極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

最新水素燃料電池技術

2020年01月19日 | ネオコンバーテック

                       

10 先 進 せんしん 
----------------------------------------------------------------
「顔淵死す。子曰く、『ああ、天われを喪ぼせり。天われを喪ぼせり』
」(9)
「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」(12)
「過ぎたるは、なお及ばざるごとし」(16)
「道をもって君に沢え、不可なれば止む」(24)
「なんぞ必ずしも書を読みて、然る後に学ぶとなさんや」(25)
----------------------------------------------------------------
7 季康子問う、「弟子、たれか学を好むとなす」。孔子、対えて曰く、
「顔回なる者あり、学を好む。
不幸、短命にして死せり。今や、すなわちなし」。(重出、六-3)

季康子問、弟子孰爲好學、孔子對曰、有顔囘者、好學、不幸短命死矣、
今他則亡。
Ji Kang Zi asked, "In your pupils, who likes learning?" Confucius
replied, "There was Yan Hui who learned eagerly. But unfortunately,
he passed away in his youth."

  

【ポストエネルギー革命序論132】


燃料電池劣化を大幅抑制する白金‐コバルト合金水素極触媒

1月14日、NEDOは燃料電池自動車(FCV)用燃料電池の革新的な電極触媒や電
解質膜の開発事業を行っている。今般、NEDOと 山梨大学、田中貴金属工業(株)
は、固体高分子形燃料電池の水素極における電解質膜劣化の原因となる過酸化水
素(H2O2)の発生を半分以下に抑制可能な白金-コバルト合金水素極触媒の開発
に世界初の成功した。
この触媒を燃料電池に組み込むことで、従来の燃料
電池向け市販白金水素極触媒を用いた場合に比べ、電解質膜の耐久性

4倍以上に高められる。これにより、FCV や定置用燃料電池の耐久性の
飛躍的な向上が期待できる。今回、NEDOと国立大学法人山梨大学、田中
貴金属工業株式会社が、①電解質膜を分解劣化するラジカル発生源とな
る過酸化水素(H2O2)の発生速度を大幅に抑制する白金-コバルト合金水
素極触媒を開発。②また、試作触媒でのH2O2発生速度抑制効果をもとに、
白金‐コバルト合金ナノ粒子/炭素触媒(以下、PtCo/CHT触媒)の量合
成を可能にした。③そして、このPtCo/CHT触媒の H2O2発生速度が、従来
使用されてきた市販の白金/高表面積カーボンブラック担体触媒(以下、
市販Pt/CB触媒)に比べて半分以下に抑えられることを確認(上図1(
A))。
このPtCo/CHT触媒を水素極として塗布した電解質膜を用いた燃
料電池単セルの加速劣化試験を行ったところ、従来の燃料電池向け市販
Pt/CB触媒を水素極に用いた場合に比べて、耐久性が4
倍以上向上する
ことがわかりました(図1(B))。これにより、FCVや定置用燃料電池
の耐久性の飛躍的な向上が期待できる。
今後、山梨大学と田中貴金属工
業(株)は、自動車会社などと連携してPtCo/CHT触媒を用いた燃料電池
を試験し、高性能・高耐久化に向けた研究開発を進める。また、種々の
先端的解析法と計算科学により作用機構を多角的に解明して、さらに高
性能な触媒設計指針の確立を目指す。

【要約】
ヒドロキシルラジカル(˙OH)は 燃料電池で使用されるプロトン交換膜
(PEM)の劣化の多くの原因です。従来のアプローチは、PEMに組み込ま
れたラジカルスカベンジャーを使用することでしたが、パフォーマンス
は低下する。ここでは、˙OH の前駆体である過酸化水素の生成が水素ア
ノードで抑制され、吸着された水素原子によってカソードから拡散する
酸素が減少する、直観に反する戦略を提案します。これは、Ptスキンで
覆われたPtCo合金アノード触媒を使用することで実現され、理論計算で
示されるように、Hが弱く吸着されます。特に、80°Cの実用温度での水
素アノードでのH2O2生成は、初めて、チャネルフローダブル電極(CFDE)
技術の適用によって評価されました。市販のPt / Cアノードと比較して、
PtCo / Cアノードを使用したPEMの寿命が著しく長いことは、単一セル(
加圧ガス下での開回路)の加速ストレステストで実証されている。

❏耐酸性を高めた白金スキン/白金‐コバルト合金触媒
燃料電池は、電解質膜の両側の電極に水素と空気を供給して発電する(
下図2(A))。水素極では、水素が酸化されて水素イオン(H+)と電子
(e)が生成する。

H2 → 2H+ + 2e 反応式(1)

もう一方の電極には空気を供給しますが、酸素の一部が電解質膜を透過
して水素極の触媒に吸着した水素原子(Had)と反応して過酸化水素が副
成する。

2 Had + O2 → H2O2 反応式(2)

H2O2が鉄イオン(Fe2+)などの不純物と接触すると、発生した OHラジカル
(・OH)が電解質膜を攻撃して分解します。現在、 電解質膜として主に
用いられているパーフルオロスルホン酸膜は、フッ化物イオン(F) を
放出しながら分解し(図2(B)) 最悪の場合、水素と空気を分離する
機能が失われます。このような分解を抑制する手段の一つとして、電解
質膜にラジカル捕捉剤を加える方法があるが、この方法には、燃料電池
の使用中に捕捉剤が膜内を移動して効果が低下、捕捉剤の加えすぎによ
り燃料電池の出力性能が低下する、といった問題があった。そこで、山
梨大学は、ラジカル発生源である過酸化水素の発生速度自体を抑制する
ことが最も有効な電解質膜の劣化抑制対策であると考え、今回の研究を
実施する。

図2(A)燃料電池作動時の各電極での反応、(B) 水素極部分の拡大図
水素発生とOHラジカルによる電解質膜の分解劣化
固体高分子形燃料電池の電解質膜は強酸性である。この環境で反応式(1)
の水素酸化反応活性が高いのは白金であり、これまでは市販Pt/CB触媒
が使用されていた。今回、山梨大学は白金‐コバルト合金ナノ粒子の表
面構造を制御して耐酸性を高めた白金スキン/白金‐コバルト合金触媒
を試作し、市販の Pt/CB触媒に比べH2O2発生速度抑制効果が非常に大き
いことを発見。尚、この試作触媒の白金使用量当たりの水素酸化活性が
市販Pt/CBより高いことも確認している。白金スキンは、合金表面の数
原子層が白金で覆われている構造のために耐酸性が高く、その電子状態
が純粋な白金とは異なっている特徴がある(図3)。田中貴金属工業(
株)で量合成されたPtCo/CHT触媒にもそのような白金スキン層が生成さ
れているため、試作触媒と同様の特性を示す。固体高分子形燃料電池の
電解質膜は強酸性です。この環境で反応式 (1)の水素酸化反応活性が
高いのは白金であり、これまでは市販Pt/CB触媒が使用されている。

今般、山梨大学は白金‐コバルト合金ナノ粒子の表面構造を制御して
酸性を高めた白金スキン/白金‐コバルト合金触媒を試作し、市販のPt
/CB触媒に比べH2O2発生速度抑制効果が非常に大きいことを発見した。
なお、この試作触媒の白金使用量当たりの水素酸化活性が  市販Pt/CB
より高いことも確認。白金スキンは、合金表面の数原子層が白金で覆わ
れている構造のために耐酸性が高く、その電子状態が純粋な白金とは異
なっている(図3)。田中貴金属工業(株)で量合成されたPtCo/CHT
媒にもそのような白金スキン層が生成されているため、試作触媒と同様
の特性を示す。

図3 PtCo合金とPtスキン/PtCo合金
図4 PtCo/CHTと市販Pt/CB触媒を水素極に用いた燃料電池の加速劣化
試験(90℃)での
開回路電圧と水素透過速度の変化

❏加速劣化試験による性能比較
合成したPtCo/CHT触媒を厚さ25μmの電解質膜に水素極として塗布し、
空気極側には市販Pt/GCBHT(白金ナノ粒子を黒鉛化カーボンブラックに
担持し、熱処理)触媒を塗布して、標準サイズの燃料電池単セル(電極
面積29.2cm2)に組み込んで、加速劣化試験を行いました。この試験法は、
反応ガスを加圧して90℃、開回路状態(電流を流さない状態)でOHラジ
カルによる分解を加速するものです。 200時間ごとに水素透過速度を測
定し電解質膜の劣化度合いを調べた結果を示す(図4)。まず、比較対
象として市販Pt/CB触媒を水素極に用いた場合は、過酸化水素の発生な
どに起因する電解質膜の劣化により160時間で燃料電池の電圧が0.8V 程
度に急激に低下すると共に電解質膜の水素透過速度が使用開始時の 100
倍以上に増加した。また、解体後の検査では電解質膜が薄くなり小さな
穴あきの発生を確認した。 他方、今回開発したPtCo/CHT触媒を水素極に
用いた場合は、過酸化水素の発生などに起因する電解質膜の劣化などが
抑制され、600 時間後でも0.9V程度と高い電圧を長時間維持すると共に
水素透過速度は初期の 1.5倍の増加に抑えられました。約720時間後
には電圧が 0.85V以下へ低下したが、その電圧に達するまでの運転時間
が市販Pt/CB触媒を用いた場合の4倍以上に延びた。また、1000時間後
に水素透過速度が初期の約10倍まで増加したが、市販Pt/CB触媒を用い
た場合に比べて劣化が極めて緩やかであった。
また計算科学により、表
面に白金スキン層が存在するPtCo合金では水素原子の吸着が弱められて、
H2O2を生成しにくくなる作用機構も解明できた。
【結論】
① PEFCの水素アノードにPt-Co合金触媒を使用すると、過酸化物の生成

率が50%も低下する可能性があることを示す。② DFT(密度汎関数理論:
density functional theory)計算は、H2O2 生成の抑制がPt皮膚表
面の
HOPDの結合エネルギーの低下に起因することを示す。③PtCo /CHT

をアノード触媒として利用する燃料電池は、膜の化学的劣化の緩和によ
り、加速OCV条件 下で優れた耐久性を示した。④水素アノードでの過酸
化物生成の抑制を介してラジカル攻撃を抑制するこの一見反直感的なア
プローチは、次世代PEFCの開発に大きく貢献すると予想される。
【関連特許】
特開2019-111510 担持金属触媒及びその製造方法 国立大学法人山梨
大学
【概要】
下図1のごとく、担体微粒子の集合体である担体粉末と、前記担体粉末に担持
された金属微粒子130と、前記担体微粒子を被覆するように形>成された被覆
層140を備え、被覆層140は、プロトン伝導性を有す
るポリマーで構成さ
れ、被覆層140の平均厚さをdとし、金属微粒子
130の平均粒径をDとす
ると、以下の条件(1)~(2)の少なくと
も一方が充足される、担持金属触
媒。(1)0.18≦d/D≦0>32(2)0.18≦d/D≦0.55であ
り、かつ2.5nm≦D≦4.9nmで発電性能を高めることが可能な担持金属
触媒の提供。
【図1】担持金属触媒100の触媒構造のモデル図
【図2】図1から担体微粒子150を抜き出した図
【図3】図1における担体微粒子150の分枝160の状態を示す図


【符号の説明】1:製造装置 2:バーナー 2a:バーナーガス 3:原料
供給部 4:反応筒 5:回収器 5a:フィルタ 5b:ガス排出部 
6:ガス貯留部 6a :冷却ガス導入部 6b:スリット 
6c:内周壁 
6d:バーナー挿通孔 6g:冷却ガス 7:火炎 
13:外筒 13a:ミス
ト化ガス 23:原料流通筒 23a:原料 
溶液 23b:ミスト 100 
担持金属触媒 110:空隙 120
:結晶子 130:金属微粒子 140:
被覆層 150:担体微粒子 
160:分枝 200:固体高分子形燃料電池 
201:アノード 
202:カソード 203:負荷 210A:アノード側
ガス拡散層 
210K:カソード側ガス拡散層 220A:アノード側触媒層 
220K :カソード側触媒層 230:電解質膜


表1に示すように、0.18≦d/D≦0.55である場合に、質量活性が高く、
0.18≦d/D≦0.32である場合に、質量活性が特に高く、0.20≦d
/D≦0.32である場合に、質量活性がさらに高かった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  担体微粒子の集合体である担体粉末と、前記担体粉末に担持された金属微粒子
と、前記担体微粒子を被覆するように形成された被覆層を備え、
  前記被覆層は、プロトン伝導性を有するポリマーで構成され、
  前記被覆層の平均厚さをdとし、前記金属微粒子の平均粒径をDとすると、
以下の条件(1)~(2)の少なくとも一方が充足される、担持金属触媒。
(1)0.18≦d/D≦0.32
(2)0.18≦d/D≦0.55であり、かつ2.5nm≦D≦4.9nm
【請求項2】
  請求項1に記載の担持金属触媒であって、
  0.20≦d/D≦0.32である、担持金属触媒。
【請求項3】
  請求項1又は請求項2に記載の担持金属触媒であって、
  2.5nm≦D≦9nmである、担持金属触媒。
【請求項4】
  請求項3に記載の担持金属触媒であって、
  2.5nm≦D≦4.9nmである、担持金属触媒。
【請求項5】
  請求項1~請求項4の何れか1つに記載の担持金属触媒であって、
  前記担体微粒子は、無機化合物の微粒子である、担持金属触媒。
【請求項6】
  請求項5に記載の担持金属触媒であって、
  前記無機化合物は、ドープされている、担持金属触媒。
【請求項7】
  請求項5又は請求項6に記載の担持金属触媒であって、
  前記無機化合物は、酸化スズを含む、担持金属触媒。
【請求項8】
  請求項6又は請求項7に記載の担持金属触媒であって、
  前記担体粉末は、見掛け密度が2~3.8g/cmである、担持金属触媒。
【請求項9】
  請求項1~請求項8の何れか1つに記載の担持金属触媒であって、
  前記担体粉末は、比表面積が12m/g以上である、担持金属触媒。
【請求項10】
  請求項1~請求項9の何れか1つに記載の担持金属触媒であって、
  前記担体粉末は、空隙率が50%以上である、担持金属触媒。
【請求項11】
  請求項1~請求項10の何れか1つに記載の担持金属触媒であって、
  前記担体粉末は、安息角が50度以下である、担持金属触媒。
【請求項12】
  請求項1~請求項11の何れか1つに記載の担持金属触媒であって、
  前記担体粉末は、導電率が0.00001S/cm以上である、担持金属触媒。
【請求項13】
  請求項1~請求項12の何れか1つに記載の担持金属触媒であって、
  前記担体微粒子は、複数の結晶子が鎖状に融着結合されて構成された鎖状部を
備える、担持金属触媒。
【請求項14】
  請求項13に記載の担持金属触媒であって、
  前記結晶子は、サイズが1~30nmである、担持金属触媒。
【請求項15】
  請求項13又は請求項14に記載の担持金属触媒であって、
  前記鎖状部は、複数の分枝と、複数の前記分枝の間に存在する孔と、空隙とを
備え、
  前記空隙は、前記複数の分枝と前記孔とによって取り囲まれる、担持金属触媒。
【請求項16】
  請求項15に記載の担持金属触媒であって、
  前記担体粉末は、前記空隙を複数備え、前記空隙は水銀圧入法による球相当径
が11nm以下の空隙と11nmより大きな空隙とを有する、担持金属触媒。
【請求項17】
  混合工程を備える、担持金属触媒の製造方法であって、
  前記混合工程では、金属微粒子が担体粉末に担持されて構成される構造体と、
プロトン伝導性を有するポリマーを含有するインクとを混合する、方法。
【請求項18】
  請求項17に記載の方法であって、
  前記ポリマーの体積をIとし、前記担体粉末の体積をSとすると、
  前記混合工程は、0.01≦I/S<0.2となるように行われる、方法。
【請求項19】
  請求項18に記載の方法であって、
  前記混合工程は、0.07≦I/S≦0.18となるように行われる、方法。
【請求項20】
  請求項17~請求項19の何れか1つに記載の方法であって、
  前記担体粉末は、担体微粒子の集合体であり、
  前記担体微粒子は、無機化合物の微粒子であり、  前記インクは、親水性溶媒
を含む、方法。
【請求項21】
  請求項20に記載の方法であって、
  前記無機化合物は、ドープされている、方法。
【請求項22】
  請求項20又は請求項21に記載の方法であって、  前記無機化合物は、酸化
スズを含む、方法。
✓ 確かに、1桁代にしても性能が向上しているのだろう。が、レアーアースな
どの触媒での話。耐触媒毒系の非貴金属系元素での研究成果が待たれる。


