

余りにも贈与な太陽電池技術

🌣 最新高性能有機太陽電池開発
2020年11月25日、広島大学、山形大学、京都大学、千葉大学と共
同で、半導体ポリマーとフラーレン誘導体を用いた塗布型有機薄
膜太陽電池(OPV)に、少量の長波長吸収材料を加えるだけで大幅
に発電効率が向上することを発見する。OPVはプラスチック基板に
半導体ポリマーを塗って作製でき、低コスト、低環境負荷なプロ
セスであると同時に、容易に大面積化できる。また、軽量で柔軟、
透明であり、室内光下で変換効率が高い特徴を持つため、現在普
及している無機太陽電池では難しい新たな応用につながる次世代
太陽電池として注目されてきた。今回、共同研究チームは、電荷
輸送性が高い半導体ポリマーとPCBMをホスト材料に用い、第三の
半導体成分としてより長波長吸収帯を有する化合物を使用し、新
しい増感型三元系OPVの開発に取り組む。
研究で用いた半導体ポリマーは、結晶性が非常に高いため電荷輸
送性が高く、P3HTよりも高い変換効率を示すPTzBTを使用。また、
第三成分として、n型半導体として用いられる長波長の吸収帯を持
つITICという化合物を用いた。その結果、ITICの混合率が重量比
で6%(PTzBTに対して5分の1、PCBMに対して10分の1の量)のとき
に、増感型三元系OPVの変換効率が最も高くなることが分かった。
ITICは、6%の添加でPTzBTやPCBMとほぼ同じ光吸収強度、外部量
子収率となり、変換効率が1.5倍程度向上した。山形大学の研究グ
ループが分光エリプソメトリー解析の結果をもとにOPVの光学シミ
ュレーションをしたところ、ITICは光干渉効果によって少量添加
した化合物の光吸収強度が大きく増幅された。


図 1. PTzBT と PCBM を重量比 1:2 で用いた二元系 OPV と、PTz
BT、PCBM、 ITIC を重量比 1:2:0.2(ITIC の混合率は重量比 6
%)で用いた増感型三元系 OPV の 分光感度特性。増感型三元系
OPV では、ITIC は少量しか含まれないが、その吸収帯 (650〜8
00 nm)における外部量子収率は、PTzBT(420〜650 nm)や PCBM
(300〜420 nm)と同程度。三元系 OPV では、二元系 OPV に比べ
て、ITIC の波 長帯の光を余分に吸収し電流として得られるため、
変換効率が向上する。

図 2. 分光エリプソメトリー解析の結果を基にシミュレートした、
増感型三元系 OPV 断面の光吸収の分布。(a)半導体層が約 100 nm
と薄いとき。(b) 半導体層が約 400 nm と厚いとき。ITIC の吸収
帯において、吸収率が高い部分(矢印の青いスポット) は、半導
体層が薄いときは1つだが、半導体層が厚いときは3つ現れてお
り、強い光干渉効果があることが分かる。 

さらに、京都大学の研究グループが過渡分光法を用いて電荷生成
のダイナミクスを解析。少量添加した化合物は、半導体ポリマー
とフラーレン誘導体の界面に偏在しており、これによって効果的
に電荷が生成することが分かった。今回、増感型三元系OPVのホス
ト材料として、半導体層を電荷輸送性の高い半導体ポリマーで厚
膜化することで、 第三成分の光干渉効果を利用してこれまでにな
い高い増感作用が得られ、変換効率を飛躍的に向上させることに
成功した。今回の研究は、OPVのさらなる高効率化に向け、新たな
設計指針を示す重要な成果と言える。

今後は、光干渉効果を高めるため、半導体層をさらに厚膜化できる
電荷輸送性の高い半導体ポリマーの開発を進めるという。また、第
三成分に用いる材料として、より長波長吸収帯と適切なエネルギー
準位を持つ化合物の開発も進め、さらなる変換効率の向上を目指す。



図 3. 増感型三元系 OPV の半導体層における各材料の配置。ITIC
は PTzBT と PCBM との界面に偏在している。ITIC で発生したホー
ルと電子は、それぞれ PTzBT と PCBM に受け渡され、電極まで輸
送される。


図1 FAn + 1PbnX3n + 1、FAXリザーバー、Al2O3足場など、FAn + 1Pb
nX3n +1複合フィルムのコンポーネントを示す図。スケールバーは
1μm。 b複合FAn + 1PbnX3n + 1フィルムの広角X線散乱(WAXS)パター
ン。 (b)の2θ軸はCuKα(1.5406A、8.04 eV)放射を基準にして
おり、Q =4πsin(θ)/λから計算された。ここで、λは励起波長
です。(b)のバックグラウンド散乱は、Al2O3足場とガラス基板に
よって引き起こされます。 * = FA2PbX4。α-FAPbI3の参照パターン
はMaterialsDesign Group78から入手し、FA2PbI4の参照パターンは
参考文献から入手。 FA2PbBr4の参照パターンは、FA2PbI4から、Iの
代わりにBrを使用し、単位格子体積にBr / I半径比を掛けることに
よって生成された。 c FAn + 1PbnX3n +1フィルムの組成の関数として
の吸光度スペクトルとd吸光度の最大値。 dの円は、450~360 nm(n
= 1)で調整可能な強い励起子ピークに対応し、正方形は、それぞ
れ 500~390 nm(n > 1)で調整可能な吸収端に対応します。 e 湿
度にさらされたときに得られる多様な色を強調する複合FAn + 1Pbn
X 3n+1フィルムの代表的な光学写真。ジメチルスルホキシド(DMSO)
中の[PbI2] = 0.75 Mは、すべての前駆体で一定に保たれ、1.58±
0.02 μmのAl2O3足場にスピンされ、60℃10分間アニーリングされ
た。ヨウ化物(> 80%I~)または臭化物(> 67%Br)が豊富なフ
ィルムは、それぞれ > 80%または < 68%の相
対湿度(RH)にさら
されると、白/透明に漂白されることに要注意。
🌣 環境温度で変色するスマートソーラーウインドウ
これは既報だが、10月16日、米国立再生可能エネルギー研究所(N
REL)が、暖かくなるとガラスの色が濃くなり、ソーラーパネルに
もなる「スマートウインドウ」の開発状況の進展について発表。窓
から差し込む太陽光によって発生する熱は、建物の冷暖房の必要性
を左右する最大の原因。米国では、住宅や商業ビルで全電力の74%、
全エネルギーの 39%が冷暖房に利用されている。これまでにも窓
の色を変えて遮光効果を高め、ビルのエネルギー使用量削減が進め
られてきていた。「サーモクロミック(熱変色性)太陽光発電
と呼ばれる技術を用いると、暑くて晴れた日に窓のガラスが温めら
れた際、まぶしい光をブロックして不要な太陽熱を減らすためにガ
ラスの色を変化させることができる。さらに、窓ガラスの色が変化
すると、材料に使われているペロブスカイト(灰チタン石)が発電
し、窓がソーラーパネルにもなる。NRELは、太陽光によって表面が
加熱されると窓ガラスの色が暗くなるというサーモクロミックウイ
ンドウの先行研究を行っており、既に、透明な状態から赤褐色に窓
ガラスの色が変化する際に、埋め込まれたペロブスカイトが電気を
発生させることを明らかにしている。
この研究では、メタルハライドペロブスカイトの低い形成エネルギ
ーを利用して多色可逆性クロミズムを実証。無数の色への変化を可
能にする技術を開発したという。熱変色を引き起こす温度範囲は、
以前は約 65.6℃~約79.4℃だったが、35℃~約46.1℃ と日常生活
レベルに即した実用的な温度に対応し、色が変化する時間も2017年
の実証試験では3分かかっていたが、異なる化学組成と材料を使用
したところ約7秒に短縮された。研究者らは、2層のガラスの間に
薄いペロブスカイト膜を挟み、蒸気を注入。すると、蒸気が化学反
を引き起こし、ペロブスカイトが鎖状からシート状や立方体へとさ
まざまな形状に変化する。そして、このペロブスカイトの形状が変
化するにつれて色も変化するという仕組みだ。湿度を下げていくと、
ペロブスカイトは元の透明な状態に戻る。


🌣 
ペロブスカイト太陽電池上のエネルギー変換する光子を観測
これも既報であるが、米エネルギー省エイムズ研究センターの研究
チームが、1つの光子が太陽電池に入射してエネルギーに変換され
るわずか1
兆分の1秒以下の瞬間を捉えることに成功した。
超高速のテラヘルツ分光器により、新しく開発された有機金属ハラ
イド系ペロブスカイト太陽電池における光子から励起子への変換現
象の定量化に成功している。研究の詳細は、6月1日に「Nature Co-
mmunications」誌にオンライン公開されている。ペロブスカイト太
陽電池はまだ新しい材料であり、構造も複雑なため、光子が電子と
空孔の対である励起子に転換するメカニズムについては詳しく解明
されていない。この材料のもつ優れた特性を理解し、制御すること
ができたら、太陽電池の性能向上への大きな力となる。励起子は電
気的に中性なので、材料の電気的状態を測定するマルチメーターで
は測定できない。そこで研究チームは、光波と電磁波の中間の波長
であるテラヘルツ波を用いて1兆分の1秒以下という分解能を実現
するテラヘルツ時間分解分光計で、光子から励起子への転換を定量
化することに成功。励起子の生成と分離だけでなく、その現象の量
子的な経路と時間間隔についても明らかにした。


🌣
イランの温室バラ栽培の「スイートスポット」
日本ではソーラーシェアリングと呼ばれ欧米では、ソーラーシェー
ドと呼ばれる----厳密に言えば、人工光植物工場と温室植物工場あ
るいは自然光温室栽培の中間領域の----農作物栽培技術(制御管理
技術として、イランのバラ栽培の最適成長条件「スイートストップ」
が決定されている(Adaptive solar shade system means horticu-
lturalists can smell the roses – pv magazine International)。

スウェーデンのイランのシラズ大学とメーラルダーレン大学の研究
グループは、温室をさまざまな構成のソーラーパネルで覆うことに
よるエネルギーと水の消費量および植物の成長への影響を解析した
結果を、学術雑誌Renewable Energyに掲載----『調整可能な太陽光
発電ブラインドシステムを備えた統合温室の熱環境評価』という論
文に掲載された。 それによると、シミュレーションソフトウェアと
実際の構造のオンサイト参照測定を使用して、イランのシラーズ地
域でバラの栽培に使用される温室でさまざまなソーラーパネルの配
置をモデル化。温室は、屋根の1メートル上に14個のチェッカーボ
ード型スタイルのPVモジュール配置で事実上覆う。構成は、屋根の
1.6%から22.4%までさまざまで、定格260 Wp、変換効率15.9%で
40から560のモジュールを展開。温室の寸法は、長さ77m、幅53m、表
面4,081m2で、屋根は7つのスパンで構成され、側溝の高さは6m。
魔法の数 研究者たちは、屋根の最大19.2%を覆うことは、作物の
照明に大きな影響を与えないと計算。その範囲で、天然ガスの消費
量は3.57%減少し、電力需要は45.5%減少し、年間のCO2排出量は
30.56kg / m2減少。ソーラートラッカーを彷彿とさせるシステムで
は、グリーンキーパーがソーラーブラインドを開閉​​して、植物の成
長や発電を改善できる。このような設定では、年間の発電量は42.7
kWh / m2でモデル化。屋上にモジュール数が最も多い構成も、自給
率が最も高い構成であり、46%であるが、セットアップにはバッテ
リはなく、自己消費率は32%に低下。屋根の被覆率が19.2%の構成
では、PVアレイのエネルギーの65.5%が系統電力に供給。モジュー
ルを「アダプティブシェーディング」として屋根の上に配置するこ
とは、目新しいことではない。多くの温室は、成長条件を最適化す
るために、しっくい、プラスチックシート、およびサーマルスクリ
ーンで覆う。参照使用されるシラーズ構造は、紫外線の約3分の1
を吸収しながら、太陽放射の87〜90%を透過させるプラスチックシ
ートを使用する。
平均的な温室の年間エネルギー需要は、冷房、暖房、照明、換気の
ために100〜300 kWh / m2。 Shiraz-Mälardalenグループは、エネ
ルギーフローの包括的な分析を実施した。屋根にモジュールがある
ため、日陰が増えると、温室のエネルギーバランスの主な要因の1
つである蒸発散量が減少する。それは空気のエンタルピーを変化さ
せ、水分量と圧力の関数として熱保持する空気能力導出する。この
研究では、PVモジュールを備えた温室と参照構造の間に有意な温度
と相対湿度の違いがないこ発見。照明に関しては、モジュールが屋
根の表面の最大17%を占めるモデル温室は、バラを全面覆蓋せず、
19.2%の屋根被覆率の構成が理想的であり、屋根スペースの19.2%
以上を占めるレイアウトでは、最適なバラの成長に十分太陽光とは
ならない。参照温室は天然ガスで加熱され、PVはモデルに違いはな
い。サーマルスクリーンは設置モジュールに道を譲らなければなら
ず、熱は急速に排出される可能性があり、夜間の暖房がさらに必要
となる。日中は一部の暖房要件を回避できるが、モジュールの部分
的遮光により適切量の湿度が優勢になり、空気エンタルピーが適正
範囲内に保たれる。


🌣 タンデムセルを下から上に評価する
ペロブスカイト-シリコンタンデムセルの最下層として機能する際
のコストと効率の両方に基づいて、複数のシリコンセルの概念を評
価、この
研究は、シミュレーションと実験作業の両方に基づいて、
シリコンセルを使用したさまざまなアプローチの利点を概説し、ほ
とんどすべての場合、ペロブスカイト-シリコンタンデムセルは、
シリコンのみで達成できるよりもソーラーコストを下げる可能性が
あると結論付けている。Fraunhofer ISEの新しい研究によると、
Helmholtz Zentrum Berlinのこのようなペロブスカイトシリコンタ
ンデムセルは、長期間性能を維持できれば、これまでになく安価な
太陽光発電を生み出す可能性があります。昨年は、ペロブスカイト
薄膜で得られた印象的な成果を大規模生産に持ち込むための大規模
プロセスに焦点を当てた多くの研究が見られた。テクノロジーが大
きな市場シェアを獲得するまでにどれくらい待たなければならない
かについてはまだ多くの意見の相違があり、ペロブスカイトはPVの
将来において主要な役割を果たすことが広く期待されている。



また、この技術の最初の商業的反復はほぼ確実にタンデムセルの形
で行われ、より従来型のシリコン技術がその下に置かれる。研究コ
ミュニティの多くはペロブスカイト材料の問題を解決することに引
き続き焦点を当てているが、ドイツのフラウンホーファー太陽エネ
ルギーシステム研究所(ISE)は、ペロブスカイトとの互換性につい
てさまざまなセルタイプの性能を評価し、下のシリコンセルを調べ
ることにした。トップセルは、製造と展開のコストを抑えながら、
ソーラーからのより高いエネルギー収量への経路を特定することを
目的としている。 Progress in Photovoltaicsに掲載された、論文
「最高のシリコンボトムセルの競争:ペロブスカイト-シリコンタ
ンデム太陽電池の効率とコスト評価」に記載されている研究では、
PERC、TOPCon、ヘテロ接合の設計を取り入れた4つのシリコンセルタ
イプを採用しています。2つのセルを結合するための2つの異なる戦
略。
また、平面とテクスチャの両方のシリコン表面、および単面と
両面の両方のセル設計を評価する。



底辺への競争
各アプローチは、実験的に検証されたレイトレーシングシミュレー
ションモデルを使用して評価され、計算された効率の可能性が得ら
れた。次に、既存のシリコン生産に基づくモデルを使用して製造コ
ストを計算し、南ヨーロッパでの固定傾斜設備に基づくLCOE計算を
行った。
これは決定的ではないように聞こえるかもしれません。しかし、グ
ループはさらに、タンデムセルに関する研究の大部分は、可能な限
り最大の効率を追求するために、シリコン要素のヘテロ接合セルに
依存してきたことに注目しています。タンデムセルとしてPERCやTO
PConなどのより確立された技術も費用対効果の高い方法で使用でき
ることは、これらの技術ですでに大規模な生産を行っており、効率
を高めるために他のルートを使い果たしている人々にとって確かに
興味深い。

 
次世代電池用の印刷可能な高性能固体電解質フィルム


11月18日、メリーランド大学らの研究チームは、「印刷および放射
加熱」と呼ばれるさまざまな固体電解質薄膜を印刷および焼結する
新しい方法を開発した。それによると、リチウムイオン(Li-ion)
バッテリーは、携帯型電子機器、電気自動車、グリッドスケールの
エネルギー貯蔵システムで広く使用されいるが、リチウムイオン電
池の安全性は、従来の有機電解質が火災や爆発を引き起こすことが
多いため、過去数年にわたって繰り返し疑問視されてき。セラミッ
ク固体電解質(SSE)薄膜は、短絡や熱暴走の原因となるリチウム
デンドライトをブロックすることで安全性の問題に対処するための
実行可能なソリューションを約束すると同時に、次世代のリチウム
イオン電池に高いエネルギー密度を提供。ただし、現在のSSE薄膜
のイオン伝導率は低く、10〜8〜10〜5 S / cmの範囲であり、材料
の品質が低いことが課題である。メリーランド大学のA.James Clark
School ofEngineeringのLiangbingHuが率いる研究チームは、最近、
さまざまなSSE薄膜を印刷および焼結する新しい方法を開発した。
「印刷可能な高性能固体電解質フィルム」と題されたこの作品は、
11月18日にサイエンスアドバンシスで公表されている。この方法は
「印刷および放射加熱」(PRH)と名付け、①溶液ベースの印刷可
能な技術と②それに続く急速焼結を特徴。典型的なプロセスでは、
前駆体懸濁液が基板上に印刷され、その濃度と厚さを調整すること
ができる。高品質で高性能なSSE薄膜は、急速(〜3 s)高温(〜
1500°C)焼結後に得られ、Liの損失を最小限に抑え、高い結晶性
を保証する。このアプローチは、SSE薄膜の緻密で均一な微細構造
をもたらすだけでなく、優れたイオン伝導性も保証する。特に、前
駆体から最終製品までの製造プロセスは約5分しかかからず、これ
は従来の方法よりも約百倍高速で、概念実証のデモンストレーショ
ンでは、印刷されたガーネットベースのSSE薄膜が、最大1 mS / cm
の高いイオン伝導率と、優れたサイクル安定性を備えていることを
示し、PRH法により、合成中の相互汚染のない複雑な多層アセンブ
リなど、他の多くの設計が可能。また、他のセラミック薄膜の準備
にも拡張でき、安全で高性能な全固体電池やその他の薄膜ベースの
デバイスを開発する新しい機会を開く(Printable, high-perform-
ance solid-state electrolyte films | Science Advances)

有機デバイスのセラミックコーティング技術
リコーは、有機デバイスの機能を保ちながら、耐久性を大幅に向上
させることができる「セラミックコーティング技術」を開発。有機
ELや電子ペーパー、有機薄膜センサー、有機太陽電池など、さまざ
まな有機デバイスが登場している。有機分子を組み合わせることで
多様な機能を実現できる半面、無機デバイスに比べると強度が弱い
など課題もあった。同社は、これまで培ってきた半導体材料技術と
薄膜生産技術を活用し、有機デバイス上に電荷輸送性中間層塗料と
透明導電性セラミック粉体を、常温でコーティングする技術を開発。
有機デバイス表面には事前に、独自の電荷輸送性中間層を塗布。こ
れは、有機デバイスの表面を保護し、セラミック粉体の密着性を高
めるためである。 

「エアロゾルデポジッション法」と呼ばれる手法を用い、透明で導
電性を持ったセラミックの微細粉末を、常温で固体のままデバイス
表面に衝突させる。直径が100mm、長さ380mmという広い面積でも、
セラミック膜を均一に形成できるという。成膜の工程ではセラミッ
ク粉体の組成やサイズ、噴射条件などを最適化。開発したセラミッ
クコーティング技術を用いると、ダイヤモンドと同じ結晶構造を持
ったDLC(Diamond like Carbon)コーティングと同等かそれ以上の、
極めて高い強度を実現することができる。



1000兆分の1モル濃度の抗原を検出
自宅で検査可能なIoTバイオセンサに向けて
<豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系の髙橋一浩准教授、崔容
俊助教らは、半導体マイクロマシン技術を用いて作製したチップ上
で、1000兆分の1モル濃度の抗原分子を検出可能な検査チップを開
発。血液や唾液中に含まれる病気由来の抗原分子を、フレキシブル
に変形するナノシート表面に吸着させ、吸着抗原同士の相互作用に
よって発生する力をナノシートの変形量に変換して特定の抗原のみ
を検出することに成功。半導体技術により数ミリ角のサイズで形成
した検査チップは、IoTバイオセンサとして家庭において抗原検査・
抗体検査を行うことにより、遠隔医療への貢献が期待されている
(1000兆分の1モル濃度の抗原を検出する半導体チップを開発)。


研究チームは、今後COVID-19の重症化予測マーカーを半導体センサ
上で検出できることを実証していく計画です。さらに、血液検査の
ほかにも、においや化学物質を検出する化学センサを研究中で、IoT
社会に貢献する新しい小型センサ装置に適用可能であると考えてい
ます。提案したナノシートの表面に修飾するプローブ分子を付け替
えることによって、様々なバイオマーカーを検出するとともにウイ
ルスの検査などへの応用が可能になる(EurekAlert! Science News)


二酸化炭素の吸脱着で磁石のオンオフ制御
東北大学金属材料研究所らの研究グループは、「金属・有機複合骨
格(MOF:Metal-Organic Framework)」と呼ばれる分子性多孔性材
料に着目。このMOF磁石を用い「溶媒の吸脱着により磁気相転移温
度を変える磁石」の開発や、「酸素ガスの吸脱着による磁石のオン
オフ制御」を実現してきた。今回は、常磁性を有する「酸素ガス」
ではなくこれまで磁石のオンオフ制御が難しいと考えられていた非
磁性(反磁性体)の「二酸化炭素ガス」を用いて検証。実験には、
電子供与性分子「カルボン酸架橋水車型ルテニウム二核(II、II)
金属錯体」と電子受容分子「TCNQ(7,7,8,8-tetracyano-pquinodi-
methane)誘導体」からなる層状分子磁石を用いた。この層状分子
磁石は、二酸化炭素を吸着するまで、磁気相転移温度(TC)が110K
のフェリ磁性体(磁化オン状態)である。これに二酸化炭素を吸着
させていくと磁化は減少。5kPa以上の圧力を加えて吸着させるとほ
ぼ完全に磁化がオフ状態の常磁性体となった。吸着状態や脱離状態
の結晶構造を詳細に調べた。この結果、ルテニウム二核錯体とTCNQ
誘導体の電子状態が、二酸化炭素吸脱着の前後で変化していること
が分かった。実験に用いたMOF磁石は二酸化炭素の吸脱着により、
構造だけでなく構成分子の電子状態も変化した。これによってTCN
Q誘導体上のスピンが消失し、磁気相互作用パスが分断されるため、
磁化のオンオフ制御を実現できたという。


光で接着力が低下する歯科用接着剤
歯科材料の容易な脱着や低侵襲的な歯科治療への応用に期待
東京医科歯科大学生体材料工学研究所らの研究グループは、紫外光
照射で接着力が低下する歯科用接着剤を新たに開発。歯質表面へ歯
科材料を強固に固定する接着剤は、約40 年前に本学で開発されて以
降、現在も歯科治療の基盤となる技術。しかしながら、治療後に不
要になった材料を脱離する方法については、依然として課題であっ
たが。超分子構造ポリマーであるポリロタキサンに光分解機能と接
着剤成分を架橋する設計を施し、既存の歯科用接着剤に混合するだ
けで光で脆化する機能を賦与することに成功。これにより、歯質表
面へ固定した歯科材料の紫外光照射による容易な脱着や、脱着に伴
う歯質の損傷を軽減できると期待されている(光で接着力が低下す
る歯科用接着剤の開発 | EurekAlert! Science News)。



水中で機能する有機電子デバイスセンサ
簡便で高感度な水中化学種検出を目指し
水中での化学種検出は環境測定や、生化学において重要であり、簡
便で定量的な検出法が求められています。有機トランジスタは小型
かつ電気的な読み出しが可能であり、化学センサのプラットフォー
ムになり得ると言えます。しかし、従来の有機トランジスタでは、
水に曝露すると著しく劣化するため、水中で使用できるセンサ設計
が目下の課題でした。東京大学 生産技術研究所の南 豪准教授らの
研究グループは、あえて有機トランジスタの構成部材として水を用
いた有機トランジスタを化学センサに適用し、水中に存在するグリ
ホサートの検出を行いました。グリホサートは人体や環境への影響
が示唆されている除草剤で、欧米諸国での使用が規制されているこ
とから、その検出の必要性が高まっている化学種です。本研究では、
分子認識部位を導入した高分子を有機半導体として用いることで、
グリホサートの非常に高感度な検出に成功した。本研究によって水
系中で使用可能な有機トランジスタ型センサによる化学種の検出が
達成されたことから、病気診断や環境計測などを指向した小型有機
デバイス開発の加速的展開が期待されている。
✔ 45年前にリスク最小化とし最大効果をえるために生み出した「
個的行動戦略」を振り返えり、ほぼ、ほぼ想定内にあることに再確
認する。すでに未来担保された新しい事業群が花咲くだろうが、太
陽電池事業は大きく後退しているが、「太陽は沈み再び昇る」と信
じ、そして、行動しているだろう。





風蕭々と碧い時代:中村 晃子 虹色の湖
(作詞)横井弘(作曲)小川寛興



1987年10月10日は、歌手・中村晃子の代表作「虹色の湖」のシング
ルが発売された日。グループサウンズ全盛時代、後にいわゆる“一
人GS”の代表曲として認識されることになる傑作であり、中村晃子
を一気にスターダムへのし上げた大ヒットとして知られる。テレビ
でも数々の歌番組で披露され、とどめは翌68年に初出場を果たした
『第19回NHK紅白歌合戦』。キュートなルックスからやがて主役級に
抜擢されるようになり、66年には当時若手青春スターとして売り出
し中だった田村正和の主演作『雨の中の二人』でヒロイン役を務め
た。田村とのコンビ作では、日本初のモッズ映画として紹介された
同年公開の『空いっぱいの涙』も印象深い。また、ソフト化されて
現在DVDで入手可能な作品で、68年に公開された『進め!ジャガーズ
敵前上陸』がある。歌手としてブレイクしてからのこの映画でも大
いにフィーチャーされ、ヒロインとしてハツラツと躍動する姿が見
られる。作家・小林信彦が中原弓彦名義で脚本を手がけた必見のGS
映画と云われた。(1967年10月10日、中村晃子の「虹色の湖」が発
売~“一人GS”と呼ばれる理由 – ニッポン放送 NEWS ONLINE)



この年の1月1日は 日本専売公社が葉巻たばこ「パロマ」を発売。
1月12日 - 日本血液銀行協会、売血の全廃を決定(預血は継続)。
1月15日 - アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで第1回スーパ
ーボウルが開催。2月1日 - 大阪府の布施市・河内市・枚岡市の3市
が合併して東大阪市が発足。森永製菓が「チョコボール」を発売。
2月28日 - 川端康成、石川淳、安部公房、三島由紀夫らが文化大革
命に対する抗議声明発表。3月20日 - 本田技研工業が「N360」を発
売。「スバル・360」の牙城を崩す。3月24日 - 大阪市営地下鉄谷町
線の東梅田駅 - 谷町四丁目駅間が開業。4月5日 - 岡山大学の教授
が、富山県で発生したイタイイタイ病三井金属鉱業神岡鉱山
阜県
)の廃水が原因であることを発表。4月18日 - 厚生省が阿賀野
川水銀中毒(第二水俣病)は昭和電工鹿瀬工場(新潟県)の廃水が
原因であると結論。4月20日 - サントリーがびん入り生ビール「純
生」発売。4月28日 - モントリオール万博が開幕。5月30日 - 東洋
工業が世界初となる2ローターロータリーエンジン搭載のスポーツカ
ー「コスモスポーツ」を発売。6月13日 - リンドン・ジョンソン米
大統領が訟務長官のサーグッド・マーシャルを(アフリカ系アメリカ
人として初めての)合衆国最高裁判所判事に任命する。 6月17日 -
中国が初の水爆実験を行う。この頃、熊本大学の研究班がチッソの
反応機(化学プラント)と同じ環境から水俣病の原因物質であるメ
チル水銀が合成されることを再現することに成功して論文発表を行
う。7月14日 - タカラが「リカちゃん人形」を発売。着せ替え人形
のベストセラー商品となる。7月19日 - 東京女子医科大学の今井通
子と若山美子が女性で初めてマッターホルン北壁の登頂に成功。8月
3日 - 公害対策基本法公布。9月1日 - 四日市ぜんそくの患者9人が
訴訟を起こす。10月1日 -森永製菓が「エールチョコレート」発売。
作曲家の山本直純を起用したTVCMが人気となる。10月2日 - ツイッ
ギー来日。日本にミニスカートブーム到来。11月9日 - 武満徹作曲
の『ノヴェンバー・ステップス』がニューヨークで初演。11月11日
日本エスペラント協会会員の由比忠之進が、ベトナム戦争に反対す
る佐藤栄作首相宛の抗議書を携え、首相官邸近くで焼身自殺を図る。
12月16日 - 早川電機工業がIC電卓を発売。12月24日 - 餃子の王将
が京都で一号店オープン12月26日 - 住友クレジットサービス設立。
グループ・サウンズ(GS)が1967年から1968年にかけて大流行した。
ジャッキー吉川とブルーコメッツ、ザ・スパイダース等をグループ
・サウンズと呼び始めたのは1967年3月からだという説もある。ビ
ートルズ 「ハロー・グッドバイ」 ドアーズ 「ハートに火をつけ
て」、007は二度死ぬ[英]、ベストセラー 五木寛之、『蒼ざめた
馬を見よ』、大江健三郎『万延元年のフットボール』、有吉佐和子
『華岡青洲の妻』多湖輝『頭の体操』がある。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緑の基本計画

2020年11月03日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称
「ひこにゃん」

  
                             
14 憲 問 けんもん
--------------------------------------------------------------
「士にして居を懐(お)うは、もって士となすに足らず」(3)
「貧にして怨むことなきは難く、富みて馴ることなきは易し」(11)
「古の学者はおのれのためにし、今の学者は人のためにす」(25)
「君子は、その言のその行ないに過ぐるを恥ず」(29)
「人のおのれを知らざるを患えず。おのれの能無きを患う」(32)
--------------------------------------------------------------
38 季孫きそんの臣、公伯寮こはくりょうは、同じく季孫につかえていた子路を季孫に
讒言した。大夫の子服景伯しふくけいはくがそのことを孔子に注進した。「季孫が公
伯寮の入れ知恵に動かされていることは確かであります。たとえわた
しが微力とはいえ、公伯寮を市場にさらし首にするぐらいの力はあり
ますが」
孔子は動ずる気配もなかった。
「ご忠告はうけたまわりました。しかし、道義が通るか通らないか、
ゆうの身が安全であるかないかは天命によるものです。いかに公伯寮が
小細工を弄そうと、天命を動かせるものではありません」

   

ポストエネルギー革命序論 221:アフターコロナ時代㉝
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」




緑の基本計画とは、市町村が、緑地の保全や緑化の推進に関して、そ
の将来像、目標、施策などを定める基本計画。都市緑地法第4条に定
めがあり、これにより、緑地の保全及び緑化の推進を総合的、計画的
に実施することができるとしている。策定主体は市町村といった自治
体が策定し、策定の際には、公聴会の開催など住民の意見を反映する
ために必要な措置を講ずるよう努めることになっており、計画も公表
するよう努めることになっている。忙しない毎日から国勢調査から抜
ることができたが、今度は『緑のまちづくり』が舞い込む。「誰も住
みたくなる街」をと掲げてみたものの、スローガンと裏腹に変わりゆ
く街を追認する日々がつづいているのだが、風呂敷を広げてみても、
眼精脳疲労でばたばたしながら、「モデル事業構想」の裁植計画を素
描し、内外の関係者と折衝し終えたばかりなのに、今度はごみステー
ション増設は中止、国際調査やパンデミックとも関わり、普段は見え
ない世界の仔細な光景が展開している。

 



【盛岡首長市移転構想Ⅷ:地下都市構想】
世界の人口は2050年までに98億人に達すると予想され、すべてのヘク
タールがカウントされ、 地下拡張が魅力的な選択肢になるだろうと
香港やシンガポールなどでマスタープランが実行されようとしている。
"百年に1度の首長都市遷都"も当然、盛岡となれば積雪により途絶さ
れるではないかと、「緑の基本計画」を読みながら、ふと頭を過ぎり、
スイッチを切り換えた。



地下のインフラストラクチャとユーティリティのすでに印象的な記録
に基づき構築。水道管や電力供給ラインだけでなく、これらにはショ
ッピングセンター、列車網、歩行者用トンネル、5車線の高速道路、
空調冷却パイプ、さらには自転車用の自動化された安全な駐車場が含
まれる。
設計図のアイデアには、地下バス交換、深層トンネル下水道システム、
地下貯水池が含まれ。準備として、政府は私有地の下の土地を購入す
ることを可能にする法律を制定。マスタープランを調整しているシン
ガポールの都市再開発庁(URA)は、地下景観の最初の包括的な調査を
提供する。 現在、さまざまな地下資産の記録が多数の個々の当局(
エネルギー会社や水道会社など)によって保持されているため、これ
は大規模な地下開発を促進に重要。これにより、開発者は作業する必
要のあるスペースを明確に把握することが困難となる。ローレンスウ
ォン国家開発大臣によると、シンガポールはパイプや電力網など、地
下にあるものを把握する必要がある。私たちは在庫を取り、情報の優
れたデータベースを持っている必要があり、それを中央リポジトリと
してコンパイルしているので、優れた基本計画がある。
地下都市を正しく行う

エラーを修正の初期費用と諸経費が高い地下インフラストラクチャプ
ロジェクトには、重要な計画と開発が必要。地下に建設する場合適切
に行う必要がある。高層ビルは倒れやすい。地下それほど簡単ではな
い。国の施設の地下への移動を支援したが、より高いコストと、道路
の掘削を必要とする地下パイプの漏れなどの事故の可能性に言及し、
これらの施設が長期的に本当に持続可能であることを保証すには、地
上に十分なアクセスポイントを備えた保守性の迅速性と安全設計を必
要とする。利用可能なスペースを増やすために海から土地を埋め立て
もあり、浮かぶ建物などの新しい方法を試すことも含まれる。



香港は貴重なスペースを節約するために彼らの先導に従うことを検討
しており、ヘルシンキとモントリオールは1960年代に地下都市化を開
拓宇宙は将来さらに価値のある商品になる。世界の人口は2050年まで
に98億人に達すると予想され、すべてのヘクタールがカウントされ、
地下拡張が魅力的な選択肢になるだろう、と。
これは、体系的にないにしろ日本でも計画実施されている。
東京をモデルにしたとされる『ブレードランナー』劇中の近未来都市
では、常に酸性雨が降り注いでいるが、現実の首都圏も降雨と水害に
悩まされてきた。とりわけ埼玉県春日部市の一帯は、複数の河川に囲
まれながらも標高20~30mほどの低地であることから、浸水被害が慢
性化している。こうした状況を克服するために、首都圏外郭放水路の
建設プロジェクトが1992年に開始した。10年以上にわたる建設期間を
経て完成した放水路の運用以後、春日部市一帯の豪雨の際の浸水家屋
数は大きく減少した。放水路はそのディストピア的な外観に反して、
首都圏を守る「神殿」だ。
こうした非日常的な風景に見える放水路が、都市のインフラ機能のひ
とつであり、都市の一部である。普段生活している世界には、目には
見えない裏側の世界が存在している。素晴らしい技術や発見で満ちて
いる。雨が降ったら、水はどこへ行くのか。いま乗っている電車は、
何でつくられているのか。雨水は、下水に、河川に流れ、あふれた水
は、放水路へと導かれている世界が日常化しているように。
農産物や水産物、酪農産物が地下栽培することも技術的にもコスト的
にも実現される時代に突入しているのだろう。



分散型情報と電源融合事業の創成
電源がワイヤレスで分散できれば、分散しているセンサやデータロギ
ングの情報をリアルタイムに収集でき、その場で制御システムへ帰還
➲制御が可能となる。電波の過密化で安全性が証明できれば、大層な
ワイヤーは不要となりる。尤も。伝播メディアに障害物となるものが
無ければの話しではあるが。


太陽電池30%超を300分の1のコストで実現
再生可能エネルギーは天候に左右されると「RE100」に消極的な
発言を耳にするが、色素増感型などの太陽電池は、人工光や散乱光の
光子トラップ性能が優れているものであれば、多少の曇り空や朝夕の
光も上手に光励起可能である。近年は、太陽光の変換効率も理論効率
に漸近している。ペンシルベニア州立大学やデラウェア大学の研究グ
ループは、インジウム、ガリウム、硫黄、セレンからなる化合物半導
体(CIGS;Cu-In-Ga-S/Se)系太陽電池で、InやGa代替亜鉛(Zn)やス
ズ(Sn)を使うCZTSSe(Cu-Zn-Sn(Tin)-S/Se)系との“タンデム構
造”にすることで、変換効率34.45%が得られれている。但し、数値計
算上での話し。


図 ヒダ状バンドギャップで変換効率が飛躍的に向上へ
GaAs系多接合太陽電池はバンドギャップが異なる p-n接合を積層する
方式(a)。CIGS系太陽電池で 単接合ながら、バンドギャップを連続
的に変化させることで、多接合セルのような効果を狙ったものの、変
換効率は期待ほどには高まらなかった(b)。CIGS層のバンドギャップ
に“ヒダ状”の高低を付けることで、数値シミュレーション上は非常
に高い変換効率を実現(c)。

【関連論文】



理論的には、太陽電池の効率は2層の方が優れている:
Theoretically, two layers are better than one for solar-cell ><
efficiency
【概要】
光電変換効率は、太陽電池モジュールの重要要素である。薄
膜太陽電池は安価で製造が容易だが、結晶シリコン太陽電池に比べて
効率が低く改善を必要としてきた。両方でバンドギャップエネルギー
が段階的に変化する、2つの吸収体層(1つだけではなく)を備えた
薄膜太陽電池は、より広いスペクトル範囲で太陽光子を捕捉可能。厚
さ300nmのCuIn1-ξ1Gaξ1Se2 CuIn1−ξ1Gaξ1Se2 吸収体層と厚さ870
nmのCu2 ZnSn(Sξ2Se1−ξ 2)4Cu2ZnSn(Sξ2Se1-ξ2)4 バンドギャ
ップエネルギーの等級付けが両方の吸収体層で最適条件で、吸収体層、
34.45%の効率が詳細な光電子工学モデルで予測された。

高い開回路電圧達成に高GaCu(In、Ga)(S、Se)2を用いた前駆
体反応法
:
Precursor Reaction Method With High Ga Cu(In,Ga)(S,Se) 2
to Achieve Increased Open-Circuit Voltage

【概要】
Cu(In、Ga)Se2太陽電池を製造するための前駆体反応プロセ
スにより、低コストの製造と製造のためのスケーラブルな処理が可能
になる可能性がある。さらに、このプロセスにより、ラボ規模の実験
で記録的な効率が得られ。これまでのところ、前駆体反応法の研究は、
Ga /(In + Ga)≈25%の比較的低いGa組成に限定されてきた。Gaの比
率を大きくすることにより、バンドギャップを大きくし、開回路電圧
を大きくできる。この作業は、開回路電圧と効率を改善することを目
的として、Ga /(In + Ga)≈50%で使用するための前駆体反応プロセ
スを開発および特性評価します。Ga比が増加すると、Vが増加する
が、前駆体から吸収体相への変換速度が低下する。さらに、Gaを増や
すと、セレン化温度を上げると膜の密着性が向上し、膜の形態も向上
する。

近接空間蒸気輸送によるメチルアンモニウム鉛ヨウ化物ペロブスカ
イトの成長
The growth of methylammonium lead iodide perovskites
by close space vapor transport 
【概要】蒸着プロセスは大面積製造へのスケールアップのための潜在
的な経路を備えた高品質のペロブスカイト太陽電池の可能性を示す。
ここではPbI2の層を堆積し、それをCH3NH3I(MAI)蒸気と反応させるこ
とにより、CH3NH3PbI3(MAPI)ペロブスカイト薄膜を堆積する連続的な
近接空間蒸気輸送プロセスを示す。T = 100℃および圧力= 9トルで、
厚さ約225 nmのPbI2膜は、完全に反応したMAPI膜を形成するためにMAI
蒸気中で125分以上を必要とする。温度を160℃に上げると、反応速度
が上がり、15分以内にMAPIが形成されるが、表面被覆率は低下。より
複雑な関数関係の証拠はあるが、反応速度論はPbI2に関してほぼ一次
に近似できる。100℃で150分間反応させたペロブスカイト膜をSLG /
ITO / CdS / MAPI /Spiro-OMeTAD /Au構造の太陽電池に作製し、12.1
%のデバイス効率を達成した。これらの結果は、近接空間蒸気輸送プ
ロセスを検証し、連続的な蒸気輸送堆積によるスケールアップされた
気相ペロブスカイト製造への進歩として機能する。


図1 n型有機半導体PhCn–BQQDIのa)分子構造、およびb)BQQDIのパ
ッキング構造の模式図(e–は伝導電子を表す)
 世界最小クラスの接触抵抗を示す電子輸送性有機半導体
スマートフォンやパソコンなど現代に欠かせない電子機器には、シリ
コンを中心とした無機化合物からなる半導体(無機半導体)が用いら
れている。共有結合により原子同士が結びついている無機半導体は、
共有結合を介した電荷輸送に由来する、極めて高い電荷移動度を示す
一方で、重く、硬く、また、デバイス作製に約300–1000℃の高温が必
要といった課題がある。これに対して、有機半導体は軽元素により構
成されるパイ電子系分子が弱くて可逆的な分子間力で結びついた固体
なので、軽量かつ機械的に柔軟である特長を有し。さらに、真空蒸着
法、印刷法のいずれにおいても、無機半導体に比べて遥かに低温でプ
ロセスが可能、生産時のコストや環境負荷を軽減できるため、次世代
のプリンテッド・フレキシブルエレクトロニクスにおける鍵材料とし
て大変期待されていたが、重なりの小さな分子軌道を介して電荷輸送
が行われるため、一般に電荷移動度が低いことが有機半導体の欠点で
あった。同様の理由で、分子の集合構造は有機半導体の性能を決定付
ける重要な因子の一つであるため、分子が非常に規則正しく配列した
p型有機半導体単結晶では、無機半導体のアモルファスシリコンより
も1桁以上高い、10 cm2 V-1 s-1級の正孔移動度を示すことがわかって
きた。岡本敏宏東大准教授らの研究グループは、実用的なn型有機半導
体の基盤として有望なBQQDI骨格を開発しました。特に、フェニル部位
とアルキル部位から成る側鎖を有するPhC2–BQQDIは、印刷法により高
い電子移動度および大気安定性、耐熱性を示すことがわかった一方で、
柔らかいアルキル部位のみの側鎖を有するC8–BQQDIのデバイス特性に
は不安定さが見られたことから、固いフェニル部位の導入が、PhC2
BQQDIの集合構造やデバイス性能に重要な役割を果たしていると考えら
れていた。


図2 結晶構造を基にしたa)PhC2−BQQDIと b)PhC3−BQQDIの二分子層
薄膜における分子動力学計算
【要点】
•「固くて柔らかい」フェニルアルキル側鎖を導入することで、真空
蒸着法および印刷法のいずれでも高性能の薄膜を成膜できる電子輸送
性有機半導体材料の開発に成功した。
•パイ電子共役骨格とフェニルアルキル側鎖との協同的な振る舞いが、
基板上での集合構造の形成において重要であることを明らかにした。
•電界効果トランジスタにおいて、長期の大気安定性や低接触抵抗を
示すことが明らかとなり、実用的な有機半導体材料として期待が高ま
りまった。


積雪4M越え豪雪地対応太陽光ハイブリッド蓄電システム
10月28日、デルタ電子とスワロー工業は、住宅用太陽光発電と蓄電池
について、4メートル超えの豪雪地帯への設置に対応する新工法を開発。
一般的な太陽光発電モジュールの最大積雪荷重は5400Paで、これは積
雪2メートル以下を想定した設計。この場合、豪雪地帯の積雪には耐え
られない。また、特殊強化モジュールを導入すると、コストがかさみ、
経済性が大きく損なうので、デルタ電子とスワロー工業では、一般的
な太陽光発電モジュール、汎用架台で豪雪地帯向けシステムの構築を
検討。その結果、軒下・壁面設置をベースとした新工法を開発。軒下
・壁面に設置できる「SKソーラー・ウォール」を新たに開発。基本構
造はSKフレームのままで、各社の太陽光パネルの取り付けに対応する。
発電量を高めるため10~30度の傾斜角を付けることが可能。また、パ
ワーコンディショナー(PCS)と蓄電池を組み合わせたハイブリッド蓄
電システムを採用し、雪で閉ざされ停電になっても電力を確保できる。
開発したシステムについて両社は、長野県飯山市の山間部にある既築
住宅に設置し、発電モニタリングを開始。この住宅には出力5.44kW(
キロワット)のハンファQセルズ製太陽光パネルと、定格容量5.9kWの
PCSと容量5.6kWh(キロワット時)の蓄電池を組み合わせたデルタ電子
製のハイブリッド蓄電システム「SAVeR-H」を導入。太陽光パネルの
傾斜角は20度とし、一般的な壁面・垂直設置と比べて約20%強の日射
量を獲得できる。



積雪4M越え豪雪地対応・住宅用太陽光ハイブリッド蓄電システム
様諸元
ハイブリッドパワーコンディショナ定格容量:5.9kW AC 蓄電池定格容
量:5.6kWh
太陽電池容量:5.44kW DC 太陽電池
ストリング構成:8枚2直列(東南面、南西面)
架台工法:SKソーラー・ウォール工法(軒下・壁面設置 20度)
太陽電池モジュール:Qセルズ製 Q.PEAK DUO BLK G8 340W
SKソーラー・ウォール架台:鍍金鋼板材・ZAM採用、粉体塗装 住宅壁
面色に合わせた塗装色(チャコールグレイ)施工が容易なプレアッセ
ンブルされたSKフレーム 位置決め、スライド固定金具
ハイブリッド蓄電システム:デルタ電子 ES6JB1 独立3回路MPPT、マ
ルチストリング ワイドレンジ 30V-450V入力 最大入力電流 11A 蓄電
池定格出力 2.5kW 蓄電池最大出力 3kW 自立運転、系統運転自動切換
自立運転時、太陽光発電出力と、蓄電池充電、放電の何れか同時動作
可。
 デルタ電子は台湾の会社、雪国でも太陽光発電と蓄電池の組み合わ
せで対応できる事例となる。注目ソースだ。


図(a)温度可変ODPL分光法のスキーム。 (b)T = 300 Kおよび(c)
T = 12 Kで測定されたODPLおよびSPLのスペクトルとr(ODPL強度をSPL
強度で割ったもの)

 窒化ガリウム結晶の発光量子効率と光吸収の関係
照明や通信、太陽光発電などの分野において、電気エネルギーと光エ
ネルギーとを相互に変換する発光ダイオード(LED)や半導体レーザ、
太陽電池などの活用が不可欠。これら半導体デバイスの性能は、ウェ
ハの構成材料となる結晶の品質に強く左右される。東北大学多元物質
科学研究所の小島一信准教授、秩父重英教授は、全方位フォトルミネ
センス(ODPL)計測法にて観測される発光スペクトル(ODPLスペクト
ル)に特有の双峰性形状が、結晶のもつ光吸収に起因していることを
発見。本研究は、高性能な電子デバイスや光デバイスの製造に適する
省エネ材料である窒化ガリウム結晶の発光量子効率と光吸収の関係
明らかにするものであり、簡便な方法にて半導体結晶の光吸収スペク
トル計測を実現。

図 a)さまざまな温度の強度比スペクトル。各温度で最も急な勾配を
持つ強度比のスペクトルの一部が抽出。(b)共通点で収束した、抽出
された勾配の外挿によるさまざまな温度の強度比スペクトル:
(3.539 eV、-6.306)。
【概要】 全方向性フォトルミネッセンス(ODPL)および標準フォトル
ミネッセンス(SPL)分光測定は、12Kから 300Kの間のさまざまな温度
(T)で自立型GaN結晶上で実行されました。結晶のバンドエッジ(NBE)
発光は、基本吸収端エネルギー(Eabs)より下の フォトンエネルギー
(E)に対して直線的に減少する勾配を示し、勾配は Tが低いほど急に
なりました。さまざまなTでの勾配の線形外挿共通点(E、ρ)=(3.539
eV、-6.306)に収束した。この事実は、 ρに対して得られた傾きが光
吸収スペクトルのUrbach–Martienssen(U–M)テールに対応することを
意味する。 フォトルミネッセンスの一部が結晶内を移動し、散乱が結
晶の裏側で発生するという仮定の下での数値シミュレーションは、ODPL
スペクトルを実質的に再現した。したがって、GaN結晶の NBE発光周辺
のODPLスペクトルの2ピーク構造の起源は、U–Mテールの存在に起因し
た。Eabs値は、吸収係数が約16.7 cm-1になる光子エネルギーを示す。
これは、結晶の厚さの2倍の値(0.03 cm)の逆数に相当する。


北海道で81人が感染 過去最多
仏、ロックダウン再導入へ 「少なくとも」12月1日まで


コウモリが病気にならずウイルスを媒介するメカニズム
コウモリはエボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスや重症急性呼吸
器症候群(SARS)を引き起こすSARS-CoV、中東呼吸器症候群(MERS)を引
き起こすMERS-CoVなどを媒介することがわかっており、2020年を通し
て流行し続けている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こ
すSARS-CoV-2もコウモリ由来のウイルスだと考えられている。コウモ
リがさまざまなウイルスを媒介しながらも病気にかからないという謎
について、シンガポールの研究チームが新たなメカニズムを発見しこ
とを公表している。ブラックフルーツコウモリ・ヨアケオオコモリ・
デビッドコウモリという3種類のコウモリを調査し、免疫反応や炎症
反応の媒介に重要な役割を果たすタンパク質の活動メカニズムについ
て解明を試みた結果、細胞死や炎症を含む多数のプロセスにおいて中
心的な役割を果たす「カスパーゼ-1」や、炎症反応を引き起こす炎症
性サイトカインの一種である「インターロイキン-1β」のレベルを低
下させるメカニズムをコウモリは有していると判明。さらに、カスパ
ーゼ-1とインターロイキン-1βのバランスを細かく調整することで、
インターロイキン-1βの成熟を阻害する機能も有していることがわか
った。こうしたメカニズムがコウモリが人獣共通感染症のウイルスを
保有しつつも感染しない要因になっている。このことから、人間の場
合は過活動性の炎症反応を抑制すると、加齢による衰えを防いで長寿
になることが知られ、今回の発見は、人体における感染症の制御や治
療に関する新たな戦略の開発につながる可能性があると研究グループ
の責任者ははなしている。(コウモリが病気にならずに多数のウイル
スを媒介するメカニズムとは? GIGAZINE, 2020.10.27)





風蕭々と碧い時代:いつの日か 矢沢永吉   
(作詞)秋元康(作曲)矢沢永吉




「いつの日か」は、1994年5月25日に発売された矢沢永吉の37枚目のシ
ングル。自身主演のドラマ『アリよさらば』のエンディングテーマに起
用される。同ドラマの主題歌である前作「アリよさらば」から約1か月
後にリリース。因みに、「アリよさらば」は、1994年4月27日に発売さ
れた矢沢永吉の36枚目のシングル。シングルCDとしては「時間よ止まれ」
の63.9万枚に次ぐ、自身2番目に高いセールスとなる35.6万枚を売り上
げている(オリコン調べ) 。前曲とことなり、『成り上がり』を地で
いく見栄を美学を「サブウエイ特急」と同様に披露する

 俺はごめんだぜ/一人で行くぜ/
 この道のどこかで/倒れても/俺の人生さ
 人は生まれ/いつかまた死んでく/一瞬のその時間に
 群れをなす蟻よさらば/蟻よさらば
                         アリよさらば

エリナビグリー、ジェームスボンドと別れ、ジェームス・ディーンのよ
うに「白いカベに ただ一人 命を燃やしたよ/ヤミに向って突走るのさ
何処までも/ホームのあの娘に HELLO GOOD-BYE」と歌うにはわたしも、
彼も歳を取り過ぎているのだがと考えながら、どこかでギャー・チンジ
しなければと反省していた自分を思い起こしている。



1994年は、Mr.Children:「innocent world」、 広瀬香美:「ロマンス
の神様」、篠原涼子 with t.komuro:「恋しさと せつなさと 心強さと
」、B'z:「Don't Leave Me」、中島みゆき「空と君のあいだに/ファ
イト!」など。出来事には、2月4日 - H-Ⅱロケット1号機、種子島宇宙
センタから打ち上げ成功。4月15日 - 世界貿易機関を設立するマラケシ
ュ協定署名、5月1日 - F1・サンマリノGPで、元ワールドチャンピオン
のアイルトン・セナが事故死、5月6日 - 英仏間の英仏海峡トンネル開
通、6月27日 - オウム真理教による松本サリン事件発生、7月8日 - 北
朝鮮の金日成主席が死去。7月25日 -イスラエルとヨルダンが平和協定
に調印、1948年以来続いていた戦闘状態に終止符、9月3日 -ロシアと中
華人民共和国、お互いを核兵器の照準から除外することに相互合意。12
月3日 -ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCEI) が「PlaySt-
ation」を日本で発売し、家庭用ゲーム業界に参入。そのほか、ノーベル
文学賞 - 大江健三郎が受賞。

   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナ禍と混沌⑨

2020年09月13日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編成のこ
と)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこに
ゃん」


                                      
14 憲 問 けんもん
----------------------------------------------------------------
「士にして居を懐(お)うは、もって士となすに足らず」(3)
「貧にして怨むことなきは難く、富みて馴ることなきは易し」(11)
「古の学者はおのれのためにし、今の学者は人のためにす」(25)
「君子は、その言のその行ないに過ぐるを恥ず」(29)
「人のおのれを知らざるを患えず。おのれの能無きを患う」(32)
----------------------------------------------------------------
22 斉の陳成子が主君の簡公を殺した。
このことが魯に伝わると、孔子は斎戒沐浴さいかいもくよくして身を清め、朝廷に出仕
して哀公の前にすすみ出た。
「陳恒が斉君を殺したとのことです。なにとぞ討伐の兵を挙げますよう」
だが、哀公は自分では裁決を下さず、三人の重臣に相談せよと言った。
退出した孔子は、残念そうにつぶやいた。
「わたしは大夫の末席にある者として、黙視することができなかったの
だが、わが君はあの三人に相談せよとおっしゃる」
孔子は三人にそれぞれ進言したが、だれからも同意を得ることはできな
かった。孔子はふたたびつぶやいた。
「大夫の末席にある者として、黙視することはできなかったのだ」

〈陳成子が・・・〉陣成子は斉の大夫陳恒(田常ともいう)のこと。簡公
の父悼公とうこうの即位にさいして功績があり、当時権勢を誇っていたが、簡公
は家臣の闞子かんしを寵愛して陳成子と対立し、ついに武力衝突の結果、簡公
は陳成子一族に敗れて殺された。陳恒はこのあと斉の実権をほしいまま
にし、三代後にはついに斉の君位を奪うに至った。
〈三人の重臣〉 季孫、仲孫、叔孫の三氏。

陳成子弑簡公、孔子沐浴而朝、告於哀公曰、陳恆弑其君、請討之、公曰、
告夫三子、孔子曰、以吾從大夫之後、不敢不告也、君曰、告夫三子者、
之三子告、不可、孔子曰、以吾從大夫之後、不敢不告也。

Chen Cheng Zi murdered marquis Jian of Qi. Confucius bathed and
went to the palace and said to marquis Ai of Lu, "Chen Heng mur-
dered his lord. Let us punish him, Your Excellency." Marquis Ai
replied, "Talk to the heads of three families." Confucius left
the palace and said, "As duty of a minister, I dared tell it to
marquis Ai. But he said, 'Talk to the heads of three families.'
" Confucius proposed punishing Chen Heng to the three ministers.
But they denied. Confucius said, "As duty of a minister, I dared
tell it."
   

❐ ポストエネルギー革命序論 207:アフターコロナ時代㉑
 現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」




国内初!! いいたてまでいな再エネ・クロス発電
9月4日、東光電気工事株式会社は。太陽光発電と風力発電を、
効率よく組み合わせて発電する「いいたてまでいな再エネ発電所」
が、4日より営業運転を開始。本発電所は、飯舘村の村有地(約
14ha)にて、2016年3月に太陽光発電所として竣工し、運転を開始
する。当初から計画していた風力発電設備の併設について、 2018
年4月より設計・建設を始め、このたび風力発電設備の運転開始と
共に「再エネ・クロス発電」の営業運転がスタートする。本発電所
の年間発電量は2,700万kWh(一般家庭約4,100世帯分の電力に相当。
4kW/世帯)を見込んでおり、全量を東北電力株式会社に売電。東光
電気工事は”までいの心”で発電所を見守りながら、飯舘村と共に
再生可能エネルギーの供給を通じて、復興を推進することを目指す。
再エネ・クロス発電
本発電所での再エネ・クロス発電とは、太陽光発電所に風力発電設
備を増設することで、発電効率を向上させることを目的とする。太
陽光と風力を合わせた発電量が、契約電力量である連系枠の10MWを
超えそうな時に太陽光発電と風力発電の出力を効率よく制御するこ
とで、連系枠を超えないようにします。このシステムを「再エネ・
クロス発電」という。≪特許取得済 (特願2017-096456 )・商標登
録済 ( 商願 2017-095622 ) ≫



9月10日、大和ハウス工業株式会社は、2020年10月より順次、自社
工場で使用する電力を当社グループが運営・管理する施設で発電し
た再生可能エネルギーに切り替える。同社では、2016年7月、創業
100周年となる2055年を見据えて、「環境と企業収益の両立」を達
成するため、 環境負荷 “ゼロ”に 挑戦する環境長期ビジョン「
Challenge ZERO 2055」を策定。その目標達成のため、2018年3月に
は国際イニシアティブ「RE100」に加盟し、事業運営に要する電力
を「自らつくる」再生可能エネルギーで100% まかなうことを目標
に掲げた。これを受け、2020年4月には、全国の事務所・施工現場・
住宅展示場に再生可能エネルギー由来の電力の本格導入を開始。
そしてこのたび、住宅業界で初めて、工場の使用電力をまるごと再
生可能エネルギー由来の電力に切り替えることを決定。全国 9工場
のうち、まず 4工場(新潟工場、中部工場、三重工場、奈良工場)
において、2020年10月より順次、当社グループの電力小売事業者等
が供給する再生可能エネルギーの電力に切り替えます。供給する電
力は、 大和エネルギー株式会社が運営する太陽光発電所 「DREAM
Solar奈良工場」(奈良県奈良市、発電出力:約2MW)や、大和リー
ス株式会社が運営する太陽光発電所「DREAM Solar和歌山市」(和
歌山県和歌山市、発電出力:約17MW)など、当社グループが建設・
運営・管理する再生可能エネルギー発電施設の再生可能エネルギー
価値(トラッキング付非化石証書(※2))を付加した電力。これ
により、発電から供給、利用まで “再生可能エネルギーによる自
給自足”を実現。4工場での切り替え電力量は 約15,000MWh/年とな
り、CO2排出量を約 7,400t/年削減できる見込み。 それにより、同
グループでは工場や事業所などの使用電力を切り替えることにより、
再生可能エネルギー電力利用量は2019年度の1,415MWh(再生可能エ
ネルギー利用率:0.3%)から2021年度には51,500MWh(再生可能エ
ネルギー利用率:11%)となり、2040年度には 100%を再生可能エ
ネルギーで賄う予定。今後、当社グループでは「脱炭素社会」の実
現のため、自社施設での再生可能エネルギー電力の活用を推進する
とともに、発電から販売、利用まで行うノウハウを活かし、環境経
営を推進する企業への再生可能エネルギー電力の提案・普及を加速
させる。
※1.事業運営に要する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを
目標に掲げる企業連合
※2.固定価格買取制度(FIT)対象の再エネ電力の再エネ価値を証
書化した非化石証書のなかでも、再エネ価値の由来となる再エネ電
源が特定されているもの。






図5.NMC二次粒子における表面の不動態化と非凝集構造のFEM図

 単一の電池電極粒子の化学反応を内側と外側の双方の解析
バッテリー粒子の表面の亀裂や化学反応は、パフォーマンスを低下
させる可能性があり、リチウムイオンを吸収および放出する粒子の
能力も時間とともに変化。赤血球のサイズの単一の粒子を微細な針
の先端に突き刺し、内部と表面の変化が互いにどのように影響する
かを確をX線解析。リチウムイオンバッテリーの電極を構成する粒子
は、微視的だが強力。バッテリーが保存できる充電量、充電と放電
の速度、時間の経過による保持方法を決定する。これらはすべて、
電気自動車や電子機器。粒子の表面の亀裂や化学反応はパフォーマ
ンスを低下させる可能性があり、リチウムイオンを吸収および放出
する粒子全体の能力も時間とともに変化する。科学者たちは両方を
研究してきたが、これまでは、個々の粒子の表面と内部の両方を調
べて、一方で何が起こるかが他方にどのように影響するかを確認し
たことがなかった。


図6:表面からバルクへの相互変調の概略図

エネルギー省のSLAC国立加速器研究所研究グループらは単一の電池
のカソード粒子を赤血球のサイズとほぼ同じ大きさで針の先端に突
き刺し、その表面と内部を2つのX線装置で3D解析する。粒子の表面
の亀裂と化学変化が場所によって大きく異なり、エネルギーを蓄積
する能力を低下させた粒子内部の微細な亀裂の領域に対応している
ことを発見する。基本的に粒子の表面と内部が相互交差しており、
例えば、バッテリーがより速く循環できるように粒子全体を設計で
きる。リチウムイオンバッテリー電極を構成する粒子は、微視的で
すが強力。バッテリーの保存できる充電量、充電と放電の速度、時
間の経過による保持方法を決定できるというもの。例えば、バッテ
リーがより速く充電できるように粒子全体を設計するのに役立つ。


図1:NMC811二次粒子の相関イメージングの概略図



  David Heymann
コロナウイルスについて私たちが知っていること(知らないこと);
:What we do (and don't) know about the coronavirus

コロナ禍と混沌⑨
世界保健機関(WHO)が新型ウイルスによる緊急事態を宣言してか
ら、6カ月余りがたった。1月末のあの日の時点で、新型コロナウ
イルスの感染が確認されていたのは1万人弱で、200人以上が死亡
していたが、中国以外での死者は出ていなかった。あれ以来、世界
も暮らしも、変わってしまう。人類と新型ウイルスとのこの闘いで、
人間のこれまでの戦いぶりはどうなのだろう。それを考えてみる。
(vir 新型コロナウイルスとの闘い 世界は勝てているのか、BBC
ニュース、2020.8.11)9月10日15:00現在、日本国外で新型コロ
ナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は、感
染者数:27,816,083人(73,221)、死亡者数:903,354(1,406)人。
但し( )内の数字は日本。パンデミック(世界的流行)の当初、
感染者が10万人増えるには数週間かかっていたが、今ではわずか数
時間で、10万人増え、感染者が最初の10万人に達するには67日かか
ったが、次の10万人確認は11日、その次の10万人確認はわずか3日
しかかからない。つまり、この記事によるとこうだ。

〝同じパンデミックがずっと続いているわけだが、その影響は単一
ではない。新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」は世界各
地で様々な影響をもたらしている。しかし、自分の国で起きている
事態とは異なる現実は、いとも簡単に見えなくなってしまいがちだ。
ただし、人類全体に共通する事実がひとつある。アマゾンの熱帯雨
林に住んでいようが、シンガポールの高層住宅に住んでいようが。
あるいは、夏の終わりが近づくイギリスの街に住んでいようが。こ
のウイルスは、人と人の接触によって増殖するのだ。私たちが集ま
れば集まるほど、このウイルスは伝播しやすくなる。このことは、
中国で最初に出現した時から今に至るまで、変わっていない。この
大原則こそ、世界中のあらゆる状況を説明するものだ。あなたが世
界のどこにいようと。そして世界の未来の姿も決定する。〞人間が
密集すればウイルスは伝播する。いまパンデミックの震央になって
いる中南米の状況が、インドでの感染者急増も説明でき、香港が感
染者を隔離施設に収容しているのもそのためだし、韓国当局が市民
の銀行口座や携帯電話を監視しているのも同じ。だからこそ、欧州
各国やオーストラリアは、ロックダウン(都市封鎖)と感染封じ込
めのバランスをいかにとるかで苦労するし、私たちは、以前の日常
生活に戻るよりは、「新しい普通」、「新しい日常」を模索してい
る「このウイルスは惑星のあちこちで広まっている。



私たち一人ひとり、全員に影響している。人間から人間へと伝染し、
私たちがみんな結びついてつながっていることを浮き彫りにしてい
る。旅行や移動だけでなく、一緒に話したり、一緒に時間を過ごし
たりする。一緒に歌を歌う。ただそれだけの素朴な行動が、ウイル
スを広めてしまう。新型ウイルスは異例なほど追跡しにくい病原体
で、多くの人は感染しても軽症か無症状だが、そのほかの人たちは
病院が逼迫するほど重症化し、死亡する至る人も多い。今の時代な
らではのパンデミック・ウイルスである。新型コロナウイルスの時
代を生きている。感染防止に成功した場所は、人から人へと伝染し
ていくウイルスの能力を断ち切ったことに成功している(特に注目
されるのは、ニュージーランド
)。国内の感染者がまだ少ないうち
に素早く反応した。ロックダウンを開始し、国境を封鎖し、今では
感染者がほとんどいない。基本的な対策をしっかりやることで、効
果を出している貧しい国(モンゴル。パンデミックの発端となった
中国と、長い国境を接している)。ひどい事態になる展開もあり得
たが、7月になるまで集中治療を必要とする重症患者は1人も出な
かった。現時点までに確認された感染者はわずかに293人、死者は
いない。
モンゴルは限られた医療資源を上手に有効活用した」と、ロンドン
大学衛生熱帯医学大学院のデイヴィッド・ヘイマン教授は評価する。
「いわゆる『足で稼ぐ』、『靴底をすり減らす』防疫対策だ。戸別
訪問による聞き取り調査を徹底して、感染者の接触者を追跡して特
定して、隔離した」。加えてモンゴル当局は、学校を素早く閉鎖し、
国外移動を制限し、マスク着用や手洗いの励行を早くから実施して
いる。


📌 インフルエンザの基礎知識;厚生労働省 H19.12

その一方で、「政治的指導力の欠如」が多くの国で効果的な感染対
策を妨げたとは言う(デイヴィッド・ヘイマンロンドン大学衛生熱
帯医学大学教授)。公衆衛生対策の有力者と、政治の指導者が、な
かなかうまく話し合えない状況が多くの国で見られたと。ウイルス
はそういう環境でこそ、大いに増殖。パンデミックを通じてドナル
ド・トランプ米大統領と、アメリカの感染症対策の第一人者、アン
ソニー・ファウチ博士は、まったく別の言語で話しているとまでは
いかないものの、明らかに違う文脈で話し続けている。ブラジルの
ジャイル・ボルソナロ大統領はロックダウン反対集会に参加し、COV
ID-19を「ちょっとした風邪」と呼び、3月の時点でパンデミックは
ほぼ収まりつつあると発言。しかし実際には、ブラジルだけで280
万人が感染し、10万人以上が亡くなっている。ウイルスを制御した
国々は(その多くは社会を激しく痛めつけた苦しいロックダウンに
よってウイルスを抑制したのだが)、今なおウイルスが残っている
と気付くようになった。警戒態勢を緩めれば再び広まるし、日常生
活の復活はまだじれったいほど見通しが立たない。ロックダウン開
始よりもロックダウン解除の方が難しいと、各国は気付き始めてい
ると、グロッペリ医師は言う。ウイルスとどう共存するか、これま
で考えていなかった。一般市民が街でマスクをしている光景は、以
前は欧州では異例でまれなものだったが、今では当たり前になった。
着用を必須にしているリゾート地のビーチもあるほど。さらに言え
ば、これは全員に対する警鐘だが、かつて対策がうまくいったから
といって、今後もずっとそうだという保証はまったくない。香港は
当初、感染の第1波を上手に乗り越えたと称賛されていた。ところ
が今ではバーやジムがまたしても閉鎖されている。いったん再開し
た香港ディズニーランド・リゾートは、1カ月もしないうちにまた
休園した。「ロックダウンを解除したからといって、元どおりに戻
れるわけではない。この認識がまだまったく広まっていない」と言
う。そこに加えて、アフリカの死亡率が他国に加えて目立って低い
という不可解な状態も続いている。その理由について、仮説がいく
つかある。

・他の地域に比べて人口がはるかに若い。アフリカの平均年齢は19
 歳だ。COVID-19は高齢者ほど致死性が高い
・新型ではない他のコロナウイルスが多く存在し、そのため多くの
 人が交差免疫を獲得している可能性がある
・重症化リスクとなる肥満や2型糖尿病など、先進国に多い基礎疾
 患は、アフリカでは比較的少ない
・創意工夫で対応している国も複数ある。ルワンダは病院への備品
 配達や行動制限の周知に、ドローンを使っている。集会禁止にも
 かかわらず教会へ向かっていた牧師
など、違反者の捕捉にもドロ
 ーンが使われている。


しかし、インドや東南アジアの一部などでは、「手を洗いましょう」
という最も素朴なメッセージさえ、水道が整備されていない、衛生
条件が整っていないなどの理由で、なかなか徹底されないという現
実がある。
-----------------------------------------------------------
"インフルエンザウイルス" の "種類"
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルス:influenzav-
irus ,flu virus) はヒト(人間)に感染して、感染症であるイン
フルエンザを引き起こすウイルス。ウイルスの分類上は「エンベロ
ープを持つ、マイナス鎖の一本鎖RNAウイルス」として分類される
オルトミクソウイルス科に属する、A型インフルエンザウイルス (
influenzavirus A)、B型インフルエンザウイルス (- B)、C型イン
フルエンザウイルス (- C) の3属を指す。ただし一般に「インフ
ルエンザウイルス」と呼ぶ場合は、特にA型、B型のものを指し、そ
の中でもさらにヒトに感染するものを意味する場合が多い(インフ
ルエンザ・ワクチンはC型を対象としていない)。またヒト以外の
インフルエンザウイルスは、それぞれ分離された動物の名前または
その略をつけて呼ばれるが、ヒトの場合は本項のように省略される。
本来はカモなどの水鳥を自然宿主として、その腸内に感染する弱毒
性のウイルスであったものが、突然変異によってヒトの呼吸器への
感染性を獲得したと考えられている。インフルエンザウイルスは、
A型、B型、C型に大きく分類される。このうち、大きな流行の原因
となるのはA型とB型。A型インフルエンザウイルスはさらに 144種
類もの型(亜型)に分けられるが、そのうち、人の間でいま流行し
ているのは、A/H3N2(香港型)と、A/H1N1(ソ連型)の2種類。
これらのウイルスはさらにそれぞれの中で、毎年のように小さい変
異をしている。B型インフルエンザウイルスは2種類(山形型、ビク
トリア型)で同様にその中でさらに細かい型に分かれる。これらの
A/H3N2(香港型)、A/H1N1(ソ連型)、B型が同時期に流行する
ことがあるため、同じシーズンの中でA型インフルエンザに2回か
かったり、A型インフルエンザとB型インフルエンザにかかったりす
ることがあるのはこのため。また、それぞれの細かい型に対する免
疫反応(抵抗力)は少しずつ異なるので、人はインフルエンザウイ
ルスの変異に追いつけず何回もインフルエンザにかかるこも(厚労
省、2007.12)。これを 下表にインフルエンザウイルス種類別にま
とめられている。




 コロナの弱毒化は本当なのか

東京や大阪、愛知など大都市圏を中心に新型コロナウイルスの感染
が再拡大している。しかし、3~5月の「第1波」と比べると感染者
全体に占める重症者の割合は少ない。このため一部メディアやイン
ターネット上では「ウイルスが変異して弱毒化したのではないか」
との楽観論も出ている。果たして実際はどうなのだろうか。1日当
たりの新規感染者数は、7月29日に1239人と初めて1,000人を突破し
た後、多い日で1,500人台に達し、緊急事態宣言が出ていた4月のピ
ーク時の2倍以上になっている。一方、重症者数は緩やかに増加傾
向が見られるものの、8月16日時点で232人と、過去最多だった5月
1日の328人の3分の2程度になる。



こうした状況から「ウイルスの毒性が弱まったのではないか」との
声がインターネット上で散見されている。とりわけ、感染爆発が起
きたイタリアでコロナ治療に当たってきた医師が5月以降複数の海
外メディアの取材に「3~4月と比べてウイルスの威力は弱まった」
などと発言。これを引用する形で弱毒化説が広がっている。確かに
ウイルスは着実に変異している。一方で感染者数は増え続ける中で
重症者数や死亡者数が増えないことについて「ウイルスが弱毒化し
ているため」あるいは「夏は免疫力がアップするから」だという言
説が散見されますが、今のところは特に根拠はない。

入院者数は増えているが重症者数は増えていない。かに現在の入院
患者数は1105人、そして重症者数16人となっており入院者数と比べ
ても重症者数の数は多くない。例えば緊急事態宣言時のピーク時に
は入院者患者数1413人に対し、重症者数は105人となっている。比
率からすれば重症者数が今は少ない。これまでに指摘されているよ
うに、第1波ではPCR検査体制が十分に整備されていない。第1波で
は、感染者数の増加に検査数が追いつけず、ピーク時には検査陽性
率が30%を超えてい。この時点での1日当たりのPCR検査数は320件と、
患者数の増加に追いつけていない状況であった。つまり、新型コロ
ナに感染しているのにPCR検査が実施されずに診断に至らない事例
が相当数あったと推定される。軽症例は当時「4日ルール」なども
あり検査の敷居がやや高かく、重症例の方が優先的に診断されてい
た。 現在は1日当たりのPCR検査数は3600件と10倍ほどに増加、検
査陽性率も6%台を維持。つまり第1波と比較すると、軽症例を含
めて感染者が適切に診断されていると推測される。第1波では氷山
の一角しか診断できていかなった新型コロナが、今では検査体制の
強化によってもう少し感染者の全体像が見えてきた。これが、第1
波と比べて感染者全体に占める重症者数が少ない理由の一つとされ
る。(新型コロナが弱毒化しているという根拠はない、忽那賢志、
Yahoo!ニュース)。2つ目の理由は重症化のタイムラグ。典型的に
は、発症から7~10日経ってから悪化してきます。新型コロナ患者
の多くは、発症から1週間前後で診断されているが、高齢者や基礎
疾患のある人はより短期間で診断される傾向にあるため、重症者が
増えてくるのは診断時よりも後になり、重症者のピークは今よりも
確実に遅れる。厚生労働省が発表している「7月8日時点の国内にお
ける年齢別の新型コロナ患者の致死率」は、60代が 4.9%、70代が
14.6%、80代以上が28.7%となっている。


図 フロリダ州における新規患者数と死者数の推移(NY times
Florida Coronavirus Map and Case Countより)

フロリダ州では6月から流行がさらに加速し、7月に入ってからは
1日平均10000人以上が新型コロナと診断。当初、流行の中心は若
い世代であり、症例が増加しても死亡者は増えていない。しかし、
高齢者の感染者が増加するにつれ、死亡者も増加傾向にあり、現在
は1日に100人以上の方が亡くなっている。最後にもう1つ、第1
波のときとの大きな違いがあります。それは現在新型コロナの治療
法がある程度確立してきている。例えば、第1波のピークが過ぎた
5月7日に国内ではレムデシビルという抗ウイルス薬が使用可能とな
った。これはランダム化比較試験というエビデンスレベルの高い臨
床研究で効果が証明された治療薬。また、これに加えて、デキサメ
サゾンというステロイド薬も生存率を改善させることが分る。新型
コロナで起こる凝固異常についての理解も進み、抗凝固薬も使用さ
れるようになってきた。こうした治療の進歩によって重症化する患
者が減っている可能性は十分にある。まとめると、①第1波のとき
よりも軽症例を含めて診断されている。②ハイリスク患者が重症化
するのはこれから 。③治療法が確立してきている。実際に診療を
していて、これまでは人工呼吸管理になっていたようなハイリスク
患者が、早期に治療を開始することで人工呼吸管理を回避できるよ
うになってきているとなり➲ 現時点では新型コロナウイルスが
弱毒化している科学的根拠はないとこの記事は結ぶ。

【風蕭々と碧い時代:ブレッド&バター 青い地平線】



ブレッド&バター(ブレッドアンドバター):2人組の日本のフォ
ークデュオ(兄弟デュオ)。兄弟の父は映画監督の岩沢庸徳。1969
年のデビュー以来、2014年現在までに41枚のシングルと24枚のオリ
ジナルアルバムをリリース。楽曲は加山雄三やサザンオールターズ
などと同様に「湘南サウンド」として親しまれ、スティーヴィー・
ワンダーや細野晴臣、井上陽水、松任谷由実など内外のミュージシ
ャンとの交流も幅広い。

恋は哀しみ忘れ心で舞る祭りさ

Driaming
Only tonight
Just wanting
Say good-bye in the morning light, I know
It's a way to be, it's a way to be, for now...


HOTEL PACIFIC


あの頃のまま / 鈴木茂+ブレッド&バター
                  + ユーミン+松任谷正隆

湘南サウンドの源泉 ブレッド&バター、稲垣純一、浜田省吾、
桑田啓介たちサウンドを想起させる.....

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

センサのダウンサイジング

2020年05月15日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き、雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(
戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編成の
こと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこ
にゃん」。 


                    
13 子 路   し ろ
-----------------------------------------------------------------
「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
-----------------------------------------------------------------
14 あるとき冉有は、朝廷からの帰りが遅くなった。
遅いじゃないか。何かあったかね」と孔子に声をかけられて、再有は答
えた。
「ええ、ちょっと政務がありまして」
すると孔子は言った。
「政務? 政務というより、季氏の私用じゃないか。なるほどわたしは
実務にたずさわってこそいないが、政務に関することなら、わたしの耳
にはいらぬはずはない」
冉子退朝、子曰、何晏也、對曰、有政、子曰、其事也、如有政、雖不吾
以、吾其與聞之。

Ran Zi came back from the palace. Confucius asked, "Why have you
come back so late?" Ran Zi replied, "We had a problem of national
affairs" Confucius said, "It is probably a problem of Ji family's
affairs. If there is a problem of national affairs, they surely
consult me even if they don't leave it to me."