透明で自在に曲げられ両面が光る、LEDモジュール
技術の発展と共に街の風景も変化する。近年ではデジタルサイネージの台頭によ
り、街中の広告表現が一変したことにそれは顕著で 一方、イルミネーションの
季節には、省エネ性と高輝度を併せ持つLEDが風景を彩るのももはや当たり前。
そのLEDデバイスもまた、時代と共に着実に進化を遂げている。そこで、今回注
目したのが、東芝ホクト電子株式会社が開発した「透明フィルムLED」。一見透
明なフィルムでありながら、高輝度のLED発光装置として機能するこのモジュー
ルは、イルミネーションやディスプレイへの応用でデザインに革新をもたらすこ
とが期待されている。
透明フィルムLEDとは、透明なプラスチックフィルム上に微細配線電極を形成し、
LEDのチップを配置して接着することで80%超という高い透過率を実現したLEDモ
ジュールです。LED消灯時は配線電極とLEDチップが目立たないため透明に見え、
LED点灯時は他のLEDモジュールよりも高輝度と省エネ性を併せ持つ。自由に曲げ
られるフィルムの柔軟性を生かせば、立体的な光を演出できるのも特長となる。

【要点】
①透明で自由に曲げられるフィルム状のLEDデバイス
②そのベースにあるのは北海道・旭川に拠点を置く東芝ホクト電子技術
③若手とベテランの共創で生み出された新たな電飾モジュールの可能性




図1 「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」の基本構成
電力・水素複合エネルギー貯蔵システム

2018年10月25日、NEDO事業において、東北大学と前川製作所は、仙台市
茂庭浄水場に構築した電力貯蔵システムと水素貯蔵システムを組み合わせた「電
力・水素複合エネルギー貯蔵システム」による実証の結果、大規模自然災害によ
る長期停電を想定した73日間の連続運転に成功していた。
大規模自然災害による長期停電時でも再生可能エネルギーを有効活用しながら
高品質な電力を安定供給できる大容量非常用電源を構築するには、以下の技術課
題を解決する必要があります。
外部からの燃料調達が不要な大容量のエネルギー貯蔵が可能であること
再生可能エネルギー出力や負荷消費電力の不規則な変動を高精度で補
償できること
③ ②の変動補償を行いながらも非常時に必要となる大容量の貯蔵エネ
ルギーを維持できること

そこで、上図1のような、電力貯蔵システムと水素貯蔵システムを組み合わせた
「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」を考案し、大容量非常用電源を確立
するための技術課題を、以下の方法を用いて解決するとともに、その検証を行っ
た。
大容量エネルギー貯蔵にエネルギー密度の高い水素吸蔵合金または液
化水素タンクを用いる。
太陽光発電出力と負荷消費電力の差分に対して、カルマンフィルター
のアルゴリズムを適用し、両者の差分の変動を長周期変動分と短周期変
動分に分解して、長周期変動分を水素貯蔵システムで、残りの短周期変
動分を電力貯蔵装置で補償する。
DC BUSと水素BUS※4を設け、長周期変動分を補償する水電解装置入力
と燃料電池出力については電力制御(アクティブ制御)、短周期変動分
を補償する電気二重層キャパシタ※5については電圧制御(パッシブ制御)
を行う。
電力貯蔵システムと水素貯蔵システムのエネルギー貯蔵量を逐次測定し
常時の変動補償制御と並行して、両エネルギー貯蔵量がそれぞれの目標
範囲内に収まるようにエネルギー貯蔵量を制御する。


以上を踏まえ、仙台市茂庭浄水場に、上図2と図3に示すような既設の20kW 太
陽光パネルを用いた電力・水素複合エネルギー貯蔵実証システムを構築し、本実
証システムの有効性を検証するために、大規模自然災害による長期停電を想定し
た連続運転を実施。2017年8月より、仙台市茂庭浄水場の実証システムを用いた
実証試験を開始し、各種機器の最適制御運転およびトータルシステムとしての最
適化を実施。そして、今回、実証システムにおいて、大規模自然災害による長期
停電を想定した72時間(3日間)連続運転(10月4日~10月6日)に初めて成功しま
した。具体的には、下図4
に示すように、逐次変動する太陽光発電出力や負荷消
費電力に対して、電気二重層キャパシタ(電力貯蔵装置)と水素貯蔵システムの
入出力制御により、効果的で完全な補償が可能であることを確認した。
その結
果、高品質な電力の長時間(72時間)にわたる安定供給を実現しました
(図4の直流母線電圧と目標電圧(380V)の差が小さいことが、太陽光発
電出力や負荷消費電力の変動補償精度が高いことを表す)。


図2 仙台市茂庭浄水場の20kW電力・水素複合エネルギー貯蔵実証シス
テムの構成


図3 仙台市茂庭浄水場の20kW電力・水素複合エネルギー貯蔵実証シス
テムの外観


図4 実証システムにおける大規模自然災害による長期停電を想定した
72時間(3日間)連続運転試験結果 

以上より、「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」が、化石燃料使
用量やCO2排出量の削減に有効な大容量非常用電源としてだけでなく、再
生可能エネルギー出力や負荷消費電力の変動を高精度に補償でき、再生
可能エネルギーをリアルタイムで活用できる高品質・高安定電源として
も有効であると考えられる。
✔この時点で、オールソーラーシステムの電力ネットワックモデルの実
用が約束されていたことを改め今夜確認する。



使用済みプラスチックからエネルギー
「水素ホテル」の前例なき挑戦

1月15日、東芝は。4プラスチックがもたらす海洋汚染は、今や全世界共通の
課題解決----2019年度のG20でも主要な議題にのぼり、身の回りでもプラスチッ
クストローの廃止やレジ袋の有料化など具体的な対策が始まっている----に向け、
2018年5月には「プラスチック資源循環戦略」が策定され、プラスチックを廃棄
物にせず、有効活用していく具体的なロードマップが敷かれるなど、官民一体で
対策を急いでいるが、神奈川県川崎市が進める先進的な取り組み「川崎水素戦略」
がある。優れた環境技術を持つ企業が数多く集まる川崎市はそれらの企業と共に
水素エネルギーの積極的な導入と利活用を進めている。その取り組みの一つとし
て、使用済みプラスチックから水素を地産地消する、世界でも類を見ない「水素
ホテル」が2018年6月に誕生している―――プロジェクトをけん引してきた昭和
電工株式会社と、プロジェクトを陰で支えた東芝エネルギーシステムズ株式会社。
「水素ホテル」川崎キングスカイフロント東急REIホテルが2018年6月1日に誕生
したことは当時、大きな話題となり、使用済みプラスチックから水素を作り出し、
ホテルの約30%のエネルギーを供給する画期的な取り組み。さらに、ホテル開業
から1年間、歯ブラシやくしなどホテルで使用したアメニティ類も水素原料とし
てリサイクルする試験を行っており、利用者からも「自然とエコ意識が高くなる」
と好評を博している。啓発にも一役買っている。


水素パイプラインをつなぐ難しさ

川崎市の殿町地区は「殿町国際戦略拠点キングスカイフロント」として
国家戦略特区に指定され、世界最高水準の研究開発と新産業創出を担う
オープンイノベーション拠点として整備が進む高度インフラ地区。
「殿
町キングスカイフロントは再開発地区ということで建物が建設される前
から協議させていただくことができ、条件が恵まれていたのは事実。しか
し、それで全てが解決したわけではありません。ホテルまで水素のパイ
プラインを接続するには1km延伸する必要があったのです。水素パイプラ
インを通すことは滅多にない取り組みですので、なかなか前に進まず途
方に暮れることもあった。


パイプラインによって水素の大量・安定供給が可能になり、輸送時に二酸化炭
素を排出しないため、低炭素化にも貢献できる既存のエネルギー利用に対し、
サプライチェーン全体で二酸化炭素の排出量を約8割削減することが可能にな
る試算。水素パイプラインをつなげることは極めて珍しい取り組みで、
普段は接することのない様々な官公庁、パートナ
ー企業、町内会など
関係するあらゆるステークホルダーに説明して
回り、何とか実現する
ことができたと、感謝する。
関係者間の協議は、足かけ2年間にも及び。
そして、2018年6月、ついに水素のついに水素のサプライチェーンがつながっ
た。
世界に発信する「川崎モデル」
両社の今後の目標は、ステークホルダー全員で創り上げたこの取り組みを広げ
ていき、ホテル以外にもビルなど利用先を増やす、広く見学を受け入れるなど
やるべきことはまだまだ。海外からの見学者も近年増えており、世界中から注
目されている。今や使用済みプラスチックは輸出することも難しく、各国が自
分たちで何とかしなくてはならない問題。この課題を解決する水素社会のモデ
ルケースとして様々な形で発信する必要があると考える。『1対1』を『1対N』
に増やし、世界にこういう取り組み方があるということを見せていきたい。か
つて公害に苦しんだ川崎市だからこそ発信する意義がある。
水素ホテルでは、

昭和電工と共に『ごみ』から『エネルギー』を作り出すシステムを実現でき、
使用済みプラスチックの処理は、日本だけではなく世界各地で社会問題となっ
ているが、そのような課題を抱える地域に、水素ホテルで得られたノウハウを
新たなソリューションとしてグローバルに提供していきたいと思いと語る。 

【要点】
使用済みプラスチックをエネルギーとしてリサイクルする「水素ホ
」が川崎市に誕生

②川崎市内の昭和電工と東芝による企業間連携で地産地消の水素サプラ
イチェーンをつなぐ

③ 水素社会会のモデルケースを世界に広げる挑戦は続く

✔わたし(たち)が考えてきた「オールソーラーシステム」が具現化し
いよいよ、エネルギー革命が完成されて来るのを看ているようで、面白
い。



【世界の工芸#CraftsOfTheWorld#HenryPim&MatinSmith
ピム,ヘンリー(イギリス)
PIM,Henry

Vcssel
l988
スミス,マーティン(イギリス)
SMITH,Matin
皿 Dish
1987
【コズテル自治会誌:#Costail#ResidentAssociat#Diary
1月17・18日:引き継ぎ&総会資料整理整頓&準備


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ポストエネルギー革命序論127

2020年01月05日 | ネオコンバーテック


                                                          

                               

10 郷 党 きょうとう
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他の篇と追ってことばの記録ではなく、公生活、私生活における孔
子の具体的行勣のひとつひとつを記録したものである。これらは、
とりもなおさず礼のエキスパートによる礼の実践の記録であって、
これによって当時の礼の規定の具体的内容をうかがい知ることがで
きる。事実、この篇のすべてが孔子についての記述であるわけでな
く、礼の一般的規定を述べた部分が多いとする説もある。
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26 車に乗るときは、姿勢をくずさずに娞(すい)をにぎって乗
った。車中でも、ふりかえったり、声高に話したり、指さしたりは
しなかった。
〈娞〉 車に乗るときつかまる吊皮。 
升車、必正立執娞。車中不内顧。不疾言。不親指。
Confucius always stood upright and held a strap when he rode
on a carriage. He never looked back, never spoke loudly and
never pointed his finger to anyone.

27 孔子が弟子だちと一緒に山中を歩いていて、とある橋にさし
かかったとき、突然バタバタと雉が飛び立った。雄はしばらく空中
で旋回して一行の様子を見ていたが、危害を加えられないと見きわ
めたか、ふたたび地上に降りて来た。それを見て孔子は言った。
「出処進退をわきまえた雉だな、あの橋のところにいる錐は」
この言葉をきくと、子路はいきなり飛び出して、雉をとらえようと
した。雄は二声、三声鳴いて飛び去った。

色斯擧矣、翔而後集、曰、山梁雌雉、時哉、時哉、子路共之、三嗅
而作。
★この章は古来異説が多い。たとえば、末尾の部分は、何晏注によ
ると、孔子の「時なるかな」ということばを、雉の食べごろだとい
ったものと誤解した子路が、孔子の食膳に焙を供したが、孔子は臭
いをかいだだけで食べなかった、という意味になり、章全体の意味
がまったく違ってしまう。朱子は、前後に闘文があるのだろうとし
て、強いて解釈することを避けている。要するに意味不明の一章で
ある。またこの章が郷党籍に入れられた理由もわからない。ここで
は朱子が仮につけた注に従って訳しておいた。
1."Birds take off by seeing human. They fly about for some
time, then they land on the safe place."Confucius said about
this poem,"There is a female pheasant on a mountain bridge.
It's timely. It's timely." Zi Lu thought Confucius told him
that he wanted to eat it. Zi Lu caught and cooked it for Con-
fucius. Confucius did not eat it but smelled it three times.

2."Birds take off by seeing human. They fly about for some
time, then they land on the safe place." Confucius said about
this poem,"There is a female pheasant on a mountain bridge.
It may know timing. It may know timing." Zi Lu fed it. But
it did not eat but smelled food three times, and flied away.