    

【ポストエネルギー革命序論 175】

❏ Society 5.0は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空
間)を 高度に融合させたシステムにより実現。これまでの情報社会(Soc
iety 4.0) では、人がサイバー空間に存在するクラウドサービス(デー
タベース)にインターネットを経由してアクセスして、情報やデータを入
手し、分析。Society 5.0 では、フィジカル空間のセンサーからの膨大な
情報がサイバー空間に集積される。サイバー空間では、このビッグデータ
を人工知能(AI)が解析し、その解析結果がフィジカル空間の人間に様々
な形でフィードバック。今までの情報社会では、人間が情報を解析するこ
とで価値が生まれてきた。Society 5.0では、膨大なビッグデータを人間の
能力を超えたAIが解析し、その結果がロボットなどを通して人間にフィー
ドバックされ、これまでには出来なかった新たな価値が産業や社会にもた
らされる。➲第5次産業(後期デジタル革命渦論)


図2 エチレンによる果物の熟成
植物ホルモンを常時モニタリングできる小型センサ
エチレン(CH2=CH2)は、野菜や果物から放出されるガス分子で、野菜や果
物の熟成を促進させる植物ホルモン。また、野菜や果物の保存庫内にエチ
レンを添加して熟成(追熟)を促すこともでき、バナナやキウイフルーツ
などに広く用いられています。しかしながら、エチレンが過剰に存在する
と熟成が進みすぎて、腐敗を進行する(上図2)。エチレンの濃度を常時
モニタリングして熟成の進行を予測すれば、最適な輸送・保存管理につな
がる、農業・食品業界では安価で小型なエチレンセンサが切望されていた
が、エチレンを高感度かつ高選択的に検出には、現在のところ、ガスクロ
マトグラフィーなどの高価で大型な装置を必要である。一方、半導体材料
を用いて、電気化学的にエチレンを検出する小型センサが市販されている
が、他の還元性ガス分子(アルコールやメタンなど)に誤応答してしまう
ことが課題。これは、半導体センサは一般的に高温状態(200〜300℃)で
駆動するため、センサ材料表面が高い活性を持ち、ほとんどの還元性ガス
と反応し、エチレンガスを選択的に検出し難いことが原因。この産業技術
総合研究所らの研究グループは、①エチレンを選択的にアセトアルデヒド
に変換する高活性触媒(Pd-V2O5-TiO2)と、②アセトアルデヒドと反応して
酸性ガスを発生する試薬(NH2OH∙HCl)、③そして酸性ガスを高感度に検出
する単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を担持した電極の三要素を組み合
わせることで、エチレンを選択的かつ繰り返し高感度に検出できる小型セ
ンサを開発しました(図3)。アセトアルデヒドと試薬の反応(CH3CHO +
NH2OH∙HCl → CH3CH=NOH+ H2O+ HCl)で発生した酸性ガス(HCl)は半導
体SWCNTに対して強い電子引き抜き剤として働くため、SWCNTの電気抵抗値
を変化させる。この仕組みにより、僅か1 ppmのエチレンを僅か5分の短
い時間で高感度かつ高選択的にモニタリングすることに成功した。例えば、
バナナとキウイフルーツの熟成(追熟)に用いられるエチレンの濃度は、
それぞれ約500 ppmと約10 ppmなので、本センサで十分に対応できる。本セ
ンサの感度(1ppmのエチレンに対して、約10%の電流変化量)は世界最高
レベルであり、5分間の測定における検出限界は0.2 ppm、15分間の測定で
は0.1ppm。この高感度化には、産総研が以前開発した半導体 SWCNT の分離
精製技術が生かされている。ひとつのセンサに用いられるSWCNTはごく僅か
であり、1グラムのSWCNTから数百万個のセンサが作製可能である。


図3(A)エチレンセンサの原理(B)エチレンに対する繰り返し応答(C)
エチレン濃度と応答の関係

研究達成には、センサ用途に最適化された高活性触媒が重要な役割を果た
す(下図4)。高活性触媒は、ガラス管に詰められた粉末状の固体材料(
Pd-V2O5-TiO2)で、エチレンを含む空気を通過させるだけで、空気中に含
まれる酸素と水を基質とした環境に優しい触媒反応(Wacker反応)により、
エチレンをアセトアルデヒドに変換できます。ppmレベルのエチレンを通
過させると、ほぼ全てのエチレンがアセトアルデヒドに変換されることを
確認した。高活性触媒は繰り返し利用可能であるとともに、室温付
近(40℃)で駆動するため、高温に維持する必要がなく低消費電力
で動作可能という点でも小型センサに適す。高活性触媒に含まれる
パラジウム(Pd)は貴金属だが、ひとつのセンサに用いられる量は
僅か0.8ミリグラム程度で、現在の価格に換算すると10円以下相当。


図4.エチレンをアセトアルデヒドに変換する高活性触媒(Pd-V2O5-TiO2

センサは、エチレンを選択的に識別することができる。下図5Aに示
すように、1 ppmおよび10 ppmのエチレンに対しては電流値が増加し
ますが、一般的な有機分子からなるガス(メタン・トルエン・クロロ
ホルム・テトラヒドロフラン・アセトニトリル)に対しては電流値が
僅かに減少するだけであり、エチレンと容易に識別することができる。
10 ppmのエチレンと10ppmのアセトアルデヒドは同等の応答を示すが
(図5A)、これはアセトアルデヒドと酸性ガスを発生する試薬(NH2OH∙
HCl)が直接反応するためで、高活性触媒を省いたセンサを追加で用
意して応答を比較すると、アセトアルデヒドには両方のセンサが応答
するのに対し、エチレンには高活性触媒を用いた側のセンサしか応答
しない(図5B)。これにより、エチレンとアセトアルデヒドを明確に
識別することができる。また、1ppmのエチレンと500 ppmのエタノー
ルも同様の応答を示しすが、これはエタノールの一部が高活性触媒上
で酸化され、アセトアルデヒドが生成しているため(図5A)。
ここで、パラジウムを含まない触媒(V2O5-TiO2)を用いたセンサを追
加で用意して応答を比較すると、エタノールには両方のセンサが応答
するのに対して、エチレンには高活性触媒を用いた側のセンサしか応
答しない(図5C)。これにより、エチレンとエタノールを明確に識
別できる。また、1ppm のエチレンと500 ppmのエタノールも同様の
応答を示すが、これはエタノールの一部が高活性触媒上で酸化されて、
アセトアルデヒドが生成しているため(下図5A)。ここで、パラジ
ウムを含まない触媒(V2O5-TiO2)を用いたセンサを追加で用意して応
答を比較すると、エタノールには両方のセンサが応答するのに対して、
エチレンには高活性触媒を用いた側のセンサしか応答しません(図5
C)。これにより、エチレンとエタノールを明確に識別することがで
きる。


図5.エチレンへの選択性(A)エチレンと他のガス分子への応答(B)エ
チレンとアセトアルデヒドの識別(C)エチレンとエタノールの識別

本小型センサを用いてエチレンの常時モニタリングを行えば、野菜や
果物の最適な輸送・保存管理によって、食べ頃の調整や、フードロス
の削減などが可能になると期待される。また、多くの小型エチレンセ
ンサから集まる情報(ビックデータ)を集積・ネットワーク化するこ
とにより、農業・食品業界において Society 5.0----第5期科学技術
基本計画において提唱された我が国が目指すべき未来社会の姿。サイ
バー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合さ
せたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間
中心の社会(Society)のこと。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会
(Society 2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society 4.
0)に続く、新たな社会と位置づけられている----の実現に向けた取
り組みを推進することができると考えている。さらに、別の高活性触
媒を設計し、エチレン以外のガス分子に対応する小型センサの開発も
進めるとある。

✔ 今回はエチレンガスセンサ技術とデバイス開発であるが、先回の
「ヘマタイトメソ結晶系水素製造触媒」でも掲載しているしていると
ころであるが、まさに、わたし(たち)が「ネオコンバック創業論」
として論じていることであり、前途洋々とした事業の勃興に収斂され
るところである。




金属3Dプリンティングのランダム欠陥の解明
5月8日、ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究グループは、ハ
イファイコンピュータシミュレーションと超高速X線イメージングを組み合
わせで、一般的なレーザーベースの金属3Dプリンティング構築部品の欠陥
を削減または排除処理する戦略を発見したことを公表した。
レーザー粉末床溶融結合法(3Dプリンティングの1形態であり、金属が媒
体として使用される)の際にスパッタを制御すると、ランダム欠陥が減少
し、製造品の全体的信頼性が向上する。金属材料の3Dプリンティングが可
能な新技術により、特に、航空宇宙および生物医学という先進的用途の製
造に大変革がもたらされようとしている。そのような新技術の1つである
レーザー粉末床溶融結合法(L-PBF)では、複雑な部品を製作するために、
高出力レーザーが使用され、層毎に金属粉末の溶融および結合が行われる。
しかしながら、有望視されているにもかかわらず、主として動作信頼度が
最適でないため、金属3Dプリンティングの広範な利用は未だに実現してい
ないのが現状。そこで、3Dプリンティングの際にランダムに発生するラン
ダムな細孔など、種々の欠陥が蓄積するため、適切な規格がL-PBFプリンテ
ィングされた部品により要求品質を見たさないことがしばしばある。これ
らの課題を解決するためには、レーザー、粉末層およびこれら両者の接点
にある溶融プールの間の複雑な動的過程を含め、L-PBFプリンティング工程
の基礎となる物理現象についての理解にある重大なギャップを解消しなけ
ばならない。複数物理モデルによる予測およびシンクロトロン放射X線実験
を使用し、高速であっという間に消え去るレーザー、粉末および溶融プー
ル間の動的過程を捕捉して、Saad KhairallahらはL-PBFプリンティングに
おけるばらつきおよび欠陥を低減する最善の方法を調査。スパッタによる
影響であって、以前は未知であったもの(L-PBFプリンティングにおいてよ
く見られるが、過小評価されていた可能性がある現象)をいくつか発見し
ており、これらによって欠陥および変形が形成され得る。今回の結果によ
ると、スパッタ問題はレーザー出力を慎重に制御することで緩和でき、こ
れにより欠陥のランダムな形成を最小限に抑えるとともに、再現性のある
高品質な3Dプリンティングを確実なものとすることに役立つ。 


➲レーザーパウダーベッドフュージョン:粉末をレイヤーごとにレーザ
ー溶融して3次元(3D)部品を構築する積層造形技術。
実験とマルチフィ
ジックスモデルを使用し、メルトスパッタの起源と、造形部品の特性
を低下させる欠陥の形成を特定。
情報に基づいたレーザー出力の変
調は、粉体層を乱したりレーザーシャドウイングを作成したりするこ
とを避けるために重要となる。
これにより、細孔の形成が減少し、
3Dプリントされた部品の特性がより均一になる。


補足説明➲上図の<このシミュレーションは、レーザーがメルトプー
ルと同時に金属粉末粒子の大きな「スパッタ」と相互作用することを
示す。この場合、レーザー出力は、スパッタをスキャントラックから
追い出すしきい値を超えてい。これにより、溶けた金属粉末がレーザ
ーを遮る「レーザーシャドウイング」による欠陥の形成を防止した。

  黒の革命


世界初!高熱伝導CNT接着シート
4月17日、富士通研究所は最高100W/mKの高熱伝導性を実現したカーボン
ノチューブ(CNT)接着シートを世界で初めて開発。

高熱伝導性で期待されるカーボンナノチューブ
CNTは、銅の約10倍の熱伝導性を持っており、シート化することで半導体素
子などの熱源から熱を逃がす放熱材料としての活用が期待されている。
しかし、①シート形状保持のため2000℃以上の超高温で焼成成形をする必
要があることから、シートが硬くなってしまい凹凸の大きい材料同士の接
合には向かないなど、その活用用途が限定されるという課題があった。②
また、半導体素子周りでの利用の場合、素子の動作前後に発生する熱によ
る変形に追随するように、半導体と熱を逃がすための冷却部をCNT放熱シー
トを介して接着させる必要がある。一般的にCNTに接着性を付与するために
は、樹脂やゴムなどの粘着素材にCNTを混ぜ込んでシート化するような手法
が用いられるが、これらの粘着素材の熱伝導率は低く、熱伝導性と接着性
を両立させることが困難だった。2つの新技術によってこれらの課題を解
決。界面抵抗を含めた場合でも最高100W/mKと、極めて高い熱伝導率を示す
CNT接着シートを世界で初めて開発したとしている。 
具体的には、まず保護シートと接着層の2層で構成したラミネート層がCNT
の上下を保護する積層構造をとる「シートラミネート技術」を開発。
形状が崩れやすいCNTそのものをラミネート層で保護することによって安定
させ、これまで難しかった裁断加工やハンドリングを容易にした。さらに、
同社が長年培ってきたCNTと樹脂の境界面における熱抵抗に関する知見を生
かし、CNTの密度、樹脂の種類や厚み、接合条件といった3つ以上の相関パ
ラメーターを最適化した「シート高熱伝導接合技術」を開発。
この技術によってCNTの熱伝導性を損なうことなく、十分な接着性を保持し
たまま接合を行うことを可能にする。同社は、今回開発したシートを、イ
ンジウムを原料とする既存の放熱材料と界面抵抗も含めた実測値により比
較。その結果、最大で3倍の熱伝導率を確認。また、開発したシートは、
接着層および保護層と一体でラミネート化されているため、容易に裁断加
工やハンドリングが可能かつ、接着を必要とする用途への展開が可能とな
る。同社はこのシートの使用を、材料メーカーなどへライセンスしていく
ことで実用化を目指す方針。





3次元架台の活用や蓄電池の併設
日本アジア投資のメガソーラー3件稼働
4月12日、日本アジア投資は、同社グループが投資するメガソーラープロ
ジェクト3件が完成し売電を開始したと発表した。紋別市弘道太陽光発電
所(北海道紋別市)、広野ソーラーパーク(福島県双葉郡広野町)、横津
の丘太陽光発電所(北海道亀田群七飯町)の3カ所である。紋別市弘道太陽
光発電所は、最大出力が15.7MW、予想発電電力量が年間約1万8993MWh(メ
ガワット時)。売電開始は2020年2月。買取価格(FIT)は40円/kWh(税抜
き)である。同発電所は、スマートソーラーとの共同投資案件となる。出
力変動タ対策として蓄電システムを導入した他、パネルの設置角度を最大
20度まで調整可能な3次元架台を使用。また、パネル表面への積雪回避のた
め、パネルを高い位置に急な傾斜角度で設置している。



アフターコロナの社会を見据えたソーラーシェアリング
緊急事態宣言後に経済産業省などからの通知もあった通り、電力など社会
インフラを支える企業には事業継続が要請され、同時に農業もまたこの社
会情勢下で食料需要を満たしていくというミッションが強くなったと感じ
ています。ソーラーシェアリングでエネルギーと農作物を生産し、その取
り組みを新しい働き方で実現していくことで、アフターコロナの社会に私
たちがどう貢献するのか。コロナウイルスによる経済停滞は、大都市一極
集中の働き方や住み方がもたらす負の側面も浮き彫りにした。人が密集し、
密接な環境下で働き生活していくことによる経済的なメリットは確かにあ
る一方で、感染症の拡大防止を図るために経済活動が抑制状態に入ると、
仕事も生活も成り立たなくなってしまうこともまた、多くの人々が経験。
ソーラーシェアリングのある農地で得られる電気を活用して農業の低炭素
化を進めたり、農村のBCP対策を進めたりという実証事業。(「アフターコ
ロナ」とソーラーシェアリング、未来の持続可能性を見据えて;スマート
ジャパン)


東亜ディーケーケー、主要3事業所の電力を100%再エネ
4月16日、東亜ディーケーケーは本社、狭山テクニカルセンター(STC)、
東京エンジニアリングセンター(TEC)の主要3事業場で使用する電力を
100%再生エネルギー由来の電力に切り替え、CO2ゼロの事業経営を実現し
たと発表。本社とTECの電力については、19年12月、オリックスが提供す
る非化石証書付き再エネ電力に切り替えた。STCについては、20年3月、
東京電力エナジーパートナーが提供するグリーン電力証書(環境付加価値
)付き電力を導入。これにより20年4月から、地方営業所を除く全ての事
業活動で消費する電力を再エネで賄う体制を整えた。加えて、生産拠点の
子会社でも再エネ化を導入している。山形東亜DKKでは、東北電力が山形
県と協力して提供している「やまがた希望創造パワー」により再エネ活用
を推進中である。また、岩手東亜DKKでは、山形県から購入したJ-クレジ
ット「やまがた太陽と森林の会クレジット」を用いて、19年度に同社使用
電力から発生したCO2ゼロ化を推進している。



透明でも太陽光で発電するガラス、NTT-ATが20年秋から販売5月、
NTTアドバンステクノロジは、無色透明型光発電素子「SQPV(SolarQuartz
Photovoltaic)」技術を使用して製造した高機能ガラス製品の販売で、
inQsと日本国内独占販売契約を締結したと発表。透明な意匠性を保ったま
ま、赤外光を吸収し発電する太陽電池の機能を持った高機能建材ガラスと
して、2020年10月から販売開始する計画。SQPVは紫外光と赤外光を吸収し
発電する技術。可視光は透過するため一般のガラスが使える全ての用途に
おいて、遮熱と発電という機能を付加できるという。この一般のガラス並
に可視光を透過しつつも、赤外光を吸収(遮熱)する特徴を生かし、デザ
イン性の高い省エネルギー遮熱・発電ガラス材料としての用途開拓が可能
であり、特に遮熱効果はビルなど省エネに有効という。この技術を開発し
たinQsは2011年創業のベンチャー企業。同社とNTTアドバンステクノロジ
は3年前より協業を進めており、inQs製の室内光や低照度環境下で発電で
きる極低照度型光発電素子を利用したIoT機器向け独立電源などを開発し
ている。NTTアドバンステクノロジは今回の契約により、SQPVを使用して
製造した高機能ガラス製品を国内で独占販売する。「ネット・ゼロ・エネ
ルギー・ビルディング(ZEB:Net Zero Energy Building)」向けを中心
に提案を進める他、瞬間調光ガラスやIoTセンサーと組み合わせ、電源不
要な調光ガラスやセンサー付きガラスなど応用製品の開発も他社と協力し
ながら開発する方針。
【inQs株式会社 会社概要】 http://www.inqs.co.jp/
2011年6月に設立された、発電素子において世界的に優れた技術力を持つ
ベンチャー企業です。室内光や 低照度環境(月明かり等)下の光を高効
率に電気エネルギーに変換できる極低照度型光発電素子SQ-DSSCは、基礎
技術を開発した親会社の国際先端技術総合研究所株式会社(IFTL Inc.)
と共に、米国シリコンバレーで開催されたID TechEX Show において、Best
Technical Development within Energy Harvesting 賞(Energy Harvesting
部門の技術開発最優秀賞)を受賞しており、IoTの自立電源に活用されてい
ます。無色透明型光発電素子SQPVは、ビルや建物、自動車等の窓を利用し
て、発電、採光、遮熱をもたらす。

❏再表2012/169530 複合ガラス板 国際先端技術総合研究所株式会社


【符号の説明】1,11,13,ガラス基板 12,透明導電膜
2,2酸化ケイ素粒子層 3,2酸化チタン粒子層 18  増感色素添加
2酸化チタン粒子層 15,電解液 14,封止材 17,負荷

❏特開2017-005267 タンデム型ソーラーセル inQs株式会社
【要約】従来の色素増感ソーラーセルの太陽光利用率は、理論的に30%
、実際には最大で10%であった。透明導電膜が形成された2枚のガラス
基板(11,13)が各々の透明導電膜(12)を向かい合わせて配置し、
ガラス基板の一方に2酸化チタン層(16)を配置し、他方に2酸化ケイ
素粒子(18)を配置し、2枚のガラス基板の間に電解質(15)を充填
してソーラーセルを構成する。光が入射しないガラス基板は金属板とする
こともできる。2酸化チタン層あるいは2酸化ケイ素層にはルテニウム錯
体等の増感色素を吸着させることもできる。2酸化チタン層は入射した紫
外光により起電し、2酸化ケイ素層は入射した可視光及び赤外光により起
電することにより、ソーラーセルの総合的な変換効率が高くなる。(下表
クリック参照)


❏特許6268357 蓄電装置及びその制御方法 inQs株式会社
【要約】シンプルな回路構成による、充放電制御回路を提供する。本発明
の蓄電装置は、それぞれが並列接続された複数の蓄電素子と、電源入力端
子とそれぞれの蓄電素子の間に設けられた、蓄電素子と電源を接続するス
イッチを含む充電部と、出力端子とそれぞれの蓄電素子の間に設けられた、
蓄電素子と負荷を接続するスイッチを含む放電部と、複数の充電部を制御
する充電制御回路と、複数の放電部を制御する放電制御回路とを有する。
充電制御回路は、充電対象の1つの蓄電素子を選択すると、当該蓄電素子
に接続された充電部のスイッチをONにして、当該蓄素子の充電を行わせ
る。当該蓄電素子の充電が完了すると、当該蓄電素子に接続された充電部
のスイッチをOFFにし、所定のルールに従い、次の充電対象の蓄電素子
を選択し、選択された蓄電素子の充電を行う。

❏特開2020-60516 状態監視装置、および状態監視システム 
inQs株式会社
【要約】状態監視装置において、振動状態を適切に監視する技術を提供す
ることを目的とする。状態監視装置は、振動を検出する振動センサと、振
動センサから振動の検出値を逐次取得し、複数の前記検出値に基づいて振
動の異常/正常または振動の有無などの状態を示す評価値を算出する評価
値算出部と、評価値算出部が算出した評価値を無線送信する無線部と、光
発電した電力を電源として状態監視装置に供給する光発電部とを備える。
この状態監視装置から無線送信される評価値に基づいて、振動の異常/正
常または振動の有無を判定することで監視対象の状態を適切に監視するこ
とが可能になる。




【ウイルス共生描論22:感染症とデジタル社会的共通資本Ⅰ】
全世界で30万人近くの死者
ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、パンデミックで世界中で失わ
れた命の数は30万人に近く、297,197人の死者が報告。4,347,015の感染を
確認。真の数値は、コロナウイルスによる死を構成するものの過小報告ま
たは異なる定義の結果として大幅に高くなる可能性がある。

リモートワーク(あるいは、テレワーク)は、高所得者を助け、
格差拡大させるだけ

在宅勤務としても知られているリモートワークの重要性は、現在のCOVID
-19危機の際に明白。閉じ込めと身体的距離のある期間中、在宅勤務により
一部の労働者は自宅から仕事を実現させてきた。しかし、遠隔地の仕事は
さまざまな方法で労働者の社会経済的不平等の原因にもなり得る。
これらは、ジョブセクターと雇用者、およびリモート作業に関連する利点
の喪失に関連している。下のグラフに示すように、2015年カナダ一般社会
調査(GSS)から編集すると、在宅勤務者の数は個人の収入とともに増加。
給与が高い人ほど、自宅で仕事ができる可能性が高い。

収入と業界の変動
カナダのある調査によると、在宅勤務と互換性のある仕事は44%だけであ
ると推定、リモートで働く可能性はすべての人が利用できるわけではない。
リモートワークは、大卒者、マネージャー、専門家の間で特に一般的で、
その実践は、セクターや仕事の性質にも依存する。たとえば、製造業と比
較すると、財務は遠隔地の作業に適す。その結果、多くの労働者は、COVID
-19パンデミックのような危機の最中にも働き続けることを可能にする代替
手段を奪われている。2015年 GSSデータは、カナダで最も多くの労働者を
雇用している2つの職業カテゴリの在宅勤務者の比率が非常に低いことを
示す。リモート作業は、10の職業カテゴリのうち4つだけで、はるかに頻
繁に行われている。下のグラフが示すように、低所得労働者のシェアが高
い職業は、通勤者がほとんどいない。(在宅勤務は「富の不平等」を促進
するという指摘  GIGAZINE)


つまり、外出しなければヒトとヒトの接触を減らせるため、COVID-19対策
の一環としてアメリカなどの国は「在宅勤務」を奨励する、全ての仕事で
在宅勤務な可能なわけではなく、アメリカ合衆国労働省労働統計局のデー
タによると、在宅勤務が可能な職種は全体の34%に過ぎない。
これらの調査から、「COVID-19パンデミックによって、低所得者に過度な
負担がかかっている
」と主張。低所得者はCOVID-19感染リスクの低い在宅
勤務ができない上に、飲食店従業員などは今回のパンデミックで解雇され
るリスクも抱えています。一方、高所得者は在宅勤務によって通勤時間が
短縮されてライフワークバランスも確保しやすく解雇されるリスクも低い
ため、「貧富の差」がさらに広がると予想する。そこで、カナダ政府は「
カナダ緊急対応給付金
」などの低所得者に対する補償政策を講じており、
一部のスーパーマーケットの労働組合は「時給を2ドル(約210円)増加させ
る」という交渉を行うなどの非在宅勤務者の待遇改善を訴えており、「不
平等を是正するためにより多くのことをすべき」と主張。その一環として、
①政府に対して在宅勤務での採用を増やすこと、②そして在宅勤務に必要
なPCやその他機器を提供すること、③在宅勤務を実施する企業に助成金や
経済的なインセンティブを与えることなどを提案しているという。
✔ 感染症パンデミック対策に「強靱な社会的共通資本の形成」を最優課
題と捉えるわたし(たち)の考え方でいけば、「デジタル社会的共通資本
主義政策」の推進となる。よく、耳にする「ギグエコノミー」はこのこの
パンデミックで、その産業社会形態が大きく変容している。もともとネッ
トやITの発達は、かつて主流だった会社に所属して長期的に働くワークス
タイルにも大きな変化をもたらしたギグエコノミーとシェアリングエコノ
ミーの違いと共通点は、ギグエコノミーと似た概念として、シェアリング
エコノミーがあり、ギグエコノミーは「ヒト(人材)」を共有するが、シ
ェアリングエコノミーは「モノ」を共有するという考え方になる。 

ギグエコノミーが拡大する背景に、ネット上でプラットフォームを提供す
る企業が台頭していることも大きく影響。ネットの普及により、労働者側
にもテレワークやノマドワーカーといった多彩な働き方が生まれ、世界中
のどこからでも仕事ができるようになったことも要因のひとつ。ギグエコ
ノミーはアメリカを中心に広がりを見せており、市場規模は今後の7年間
で37兆円にまで達する試算されているが「雇用契約が曖昧で労働者の保護
や権利」がこれまで、「非正規労働者」として「物品扱い」としてきた「
新自由主義経済政策」と「デジタル社会」の負の側面と共通課題を抱えて
いるように看える。前者は「超格差社会」として、後者は「超サイバー犯
罪社会」として顕れることは間違いない。実は、わたしはスカイプなどの
声・ビデオ通話ソフトおよびサービスと無縁----パーソナルコンピュータ
のカメラは一切使っていない(盗聴・盗撮防止)--を遠う避けている。
とはいえ、「ウイルス感染パンデミック」には。デジタル社会及び産業の
積極的な促進は不可避と考えており、その意味において、宇沢弘文の『
会的共通資本政策
』の拡充は、社会の"強靱化"にとって極めて、重要政策
だと思っている。
                          この項つづく
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

面白い感染症対策技術

2020年05月10日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き、雷雨か
ら救ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言
える赤備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗
りにした部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれた
キャラクター。愛称「ひこにゃん」。 


                   
13 子 路   し ろ
-----------------------------------------------------------------
「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)

「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
-----------------------------------------------------------------
11 善人が百年間政権を担当すれば、暴力も極悪犯も影をひそめると
いうが、まったくだ。(孔子)      
〈善人〉 原文のままであるが、仁者、聖人などと比較してどういう評
価があたえられているのかはっきりしない。したがって全体の意味も明
確でない。次章の「王者」と対比させて、王者でも三十年、まして善人
なら百年はかかるというようにも取れる。



【ウイルス共生描論20:面白い感染症対策技術】
コンパクトで常温使用フィルム型>生ワクチン登場
インフルエンザやはしか、おたふくかぜなどの感染症にかかる前にあら
かじめ免疫をつけるため、病原性を弱めたり不活化させたりしたウイル
スや細菌を体内に送り込むのが「ワクチン」----「生ワクチン」「不活
化ワクチン」「トキソイド」があり。生ワクチンは病原体となるウイル
スや細菌の病原性を弱らせて接種するもの、不活化ワクチンは病原性を
なくしたウイルスや細菌を接種するもの、トキソイドは細菌の産生する
毒素を使って毒性をなくした上で接種する。通常、注射器を使って接種
するが、ワクチンテキサス大学オースティン校マリア・クロイル薬学教
授のグループは、「注射を使わないワクチン」の開発に成功したという。
しかし、ワクチンは生物由来原料を使用し、紫外線や温度による影響を
大きく受け、時間と共にその効力を失なう。そのため、ワクチンの保管・
管理には冷蔵保存が可能な設備が必要で、こうした設備の用意と維持に
は一定のコストがかる。また、ワクチンの接種は基本的に注射で行われ
ます。注射の針は正しく管理されなければ肝炎やエイズといった感染症
の経路となる。


クロイル教授が2007年から開発を進めているワクチンは、砂糖や塩など
の天然成分を含む薄いフィルムでワクチンを挟み込み、経口による接種
が可能。コストは安価で、製造プロセスも比較的簡単であることから、
手頃な価格でワクチンを提供することが可能になるとのこと。また、平
らで場所を取らなくなるため、大量のワクチンを保管し配布することが
可能。同研究プロジェクトの最大のブレイクスルーは、エボラウイルス
のワクチン開発の一環でウイルスをフィルムに挟んでいたところ、3年
間も放置されていたにもかかわらず、ワクチン内のウイルスの95%以上
が活動しており、ワクチンとしての効果を失っていなかった。そして、
2004年にフィリピンで1カ月に1800万人の子どもたちへ予防接種を行っ
たキャンペーンでは、1950万本の注射器が廃棄されましたと語り、フィ
ルムによる針なしのワクチンが普及すれば、ワクチンの保管だけではな
く医療廃棄物の問題が解決できる。


【要約】
生きたウイルス、細菌、抗体、酵素を冷蔵せずに長期間保存する、新し
い薄膜プラットフォームについて説明。16の凍結融解サイクルによる
ライブウイルスの回復をサポートする最適化された製剤での組換えアデ
ノウイルスの研究により、室温を超えるガラス転移を伴うアモルファス
固体の生成と、ウイルスとフィルムコンポーネント間の窒素-水素結合
が安定性の重要な決定要因であることが明らかとなる。舌下および頬側
経路による最適化されたフィルムでの生きたインフルエンザウイルスの
投与は、筋肉内注射によって達成されたものと同等かそれ以上の抗体媒
介性免疫応答を誘発。この作品は、生産、流通、サプライチェーンのメ
ンテナンスのコストを削減できるテクノロジーを提供することにより、
さまざまな医薬品へのグローバルアクセスを改善する可能性を紹介。



図1 フィルム技術は、生きている微生物と生物学的化合物を周囲温度
で長期間安定化する。(A)この原稿に記載されている長期安定性の評価
に役立つプロトタイプの単位用量フィルム。(B)備蓄および保管に使用
でき、配布用に複数の単回投与フィルムに切断できるプロトタイプの大
規模フィルム。(C)固体フィルムマトリックスにおける組換えアデノウ
イルスの36か月の安定性プロファイル。複製フィルム(n =タイムポイン
トあたり5)を20℃保存し、滅菌水で再構成して、標準的な限界希釈アッ
セイで感染力価を評価した(19)。ivp、感染性ウイルス粒子。(D)20
℃の生菌を含むフィルムの6か月安定性プロファイル。フィルム(各時
点でn = 5 )を滅菌生理食塩水で再構成し、溶液を栄養豊富な寒天に播
種しました。コロニーは、フィルムからの生菌の回収の評価のために数
えられた。 (E)薄膜で安定化され、室温(RT)℃30日間保存された一
次抗体(178260、Millipore)の 結合親和性は同じ条件下で液体として
保存されたメーカーの製品よりも優れている。再水和されたフィルムか
ら作られた溶液はアルファ-1アンチトリプシン(A1AT)酵素免疫測定法
(ELISA)アッセイで、説明されているように3回使用(59)。 4
℃で
保存された新鮮なストック(新鮮)、20℃で30日間保存されたフィルム
から再構成された抗体(フィルム)、および 30日間 保存されたメーカ
ーの液体製剤に保存された抗体で作成された 標準曲線の相関係数(r2)
2℃(製造元フォーム)での日数は、それぞれ0.99、0.99、0.10。(F)
ロバ抗マウスIgG抗体であるAP192P、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)
コンジュゲート(ミリポア)の結合親和性の、 20℃ での薄膜保存後の
回復。パーセント回収率は、各濃度のA1AT標準に対して製造元から提供
された新鮮なストックの再構成フィルムからの二次抗体を使用したアッ
セイによって生成された相対吸光度。結果は、RTで保存された製造元の
在庫と比較(推奨される-20℃ではなく)。グラフの各棒は、所定の実
験で3つの別々のフィルムから回収された抗体から得られた読み取り値
を表し、データは3つの別々の実験から収集されたデータの平均 ±SEM
を反映している。写真提供者(AおよびB):テキサス大学オースティン
校のMaria A. Croyle。


Vaccines without needles – new shelf-stable film could revolut-
ionize how medicines are distributed worldwideグローバルな予防接
種キャンペーンによって残されたエコロジカルフットプリントは、考慮
されず。1か月で1,800万人の子供たちに予防接種を行った2004年 のフ
ィリピン麻疹撲滅キャンペーンでは、1,950万本の注射器、つまり143ト
ンの鋭利な廃棄物と約80トンの無害な廃棄物が発生。対照的に、ワクチ
ンが入っている封筒を医療従事者に配布するだけ。いったん摂取すると、
健康な世界が残る。それは痕跡を残さない。
そう言えば、ブログで紹介した、4月2日、ピッツバーグ大学の研究グ
ループの有望なCOVID-19ワクチン候補(PittCoVacc)の作製しているが
----このワクチンは指先サイズのパッチを介し配信(送達)され、驚異
的なウイルス抗体を生成。このワクチン(ピッツバーグコロナウイルス
ワクチンの略称である"
Pitt- CoVacc"呼称)は、実験室で作られたウイ
ルスタンパク質片
を使用。また、効力を高めるために、マイクロニード
ルアレイと呼ばれる薬物を送達するための新技術を使用----400本の小さ
な針の指先サイズのパッチ(一種の絆創膏)----し、免疫反応が最も強
い皮膚にスパイクプロテイン片を配信(送達)でき、針は糖類とタンパ
ク質片より作製し、皮膚に溶けこませる技術と双璧をなす。(指先サイ
ズのパッチワクチン、「切れた正味に消費が迫る」、2020.04.09



スマートフォンのディスプレイを消毒する方法
特に現代人が常に手で触って操作するスマートフォンは重大な感染源にな
り得るため、スマートフォンのディスプレイを定期的に掃除することが非
常に重要。そんなスマートフォンのディスプレイの消毒について、ロバー
ト・マクファーレン・マサチューセッツ工科大教授は、携帯電話など何か
の表面に触れるたびに、手についた物質の一定量が触った表面に移動。ま
た、手で触れた表面の素材も、ある程度手につきます。そのため、スマー
トフォンのメーカーは化学的に強く他の物質を吸着しない材料でディスプ
レイをコーティングすることで、表面に残る残留物の量を最小限に抑えて
いると言う。スマートフォンのディスプレイには、映像がくっきり見える
ための「透明性」、タッチしていない時に反応しないための「電気抵抗性」、
タッチした時に反応するための「導電性」、ぐっと触ったり汚れたりして
も壊れない「耐久性」、拭き取るだけで簡単に掃除できる「扱いやすさ」
など、仮に抗菌性をもたせるためにディスプレイに新しいコーティングを
施しても、それによって何か別の特性が失われてしまう可能性があるため、
開発難度は指数関数的に上がってしまう。スマートフォンを清潔に使うに
は、適度に清掃する必要がある。一般的にフッ素樹脂フルオロカーボン
などの撥油性----指で触ることでディスプレイに残留する汚れの大部分は
油脂であり、ディスプレイの表面に撥油性のコーティングを施すことで、
油脂の残留量を最小限に抑えることが可能となる----コーティングを施す。
撥油性コーティングは消毒用アルコールで除去される可能性は低いものの、
高濃度のアルコールに長時間さらされるとコーティングの均一性が失われ
てしまう可能性があるそうです。コーティングの均一性が失われると残留
物が付着しやすくなってしまい、見やすさやタッチ感度など、ディスプレ
イの光学的・機械的特性に影響を与える可能性がある。スマートフォンの
ディスプレイを清掃するには、消毒用アルコールを水である程度希釈して
から使うべきで、スマートフォンのディスプレイに施されている撥油性コ
ーティングは微生物の付着をある程度は防ぐが、COVID-19のパンデミック
を考慮した場合、十分に微生物による汚染が防いでいない。セキュリティ
企業のカスペルスキー社によれば、撥油性コーティングに最も影響が少な
い消毒液はイソプロピルアルコールで、濃度は70~80%が最適。ウォッカ
やウイスキーなど、飲料用エタノールは撥油性コーティングを痛めてしま
う可能性があり使用しないこと。

特開2020-51988 検査判定機および検査判定方法 デンカ生研株式会社
患者の唾液等の検体に細菌やウイルスなどの被検出物質が含まれているか
否か(陰性/陽性)を判定する際にイムノクロマトグラフィ法による検査
が行われる。イムノクロマトグラフィ法による検査には、被検出物質の有
無により検出領域に異なる色を呈するテストストリップを備えた検査キッ
トが用いられる。
テストストリップには、被検出物質が含まれている可能
性のある液体試料の流れる方向(以下「展開方向」ともいう)の上流から
順に、滴下領域、標識化物質含有領域、検出領域が設けられている。滴下
領域は、液体試料を滴下する領域である。滴下領域に滴下された液体試料
は展開方向に展開する。標識化物質含有領域は、被検出物質に選択的に結
合しかつ標識となる標識化物質を含有する領域である。標識化物質は特定
色の標識であり、液体試料と混合されると抗原抗体反応により被検出物質
と結合する。液体試料が標識化物質含有領域を通過すると、液体試料に含
まれている被検出物質に標識化物質が結合される。検出領域は、標識化物
質と結合した被検出物質を固定する固定化物質が固着された領域である。
標識化物質と結合した被検出物質は、検出領域に達すると、そこで固定化
物質と選択的に結合し、固定される。標識化物質と結合した被検出物質が
固定され、蓄積された検出領域は標識化物質により所定の色を呈する。検
査者は検出領域を目視し、呈色状態から陰性か陽性か判定する。
また、一
部の医療の現場では検査者の作業を軽減するために検査判定機が導入され
ている。検査判定機は、挿入された検査キットにおけるテストストリップ
の検出領域の画像を取得し、画像処理により陰性か陽性か判定し、判定結
果を提示する(特許文献1参照)。

特開2009−133813号公報

上述のように検査判定機は検出領域の画像を取得し、その画像から陰性か
陽性かの判定を行う。しかし、検査キット内での検出領域の位置には検査
キット毎に個体差がある。その原因として以下のことが考えられる。通常、
検査キットの筐体内にはテストストリップを位置決めする部材があるが、
部材により構成されるテストストリップ配置領域はテストストリップより
も僅かに大きくなっている。そのサイズ差により、検査キットの製造時あ
るいはその後に、検査キット毎にテストストリップの位置に個体差が生じ、
検出領域の位置に個体差が生じうる。
検査判定機が検出領域として認識す
る位置がずれれば、自動判定の正確性が低下する恐れがある。
本発明の目
的は、イノマクロマト法による検査の自動判定において適切な検出領域で
の判定を可能にする技術を提供することである。

本開示による検査判定機は、被検出物質が含まれている可能性のある液体
試料を、テストストリップの標識化物質含有領域を介して被検出物質検出
領域に展開し、前記被検出物質検出領域の呈色状態から陰性か陽性か判定
するイノマクロマトグラフィ法の検査判定機であって、観測部と、処理部
と、を有し、前記観測部は、前記テストストリップにおける前記被検出物
質検出領域の展開方向の下流にあり前記液体試料が到達したことを呈色状
態で示す試料展開検出領域の少なくとも一部の位置を含む範囲について、
呈色状態の指標である呈色指標のデータを取得し、前記処理部は、前記呈
色指標のデータから前記試料展開検出領域を特定し、前記呈色指標のデー
タにおける前記試料展開検出領域から所定の領域間距離だけ上流の位置に
前記被検出物質検出領域を特定し、前記被検出物質検出領域の呈色状態に
基づいて陰性か陽性か判定する。本開示によれば、イノマクロマト法によ
る検査の自動判定において適切な検出領域での判定が可能となる。
査キ
ットの平面図である。テストストリップの2面図である。検査判定機の斜
視図である。検査判定機のブロック図である。検査処理のフローチャート
である。試料展開検出領域特定処理のフローチャートである。観測窓特定
処理のフローチャートである。判定処理のフローチャートである。


【符号の説明】
10…検査判定機、11…スロット、12…操作ボタン、13…表示器、
14…撮像部、15…処理部、16…操作部、17…表示部、18…検
知部、20…検査キット、21…筐体、22…開口部、23…観測窓、
30…テストストリップ、31…試料展開メンブレン、32…試料滴下
パッド、33…標識化物質含有パッド、33…標識化物質含有領域、34
…第1被検出物質検出領域、35…第2被検出物質検出領域、36…試
料展開検出領域

       


世界初!大気・熱・バイアスストレス耐性を有する高信頼性かつ高移
度電子輸送性有機半導体材料の開発に成功
移動度と環境ストレス耐性を併せ持つ実用に耐えうる塗布型 n型有機半
導体であるPhC2–BQQDIの開発に世界で初めて成功した。この優れた半導
体性能は、第一に無機半導体に類似したバンド伝導機構に起因するもの
であることが実験的に示された。また、第二に、有機半導体特有の伝導
阻害の主要因である分子間振動が、分子設計により効率的に抑制された
ことが、分子動力学計算および伝導計算により実証された。今回開発し
たPhC2–BQQDIからなる n型有機半導体は、印刷法による安価かつ低環境
負荷の電子タグなどの開発を大いに加速し、また、高熱ストレス耐性に
加えて、還元体の安定性を有するバンド伝導性 PhC2–BQQDIをベースとし
た未利用エネルギーを有効活用するエネルギーハーベストである熱電変
換素子などの次世代のプリンテッド・フレキシブルエレクトロニクス分
野の起爆材料となる。
【概説】
現在、日常生活に欠かせない情報端末----スマートフォンやノートパソ
コンなど電子機器に用いられている半導体は、シリコンを中心とした無
機化合物からなる半導体(無機半導体)です。共有結合により原子同士
が結びついた固体の無機半導体は、共有結合を介して電荷輸送ができ、
電荷移動度は極めて高いが、その一方で、重く、硬く、また、デバイス
作製に約300–1000℃の高温が必要。これに対して、パイ電子系分子が弱
い分子間力によって集合した固体である有機半導体は、軽量かつ機械的
に柔軟である特長を有し、印刷による低温での作製が生産時のコストと
環境負荷を飛躍的に軽減し、次世代のプリンテッド・フレキシブルエレ
クトロニクスにおける鍵材料として大変期待されているが、無機半導体
とは対照的に、有機半導体は共有結合ではなく分子軌道の弱い重なりを
介し電荷輸送しているため、電荷移動度は低くなる。さらに、弱い分子
間力で集合している有機半導体分子は、熱エネルギーにより固体中で分
子運動(分子間振動)が生じることで電荷移動度が低下することが報告
されている。したがって、有機半導体の性能向上のためには、①分子軌
道の重なりを大きくすることに加え、②固体中で分子間振動を効率よく
抑制する分子設計指針の考案が重要と考えられている。


Title:Robust, High-Performance n-Type Organic Semiconductors:
Science Advances」(2020年5月1日付)


▶ 今夜の一品:Fitbit Charge 4 進化した健康を旅するトラッカー 



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壺の中の霧Ⅲ

2020年05月10日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き、雷
雨から救ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボ
ルとも言える赤備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆ
る武具を朱塗りにした部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合
体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこにゃん」。 

                                                           
13 子 路   し ろ

-----------------------------------------------------------------
「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
-----------------------------------------------------------------
10 かりにわたしに政治をまかせる国があれば、一年で基礎をつくり、
三年のうちには立派に成果を上げてみせるのだが。(孔子)

子曰、苟有用我者、期月而已可也、三年有成。

Confucius said, "If someone appoints me to an important position, I can
get results within a year. Three years are enough to accomplish my ideal."



除菌・消臭スプレーバックパック
次亜塩素酸水噴霧殺菌装置 



壺の中の霧Ⅰ・Ⅱ」でおなじみのいけうち(大阪市西区、中井志
郎社長)が薬液タンクを背負って噴霧するバックパック型除菌スプ
レー装置「ドライフォグハイノウ」を増産している。現状比4倍以
上の月産200台を製造し、新型コロナウイルス感染症対策として、
公共交通機関や劇場などから問い合わせが相次ぎ、需要増に対応す
るのだという。「Dry-Fog HIGHNOW」(以下DFH)は、株式会社いけ
うちが特許を取得する特殊ノズルにより、薬液を平均粒子サイズ10
μm 以下のミスト「ドライフォグ」にして噴霧する背負い式のスプ
レー装置。従来、DFH を用いて薬液を噴霧することにより、粒子サ
イズが粗大な従来の噴霧器では塗布し難かった、細かな隙間や死角
にまでしっかり薬液の塗布を実現させた。
【特徴】
①薬液をドライフォグ(微細な霧----平均粒子径(霧の平均サイズ
が10μm以下)状にして散布する除菌・消臭ユニット
②1回の充電で40分間噴霧可能
③回の充電で40分間噴霧可能



ドライフォグ化した薬液は気流に乗って漂い拡散しやすいため、空
間の除菌消臭にも効果的。さらに、高所や床、あい路部などにも噴
霧しやすいリーチロッドを採用しているため、誰でも手軽かつ精密
に除菌・消臭作業をすることが可能。本体には1回の充電で40分稼
働可能なリチウムイオン電池を内蔵し、電源ケーブルの取り回しや
電池切れを気にすることなく使用できるほか、背負い部のハーネス
やパッドは長時間作業時の負担を軽減するためバランスの良さを追
求した人間工学設計となっている。



同社は、この他にも、農畜産施設における暑さ対策、呼吸器疾病・
病害虫対策を目的とした自動スプレーシステム「CoolPescon」や、
施設入り口における薬液充満ブース「防除ブース」など、スプレー
ノズルメーカーとして培った微粒化技術を活かした製品を開発、販
売。ところで、今回はこの製品のノズルにまつわる技術には触れず
に、消毒に使う"電解次亜塩素"に集中してみる。その特徴を箇条書
すると次のようになる。

【電解次亜塩素酸生成装置の特徴】
①電解次亜塩素酸と強アルカリ水を個別に生成可能な生成装置([
特許取得]新電解技術)。
②生成時に不要な電解水(捨て水)が発生しない。
③電解次亜塩素酸の塩素濃度とpHを変更可能。
④高濃度生成が可能(塩素濃度:300–400ppm、pH値:3.0–6.5)。
⑤塩酸などの劇物を使用しない。
⑥生成水(Clezia水)の販売も実施。







わたし(たち)も一時期仕事で散々電解技術応用をやっていたので
少しは知識と経験はある。遊離次亜塩素酸を殺菌成分とする微酸性
次亜塩素酸水は、殺菌対象が広く、殺菌速度が速いうえに、無毒、
無刺激で、厚生労働省により食品添加物に指定されている。微酸性
次亜塩素酸水は、現在広く使用されている次亜塩素酸ナトリウム溶
液などに比べて、低濃度においても実用的な殺菌効果を示す一方で、
殺菌成分は比較的短時間で分解消失すること、食品等の有機物に接
触した場合に次亜塩素酸ナトリウムと異なりトリハロメタンを生成
しないことから、食品に混入しても、ごく短時間で分解消失し、そ
の品質に悪影響を与えないことが確認されている。このような特徴
から微酸性次亜塩素酸水は、食品生産現場を始め、水産、農業、医
療介護など幅広い分野において利用されている。微酸性次亜塩素酸
水は、塩化水素溶液または塩化水素溶液と塩化ナトリウム溶液の混
合物を電気分解することで生成されるものであると定義されている。
そして、塩分を含まず、高い殺菌作用を有する微酸性次亜塩素酸水
を得る方法として、塩化水素溶液のみを電気分解し、遊離次亜塩素
酸の溶液を生成する方法が実用化されている。微酸性次亜塩素酸水
が強い殺菌力を安定的に保ち、かつ高い安全性を具備するように、
有効塩素濃度の範囲は10〜80mg/L、pHの範囲は5.0〜
6.5とされている(平成24年4月26日 厚生労働省告示 第3
45号)。ところで、微酸性次亜塩素酸水の品質は、電解槽の性能
に依存するところが大きい。特に、電解槽の主要部品である電極の
性能は、微酸性次亜塩素酸水の品質の他、生成効率などの経済性に
も影響を与えることから、安定した品質の微酸性次亜塩素酸水を生
成するためには、電極の劣化を抑制することが求められているが、
電極は常時高濃度の電解物中に浸漬されている。次亜塩素酸生成に
使用される電極は、高濃度で、高酸化性で、かつ低pH 溶液に浸漬
され、電極表面は極度の酸化ストレスに曝されており、徐々に劣化
し、触媒能が低下する。その結果次亜塩素酸生成能力は低下し、短
い時間で電解性能が低下してしまう。従って実用的な電解槽に求め
られるのは、電極面の酸化劣化を極力抑える技術や、短時間で酸化
劣化を回復させる技術である。例えば、特開2016-69859号公報(特
許文献1)では、電極の劣化を防止するために、定常運転
時とは逆
の極性の電圧を電極に印加する技術が開示されている。特
許文献1
によれば、スケールの発生を抑制しつつ、電極の劣化を防
止するこ
とができるとするが、①
電極の劣化を回復するために、電極に印加
する極性を逆転させる必要
があり、そのため電圧制御が複雑化する
問題にに加え、②電極
極性の逆転には、電極表面の触媒の種類が限
定され、生
成効率を優先した電極設計が困難である。

図1
【符号の説明】1…タンク、2…ポンプ、3…原液供給配管、4…
電解槽、5…電解槽外殻、6…電解槽内殻、7…電極板、7-1…
給電電極、7-2…非給電電極、8…給電端子棒、9…排出口、
10…直流電源、11…制御装置、12…開口、13…排出口、
14…給電配線、15…制御信号配線

図2

したがって、電極劣化に
対応し短時間で電極劣化回復技術が求めら
れていた。従来技術にお
ける課題解決に、電解停止中、および電解
中に発生した電極の短期
劣化を回復させて微酸性次亜塩素酸水を効
率的に生成する生成方法
を提供することを目的とする。(特開2019
-189887 微酸性次亜塩素酸水の生成方法
)



✔ ここでは、ノズルではなく電解装置に触れたが、「高性能化・
高品質」を前提に「コンパクト化」の視点で事業展開を描いてみた。
クリーンルーム前室システムの定置型やバックパック型に「余剰次
亜塩素酸水除去装置」を加えた世界事業として30億円/年規模の
市場を想定する。

【ウイルス共生描論19:第2波は来るか



寄生虫感染症の治療薬であるイベルメクチンが、アビガン、レムデシビ
ルに次ぐ新型コロナウイルス感染症治療薬として注目を集めている。4
0年前に開発され多くの患者に投与されてきたため、新しい薬剤であるア
ビガンやレムデシビルと比べると、副作用を心配することなく使用でき
るという。開発したのは北里大学の大村智特別栄誉教授、日本発という
ことからも注目度は高い。死亡率の低下や治療効果などの報告も イベル
メクチンは大村智特別栄誉教授が静岡県内で採取した土から発見した新
種の放線菌が産生する物質を元に製品化されたもので、糞線虫などの寄
生虫に有効に作用する。大村智特別栄誉教授はこの成果が認められ2015
年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。当初は馬や犬などの動物用に
用いていたが、その後アフリカや東南アジアなどの熱帯地域を中心に人
の治療にも使われるようになり、さらにその後抗ウイルス剤としての効
果も認められるようになった。イベルメクチンは新型コロナウイルスと
同じRNAウイルスに効果があることから、米国などで新型コロナウイルス
感染症の治療にイベルメクチンを用いる試験が行われており、死亡率の
低下や治療効果などが報告されている。 北里大学でもイベルメクチンを
新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認を目指すことを公表して
いる。このイベルメクチンについてユタ大学の報告では、新型コロナウ
イルスの患者に投与したところ、当初していない患者と比べて死亡率が
6分の1に低下したというデータも出ている。一回投与するだけでも効
果があるということで、全世界に毎年3億人の方がこの薬を使われており
安全性も確認されている。

【概要】
イベルメクチンの、新型コロナウイルスに対する治療効果を検討したコ
ホート研究:➲Patel et al., Usefulness of Ivermectin in COVID-19
Illness
. SSRN 4月19日掲載):アメリカ、ヨーロッパ、アジアの169病
院から、治療としてイベルメクチンを用いた704名を抽出した。比較対象
として、年齢、性別、人種、喫煙の有無、高血圧や糖尿病などの基礎疾
患の有無をマッチさせた、イベルメクチン非使用例の704名を抽出した。
イベルメクチンの投与量は平均150㎍/kgの1回投与。これは皮膚科での
疥癬等の治療に用いられている量と同じ。ただ、患者の状態により医師
が増減した。2群の致死率を比較すると、イベルメクチン使用群は1.4%、
コントロール群は8.5%であった。重症化し気管内挿管を行った患者の致
死率は、イベルメクチン使用群は7.3%、コントロール群は21.3%。


オーストラリアの報告で、培養細胞への感染実験(➲The FDA-approved
drug ivermectin inhibits the replication of SARS-CoV-2 in vitro

では、イベルメクチンの1回投与で、ウイルス量が48時間以内に5000分
の1になっていおり、今回の臨床での結果を裏付ける。その根拠となって
いるのが➲イベルメクチンが細胞質のタンパク質を核内へ運ぶ分子イ
ンポーチンと結合して、核内移行を抑制すること、そしてこの結果様々
なウイルスタンパク質の核内移行が阻害され、エイズウイルスや、デン
グウイルスの増殖が低下することを発見(➲Efficacy and Safety of
Ivermectin Against Dengue Infection)。
【概要】
すべての包含および除外基準を満たすデング熱感染が確認された患者は、
研究に登録され、病院に入院。
事前に指定された比率1:1:1で次の
研究グループの1つにランダムに割り当てられ、①イベルメクチン
200-400 µg / kg 1日1回2日間、②イベルメクチン200-400 µg / kg
1日1回
3日、③またはプラセボ。 イベルメクチンまたはプラセボ
の錠剤は3日間投与されます。
入院中に臨床検査が毎日行われ、血
液学、臨床化学、血清学、ウイルス量、および定量的非構造1(NS
1)抗原の血液サンプルが収集➲
入学時に安全性評価➲患者は
発熱が鎮静した1日後に退院➲安全性評価と採血のために最初の
治験薬投与の2週間後に戻る。

✔トランプ米国大統領が、CVD-19治療に抗マラリア薬を絶賛してい
るが、5月4日、西村康稔経済財政・再生相が、補正予算に日本医
療研究開発機構(AMED)への200億円、ワクチン開発の100億円を計
上したこのコロナ治療薬候補「イベルメクチン」も絶賛する日がそ
のうちくるかもしれない。

第2波は来るのか
ほんの数カ月前まで、新型コロナウイルスの存在さえ知らなかった
が、一部の迅速な研究と数百万人の症例から収集したデータのおか
げで、科学者たちはこのウイルスによる感染症のメカニズムや、集
団内にどのように感染が広がるかについて多くを明らかにする。と
はいえ、まだかなり初期の段階にあり、このウイルスについて多く
の大きな疑問は解けていない。このウイルスとの戦いとの“真の勝
利”のために、科学者たちはこれらの疑問──そしてさらに多くの
疑問に答えていく必要があるそのときになって初めて、わたしたち
は元の正常な生活に戻れる。

新型コロナウイルスの感染者は何人いるのか

一部の人たちにとって新型コロナウイルスに感染することは、ち
ょっと軽い風邪をひいたような感覚だろう。ある人たちは、自分
が感染していることにまったく気付かないかもしれない。またあ
る人たちにとっては、感染は死刑宣告ともなる。

最善の場合でも、全世界で数えられている公式の数字は、入院患
者数、病院での死者数、介護施設での死者数、検査を受けた地域
の感染者数だ。しかし、多くの新型コロナウイルス感染症例は検
出されないままである。

世界保健機関(WHO)が勧告したように、「検査、検査、検査」な
のだ。
英国では、介護施設、不可欠な労働者とその家族、65歳以
上の人たちとその家族が、もし誰かに症状がある場合に検査を受
けられるように検査が強化されている。しかし、これでさえもす
べての人を検査対象にはしない。実のところ、英国が1日当たり
10万人の検査実施という目標を実現したとしても、ウイルスがど
こまで広がっているかについて完璧に正確な実態は把握できない
だろう。
把握する唯一の方法は抗体検査で、これは体内で新型コ
ロナウイルスへの抗体が産生されているか調べるために血液を検
査する手法。この検査で感染したことが証明される。この方法で
すべての人を、過去の無症状の感染者でさえも数字として示すこ
とができる。いまのところ、こうした検査がどれだけ信頼できる
のか明確ではないことから、英国の当局は大きく展開させるつも
りはないというスタンスである。感染により持続的な免疫が得ら
れるのか。ウイルスが初めて体内に侵入すると、免疫反応が引き
起こされるが、体はウイルスを回避する抗体を産生して患者は回
復し、場合によっては免疫が維持される。だが、体はある種のウ
イルスとの戦い方をよりよく“記憶”することがある。このため
一生のうちに水痘(みずぼうそう)に2回かかる可能性は低い。
これに対して一般的な風邪には、年に2回かかってしまうことも
ある。(出典:果たして「第2波」は訪れるのか? 新型コロナ
ウイルスについて、まだ答えが出ていない「7つのこと」、WIRED.
jp)

どの程度の感染者が無症状なのか
息をすることが困難になるほど重度の症状を経験する人たちがい
る一方、認識できる症状をまったく経験しない人たちもいるし、
これがどの程度の割合の人たちに相当するのかは明らかにならな
いから立ちが悪い。専門誌『Eurosurveillance』に掲載された研
究で、2月にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号で検疫
された乗客を対象として、無症状症例の割合は17.9パーセントと
推定。しかし、『Science』誌に掲載された別の研究は、患者の症
状がほとんどないか無症状のため86パーセントもの症例が記録さ
れない可能性があると推定。はっきりさせる唯一の方法は、広範
な抗体検査の実施だがそれはまだ先だ。

重篤化速度のバラツキはどこから
新型コロナウイルス感染症「COVID-19」のリスク因子の特定を試
みている研究が『JAMA Internal Medicine』誌に掲載された 201
例の患者を対象に、当初、新型コロナウイルス患者における急性
呼吸困難と死亡の主要因子のひとつは高齢であること明確にした。
ものの、重度の症状で病院に搬送された若年者も多く存在する。
The Lancet』に掲載された研究は、新型コロナウイルス感染の
致死率は60歳未満で1.4パーセント、60歳以上で4.5パーセントと
推定しているが若年者が死なないわけでもない。

体にどんな長期的影響を引き起こすか
新型コロナウイルスは肺、脳、心臓、腸を攻撃する。『Radiolog
y』誌に掲載された報告は、COVID-19から生還した患者70例中、66
例はCTスキャンの画像で確認できるダメージが肺にあり、
武漢の
患者214例を対象にした研究は、36.4パーセントに頭痛、めまい、
幻覚といった神経学的症状が認められたが、こうした症状にどん
な持続的な影響があるのかは不明である。また、
脳卒中を起こし
た若年者と中高年者の報告もされている。中国では、CVID-19から
の生還者の血液を調べ、ウイルスが一部の患者の心臓と肝臓の機
能に影響を与える可能性が見つけている>。これらの知見は懸念さ
れている。

子どもはどのくらい感染を広げるのか
英国の教育水準局は、学校の再開が子どもたちにとって最大の利
益になるだろうと言っている。だが、学校に通う子どもたちが新
型コロナウイルスの拡散においてどのような役割を担うのかは不
明。何百万人もの子どもたちが学校に通い、大きなグループとし
て集まり、ウイルスを家に持ち帰るが、ことはそんなに単純なも
のでない。子どもは一般的な風邪やインフルエンザなど、ほかの
コロナウイルスを拡散させる“スーパースプレッダー”として知
られているが、圧倒的多数の新型コロナウイルス入院症例は成人
なのだ。中国のある研究は、新型コロナウイルスの陽性と診断さ
れる子どもはほとんどいない。子どもは感染の伝播においてほと
んど役割を担っていないのかもしれないが、研究不十分だ! 学
校に戻る子どもが新型コロナウイルスの伝播を著しく加速させる
かについての十分なデータも、持ち合わせていないのが現状。



第2波が来るのか 誰にもわからない!
現行のロックダウン(都市封鎖)の問題の前に英国が合格しなけ
ればならない5つの試験のうちの➲1つは、「第2波」に対処
する国の能力。第2波は不可避だという専門家もいる。シンクタ
ンクの経済問題研究所は、新型コロナウイルスの蔓延は2年間は
続き、一連の波となって襲ってくるだろうと予測。この予測は歴
史上の事例を根拠とし、例えば1918年のスペイン風邪の世界的流
行は3回の波があり、第2波の死者数が最も多い。しかし、すべ
ての予想、モデル化、推測と同様に、第2波が来るのか、その規
模はどれくらいか、どのような影響があるのかを確実に知ること
が不可能である。


Reinfection could not occur in SARS-CoV-2 infected rhesus macaques
https://www.marketwatch.com/story/can-the-us-handle-the-
second-wave-of-covid-19-coming-our-way-2020-05-04
Can the U.S. handle the second wave of COVID-19 coming our
way? 米国はCOVID-19の第2波を処理できるか(MarketWatch

✔ 希望を語ることも、楽観することもできるだろうが、わたし
し(たち)には、妙な不安が消えない。それは、このウイルスの
「突然変異」の由来が闇のなかにあり、その像が見えないことに
ある。効果があるワクチンが開発されてもかなりの確率で変異し
ていくのではないかという疑問が払拭されないためだ。もう少し
専門知識を習得していくしかないのだが。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポストエネルギー革命序論154

2020年03月20日 | ネオコンバーテック



                    

                                                                     
12 顔 淵 がんえん 
--------------------------------------------------------------------
「内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何
をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
--------------------------------------------------------------------
8.「君子にとって大切なのは実質である。形態は二の次だ」と、衛の大夫、
棘子成(きょくしせい)が言ったのに対して、子貢がこう批評した。
「せっかくの君子論だが、残念なことに失言だ。失言は四頭立ての馬車で追
いかけても取消しはできない。実質と形態は表裏一体のものだ。たとえば虎
や豹の毛皮でも、なめしてしまえば大や羊の皮との見分けが、つかなくなる
ようだ。

棘子成曰、君子質而已矣、何以文爲矣、子貢曰、惜乎夫子之説君子也、駟不
及舌、文猶質也、質猶文也、虎豹之鞟、猶犬羊之鞟也。

Ji Zi Cheng said, "A gentleman should value only his nature. An edu-
cation does not always have to be valued." Zi Gong heard this and
said, "It's a pity that he thinks so. He cannot withdraw his words.
An education is related to his nature and his nature is related to
an education. If you pull hairs out from tiger furs, it is like dog
leather."

  


花王 栃木工場と豊橋工場で太陽光発電設備

【ポストエネルギー革命序論154】
昨年9月にグランドオープンしたイオン藤井寺ショッピングセンタ(大阪府
藤井寺市)に、再エネの活用を目的にした太陽光発電設備をPPAモデルとして
屋上に設置した。一般家庭約30世帯の1年分相当の電力を発電し、施設の電力
の一部として活用し、再エネの利用拡大に取り組む。また、イオンタウン湖
南(滋賀県湘南市)では、PPA 事業者と契約を締結しており、同施設の屋根ス
ペースを提供し、1MWを超える発電能力のある太陽光パネルを設置、そこ
で発電された電力をイオンタウン湖南が自家消費分として購入・活用してい
く。

 
 イオンモールで太陽光発電

太陽光発電は日本でも最安電源に
10数年前、次世代型太陽電池の製造事業開発を始め、今日至ったっているこ
ことは、このブログで縷々掲載----折角のチャンスも、原子力発電推進政策
で足を取られ、中国や欧州、北米圏に後塵を拝す----している中、日本でも
太陽光発電は、最安電源となってきているという(➲「太陽光発電は日本で
も最安電源」 環境ビジネス、2020年春季号)。筆者は、公益財団法人自然
エネルギー財団は上級研究員の木村啓二さんは、専門が環境経済学、再生可
能エネルギー政策論。主な著作・業績に、『拡大する世界の再生可能エネルギ
ー』(共同執筆、世界思想社、2011年)、『国民のためのエネルギー原論』(分
担執筆、日本経済新聞出版社、2011年)『地域分散型エネルギーシステム」(分
担執筆、日本評論社、2016年)など。 2007年に立命館大学大学院国際関係研
究科博士後期課程修了、博士(国際関係学)の概歴をもつ。諸外国では1キロ
ワットアワー当たり3円程度までになっており、今後も限りなくゼロ円に漸
近していくだろうとわたし(たち)は考えているが(「サウジの魔法
が消え
る時Ⅰ・Ⅱ」など参照)、次のような試算に基づき予測している。

出典:環境ビジネス
2030年の太陽光発電の発電コスト見通し
(2018・19年平均および2030年推計値)

2030年の太陽光発電システム(野立て、高圧)のコストは、5.0~5.7円/kWh
と推計される。太陽光発電は、原子力10.3円/kWhや、石炭火力12.9円/kWhよ
りも圧倒的に低コストとなり、2012年7月、固定価格買取制度がはじまった
当初、太陽光発電(10kW以上)の買取価格は40円/kWh(税抜)と、非常に高い価
格水準であった。それから8年過ぎようとしており、2020年度の買取価格は
12円/kWh(税抜)(50~250kW) にまで下がった。最安電源になりうる見通し。
昼間の卸電力価格の平均値(2018年度)が 10.51円/kWhであるから、卸電力価
格にかなり近づいている。
では、2030年には日本の太陽光発電のコストはどの程度まで下がりうるのか。
実際の太陽光発電のコスト構造を分析することで、2030年の太陽光発電の発
電コストを推計した試算によると、太陽光発電は、最安電源になる。以下、
その推計の考え方と結果は、自然エネルギー財団『日本の太陽光発電の発電
コスト:現状と将来推計』を参照。

2030年には国際価格水準に至る
まずは日本の発電コストが高い要因について解析したところ、①太陽電池モ
ジュールやパワーコンディショナなどハードは年々大幅なコストダウンが実
しており、海外製品については国際価格と遜色ない水準になっている。他
方で、②システム全体で見ると日本の太陽光発電は高コストのままにある
その理由としては、古い買取価格を保持し、EPC 事業者への一括発注などを
行っている事業者の発電所については、高コストになっている傾向がみられ
。また、③キャストイン方式やコンクリート基礎方式といった架台設計を
行っている場合、工事費用が高くなるなどの傾向がみられる。こうした現状
分析を踏まえ、2030年を展望し、前述①から③は、次のように変化するとし、
足元でも国際価格に近づいていることから、2030年には国際価格水準に至
ると考え、太陽電池モジュール自体の発電効率の向上も見込まれている。
電効率の向上によって、出力あたりの土地面積、架台数、施工工数が減少
2030年に向けて古い認定案件が一掃されていくことなどにより、
制度および市場環境が変わっていくことが予見される。また、にもかかわ
るが、今後、いっそう競争環境が高まることで、熟練した事業者のみが生
き残るで
あろう。このため、設計や発注手法はよリ洗練されたものになるこ
とが予見する。
以上の見通しを踏まえると、2030年の太陽光発電システム(野立て、高圧)の
コストは、資本費が6万円代半ば/kW、運転維持費が0.19万円/kW程度となる
と推計する。これをもとに発電コストを試算すると、5.0~5.7円/kWhと推計
(上図を参照)。今回の試算と2015年に政府(発電コスト検証ワーキンググル
ープ)が行った2030年の発電コスト推計を比較すると、太陽光発電は、原子
力10.3円/kWhや、石炭火力12.9円/kWhよりも圧倒的に低コストとなり、最安
電源になりうる見通しでいる。
このように、コスト科目を詳細に明確にしつつ積算し、試算した結果だけで
判断はできぬが、時系列的な経験・体験・知識から抵抗なく肯首すべきもの
である。反面、エネルギーや資材の浪費あるいは温暖化ガスの排出の抑制も
重要であることは言うまでもない。
 

ロードマップ:全固体電池用の無機電解質----固体電池で提案されている直
接電池リサイクル法に関連したさまざまなリサイクル方法の図解

高性能全固体電池の実現に向けた道筋
バッテリーに関しては、改善の余地が常にある。
より安く、安全で、長持ち
し、エネルギー密度が高く、リサイクルしやすいバッテリーを開発する競争
が続いている。ネイチャーナノテクノロジーの2020年3月号に掲載されたレ
ビュー記事では、カリフォルニア大学サンディエゴ校のナノエンジニアは、
高性能なクラスの全固体電池技術の開発の4つの課題とそのロードマップを
提案している。それによると、過去3年間のこれらの課題に取り組むための
チームの取り組みをまとめている。これらの課題は、さまざまなジャーナル
に掲載されているいくつかの査読付き記事で報告されている。多くの場合可
燃性の液体電解質を含む今日の充電式リチウムイオン電池とは異なり、固体
電解質を使用した電池は、より高いエネルギー密度を含むさまざまな利点に
加え、より高い安全性なものとして提供。

研究者はセラミック酸化物や硫化物ガラスなどの無機固体電解質に焦点を当
てる。無機固体電解質は、全固体電池用の比較的新しいクラスの固体電解質
(より広範囲に研究されている有機固体電解質とは対照的なものである)。
以下は、研究者がレビュー記事で説明しているロードマップの概要。

 1)安定した固体電解質化学界面の作成
 2)オペランド診断および特性評価のための新しいツール
 3)スケーラブルで費用対効果の高い製造可能性
 4)リサイクル可能なバッテリー

カリフォルニア大学サンディエゴ校ジェイコブス校工学部のナノエンジニア
リング教授であるシャーリー・メンは、全固体電池の課題実現には、すての
課題に同時に対処する解決の糸口を見つける必要があると言う。

安定した固体電解質化学界面の作製
固体電解質は、最初に発見された電解質が実際の用途には低すぎる導電率値
を示した初期の頃から長い道のりを歩んできた。今日の高度な固体電解質は、
今日の蓄電池に使用されている従来の液体電解質(10 mS cm-1を超える)を
も超える導電率を示している。イオン伝導率とは、電解質内でリチウムイオ
ンがどれだけ速く移動できるかを示す。
残念ながら、報告されているほとんどの高導電性固体電解質は、電気化学的
に不安定であることが多く、電池に使用される電極材料に適用すると問題に
直面する。この時点で、より高いイオン伝導率の追跡から焦点を移すべきだ。
代わりに、固体電解質と電極間の安定性に焦点を当てる必要があると件の
Meng氏は言う。
イオン伝導率が自動車の運転速度に類似している場合、インターフェイスの
安定性は、ラッシュアワーの交通量をどれだけ通り抜けることができるかと
同じである。通勤中に交通渋滞に巻き込まれた場合、車がどれだけ速く移動
できるかは関係ない。この界面安定性のボトルネックに取り組み、中程度の
イオン伝導度を持ちながら安定した界面を示す固体電解質を使用して、電極
-電解質界面を安定させ、バッテリー性能を改善する方法を実証。

UCサンディエゴに関わる界面安定性の論文:
ACS Applied Materials and Interfaces「インターフェースでの長寿命で
高エネルギーの全
固体電池のためのナノスケール固体-固体界面現象の解明」
ACS Energy Letters「Li6PS5Cl固体電解質の可逆的電気化学的酸化還元の
解明」


Operandoの診断と特性評価の新しいツール
電池がが故障する理由----なぜ短絡が起こるのか。
バッテリー内部で何が起こっているかを理解するプロセスには、理想的に
リアルタイムでナノスケールまでの特性評価が必要。全固体電池の場合、

れは非常に困難である。バッテリーの特性評価は通常、X線や電子顕微
鏡や
光学顕微鏡などのプローブの使用に依存する。市販のリチウムイオン
電池で
は、使用される液体電解質は透明で、各電極でさまざまな現象を観
察できる。
場合によっては、この液体を洗い流して、より高い解像度の特
性評価のため
に表面をきれいにできる。今日のリチウムイオン電池を観察するのがはるか
に簡単になったが、全固体電池では、すべてが固体であるかに埋没している。
さらに、固体電池で使用される固体電解質とリチウム金属は、電子ビーム損
傷の影響を受けやすい。これは、電池研究に使用される標準的な電子顕微鏡
検査技術が、観察および特性評価される前に対象の材料を損傷することを意
味する。
これらの課題を克服する方法の1つには、極低温法を使用してバッ
テリー材料を冷却状態に保ち、電子顕微鏡プローブ下での分解を緩和するこ
とであり、
固体電解質界面の特性評価障害克服に使用するもう1つのツール
は、X線トモグラフィーである。これは、健康診断中に人間が受けること
と似ている。このアプローチは、固体電解質内に埋もれたリチウム樹状突起
の観察(バッテリー自体を開けたり、破壊したりすることなく)に関する最
近の論文で使用されている。

UCサンディエゴの関連する特性評価論文:
ACS Energy Letters「リチウム金属アノードの極低温集束イオンビーム特
性評価
Advanced Energy Materials「室温全固体リチウム金属電池のスタック圧
力に関する考慮事項」

スケーラブルで費用対効果の高い製造可能性
バッテリーの研究における飛躍的進歩は、スケーラブルでなければ大した意
味を持たない。これには、全固体電池の進歩が含まれます。このクラスのバ
ッテリーが今後数年以内に市場に参入する場合、バッテリーコミュニティは、
敏感なコンポーネントの材料をコスト効率よく大規模に製造および処理する
方法を必要としている。過去数十年にわたって、研究者は、研究室で、電池
に理想的な化学的性質を示すさまざまな固体電解質材料を開発してきた。残
念ながら、これらの有望な材料の多くは、大量生産のためにスケールアップ
するには費用がかかりすぎるか、困難すぎるかのいずれかである。たとえば、
ロールツーロールの製造に十分な薄さにすると、多くは非常に脆くなり、30
マイクロメートル未満の厚さが要求される。さらに、固体電解質を大規模で
製造する方法は十分に確立されていない。たとえば、ほとんどの合成前提で
は、複数のミリング、熱アニーリング、溶液処理ステップを含む複数のエネ
ルギープロセスを必要とする。このような制限を克服するため、同研究者ら
は、複数の専門分野を統合する。従来の材料科学で使用されるセラミックと
有機化学で使用されるポリマーを組み合わせて、スケーラブルな製造プロセ
スに適合する柔軟で安定した固体電解質を開発している。材料合成の問題に
対処するために、チームは、追加のアニーリングステップを必要とせずに、
シングルステップ製造を使用して固体電解質材料をスケーラブルに製造する
方法も報告されている。


UCサンディエゴの関連するスケーラブルな製造書類:
ACS Applied Energy Materialsの「スケーラブルなソリューションプロセ
スによる薄くて柔軟な固体複合電解質の有効化」
Journal of Power Sourcesの「ナトリウム全固体電池用の高導電性Na3PS4
固体電解質のシングルステップ合成」

リサイクル可能なバッテリー
使用済みバッテリーには、再利用可能なリチウムやコバルトなどの貴重で制
限された材料が含まれる。ライフサイクルの終わりに達したら、これらのバ
ッテリーは廃棄先などどこかに送られる(そうしないと、廃棄物としてに単
純に蓄積されていくしかない)。しかし、今日のリサイクル方法は、多くの
場合、費用がかかり、エネルギーと時間が集中し、処理用の有毒化学物質が
含まれている。さらに、電解質、リチウム塩、セパレータ、添加剤、包装材
料のリサイクル率が低いため、電池材料のごく一部しか回収できない。これ
は主に、今日のバッテリーは最初から費用対効果の高いリサイクル性を考慮
して設計されていないことによる。

UCサンディエゴの研究者たちは、次世代の全固体電池への再利用性とリサイ
クル性を設計する取り組みの最前線に立っている。費用対効果の高い再利用
性とリサイクル性は、kgあたり500ワット時以上の高エネルギー密度を提供
できる全固体電池の開発に必要な課題を組み込まざるをえない。 リチウム
イオン電池で発生したのと同じリサイクル可能性の間違いをしないことが前
提となる。バッテリーは、ライフサイクル全体を考慮して設計する必要もあ
る。これは、多くの場合バッテリーの耐用年数の終わりを示す元の容量の60
〜80%を下回った後も十分に使用できるバッテリーの設計を意味する。定置
用貯蔵や非常用電源などのバッテリーの二次使用を調査し、最終的にリサイ
クルセンターに到達するまでの寿命を延ばすことで実現できる。有機電解質
を使用した全固体電池は、高エネルギー密度、安全性、長寿命、リサイクル
性を実現する将来の電池技術として大きな期待を寄せられているが、これら
を現実するには、リサイクル可能性を含む残りの課題がどのように相互に関
連しているかを考慮する戦略的な研究を必要とする。
出典:“From Nanoscale Interface Characterization to Sustainable Ene-
rgy Storage Using All Solid-State Batteries
,” in the March 2020 iss-
ue of Nature Nanotechnology
✔ この戦略を俯瞰し、また1つ事業開発領域
『オール高性能全固体電池シ
ステム』が誕生した。



【世界の工芸:#CraftsOfTheWorld#RyuzoAsami
浅見隆三・叶光夫・森野嘉光

●今夜の寸評:重苦しくてもマスクと検温


毎日、検温することで不安感が少しはぬぐえる

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国際抗ウイルス創薬局(Ⅲ)

2020年03月16日 | ネオコンバーテック



                    

                                                                        
12 顔 淵 がんえん 
--------------------------------------------------------------------
「内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
--------------------------------------------------------------------
6.君主の徳性について子張が質問したとき、孔子はこう答えた。
腹黒い臣下ともなると、一見それとわかるような謹言はやらない。水が土
にしみこみ、ほこりが肌にしみつくように、いつのまにか君主の心に食いい
ってしまうものだ。もしこういう巧妙な漫言を受けつけない君主であれば、
人を見抜く徳性の持ち主といってよいだろう。いや、そればかりか、達人と
いってもよいだろう」司馬牛は嘆かずにいられなかった。

子張問明、子曰、浸潤之譖、膚受之愬、不行焉、可謂明也已矣、浸潤之譖、
膚受之愬、不行焉、可謂遠也已矣。
英訳文

Zi Zhang asked about intelligence. Confucius replied, "If you can
ignore a repeated slander and a false accusation against an innocent
person, you are intelligent. If you can do that, you can also foresee
many things."