  

【ポストエネルギー革命序論127

新たに同定された樹状細胞の活動電位 
ヒトの脳に比類ない力 

Multiphoton Excitation Laser Scanning Microscopy

ニューロン(神経細胞)の樹状突起に新たに発見された活動電位は、
ヒト脳の計算能力を独自の仕方で増幅することが、新しい研究で示
されている。この結果は、皮質ネットワークの挙動の基礎にある生
理学的回路に関する決定的に重要な洞察を提供している。樹状突起
が有する電気活性特性がニューロンのシグナル伝達において極めて
重要な役割を果たしており、脳の機能にとって不可欠のものである
ことは広く理解されているが、アクティブ樹状突起に関する知見の
多くはげっ歯類の脳に関する研究から得られたものである。しかし、
ヒトの脳はげっ歯類の脳とは異なり、その皮質は特に2/3層(L2/3)
を含めて厚くなっており、大きく複雑な構造を持つ樹状突起樹を有
する無数のニューロンが存在している。最近の研究から、我々ヒト
をヒトたらしめる基本であると考えられる独自の特徴である、L2/3
の不均衡なほどの厚さをもたらす発達プログラムの存在が示されて
いる。Albert Gidonらは細胞体 ―― 樹状突起パッチクランプ法
よび二光子イメージングを用い、ヒト脳スライスにおいてL2/3に存
在するニューロンの樹状突起の電気活性について直接詳細に調べた。
その結果、L2/3のニューロンに独自なものとしてこれまで同定され
ておらず、これまでに研究された他のいかなるニューロンにも知ら
れていなかったいくつかの電気活性特性が発見された。Gidon らは
また、新規クラスのカルシウム依存性活動電位(dCaAPs)も同定し
た。これらの結果は、L2/3ニューロンにおける樹状突起の活動がこ
れまで考えられていたよりもはるかに複雑であることを示している、
と著者らは記している。著者らはこれらの樹状突起の特性をモデル
化することで、単一のニューロンが持つ、これまでは多階層のニュ
ーロンネットワークを必要とすると考えられていた、計算上の問題
を解決する能力を実証する。 

【要約】
樹状突起のアクティブな電気特性は、ニューロンの入力と
出力を形成し、脳機能の基本です。
ただし、アクティブな樹状突起
に関する知識は、げっ歯類の研究からほぼ完全に獲得される。
この
作業では、ex vivoでのヒト大脳皮質の層2および3(L2 / 3) 錐体
ニューロンの樹状突起を調査。
これらのニューロンで、 その波形
と神経出力への影響が以前に記載されていないカルシウム媒介樹状
活動電位(dCaAP)のクラスを発見。
典型的な全か無かの活動電位
とは対照的に、dCaAPは等級付けされた。
それらの振幅は、閾値レ
ベルの刺激では最大であったが、より強い刺激では減衰。
これらの
 dCaAPにより、個々の人間の新皮質錐体ニューロンの樹状突起が、
線形に分離不可能な入力を分類できるようになった。これは、従来、
多層ネットワークが必要と考えられていた計算に該当する

✓ 錐体細胞:錐体細胞とは、主に大脳皮質に存在する投射性の興
奮性神経細胞である。樹状突起棘突起を豊富に持つ。大脳皮質の
領野内・領野間及び、皮質から皮質下への情報伝達に重要な役割を
果たしている。形態的・生理学的な特徴からサブタイプに分けられ、
それぞれが機能的にも異なる役割を果たしていると考えられている

錐体細胞
✓ 大脳皮質の局所神経回路 cortical local microcircuit 

❐ 特別な人間の樹状突起
人間の脳の発達構造は特別----皮質層 2/3の不均衡な肥厚を促進す
----という。つまり、
レイヤー 2/3の膨張が、その多数のニューロ
ンとその大きな樹状突起とともに、私たちの人間らしさ形成に貢献
しているのだと
こうして、てんかん患者の外科的切除された脳組
織から採取されたスライスの層 2/3錐体ニューロンの樹状突起生理
学を調査----
二重体細胞樹状突起の記録----は、これらのニューロ
ンの樹状突起における活動電位の未知のクラスを明らかにした。当
活動電位で、単一のニューロンは、多層ニューラルネットワーク
を必要とする神経科学の2つの長年にわたる計算上の問題を解決で
きることを提示する。実に興味深い研究にインスパイアルされる。


世界最強の耐膨張構造リチウム硫黄電池
5日間連続して携帯電話に電力を供給したり、「燃料補給」を必要
とせずに電気自動車が1000km以上走行したりする可能性があるバッ
テリーにアクセスできるという(Supercharging tomorrow: World's
most efficient lithium-sulfur battery; ScienceDaily, Jan.
3, 2020)。それによると、モナッシュ大学の研究グループは、世
界で最も効率的なリチウム硫黄(Li-S)バッテリーの商業化を目前
にしている。これは、現在のマーケットリーダーを4倍以上上回り、
オーストラリアや他のグローバル市場から注目されている。

同研究者は、製造プロセス特許(PCT / AU 2019/051239)を取得し
ている。プロトタイプのセルは、ドイツのR&Dパートナーのフラウ
ンホーファー材料およびビーム技術研究所で製造されている。20
年初頭にオーストラリアで追加試験が行われる予定。自動車と大規
模電力会社でのLi-S蓄電池製造と実装が実現する、推定23兆円規
模の市場の中核を占め、オーストラリアの自動車市場に革命をもた
らす----魅力的な性能に加えて、製造コストの削減、豊富な材料供
給、処理の容易さ、環境フットプリント削減により、この新規蓄電
池設計の適用
は、①高性能と②耐久性だけでなく、③水ベースプロ
セスの製造により④簡単で⑤堤コストで、⑥有害な環境廃棄物の削
減につながる----と話す。

Supercharging tomorrow: Australia first to test new lithium batteries - Monash University

【要約】
リチウム硫黄電池は、より高い比エネルギーを供給しリチウムイオ
ンを置き換えることができるが、現在、硫黄電極が必要なレベル(
5~10 mg cm-2)に負荷されると、リチウム化/脱リチウム化の大幅
な体積変化とその結果生じるストレスにより、優れたエネルギー性
能が急速に低下し、粒子凝集理論の古典的なアプローチに着想を得
て、①隣接する粒子間に最小量の高弾性バインダを配置し、材料の
膨張とイオン拡散のためのスペースを増やす方法を発見。最大15
mg cm-2の負荷を備えたこれらの拡張耐性電極は、高い重量測定(>
1200 mA・時間g-1)および面積(19 mA・時間cm-2)の容量をもたら
す。セルは200サイクル以上安定しており、このような厚い負極
では前例のない99%超のクーロン効率であることを見出す。

【概要】

リチウム硫黄(Li-S)電池での硫黄カソードとリチウムイオン電池
(LIB)でのシリコンアノードの使用は、リチウムを保存する優れた
能力を備えた安価な電極の最も魅力的な例であり、今日のLIBを上回
る可能性がある。電池の化学的性質に関係なく、これらの電極に固
有の問題は、大量のリチウムの吸収および放出中の避けられない体
積変化に関連する構造の断片化である。Li-Sシステムの大容量硫黄
カソード(1670 mA・時間g-1) は、サイクリング時の激しい体積変
化(約78%)に悩まされる。通常、LIB の電極の約8倍。これらの
変化により、粒子の凝集力が徐々に失われ、ポリマーバインダとカ
ーボンマトリックスが永久にゆがみ、どちらも容量の低下につなが
る。電極の分解の悪影響は、負極の厚さの増加とともに顕著になる。
これは、実用的な面積容量(> 6 mA・hour cm-2)を達成の重要な
パラメーター。厚い電極では、サイクリングの内部応力を管理する
のがより難しくなり、その結果、深刻な応力の蓄積とインピーダン
スの増加が生じ、急速な容量損失が生じる。
金属有機構造体をリチウム硫黄電池セパレーターとして利用

Li-Sバッテリーの「ポリスルフィドシャトル」(多硫化物イオンの
酸化還元反応)の高度に調査された問題に対処する上でかなりの進
歩があるが、サイクリングデューティDuty Cycleでの厚いカソ
ードの機械的故障にはほとんど注意が向けらず、この問題対処の最
初に考慮すべきポリマーバインダ。バインダ(活物質と導電剤)を
一緒に、また集電体に接着する電極組成物の必須成分として、ほと
んどの場合、クラックのない負極をつくる能力に基づき評価、厚い
硫黄カソードのサイクル寿命性能(耐久性)に対するバインダと充
填剤の相互作用の影響を理解するための実験はほとんど行われてい
ない。一部のバインダーシステムは、従来のポリフッ化ビニリデン
(PVDF)ベースの硫黄負極よりもクラッキングを低減するという点
で優位性を示すが、低負荷から中負荷のカソード(1〜3.5 mg cm-2
でのみ優れた安定性を示す。リチウム硫黄二次電池の5mg cm-2
および7 mg cm-2以上が望ましい)のターゲットは、LIBに匹敵する
か、それよりも優れている。例には、水性アラビアゴム、H2O /
N、N'-ジメチルホルムアミドのカルボキシメチルセルロース(CMC)
/クエン酸、およびエタノール/ H2OのCMC /スチレンブタジエンゴ
ム(SBR)が含まれるが、これらに限定されない 。実用的な硫黄負
荷を備えた厚いカソードは、高容量で開始した場合、機械的故障に
よる急速な劣化を示し、ほとんどの場合、高容量は担保できず、小
容量と低い内部応力達成で使われ、「拡張耐性」(ET)構造に関す
る技術論文はなく、バインダ特性改善が望まれていた。

硫黄の電子伝導性が低く、硫黄負極の初期放電容量もバインダシス
テムに大きく依存。バインダが従来法で使用される(つまり、溶液
として添加される)と、電極のバルク全体に連続的な機能網形成し、
炭素空隙を埋める傾向を保ち、活性表面の大部分が著しく減少し、
電解質の拡散を電極全体を阻害する。このため、厚い負極で最適な
電子的および電気化学の性能達成に、製造設計ルールを再考する必
要がある。新しいアプローチは、電気化学的に利用可能な反応部位
を最大化すると同時に、厚い電極内部の高効率維持の強力な物理的
支持する必要がある。双方の目標は、耐久性(サイクル寿命)----
充放電によるカソード内の電気接続(活力)を損なわない----こと
にある。

粒子凝集理論で記録された古典的な機能的架橋構造に触発され、こ
こでは、一般的な高カルボキシル基系充電弾性率の要因のNa-CMCの
分散制御で、機械的に強い充填剤(この場合、コロイド硫黄と導電
性カーボン)間の架橋結合し、独自構造を持つ負極形成----非常に
大きい反応表面を持ち、充電機能阻害
に効果的に対応できる----す
ることで、高いイオン親和性と導電性を備える。結束力が大きく密
な機能網形成が従来型から、硬い結束材が隣接する結合機能の移動
----接触粒子表面積の極大化----を図り、超厚硫黄負極の製造と高
充放電循環性を実現する。この新しい接近法は微妙だが、高負荷拡
張耐性(ET;expansion-tolerant)負極(15 mg cm-2以上)で大幅に
改善された重量測定容量を生成し、優れた循環性と高クーロン効率
(CE)の面積容量を保つ、身近な原料より製造されたリチウム硫黄
二次電池(6~19 mA cm-2 )。

Supplementary Materials
表S1 XPS調査スペクトルから導出された元素定量。 由来の元素
定量化
原子%として表示される調査スペクトル。 2〜3個の分析ポイ
ントに基づいた平均値(±偏差)がリストアップ。


【結果及び考察】
 ぶ厚い硫黄負極の製造と特性評価 粒子凝集プロセスにおける古典
的なアプローチに触発され、従来の電極製造プロセスを批判的にス
ラリーおよび電極製造方法を報告する。表1で示したように、異な
るスラリー調製方法を使い、同一の組成[70%コロイド硫黄(Sigma
-Aldrich)、20%C、および10%CMC] で4種類のぶ厚い硫黄負
極負極を作製した。すべての成分を一度に48時間混合し  ➲脱イ
オン(DI)水を加えてスラリーを作製➲負極Aでは、 制御した方
法で混合物に水を加えて、➲CMC粒子を適度に濡らし、 キャスタブ
ルペーストを得る➲このカソードに必要な水の量は、CMC が室温
で水に完全溶解の必要量の3分の1➲カソードBの場合、S / C /
CMCの乾燥混合物に追加する水の量を、CMCの溶解度限界(20 mg ml-1
)を満たす量に設定する。

一方、LIB電極の製造に最も一般的な混合方法に基づいてカソードC
およびDを準備した。これは、Li-S負極に関する文献でも採用され
ている。両方とも粉末状の活物質と導電剤の混合、導電剤の均一な
分布を確立し、その後、事前に溶解したバインダー溶液に混合し、
粒子/粒子と粒子/集電体との間に必要な接着力を提供。負極C およ
びDでは、事前に溶解したバインダーは、それぞれ20 mgCMC mlwate
r-1および20 mgCMC ml架橋溶液-1の溶液。混合物は、良好な分散を
確保の48時間連続的に混合。
これらの負極の形態に対するスラリー調製影響を、広範囲の倍率で
詳細な走査電子顕微鏡(SEM)を観測。高解像度のSEM顕微鏡写真は、
製造されたカソードの粒子間リンク性状を明らかにする。負極A(
図1、AおよびB)全体に均一に分布したウェブ状の架橋結合を観察。
これは、個別の微粒子で形成されている(図S1A)。分離されたク
ラスター(図S1B)で構成されるカソードBでは、含水量が増加し、
溶解したバインダー量が増加するため、蜘蛛の巣状の架橋結合を群
房(クラスタ)を保つリボン状の架橋結合に置き換える(図1、Dお
よびE)。対照的に、カソードC(図1、GおよびH)およびD(図1、J
およびK)は、ほとんどのフィラー粒子がポリマーバインダーの凝集
ネットワークで覆われた非常にコンパクトな微細構造を示し、これ
らの高密度カソード(図S1、C、D)の体積変化を緩衝する余地はほ
とんどない。従って、カソードA の製造に使用した方法は、文献で
よく見られるコンパクトな微細構造を、自由空間の増加を伴うユニ
ークな構造に効率的に変換し、潜在的に充放電繰り返し劣化と対応。
観察された構造の概略図1を呈示。


図1 
形態学的研究、断層撮影再構成、および同一の組成と異なる
スラリ調製方法を備えたカソードの概略図

次に4つの負極の断面SEM画像は表面観察と一致し、より多くの洞察
を提供(図2)。
独自の乾式混合アプローチと従来の湿式混合アプ
ローチでは、微細構造が最も均一であり、互いに非常に異なる
一方、
負極BとDには、バインダーの存在が非常に局所化されている領域が
あり、CMC バインダーの架橋が電解質の拡散を効果的に制限できる
負極Dの場合に最も深刻で
電極Bに乾式混合アプローチを採用する
場合、負極B にこれらの領域が存在し、バインダーの溶解を制限に
少量の溶媒を使用する必要性が強調される(図2、FおよびI)。

さもなければ、微細構造におけるこの不均一性は、電極全体での活
物質の不均一に繋がるだろう


図2 同一の組成と異なるスラリー調製法を用いたカソードの断面
SEM画像と元素マッピング。

以下、後略

【関連国内特許事例】
①特開2019-220473 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池
製造方法 株式会社GSユアサ
②特開2019-220474 二次電池用非水電解液及びそれを備えた二次電
池 ステラケミファ株式会社


✔ このシリーズ「ポストエネルギー革命序論126」のイリノイ
大学のグループの「持続可能な固体電解質」と同様に新規な材料開
発が続いている。感想を言えば、皆さんと同じことになる(たぶん)。
共に前進しよう。