電気自動車の完全普及によるCO2排出量削減の効果 
2月19日、京都大学と広島大学らの気候変動に関する研究グループが中心
となり、将来の電気自動車の導入とそれによるCO2 排出量削減の効果を解
明。現在電気自動車が急速に普及してきており、それによって将来の自動
車由来のCO2 排出量は大きく変わると予想されている。2015年のパリ協定
では、国際社会は全球平均気温の上昇を2℃以下に抑え、温室効果ガスの
排出を今世紀後半に実質ゼロまで下げるという気候安定化目標を掲げたが、、
それに電気自動車がどのように貢献できるのかという問題は明確でなかっ
た。同研究グループは、電気自動車の導入状況と交通部門以外の排出削減
努力の進展度合いにより6通りのシナリオを設定、コンピューターシミュ
レーション(数値計算)を行いその結果、電気自動車の導入により、エネ
ルギー消費量が減少するが、発電システムが火力発電依存の現状のままで
は将来のCO2 排出量はほとんど変わらず、全体としては正味で増加してし
まうことがわかった。さらに、仮に発電システムに再生可能エネルギーを
大規模に導入したと仮定しても、2割程度のCO2 削減にとどまる。この結
果は、パリ協定の2℃目標を達成には、交通という単一セクターの限定的
な取り組みだけでは難しく、家庭 産業 交通といったエネルギー需要全体
と共に、発電などのエネルギー供給が脱化石燃料化してかなければならず、
社会全体での取組みが必要である。

図1.モデル構造  ENENCHEおよびENTERSは、AIM / CGEおよびAIM / Transp-
ortで計算されるエネルギー消費量を表す


上記のシナリオでシミュレーションを行った結果、本研究では次のことが明
らかになった。
(1) 電気自動車の導入により交通部門のエネルギー消費量は下がる(下図左)。
(2) 電気自動車の導入により自動車由来の直接CO2 排出量も抑制されるが、
発電システムが火力発電に依存
する現状では、人間社会全体からの排出量は逆に増加してしまう(下図右①
と④の比較)。
(3) 自動車をすべて電気自動車にして、発電システムを再生可能エネルギー
に置き換えることで、CO2 排出量は2割程度削減することができる(下図右①、
⑥の比較)。
(4) 自動車関連の対策だけではパリ協定の2℃目標には程遠く、目標達成のた
めには家庭 産業 交通といったエネルギー需要側全体と発電を含むエネルギ
ー供給側が総動員で脱化石燃料化しなくていけない (下図右②、⑤に相当)。



FDA 10倍高速新コロナウイルス検査装置
FDAの10倍高速新型コロナウイルス検査装置FDAは、新しいコロナウイルステ
ストの緊急認可を付与。完全自動化されたシステムは、患者の検査速度を10倍
改善し、1週間あたり約400,000(40万)の検査できるという(New coronavirus t
est is 10times faster,FutureTimeline.net,2020.3.15)。



コロナウイルスのパンデミックが新しい10年の予想外の始まりである。現在、
世界中の感染者数は162,000人で、指数関数的に増加している。現在の死者数
は6,000人で、典型的な季節性インフルエンザの20〜30倍以上の死亡率を生み
出している。人命の苦しみとレクイエムは別とし、経済はアウトブレイクに
よって混乱に陥り、ダウ・ジョーンズや他の指数で過去最大の規模の下落が
目撃している。オーストラリア国立大学の研究では、「深刻度の低い」結果
でさえ、最終的な死者数は約1500万人、世界のGDP損失は2.4兆ドル(259兆円)
と予測。同報告書によれば、「高重症度」モデルでは、現在の世界人口の約
0.9%で、第二次世界大戦の犠牲者数と同程度の6,800万人が死亡し、経済に
9兆ドル(972兆円)の大打撃を与える。米国疾病対策予防センタ(CDC)は、
1月21日に米国で最初のCOVID-19ウイルスの症例を報告。それ以来、全国の
症例数は3,250件に達している。米国のような先進国が衝撃的なほど低い検査
数が批判されてきた。


出典:Worldometers.info:人口当たりのCOVID-19コロナウイルス
検査テスト数。 2020年3月15日時点の正しい数値

米国の検査は、2月に連邦政府によって配布された欠陥のあるキットによっ
てさらに妨げられ、いくつかの誤った結果をもたらす。患者を正確にテスト
する能力を高め、ウイルスの拡散を正確に追跡するために、FDAはcobas SA
RS-CoV-2テストの緊急使用許可(EUA)を承認。このシステムは、テスト基
準を満たす患者の咽頭および鼻腔スワブのサンプルから、COVID-19疾患を引
き起こすウイルスであるSARS-CoV-2が検出できる。病院と研究所は、スイス
の診断メーカであるRocheが開発した完全自動化されたcobas 8800および680
0システム
でテストを実行できるようになった。機械は3.5時間以内に個々の
結果を提供でき、24時間で最大4,128個のサンプルを処理可能とロシュ先週金
曜に説明を行う。ハイエンドの8800バージョンは、MagNA Pure 24およびLight
Cycler480デバイスで実行されるコロナウイルスに対するロシュの既存のテス
トよりも約10倍速く患者をテストできる----患者がSARS-CoV-2に感染してい
るかどうかを迅速かつ確実に検出することが重要。
ここ数週間、緊急対応チームはこのテストを患者に届けるために懸命に取り
組んでいるす。CEマーク認証とFDA EUAの付与は、この深刻な病気と闘うため
に不可欠な信頼性の高い診断をより多くの患者に----提供できる。ウイルス
は指数関数的な方法で人々に感染。高スループットシステムでなければなら
ない。これは、感染している患者を隔離するのに役立つので、他の人を感染
させない担保となりうる。可能な限り多くの高速テストを提供することで生
産能力の限界に向かっていると説明する。現在、これらのコバスマシンは米
国に110台あり、ロシュはここ数週間、全国の主要な場所に「かなりの量」の
新しいコバスマシンを設置しておりは、週に約40万のテストが提供できる予
定。同金曜日に国家緊急事態を発表し、トランプ大統領は米国の試験能力が
月内に500万まで拡大できることを約束する。



 ● 今夜の一品
新型コロナウイルス用マスクなら少々お高くても多層式マスク!
大気汚染もウイルスも煙害も防ぎ、花の香り
オーストラリア特産の、自然の香りに癒やされます。最大で5層のフィルタ
を組み合わせ、その内1枚がボタニカルな香りを放つ高機能なマスク「Aus
Air」。これは元々、シドニー出身の若者3人が中国旅行で大気汚染のひどさ
を嘆いて作ったというもの。医療用でもなければ、今回の新型コロナウイル
スが流行る前から開発していたのですが、このタイミングで完成したのです
ね。なので本来の目的であるPM2.5と、そして0.1~0.5ミクロンまでの細菌も
97%以上防ぎ、また山火事などで発生する灰や煙もブロックする優れもの。
このマスクは、内側から鼻の形をキープするパッド付きの不織布インナー
香り付きPM2.5フィルター活性炭素フィルター、そしてアルミ製の鼻クリ
ップ
が付いて、外側のアウターと補強するレイヤーと、最後に1番外側が呼
気と熱を逃がす穴がふたつ空いた、耳掛け付きのアウターという5層構造
なっている。しかしこれらを全部合体させる必要もなく、最低でもインナー
とアウターと補強レイヤーの3枚も使用可能。

できれば、インナーは再利用・再使用できればウエルカムなのだ!

【ポストエネルギー革命序論154】

   


風速2m/sで発電できるマイクロ風車
3月6日、シナネンとグローバルエナジーは共同で、微風でも発電可能でマイ
クロ風力発電事業に参入することを公表。シナネン100%出資の新会社Sinagy
Revoを設立し、マイクロ風車搭載製品の開発製造および販売・メンテナンス事
業を展開。再生可能エネルギー関連事業を手掛けるグローバルエナジーは、新
たに平均風速約1m/sの微風で回転し、約2m/sの風速で発電可能なマイクロ風
車の開発に成功した。剛性を兼ね揃えた特殊な形状の軽量ブレード羽を搭載し
する垂直型の風車で、360℃全方向からの風を発電に利用できる。これらの特性
から30%以上の高い設備利用率が期待できる他、風切り音は30db(デジベル)
程度、設置場所から数メートル下の地上では、人の耳ではほとんど聞こえない
レベルのため、市街地での設置も可能としている。シナネンでは新会社のSinagy
Revoにおいて、グローバルエナジーが開発した小型風車を利用し、ポール型完
全独立電源装置や、屋上用風力発電装置の開発・販売を行う方針。


高体積エネルギー密度全固体リチウム二次電池技術


図1 a、高面積容量(> 6.8mAh cm-2)のNMCカソード、SSE、および過剰なLi
を必要としないAg-Cナノコンポジットアノード層で構成され
るASSBの概略図。
正極および負極の集電体として、それぞれAlおよ
びSUS箔を使用 。


図1.b、ASSB構造の断面SEM画像は、高密度に統合されたコンポーネント間の
密接な接触を示す。c、SSEイオン伝導度と温度のアレニウスプロット。d、ア
ルギロダイト固体電解質のラマンスペクトルおよびXRDパターン。e、LZOコー
ティングされたNMC粒子のTEM画像。厚さ5nmのLZO層がNMC上に均一にコーティン
グされた。f、安定したLiめっきおよび剥離のためのSUS集電体上のAg–Cナノコ
ンポジット陽極層の概略図。g、ASS–Cナノコンポジットアノード層を備え、従
来のLIBおよびLi金属電池よりも高い体積エネルギー密度を示すASSBの概略図。
3月12日、Samsung Advanced Institute of Technology(SAIT)とSamsung
R&D Institute Japan(SRJ)らの研究者は、初めて銀炭素(Ag-C)を用いて
過剰なLiを含まないアノード複合層型高性能電池の開発に成功したことを公表。
【要点】
リチウム金属アノードを備えた全固体電池は、従来のリチウムイオン電池の性
能を上回る強力な候補。望ましくないリチウム樹枝状結晶(デンドライ)との
成長とクーロン効率の低さは、実用化の障害であったが、過剰なリチウムを含
まない銀-炭素複合アノードにより、硫化物電解質を備えたことで、高性能全固
体リチウム金属電池の実現に成功。薄いAg-C層がLiの析出を効果的な制御を実
現、これにより真に長い電気化学的サイクル性がもたらされた。フルセルのデ
モンストレーションでは、高比容量(> 210 mAh g-1)および高面積容量(>
6.8 mAhcm-2)の高Ni層状酸化物カソードと、アルギロダイト型硫化物電解質を
採用。電極と電解質間の接触の改善に、温間静水圧プレス技術も導入し、準備
されたプロトタイプポーチセル(0.6 Ah)は、高エネルギー密度(> 900 Wh -1)、
99.8%を超える安定クーロン効率、および長いサイクル寿命(1,000倍)を実現。
液体電解質を利用する広く使用されているリチウムイオン電池と比較して、全
固体電池はより大きなエネルギー密度をサポートし、より大きな容量の実現の
扉を開き、安全な固体電電池を実現。ただし、全固体電池で頻繁に使用される
リチウム金属アノードは、樹枝状化の傾向があり、電池の寿命と安全性を低下
させる望ましくない副作用を引き起こす。厚さわずか5μm(マイクロメートル)
の超薄Ag-Cナノコンポジット層により、チームは陽極厚さを減らし、エネルギ
ー密度を高めた。また、プロトタイプを従来のリチウムイオン電池よりも体積
で約50%コンパクト化に成功。

【概要】
既存のリチウムイオン電池(LIB)に比べてエネルギー密度と安全性が向上し、
電化輸送におけるより高い電力とエネルギー密度の需要により、全固体電池(
ASSB) 2 ;に強い関心が寄せられている。硫化物や酸化物などの固体電解質は、
高エネルギー密度のASSBの調製に適している。中でも、硫化物固体電解質(SSE)
は、室温での高いLiイオン伝導率(1〜25 mS cm-1)により、電気自動車(EV)
バッテリーでの使用に最も適しています。液体電解質。さらに、SSEのLi転移数
(t Li + tLi +)は1に近く、液体電解質のそれ(t Li + tLi + tLi +≈0.5)
よりもはるかに高く、Li樹枝状結晶の成長を防ぐのに有利です。重要なのは、
SSEの柔らかい機械的特性により、電極と電解質層を単純なプレスプロセスで製
造できるため、通常の高温焼結が不要になり、加工性が大幅に向上し、薄膜の
調製と大量生産が可能になることです、したがって、SSEはASSBで使用するため
の主要な候補です。ただし、SSEの調製中に硫化物と水分が反応するため、非常
に毒性の高いH2Sガスの生成に関連する環境上の課題は未解決です。さらに、界
面で比較的反応が遅いアルギロダイト(Li6PS5X(X = Cl、Br、I))タイプの
電解質を除き、ほとんどの硫化物電解質はリチウム金属と接触すると急速に分
解する傾向がある。これはSSEの準備中に追加の課題をもたらす。

ASSBの構築

アルギロダイト型SSEは、結晶性のチオLiSICON(リチウム超イオン伝導体)と
比較してLi金属に対して良好な安定性と、合理的なイオン伝導率(> 1 mS cm
-1)を有し、高いカソード負荷を可能にする6。このため、ASSBのSSEとしてア
ルギロダイト(Li6PS5Cl)を使用。アルギロダイト粉末を使用して調製したSSE
スラリーをドクターブレード法(t = 30 µm)でPETフィルムにコーティングし、
外部圧力(50 MPa)を加えることによりLiNi0.90Co0.05Mn0.05O2(NMC)カソー
ドに移した。LIBでは、セパレータは通常、電極間の短絡を防ぎます。しかし、
典型的な不織布セパレーターを使用せず、代わりにフィルムを使用した。これ
は、均一性を改善し、厚さを減らすために転写法を使用して作成された。アル
ギロダイトSSEの柔らかく弾性のある機械的特性により処理が簡素化され、SS
Eと電極間の密接な接触が促進される。調製したSSEフィルムは、十分な機械的
強度と柔軟性を示し、温間静水圧プレス(WIP)で加圧することで密度が増加し
たため、機械的強度はさらに向上した(補足図1)。フィルムの機械的剛性と
そのLiイオン伝導率に大きな影響を与えることが知られているSSE分散の均一性
を改善するために、キシレンとイソ酪酸イソブチルの混合物でアルジロダイト
スラリーを調製した(補足図2) 。温度は電解液のリチウムイオン伝導度に
大きく影響し、図1cは温度の関数としての硫化物電解質のリチウムイオン伝導
度のアレニウスプロットを示す。アモルファス硫化物電解質の場合、Li2Sおよ
びP2S5組成の変動により、室温でそれぞれ0.19µmS cm–1および0.76µmS cm–1の
Liイオン伝導度が得られた。
対照的に、結晶性アルギロダイトは、1.8 mS cm-1のより高い室温Liイオン伝導
率を示す。バインダーをSSEと混合すると、室温でのLiイオン伝導度は1.31µmS
cm-1にわずかに低下。調製したSSEの活性化エネルギーは0.35 0.3eV。図1dは、
調製されたアルゴロダイト電解質のラマンスペクトルとX線回折(XRD)パター
ンを示しす。ラマンスペクトルは、アルギロダイトのPS43–イオンユニット(オ
ルトチオホスフェート)に関連する約420µcm-1のピークを示し、この領域に他
のピークがないことは、調製した電解質に関連する不純物がないことを示す。
SSEシートのラマンスペクトルは、初期のアルギロダイトパウダーのラマンスペ
クトルとほぼ同一であり、溶媒またはバインダーによって引き起こされるアル
ギロダイトの化学的または構造的変化がほとんどないことを示す(補足図3)。
酸化物の中で、ガーネット型のLiイオン伝導性Li7La3Zr2O12電解質は、その広
い電気化学的安定性ウィンドウと優れたリチウム金属適合性により、高エネル
ギー密度のASSBを調製するための固体電解質として使用できる有力な候補であ
る。ただし、その製造プロセスでの高温焼結に不可欠な要件は、大規模生産を
可能にするためのさらなる研究の必要性を強調する。Liは、その高い理論容量
(3,860 mAh g-1)と低い電気化学ポテンシャル(標準水素電極に対して-3.04
V)により、EVアプリケーション用の高エネルギー密度ASSBを得るための最も有
望なアノードであり、現在のLIBの広く使用されているグラファイトアノード理
論容量372capacitymAh g-1)の交換に最適。ただし、Liデンドライトの成長に
よるクーロン効率(充放電効率)の低下と体積膨張は、安全性の問題とサイク
ル寿命の短縮につながる深刻な課題。さらに、リチウム金属のセル製造プロセ
スは、その柔らかい性質のために高圧を必要とする。

これは、ASSBでの使用をかなり困難にし、これらの制限を回避のために、アノ
ードとして集電体のみを使用するアノードフリーのコンセプトが開発された、
ここでカソードは充電中のLi金属の唯一の供給源です。このアプローチでは過
剰なLiが使用されないため、結果のASSBのエネルギー密度を非常に高い値に増
やせ、このアプローチでは、セルの組み立てプロセスでリチウム金属箔を処理
する必要がなく、バッテリーコストが削減できる。低Liクーロン効率と広範な
樹状突起成長の解決策はまだ報告されていない。ここでは、SSEとLi金属フリー
アノードを使用することで、900 Wh -1を超えるエネルギー密度と長いサイクル
寿命(1,000倍)のASSBを実現することを報告。このASSBは、Li金属の代わりに
Ag–Cナノコンポジット層をアノードとして備え(図1a、b)。
AgはLiに可溶であり、Liの形成の核生成エネルギーを低減に、集電体へのLiの
均一な堆積を支援し、ASSBのパフォーマンス。カーボンは、以前は保護層とし
て、またはLi金属の堆積の3次元ホストとして使用されていた。ただし、この
作業では、SSE層をLi金属から遠ざけるセパレータの役割を果たします。これに
より、SSEの耐久性が向上し、SSEを介したLi金属の浸透が回避される。さらに、
XRDパターンは、アルギロダイト相が適切に形成された立方体F-43m空間グルー
プに存在し、15、17、25、30、および31度のピークが(111)、(200)、(
220)、
(311)および(222)のそれぞれの平面にある。高エネルギー密度(>900 Wh
l-1)を得るために、ASSBで6.8 mAh cm-2の高い面積容量を持つNMCカソードを
使用した。
しかし、4.0 Vを超える高電圧でのカソード活物質とSSEの間の界面
副反応と、ASSB の容量とサイクル寿命を低下させる高い固体間界面抵抗は、

のカソード。
以前の結果に基づいて、透過型電子顕微鏡(TEM)画像(図1e)で
見ることができる。SSE-カソード界面特性の改善するために。NMCカソード活物
質に厚さ5μmのLi2O-ZrO2(LZO)コーティングを適用した。
繰り返しサイクル中のLiめっきと剥離安定性を改善するために、Agナノ粒子(
NP)とカーボンブラックを1:3の重量比で含むステンレス鋼(SUS)集電体(図
1f)に複合アノード層を導入した、およびポリフッ化ビニリデンバインダー。
SUS集電体は、機械的強度が高く、硫化物との反応性が低いために選択された
(補足図4)。
グラファイトアノードを備えたASSBとは異なり、固体電解質はシステムのアノ
ード内部に含まれていません。特に、充電プロセス中に、集電体とAg–Cナノコ
ンポジット層の間にLi金属が均一に形成された。セルアセンブリには金属Li
コンポーネントは使用されず、カソードから発生したSUS集電体に堆積したLi
金属がアノードとして使用。過剰なLi金属を使用せずに高いクーロン効率と均
一なLi堆積を実現するには、ASSBの長寿命と操作上の安全性を確保するための
重要な要素である。Ag–Cナノコンポジット層の厚さはわずか5–10µmであるため、
開発したASSBで優れた体積セルエネルギー密度を達成することができた(図1g)。

Ag–Cナノコンポジット層の有無によるLi堆積

リチウム金属の堆積は、基板の表面特性に大きく影響される。開発したASSBで
のLi析出挙動を調べるため、SUS集電体を追加層なしで固体電解質と直​​接接触さ
せて使用したとき、この現象を最初に研究し(図2a)。Li樹状突起の形成は明
らであった。Li堆積物(t = 30 µm)は密ではないが、充電状態(SOC)はわず
か50%でしたが、厚くて不規則な形状(図2b、c) 0.05 Cレート(0.34 mA cm-2)。
サイクルが繰り返されると、SSEは、Li堆積物の不均一な成長により簡単に損傷
し、短絡の可能性が高くなります。さらに、孤立したリチウムの生成により、
放電容量が低下します。さらに、集電体とSSEの界面は、マイクロギャップの形
成やその他の副反応により不十分な接触をすることがあり、その結果不均一な
Li堆積が生じます。図2dは、60°Cで0.1°C / 0.33°Cの充電/放電レート下で
SUS集電体のみを使用したポーチ型フルセル(2×2 cm2、20 mAh)のサイクル性
能を示しています。実際、比較的低い電流でも、数サイクル後に容量が急激に
低下した。これは、リチウムの不均一な核生成と成長が原因である。


図2 SSEを使用した集電体上の直接Liめっきの形態
a、集電装置がSSEと直接組
み立てられた場合のSUS集電装置上のLiめっき
の概略図。b、0.05 C(0.34 mA
cm-2)充電後、50%SOCでのめっきLiの
上面図。挿入図:SUS集電体にめっきさ
れたLiの写真。c、SOC 100%で
0.05°C充電後のSUS集電体上のめっきLiの断面
図。 d、SUS | SSE | NMC
ポーチ型フルセル(20µmAh)の容量維持率(充電/
放電速度0.1°C / 0.33
°C(電圧ウィンドウ、2.5–4.25 V対60°°CでのLi +
/ Li))。

                          この項つづく                                              


図1 上)有機半導体膜上への電極の転写手法模式図。下)デバイスの断面図


3月13日、東京大学、産業技術総合研究所らの研究グループは、洗濯のりに
ヒントを得て、高精細にパターニングされた電極を有機半導
体に取り付ける手
法を開発したことを公表。さまざまな機能性を有す
る電子素子を駆動させるに
は、電圧や電流を入出力するための電
極が必要不可欠。電極は通常金属で、高
真空下で大きなエネルギーを
用いて成膜されることが多く、電極の設置面への
ダメージを抑え、接
着力など下地との相性を最適化することも重要な課題であ
る。同研究
グループは、洗濯のりの成分であるポリビニルアルコールが乾燥す
と固まり、水にあうと簡単に溶けることを利用し、基板上で高精細にパター
ニングされた電極をポリビニルアルコールなどとともに電極フ
ィルムとして引
き剥がし、半導体上に移し取る手法を開発した。さら
に、たった1分子層(厚
さ4ナノメートル)からなる有機半導体に金属電極を取り付け、半導体の機能
を十分利用できることを実証。取り付け先の制約は極めて少なく、曲面や生体
などへの応用も期待できる。
今回の成果により、さまざまな積層デバイスへの
応用が可能となり、
将来の産業応用における低コスト・フレキシブルエレクト
ロニクス用
のプロセスとしての利用が見込まれている。有機半導体は、塗って
かすだけで高品質な結晶性薄膜が低コストで得られ、RFIDタグや種々のセン
サといった膨大な数のデバイスが必要となるIoT時代の基盤材料
として近年盛ん
に研究されているが、原子同士が共有結合で強く結び
ついている無機半導体と
比較して、分子同士が弱い分子間力により集
合している有機半導体は、溶剤や
熱によるダメージを受けやすいとい
う課題があった。例えば、有機電界効果
トランジスタ(OFET)
では、有機半導体や電極といった構成要素を積層して作
製するが、有機半導剤によるダメージを抑える必要がある。


図2 図2 左)作製した電極フィルムの写真。右)半導体膜上への転写前後
の電極の走査型電子顕微鏡(SEM)像。


洗濯のりが乾燥すると固まり、水にあうと簡単に溶けることにヒントを得て、
「のり」を使って基板から電極を引き剥がし、後で「のり」
を除去するという
発想に至る。さらに、電極を薄い保護層で覆えば、
半導体と保護層との静電気
力を利用して電極を半導体に接触させられ
るのではないかと考えた。こうして
たどり着いた半導体上への電極の取り付け手法を図1に示す。本法では、基板上
でパターン化された電極を半導体上に移し取るため、安価で広く用いられてい
る2種類の高
分子を使用する。1つ目は、アクリル樹脂の一種であるポリメタ
クリル酸メチル(PMMA)、2つ目は洗濯のりの成分として知られ、水によく溶
けるポリビニルアルコール(PVA)。まず、基板上で電極材料をパターニングし、
その上に薄いPMMAを塗布する。これらはいずれも厚さ>数10~100ナノメートル
(1ナノメートルは10億分の1メートル)と薄く、このまま取り扱うことが困難
なので、その上にPVAを20~30マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分
の1メートル)の厚さに塗り乾かし、電極、PMMAおよびPVAを一括して基板から
引き剥がすことで、取り扱いが容易な電極フィルムをる(図2左)。続いて、
電極フィルムを半導体上に貼り付け、温水でPVAを溶解して除去すると、薄い電
極およびPMMAが静電気力によって半導体上に吸着する。以上の簡便な手法によ
り、1マイクロメートルという高精細でパターニングされた電極を、プロセス
中に伸縮することなく半導体上に移し取ることに成功する(図2右)。


図3 作製した単分子層のOFETの飽和領域の伝達特性(実線)および従来の真
空蒸着法によって電極を作製したOFETの伝達特性(橙色破線)。図中のVDはド
レイン電圧。

開発した手法の有用性を確かめるため、1分子層(厚さ4ナノメートル)の単
結晶からなる有機半導体の上に電極を取り付けてOFETを試作しました。従来の
真空蒸着法で電極形成したOFETでは、ゲート電圧を変化させてもドレイン電流
が殆ど流れないことから、熱的なダメージによって特性が大きく低下している
(図3橙色の破線)。一方、開発した手法で作製したOFETは、ゲート電圧を変
化させると有機半導体の本来の性能であるドレイン電流値を示し(図3赤色の実
線)、ゲート電圧とドレイン電流の平方根(図3青色の実線)の関係から移動
を求めたところ、実用化の指標となる10 cm2/Vs程度を示し、1分子層の有機
半導体が持つ性能を引き出せることが実証できた。この手法を用いることで、
積層デバイスの作製が容易となるため、より複雑で高度な機能を実現する集積
回路の作製が可能となります。また、安価で汎用性が高く環境負荷の小さいPM
MAやPVAを使用していることや、大面積化が容易で、曲面などさまざまな表面形
状の半導体にも適用できるなど、電極を取り付ける半導体側の制約が少ないこ
とも特長。今後、こうした特長が活かせる有機半導体を用いたソフトエレクト
ロニクスの社会実装やバイオエレクトロニクス分野への貢献が期待される。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国際抗ウイルス創薬局(Ⅱ)

2020年03月14日 | ネオコンバーテック



                    

                                                                        

12 顔 淵 がんえん 
--------------------------------------------------------------------
「内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
--------------------------------------------------------------------
5.司馬牛は嘆かずにいられなかった。
「兄弟の達者な人がうらやましい。わたしだけだ、ひとりぽっちは」
子夏が慰めて言った。
「死ぬも生きるも富貴になるのもすべてこれ運命、ということばがあるでは
ないか。運命を気に病むことなく、つねに礼を守って慎み深く人と交わって
いくのが君子たる者の生き方だよ。そうすれば人間すべてが兄弟になる。実
の兄弟がないことを悲しむには及ばない」

司馬牛憂曰、人皆有兄弟、我獨亡、子夏曰、商聞之矣、死生有命、富貴在天、
君子敬而無失、與人恭而有禮、四海之内、皆爲兄弟也、君子何患乎無兄弟也

Si Ma Niu sighed, "Everyone has their good brothers. But only I don't
have any good brother." Zi Xia said, "I heard that death, life, riches
and nobility are ordained by Heaven's will. If a gentleman respects
others without mistakes and behaves humbly and politely, all the pe-
ople are his brothers. Why do you have a reason to sigh over your
brother?"。


高血圧管理要点
新型コロナウイルスACE2感染機構と議論(Ⅱ)

3.ウイルス感染と高血圧治療に対するACE2の影響
パルボウイルス肺炎(NCP)の発生は大きな影響を及ぼした。SARSのような新
型コロナウイルスは細胞にACE2を感染させる。レポートも示されている60.9
%が高血圧だった
。これらの発見は高血圧の分野で大きな注目を集めている。

ACE2とは何か

ウイルス感染後の肺損傷との関係は何か。ウイルス感染と高血圧治療どのど
のようなインスピレーションがあるのだろうか。現在の学問の違いは何かを
予備分析と解釈を行うことでより詳細な思考と研究を喚起したい。
現在、この研究には多くの制限があるが、動物実験は依然として主力であり、
少人数の研究もある。ACE2の発見は、ウイルスSタンパク質とヒトACE2 の特
異的結合、Sタンパク質と可溶性ACE2 フラグメントに対する抗体など、2つ
の結合の選択的破壊を含む、新しいコロナウイルス感染の治療の多くの標的
を提供。ACE2欠乏によって引き起こされる急性肺損傷は、ACE2を外因的に補
充するか、AngⅡの濃度を下げ、AT1受容体を阻害することで軽減できる。動
物研究により、ヒト組換えACE2(rhuACE2)タンパク質を酸損傷ACE2ノックア
ウトマウスおよび野生マウスに注射した後、肺水腫などの急性肺損傷の症状
が改善されたことが確認されている。北米でフェーズⅡ臨床試験が実施され
た。

図1:RAASシステムの概要とACEおよびACE2の役割 
※レニン-アンジオテンシン‐アルドステロン系(Renin-Angiotensin-Ald-
osterone System;RAAS)

肺組織のAT1a受容体を活性化し、気管支平滑筋の収縮を誘発し、肺血管透過
性を高め、促進する肺線維芽細胞に増殖し、肺胞上皮細胞のアポトーシスを
誘発し、急性肺損傷を誘発する重要な役割を果たす。ACE2の主な生理学的役
割は、AngⅠ、AngⅡ、およびDes-Argブラジキニンを減らす。特定のMas受容
体を介して血管拡張、抗炎症、抗増殖効果を発揮するAng1-7の産生を促進。
生物学的、抗線維性および抗肺胞上皮細胞アポトーシスなど役割。ACE2の組
織分布は臓器特異的であり、主に腎臓、心血管、消化管で発現。正常な肺組
織では、ACE2 はI型とⅡ型の両方の肺胞上皮細胞に存在する。通常の状況下
では、肺におけるACE2とACE のバランスが確認されており、病変の形成は重
要であるが、動物の肺における AngⅡ受容体の発現は身体には違いがあり、
この理論を確認するには人体に関するさらなる研究が必要である。
 
新型コロナウイルスにより引き起こされる肺の損傷との関係はどのようなも
のか。最近の研究でさらに確認された2019-nCoVは、Sタンパク質をACE2に結
合することにより肺細胞に侵入し、
免疫系を活性化し、サイトカインや炎症
因子を介して肺の損傷を引き起こす。コロナウイルスの病理学的経路で、そ
のACE2肺損傷を基底で引き起こすが、どのような役割を果たすのか。SARSの
研究は、コロナウイルスが人体に入った後、私たちにインスピレーションを
与えるアイデアを提供。ACE2レベルをダウンレギュレートし、肺のACE2レベ
ルを低下させるがACEは影響を受けない。
そして、ACEの不均衡、AngⅡレベル
の上昇、肺のAT1a受容体の過剰な活性化、肺毛細血管血の結果管透過性の増
加、続いて肺水腫、乾いた咳、炎症反応および細胞の増加アポトーシスは肺
の損傷を加速する。同時に、ACE2レベルの低下は、Des-Argブラジキニン-BK
1受容体経路の活性化につながり、さらに悪化。
肺の炎症と損傷を拡大する症
状。ウイルス感染のプロセスから肺損傷まで、ACE2は人間のコロナウイルス
感染の必要なターゲットである。同時に、感染後、ACE2レベル落下または損
失は、NCP集団の肺損傷および肺不全を引き起こす主要な病理学的要因の1
つでもある。NCPとSARSはまだ異なる。一部の専門家は、SARSの発症により、
重度の肺損傷が現れると指摘している。NCPの初期のパフォーマンスは深刻
ではないが、一部の患者では多臓器が急激に悪化させる。公式の疾病は、メ
カニズムにおける一種の「サイトカイン(炎症)の嵐」であり、新しい治療
法とメカニズムの研究も提案。どの炎症因子がこのプロセスに関与している
のか、どの介入が効果的にブロックできるかである。
図2:コロナウイルス誘発肺損傷時のACEおよびACE2の調節

アンジオテンシン変換酵素2(ACE2):アンジオテンシンⅠからノナペプ
チドアンジオテンシン[1-9] への変換、またはアンジオテンシンⅡからアン
ジオテンシン1-7への変換を触媒するエキソペプチダーゼである ACE2 は、
高血圧の治療に使用されるACE阻害薬に敏感ではない。ACE2受容体は、SAR
Sウイルスを含むいくつかのコロナウイルスのヒト細胞 への侵入点であるこ
とが示されている。いくつかの研究により、侵入点は SARS-CoV-2と同じで
あることが確認されている。
確認された急性呼吸dis迫症候群(ARDS)の患者10人がヒト組換えACE2注射
で治療された後、AngⅡのレベルが急速に低下し、Ang1-7のレベルも上昇す
ることがわかった。ACE2を補うと、肺のACE2 / ACE バランスが再形成され、
急性肺損傷の治療で安全性と実行可能性が高くなる。他の研究は、リポ多糖
(LSP)誘発急性肺損傷マウスへのエナラプリルの投与が、AngⅡレベルを急
速に低下させ、カプトプリルはLSP誘発急性肺損傷マウスにより誘発される
IFN-γおよびPGE2、TGF-β1レベル、IL-4レベル の増加、身体の免疫系応答
の調節、軽い肺の炎症と肺損傷の減少も低下させる。細菌感染による肺損傷
のマウスでは、AT1受容体拮抗薬であるロサルタンは、おそらくRAAS活性と
好中球の活性化を阻害することにより、ARDS の進行を遅らせることができ
ます。盲腸結紮および穿刺によって確立された急性肺損傷マウスの場合、直
接レニン阻害剤アリスキレンは Ang Ⅱレベルを低下させることができ、TNF
-α、IL-1β、IL-6 および他の炎症性因子も低下させることができ、RAAS
システムの調節に役割を果たす肺組織の有効性を保護する。RAAS-KKS シス
テムの重要な部分として、BK1およびBK2受容体は肺損傷の治療においても研
究されており、LPS により誘発される急性肺損傷の場合、BK1受容体拮抗薬
は気道過敏症を軽減でき。また、TNF-α、IL-1β、IL-6、および他の炎症誘
発性因子を減らすことができる。Bca2受容体拮抗薬であるイカビタンは、海
外で販売されており、適応症は遺伝性または後天性血管浮腫の治療である。
ERK経路は最終的に、気道上皮におけるCOX-2産生を減少させ、これは肺の炎
症を減少させるのに役立つ。
ウイルス感染患者も肺線維症を防ぐために注意を払う必要がある。以前に公
開されたSARS患者の剖検結果では、コロナウイルス感染後の肺組織の主な病
理学的変化は、肺胞スペースを伴うびまん性肺胞損傷、透明な膜形成、滲出
性炎症であることがわかった。線維性過形成や初期肺胞線維症などの組織化
肺炎の変化、および強力な線維化因子 TGF-β1は、正常な肺組織よりも有意
に高くなっている。以前の動物研究では、直接的なレニン阻害剤アリスキレ
が肺TGF-β1
レベルを低下させ、肺線維症プロセスを遅らせることが確認さ
れている。現在の状況に基づいて、高血圧を伴うNCPの治療で一般的に使用さ
れる降圧薬に関するデータはまだ不足し
ており今後さらに研究が必要である。

エナラプリル:高血圧やうっ血性心不全の治療に用いられるアンジオテン
シン変換酵素阻害薬の一つ。商品名レニベース。ACEはペプチドホルモンであ
るアンジオテンシンIをアンジオテンシンⅡに変換する酵素である。アンジオ
テンシンⅡの作用の一つは血管の収縮であり、その結果血圧を上昇させる。
--------------------------------------------------------------------
【参考記事及び論文】

※新型コロナウイルス受容体 ACE2 と同じ機能を持つ微生物酵素B38-CAP
秋田大学
2020/02/26
ヒトACE2は、SARSや新型コロナウイルス感染の受容体だが、2000年の発見
当初は血圧上昇物質アンジオテンシンⅡを分解することにより血圧を降下
させる酵素として見出された(図2,3)。 秋田大学の久場敬司教授と医薬
基盤研究所の今井由美子プロジェクトリーダは、2002 年よりヒトACE2 の
研究に取り組み、ACE2 の酵素活性が心不全や高血圧の症状改善などに 加
えて、SARSや敗血症による重症肺炎(急性呼吸窮迫症候群)の呼吸不全を
改善することを解明。一方で、ヒトを含む哺乳類のACE2 は糖鎖構造を持つ
ことから、組換え型のヒトACE2酵素を治療薬として大量に取得することが
困難で医薬開発での障害となっていた。一方、2006年に秋田県総合食品研
究センタの高橋砂織らが白神山地土壌から分離したD-アスパラギン酸特異
的エンドペプチダーゼ生産菌(Paenibacillus sp. B38)は、国際農研で
の全ゲノム解析から多くの有用酵素遺伝子を持つことが示唆されている。
【要点】
①微生物 の新規酵素「B38-CAP」がヒトACE2と同じ薬理活性を持つことを
発見
②マウスへのB38-CAP投与によって心不全や高血圧に対する治療効果を解明
③ACE2は SARSウイルスの受容体で、SARS重症化を阻止することを既に報告
④B38-CAPの心不全 ならびに新型 コロナウイルス の重症 肺炎の治療薬開
発への応用に期待



新型コロナウイルス感染を15分で判定検査キット

「クラボウ」は、新型コロナウイルスに感染しているかどうか血液を採取
して15分で判定できる検査キットを輸入し、今月から研究機関などに販売
すると発表。検査時間の大幅な短縮につながるか、注目を集めそうだ。繊
維メーカー、クラボウが新たに販売するのは、ウイルスに感染したときに
血液中にできる抗体を検出する「イムノクロマト法」という手法の検査キ
ット。提携している中国の企業が開発、キットのくぼみに少量の血液と専
用の薬をたらすと、15分で感染しているかどうか判定できる。国内で感染
者の確認に使われている「PCR法」は、ウイルスの遺伝子を増幅して検
出するが、6時間程度かかるとされている。それに比べ、検査時間が大幅
に短縮でき、特殊な装置がいらない。中国では、およそ95%の精度で判定
できたと。中国からの輸入ルートを確保したことで、1日当たり最大で1
万人分の検査キットを供給できるとしていて、研究機関や検査会社などを
対象に、今月16日から販売することにしている。



新型肺炎で重篤な患者 「人工心肺装置」使い過半数が回復
3月13日、新型コロナウイルスによる肺炎が悪化するなどして重篤な症状
となった患者のうち、少なくとも23人が「ECMO」と呼ばれる人工心肺
装置を使った高度な治療を受け、過半数となる12人がすでに回復に向かっ
ていることが、専門の学会の調査で分かった(新型肺炎で重篤な患者 「
人工心肺装置」使い過半数が回復へ、 NHKニュース、2020.03.13)。WH
Oによると、新型コロナウイルスに感染すると、およそ80%の人は軽症で
すむ一方、6%程度の人は重篤な症状になるという。特に肺炎が悪化し、
肺が機能しなくなった患者は「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置を使い
て血液中に直接、酸素を送り込み、肺の機能を一時的に代行しながら、患
者自身の免疫によってウイルスが排除されるのを待つ必要がある。日本集
中治療医学会や日本救急医学会などが、全国およそ300の医療機関を対象
に調査したところ、今月11日の時点で、少なくとも23人が、この治療を受
けている。このうち過半数となる12人は、すでにこの治療を終え回復に向
かっていて、亡くなった患者はいないという。ECMOを使った治療には
専門的な医療技術が必要だということで、学会によると、国内では、新型
コロナウイルスの患者、およそ300人をこの装置で治療できる体制になって
いる。学会でECMOの治療をまとめている竹田晋浩医師は「重篤化して
も、ECMOで救えるケースが一定の割合で確実にあることがわかってき
た。今後、学会としても、全国の治療の精度を上げられるよう、さらに努
力したいと話している。



ECMOの分類
「人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療」をECMOと呼ぶ。人工
呼吸器や昇圧薬など、通常の治療では救命困難な重症呼吸不全や循環不全
のうち、可逆性の病態に適応される。
ECMOは呼吸と循環に対する究極の対
症療法であり、根治療法ではない。通常の治療では直ちに絶命してしまう、
または臓器が回復不能な傷害を残すような超重症呼吸・循環不全患者に対
し、治癒・回復するまでの間、呼吸と循環の機能を代替する治療法。
ECMO
はextracorporeal membrane oxygenation「体外式膜型人工肺」という機器
の略語ですが、欧米人にとってECMO(エクモ)は発音しやすく、広く使用
されている。導入目的や送血方法により分類され、日本ではPCPS(Percu-
taneous cardio pulmonary support:経皮的心肺補助)という用語が用い
られるが、PCPSはVA ECMOとほぼ同義。日本で「ECMO」という時は、呼吸不
全に対するVV ECMOを指す。>実際は、呼吸不全に対するVV ECMO中に循環不
全を合併してVA ECMOに移行したり、逆にはじめ循環不全に対しVA ECMO を
導入し、循環改善後に残った呼吸不全に対してVV ECMOに移行するがある。
また、静脈と動脈に送血を行うVVA ECMOを行うこともある。「肺」は非常に
過酷な臓器である。障害を受け機能が落ちた場合、酸素投与からはじまり、
非侵襲的陽圧換気(NPPV)、陽圧人工呼吸器管理と、さらに肺をムチ打って
酷使する治療法が従来行われた。ECMOの導入は、肺が本来行うべき酸素
化と
二酸化炭素除去
を代替し、肺を全く使用しなくてもよい状況 (Lung Rest)
を作り出す。陽圧人工呼吸や高濃度酸素による肺障害を回避しつつ、重症呼
吸不全において治療の時間を確保することができる。



【関連最新特許事例:特開2019-13769 体外循環装置 】 
従来から例えば、手術中等には、経皮的心肺補助法(PCPS)用いられ
ている。この経皮的心肺補助法は、一般的に遠心ポンプと膜型人工肺
を用いた閉鎖回路の人工心肺装置(体外循環装置)により、大腿動静
脈経由で心肺補助を行うものである。このため手術中等において患者
に対する血液の供給が必要なとき、患者の血液を体外で循環させるた
め人工心肺等を有する体外循環装置が用いられている。このような体
外循環装置を使用する際は、患者の大腿静脈より挿入される静脈側カ
テーテルと、大腿動脈より挿入される動脈側カテーテルとを用いる。
静脈側カテーテルは通常血流と同じ向きに挿入され、先端は右心房入
口付近に配置されることが多く、動脈側カテーテルは通常血流と逆行
する向きに挿入されることが多い。またこれら静脈側カテーテル及び
動脈側カテーテルを体内に挿入する際は、それぞれ、患者の大腿等に
穿刺するための脱血用留置針及び送血用留置針を用いる。すなわち、
脱血用留置針は、大腿静脈に留置するが、その際、血流方向に沿って
穿刺する必要がある。一方、送血用留置針は、大腿動脈に留置するが、
その際、血流方向の逆方向に沿って穿刺する必要がある。しかしなが
ら、例えば、心肺停止した患者等に対して迅速に脱血用留置針及び送
血用留置針を留置するときは、これらを取り違える虞れがあった。か
かる脱血用留置針及び送血用留置針の取り違えや穿刺方向の間違いを
未然に防止可能な体外循環装置を提供することを目的とする。 
上記目的は、超音波によって穿刺方向が検知可能な標識部を有する留
置針と共に使用する体外循環装置であって、前記体外循環装置を管理
する体外循環管理装置を備え、前記体外循環管理装置には、対象者の
血流を測定する超音波測定装置が接続され、この超音波測定装置は、
対象者の血流に複数の超音波を発射して、受信し、これらの反射音波
の差異情報から、血流の方向情報と前記留置針の穿刺方向情報を生成
し、前記血流の方向情報と前記穿刺方向情報を,前記体外循環管理装
置の表示部に表示することを特徴とする体外循環装置により達成され
る。

【符号の説明】1・・・体外循環装置、2・・・人工肺、3・・・
遠心ポンプ、4・・・ドライブモータ、5・・・静脈側カテーテル
(脱血側カテーテル)、6・・・動脈側カテーテル(送血側カテー
テル)、7・・・クランプ、10・・・コントローラ、11・・・
脱血チューブ、12・・・送血チューブ、14・・・流量センサ

【ポストエネルギー革命序論153】

 

ビックデータ収集に向けたIoTネットワークの加速普及
手のひらサイズの小型原子時計
膨大なデータの中から新たな知見を見出すビックデータの収集・分析
・活用への取り組みが本格化しつつある。これまでは顧客の購入・検
索履歴といったヒトから得られる情報の活用が主であった。最近は、
省電力広域ネットワークなど低消費電力の通信技術の発展によりヒト
以外のさまざまなモノから情報が発信される本格的なIoT時代へと向
かっており、そこから得られるであろう新たな知見に期待がかかって
いる。しかし、情報に付随する時刻情報が不正確だとデータ分析での
ノイズとなるため、正確な時刻情報の重要性が増している。これまで
時刻情報は全地球航法衛星システムに頼ってきたが、電波妨害やな
りすましによる時刻情報の改ざんがもたらす脆弱
が指摘されている。
IoT端末に小型で安定した原子時計を搭載できるようになれば、IoT端
末が利用する時刻の正確さを自律的に診断・補正可能となるため、全
地球航法衛星システムで問題となっている安全性を確保することがで
きる。

モジュール実装された小型原子時計(左)と量子部内に配置されたVC
SELとCsガスセル(右)

3月13日、産総研、株式会社リコーなどの研究グループは、小型原
子時計では原子の固有周波数の情報を得るのに、コヒーレントポピュ
レーショントラッピング(CPT:Coherent Population Trapping)共鳴
という光と原子の相互作用に由来する共鳴現象を利用するのが主流と
なっている。しかし、長期的な時間・周波数の安定性はライトシフト
の揺らぎによる周波数変動によって制限されていた。今回、セシウム
(Cs)小型原子時計の重要部品である面発光レーザー(VCSEL:Vertical
Cavity Surface Emitting Laser
)の経年変化に着目し、ライトシフ
が揺らぐメカニズムを解明、揺らぎを抑制する技術を開発して、非
常に安定した小型原子時計を実現した。高安定な原子時計は、IoTネッ
トワークを通じたシームレスなデータ収集への貢献が期待されている。


図1 ライトシフト揺らぎ抑制技術概要
【要点】
①ライトシフトの揺らぎを制御することで非常に安定した小型原子時
計を実現
②新しい理論を構築してセシウム(Cs)原子の固有周波数が変動しない
駆動条件を導出
③途切れの無いIoTネットワークを介したデータ収集への貢献

一般的に、小型原子時計を駆動するには量子干渉効果の一種であるCP
T共鳴を利用する。半導体レーザーであるVCSELに周波数変調を加え、
出力される2周波数のレーザー光とCs原子の相互作用によりCPT共鳴が
生成する。その過程で、ライトシフトも共に発生してしまい、Cs原子
固有周波数の変動要因となり、小型原子時計の長期的な安定性を阻害
してきた。

今回、VCSEL発振波長の経年変化がライトシフトの揺らぎに関与して
いることを定量的に解明した。しかし、ライトシフトの揺らぎを直
接抑制することは消費電力の増加につながる。そこで、半導体レー
ザーの基礎方程式に基づき、VCSEL発振波長が経年変化してもCs原子
の固有周波数が変動しない駆動方法としてゼロクロス法を考案し、
小型原子時計に適用した(上図1)。


図2 従来品と、ゼロクロス法を適用した本開発品の性能比較

ジスイズアペンな360度全天球カメラ

THETAの流れをくむ。新たなメーカーから、新たな全天球(360度)
カメラが登場。ベクノスが開発を発表したコイツ(名前はまだない
)は、太いペンにも細いマイクにも見えるスタイルながら、サイド
に3つ、トップに1つのレンズを搭載した新スタイルの全天球カメ
ラ。いままでの全天球カメラは、前後に1つずつのレンズを用いた
タイプが主流でしたが、コイツはまったく新たな光学系を用いたも
のとなる。


ベクノスは、リコー・THETAの開発コアメンバーが中心となって発
足したリコーの関連会社となるハードウェアスタートアップカンパ
ニー 。リコーの子会社でありながら、THETAコアメンバーはベクノ
スとして独立。リコーという大企業がもつリソースのポテンシャル
を解き放つために設立された日本の企業。デモ動画を見る限り、ス
ティッチングラインがまったく目立たずに素晴らしい! パープル
フリンジもありません。ただ写真だけをアピールしているのが気
になる
。もともとTHETAは360度全天球写真のクオリティに秀でたシ
リーズでしたが、もしかしたら動画は二の次とするのかもしれない。
ベクノスの全天球カメラは2020年中に発売予定。



ナノ材料の細胞内輸送を効率化するらせん渦
細胞を取り囲む細胞膜は選択的障壁として働き、細胞の内容物を包
み囲むことで外部環境から保護し、細胞に出入りできる物質を選択
する役割を担っているが、細胞膜のこの特性が、DNA、タンパク質、
薬物などのナノ材料を細胞内に効率よく輸送する技術の開発を阻む。
3月11日、この度、高麗大学校と沖縄科学技術大学院大学(OIST)
の研究者らが共同で、細胞膜を変形させる微小ならせん渦を利用し
た、迅速かつ効率的な材料の輸送法を開発。本研究結果はACS Nano
誌に掲載された。従来の細胞内輸送法には、スケーラビリティ、コ
スト、低効率および細胞毒性などの多くの課題があり、これらの課
題解決する新手法として、マイクロ流体力学で扱う,微小な空間で
の水の流れのふるまいを利用する。新たに開発されたマイクロ流体
チップは「スパイラル・ハイドロポレーター」 。このチップ内では、
毎分約100万個の細胞にナノ材料を96%の効率で輸送することが可能
です。さらに、全工程を通じて細胞に不可逆的損傷を与えることが
なく、最大94%の細胞が生き延びる。新たに開発したチップは手頃な
価格で使用方法も簡単です。細胞とナノ材料を含む液体を両端に注
入すると、ナノ材料を含んだ細胞が2か所の端からそれぞれ出てく
る。プロセス全体にかかる時間はわずか1分。


図1 チップデバイスは、十字交差(青い点線内)とそれに続くT字
分岐(紫の点線内)を形成するように作られたマイクロ流路で構成
される。矢印は、細胞を含む液体が流れる方向を示す(参照ビデオ:
上図クリック)

2つの対向する低流速(左)で流れる水が十字交差部で合流すると、
流れは対称的に分かれて流れ続け、その結果,細胞は中心で引き延
ばされる。中流速(右)に上げると、小さな流動不安定性の増大に
よりらせん渦が形成され、十字交差部の中央で細胞を変形させる。

流れに乗って
このデバイスは、マイクロ流体チップ内の流路の中央に十字交差部
上下に1つずつT字分岐部を持つように設計。高麗大学校の研究者た
ちが、流路の形状や流速の違いが細胞にどのような影響を与えるか
を調べ始めたとき、中程度の速さで流れる二つの液体が互いに反対
方向から流れてきて衝突する十字交差内の特異なシナリオが目を引
く。そこで、液体の1つを蛍光色素で着色したところ、
らせん形の渦が形成されていることを発見。マイクロ・バイオ・ナ
ノ流体ユニットが、この問題にすでに取り組んでいた。この2つの
研究グループはチームを組みました。OISTの研究グループは学内の
スーパーコンピュータを使用して、異なる流速で十字交差部で衝突
する流体の流れがどのように相互作用するかをシミュレーション。
研究論文の通り、低流速では衝突する2つの液体の流れが対称的に
分かれ、十字交差部から流れ出ることがわかったが、流速を増加さ
せると不安定性が生じ、複数の渦が形成されて、最終的に1つの大
きならせん渦になることがわかった。開発したシミュレーションは、
観測した異常現象を説明し、流速などの特定のパラメータがどのよ
うに渦形成に影響するかを正確に示す。らせん渦の形成が、ナノ材
料の細胞内への迅速かつ効果的な輸送の鍵となる。各細胞が十字交
差部の中心を通過するとき、らせん渦の力が細胞を変形させ、膜に
複数の微細なナノホールが生じる。流体中のナノ材料は、これらの
ナノホールから細胞内に入ることが可能になる。その後、細胞は十
字交差部から押し流され、T字分岐部の壁に衝突し、細胞膜のさら
なる変形を引き起こすことで輸送の効率を高める。変形後、膜のナ
ノホールは再び閉じられ、細胞膜は修復される。細胞生物学研究を
促進高麗大学校の研究チームはスパイラル・ハイドロポレーション
を用いて、RNAや金ナノ粒子などの特定のナノ材料を細胞内に輸送す
ることに成功。などのタンパク質をより効率的かつ低コストで数多
くの細胞に輸送することは、遺伝子治療、がん免疫療法、幹細胞な
どの研究に役立つ可能性がある。金ナノ粒子は、薬物輸送、細胞内
の分子や細胞小器官のイメージング、病気の診断にも活用できる。
スパイラル・ハイドロポレーションの応用は多岐にわたるため、高
い関心を集めている。研究者たちは、より効率的でシンプル、迅速
かつ低コストの細胞内輸送手段を必要とする。このチップはそれを
可能にする技術である。


図1. 二酸化炭素からD-乳酸への変換経路 

ラン藻由来高濃度D-乳酸生産技術
3月10日、神戸大学先端バイオ工学研究センタらの研究グループ
は、動的メタボローム解析(注1)によりラン藻(シネコシスティス
PCC 6803)のD-乳酸を生産するメカニズムを解析し、酵素マリック
エンザイムが増産に寄与することを明らかにしました。さらに、遺
伝子工学でD-乳酸生合成経路を強化することに二酸化炭素と光から
D-乳酸の直接生産に世界最高値(26.6 g/L)で成功したことを公表。
【要点】
①高い純度で効率よくD-乳酸を生産できる微生物の報告例は少なく
加えて現在は従属栄養微生物によりトウモロコシやサトウキビなど
可食バイオマスを原料として生産されているため、環境・資源への
負荷が高い
②酵素マリックエンザイムの働きにより細胞内リンゴ酸の量を減少
させることが、ラン藻の糖代謝を活性化することを見出した
③遺伝子工学で特定機能を強化し、光合成で増殖したラン藻を暗黒
で酸素がない環境で培養することで、高濃度D-乳酸を生産すること
に成功

D-乳酸は、生分解性プラスチックであるステレオコンプレックス型
ポリ乳酸(注4)の原料として大きな市場を形成。一方、D-乳酸を微生
物でバイオ生産するためには高い純度と生産性が重要。大腸菌など
の従属栄養微生物を物質生産に用いる手法が知られていますが、ト
ウモロコシやサトウキビなどの糖(グルコース)を原料として発酵
により生産するため、陸上植物の栽培を必要とし、耕作地と淡水資
源の問題、過剰伐採などによる生態系の破壊などの社会的問題があ
るほか、食糧との競合問題があります。一方、ラン藻は光合成によ
り固定したCO2を有用物質に変換することができるため、D-乳酸に限
らず様々な有用物質の生産微生物として理想的と言えます。さらに
ラン藻は、植物と比較して光合成能が極めて高いため、強光下でも
培養が可能です。また培養に陸地が必要なく、海水の利用可能な種
が多く存在します。以上より、ラン藻は、太陽光、CO2、海水のみの
供給で有用物質生産ができる究極の物質生産微生物として期待され
ている。

図2. 遺伝子改変型ラン藻のD-乳酸生産量

D-乳酸増産メカニズムを詳細に調べるために、マリックエンザイム
の働きを無くした細胞と、マリックエンザイムを細胞内に過剰に生
み出し、その機能を強化した細胞を作成。この二つの細胞で代謝が
どのように変化しているのかを動的メタボロームで解析したところ、
細胞内のリンゴ酸量が低い場合、グリコーゲンからピルビン酸が多
く生産されることがわかった(上図1)。

マリックエンザイムを過剰に有する細胞をもとに、遺伝子工学によ
りピルビン酸からD-乳酸を生成するD-乳酸脱水素酵素を過剰に細胞
内に作らせることで、その機能を強化した。また、副生成物である
酢酸の生産を抑えるために、酵素酢酸キナーゼをもたない細胞を遺
伝子工学により作出した。作出した組換えシネコシスティス PCC
6803株を、暗黒かつ酸素がない条件下(発酵条件)で培養。さらに
発酵条件下での細胞密度の最適化を施すことで、本研究グループに
よる先行研究の世界最高値(10.7 g/L)を大幅に上回るD-乳酸生産
量(26.6 g/L)およびD-乳酸生産性(0.185 g/L/h)を実現した(図
2)。高いD-乳酸の生産性は、D-乳酸の製造プロセスの低コスト化
に寄与すると思われる。



『オーシャンズ』シリーズや『トラフィック』のスティーヴン・ソ
ダーバーグ監督が、地球全体を恐怖に陥れるウィルスの恐怖を豪華
俳優陣で描くサスペンス大作。接触によって感染する強力な新種の
ウイルスが世界各地に拡大していく中で、社会が混乱し人々が異常
なパニック状態に陥っていく様子を映し出す。キャストには、マリ
オン・コティヤールやマット・デイモン、ケイト・ウィンスレット
など実力派スターが集結。ソダーバーグ監督だけに、一筋縄ではい
かないパニック・ムービーに仕上がっている。配給: ワーナー・ブ
ラザース映画 オフィシャルサイトhttp://www.contagion.jp

●今夜の寸評:子どもたちの休校自宅回避策がイタリアの医療崩壊
をめにして、重篤化しないから登校策に切り替えようとコメンテイ
タたちが言い出した。しかし、子どもの感染力は老人と比べどうな
んだろう。"ス-パー・スプレッダー・ハレーション"を招来させえな
いのだろうか。と心配する。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナウイルス抗体検出(Ⅱ)

2020年03月11日 | ネオコンバーテック



                    

                                                                        

12 顔 淵 がんえん 
---------------------------------------------------------------------
「内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
---------------------------------------------------------------------
3 司馬牛が、仁者とはどのような人物かとたずねた。
 孔子が言った。
「仁者は口が重い」
「口が重い? それだけで仁者といえるのでしょうか」
「仁の実践に真剣に取り組んでいる者なら、その難しさを知らぬはずがない。
おのずと口も重くなろうというものだ」
〈司馬牛〉 孔子の門人。

司馬牛問仁、子曰、仁者其言也訒、曰、其言也訒、斯可謂之仁已乎、子曰、
爲之難、言之得無訒乎。

Si Ma Niu asked about benevolence. Confucius replied, "A benevolent
person must speak modestly." Si Ma Niu asked, "If he speaks modestly,
is the person called benevolent?" Confucius replied, "It is difficult
to put benevolence into practice. So his words become modest sponta-
neously."

   

【ポストエネルギー革命序論151】


doi: 10.3389/fcell.2020.00026

抗MERS-CoV抗体検出のための迅速な多重マイクロファイバーベースの
イムノアッセイ(Rapid multiplex microfiber-based immunoassay for
anti-MERS-CoV antibody detection)(Ⅱ)
3.結果
3.2  マルチプレックス高速MERSイムノアッセイ
デバイスベースの環境内で設計された高速イムノアッセイプロトコル
と一緒に製造されたESPSプラットフォームを高速MERSイムノアッセイ、
HSA(コントロール)およびMERS-CoVに対する抗体に適用できるかどう
かについて、臨床応用のための概念実証研究を提供するターゲット)
は、このプラットフォームを使用して試験された。序論で述べたよう
に、所望の検体、この場合は免疫系を検査する抗体の迅速な検出を達
成により、予防的診断に向けて進歩的な一歩を踏みだす。

最初に、ESPSプラットフォームへの抗原固定化のプロトコルの最適化
を実行。ここでは、HSAとMERSの両方の抗原を個別試験を実施する。H
SA吸着の最適化は、表面に固定化されたHSAの量の増加が検出強度のプ
ラトー効果を持つ約200 µg/mLまで急速に増加する傾向を示す(図5)。
一方、MERS吸着試験では、100µg/mL未満の濃度では検出制限されたた
め、この値を超える濃度が後続の研究に採用。


図5.(a)HSAおよび(b)高速イムノアッセイプロトコルを使用した
MERSの表面に対するさまざまな固定化抗原濃度。
(n =3。エラーバー
は標準エラー)。最後に、200μg/ mLのHSAおよびMERS抗原を使用した
多重高速イムノアッセイを実施(図6)。
それぞれが9 O2プラズマで
処理された3つの異なるESPSプラットフォームをすべて同じ条件下で
処理し、抗体溶液は(1)FITC結合抗HSA抗体のみ、(2)FITC結合のみ

抗MERS抗体、または(3)FITCコンジュゲート抗HSA抗体とFITCコンジ
ュゲート抗MERS抗体の両方の混合物。
FITC結合抗MERS抗体および抗HSA
抗体溶液で試験したESPSプラットフォームで、MERSおよびHSA抗体のそ
れぞれを選択的に検出できることが観察。
さらに、FITC標識抗MERS抗
体と抗HSA抗体の混合溶液を追加すると、両方の抗体を多重セットアッ
プで同時に検出できた。
混合試験では、おそらく混雑が原因で、個々
の試験と比較して、両方の抗体のシグナルがわずかに減少したことも
注目される。


図6.(a)マルチプレックスMERSイムノアッセイの定量化、(b)抗原
固定化セットアップの概略、(c)FITC結合抗MERSのみの溶液、(d)
FITC結合抗HSAのみの溶液、および(
e)反HSAおよび反MERSの両方。
(n =3。エラーバーは標準エラー)。
4.考察
このマルチプレックスマイクロファイバーベースのイムノアッセイプ
ラットフォームは、パターン化されたO2プラズマ処理やいくつかの議
論を正当化する効率的なブロッキングなど、いくつかの重要な要素に
依存。第一に、固定化抗体/抗原などのタンパク質が親水性スポットの
みに優先的に吸着する方法の背後にある理論的根拠は非常に重要。一
般的に、平面上のタンパク質吸着は、疎水性と表面電位の影響を受け
る。 EPSP繊維マットの場合、疎水性の性質は、未処理のPSと空気であ
る2種類の疎水性材料で構成されるCassie-Baxterレジームから発生。
O2プラズマ処理により、PSの表面特性が変更され、PSが親水性になる。
平らなPSプレートの場合、O2プラズマで5分間処理した後、水の表面
湿潤性は77.7°±3.0°–25.2°±3.9°から変化。興味深いことに、
フラットプレートとはまったく対照的に、O2プラズマ処理されたPSマ
イクロファイバーは、図2に示すように、同じプラズマ処理後に高い
レベルの親水性(4.5°±±4.1°)をもたらした。 O2プラズマ処理後
のマイクロファイバーマットは、粗面の見かけ上の水接触角の減少を
説明するウェンゼル政権によって説明できる。確かに、ESPSマイクロ
ファイバーマットでのパターン化されたO2プラズマ処理は、親水性表
面のみがプラズマ処理されたスポットを通る溶液の流れを促進する、
これらの2つの異なるレジームを持つ別々の領域をもたらした。言い
換えれば、PSのO2プラズマ処理は、マイクロファイバー内のエアポケ
ットを防ぐのに適していたため、タンパク質溶液が濡れて繊維表面に
接触する可能性がある。それどころか、ESPSの非露出の疎水性表面は
濡れを許容せず、タンパク質溶液はこれらの領域の繊維表面に接触で
きなかった。したがって、タンパク質吸着の総量は材料の真の接触角
によって調節されるが、ESPSマイクロファイバーの多孔質構造から生
じる見かけの接触角もタンパク質吸着を決定する重要なパラメータと
なる。
次に、ブロッキング剤としてのスキムミルクの簡単な議論が重要。多
くの場合、イムノアッセイは、一般的にタンパク質のブロッキング剤
を使用して行われます。ブロッキング剤は、表面へのタンパク質の吸
着を妨げることなく、表面によく付着する。一般的な選択肢の中には、
スキムミルク、BSAまたはBlockingONEなどのBSAベースの製品がある。
図5に示すように、スキムミルクは、O2プラズマ処理サンプルの場合、
ブロッキングに最適な結果が得られました。スキムミルク内に存在す
るさまざまなタンパク質の混合物は、繊維に浸透して、表面を最も効
果的にブロックすることが有益でありえる。乳の中のカゼインは、そ
の小さなタンパク質サイズのために効果的なブロッキング剤であるこ
とがわかっている。スキムミルク内の他のタンパク質とともに、タン
パク質の密集した表面は、表面への非特異的吸着を効果的に防ぐこと
ができる。対照的に、BSAは比較的大きな分子量成分を有しており、
スキムミルクの場合と比較して、表面へのブロッキングのランダムな
密充填を困難にする可能性がある。別の興味深い点は、スキムミルク
は親水性と疎水性の両方の部分を有する両親媒性と考えられる。O2処
理が表面に導入されると、親水性の性質により、ミルクが表面に効
果的に結合できた可能性がある。
最後に、この研究で使用されているマルチプレックスマイクロファイ
バープラットフォームと他の従来のアッセイおよびデバイスとの比較
が重要です。この研究に匹敵する研究が佐藤らによって行われた。
IgA抗体濃度を測定に統合されたポリスチレンビーズと一緒にマイク
ロ流体チップを使用して、コンビナトリアルアッセイが行われた。
この研究でマイクロファイバーを使用して表面と体積の比率を高める
方法と同様に、マイクロビーズを充填率60%(ビーズ直径46μm)の
マイクロ流体デバイスに詰めた。彼らは10μg/ mL以下の高レベルの
感度を達成できましたが、抗原固定化とコロイド金標識IgA抗体の捕
捉の
簡単なステップバイステップのイムノアッセイ手順は、この場合数分
に比べて約1時間かけた調査となる。したがって、感度と速度は多く
の場合、これらのイムノアッセイの微調整であり、これらのアッセイ
の用途に基づいて優先順位を選択する必要がある。この研究の多重マ
イクロファイバープラットフォームは、抗体レベルのPOCモニタリン
グのための抗体検出を目的とする。MERS-CoVに感染した患者の抗体価
は、感染後の時間に応じて1:80から1:800の範囲であり、中和抗体
価は1:800以上であることが最近報告されている。 ELISAは抗体力価
の測定によく使用され、そのLODは約1 µg / mLであることを考慮する
と、MERS-CoVの中和に必要な抗体濃度は800µg/mLを超えることが推奨
される。したがって、マルチプレックスマイクロファイバープラット
フォームによる抗MERS-CoV抗体の200μg/mLのLODは、他の確立された
プラットフォームほど低くはないが、MERS感染患者で必要な抗体産生
を検出には十分である。

5.結論
POCに適したハウジングを備えたマルチプレックスESPSファイバーシ
ステムは、MERS抗体を迅速に検出する手段として導入されました。
O2プラズマで処理した8層のESPSファイバーマットを利用することで、
高速FLISAの機能が発揮。開発されたマスクを使用したパターン化さ
れたO2プラズマ処理法は、100Wで3分で最適なタンパク質吸着結果を
示した。これにより、抗体の固定化、さらには迅速なFLISA試験が可
能な親水性表面が作成される。検出面に関しては、動作時間の1分以
内にこのプラットフォームで効果的な検出を実現できます。さらに、
デバイスの実際のセットアップと準備は、捕捉分子の固定化、ブロッ
キング、洗浄の各ステップを含む5分で完了する。結果はHSAとMERS
-CoVの両方の抗体を同時に検出することでデバイスの多重分析能力を
実証。このマイクロファイバーベースのマルチプレックスイムノ
アッ
セイプラットフォームは、適切な抗体の存在を正確かつ迅速に判定し、
適切なワクチン接種スキームを通じて一般的な医療を支援することに
より、予防診断を可能にする次世代 POCデバイスの足がかりとして機
能する。
                          
この項了



「高島ちぢみ」で布製マスク
植物由来の作用持続 メーカーと共同開発し完売、増産へ
新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが品薄になる中、滋賀県
高島市特産の綿織物「高島ちぢみ」を使った布製マスクがこのほ
ど開発された。特有の肌触りの良さを生かした付け心地と、繰り
返し使える耐久性が特徴といい、「高島ちぢみ」の良さを知って
いただき、感染防止のお役に立てればと担当責任者は話す。

高島晒(さらし)協業組合(同市新旭町旭)と衣料メーカー「オ
ールユアーズ」(東京都)が共同開発した。両者は2017年春
に高島ちぢみの生地を素材にしたTシャツを開発したほか、19
年秋には高島ちぢみの品質基準規定やロゴマーク作成を手掛けた。 
布製マスクは、生地に「しぼ」と呼ばれる凹凸があり、肌への接
触面積が少なく、さらっとした高島ちぢみの特性を生かそうと、
2月下旬に試作した。製造元によると、生地には植物由来の成分
による抗菌、消臭作用があり、くしゃみやせきで飛散するインフ
ルエンザウイルスを99%寄せ付けない特殊加工を施した。抗菌、
消臭作用は50回洗っても持続するという。
5月上旬までに24
00枚を生産する予定だが、3月上旬の発売(1枚2200円)
開始と同時に完売し、現在は予約を受け付けていない。増産の見
通しが立てば予約を再開する予定。同組合の杉岡定弘常務理事(
48)は「高島ちぢみの着心地の良さは、口の周りの快適さにも
通じる」と、一過性ではないニーズの広がりを期待する。昔は布
マスクが常識。挟み込むガーゼの開き目が再使用時には大きくな
るので交換しなければならないが、エコで、リユース可能で意匠
性も優れた「マイマスク」としてリバイバルできればファッショ
ナブルで面白いと思う(「高島ちぢみ」で布製マスク 植物由来
の作用持続 メーカーと共同開発し完売、増産へ、経済、地域の
ニュース、京都新聞。2020.3.10)。




高効率超薄型有機太陽電池寿命が従来の15倍
新しい発電層設計とポストアニール処理で熱安定化
3月10日、理化学研究所らの研究グループは、高いエネルギー変換
効率と長期保管安定性を両立する超薄型有機太陽電池]の開発に成功し
たことを公表。本研究成果は、ウェアラブルエレクトロニクスやソフ
トロボット[2]
用のセンサーやアクチュエータなどに安定的に電力を供
給できる、軽量で柔軟な電源として応用されると期待できる。今回、
発電層改良に高エネルギー交換効率と熱安定性を併せ持つバルクヘテ
ロ接合[3]
構造の素子を新たに作製。さらに、発電層と正孔輸送層の界
面における電荷輸送効率向上に、この素子に対してポストアニール処
[4]
(150℃)を施す。その結果、13%の高いエネルギー変換効率と、
大気中保管3,000時間で劣化5%以下という長期保管安定性を両立する、
超薄型有機太陽電池(厚さ3マイクロメートル)を実現。これは過去の
最高値と比較して、エネルギー変換効率は約1.2倍向上し、長期保管
安定性は15倍改善する。

【概説】
有機太陽電池は、従来のシリコン型太陽電池に比べ極めて薄い有機半
導体薄膜で形成されるため、柔軟性・軽量性に優れ、ウェアラブルセ
ンサーを長時間安定に駆動する電源としての応用が期待されている。
特に、基板を含めた全体の厚さを数マイクロメートル(μm、1μmは
100万分の1メートル)まで薄型化した超薄型有機太陽電池は、衣服や
皮膚に直接貼り付けても違和感がないことが特長。研究グループはこ
れまでに、耐水性、耐熱性を持ち、エネルギー変換効率(太陽光エネ
ルギーを電力に変換する効率)が10.5%に達する超薄型有機太陽
電池を実現し、それらを用いたセンサーとの集積化に関する報告を行
ってきたが、超薄型有機太陽電池は基板や封止膜に薄い高分子フィル
ムを使用しているため、十分なガスバリア性の確保が難しく、また安
定的に駆動するための発電層や電荷注入層の界面を制御する手法がな
かったため、エネルギー変換効率と長期保管安定性の両立は依然とし
て不十分だった。今回開発した超薄膜有機太陽電池は、基板から封止
膜までの全てを合わせた膜厚が3μmと極薄でエネルギー変換効率は
13%に達し、大気中で3,000時間保管した後も95%以上のエネル
ギー変換効率を保持できた(図1)。これまでの研究では、エネルギ
ー変換効率は10.5%、保持率95%を満たすのは約200時間でした。
これと比較すると、エネルギー変換効率は約1.2倍向上し、長期保
管安定性は15倍も改善できた。


図1 開発した超薄型有機太陽電池の長期保管安定性の改善----横軸
に大気中室温遮光条件での保管時間、縦軸にエネルギー変換効率の保
持率をプロットしている。本研究では、3,000時間保管しても保持率は
95%以上であった。研究チームの過去の研究では、95%の保持率を満
たすのは200時間ほどしかなかったことから、今回、保持率が15倍も改
善されたことが分かった。
研究成果のポイントは、1高エネルギー交換効率と熱安定性を両立す
る新たなドナー・アクセプター材料ブレンド膜の設計による発電層の
改良と、②ポストアニール処理による発電層と正孔輸送層の界面での
電荷輸送の改善を実現したことにある(図2)。今回ドナー材料に用
いたPBDTTT-OFTは、東レ株式会社が近年新たに開発した熱安定性に優
れる半導体ポリマー。これまでの研究では、このPBDTTT-OFTとランダ
ムに混合したバルクヘテロ接合構造の発電層を作製に、アクセプター
材料としてフラーレン誘導体を使用していた。しかし、この組み合わ
せではPBDTTT-OFTの高効率や熱安定性といった特長を十分に引き出す
ことができませんでした。今回、アクセプター材料として非フラーレ
ン誘導体のIEICO-4Fを用いることで、光捕集性と熱安定性により優
れる発電層を作製できた。これに加え、素子作製後に簡単な熱処理
(150℃)を行うポストアニール処理によって、長期保管安定性が大
きく改善することを発見しました微小角入射広角X線散乱法[7]X線
光電子分光法[8]
などによる物性評価の結果、この現象は、ポストアニ
ール処理を施すことで、発電層と正孔輸送層の界面での電荷輸送が改
善した結果であることが判明。さらに、他の発電層材料や正孔輸送層
を試したところ、ポストアニール処理後にエネルギー変換効率が低下
してしまったことから、今回の素子構成でのみ高いエネルギー変換効
率が保持されることが分かった。


図2 高いエネルギー交換効率と長期保管安定性を両立するための設
計指針----発電層のドナー材料に半導体ポリマーのPBDTTT-OFTを、
アクセプター材料に非フラーレン誘導体のIEICO-4Fを用いることで、
高エネルギー変換効率と熱安定性を両立できる発電層を作製。また、
素子作製後にポルトアニール処理(150℃、5分間)を施すことで、発
電層と正孔輸送層の界面での電荷輸送が改善され、それに伴い長期保
管安定性も改善。



ペロブスカイト安定性の新しいソリューション
材料の化学組成を調整して「トリプル」ペロブスカイトを作成するこ
とにより、米国国立再生可能エネルギー研究所の科学者は、技術固有
の安定性の問題の1つを克服し、タンデム形式で27%の効率を達成
したペロブスカイトセルを製造した
シリコンデバイス。

ペロブスカイト太陽電池は大量生産への道を順調に進んでいるように
見えますが、この技術への関心は、材料の安定性と大気条件への感受
性に関する懸念によって依然として抑えられている。米国国立再生可
能エネルギー研究所(NREL)の研究者は、これらの心配の1つを克服
したと主張。セルの化学組成を最適化することで、光に絶えずさらさ
れ​​ると太陽デバイス内の化合物が分解する光誘起相分離として知られ
るメカニズムを抑制する。ほとんどのペロブスカイト太陽電池は、ヨ
ウ素、臭素または塩素のハロゲン化物で製造、しかし、同グループは、
3つすべての材料を組み込んだ「トリプルペロブスカイト」がいくつ
かの安定性の利点を提供し、他のペロブスカイトによって達成された
高い変換効率を返す可能性があることを発見。



図2 効率的なタンデムのための位相偏析を抑制したトリプルハライ
ドワイドバンドギャップペロブスカイト
これらのセルは、Scienceに掲載されている、効率的なタンデムのため
の位相分離が抑制されたトリプルハロゲン化物、ワイドバンドギャッ
プペロブスカイト
の論文で説明されている。グループは、研究者が以
前の研究よりもはるかに高い量で塩素を格子に直接組み込んだため、
そのアプローチは独特である。リプルペロブスカイト構造が、最大
SUN00の光強度であっても、光キャリアの寿命と光誘起相分離の抑制
を大幅に改善できるこを発見する。

安 定
このグループは1cm²のトリプルペロブスカイトセルを製造し20.3
%の効率を達成し、60℃での最大電力点追跡で1,000時間後に96%
以上の性能を保持しました。セルは、27%の効率を達成したペロブ
スカイトシリコンタンデムデバイスにも組み込まれた。
この短期的で
可逆的な相分離の影響を受けないことを示した、次のステップは、長
期的な信頼性目標を達成するための安定したコンタクト層とアーキテ
クチャの開発を続け、モジュールが現場で持続を実現する。次のステ
ップでは、加速安定性試験をさらに実証し、10年または20年後に問題
が生じるか実際に証することにある。
トリプルペロブスカイト構造に
より、バンドギャップをさらに調整できるため、ペロブスカイト-シリ
コンタンデムセルの効率が30%を超え、ペロブスカイト-CIGSタンデ
ムセル、コンセントレータPVなどの他のセル構造の可能性が広がる。
トリプルハライドペロブスカイトの探査により、ペロブスカイト単相
安定性の有望な新しい領域が特定され、ペロブスカイトの組成工学の
別の次元への道を開いた。


✔ 1月20日のNEDOとパナソニックの大面積モジュールで世界最高
変換効率16.09%達成に続くもの(上写真)。日独の熾烈な開発競争
が進み、ペロブスカイト太陽電池の商用化競争がが本格化する。また
タンデム型では東芝(透過型亜酸化銅(Cu2O)を用いたタンデム型太
陽電池の発電効率の向上について-低コストで高効率なタンデム型太
陽電池の実現に向けてSi単体を超える23.8%の発電効率を達成----
が先駆している。



世界の砂浜の半分は2100年までに消滅?!