【世界の工芸#CraftsOfTheWorld#KatoSeiji&KatoSho
加藤整治
KATO,Seiji

vase,“Hollow"
1971/昭和46
58.5(h)×65.0(w)×46.0(d)cm

加藤紗.
KATO,Sho
『稜』
vase,“Angles"
1964/昭和39
28.0(h)×41.0(w)×33.0(d)cm



早春の訪れを告げるロウバイ
「忙中閑あり」とは、どんなに忙しい中にもわずかな暇はあると言
うのだが、「忙中忙あり」(これはいつものスタイルか)なのだが、
安土城址周辺に沙々貴神社(佐々木大明神)の蝋梅観賞と初詣を兼
ね二人で出かけた。数の上では大津の石山寺とは劣るが、近いので
よく出かける。なかの1本、交配したの紅が混ざった蝋梅があり貴
重だ。十二支の当たり年の子の石像で記念写真。湖岸道路の往復の
景色はいつ観ても綺麗だ、ところが、翌朝、室内ランニングマシン
を移動させていたら、故障し半日かかって修理、2時の昼食をとっ
ていると、自治会長との引き継ぎ資料を受け取り、部屋のレイアウ
ト変更を検討と。実に「忙中亡あり」である。ところで、件のマシ
ン修理なのが途中巧く行かず、二度ばかし諦めかけたが、分解する
アプローチを換え、接続部のボルト嵌め合い穴を強引に嵌め合わせ
完了。この時昔のことを思い出し「こういう場面あったよなぁ」と
清涼感をあじわいながら「継続は力なり」という諺を実体験する。




コメント
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ポストエネルギー革命序論126

2020年01月04日 | ネオコンバーテック


                                                          

                               
10 郷 党 きょうとう
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他の篇と追ってことばの記録ではなく、公生活、私生活における孔
子の具体的行勣のひとつひとつを記録したものである。これらは、
とりもなおさず礼のエキスパートによる礼の実践の記録であって、
これによって当時の礼の規定の具体的内容をうかがい知ることがで
きる。事実、この篇のすべてが孔子についての記述であるわけでな
く、礼の一般的規定を述べた部分が多いとする説もある。
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25 しかしつぎのような場合には、改まった態度をとった。まず
喪に服している友人に会ったとき。相手がどんなに心やすい間柄で
も、きっとそうした。つぎは礼装した役人、および盲人に会ったと
き。やはりいくら親しくてもそうした。つぎは、車上で喪中の人と
行き会ったとき。その際には、車の横きも同様、感謝を顔いっぱい
に表わし、立ち上がって敬意を表した。それから、雷鳴が鳴ったと
き、暴風が吹くとき、そうしたときにも必ず居ずまいを正した。

〈敬意を表した〉 このあと原文には「式負販者」という句があり、
解釈がわかれているが、ここでは、注が本文にまぎれこんだという
祖往説に従って省略した。 

子見齊衰者、雖狎必變、見冕者與瞽者、雖褻必以貌、凶服者式之、
式負版者、有盛饌必變色而作、迅雷風烈必變。

Confucius always straightened up when he saw a person wearing
mourning, even if the person was his friend. He always strai-
ghtened up when he saw a person wearing full dress or a blind
person, even if the person was his friend. He saluted a person
wearing mourning. He also saluted a person who held a book of
family register of the dead. He always stood up and expressed
his gratitude when he was treated. He always straightened up
on the day of thunderstorm.


  

【ポストエネルギー革命序論126



持続可能な固体電解質
12月23日、イリノイ大学の研究グループは、リチウムイオン電
池は、電池の液体電解質内部で電気的短絡が発生し、爆発や火災を
引き起こす可能性を自動制御できる
、電極損傷後に自己回復できる
固体ポリマーベースの電解質の開発したことを公表。これにより、
過酷な化学物質や高温を使わず材料を循環再生----
リサイクル可能
な自己修復型の市販二次電池の製造するのに役立つ(上図)。リチ
ウムイオン電池の充電と放電を繰り返すことにより、樹状突起(マ
イグレーション)と呼ばれる固体リチウムの小さな枝のような析出
成長させる。これは、①電池寿命を縮め、②ホットスポット(熱だ
まり)、③短絡を引き起こし、内部部品に穴を開けるほど大きくな
り、電極と電解液間で爆発的な化学反応を引き起こす。リチウムイ
オン電池の液体電解質をセラミックやポリマーなどの固体材料に置
き換えられているが、従来の材料の多くは硬くて脆く、電解質と電
極の接触が悪くなり、導電性が低下する。固体イオン伝導性ポリマ
ーは、非液体電解質の開発の選択肢の1つだが、電池内部の高温状
態はポリマーを溶かす可能性があり、これが樹状突起と破損をもた
らす。

New polymer material may help batteries become self-healing, recyclable

この問題に対処するために、同グループは、架橋点が交換反応を受
け、ポリマー鎖を交換できるネットワークポリマー電解質を開発。
線形ポリマーとは対照的に、これらのネットワークは実際に加熱す
るとより硬くなり➲樹状突起の問題を潜在的に最小限に抑えるこ
とができる➲さらに、損傷後に簡単に分解してネットワーク構造
に再固化➲自己回復し損傷後、導電性を回復出来るようにした。

❏リサイクル可能な自己修復性固体高分子電解質の無触媒動的ネッ
トワーク:Catalyst-Free Dynamic Networks for Recyclable,
Self-Healing Solid Polymer Electrolytes

【要約】
動的共有結合架橋を持つポリマーネットワーク(動的機能網)は、
固体機能を示すす反面、高温で流動する。これらは持続
可能な自己
修復材料として広く研究されているが、固体電解質としては限定的
であった。
これは、イオン輸送と機能網の動態に対する塩の影響の
了解に、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(
LiTFSI
)の量が異なるポリ(エチレンオキシド)ベースの動的機能
網の研究成果報告である。
動的機能網の導電率は、最適なLiTFSI
度で①最大3.5×10^–4S/cmに達することを見出した。
レオロジ (
流体学)的測定により、②せん断係数が1〜10 MPaで変化し、応力
緩和の2桁変化には、LiTFSIの量が機械的特性に大きく影響。
さら
に、これらの機能網は、純粋なモノマに効率的に溶解、
回復し、損
傷後に導電性が回復することを見出した。これは、持続可能な固体
電解質としての動的機能網の可能性を示唆する。

【実験方法】
❶材料:無水トリエチレングリコール(3EG)、ホウ酸(B(OH)3)、
およびLiTFSIはすべてミリポアシグマ。
トリエチレングリコールは、
<0.5 ppm O2および<0.1 ppm H2Oに維持されたArグローブボックスに
保管。
CR2032コインセルコンポーネント(ケース、スプリング、ス
テンレススチールスペーサー)はMTI Corporation。
メタノール(
MeOH)は Macron Fine Chemicals。
速乾性の銀塗料は Ted Pella
Inc。厚さ2ミルのKaptonテープはTape Masters。


動的ネットワーク合成:モノマーをシュレンクフラスコで、計算
量のLiTFSIと溶媒としてのMeOH約5 mLとともに混合➲
混合物を油
浴で60℃に加熱しホウ酸とLiTFSIを溶解し、透明で均一な溶液を得
る➲
次に、窒素フローをシュレンクフラスコに接続し、ベントポー
トから連続的注入➲
80℃で2時間、120℃で2時間
、150℃で一晩
➲段階的に加熱して透明な粘性流体を形成。❸
次にシュレンクフ
ラスコを移し、
真空オーブンに入れ、120℃で一晩保持した後、活栓
と隔膜ですばやく密閉、➲
  < 0.5 ppm O2 および <0.1 ppm H2O
に維持されたアルゴングローブボックスに入れる。

❸コインセルの準備:Arグローブボックス内のCR2032コインセルで
サンプルを準備しました。
すべてのコインセルコンポーネント(ケ
ース、スプリング、厚さ200μmのディスク)はステンレス製で、MTI
Corpから購入。サンプルは、厚さ〜
160μm コインセルコンポーネ
ントは、ボトムケース/スプリング/ディスク/サンプル/ディスク/ス
プリング/トップケースの順序で組み立てられ。
MTI Corp. MSK-160
Eクリンパを使用して、〜9 psiの圧力でコインセルを完全に組み立
てる。

11B固体NMR(11B-ssNMR):11Bスペクトルは、参照としてNaBH4
を使用して較正されたVarian Unity Inova 300 MHz分光計を使用し
収集。
サンプルは、Arグローブボックス内のセラミック4 mmロー
ターに詰め。
各サンプルは、静的モード(回転なし)で5000回の
スキャンで測定。
次に、MNOVAソフトウェアを使用してスペクトル
を分析し、化学シフト値を抽出。

自己修復デモンストレーション:カスタム装置は、40 mm x25 mm
x 1 mm(長さx幅x厚さ)のガラスベースを使用して製造。
次に、2
つのガラス片を40 mm x 5 mm x 1 mmの寸法にカットし、スペーサー
の役目をするベースの上部の端で接着➲
層の銅テープに包まれ
た2つの15 mm幅のAl箔を電極として使用し、銀塗料を使用しベース
に接着。➲
スペーサーの高さまでスペースを埋めるため過剰な銀
塗料を使用。➲
装置の中央の10 mm x 15 mmの領域に、グローブ
ボックス内部の動的ネットワーク電解質を充填し、2つの電極を接
続。➲
装置を60℃のホットプレート上に置き、BiologicSP-300ポ
テンシオスタットを使用して2Vの交流電圧を印加することで、電流
を経時的に監視。➲
損傷は、カミソリの刃を使用して電解質の幅
全体(15 mm)に沿って切断することにより行われた。
治癒を促進
するため、損傷部位の上に1 kgと2 kgの重りを置く。

ATR-FTIR:白金-ATR QuickSnapサンプリングモジュールを備えた
Bruker ALPHA FT-IR分光計を使用し、IRスペクトルを収集(図S1お
よびS2)。
すべての測定は、合計32回のスキャンで400 cm-1から
4000 cm-1までスキャンにより、グローブボックスで実行。
固体サ
ンプルは十分な接触を確保するためにダイヤモンド ATR結晶に固定
し、液体サンプルはそのままにする。

Supporting Information for:Catalyst-Free Dynamic Networks for Recyclable, Self-Healing Solid Polymer


図S1。r = 0の動的ネットワーク電解質と無水3EGについて収集され
たFTIRスペクトルは、〜3400 cm-1のOHピークの消失と〜1300 cm-1
のB-Oピークの出現を示す。


図S2。 rが増加する動的ネットワーク電解質について収集されたFTIR
スペクトル。
〜3400 cm-1のOHピークは、LiTFSIが追加されるにつれ
て強度が徐々に増加。これは、OH基の一部が反応するのを防ぐBとの
TFSI調整が原因の可能性がある


図S3 イオン動的ネットワークについて測定された二次加熱DSC曲線。
Tgは、中間点での中点法を使用して抽出。

熱重量分析(TGA):すべての劣化測定はTA Instruments Q50で行
った。
サンプル容器は、白金パンと密閉Tzeroパンで構成、どちら
も測定前に風袋引き。
サンプルは、異質なTzeroパンにサンプルを
15〜20 mg封じて、Arグローブボックスで準備(図S4およびS5)。

各テストを実行する直前に、22ゲージの針を使用してパンの蓋に穴
を開ける。
サンプルを10℃/ minの速度で500℃まで加熱。 等温実
験は、TA Instruments Discovery Mass Spectrometerに接続された
進化型ガス炉を備えたTA Instruments Q500で実行。
サンプルは、
Q50での測定用に同じプロトコルを使用し準備。


図S4。 LiTFSIの濃度を変えた動的ネットワーク電解質のTGA曲線。
Tdは、塩の量が増えると単調に減少。

図S5 (a)動的ネットワークの等温TGA r = 0.085、150℃で12時間
保持。
(b)H2O(17および18 m / z)およびAr(40 m / z)を検出
するように設定された等温TGAの関連質量スペクトル。

広角X線散乱(WAXS):動的ネットワークの形態はWAXS測定を使用
して特徴付ける。
セットアップはXenocs GeniX3D CuKαX線源を使
(1.54Å)ピラタス2D検出器付き。 ロッドビームストップが検出
器の前に配置されて減衰。
一次ビーム。 サンプルから検出器までの
距離を較正するために、ベハン酸銀粉末が使用されました
すべての
サンプルは、材料を4 mm厚の石英毛細管に詰めてArグローブボック
スで準備しました。
次に、マリンエポキシを使用してキャピラリの
開口部を密閉。
すべてのサンプルのスペクトルは、60分間の暴露時
間で周囲条件下で収集。
FIT2Dソフトウェアを使用して2D回折データ
を分析し、強度対散乱ベクトルqのプロットを得る。


図S6 さまざまなr値で動的ネットワークについて収集されたWAXSス
ペクトル。
q〜5 nm-1の弱いピークは、イオン凝集ピークに対応す
る塩を含むすべての動的ネットワークで観察される。
LiTFSI濃度が
増加すると、陰イオンと陰イオンの相関に対応する〜10 nm-1のピー
クが表示される。

❼電気化学インピーダンス分光法(PEIS):インピーダンス測定は、
制御環境サンプルホルダーと中間温度システムアクセサリを備えた
Biologic SP300ポテンシオスタットで実施しました。
高周波数から
低周波数(1 MHzから100 mHz)に20 mVのAC電位を印加して、インピ
ーダンススペクトルを収集。
実際の伝導率(𝜎 ')は、文献のプロ
トコル2に従って、複素インピーダンス𝑍∗ =𝑍' + 𝑖𝜔𝑍 ''から計算
される。

ここで、𝑙およびtheは、それぞれイオンダイナミックネットワーク
の厚さと面積です。
上記の手順に従って準備したCR2032コインセル
を使用し、すべてのサンプルを測定しました。
温度に依存する測
定値を図2bに示し、適合パラメーターを表S1に示す。

表1 動的機能網型電解質のVFT適合パラメーター:VFT fit
parameters for dynamic network electrolytes
レオロジー:レオロジー測定は、平行プレート形状を使用した環境
テストチャンバーアクセサリを備えたTA Instruments DHR-2レオメー
ターで行う。サンプルをArグローブボックス内で円形の形状にプレ
スし、140℃に予熱したレオメーターにロード。サンプルを140℃で
2時間加熱して、サンプルの移動中に吸収される可能性のあるH2Oを
除去。このサンプルはすでに合成で加熱手順(一晩150℃、一晩真
空下で120℃を含む)を受け、レオメーターでのこの乾燥は、グロー
ブボックスからレオメーター〜1000 umのサンプル厚がすべてのサン
プルに使用され。温度勾配は、r = 0.02、0.067、0.085および0.1の
動的ネットワークに25mmの平行板を使用、0.5 Hzで1000〜4000 Paの
応力を加えながら、5℃/ minの速度で140℃から0℃に冷却すること
で実施。r = 0 のダイナミックネットワークの場合、8 mmの平行平
板を使用して0.5 Hzで6000〜12000 Paの応力を加え、5℃/ minの速
度で140℃から0℃に冷却することで
、温度ランプを実行。 r = 0.1
を除くすべてのサンプルで 8 mmの平行平板を使用し、それぞれの変
位を入力することで、適用されるひずみを0.4%から80%の範囲で冷
却しながら、応力緩和測定を140℃から0℃で20℃間隔での実施図3b
では、25 mmプレートを使用。

title="">
図S7(a)すべての温度で0.1〜100 Hzの周波数範囲で0~140℃の温
度ウィンドウから測定された動的ネットワーク r = 0の非シフト周
波数スイープ。
(b)動的ネットワークr = 0.085の非シフト周波数
掃引は、0〜140℃の温度ウィンドウで測定。0.1~
 100 ヘルツ
波数範囲
は、100℃~140℃0℃〜80℃で0.1〜101ヘルツで実施


図S8(a)表S2にあるシフト係数を使用して構築された動的機能網
 r= 0の時間温度重ね合わせマスターカーブ。
(b)表S2にあるシフ
ト係数を使用して構築された動的機能網 r = 0.085の時間温度重ね
合わせマスターカーブ。

表S2  r=0 およびr=0.085 の動的ネットワークのシフト係数(aT)、
水平シフトのみ。

データがシフトされたデータは、恒久的なネットワークに予想され
るように、温度とともにゴム状プラトーが増加していることを示す。
ネットワークトポロジが効いているており、ま
た、図S9と表S3に示
す垂直シフト係数を用いデータ移動する。

図S10 (a)140℃ に加熱されたレオメータープレート上の動的機
能網 r = 0.085 の破壊と回復を示す画像。
(b)60˚Cでのオリジナ
ルおよびヒーリングダイナミックの周波数掃引。
(c)0℃での元の
動的機能網を修復した周波数掃引。

☈ ナノ以下の領域の観測(観察)が容易に行える時代(➲ネオコ
ン領域)を向え新規な材料が続々誕生しているが、リチウムイオン
電池の非触媒系全固体化技術が加速する研究事例を俯瞰した。今年
早々、わくわくさせてもらっている。頑張ろう!



【世界の工芸#CraftsOfTheWorld#JunkichiKumakura
熊倉順吉
KUMAKURA, Junkichi
風人’67(左)
Sprit of Wind ’67
1967/昭和42
37.0×50.0×48.0cm
BLACK WOMAN
1984/昭和59
30.5×27.0×18.0cm

熊倉順吉は、大正 9年8月8日京都市東山区に生まれ、1985年11月10
日-1985年11月10日没、享年65。前衛陶芸集団「走泥社」同人とし
て活動。京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)で室内装飾を
学んだ熊倉は、1945年の終戦後に復員して京都に戻り、国立陶磁器
試験所の伝習生となった。翌年に、陶芸家・福田力三郎に師事。福
田の兄が経営する松斎陶苑で陶技修得に励むなか、富本憲吉と出会
い、指導を受けた。
陶芸を志して以来、器物制作に勤しみ、絵つけ
によって新しい陶芸をつくり出そうとした熊倉。その関心はやがて
かたちに向かい、彫刻的な作品を経て、土の塊としての性格が強く
表現された作品、肉体の部分をかたどった作品、ジャズをテーマと
した作品、金彩を特殊処理した作品と多彩に展開をしていった。
(熊倉順吉展(岐阜県現代陶芸美術館)、(美術手帖、2019

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むかしの今になるにやあるらむ

2019年11月15日 | ネオコンバーテック

                       
               

9.子 罕 しかん
ことば------------------------------------------------------
「子、川上に在りて曰く、逝く者はかくのごときか。昼夜を舎かず」
(16)
「われいまだ徳を好むこと色を好むがごとくなる者を見ず」(17)
「譬えば山をつくるがごとし。いまだ一簣を成さざるも、止むはわ
が止ひなり」(18)
「後生畏るべし。いずくんぞ来賓の今にしかざるを知らんや」(22)
「三軍も帥を奪うべきなり。匹夫も志を奪うべからず」(25)
------------------------------------------------------------ 
    
1.孔子はめったに利を口にしなかったが、どうしてもという場合
には、命と仁とをあわせ説くのがつねであった。

子罕言利與命與仁。

Confucius hardly talked about benefit. He referred to destiny
and benevolence whenever he talked about benefit.

 蕭子罕

 

【ポストエネルギー革命序論92】

昨日の最新全固体電池製造技術に続き、物質・材料研究機構、パナ
ソニックIPマネジメント株式会社などのシリコン系集電体製造技
術事例を以下に掲載する、昨夜のコメントをさらに裏付けるような
内容になっており、1回の充電で電気自動車が千キロメートル超時
代、分散エネルギー貯蔵時代の到来である。

最新全固体電池製造技術事例研究

シリコンナノ粒子のみの高出力な全固体電池用負極電極体
11月7日、NIMS(物質・材料研究機構)は、市販のシリコンナノ
粒子を用い、スプレー塗工法で作製したシリコンナノ粒子電極体が、
全固体電池中で高い出力特性及びサイクル特性を示すことを見出し
たことを公表。高価で大面積化の困難な気相法で作製するシリコン
蒸着膜ではなく、安価で大面積化が比較的容易なスプレー塗工法で
作製したシリコンナノ粒子電極体で高い電極特性が確認されたこと
は画期的で、安全で高い信頼性を有する全固体リチウム二次電池の
高容量化への貢献に期待する。
【要点】
This paper reports the electrode performance of a Si anode composed
of nanoparticles prepared by spray
deposition in a solid-state cell.
Upon lithiation,the
Si nanoparticles undergo volume expansion,
structural
compaction, and appreciable coalescence in the confined s
pace between the solid electrolyte layer and
current collector in the
solid-state cell to form a
continuous film similar to that fabricated by
the
evaporation process. Hence, the particulate anode exhibited
excellent performance, previously observed
only in thin-film systems.
The anode prepared by the
scalable process delivers 2655 mAh g–1
even at a high
discharge current density of 5.48 mA cm–2 (24C).



①市販のシリコンナノ粒子を用い、スプレー塗工法で作製したシリ
コンナノ粒子電極体が、全固体電池中で高い出力特性及びサイクル
特性を示すことを見出す。高価で大面積化の困難な気相法で作製す
るシリコン蒸着膜ではなく、安価で大面積化が比較的容易なスプレ
ー塗工法で作製したシリコンナノ粒子電極体で高い電極特性が確認
されたことは画期的で、安全で高い信頼性を有する全固体リチウム
二次電池の高容量化に貢献できる。
Siは負極材としての理論容量密度が4200 mAh/gで、この値は現行
黒鉛と比較すると約11倍と非常に大きいため、例えば電気自動車
用電池の負極として使用されば、一充電あたりの走行距離が大幅に
伸長するものと期待されています。ところがSiは充放電時に変化率
3倍の非常に大きな体積変化を示すため、電解液中に浸かる活物質
粒子を結着材を用いて集電体へと繋ぎとめておく必要のある従来の
液系電池中では、電極体から脱落しやすく、安定に充放電を繰り返
すことが困難であるという大きな課題を抱えていた。これに対して、
全固体電池中では、集電体と固体電解質という二つの固体の間に活
物質粒子が挟み込まれた状態となるため、この課題を回避すること
が可能となる。実際にNIMSはこれまでに、気相法で作製した純シリ
コンの蒸着膜が全固体電池中で実用的な面容量2.2 mAh/cm2において
も高い出力特性及びサイクル特性を示すことを明らかにしてきたが、
気相法は高真空を必要とする手法であるため大面積化・連続生産が
難しく、実用電池に採用するには、低コストで生産性に優れた電極
作製法の開発が不可欠となっていました。
③今回、気相法によるSi負極作製法に代わる技術として、スプレー
塗工法によりシリコンナノ粒子電極体を作製し、間接的に蒸着膜に
似た連続膜を合成する技術を開発しました。これは充電時、限られ
た空間で各粒子に起こる非常に大きな体積膨張を上手く利用するこ
とで、電極体を構成する粒子同士が強固に接合され、その場にて連
続膜へと形態が変化する現象の発見に基づく。つまり、全固体電池
中ならではの環境を活かし、液系電池では課題となっていた体積変
化を逆手に取って上手く活用した成果となる。また、この方法は大
気下でシリコンナノ粒子の分散液を集電体上へスプレー塗布するだ
けの簡便で、大面積化が可能で、高生産性を有す。
④したその場で連続膜へ生まれ変わるシリコンナノ粒子電極体の充
填量を増やし、この成果を、電気自動車用全固体電池の高容量化な
どにつなげられるよう開発を進める。

Anode Properties of Si Nanoparticles in All-Solid-State Li Batteries, AC
S Appl. Energy Mater.
2019, 2, 10, 7005-7008, Publication Date (Web):Sept-
ember 24, 2019、Published online24 September 2019, https://doi.org/10.10
21
/acsaem.9b01517

特開2019-117731 電極集電体および全固体電池 トヨタ自動車株
会社

【特許請求の範囲】
全固体電池に用いられる電極集電体であって、集電層と、酸化ア
ルミニウム層と、導電性材料、樹脂および無機フィラーを含有する
コート層とをこの順に有し、前記酸化アルミニウム層にAl-F結
合が存在する、電極集電体。
②前記樹脂が、フッ素元素を含有する、請求項1に記載の電極集電
体。
③前記酸化アルミニウム層が、開口部を有し、前記開口部において、
前記集電層および前記コート層が接触している、請求項1または請
求項2に記載の電極集電体。
④前記酸化アルミニウム層の厚さが、10nm~1000nmの範
囲内である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載
の電極集電体。
⑤前記集電層が、Al元素を含有する、請求項1から請求項4まで
のいずれかの請求項に記載の電極集電体。
⑥正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層および
負極集電体をこの順に有する全固体電池であって、前記正極集電体
および前記負極集電体の少なくとも一方が、請求項1から請求項5
までのいずれかの請求項に記載の電極集電体である、全固体電池
全固体電池に用いられる電極集電体の製造方法であって、集電層
および酸化アルミニウム層を有する前駆部材を準備する準備工程と、  
前記前駆部材の前記酸化アルミニウム層側の面に、導電性材料、樹
脂および無機フィラーを含有し、かつ、フッ素元素を含有する組成
物を塗工し、熱処理することによりコート層を形成するコート層形
成工程と、を有し、前記コート層形成工程における前記熱処理によ
り、前記酸化アルミニウム層にAl-F結合を形成する、電極集電
体の製造方法。
⑧前記コート層形成工程における前記熱処理の温度が、85℃以上
である、請求項7に記載の電極集電体の製造方法。

(負極の作製)  PP製容器に、酪酸ブチルと、PVdF系バイン
ダー(クレハ製)の5重量%酪酸ブチル溶液と、負極活物質(シリ
コン
、高純度化学製、平均粒径D50=5μm)と、硫化物固体電
解質材料(LiIおよびLiBrを含むLiS-P系ガラス
セラミックス、平均粒径D50=0.8μm)と、導電化材(気相成
長炭素繊維、VGCF、昭和電工製)とを負極活物質:硫化物固体
電解質材料:導電化材:バインダー=55:42:2:1の重量比
で添加した。次に、超音波分散装置(エスエムテー製UH-50)
でPP製容器を30秒間撹拌した。次に、PP製容器を振とう器
(柴田科学製、TTM-1)で30分間振とうさせ、さらに超音波
分散装置で30秒間撹拌し、塗工液を得た。次に、図5(a)に示
すように、Cu箔(負極集電体15、厚さ12μm、古河電工製、
電解Cu箔)を準備した。得られた塗工液を、振とう器(柴田科学
製、TTM-1)で3分間振とうさせ、アプリケーターを用いて、
ブレード法によりCu箔上に塗工した。自然乾燥後、100℃のホ
ットプレート上で30分間乾燥させた。これにより、図5(b)に
示すように、Cu箔(負極集電体15)の一方の表面上に負極活物
質層12を形成した。その後、同様の処理に行い、図5(c)に示
すように、Cu箔の他方の表面上に、Cu箔(負極集電体15)の
両面に負極活物質層12を形成した。次に、電池サイズに合わせて
裁断し、負極を得た。

  JP 2019-43821 A 2019.3.22

特開2019-043821 微粒子、微粒子の製造方法、及びリチウムイ
二次電池 パナソニックIPマネジメント株式会社
【特許請求範囲】
①結晶子及び粒子の一方を2個以上含む結晶金属、又は、前記結晶
子及び前記粒子の両方を含む結晶金属であるコアと、前記コアの表
面を被覆する非結晶金属酸化物被膜と、から構成されるコアシェル
構造を有する、 微粒子。
②前記結晶金属は、シリコンである、請求項1に記載の微粒子。
③前記非結晶金属酸化物被膜は、リチウムを含有する金属酸化物被
膜である、請求項1又は2に記載の微粒子。
④前記微粒子の形状は、球形形状であり、前記微粒子の粒径は10
nm以上300nm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記
載の微粒子。
⑤請求項1~4のいずれか1項に記載の微粒子の製造方法であって、   
2種類以上の材料を前記材料それぞれの蒸発温度よりも高い温度領
域を通過させることにより前記材料を分解させ、前記材料の粒径よ
りも小さい粒径の微粒子を形成する、微粒子の製造方法。 
⑥熱プラズマによって前記材料を分解させることにより前記微粒子
を形成する、請求項5に記載の微粒子の製造方法。
⑦前記2種類以上の材料は、シリコン(Si)と、リチウムシリケ
ート(LiSi、但し、x、y、zは、x>0、y>0、z
>0である。)、水酸化リチウム(LiOH)及び炭酸リチウム(
LiCO)のうち1種類以上とを含む、請求項5又は6に記載の
微粒子の製造方法。
⑧請求項1~4のいずれか1項に記載の微粒子を負極活物質として
含む、リチウムイオン二次電池

【概要】
負極の高容量化は現在使用されている黒鉛系活物質をシリコン(Si
)系活物質に変更することで最大約9倍の高容量化が期待されてい
る。しかしながら、黒鉛系活物質の充放電時における体積膨張率
110%であるのに比べ、シリコン系活物質の体積膨張率は 約

00%と大きい
ことが報告されている。そのため、シリコン系活物
質をそのまま使用した場合、充放電時における活物質の体積膨張・
収縮により、活物質の自壊、及びそれに伴う電極の破損により充放
電容量の低下が実用化の障害になっている。解決策としては、シリ
コン系活物質を150nm以下の微粒子とすることが提案されてい
る。しかしながら、シリコン金属は、前駆体になる最適な溶液が
なく、融点・沸点も高く、機械的強度も高いため、液相合成法、熱
分解法等により150nm以下の微粒子を形成することは困難であ
る。また、シリコン金属を機械的粉砕法にて微粒子化する場合、長
時間の粉砕処理が必要となり、シリコン表面に酸化被膜が形成され
てしまう。この現象は、シリコン金属の粒子径が小さくなるに従い
顕著になり、電池容量に寄与するシリコン金属の割合が減少してし
まうことから、電池特性の低下に繋がる。シリコン金属を微粒子化
する方法は、限定されるため、生産性が高く、大量に合成できる方
法が開発されている。 

例えば、特許文献1では、シリコンナノ粒子の製造過程で粒子表面
が容易に酸化することを抑制するために、窒素雰囲気下で微粒子を
製造する方法が開示されている。以下、従来のシリコンナノ粒子
一例として、特許文献1に記載のシリコンナノ粒子について説明す
る。図4は、従来のシリコンナノ粒子の概略断面図を示す。 
シリコンナノ粒子は、リチウムイオン二次電池の負極用の材料とし
て応用されている。図4の(a)に示すように、シリコンナノ粒子
100Aは、コア材料10Aと、コア材料10Aを被覆する被覆層
20Aと、さらに被覆層20Aを被覆する被覆層30Aとから構成
される。例えば、コア材料10Aは、球状のシリコン金属であり、
シリコン金属表面を被覆する被覆層20Aは、リチウムシリケート
(LiSi)相であり、LiSi相の表面、つまり、
シリコンナノ粒子100Aの最表面を被覆する被覆層30Aは、カ
ーボン(C)コーティング層である。ここで、LiSi相の
x、y、zは、x>0、y>0、0≦z≦2(x+4y)である。
LiSi相である被覆層20Aは、シリコンナノ粒子を作製
する時に投入されるリチウム材料と、シリコン金属の表面に形成さ
れる酸化被膜とが反応することにより、シリコン金属の表面に形成
される。LiSi相のx、y、及びzの比率は、リチウム材
料及びシリコン金属の比率、及び反応条件によって幅広い範囲で選
択されることができる。


シリコンナノ粒子100Aは、ビーズミリングまたはボールミリン
グのような機械的粉砕処理によって作製される。乾式機械粉砕の場
合は、コア材料10Aであるシリコン金属を適正水準に粉砕した後、
リチウム材料及びカーボン材料を投入し、シリコン金属と一緒に粉
砕処理する。その後、粉砕された材料を回収する際に、粉砕された
シリコン金属が空気中に露出されることにより、当該シリコン金属
の表面にSiO2-α(0≦α≦1)の酸化被膜が形成される。湿式
機械粉砕の場合も乾式粉砕と同様に、シリコン金属を適正水準に粉
砕した後、リチウム材料及びカーボン材料を投入し、シリコン金属
と一緒に粉砕処理する。その後、粉砕された材料を乾燥させる際に
、粉砕されたシリコン金属が空気中に露出されることにより、当該
シリコン金属の表面にSiO2-α(0≦α≦1)の酸化被膜が形成
される。その後、700℃から1200℃の温度範囲で熱処理を行
うことにより、シリコン金属の表面の酸化被膜とリチウム材料とが
反応してLiSi相が形成されると同時に、シリコンナノ粒
の最表面にカーボンコーティング層が形成される。これにより、
図4の(a)に示した複合粒子である従来のシリコンナノ粒子10
0Aが得られる。
【発明の効果】 
本開示によれば、電池容量を増加させることができ、かつ、サイク
ル特性の低下を抑制することができる微粒子、微粒子の製造方法、
及び、リチウムイオン二次電池を提供できる。



【佐竹本三十六歌仙下句トレッキング;斎宮女郎⑩
#TheThirtySixImmortalPoets#SaiguunoNyougo

世にふればまたも越えけり鈴鹿山むかしの今になるにやあるらむ

                                   拾遺495

生き長らえた末に、再び越えるのだ、鈴鹿山を。昔が今によみがえ
ったのだろうか。

秋の日のあやしきほどの夕暮に荻吹く風の音ぞ聞こゆる 

                                    斎宮集

秋の日の、あやしいほど人恋しい夕暮時に、庭の荻叢をそよがせ
て吹く風の音が聞こえます。





徽子女王(きし)じょおう、延長7年(929年) - 寛和元年(985年))は
平安時代中期の皇族、歌人。式部卿宮・重明親王の第1王女(醍
醐天皇の皇孫)。母は藤原忠平の次女・寛子。朱雀天皇朝の伊勢
斎宮、のち村上天皇女御。斎宮を退下の後に女御に召されたこと
から、斎宮女御(さいぐうのにょうご)と称され、また承香殿女御、式
部卿の女御とも称された。三十六歌仙および女房三十六歌仙の
1人。 三十六歌仙の中でも5人しかいない女流歌人の1人で、後の
歌仙絵の中でも際立った存在感を示している。絵柄は数種の構図
が知られており、高貴な身分を示す繧繝縁の畳に伏し美麗な几帳
の陰に姿を隠したものが最も一般的である。現存最古の作品とし
て名高い佐竹本三十六歌仙絵巻でも、束帯や華麗な十二単の正
装に居住まいを正す歌仙が大半を占める中で、一人くつろいだ
姿で慎ましく顔を伏せた斎宮女御は、いかにも深窓の姫君らしい
気品漂う姿が華やかな色彩で美しく描かれている。なお、大正8年
1919年)にその佐竹本が切断・売却された際には、六歌仙の一
でもある小野小町をも上回って斎宮女御に三十六歌仙中最高の
価格が付けられたといわれ、益田孝の所有となった。


 
佐竹本三十六歌仙絵巻は、三十六歌仙を描いた絵巻物で、鎌倉時代
(13世紀)に制作された。久保田藩(秋田藩)主・佐竹家に伝来
した、三十六歌仙絵の草分け的存在にして、代表的な作品である。
書は後京極良経、画は藤原信実によると伝わる。元は上下2巻の巻
物で、各巻に18名ずつ、計36名の歌人の肖像と住吉大明神が描
かれていたが、1919年(大正8年)12月20日に各歌人ごと
に切り離され、掛軸装に改められた。原型とは異なっているが、一
部を除き重要文化財に指定されている。



 ● 今夜の一枚

【絵画トレッキング:ヤスオクニヨシ①】

Disturbing Dream 『安眠を妨げる夢』
カゼインを使った作品は、作品のトー ンを明るくして、描かれる
悲劇的情景の不思議な沈黙に似た静寂を創り出している。『夢』
『安眠を妨げる夢』といった夢をテーマに した作品は、クニヨシ
に構図上の自由を与える。その中でとりわけ明るい色が異次元の空
間を生み出し、かつ悲しみや悲劇的展開が不思議な透明感を持って
追って来ます。人間への絶望と期待(第4期:人間への絶望と期待
1948-1952(原文:小澤善雄 「大人のためのパソコン絵画入門」)。

国吉 康雄(くによし やすお、1889年9月1日 - 1953年5月14日)は、
日本の洋画家。岡山県岡山市中出石町(現・岡山市北区出石町一丁
目)出身。20世紀前半にアメリカ合衆国を拠点に活動した。



【視力回復トレーニング実行計画①】
脳からストレスを取り除く

心身、目、すべてをリラックスさせるためのエクササイズ。

●ビジョン・ブリージング 1分
"ブリージング"とは、呼吸法。呼吸と心は密接なつながりがる。
っくりと呼吸すれば、心もゆっくりと静まっていく。




思い立ったらすぐ実行。たとえ三日坊主でも。というわけで、朝の
お勤め+モーニングスクワット(踵落とし×腕立て伏せ×スミング・
スクワット;1セット)+ルームウォーキング(1回)+歯磨き(
3回/日)+点眼(3回/日)と。明日から「ビジョン・ブリージ
ング」(1回/日)。

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春の心は のどけからまし

2019年11月06日 | ネオコンバーテック

          

                                   

8.泰 伯 たいはく
ことば------------------------------------------------------
「人のまさに死せんとするや、その言うこと善し」(5)
「士はもって弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し」(8)
「民はこれによらしむべし。これを知らしむべからず」(10)
「その位に在らざれば、その政を謀らず」(15)

「学は及ばざるがごとくするも、なおこれを失わんことを恐る」(18)
------------------------------------------------------------ 
    
17 情熱家だがそのくせ裏表がある。純情家だが、そのくせ手練
手管をつかう。愚直だが、そのくせこすっからい。----こうした連
中は手のほどこしようがない。(孔子)

子曰、狂而不直、侗而不愿、悾悾而不信、吾不知之矣。

Confucius said, "If a person is idealistic but not single-minded,
naive but not serious or simple-minded but not honest, I cannot
teach him."

 

【佐竹本三十六歌仙トレッキング;在原業平④
#TheThirtySixImmortalPoets#AriwaranoNarihira
在原業平(825~80)
平城天皇の王子阿保親王を父、桓武天皇の皇女伊都内親王を母とし
て誕生。『三代実録』に「体貌閑麗、放縦不拘、略無才学、善作倭
歌」と評され、和歌を能くする美男として伝えられた。『伊勢物語』
の主人公のモデルとしても有名で、六歌仙にも選ばれている。

世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

                         在原業平

この世の中に、全く桜というものがなかったなら、春を過ごす人の
心はどんなにのどかだろうか。本来春はのどかな季節であるのに、
人は桜が咲くのを待ち、散るのが気になり落ち着かず、桜のために
人々の心が穏やかでないことを述べて、人の心を騒ぎ立てる力のあ
る桜の素晴らしさを詠った作品。



奈良市法蓮町にある不退寺は、仁明天皇の勅願を受け在原業平が開
基。寺伝では不退寺は、元は祖父・平城天皇薬子の変のあと剃髪
したのち隠棲した「萱の御所」である。平城天皇の皇子・阿保親王
やその息子である業平もこの地に住んでいた。天理市櫟本町の在原
神社
は業平生誕の地とされ、『伊勢物語』の23段「筒井筒」のゆか
りの地。境内には筒井筒で業平(と同一視される男)が幼少期に妻と
遊んだとされる井戸があり、在原神社の西には業平が高安の地に住
む女性のもとへかよった際に通ったとされる業平道横大路竜田
)が伸びる。ただこの高安が何処を指すかについては、奈良県
駒郡
斑鳩町高安大阪府八尾市高安の2説がある。また、龍田から
河内国高安郡への道筋については、大県郡(大阪府柏原市)を経由
したとする説と、平群町十三峠を越えたとする説がある。



 


 
【ポストエネルギー革命序論87】 
 


ナノテク太陽電池で効率を10%向上できる
11月3日、スウェーデン王立工科大学の研究グループは、太陽電
池に用いるフィルムを開発したことを公表。それによると、ナノク
リスタルとマイクロレンズを組み合わせて赤外線を捕捉し、太陽エ
ネルギーの変換効率を10%以上向上する。通常の太陽エネルギー
システムでは電力変換能力が限られるが、同研究グループは、通常
の太陽電池に開発したフィルムを貼り合わせることで、赤外線をエ
ネルギー変換し、効率を10%高めるた。近い将来さらに大きな増
加が可能となると言う。技術を最適化することなく、効率を10%
向上m効率が20〜25%向上する可能性があると見積る。

 

技術論文:
マイクロレンズ配列で低励起放射線の高励起変換技術
【要約】
低励起放射照度での高励起変換発光UCL)強度の不足は、光バイオ
イメージングから太陽光発電までの多くの分野でのランタニドドー
プアップコンバージョンナノ粒子(UCNP)の一般的な適用を妨げる。
この作業では、マイクロレンズアレイ(MLA)を空間光変調器として
使用して、励起放射に対する非線形応答を利用してUCLを増加に励起
光場の分布操作を提案。NaYF4:Yb3+、Er3+ @ NaYF4:Yb3+、Nd3+
およびNaYF4:Yb3+、Tm3+ @ NaYF4:Yb3+、Nd3+コア/シェルUCNPsか
らのマルチカラーUCLは、980または808nmの励起下で1桁以上増加で
きることを示す。これらのサンプルの上部にポリマーMLAを配置する
だけ。観察されたEr3+からの典型的な緑(525/540nm)および赤(6
54nm)UCLバンドとTm3+からの青(450/475nm)UCLバンドは、それら
の異なる多光子プロセスによる明確な増強因子を示します。重要なこ
とに、レイトレーシングシミュレーションでは、MLAが 励起光(980
および808nm)を桁違いに空間的に閉じ込めることができるため、低
励起でUCLを225倍(450 nmのTm3+のUCLバンド)増幅できます。放射
照度。提案されたMLAメソッドは、ここで実証されたUCNP強化色素増
感太陽電池など、UCNP ベースのすべてのタイプのデバイスのパフォ
ーマンスの向上に即座に影響を与える。
 
特開2004-091328 無機ナノ粒子−有機化合物複合体およびそれの一
  次元配列集積構造体

【はじめに】
照射された太陽エネルギーのほぼ半分を含む赤外線(IR)領域は、
長い間、太陽電池で利用される太陽照射スペクトルの最も困難な部
分を構成。これは、色素などの光増感剤が関与してい多ためで、ペ
ロブスカイトはIR光に対して限られた応答を示す。2つ以上のサブ
バンドギャップフォトン1つのバンドギャップ以上のフォトンに変
換し、さまざまなタイプのIRエネルギー利用のステータスを潜在的
に変更することで、太陽光発電デバイスの伝送損失を回避するソリ
ューションを提供できる。

高励起変換発光UCL)化学の最近の進歩により、最大19%(以前
の世界記録の結果)以上の高い発光量子効率を備えた高品質UCNP に
簡単にアクセスできる。比較的高い励起強度の閾値にり隠れており、
通常は1Wcm-2を大きく上回わる。これは太陽スペクトルのIR光よ
りもはるかに高い値である。その結果、太陽電池に組み込まれた場
合、UCNPの光変換能力の多くは低励起放射照度の無駄となる。これ
は、基本的に UCLの多光子特性に根ざす。UCNPの非線形性を考慮し、
以前の研究で、送達された励起光子の時間分布を変調してUCLをブー
ストする戦略を提案。パルス幅)、多光子UCL は、同一の平均励起
強を持つ同等のCW励起の場合に比べ、数桁簡単に増強できる。この
作業では、アップコンバージョンナノクリスタルの顕著な固有光子
変換能力を引き出すため、励起光変調の空間バージョンを調査。こ
れは、高い励起強度のみ達成。技術的には、ポリマーベースのマイ
クロレンズアレイ
(MLA)を利用し、励起光を空間的変調を提案する。
MLAにより引き起こされた光の集中は、UCLの大幅な強化につながり、
1桁よりも容易に高くなることが判明している。ナノ結晶の励起光
強度応答にリンクするレイトレーシングシミュレーションを実行し、
アップコンバージョン強化の最適なマイクロレンズ構成を探ぐる。
提案戦略は、アップコンバージョンナノ材料の高い励起強度の閾値
を克服し、IR範囲の太陽電池の性能向上に、エネルギー適用範囲の
限界突破めざす。私たちのアプローチは一般的であり、 UCLを強化
する他の戦略、化学的またはフォトニックと組み合わせられること
ができることに注意する必要がある。

【実験結果】
①材料
塩化イットリウム(iii)六水和物(YCl3・6H2O、99.99%)、
塩化ネオジム(iii)六水和物(NdCl3・6H2O、99.99%)、エルビウ
ム(iii)塩化物六水和物(TmCl3・6H2O、99.99%)、塩化ツリウム
(iii)
六水和物(TmCl3・6H2O、99.99%)、水酸化ナトリウム(N
aOH)、フッ化アンモニウム(NH4F)、1-オクタデセン(ODE)、オレ
イン酸(OA)、エタノール、メタノール、シクロヘキサンはSigma-
Aldrichから購入

②ナノ粒子合成:-省略-
③特徴
構造的および形態的特性評価は、透過型電子顕微鏡(JEOL、JEM-14
00)で実施。
808および980 nmのダイオードレーザを備えたEdinbur-
gh FS5分光光度計で発光スペクトルを記録しました。
光学顕微鏡
(Olympus CX23)と表面プロファイラー(Veeco、Dektek 150)を使
用して、MLAの表面構造を特性評価しました。
電流密度-電圧(JV)
測定には、ソーラーシミュレータ(Newport Oriel、LSC-100)とコ
ンピュータ化されたケースレー2400ソースメーターを使用。

④MLAの添加によるアップコンバージョンルミネセンス増強の調査
シクロヘキサン(500μL)中のUCNPの懸濁液を FTOガラス片の導電
面に滴下し、室温の穏やかな空気で乾燥させました。 NIR励起光の
コリメートビームがナノ粒子に照射され、生成された放射光がファ
イバーによって収集され、FTOガラススライドの背面に配置され、
接続された分光計によって検出されました。MLA の一部が適用され
ると、MLA とUCNP層の間の溶媒(水、エタノール、メタノール)の
薄層の助けを借りて、UCNP表面に付着した。

⑤電流密度-電圧(JV)の測定と特性
以下に示すすべての測定は、3GSolar、Ltdから購入した色素増感太
陽電池(DSSC)で実行された。電流密度-電圧測定は、ソーラーシミ
ュレータ(Newport、AM 1.5G、0.1 W cm-2の照明)で実行。コンピ
ュータ化されたケースレー2400ソースメータ。シクロヘキサン中の
UCNP(250μL、10 mg mL-1)を最初に薄いカバースライド(1.5 cm
×1.5 cm、厚さ0.17 mm)に滴下し、次に空気中で乾燥させてUCNP層
を形成した。電流密度-電圧(JV)測定は、基準DSSC、乾燥UCNP層ま
たはMLAを上部に配置したDSSC、および乾燥UCNP層とMLAの両方を上
部に配置したDSSCで実行して、効率の違いを比較しました。すべて
のJV測定について、DSSCセットアップ全体の上にブラックマスクを
配置して、1.0 cm×0.7 cmの露光領域を作成し。

結果と考察

アップコンバージョン発光を強化するための空間光変調器としてマ
イクロレンズアレイを使用する動機

UCLの非線形性により、その量子収率(QY)は一般的に一定ではな
く、励起強度とともに増加(図1)。たとえば、標準的な2光子UCL
バンドの場合、QY、Φ2-ph、
励起強度(Iex)に応じてスケーリン
グされる。

ここで、Φsは2光子UCLが達成できる最大QYであり、IbはQYが
最大QYの半分に達する平衡励起強度。
したがって、同じ線量
の励起光子が与えられた場合、より高い励起強度はより多く
の放出光子につながる。



図1 励起強度に対する非線形応答による、高励起変換発光のマイ
クロレンズアレイで増強された量子収率の概略図。
UCNPは、光変換
能力をトリガーするために高い励起強度を必要とすることに気づき
、適切な集光器を探すことに専念。
マイクロサイズのレンズアレイ
は、とりわけ、UCNP増感デバイス(図1)の性能を向上させる理想
的な候補になり得ることを認識。
太陽電池。 MLAは、曲率半径が小
さいために励起光を効率的に集光できるだけでなく、フォトニック
デバイスに簡単に統合できる。
さらに、比較的低コストの原材料(
例:ポリマー)と製造技術の入手可能性により、大規模生産のコス
トが手頃な価格になる可能性がある。
この作業では、UCNPの発光強
度に対するMLAの励起光変調効果を調査した。

アップコンバージョンナノ粒子の形態と光学特性
コアNaYF4:20%Yb3 +、2%Er3 +およびNaYF4:20%Yb3 +、0.5%T
m3+ナノ粒子、および対応するコアシェル構造のNaYF4:20%Yb3+、
2%Er3+ @ 20%Yb3 +、30%Nd3+(YbEr @と表記) YbNd)およびNa
YF4:20%Yb3+、0.5%Tm3+ @ 20%Yb3+、30%Nd3+(YbTm @ YbNdと
表示)ナノ粒子は、以前に報告されたプロトコルに従って合成され
た。合成されたナノ粒子の形態は、透過電子で特徴付けられた。顕
微鏡。コアNaYF4:20%Yb3+、2%Er3+ナノ粒子の平均直径は約30nm
(図S1(a))、コアシェルYbEr @ YbNdナノ粒子は約40 nm(図S1
(b) )。 Tm3+ドープコアとコアシェルナノ粒子の平均直径は、Er3+
ドープのナノ粒子とほぼ同じで、それぞれ〜30 nmと〜41 nmで(図
S1(c)とS1(d))。コアシェルYbEr @ YbNdおよびYbTm @ YbNdナ
ノ粒子のUCL特性は、連続波(CW)980および808 nm励起下でその後
研究。 YbEr @ YbNdナノ粒子は、980および808 nmの励起下で525/540
nmおよび654 nmで比較的強い発光バンドを放出(図S2(a))。2H11/
2/4S3/2→4I15/2およびEr3+イオンの4F9/2→4I15/2遷移。808nmの励
起下でのUCL強度は、980 nmの励起下での強度よりも弱かった。Yb3+
→Er3+)、これは980 nm光の直接励起アプローチに相当(Yb3+→Er3+
経由)。Er3+2H9/2→4I15/2遷移から生じる409 nmでの非常に弱い発
光バンドもある。両方の励起アプローチで検出された。ナノ粒子の
励起強度応答は、励起パワーを変化させ、対応するUCLスペクトルを
記録することにで、980 nmと808 nmの両方の励起に対して定量化さ
れた。 525/540 nmの2光子緑色発光バンドは、CW 980で低励起強度
(2.93〜36.29 W cm-2、23〜285 mW、ビーム径〜1.0 mm)の励起強
度にほぼ二次依存性を示した。1.5のスロープ効率を特徴とするnm励
起(図S2(b))。同じ条件下で、654 nmの赤いバンドは励起強度へ
の依存度が急峻であり、スロープ効率は1.8です。409 nmの3光子ブ
ルーバンドは、2.2のスロープ効率を示している。これらすべてのア
ップコンバージョンバンドの励起強度(980 nm)依存性は、励起効
果の増加に伴い顕著になりません。これは、YbEr@ YbNdナノ粒子の
これらのUCLバンドは、CW 808nmの強度と同様の応答を示しす。励
起光ですが、飽和傾向がより速くなる(図S2(c))。YbTm @ YbNd
ナノ粒子は、Tm3+の遷移1G4→3F4、1G4→3H6、1D2→3F4にそれぞれ
由来する、650 nm、475 nm、450 nmで比較的強い発光バンドを放出
いた(図S2(d))。 これらの発光バンドはすべて、980および808
nmの励起下での励起強度への非線形依存性を示す(図S2(e)および
S2(f))。

マイクロレンズアレイを励起光空間変調器として使用するこ
とによるアップコンバージョン発光増強
実験で使用したMLA
はポリカーボネート(PC)


PC素材は、NIR範囲で最大95%の高い透明度を持っている(図
S3)。
したがって、MLA構造によるエネルギー損失は5%未満。走査
型電子顕微鏡(SEM)と光学顕微鏡を使用して、MLAの表面構造とプ
ロファイルを特徴付けた。
図2(a)に示すように、サイドビュー
SEM画像は、51.02μmの周期の明確なMLAを示す。
マイクロレンズの
高さは16.47μm、幅は47.08μmで、隣接するマイクロレンズ間に3.50
μmのギャップがある。
湾曲した層の隣のスラブ部分の厚さは75.00
μm。
トップビューSEM画像(図2(b))と光学顕微鏡画像(図2
(c))
は、MLAの周期構造をよく示す。



図2(a)ポリカーボネート材料で構成されたMLAのSEM画像、側面図、
および(b)表面構造、上面図
(c)MLAの光学顕微鏡画像。 (d)
MLAエンハンスメント効果研究の光学セットアップの概略図:D –検
出器。
S –ソース。 NaYF4のUCLスペクトル:20%Yb3+、2%Er3+ @
20%Yb3+、30%Nd3+ナノ粒子の(e)980 nmおよび(f)MLA光変調あ
りとなしの808 nm CW励起(平均励起強度:1.3 W cm-
2)。 NaYF4の
UCLスペクトル:20%Yb3+、0.5%Tm3+ @ 20%Yb3+、30%Nd3+ナノ粒
子の(g)980 nmおよび(h)MLA光変調ありおよびなしの808 nm CW
励起(平均励起強度:1.3 W cm-
2)。

マイクロレンズアレイを励起光空間変調器としてアップコン
バージョン発光増強



図3(a)NaYF4:20%Yb3+、2%Er3+ @ 20%Yb3+、30%Nd3+、およ
び(b)NaYF4:20%Yb3+、0.5の異なる発光バンドのMLAの追加によ
って誘発される励起強度依存性増強因子
808 nm CW励起下での20%
Tm3+@ 20%Yb3 +、30%Nd3 +ナノ粒子。
NaYF4のUCLスペクトル:
20%Yb3+、2%Er3+ @ 20%Yb3+、30%Nd3+ナノ粒子(c)980 nmお
よび(d)MLA光変調ありとなしの808 nm CW励起(平均励起強度:
0.1 W cm-
2)。NaYF4のUCLスペクトル:20%Yb3+、0.5%Tm3+ @
20%Yb3+、30%Nd3+ナノ粒子の(e)980 nmおよび(f)MLA光変調
ありとなしの808 nm CW励起(平均励起強度:0.1 W cm-2)。


MLAの励起光変調効果の光線追跡シミュレーション

図4(a)光線追跡シミュレーションで使用されるジオメトリ。
ミュレートされた励起光強度分布(b)前と(c)MLAの右端。
(d)
(b)および(c)の白い線で示される選択された線に沿った励起光
強度の線プロファイル分析。
(e)異なるスロープ係数を持つアッ
プコンバージョン放射バンドの計算された強化係数。

マイクロレンズアレイの追加によるUCNP強化色素増感太陽電池の性能改善


図5(a)UCNPおよび/またはMLA拡張DSSCの構成の概略図。 S –ソー
ス(b)AM1.5 G光照射(0.1 W cm-2)下でのDSSC、DSSC + UCNP、
DSSC + MLAおよびDSSC + UCNP + MLAの電流密度-電圧(J-V)特性。

 格安で高耐久性のアップバージョンフィルムの製造技術が確立
  されればどうなる。答えは簡単だ。








日英両政府主導で、宇宙ごみ低減の格付け制度創設

11月5日、日英両政府の主導で、宇宙開発に携わる事業者を評価
する新たな格付け制度が来年春に創設されることが分かった。宇宙
で急増する人工衛星の破片などのスペースデブリ(宇宙ごみ)低減
を促すため、他の衛星との衝突回避機能など低減策に応じて事業者
をランク付けする。格付けの高い企業に資金調達や損害保険の面で
優遇することで国際社会のデブリ対策を底上げし、宇宙空間の安定
利用に貢献する。

 そろそろ、宇宙ゴミ処理事業部の設立準備内は入らなければ。


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釣する小舟漕ぎ隠る見ゆ

2019年11月05日 | ネオコンバーテック


          

              

8.泰 伯 たいはく
ことば------------------------------------------------------
「人のまさに死せんとするや、その言うこと善し」(5)
「士はもって弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し」(8)
「民はこれによらしむべし。これを知らしむべからず」(10)
「その位に在らざれば、その政を謀らず」(15)
「学は及ばざるがごとくするも、なおこれを失わんことを恐る」(18)
------------------------------------------------------------ 
    
16 楽官長摯の作品の中でも、間服の曲の終楽章はとくにすばら
しい。そのひびきは果てしなく耳にひろがる。(孔子)          

★訳は新注によったが、異説がきわめて多い。

子曰、師摯之始、關雎之亂、洋洋乎盈耳哉。

Confucius said, "The tune of Guan Sui, from the beginning to
the end, fills my ears with a beautiful and peaceful melody."



【佐竹本三十六歌仙トレッキング;大伴家持③
#TheThirtySixImmortalPoets#OotomonoYakamochi
大伴家持(718 ?~85):収録
歌最多の歌人として名高く、その主要な編者であったとも考えられ
ている。激しい政争の中を不遇なまま過ごしただけでなく、没後に
発生した藤原種継たねつぐ暗殺への関与が疑われ、大同元年(80
6)まで除名処分を受ける。

東(あゆ)の風いたく吹くらし奈呉の海人の釣する小舟漕ぎ隠る見ゆ   

                     『万葉集』巻17-4017


あゆの風が強く吹いているらしい。奈呉の漁師が釣りをする小舟が
波間に見え隠れしている。

この歌の初句「東風」の後にわざわざ「越の俗《くにぶり》の語《
ことば》、東風をあゆのかぜといふ」と注釈が書き加えられている。
下線部分の原文(万葉仮名)は「安由乃可是」。主に北陸地方など日
本海側で結構激しく吹く夏の風。俳句の夏の季語「あいの風」はこ
の万葉歌による。  

     


人口減少時代のまちづくり⑲
27 一人暮らし社会と家族形態の変化とは
【要点】
①2030年には中高年層の一人暮らしの増加が予想されている。

2015年には男性のほぼ4人に1人、女性のほぼ7人に1人が
 生涯未婚。
③一人暮らし高齢者の大半が、子どもなどとの同居を望んでいない。

1 一人暮らし社会~単独世帯、未婚化の増加  
「ひとり暮らし社会」化か進んでいます。その理由の1つとして、
単独世帯が増えている。2015年の国勢調査によると全国の単独
世帯数はI,842万に上り全世帯(5333万世帯)の34・5
%、人口(1億2709万人)で約7人にI人が一人暮らしという
状況。例えば、20年前の1995年と比較してみると、単独世帯
はI124万世帯で全世帯(4390万世帯)の25・6%と、率・
数ともに増加している。また、5歳階層別にみると、回収代後半か
ら20歳代前半はともかく30歳代や75歳代後 以降の世代で増
加傾向にあり、さらに、団塊の世代が80歳代に入る30年では、
85歳以上が他の5歳階層と比較して最も多く、全世帯(5348
万世帯)の3・4%、単独世帯の8・ 9%を占めると推計されて
いる。また、50歳以上の単独世帯も増加が予想され、30年には
総世帯の23・8%、単独世帯の53%を占めると推計され、高齢
者や中年層の一人暮らしの 増加が予想されている。 さらに、未婚
化の流れが挙げられる。その傾向を生涯未婚率」(50歳時点で生
涯一度も結婚したことのない人の割合)の 推移で見ると、15年
の男性の生涯未婚率は23%、女性は14% です。この数値は、
男性のほぼ4入に1入、女性のほぼ7入 にI入が生涯未婚という
ことを意味する。00年の男性 12・6%、女性5・8%から見る
と増加が目立ち、「結婚離れ」 の傾向が見て取れる。そして30
年の生涯未婚率はそれぞれ28%、19%にまで高まるとみられ
ている。

2 「一人暮らし社会」化~家族形態の変化と消滅
こうした、単独世帯化や生涯未婚率の上昇が、「一人暮らし社会」
化の傾向を押し上げていると思われる。さらに、人口問題研究所の
調査(15年)では、18~34歳の未婚者のうち「いずれは結婚
したい」と考えている人は男性86%、女性89%と、その割合は
高水準ですが、障害として「結婚資金」を挙げる人が最も多く、男
女ともに40%を超えています。非正規雇用の割合が4割を超える
中、雇用の不安定化か結婚を難しくする一因となっているのではと
思われます。また、内閣府の「一人暮らし高齢者に問する意識調査」
(15年)によると、一人暮らし高齢者に「今後の同居の意向」を
尋ねると、釣76%が「今のまま工人暮らしでよい」と回答し、子
供などとの同居を望んでいないということです。同居への配慮も含
めて、自分のペースで暮らし続けたいという気持ちが強いようです。
雇用や結婚、出産も、そして家族のあり方も多様性を含ん選択の時
代に入りつつあり、家族のつながり方や形態は変化、さらには消滅
への流れをも含んで進んでおり、今後の日本社会のありようにまで
つながる問題となっている。

3 今後の対応~豊かな社会環境と基盤づくリ  
一人暮らし社会は、結果として、介護や孤独死の問題につながりか
ねません。単身者への住宅支援や、特に、高齢者への介護や医療な
どの受け皿づくりも求められます。さらに、未婚率の上昇につなが
る経済的要因など、結婚を後押しする対策も急がれます。若い時代
には、生活を干渉されない、気を遣わずに生活できるというメリッ
トから一人暮らしが行われることが多いでしょう。また、個人とし
て、一人暮らしが良いと考え、実践する人もいるでしょう。しかし、
長い人生サイクルの中で、家族や地域、そして社会との多様な繋が
りを築き、時々に応じ、それぞれが豊かな人生を選択できるという
環境と基盤を社会として築いていくことが前援になければならない。         
キーワード 単独世帯/未婚率/家族形態の変化



デンマークで10代の自傷行為が大きく減った理由
近年では10代の青少年における自傷行為の増加が問題視されてお
り、イギリスやアイルランドでは08年のリーマン・ショックに端
を発する経済危機の後で10代の自傷行為が増加し、減少する兆候
も見られていない。ところがデンマークにおいては08年から16
年にかけて10代の自傷行為が大きく減少している。その理由につ
いてマンチェスター大学のSarah Steeg氏の考察が紹介されている。
経済不況は自殺の増加と関連していると考えられており、08年の
経済不況後は多くの国々で自殺者数が増加しているという研究結果
もある。自殺そのものは個人的な事象であるものの、社会が個人の
行為に影響を与えることは19世紀後半から指摘されてきた。自殺
と同様に自傷行為も社会が不安定になると共に増加すると見られて
おり、たとえばアイルランドでは07年から16年の間で自傷率が
22%増加
した。

デンマークの青少年における病院で治療された
自傷の発生率の時間的傾向(下図)


不況に対応する政策としてイギリス政府は緊縮政策を採用し、医療
費や失業手当、社会サービスへの支出が抑えられたが、この政策は
国民のメンタルヘルスと福祉に悪影響を与えたと指摘されている。
イギリスで行われた調査の結果で、自傷の割合が最も高いのは貧困
家庭の10代の若者。これらの若者は雇用市場の悪化による直接的
な影響を成人ほど大きく受けないが、アイルランドをはじめとする
各国では、10代の若者が自傷に走る割合が増えている。



デンマークの調査では全人口をカバーする620万人分の国民医療
データベースを分析、08年から16年にかけて自傷率が毎年減少、
研究の最初と最後で実に40%も自傷率が減っていた。自傷が減っ
たのは10代前半から後半まで、男女問わず幅広い層の若者であっ
た。その理由は、デンマークで92年以来、自殺の危険がある人々
に対して、自殺予防クリニックが心理社会的治療を提供するプログ
ラムを拡大しており、「メンタルヘルスサポートへのよりよいアク
セスが充実している」ことであることを突き止める。



一方で、デンマークと同様の精神保健サービスへのアクセスが整っ
ている国はほとんどなく、特に青少年は適切なサービスにアクセス
することが難しいとのこと。イギリスでは貧困地域に住む若者の自
傷率が高いものの、貧困状態にある若者は精神的な治療を受ける可
能性が他の層と比較して低いことがわかっている。

 数理工学的手法と自殺要因と自殺率及び現代自殺論を考察する
  には時間が足りない。残件扱い。北欧は発生率が低いようだ。

 

【ポストエネルギー革命序論86】
  




図1 左)4インチ角のシリコンウエハー上に印刷された極薄有機半
導体単結晶膜ウエハー。 右)用いられた有機半導体分子の化学構造
と、単結晶膜中の集合構造の模式図。

高密度・高信頼性・超低コストの印刷型集積回路事業化  
1,600個以上の超高移動度印刷有機トランジスタアレイ、実用レベ
の均一性と信頼性を達成

【要点】
①簡便な印刷法を用いて厚さがわずか10ナノメートルの極薄有機半
導体単結晶膜のウエハーの作製に成功
②ウエハー上に作製した1,600個のトランジスタが欠陥なく全て駆動
し、平均移動度は実用化指標となる約10 cm2/Vsを達成
③印刷規模の大面積化による高速有機トランジスタ集積回路の大量
生産および社会実装の実現に期待。  

11月5日、東京大学らの同研究グループは、高性能トランジスタ
として利用可能な有機半導体ウエハを簡便な印刷法により作製。
有機半導体は軽量性、柔軟性、印刷適合性などの観点から、現状の
シリコン半導体に置き換わり、安価に大量生産可能な次世代の電子
材料として期待されてきた。この点から、実デバイスに利用できる
有機半導体や印刷手法の開発が、長い間進められてきた。今回、本
研究グループは、独自の有機半導体材料と印刷技術を用いることで、
分子3層分程度の厚みを有する極薄有機半導体単結晶膜の4インチ級
ウエハーを作製できることを実証。このウエハー1枚から作製され
た1,600個のトランジスタは欠陥なく動作し、平均の電荷の移動度
は実用化の指標となる10cm2/Vs以上を達成したことを公表。従来の
有機半導体印刷に比べて、今回の印刷方法では材料消費が極めて少
なく、また印刷面積の大規模化においてプロセス時間短縮につなが
ると考えられ、将来の産業応用を見据える上で大きなコストダウン
が見込まれる。

【概説】
電子回路を構成するトランジスタは、従来用いられるシリコン半導
体に比べ、有機半導体は印刷による低温プロセスによりコストダウ
ンが期待できる、次世代の電子材料として盛んに研究されている。
特に、IoT社会に必要なRFIDタグやトリリオンセンサーユニバー
における大きな貢献が期待されている。ところが、有機半導体の
多くは、低温での印刷性能と優れた半導体特性とを併せ持つことが
少なく、世界でも実用的な電子デバイスの研究開発がなかなか進ん
でいません。また、高い有機トランジスタ性能を引き出すための均
一性や再現性に優れたプロセス技術の確立も大きなカギである。

この解決案の一つとして、最近では、印刷可能な有機半導体を用い
た単結晶膜が注目されている。現状は有用な有機半導体は限られる
ものの、印刷技術や理論の発展により、小規模研究レベルで比較的
高性能な有機半導体単結晶膜が印刷可能となっいる。今後大量生産
に向けて、有機半導体材料の改良と共に、大量生産が可能な手法を
見極める必要がある。

有機半導体材料を用いた印刷技術により、わずか分子2層分程度の
厚みの極薄有機半導体単結晶膜の作成に成功、移動度15cm2/Vs以上
を示す高性能p型有機半導体トランジスタを作製できることを報告。
J. Takeya, et al., Science Advances 2018 http://www.k.u-toky
o.ac.jp/info/entry/22_entry625/
)。この極薄単結晶膜を印刷する
際、同グループが開発した「連続エッジキャスト」法を用いると、
有機半導体インクを吐出するノズルのスキャン箇所にだけ単結晶薄
膜が成長します。この時、有機半導体インクの濃度や印刷温度など
の精密な制御により、分子レベルで層数制御された単結晶薄膜の製
膜が可能になります。単結晶膜はおよそ10ナノメートルと非常に薄
く、電気伝導層として最薄レベルに匹敵するため、極めて高い材料
利用効率になります。断続的にインクを供給しながら印刷を行うた
め、ノズルの拡張により大面積印刷が可能である。原理的に、この
手法はノズル幅を拡げることで単位面積当たりの印刷時間を削減す
ることが可能です。この点で、インクジェット法など印刷時間が印
刷面積に比例する印刷方法に比べて優れている。

今回、ノズル幅を従来の4倍以上となる9 cmに拡大し、周辺装置およ
び印刷条件を改良することで、およそ3分子層(12ナノメートル)か
らなる均一な有機半導体単結晶膜印刷の大面積化を実証(図1)。
9cm幅のノズルから得られる極薄有機単結晶ウエハは4インチ級の
大きさであり、市販のシリコンウエハに匹敵。また、用いた有機半
導体は化学的に安定であるため、単結晶薄膜上でフォトリソグラフ
ィによる電極パターニングが可能です。4インチ有機半導体ウエハ
に、1,600個のトランジスタを作製したところ、欠陥なく全てが駆動
するだけでなく、得られた平均の移動度は、現状の有機トランジス
タにおいて最高クラスである10 cm2/Vsに達成した(下図2)。

 
図2 左)有機半導体単結晶ウエハーから作製された1600トランジ
スタアレイの写真。中央)全トランジスタの伝達曲線、および右)
移動度マッピング。赤で示される領域で移動度10 cm2/Vsが達成され
た。

 

(a)連続エッジキャスティング法の概略図。OSC溶液は、中空の溶
液保持ブレードの上部から連続的に供給され、その間、ステージに
固定された基板が一方向に移動する。
有機薄膜結晶は、ステージの
動きとは逆の方向に成長する。
(b)セットアップの概略図。 印刷
(結晶成長)条件を制御するために、溶液槽、溶液供給ライン、溶
液保持ブレード、およびステージの温度を個別に監視および制御で
きる。




シリコンウェーハ基板上の90mmx90mmmm C9–DNBDT–NW結晶の共焦点
顕微鏡画像。結晶成長方向に対応するせん断方向は、左から右でし
た。スケールバー:10mm。白と黄色の点線は、OFETが配置されてい
るエリアを示している。結晶成長の観点から、欠陥のないモノドメ
イン結晶は「完全結晶」と呼ばれます。しかし、典型的な単結晶は、
熱力学の第三法則による固有の格子欠陥または不純物を示す。一方、
「多結晶」は、微視的な結晶の配向が優先方向なしでランダムにな
る可能性があるマルチドメイン固体として定義される。「多結晶」
という用語は、この論文で結晶性薄膜を定義するために使用されな
い。この結晶の配向には優先的な方向があるためである代わりに、
「単結晶」という用語が結晶膜に使用される。不整合の問題は、印
刷装置と印刷条件を改善することで克服できると予測している。


(a)デバイス構成の概略図。(b)デバイスの交差偏光光学顕微鏡
画像。
(c)デバイスの伝達特性(VD = -20 V)。黒の破線とマゼン
タの一点鎖線は、それぞれ理想的なトランジスタの適合と傾きを表
す。
チャネル長(L)とチャネル幅(W)は200μmと500μm。
 
 

1,600(40×40マトリックス)OFETの評価。(a)OFETアレイの写真。
(b、c)864個のOFETのウェーハの中心で得られた伝達曲線(VD =
-20 V)(27×32マトリックス)。
(d)すべての1,600 OFETのモビ
リティマップ。(e)測定されたモビリティの統計。(f)測定され
た信頼性係数rの統計。

方法:材料とOFETアレイの製造
C9–DNBDT–NWは社内で合成および精製されました。 OFETは、パリレ
ンdiX-SR(KISCO Ltd.)による表面改質を施したシリコンウエハ基
板上に調製されました。厚さ100 nmの熱酸化SiO2層を備えた6イン
チの高ドープn ++シリコンウェーハは、厚さ25nmのdiX-SRでカプセ
ル化され、SiO2およびdiX-SR二層ゲートの単位面積あたりの静電容
量(Ci)誘電体は26.3 nF cm-2と測定されました。3-クロロチオフ
ェン中のC9–DNBDT–NWの0.02wt%溶液を105℃で調製した。 C9–DNBDT
–NWフィルムを形成する前に、基板を100mm×100mmの正方形に成形し
ました。幅90 µmmの溶液供給ブレードを使用した連続エッジキャス
ティング法を適用して、C9–DNBDT–NWの大面積単結晶を形成し、ブレ
ードを固定し、基板を保持するステージを15で移動しました。結晶
成長の方向とは反対方向のμms-1次いで、結晶を80℃の真空オー
ブンに10時間入れて、残留溶媒を完全に除去した。 OSCoR4001
(Orthogonal Inc.)とAURUM S-50790(Kanto Chemical Co. Inc.)
がそれぞれフォトレジストと金エッチング液として採用され、パタ
ーン化されたトップコンタクト100nmを形成する複数のフォトリソグ
ラフィープロセスにより、ソース電極とドレイン電極が準備された。
-厚いAu層。 40×40のマトリックスを持つOFETアレイを準備した。
個々のOFETは、従来のイットリウム-アルミニウム-ガーネットレー
ザーを使用してエッジエッチングされた。各OFETのチャネル幅(W)
は500μm、長さ(L)は200μm(W / L = 2.5)でした。


電気測定

すべての電気測定は、半導体パラメーターアナライザー(Keithley
4200-SCS)と半自動プローブステーション(HiSOL HSP-150)を組み
合わせて、暗闇および周囲条件下で実施。
飽和領域での移動度μは、
以下を使用して伝達特性から決定された。

ここで、ID、L、W、Ci、VG、Vth、およびVDは、それぞれドレイン
電流、チャネル長、チャネル幅、単位面積あたりの容量、ゲート電
圧、しきい値電圧、およびドレイン電圧。
Ciの値は、5kHzの周波数
での静電容量-電圧測定から決定された。
推定された移動性の妥当性
を評価するために、飽和領域での信頼性係数35、rは、次の式を使用
して計算された。ここで、| ID | maxは最大ゲート電圧| VG | max
およびI 0 Dでの最大ドレイン電流。
ID0 VG = 0でのドレイン電流。

参考資料
新領域:厚さわずか数分子、2次元有機単結晶ナノシートの大面積
成膜に成功,印刷できる高速有機集積回路基板,2018.02.03

 有機半導体も大量投入される時代に入ることを約束する大面積印
  刷技術である。面白い。

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漢あり洗ひ鯉

2019年06月05日 | ネオコンバーテック

   

                                                                                                        

5.公冶長  こうやちょう 
ことば -------------------------------------------------------------------
全28章のほとんどすべてが人物批評である。
「人に禦る(あたる)に口給をもってすれば、しばしば人に憎まる