欧州委員会の共同研究センター(JRC)が率いる新しい調査によると、
世界のビーチの半分は海面上昇と沿岸侵食のために世紀末までに消滅
する可能性がある。欧州委員会の共同研究センタ(JRC)の調査によ
ると、世界のビーチの半分は海面上昇と沿岸侵食のために世紀末まで
に消滅する可能性があると警告している。調査結果によると、オース
トラリアは今後80年間で15,000キロメートル近く(9,000マイル以上)
のホワイトビーチの海岸線が流され、最も大きな打撃を受けます。次
にリスクの高い国は、カナダ、チリ、米国、メキシコ、中国、ロシア、
アルゼンチン、インド、ブラジルです。下の図に示すように、大西洋
と太平洋の海岸およびインド洋のオーストラリア側では、大きなビー
チが最大200メートルまで狭くなる可能性がある。


●今夜の寸評:"さよならサヨク"がわからない世界
レーニンの発明品の全国新聞が1984年のデジタル革命とともに終
焉したが、いまだにこの日本でも残っている(悪しき集団主義)。
ガラッパチだね!?

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナウイルス抗体検出

2020年03月10日 | ネオコンバーテック



                    

                                                                        

12 顔 淵 がんえん 
---------------------------------------------------------------------
「内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え何をか懼れん」(4)
「君子敬して失うなく、人と恭しくして礼あらば、四海の内みな兄弟なり」
(5)
「百姓足らば、君たれとともにか足らがらん。百姓足らずば、君たれととも
にか足らん」(9)
「君、君たり、臣、臣たり、父、父たり、子、子たり」(11)
「君子の徳は風なり。小人の徳は草なり。草これに風を尚うれば必ず催す」
(19)
---------------------------------------------------------------------
2 仁とは何かと仲弓(再雍)にたずねられて、孔子は答えた。
「たとい同僚間でも、貴賓に接するのとおなじ鄭重な態度で接する。人民を
使役する場合もまた、祭祀のときとおなじ敬虔な態度をもってする。人から
されたくないことは、自分も人にしない。この共感の念があれば、公生活で
も私生活でも、すべて対人関係は円満になるだろう
 仲弓は言った。
「至らぬわたくしですが、精いっぱい努力いたします」

仲弓問仁、子曰、出門如見大賓、使民如承大祭、己所不欲、勿施於
人、在邦無怨、仲弓曰、雍雖不敏、請事斯語矣。

Zhong Gong asked about benevolence. Confucius replied, "Treat
others as guests of honor when you meet them. Behave like you
attend a rite when you use the people. Do to others as you
would be done by. And you will not incur the people's or your
family's enmity." Zhong Gong said, "Although I am an idiot,
I will put your words into practice."

   

【ポストエネルギー革命序論150】


doi: 10.3389/fcell.2020.00026

抗MERS-CoV抗体検出のための迅速な多重マイクロファイバーベースの
イムノアッセイ(Rapid multiplex microfiber-based immunoassay for
anti-MERS-CoV antibody detection)(Ⅰ)
【要約】
自然免疫抗体用のオンサイトマルチプレックスバイオセンサーは、
個人の健康状態を監視するための理想的なツール。さまざまな病気
に対して。この研究では、新しい抗体イムノアッセイ試験プラット
フォームを導入。特定の抗体を捕捉するための抗原のマイクロファ
イバーベースのアレイ。デバイスの製造とセットアップは、3次元
膜として機能する電界紡糸ポリスチレン(ESPS)マイクロファイバ
ーを中心に展開。迅速で多様な検体の捕捉が可能なフィルター。特
に、ESPSマイクロファイバーはパターン化した局所的な酸素プラズ
マにより、流体の流れと固定化を促進する親水性ゾーンを作成。こ
の堅牢な抗体イムノアッセイプラットフォームの大部分は、コンパ
クトなシリンジ駆動型特異的抗体に対する多重抗体イムノアッセイ
を実行できるカセット装置中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-
CoV)は、合計で合計5分、および200μg/ mLまでのMERS-CoVの高い
感度と特異性。
【序論】
これらは必要なパフォーマンスの基本要件----高スループット、高
速、高感度----したがって、これらの特性を組み合わせたアッセイ
が提案されているが、多くの場合、マイクロ流体工学とナノテクノ
ロジーにより実現されている。さらに、紙ベースの微小電気機械シ
ステム(MEMS)を含む多くのタイプのマルチプレックス免疫アッセ
イプラットフォームが報告されているす。ビーズベースおよびアレ
イベースのプラットフォーム。近年、このようなイムノアッセイの
最も顕著な用途の1つとして、医療の観点から見たプラットフォー
ムとしてウイルス検出がある。2012年以降、MERS-CoVは一般的な問
題となり、。約30%の高い死亡率のコロナウイルスは複数の国に
影響を与え報告された(世界保健機関(WHO))。さらに、MERS-CoV
比較的最近の発生であり、効果的なワクチンが存在しない。シンプ
ルで堅牢かつ迅速な方法での抗体診断手段は、患者に対するワクチ
ンまたは感染症の拡大を防止する薬物の有効性試験に必要であり、
ワクチン接種の世界では、血液抗体価はしばしば、酵素免疫測定法
(ELISA)の一般的な方法患者が適切な濃度で必要な抗体を現在持っ
ているかどうかを判断する。ELISAは非常に感度の高い方法であり、
MERS-CoVで1μg/mL未満の検出限界(LOD)を達成するが、専門家や
大型機器の要件により、診断結果の生成に数日かかる場合がある。
したがって、ワクチンまたは薬物の有効性をテストするには、大型
の試験装置を必要としない、より迅速で効果的な試験方法論が望ま
しい。グローバルを改善するために、健康管理には、低コストでシ
ンプルで堅牢なポイントオブケア(POC)デバイス製造の必要性の
強調が重要。
ここでは、数分以内に実施できる抗ウイルス抗体検査の迅速な免疫
測定法を紹介する。この作業は、ESPSマイクロファイバーマットを
キャプチャとして活用する新しい多重抗体イムノアッセイテストの
構築を示す超高速試験用の膜および圧力駆動対流。以前に確立され
た蛍光結合免疫吸着剤に加え、アッセイ(FLISA)マイクロファイバ
ープラットフォーム、マイクロファイバーマットはO2プラズマで事
前にパターン化され、複数の親水性異なる抗原を持つゾーン、した
がって多重検出システムを作成。概念実証として、対応する抗体を
個別捕捉するように設計された2つの異なる抗原試験である。
血清アルブミン(HSA)およびMERS-CoV。HSAは代表的なタンパク質
これはヒト血漿サンプルに存在するが、MERSはウイルス性病原体で
現在予防接種の手段を欠く。単純な設計、製造とセットアップの容
易さ、診断が可能な高速
このシステムで抗体検出を行うことはMERS
が発生した場合に一般公衆衛生を保護の低コストの商用デバイスを
作成する上で不可欠な一歩となる。

2.材料と方法
2.1 FLISA試薬および材料
高分子エレクトロスピニング処理では、ペレット化PS(PS日本)THF
(Sigma-Aldrich)を含む溶液に溶解し、DMF(Sigma-Aldrich)。
HSAのフルラピッドFLISAオペレーションにはヤギが含まれます抗ヒト
アルブミン(Bethyl Laboratories、A80-129A)、ヒト参照血清(
Bethyl Laboratories、RS10-110)およびFITCコンジュゲートヤギ抗
ヒトアルブミン(Bethyl Laboratories、A80-129F)、この研究では、
それぞれ「anti-HSA」、「HSA」、および「FITC anti-HSA」にとって
上記のHSA試薬と以下の両方をテストする抗体MERS試薬:His-MERS-NP
抗原タンパク質(横浜市大学)および anti-MERS-NP(横浜市立
大学
mAb#20)。この調査では、「MERS」および「FITCそれぞれMERSの試
薬。 Anti-MERS-NPは、フルオレセイン標識キット– NH2(同仁堂)リ
ン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH 7.4、Gibco)とTween 20(PBS-T、pH7.4、
0.1w/v%トゥイーン20)とスキムミルク(ユキジルシ株式会社)は、
希釈剤、洗浄剤、ブロッキング剤などの目的。さらに、FITCconjugat-
edウシ血清アルブミン(BSA-FITC、Sigma-Aldrich、A9771-1G)とBSA
(Sigma Aldrich、A3608-50G)を組み合わせて蛍光顕微鏡用のESPSフ
ァイバーマット付きを使用。

2.2 エレクトロスピニング技術
10 vol%/vol%の事前ペレット化PSを次の溶液に溶解した。1:1 THF/
DMF。溶液は室温で穏やかに攪拌し、PSが完全に溶解するまで24時間。
PSソリューション次に、シリンジを介してエレクトロスピニング装置
に装填。環境および加工条件(補足資料表S1)は、エレクトロスピニ
ング後、呉らによって報告された技術「ウェットプレス」でマイクロ
ファイバー繊維を8層積み重ね、ESPS繊維マットを積層、互いの上に、
エタノール(EtOH)に浸してから挟むガラス板の間に積み重ね、2 kg
の重りで24時間加圧使用する。

2.3  O2プラズマスポット処理
O2プラズマクリーナー(PDC-001、拡張プラズマクリーナー、Harrick
プラズマ)とガス流量計の組み合わせ(PDF-FMG、PlasmaFlo Gas Flow
ミキサー、Harrick Plasma)を使用してESPS繊維マットを処理、O2プ
ラズマ。9穴(スポットサイズ= 2.5 mm)のスチールマスクはカスタ
ムメイドする。ESPS繊維マットにO2プラズマ処理のパターンを作製。
8層で湿式圧縮したESPS10重量%繊維マットを使用、スポット治療
実験用、8層の10 wt%ESPを使用。4
層のサンプルでは、追加された
試薬の非親水性スポット領域への拡散時間。8層サンプルでは、​​試薬
拡散または漏れを最小限に抑えた親水性スポット範囲でのO2プラズマ
処理を行う。スポット処理後の8層ESPSファイバーマットの蛍光顕微
鏡によるタンパク質吸着とブロッキングの優先度の両方をテスト。

ンパク質吸着のために、ESPS繊維マットをFITC-BSA溶液(20mL PBS中
の10wt%FITC-BSAからBSA)に1時間浸す。
次に、サンプルをPBS-Tで
20回浸漬洗浄する。ブロッキング効果には、BSA、BlockingONE、スキ
ムミルクをブロッキング剤として比較し、3つの別々のESPS繊維マッ
をそれぞれのブロッキング溶液に浸し、BSA(2 w/v)、BlockingONE
(20 v/v)、
PBS-Tで20回浸漬洗浄する前に、1時間スキムミルク(2
w/v)を加える。
次に、サンプルを同じ FITC-BSA溶液に浸漬。前の実
験を1時間行い、PBS-T で20回再度ディップ洗浄。
すべての蛍光画像
は倒立顕微鏡で測定
(CKX53、オリンパス)と蛍光光源およびフィルタ
ー(U-HGLGPS、オリンパス)の組み合わせ。cellSensが撮影した画像
(オリンパス)画像処理ソフトウェア。ROIマネージャーツールの下で
Image(National Institutes of Health)で測定。

2.4 カセットデバイスベースのイムノアッセイシステム
37 mmモニター(Advantec)は、内部膜を8層の10wt%ESPSに置き換え
カセットデバイスとして採用。37 mmモニター内に適切にカットおよび
成形されたフィルター紙(40 mm、No.5B、桐山ロート)を重ねたサン
プル。セットアップには、ろ紙を下層にO2プラズマ処理されたESPS繊
維マットを上層を使用。注入口から、バルク試薬(PBS洗浄、抗原、お
よび2次抗体)を挿入し、シリンジの圧力で反対側の出口から洗い流
す。

2.5 迅速なMERSイムノアッセイ試験プロトコル
すべてのイムノアッセイで、100Wで3分間O2プラズマ処理を行った8
層の10wt%ESPS膜を使用。カセットプラットフォームを使用した迅速
なイムノアッセイテストは、次の手順で実行。(1)抗原の固定化(2)
ブロッキング、および(3)抗体の捕捉。まず、HSAとMERSの濃度は処
理されたESPS膜上で単独最適。PBSのHSA濃度は、0〜1000μg/ mLの範
囲で変化させる。スポットあたり6μL。次に、2%w /vのスキムミル
ク2 mLによるブロッキングをシリンジから直接カセットに適用。1分
間保持した後、コンセントから引き抜く。最後に、1mLのFITCコンジ
ュゲート10μg/ mLの抗HSA抗体溶液をカセットに1分間保持し、フラ
ッシュした。同様に、MERSがテストされ、まず、His-MERS-NPを0〜500
μg/ mL。脱脂乳ブロッキング手順の後、1 mLのFITCコンジュゲート
11μg/ mLの抗MERS NP#20溶液をカセットに1分間保持し、フラッシ
ュする。HSAとMERSの両方のテストについてブロッキング工程とFITC
結合抗体工程の両方の後、1mL容量のPBS-Tで洗浄をカセットに3回
通し洗浄。
マルチプレックスイムノアッセイでは、上記のイムノアッセイプロト
コルと同じように実施されましたが、単一のESPS膜上で別々にパター
ン化された異なる抗原を使用しました。3つのスポットをMERSで処理
しました(200μg/ mL; 6μL)、HSA(200μg/ mL; 6μL)で処理さ
れた3つのスポット、および抗原が固定されていない3つのスポット。
再び、ブロッキングが実行された2%w /vのスキムミルク2mLをカセ
ットに1分間保持した後、フラッシュしました。最後に、抗体の3つ
の異なるテスト溶液を準備し、多重ESPS膜を通してテスト。1:100希
釈のFITC共役抗HSA溶液1 mL、1:50希釈のFITC共役抗MERS NP#20溶
液1 mL 、およびFITC共役抗HSA(1:100希釈)とFITC共役抗MERS NP#
20(1:50希釈)の1 mL混合物。各抗体の濃度はすべての場合で同一。
図1および補足資料の表S2は、手順全体と試験プロトコルに使用され
る最終濃度を示す。

図1(a)O2プラズマスポット処理セットアップの概略図、(b)ハ
ウジング環境と膜のセットアップの概略図、
(c)迅速なMERSイムノ
アッセイプロトコルで実行される手順概要


3.結果

3.1 O2プラズマスポット処理
多くの抗原が表面に固定化されることが重要である。抗ウイルス抗体
の免疫測定システムのシグナルを強化する。
したがって、タンパク質
固定化の量が最適化する。マイクロファイバー表面の疎水性を通し、
層の10重量%ESPSファイバーマットサンプルは、O2プラズマスポッ
ト処理によって処理された。
異なる時間の長さ、タンパク質の表面吸
着試験。
最大の抗体固定化の最適条件を決定するには表面では、BSAが
モデルタンパク質として使用された。
最初、O2プラズマの効果を確認
するために接触角を測定
処理(図2)。全体として、親水性領域がO2
プラズマで処理すると、接触角の減少傾向を示す。
一方、接触角は
水性ゾーンは、サンプル間で大幅に変更されていません。
次に、プラ
ズマ処理されたBSAの実際の吸着量
サンプルを分析して、抗原固定化
能力を推定。
さまざまなO2プラズマ処理条件の結果を以下に示す
3では、サンプルを100Wで1、3、5分間処理。ほとんどの量のBSAが3
分間処理したものに吸着されたことがわかる。1
分で十分なO2プラズ
マ時間が不足している可能性が高い
酸素が繊維に完全に浸透できなか
ったため、
BSA溶液が浸透するための十分に親水性の繊維表面繊維と
繊維の表面に接触します。
一方、過剰な5分間処理されたサンプルは、
サンプルを過剰処理して、
表面およびタンパク質サンプルとして、後
続の実験では、3分
繊維表面へのタンパク質固定化のためのO2プラズ
マ処理の最適な時間として選択された繊維表面への固定にある。さら
に、ブロッキング剤はESPSサンプル用に最適化する。
したがって、同
様のタンパク質吸着試験を3回実施しました
ブロッキング剤の種類:
BSA、BlockingONE、スキムミルク(図4)。
それらはすべて蛍光標識
BSA吸着の効率的な遮断を示しましたが、スキムミルクが機能するこ
とが実証されました
最高の。したがって、その後の実験では、脱脂乳
がブロッキング剤となる。

図2.(a)1分間、(b)3分間、(c)5分間のO2スポットプラズマ処
理の接触角測定。

図3  スポットO2プラズマで(a)1分、(b)3分、および(c)5分
間処理した8層の10 wt%ESPSに吸着したBSA標識蛍光画像。
(d)の
ために
BSA吸着の定量、蛍光(Fluo)およびバックグラウンド(BG)
強度を定量化しました。
(n = 4;エラーバーは標準エラーです)。
 

ブロッキング剤の予防能力の蛍光定量化/蛍光標識BSAの吸着、BSAとB
lockingONEの比較
(BlkONE)およびスキムミルク(牛乳)
ラベル付けされたBSA吸着、脱脂乳が最高のパフォーマンスを発揮する
ことが実証された。
したがって、その後の実験では、脱脂乳がブロッキ
ング剤として使用。
                         この項つづく
--------------------------------------------------------------
新型コロナウイルス抗体検出の検出
9日、横浜市立大学が新型コロナウイルスの患者血清中に含まれる抗
ウイルス抗体の検出に成功したと発表。この方法は特別な装置を用い
ることなく、短時間で判定が可能。さらに血液採取による検査のため
二次感染のリスクが少ないという画期的なものであり、今後多数の検
体で検証し、診断法の確立や診断キットの開発など実用化を目指す




梁教授ら共同研究グループが人類の脅威となるMERSコロナウイルス
迅速、簡便、正確に検出する方法の開発に成功
MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルスは、2012年にサウジアラビア
で同定された重症の呼吸器疾患を引き起こす新型のコロナウイルスで
あり、致死率が約36%と非常に高いことがWHOから報告されている。こ
れまでに世界で1600人を超える症例があり、2015年には隣国の韓国で
大流行が見られた。現在、韓国国内での流行は収束しているが、サウ
ジアラビア等の中東地域では依然として感染者の発生が続いており、
我が国への感染流入のリスクは続いている。MERSコロナウイルスに対
する抗ウイルス薬や感染予防のためのワクチンは未だ存在していない
ため、ウイルスを素早く特定し、迅速に対応することがウイルスの蔓
延を防ぐためには非常に重要となる。これまでMERSコロナウイルスの
検出には遺伝子検出法が採用されており、遺伝子を取り扱うことので
きる熟練した技術と特別な装置が必要なことに加え、検出までに要す
る時間が長い事が問題となっていた。また、MERSコロナウイルスは、
風邪の原因となる病原性の低いウイルス(229E、HKU1、OC43、NL63等)
や、2002年頃に流行が見られたSARSと同じコロナウイルス属に分類さ
れ、これらとは遺伝子的に類似した部分が存在している。一方でMERS
コロナウイルスは遺伝子的に変異しやすいウイルスであることも知ら
れている。以上の理由から、MERSコロナウイルスを誰でも簡単な操作
で短時間に、かつ正確に検出できるキットの開発が求められていた。 
(微生物学 梁教授ら共同研究グループが人類の脅威となるMERSコロ
ナウイルスを迅速、簡便、正確に検出する方法の開発に成功、 先端
医科学研究センタ、2016.04.27)
--------------------------------------------------------------
プロリルイソメラーゼPin1はB型肝炎ウイルスコアの安定性タンパク質
Puroriruisomerāze Pin 1 wa B gatakan'en uirusukoa no antei-sei
tanpakushitsu
【要約】
ウイルスと宿主タンパク質の間の動的な相互作用は、効率的なウイ
ルス複製とウイルス誘発性の病因を確立するために重要である。
Pin1によるリン酸化依存プロリル異性化は、分子スイッチングのユ
ニークなメカニズムを提供し、タンパク質の機能と安定性の両方を
制御する。ここでは、Pin1がリン酸化依存的にB型肝炎ウイルスコ
アタンパク質(HBc)に結合して安定化し、効率的なウイルス増殖を
促進することを示す。HBc のさまざまな部位特異的変異体を用いた
Phos-tagゲル電気泳動により、C末端アルギニンリッチドメイン内の
Thr160および Ser162残基が同時にリン酸化されることが明らかにな
った。GSTプルダウンアッセイおよび免疫共沈降分析により、Pin1は
Thr160-ProおよびSer162-Proモチーフでリン酸化HBcと結合している
ことが示された。Pin1の化学的または遺伝的阻害により、リソソー
ム依存性経路の。HBcの急速な分解が大幅な加速。さらに、ピルビン
酸デヒドロゲナーゼは、ホスファターゼ触媒サブユニット2(PDP2)
は、Pin1結合でHBcを脱リン酸化できる。サイト、それによってPin1
を介したHBc安定化を抑制する。この発見は、Pin1によって触媒され
るHBc安定性の重要な調節メカニズムを明らかにし、促進する可能性
があり、Pin1機能を標的とする新しい抗ウイルス治療薬の開発を促
進するであろう。
鍵語:ウイルスと宿主の相互作用/リン酸化/プロリル異性化/リ
ソソーム/B型肝炎ウイルス

図1 Thr160およびSer162でのHBcの同時リン酸化。(A)この研究で
生成されたHBc欠失変異体の概略図。4つの主要なリン酸化部位(S1
55、T160、S162、およびS170)とアラニン置換を含むHBc CTDの配列
を示す。(B)Phos-tag GelにおけるHBcの移動度シフト。 HepG2細
胞にHA-HBcまたはその部位特異的変異体をコードするプラスミドを
トランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は24時間で回
収されたトランスフェクション後、細胞ライセートをPhos-tagゲル
電気泳動にかけ、抗HA抗体を用いたイムノブロット分析で分析。
(C)リン酸化特異的抗体によるHBcのリン酸化の検出。 HepG2細胞
にWT HBcまたはその部位特異的(T160A / S162A)変異体をトランス
フェクトしたプロテアーゼ阻害剤の存在下で48時間。次に、細胞溶
解物を、抗ホスホHBc(T160 / S162)、抗HBc、または抗a-チューブ
リンを用いた免疫ブロット分析にかけた抗体。(D)安定したHBV産
生HepG2.2.15.7細胞からの細胞溶解物は、子牛の腸アルカリホスフ
ァターゼ(CIAP)で処理された、または処理されなかった。抗ホス
ホHBc(T160 / S162)、抗HBc、および抗a-チューブリン抗体を用い
たイムノブロッティングを行った。
※関連論文:Prolyl Isomerase Pin1 Regulates the Stability of
Hepatitis B Virus Core Protein(プロリルイソメラーゼPin1のB型
肝炎ウイルスのコアタンパク質の安定性調節
)、2020 Jan 31;8:26.
doi: 10.3389/fcell.2020.00026. eCollection 2020.
-------------------------------------------------------------

--------------------------------------------------------------
ノロウイルスの迅速簡易検出法(イムノクロマト法)

ノロウイルスの診断法は遺伝子診断法(RT-PCR, リアルタイムPCR,
LAMPなど)とともに抗原・抗体反応による抗原診断(イムノクロマ
ト法, 酵素抗体法, BLEIA法など)がある。外来・ベッドサイドで
迅速・簡易診断とするならイムノクロマト法(IC法)が一番扱いや
すい最初のICキットはGII.4 Loadsdale株のウイルス様粒子(VLP)
を家兎に免疫したポリクローナル抗体を用いた。RT-PCRに比較し感
度は73%に落ちるが, 特異度は91%であった。その後, マウスのモ
ノクローナル抗体でGI, GⅡI両方あるいはそれぞれに反応する抗体
を用いてGI, GⅡを1つのラインで, またはそれぞれのラインで判
定するキットが出現し, 感度・精度は向上した。さらにロタウイル
スとノロウイルスを同一キットで同時に調べ得るキットが市販され
た。わが国では現在のところ6
社によるキットがある。GEテストイ
ムノクロマト-ノロ, クイックナビ-ノロ2, クイックチェイサー-Noro,
イムノキャッチ-ノロ, ラピッドエスピー-ノロ, IPライン-デゥオ
「ノロ・ロタ」がある。また海外ではRIDAクイック-ノロウイルス
がある。
市販のキットで, ウイルスRNA濃度と比較した論文は多くはないが,
1010コピー数/mL以上あればICキットでほぼ確実に検出可能である。
106~109コピー数/mLでは概ね検出が可能だが, 105コピー数/mLでは
半数程が検出できない 。IC陰性は特定の遺伝子型によりみられた。
ノロウイルスのICキット作製に当たって次のような難しさがある。
(1)ノロウイルスは細胞培養が難しく, バキュロウイルスを用い
た人工的なVLPを抗原としている。現在GII.4 variantが頻度では多
いので, GII.3, GII.6など比較的頻度が多い遺伝子型にも反応する。
できればより広い遺伝子型の抗原に反応するモノクローナル抗体を
得る。(2)より少ないノロウイルス抗原と反応を示す反応系を用
いる。RIDAクイック-ノロウイルスは反応にビオチン・ストレピト
アビジンを用いている。(3)試薬によっては, 直腸便・浣腸便
でも検出できるとしているが, 直腸ではウイルス量が十分に取られ
ていなく偽陰性, 浣腸便ではグリセリンによる偽陽性のことがある
ので, できるだけ直接に便からが望ましい。重要な検体では遺伝子
診断法で確認する。(4)吐物に存在するウイルス量は105/mL程度
であるため, 現時点では吐物からノロウイルスを診断するICキット
はない。2014~2015年にアジアを中心に新型GⅡ.17がみられるよう
になった。上海では2014年12月以降~2015年にかけ, GⅡ.17がGⅡ
I.4より多くみられた。わが国のノロウイルス食中毒としてはGⅡ17
の割合が従来のGnⅡ.4と拮抗しているが, 我々の6都市の小児科ク
リニックの状況ではノロウイルス遺伝子型の10%に過ぎない(Tho-
ngprachumA私信)。ノロウイルスに繰り返し罹患した症例ではGⅡ.
17罹患の前のGII.4の時にGⅡ.17の血清IgG, IgA抗体も上昇してい
た (UshijimaH私信)。また, 下水の中にはGII.17が頻繁に見出さ
れていることから, 今後ノロウイルスの主流になることも否定でき
ない。(表1)GⅡ17の症例に市販のICキットを用いて診断したとこ
ろ, 検出感度が他の遺伝子型と比較し, 偽陰性となることがあると
わかった。通常GⅡ4は107コピー数/g以上存在すればICキットで陽性
になるが, GⅡ.17の場合は109コピー数/g以上でなければ検出できな
かった。わが国のICキットでは, お互いでの差は少なかったが, RI
DAクイック-ノロウイルスが感度において良かった(表2)。このこ
とは, 厚生労働省からの通達でノロウイルス感染症の迅速診断法の
注意点の中に含まれている。なお海外の試薬は, 輸入の認可を求め
ていないので市販されていない早急にGⅡ.17に対してもGⅡ.4並み
の感度のキットが望まれる。
2016年の10月以降のノロウイルスからはGⅡ.4, GⅡ.17以外のGⅡ
もみられ, イムノクロマト反応の評価を続ける必要がある。(IASR
Vol. 38 p.11-12: 2017年1月号)





●今夜の寸評:忙し過ぎて、我が家はマーシャル・ロー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山里いかで春を知らまし

2020年01月23日 | ネオコンバーテック

                       

10 先 進 せんしん 
----------------------------------------------------------------
「顔淵死す。子曰く、『ああ、天われを喪ぼせり。天われを喪ぼせり』
」(9)
「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」(12)
「過ぎたるは、なお及ばざるごとし」(16)
「道をもって君に沢え、不可なれば止む」(24)
「なんぞ必ずしも書を読みて、然る後に学ぶとなさんや」(25)
----------------------------------------------------------------
10 顔淵が死んだ。孔子はみえも外聞もなく慟哭した。従者が言った。

「先生があれほど慟哭されるとは」
 そのつぷやきを耳にした孔子は、
「わたしが慟哭した? そうか……だが、慟哭もしようぞ。他の者なら
ともかく、回が死んだのだ」

顔淵死、子哭之慟、從者曰、子慟矣、子曰有慟乎、非夫人之爲慟、而誰
爲慟。

When Yan Hui passed away, Confucius wailed hid death. A disciple
said, "Are you wailing, master?" Confucius replied,
"Yes, I'm exactly wailing. If I do not wail for him, for whom
do I wail?"


佐竹本三十六歌仙下句トレッキング㉟:
山里いかで春を知らまし
#TheThirtySixImmortalPoets#Nakatsukasa  

鶯の声なかりせば雪消えぬ山里いかで春を知らまし

もしも鶯の声が聞こえなかったならば、雪が消え残っている山里では、どうし
て春の到来を知ろうか。

敦慶(あつよし) 親王(宇多天皇の皇子) と伊勢の間の子。「中務」の名は、父
が中務卿であったことに因る。藤原実頼・同師輔・
元長親王(陽成院の皇子で
元良親王の弟)・常明親王(醍醐天皇の皇子)ほかとの恋を経て、源信明(さね
あきら) と結婚か。延長七年(929)頃、女児(『中務集』『伊尹集』に「ゐとの」と
ある) を生む。延長八年、父が薨去。「ゐとの」はその後太政大臣にまで至る
藤原伊尹に嫁し、また「大納言の君」と呼ばれた孫娘は村上天皇皇女保子内
親王に仕え、中務は八十に及ぶ長寿を保つが、晩年は娘と孫に先立たれる
不幸に遭った。 後撰集時代の代表的女流歌人。天暦十年(956)二月の麗景殿
女御歌合、天徳四年(960)三月の内裏歌合などに出詠し、屏風歌なども多く詠
進した。晩年の紀貫之や、源順、恵慶法師、清原元輔ら歌人との交流が知ら
れる。 


佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代(1
3世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来した、三
十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。書は後京極良
経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻物で、各巻に18
名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描かれていたが、191
9年(大正8年)12月20日に各歌人ごとに切り離され、掛軸装に改
められた。原型とは異なっているが、一部を除き重要文化財に指定され
ている。
✔ 今夜でこのシリーズは終える。

  

【ポストエネルギー革命序論135】




図1. BNCTの原理
ホウ素と熱中性子が核反応を起こし、細胞傷害性の高いα粒子とリチウ
ム反跳核を産生する。これらの粒子ががん細胞に致命的な傷害を与える。
これらの粒子の移動距離は細胞1個の大きさ程度に相当するので、ホウ
素をがん細胞だけに集めることが重要である。

「液体のり」放射線治療でも期待の星 がん細胞ほぼ消失
23日、がん細胞に薬剤を取り込ませておき、中性子をあててがん細胞
を壊す放射線治療で、薬剤に液体のりの主成分を混ぜると治療効果が大
幅に高まることを東京工業大学のチームが発見したことが公表された影
響を受け反響の大きさが伝えられている。わたしが勤務していた職場は、
まさにポリピニールアルコール(PVA)をフォトファブリケーション(写
真製版適用技術)の感光液として大量に使用。後に、「6価クロム禍」
対策にカゼイン(簡単に言うとナイロンの原料)に切り替えている。そ
の際、通常は加熱重合させるが、材料性能試験でホウ素(硼砂)を加え
➲モノマーのビニルアルコールが異性化しアセトアルデヒドを生成(そ
の逆も反応するが)➲モノマーが重合しポリビニルアルコールへと化る
スライム化学のある種の
タンパク変性法を応用している(➲薬剤が理科
の実験でつくったスライムのようになり、がん細胞にとどまりやすくな
る。この様に、マウスの実験では大腸がんがほぼ消失。この放射線治療
は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)。国内10カ所弱の施設で臨床試験
が進んでいる。ホウ素化合物の薬剤を注射してがん細胞に取り込ませて
おき、外から中性子を照射して破壊する。正常な細胞へのダメージが少
ないことから、次世代の放射線治療として期待されている。昨年、6月
1日 会社や家庭に転がっている市販の液体のりが、白血病骨髄移植
で重要な細胞を大量に培養できたという東京大などの成果が発表され、
液体のりのメーカーや研究者に問い合わせが殺到している。名前が同じ
別の会社の株の出来高が前日までの10倍になったほか、SNSでは「
液体のり」がトレンドの言葉になった。
【要点】
①液体のりの主成分であるポリビニルアルコールを中性子捕捉療法用の
ホウ素化合物に加え、治療効果を大幅に向上。
②マウスの皮下腫瘍に対する治療効果はほぼ根治に近いレベルを実現。
③臨床応用を目指し、ステラファーマ株式会社の協力を得て研究を推進。
【成果】
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)[用語5]は、ホウ素(10B)に対して熱中
性子を照射することにより核反応を起こし、細胞傷害性の高いアルファ
粒子とリチウム反跳核を発生させて、がんを治療する方法である(上図
1)。従来の方法では治療することが困難な再発性のがん、多発性のが
んに対し有効であるため、第4のがん治療法と呼ばれる免疫療法に続く、
第5のがん治療法として大きな期待を集めている。
BNCTではいかにホウ
素をがんに選択的に集積させることができるかが重要。現在、臨床で主
に使用されているホウ素化合物はボロノフェニルアラニン(BPA)という
物質である。BPAは、LAT1というがん細胞上に多く発現しているアミノ酸
トランスポーターを介して細胞に取り込まれる性質があるため、選択的
にがんに集積することができる化合物。
現在、BPAの臨床試験はステラフ
ァーマ株式会社が行っており、臨床試験第Ⅱ相において再発頭頸部がん
に対しBNCT施行90日後の奏効率71.4%という治療効果が得られてい
る。このように使用されているBPAだが、がん細胞に選択的に集積するこ
とができるものの、長期的にはがん細胞に滞留することができないケース
もあり、BPAのがんにおける滞留性を長期化できれば、BNCTの治療効果を
更に向上できると考えられていた。

BPAががん細胞に長期的に留まることができない原因の一つとして、LAT1
の交換輸送メカニズムが関連していると考えられている。LAT1は細胞外
のBPAを取り込む際に細胞内のアミノ酸を排出するが、細胞外のアミノ酸
を取り込む際に細胞内のBPAを排出することもある。その結果、細胞外の
BPA濃度が低下すると細胞内のBPAが流出してしまう現象が起きる(図2)。
このような細胞外へのBPAの流出を抑えるために、東京工業大学の研究グ
ループは、液体のりとホウ砂から作られるスライムと同様の化学反応を
利用した方法を開発。


図2 BPAの細胞内取込み・細胞外流出のメカニズム 細胞外のBPA濃度
が高いときはLAT1を介してBPAが細胞内に取り込まれ、細胞内のアミノ酸
が細胞外に排出される。一方、細胞外のBPA濃度が低いときは細胞外のア
ミノ酸が取り込まれ、細胞内のBPAが細胞外に排出される。

同グループは、この化学を利用しBPAをPVAに結合させPVAに結合したBPA
(PVA-BPA)はLAT1介在型エンドサイトーシス[用語11]という経路で細胞に
取り込まれるようになり、従来のBPAが細胞質に蓄積するのに対し、PVA-
BPAはエンドソーム・リソソーム[用語12]に局在するようになる(下図3(A))。
その結果、がん細胞に取り込まれるホウ素量が約3倍に向上し、細胞内
で高いホウ素濃度を長期的に維持することが可能となる。更にマウスの
皮下腫瘍モデルを用い、がんへの集積性を評価したところ、従来のBPAと
同等以上の集積性を示す(図3(B))。従来のBPAは徐々に腫瘍内の集積
量を低下させた一方で、PVA-BPAはその高いホウ素濃度を長期的に維持す
ることができた。熱中性子を照射すると、PVA-BPAは強力な抗腫瘍効果を
示し、ほぼ根治に近い結果を得ることができた(図3(C))。


(A)今回発明したPVA-BPA:スライムの化学を利用してBPAをPVAに結合
した。PVA-BPAは
LAT1介在型エンドサイトーシスにより細胞に取り込まれ
エンドソーム・リソソームに局在するようになる。(B)腫瘍への集積性・
滞留性:PVA-BPAは、従来のBPAと比較して優れた腫瘍集積性と滞留性を
示した。(C)BNCTの効果:PVA-BPAを用いたBNCTではほぼ根治に近い治
療効果が得られた。
このBNCTの最先端研究を支えてきたのは、我が国の学術界で唯一、BNCT
に必要な中性子を産生することができる京都大学複合原子力科学研究所
の研究炉(KUR)の役割が極めて大きい。今後もPVA-BPAの効果をより詳
細に明らかにすべく、KURを中心にした基礎研究を推進する予定である。
一方、最近の臨床研究においては、BNCTの普及を目指した加速器型中性
子線源が主流になっている。しかし、現状の加速器型中性子線源による
熱中性子の産生量では、浅い部位のがんに適応が限定されると考えられ
ている。治療の適応を深部まで拡げるためには、がん組織内のホウ素濃
度を長期的に高く維持することが求められており、この点において本研
究成果のPVA-BPAは大きく貢献できる。また、PVA-BPAはスライムを作る
ように、水中でPVAとBPAを混ぜるだけで簡単に合成することが可能であ
る。製造が容易である上に治療効果も非常に優れていることから本研究
成果は極めて実用性が高いと考えている。

✔【抗癌最終観戦記シリーズ】は第13回まで掲載しているが、本件も
テーマカテゴリーに含まれるだろう。従ってこのシリーズは継続させる。


低温で二酸化炭素を資源化する手法を発見

1月22日、早稲田大学の研究グループは、二酸化炭素と再生可能エネ
ルギーで得られる電力・電解水素を、常温から100度台と低い温度で反応
させて資源化する全く新しい手法を開発することに成功しました。本手
法により、欲しいときに欲しいだけ、二酸化炭素を再び資源化できるよ
うになります。本手法は、温暖化抑制・化石資源消費抑制のための社会
変革に大きく貢献することが期待されている。
【要点】
①二酸化炭素と再生可能エネルギーを用い、低温で二酸化炭素を資源化
する手法を発見。
②欲しいときに欲しいだけ二酸化炭素を資源化することが可能。
③温暖化抑制・化石資源消費抑制のための社会変革に大きく貢献するこ
とが期待される。
二酸化炭素を再び資源化するためには、これまで400℃程度の温度で、
水素と固体触媒を用いて還元、一酸化炭素やメタンなどへ転換する方法
が知られている(ドイツではパワートゥガスと呼ばれ、すでに実証が進
められていて、この方法は比較的高い温度を必要とし、回収した二酸化
炭素と再生可能エネルギーを用いて、欲しいときに欲しいだけ資源化で
きる方法ではなかった。同グループは、回収した二酸化炭素と、再生可
能エネルギーから得られた電力と電解水素を用い➲常温から100℃台と
いう低い温度範囲で、効率よく速やかに二酸化炭素を資源化することに
成功。ルテニウムという金属の微粒子を、セリウム酸化物という材料の
上に微細に載せた固体触媒を創出し、これに外部から弱い直流電場を印
加すると、二酸化炭素が効率よく一酸化炭素やメタンへと資源化される
ことを見出す。これまでにこのような低温で欲しいときに欲しいだけ安
全に資源化を進められるプロセスは存在せず、本発見は二酸化炭素の資
源化、化石資源の消費削減に大きく貢献可能な技術です。

同グループは、回収した二酸化炭素と、再生可能エネルギーから得られ
た電力と電解水素を用いて、常温から100℃台という低い温度範囲で、効
率よく速やかに二酸化炭素を資源化する手法を開発することに成功する。
ルテニウムという金属の微粒子を、セリウム酸化物という材料の上に微
細に載せた固体触媒を創出し、これに外部から弱い直流電場を印加すると、
二酸化炭素が効率よく一酸化炭素やメタンへと資源化されることを見出
しました。これまでにこのような低温で欲しいときに欲しいだけ安全に
資源化を進められるプロセスは存在せず、二酸化炭素の資源化、化石資
源の消費削減に大きく貢献可能な技術である。
上図1 ルテニウム金属
微粒子をセリウム酸化物半導体に載せた触媒は、直流電場中で容易に二
酸化炭素を資源化することが可能。

新しく開発した手法
従来の触媒プロセスは、温めて反応することを待つ、いわば「鳴かぬな
ら鳴くまで待とう」というタイプのものだった。同グループはこれに対
し、半導体材料であるセリウム酸化物に直流電場を与えると、その表

でプロトンが動くという「表面プロトニクス」という現象を発見し、こ
れを二酸化炭素の資源化に用いることで、低温で欲しいときに欲しいだ
け資源化を進めることができ、「鳴かぬなら鳴かせてみせよう」という
タイプの反応プロセスを作り上げた。


図4 図4. 独立栄養植物と菌従属栄養植物のδ13C値(光合成依存度の
指標)とΔ14C値の比較

波及効果や社会的影響
このプロセスにより、あらゆる燃料などを燃焼した後に排出される二酸
化炭素を回収し、再生可能エネルギー由来の電力と電解水素を必要に応じ
て与えることで、いつでも低い温度で欲しいときに欲しいだけ、資源化
することができるようになります。この技術は、二酸化炭素の再利用の
ための鍵となる可能性を秘めており、温暖化抑制・化石資源消費抑制のた
めの社会変革に大きく貢献することができる。
今後、社会で実装し工場
などから実際に排出される二酸化炭素を回収して利用することが期待さ
れる。
✔希少金属という側面から、代替品触媒を開発が避けられないと考える。


図3.今回の研究で明らかになった2通りの菌従属栄養植物のライフス
タイル
枯れ木を食べる植物「腐生植物」は存在
大気圏核実験由来の放射性炭素同位体を用いた新たな検証
23日、神戸大学大学らの研究グループは、1950年代~1960年代初頭に
かけ、大気圏核実験により大気中に多量に放出された放射性炭素同位体
をトレーサーとして利用することで、菌従属栄養植物※1の生体内の炭素
がいつ光合成によって
固定されたかを検討した。その結果、複数の光合成をやめたラン科植物
が、サンプリング時期より数十年前に固定された炭素を利用しているこ
とを明らかにする。このことは、腐朽菌の菌糸を通じて枯れ木から炭素
を得ている植物が存在することを示めす。この研究により、複数種の菌
従属栄養植物が、腐食連鎖系に依存していることが明らかになる。菌類
が果たす重要な生態系機能として、「菌根共生」と「分解」があるが、
菌従属栄養植物は、この両者を搾取することに成功し繁栄をとげた稀有
な存在であるといえる。特に、本来自身の利益になりうる普通の植物と
でさえ菌根を作らないはずの腐朽菌が、自身に害を与える菌従属栄養植
物とだけ菌根を形成する事実は、非常に興味深い現象である。
✔この段階ではバイオマスの低エネルギー還元(分解過程)技術の確立
➲「オールバイオマスシステム」事業の実用は先になる。頑張りましょ
う。


世界最小PTCサーミスタを量産開始
20日、株式会社村田製作所は、世界最小*10603Mサイズ(0.6×0.3×
0.3mm)のモバイル機器向けPTCサーミスタ*2(通称:リセッタブルヒュ
ーズ)*3 「PRG03BC181QB6RL」を量産開始しまたことを公表。スマート
フォンをはじめとしたモバイル機器の高機能化・小型化に伴い、電子回
路の安定性を確保する小型の回路保護部品のニーズが高まり➲PTCサ
ーミスタは、ある一定の温度を超えると抵抗値が急激に上昇する特性を
有し、モバイル機器の組み立てや落下時に起こる回路の過電流を検知す
ることで、モバイル機器の異常や故障を防ぎぐ。従来品(1005Mサイズ)
に比べ、体積比で約80%、実装面積比で約70%の小型化を実現。また、
独自のセラミックス材料を用いることで、長期間安定した特性を維持す
ることができ、電子機器の安全性向上に貢献する。
✔小さいことは美しい?!面白い。つづけて2件の関連情報を看てみま
しょう。


図 開発したシート型センサーで撮像した静脈(左)、指紋(右)、脈拍
(下)。なお、個人保護のため画像の一部に加工が施されている。

指紋/静脈認証と脈拍計測の
同時計測可能な超薄型イメージセンサ

21日、東京大学と株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)は、指紋/静脈
の撮像と脈波の計測を同時に行なえるシート型イメージセンサーを開発。
急速に進む高齢化に向けて、患者自身やその家族によるセルフケアや在
宅医療の必要性が高まるなかで、健康状態を常に監視可能かつ患者本人
のデータであることが確認できる、生体認証の機能を備えたウェアラブ
ルセンサーが求められている。デバイスの形状にあわせて変形できるシ
ート型のイメージセンサーは、これまでも開発が行なわれてきた。生体
認証とバイタルサインの1つである脈拍を読み出す場合、高感度な「光
検出器」と高速な「スイッチング素子」がそれぞれ用いられるが、この
2つは相互が損傷を与えてしまうため、1つの小さな基板上に実装する
のが困難。  


研究グループでは、高効率の有機半導体を感光層に用いた光検出器と、
低温ポリシリコン薄膜トランジスタのアクティブマトリクスを用いた高
速読み出し回路を使用し、これらを高密度かつ相互に損傷なく集積する
プロセス技術を開発。3つの機能を内蔵した世界初のシート型イメージ
センサの作製に成功。前者は、指紋認証に必要とされる508dpiの撮像解
像度を満たしており、後者は静脈認証などに利用される波長850nmの光
(近赤外光)に対して高感度な「バルクヘテロ構造」の有機膜を感光層と
して備える。

このセンサで撮像した静脈や指紋の画像を一般的なCMOSセンサのもの
と比較したところ、静脈部分のコントラスト差は5%%以下にとどまっ
ており、ほぼ同等の性能を発揮することがわかった。さらに、多点の高
速読み出しが行なえるようになったことで、脈拍の分布も測定可能とな
った。今回開発されたセンサーの厚さは、高分子基板部分で10μm、シー
ト全体でも15μmと非常に薄く軽量。加えて、フレキシブル基板上に実装
されているため柔軟性が高く、ウェアラブルデバイスへ組み込みやすい。
グループでは、セルフケアや在宅医療でのなりすまし、病院でデバイス
を多数導入したさいの患者の取り違えの防止などにつながるとする。 
✔超薄膜の定義がいるますね。それほど容易に問題解決できる時代です
ね。寧ろ、恐ろしいのかもしれない。さらに、前に進もう。


産業技術総合研究所の研究グループは、比較的低温の熱源から電力を得
ることができる「自然冷却型有機熱電モジュール」を開発している。有
機熱電材料は、比較的低温の熱源を電力に変換できることから IoT機器
の電源用途などで期待されている。ところが、モジュール化する時、高
温部と低温部をつなぐ導電部材が熱伝導性に優れているため、「温度差
が作りづらい」という課題があった。有機熱電材料として厚さ50μmの
「PEDOT/PSS」膜100枚、導電部材として厚さ5μmの「ニッケル(Ni)」
箔(はく)99枚を、厚さ5μm(接合部分を除く)の絶縁性高分子膜(ポ
リイミドフィルム)で挟んだ積層型モジュールを作製する。





この時、PEDOT/PSSとNiの接触電気抵抗を増やさずに、Niの熱伝導を小
さくするなど、設計を工夫した。電気抵抗と熱抵抗のシミュレーション
を行ったところ、それぞれに最適値があることが分かった。
また、熱源
とモジュールの接触部を工夫し、モジュールに伝わる熱効率を向上。こ
の結果、熱源温度が120℃で熱電モジュールに50℃の温度差が生じ、約
60μW/cm2の出力密度が得られる。従来は温度差が得られるようモジュー
ルに放熱フィンやヒートシンクを取り付け強制冷却していたが、開発し
たモジュールはその必要とせず、小型軽量化を実現する。研究グループ
は、試作した積層型モジュールで発電し、その電力を用いて無線送信機
器を駆動させた。これらの実験により、現場のセンサーで収集した温度
と湿度のデータをスマートフォンに送信し、モニタリングできることを
確認。開発した有機熱電モジュールの外形寸法は22×22×5mmと小さく、
重さはわずか5gである。


亜鉛で経済的な長期エネルギー貯蔵システム
電気エネルギーを亜鉛金属に長期保存可能な亜鉛の電気化学セルシステ
ムが報告されている。これのシステムセルは、エネルギーの吸収、貯蔵、
供給の特徴的な3の機能部位から構成----エネルギーは上部の電着によ
り、亜鉛金属に吸収され配置、底部の亜鉛溶解により。亜鉛金属は間の
中間セクションと交差し、沈着と溶解の部位で構成される。亜鉛金属を
使用することで、低コストでエネルギーを長期貯蔵を実現できる電極で、
また、沈着と溶解別々のスペースに亜鉛を入れることで、「充電と放電
の独立した動作」が同時進行----電力の受信と出力を同時進行を実現
このデュアルパワーセルと呼ばれセル設計と原理実証試験結果の報告と
特性及び潜在的な応用展開並びにシステムの保存電力コストについても
解説する。
【要点】
Znリアクターは、独特の構造を持つ電気化学セル特徴次の3つ。
①上部に亜鉛金属が形成され、エネルギーを吸収する充電セクション。
②亜鉛金属が溶解し、エネルギーを放出する下部の放電部。
③亜鉛金属が保管されている中央のセクション。


図5 下図2に示す設計に従って作成されたプロトタイプセルの写真

図3 金属蒸着用の個別のアクティブ領域を備えたカソードの概略図



図2 
電気化学セルの基本的な構造設計----空気を導くためのパイプ、
および空気カソードに接続する導線の概略図ではない----概略図



図1 
デバイスベースの技術とマテリアルベースの技術の違い



図11 
電力コンポーネントの3つのコストシナリオ----ランタイム関
数のエネルギー貯蔵----単位コストの計算結果


バッテリーのスイートスポットを発見
21日、米国のライス大学の研究グループは、シリコンアノード、カソ
ードを保護するアルミナコーティングを備えたセルでテスト----
共通カ
ソードに適用された金属酸化物の薄い層は、電気自動車やより堅牢なオ
フグリッドエネルギー貯蔵向けのバッテリーにつながる新しい現象を明
らかにしたことを公表。
シリコンやNMCなどの高エネルギー密度の電極を
組み合わせると、高エネルギーの電気自動車の需要の高まりに対応でき
き、
マクロポーラスシリコンアノードと容量制限充電によって安定した
循環性を提供するアルミナ被覆NMCカソードを使用したフルセル設計法を
公表----
カソードにアルミナパッシベーションを備えた提案のSi-NMCフ
ルセル設計は、カソードパッシベーションのないSi-NMCフルセルよりも1.
2倍高いエネルギー密度で、1000 mAh / gの安定した容量を示し。
さま
ざまな構造および化学分析を行い、変更されたハーフセル電極充電メカ
ニズムおよびSiアノードとの電気化学的フルセル反応に対するアルミナ
コーティングの役割を体系的に調査。
この研究で設計されたアルミナ
不動態化Si-NMCフルセルは、Liトラップの興味深い電気化学的挙動を解
明し、高エネルギー用途向けのSi-NMCバッテリーの効率的な利用におけ
る重要な経路を明らかにした。


✔ここ2、3年以内に先進的な系統&独立エネルギー貯蔵システムが市
場投入されることとなるだろう。


空中・水中・宇宙を飛行可能な物体に関する特許
アメリカ海軍では以前からパイロットがUFOを目撃したという事例が存在
その中にはトップシークレットの報告書が存在することがわかっている
が、アメリカ海軍は目撃するにとどまらず、自ら「UFO」を生み出そうと
している模様。それは、空中・水中・宇宙を飛行・航行可能な機体に関
する特許出願されている。この「クラフト(飛行機)」と称されるものは、
説明によれば真空エネルギー状態を用いて、熱の痕跡を残すことなく、
大気中・水中・宇宙で等しく飛行(航行)可能だとのこと。中国も同様の
航空宇宙技術にすでに多額の投資を行っており、この特許が必要である
旨の主張を海軍航空試験センタが行っている。具体的には、19年に
IEEE TPS
にコンパクト核融合炉に関する論文が掲載されているものの、
何者かはほとんどわかっていない。アメリカでは「TR-3B」と呼ばれる、
このクラフトと似た形状の機体の目撃情報が出ており、そう遠くない未
来、を公に目にする機会が来るかもしれないと、ギガジン(1月24日付)
が伝えている。


✔ 短時間で端折り興味のあるところをチョイスしてみた。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暮るる待つまもさだめなき世に

2020年01月22日 | ネオコンバーテック

                       

10 先 進 せんしん 
----------------------------------------------------------------
「顔淵死す。子曰く、『ああ、天われを喪ぼせり。天われを喪ぼせり』
」(9)
「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」(12)
「過ぎたるは、なお及ばざるごとし」(16)
「道をもって君に沢え、不可なれば止む」(24)
「なんぞ必ずしも書を読みて、然る後に学ぶとなさんや」(25)
----------------------------------------------------------------
9 顔淵が死んだ。孔子は絶望した。
「ああ、わたしは天から見放されたのだ」

顔淵死、子曰、噫天喪予、天喪予。
When Yan Hui passed away, Confucius cried, "Alas! Heaven has forsaken
me! Heaven has forsaken me!"



佐竹本三十六歌仙下句トレッキング㉞:
暮るる待つまもさだめなき世に
#TheThirtySixImmortalPoets#MibuNoTadami  

夢のごとなどか夜しも君を見む暮るる待つまもさだめなき世に    拾遺734

まるで夢のように、なぜ夜に限ってあなたを見るのだろうか。日が暮れ
るのを待っている間さえ、どうなるか分からないこの世にあって。

あさみどり春は来ぬとやみ吉野の山の霞の色に見ゆらむ   続後撰3

うっすらと青く春が来たというわけだろうか、吉野の山が霞の色に見えるのは。

天暦8年(954年)に御厨子所定外膳部、天徳2年(958年)に摂津大目に叙任さ
れたことが知られるほか、正六位上・伊予掾に叙任されたとする系図もあるが、
詳細な経歴は未詳。
歌人としては天暦7年(953年)10月の内裏菊合、天徳
4年(960年)の内裏歌合に出詠するなど、屏風歌で活躍した。勅撰歌人
として『後撰和歌集』(1首)以下の勅撰和歌集に36首入集。
家集に『忠見集』がある。

佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代(1
3世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来した、三
十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。書は後京極良
経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻物で、各巻に18
名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描かれていたが、191
9年(大正8年)12月20日に各歌人ごとに切り離され、掛軸装に改
められた。原型とは異なっているが、一部を除き重要文化財に指定され
ている。


  

【ポストエネルギー革命序論134】


世界初、固体型色素増感太陽電池モジュールの販売
さあ、今夜もとばしていきましょう。まずは、株式会社リコーは、室内照明
のような微弱な光においても高い発電性能を発揮する固体型色素増感太
陽電池モジュール「RICOH EH DSSCシリーズ」を、2月下旬から順次販売
することを15日公表している。製品は、固体材料のみで構成しており、
高い安全性と耐久性を実現。固体型色素増感太陽電池モジュールの発売
は世界で初めて。と言う喜ばしいニュースから。



すべてのモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)社
会では、モノに取り付けられた各種センサーの情報をインターネット経
由で収集しモノの状態や位置などを把握することで、快適な生活を可能
にする。今後はさまざまなモノにセンサーが搭載されることが予想され、
それらのセンサーを稼働させる自立型電源として、身のまわりにある光
や熱、振動などから発電するエネルギーハーベスト(環境発電)が注目
されてきた。中でも、太陽電池は光があればどこでも発電でき、さらに
室内光でも良好な発電性能を示す色素増感太陽電池への関心が高まって
いる。リコーが販売を開始する「RICOH EH DSSCシリーズ」は、リコーが
複合機の開発で培った有機感光体の技術を応用して開発したもので、従
来の液体型色素増感太陽電池における電解液を有機半導体材料等で構成
しており、電解液を用いる電池が抱える液漏れや腐食といった安全性や
耐久性に対する課題を解決。また、室内光源波長に適した有機材料の設
計および、デバイス構造の最適化を実現し、照度の低い室内光でも反応、
発電性能を大幅に向上。倉庫などの明るさの十分でない場所でも高効率
の発電を可能にする。

発売する「RICOH EH DSSCシリーズ」は、「RICOH EH DSSC5284」「同
DSSC2832」「同 DSSC1719」の3つをラインアップしました。このうち、
一番大きいサイズの「RICOH EH DSSC5284」は、大成株式会社と株式会
社デザインオフィス ラインのバッテリー搭載型デスク「LOOPLINE T1(
ループライン ティーワン)」(2019年6月に発売)に採用。リコーは、
固体型の色素増感太陽電池モジュールそのものの提供を開始することで
各種センシングデバイスや発光デバイス、スイッチなどの自立型電源と
して活用、広くIoT社会における電力供給に貢献することを目指す。



人工タンパク質で「難治性皮膚潰瘍」治療
21日、京都大と三洋化成工業(京都市)などの研究チームは21日、難
治性皮膚潰瘍を治療するための人工たんぱく質「シルクエラスチン」を
開発、脚の皮膚潰瘍に対する有効性を確認する企業主導治験を今月から
始める。医療機器として承認を得て、2022年の販売開始を目指す。難治
性皮膚潰瘍は糖尿病などが原因で、治療には傷を乾燥させず、細菌感染
を防ぐ必要がある。シルクエラスチンは人工皮膚の材料に用いられるた
んぱく質などから遺伝子組み換え技術で作製し、水溶液は加温するとゲ
ル化する特徴。治療では、シルクエラスチンをスポンジ状にして傷に貼
り、上からフィルムで密閉。体液がしみ出てゲル化し、組織を形成する。
研究チームは既に、6人の患者に対する医師主導治験で安全性を確認。
使い方を変えることで、医師主導治験と比べて)もっといい結果が出る
のではと期待している。 




RE100加盟企業の半数が再エネ50%超
RE100は“事業活動で用いる電力を再生可能エネルギー100%にすること”
を目指す大手企業の連合体(本部:イギリス)だ。2019年12月に発表さ
れた最新の年次報告書によると、加盟企業数は全世界で200社超。その
うち約半数の企業が既に事業用電力の50%以上を再エネに切り替え、30
社以上が100%目標を達成している。パリ協定以降、気候変動対策(脱
炭素化)は、国家のみならず企業にとっても大きな課題となっている。
脱炭素化への取り組みが、企業価値に直結し、投資家の判断材料として
も重視される時代だ。再エネ導入は脱炭素化への取り組みそのものであ
り、RE100への加盟は、そうした企業姿勢をアピールする絶好の機会と
もなっている。しかし、RE100は大手企業を対象とした連合体。具体的に
は、年間10GWh以上(日本の場合)の電力消費量がある企業でなければ加
盟することはできない。たとえ再エネ100%に向けた実効性のある取り組
みを進めていたとしても、電力消費量が基準に満たない中小企業では受
け付けてもらえない。

「RE100の対象とならない企業・団体の電力需要は日本国内の約40~50%
程度を占め、数にして約400万団体に上り、中小企業の購入電力単価は大
企業と比べて高めに設定されているケースが多く
、再エネ転換へのハー
ドルは相対的に低く、潜在的ニーズは高いと考えられます。実際、RE100
が認知されるようになる。こうした盛り上がりを受けて、中小規模の組
織でも参加できる新たな枠組みを発足させている。仮に、対象となる400
万団体すべてが100%再エネを実現したとすれば、日本の消費電力の半分
近くが再エネということになる。RE100の対象となる国内企業は1万社ほ
どであり、日本の消費電力全体に占める割合は20~30%なので、国内に
おける影響力はRE Actionの方が大きい。それでは、再エネ100%という
目標を達成するには、どうしたら良いのか。RE Actionは、そのための情
報提供や各種支援も行っている。中でも注目されるのが、再エネ拡大に
向けたWebプラットフォーム「脱炭素コンソーシアム」の構築だ。脱炭素
コンソーシアムは、富士通が開発したデータ流通・利活用基盤「Virtuora
DX」を使ったインターネット上のコミュニティであり、再エネに関する
需給マッチングを可能にする。富士通によると「Virtuora DXは、データ
の改ざんが実質不可能であるブロックチェーン技術を拡張し、企業や組
織が保有するデータの概要情報をポータルサイト上で安心・安全に共有、
見える化することで、異業種間共創を加速するデータ流通・利活用サー
ビス」である。


そこで、需給マッチングでは、再エネを導入したい企業が所在地や消費
電力などの需要情報を、再エネを供給する企業は電力プランや料金など
の供給情報を、それぞれに登録する。登録された再エネ需要情報と供給
情報が、データ間のつながりを可視化する「KeyGraph」で表示され、需
給ニーズのマッチングが可能になる。マッチングが成立した企業や団体
間では、データを暗号化して安全に共有する機能を用いて、具体的なや
りとりを実施する。RE Actionは、脱炭素コンソーシアムに参加メンバ
ーのアセットを集積し、将来的には「日本最大の脱炭素ビジネスプラッ
トフォーム」に育てていきたいとのこと。気候変動が危機的な状況にあ
るなか、日本では脱炭素化の進展が遅れているいまこそ、再エネ普及へ
のシグナルを放ちはじめた大小需要家の声に耳を傾ける。



世界最高、30cm角のペロブスカイト太陽電池
20日、パナソニックは大きさ30cm角、開口面積802cm2、厚さ2mmのペロ
ブスカイト太陽電池モジュールを開発し、「世界最高」のエネルギー変
換効率16.09%を達成したことを公表。ガラスを基板とする軽量化技術や、
インクジェットを用いた大面積塗布法の改良により実現したもので、従
来は設置が困難だった場所での高効率な太陽光発電を低コストで実現で
きる。ペロブスカイト太陽電池は現在主流のシリコン系の太陽電池と比
較し、高い変換効率と低い製造コストが期待できるため、次世代の太陽
電池として注目されている。加えて、その構造上、発電層を含む厚みが
結晶シリコン太陽電池の100分の1程度と薄いため軽量化しやすいという
特徴がある。軽量化できれば建物など、従来は重量の制約から設置でき
なかった場所にも、太陽光発電を導入しやすくなるメリットがある。

今回、同社が新たに開発した技術は2つ。1つはインクジェット塗布に
適合した塗布液組成の改善だ。ペロブスカイト太陽電池の製造において、
大面積に精細で均一な層材料の塗布が可能なインクジェット法が用いら
れている。そこで、ペロブスカイト結晶を構成する原子団のうち、モジ
ュール作製における加熱工程において、熱安定性に課題のあるメチルア
ミンの一部を、分子あるいは原子が適度に大きく、加熱脱離抑制効果の
あるホルムアミジニウム、セシウム、ルビジウムに置き換えて結晶の安
定化を図り、高変換効率化に貢献する塗布液を開発することに成功。
 


もう1つは、塗布液濃度および塗布量の調整などを高精度化する、イン
クジェット製造システムの制御技術の開発。インクジェット塗布法を用
いた薄膜作製工程では、塗布パターンを自由に変更できる反面、材料を
ドット状に塗布・製膜後、塗布面内で均一に結晶化させる必要がある。
これらの要件を満たすため、塗布液濃度を一定範囲で調製した上で、塗
布工程における塗布量・速度を精密に制御することにより、大面積モジ
ュールでの高い変換効率化を実現。
パナソニックとNEDOは今後、大面積ペロブスカイト太陽電池モジュール
のさらなる低コスト化、軽量化により、これまで太陽電池が設置、適用
されていなかった新市場への導入拡大を目指す。これに向け、ペロブス
カイト層の材料開発により、結晶シリコン太陽電池モジュールに匹敵す
る高効率化を目指し、プロジェクトの最終目標であるモジュール生産コ
スト15円/Wの実現を目指す方針


「EVはごみ収集車に最適」 22年から量産
16日、ドイツのダイムラー・トラック(Daimler Trucks)は、ごみ収
集車や消防車などの架装用ベース車である「Econic」を電動化し、2022
年から量産する計画であると発表した。新たな電気自動車(EV)となる
「Mercedes-Benz eEconic」は、先に電動化した大型トラック「eActros」
を基にした構造で、まずはごみ収集車として提供する。2021年に地方自
治体で試験運用を始め、2022年には量産を開始する予定。欧州では陸上
輸送の8割をトラックが担う。環境問題により大型トラックのEV化が期待
されているものの、電池容量が少なく1回の充電で走行できる距離が
eActrosで200kmと短いため、現状では長距離輸送には向かない。これに
対し、ごみ収集車は都市部で毎日決まったルートを走行し、1日の走行
距離が最大でも100km程度と短く、EVに適している。さらに住宅地を回る
ごみ収集車は、EV化により大幅に騒音を低減できる。また、頻繁に停止・
発進を繰り返すため回生ブレーキを使って効率を高めることができる。
Daimler Trucksは、持続可能な企業を追求しており、2039年までに欧州、
日本、北米で販売する全ての新車を「Tank to Wheel(タンクから車輪
まで)」でCO2ニュートラルにするとしている。eActrosはすでに一部の
ユーザーで試験運用を始め、2021年に量産する予定だ。米国では、中型
トラックの「Freightliner eM2」と大型トラック「同eCascadia」の試験
運用を開始した。小型トラック「FUSO eCanter」は、すでにニューヨー
ク、東京、ベルリン、ロンドン、アムステルダム、パリ、リスボンとい
った世界中の都市で140台が使用されている。また、2020年代の終わりま
でに水素燃料で駆動する量産車を追加することを目指す。
日本は技術ではトップだが、経営と政治は二流以下?で心配だ。世界に貢
献するだけでもそれは価値がある。そんな訳で今夜はこの辺でお休み。
                            


拡大する貧困 ダボス会議からの報告
20日、世界の富裕層の上位2100人余りの資産を足し上げると、世界の
総人口のおよそ6割に当たる46億人の資産の合計を上回ることが、国際
的なNGOがまとめた報告書でわかった。
世界の貧困問題に取り組む国
際的なNGOの「オックスファム」は、スイスで開催されている「ダボ
ス会議」にあわせ経済格差に関する報告書を公表。
それによると、去年
の時点で10億ドル以上の資産を持つ富裕層2100人余りの資産の合計は、
世界の総人口のおよそ6割に当たる46億人の資産の合計を上回っていた。
そのうえで、上位1%の富裕層が今後10年間、税金を0.5%多く払えば、
介護や教育などの分野で1億1700万人を新たに雇うことができる金額に
なるという。
報告書は男女の経済格差に関連して、主に女性が担ってい
る介護や育児などの無報酬の労働の価値は、年間で少なくとも10兆800
0億ドルに相当すると推計。
政府が介護などの分野に投資し、女性に適切
な賃金が支払われるしくみを作るべきだと提言も行った。
各国に格差の
解消に向けた取り組みを求めた。


【コズテル自治会誌:#Costail#ResidentAssociat#Diary】
悪戦苦闘中!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

涙の川を言ふにぞありける

2020年01月21日 | ネオコンバーテック

                       

10 先 進 せんしん 
----------------------------------------------------------------
「顔淵死す。子曰く、『ああ、天われを喪ぼせり。天われを喪ぼせり』
」(9)
「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」(12)
「過ぎたるは、なお及ばざるごとし」(16)
「道をもって君に沢え、不可なれば止む」(24)
「なんぞ必ずしも書を読みて、然る後に学ぶとなさんや」(25)
----------------------------------------------------------------
8 顔淵が死んだとき、父親の順路が孔子に無心した。外棺をあつらえ
る費用に、先生の車をいただけないでしょうか」
孔子は言った。
「たといできの悪い息子でも、わが子はわが子、かわいさに変わりはな
いのだ。わたしが息子をなくしたときにも、車を手離してまで外棺を作
ってやりはしなかったよ。わたしとて大夫の末席に列なる身、徒歩で外
出するわけにはいかないのだ」
〈息子〉 名は鮑。宇は伯魚。孔子が六十九歳のときに死んだ。

顔淵死、顔路請子之車以爲之椁、子曰、才不才、亦各言其子也、鯉也死、
有棺而無椁、吾不徒行以爲之椁、以吾從大夫之後、不可徒行也。
When Yan Hui passed away, his father Yan Lu begged Confucius'
arriage to make an outer shell of his son's coffin. Confucius said,
"Every father loves his child. When my son Li died, I also could
not make an outer shell of coffin for him. I could not sell my
carriage for an outer shell of coffin. I am one of ministers.
So I must not walk to the palace."

 藤原 仲文
佐竹本三十六歌仙下句トレッキング㉝:
涙の川を言ふにぞありける
#TheThirtySixImmortalPoets#FujiwaraNoNakafumie  

ながれてと契りしことは行末の涙の川を言ふにぞありける
                                                   新後拾遺 1451

「月日が流れてのちいつまでも」との思いであの人と「流れて…」と約
束を交わしたのは、将来、涙の川が流れることを言っていたのだ。


佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代(1
3世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来した、三
十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。書は後京極良
経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻物で、各巻に18
名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描かれていたが、191
9年(大正8年)12月20日に各歌人ごとに切り離され、掛軸装に改
められた。原型とは異なっているが、一部を除き重要文化財に指定され
ている。


  

【ポストエネルギー革命序論133】

 図2

酵母細胞表層の異種タンパク質の立体配置を制御
さあ、今夜はとばしていきましょう。まずは、神戸大学先端バイオ工学研究セン
タの研究グループは、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeの細胞表層(細胞壁)
発現させた異種生物由来のタンパク質の局在(立体配置)を人為的にコントロー
ルできることを発見し、その現象を利用して酵素などを酵母の細胞表層に、より
効率的に集積させる技術を開発たことを公表。この研究成果は、酵母の細胞表層
に異種タンパク質を集積し機能性を付与する「細胞表層工学」において、「異種
タンパク質の立体配置」という全く新しい観点からの改良を可能にするものであ
り、バイオプロダクションや医療など、細胞表層工学を利用した様々な分野にお
ける酵母の機能性強化できそうだ。
【要点】
①酵母の細胞壁空間に異種生物由来のタンパク質を固定・集積することで、様々
な機能性を付与された酵母を作り出すことができる。 
②母の細胞壁に異種タンパク質を固定する際に、そのタンパク質の固定される局
在 (立体配置) をコントロールできることを明らかにした。 
③この局在制御技術を用いて酵母の細胞表層におけるセルロース分解酵素群 (セ
ルラーゼ) の配置を効率化した結果、セルロース分解能力が向上し、植物バイオ
マス (稲わら) の水熱処理物からのバイオエタノール生産量が約30%%向上。
④開発された新技術は、バイオプロダクションや医療など、細胞表層工学を利用
した様々な分野における酵母の機能性向上に貢献。

 図1

【今後の展開】
従来の細胞表層工学において、酵母細胞の機能性強化は主に「如何に効率よく、
大量の異種タンパク質を細胞表層に固定するか」という観点から行われてきた。
今回の研究成果は、「細胞表層における異種タンパク質の立体配置」という、全
く新しい観点からの機能性強化を可能にするものです。図2に示したような酵素
のすみ分けによるバイオマス分解能力の向上はもちろんのこと、抗体を細胞壁の
最外層に優先的に固定することでサイズの大きい抗原に対する接触性を高め、よ
り効率の良い抗体選別を可能にするなど、細胞表層工学を利用した様々な分野に
おける酵母の機能性強化への応用が期待されている


世界初!原子の「結合・分離・再結合」映像
複数の原子が結合することで分子となり、分子を構成する原子の数や種類が変
化すると、分子の特性も大きく変化する。化学における基本のひとつである、
原子同士が結合したり分離したりする様子が、世界で初めて映像として記録さ
れました。原子の結合・分離の過程は、これまで映像で記録することができて
いなかった。その理由は、原子同士が結合する際の「化学結合」が、人間の髪
の毛の幅の約50万分の1という非常に小さなスケールで発生する。
しかし、この非常に小さなスケールで起こる化学反応を、国際的な研究
チームが映像として捉えることに成功する。映像の撮影方法および映像
そのものは、科学誌のScience Advances上で公表、研究チームによると、
直径1~2nm(ナノメートル)程度のカーボンナノチューブの中に2つの
レニウム原子を閉じ込めここで原子の結合・分離する様子を撮影してい
る。なお、撮影には標本に電子線をあてて視覚化することで画像を作成
する透過型電子顕微鏡(TEM)が用いられている。原子の結合・分離プロ
セスを映像として記録したのは、ノッティンガム大学の研究グループが
率いる研究チーム。カーボンナノチューブ内でのレニウム原子の結合・
分離の様子は以下の映像で確認できる。






図2 半導体ポリマーとフラーレン誘導体における分子軌道(HOMO
とLUMO)が持つエネルギー準位の関係

PNTz4Tにフッ素を導入するとHOMOとLUMOのエネルギー準
位が変化する。Aの位置にフッ素を導入するとHOMOの準位のみ低下
し、ΔHLは大きくなるため電圧は向上するが、gも大きくなるため
電流は低下する。AとB両方にフッ素を導入するとHOMOとLUMO
が低下し、ΔHLは大きくなり、gは保持される。

有機薄膜太陽電池の変換効率を向上、新しい半導体ポリマー
1月15日、最外層に優先的に固定することでサイズの大き広島大学らの共同
研究チームが、次世代太陽電池として期待される有機薄膜太陽電池の高
効率化につながる成果を発表。製造材料の1つである新しい半導体ポリ
マーの開発に成功したことを公表。有機薄膜太陽電池は、半導体ポリマー
をp型半導体材料、フラーレン誘導体をn型半導体材料として用いる。半
導体材料を含んだインクを塗布することで作製できることから、低コス
トかつ低環境負荷なプロセスで製造でき、大面積化が容易という特徴を
持つ。軽量かつ柔軟であることに加え、半透明にすることが可能で、セ
ンサやモバイル・ウェアラブル端末、窓、ビニールハウス向けなど、現
在普及している無機太陽電池では実現が難しい分野に適用できる、新た
な電源として注目されている。 実用化の課題となっているのが、変換
効率と耐久性の向上だ。有機薄膜太陽電池は光、熱、酸素、水分などに
より劣化することから耐久性の低さが指摘されている。さらに、幅広い
分野への適用を目指すためにも、変換効率の向上が求められている。今
回研究グループでは変換効率の向上を目指し、有機薄膜太陽電池の材料
となる新たな半導体ポリマーの開発に取り組んだ。有機薄膜太陽電池に
適した半導体ポリマーを開発には、ポリマーの分子軌道や結晶性、分子
配向を制御することが重要になる。
このような半導体ポリマーの性質を制御する上で、フッ素原子の導入が
有効であることが知られているが、導入する方法は限られていたという。
そこで、広島大学の研究グループが以前に開発した、当時世界最高レベ
ルの変換効率を示したという「PNTz4T」という半導体ポリマーと、大阪
大学の研究グループが最近新たに開発したフッ素導入技術の融合で、新
しい半導体ポリマーの実現を目指した。その結果、PNTz4Tの化学構造に
対して、これまで不可能だった位置にフッ素を導入することに成功。こ
れにより、半導体ポリマーの分子軌道エネルギーの準位を、有機薄膜太
陽電池に応用する上でより理想的な準位に制御することができ、変換効
率を向上させることに成功した。さらに、フッ素原子を導入する位置に
よって、半導体ポリマーの分子配向が大きく異なり、太陽電池の変換効
率につながる、電荷輸送や電荷再結合に影響を及ぼすことも明らかにし
た。今後はさらに異なる位置へのフッ素導入や、分子軌道エネルギーの
準位が低下しても分子配向などに影響を与えない原子や官能基の導入技
術の開発により、電流や電圧に悪影響を与え、変換効率が低下する電荷
再結合の抑制に取り組む方針だ。また、今回適用したフッ素導入の技術
は、他の半導体ポリマーに応用することも可能であり、有機薄膜太陽電
池のさらなる高効率化にも寄与できるとしている。
【要点】
①フッ素原子を持つ新しい半導体ポリマーの開発により、塗布型有機薄
膜太陽電池(OPV)の高効率化に成功。
②フッ素の導入位置が半導体ポリマーの性質や太陽電池性能に及ぼす影
響を解明。



「行動の10年」再エネシェアを倍増、エネルギー移行目標達成
アブダビ、アラブ首長国連邦、2020年1月12日-国際再生可能エネルギー機関
によると、世界のエネルギー変換を促進し、持続可能な開発目標と気候安全
への道を達成するために、世界の電力における再生可能エネルギーのシェア
は30年までに2倍以上になると予測( IRENA)。再生可能電力は、現在の
26%から10年の終わりまでに世界の電力の57%を供給。IRENAの第10
回年次総会に発行された新しい小冊子「10年:行動への進歩」は、最近の世
界的な進歩を図示し、再生可能エネルギーのスケールアップに必要な措置を
概説。エージェンシーのデータは、年間再生可能エネルギーへの投資が、現
在の約 3,300億米ドル から倍増する必要があることを示す。必要な投資の多
くは、計画されている化石燃料への投資をリダイレクトすることで満たすこ
とができる。約10兆米ドルの再生不能関連のエネルギー投資は30年まで
に計画されており、取り残された資産を危険にさらし、この10年間で世界
の1.5℃度の炭素予算を超える可能性がある。
これを確実に実現するために、今後10年間でより強力な有効化ポリシーと
投資の大幅な増加の必要性に緊急に対処する必要があり、再生可能エネルギ
ーは持続可能な開発の鍵を握っており、世界中のエネルギーおよび経済計画
の中心となると予測する。
いまや、再生可能エネルギーソリューションは、手頃な価格で、すぐに利用
でき、大規模に展開できる。低炭素の未来を前進させるためにIRENAは知識
交換をさらに促進し、パートナーシップを強化し、民間部門のリーダーから
政策立案者まで、すべての利害関係者と協力して現場での行動を促進。 それ
が可能であることは自明であると関係者は語っている。そして、追加の投資
は、不作為の結果として気候変動によって引き起こされる大幅な損失を最小
限に抑えるなど、外部のコストを大幅に節約する。節約額は、30年までに
年間1.6兆米ドルから3.7兆米ドルに達する可能性があり、エネルギー変
換の投資コストの3〜7倍となる。


技術コストの低下は、再生可能エネルギーのケースを引き続き強化。 IRENA
は、過去10年間で太陽光発電のコストがほぼ90%低下し、陸上風力タービ
ンの価格がその期間に半減。この10年の終わりまでに、太陽光発電と風力発
電のコストは、従来のエネルギーを一貫して打ち負かす可能性があります。
2つの技術は、世界の電力需要の3分の1以上をカバーできる。再生可能エ
ネルギーは、持続可能な開発の主要目標であるエネルギーアクセスのギャッ
プを埋める重要なツールとなるす。オフグリッドの再生可能エネルギーは、
エネルギーアクセスを拡大し、約1億5千万人に提供に重要なソリューショ
ンとして浮上。IRENAのデータは新しい電力アクセスの60%が、新規アク
セスのほぼ半分に手段を提供するスタンドアロンおよびミニグリッドシステ
ムにより、今後10年間で再生可能エネルギーによって満たされることを示
している。


【コズテル自治会誌:#Costail#ResidentAssociat#Diary
悪戦苦闘中。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする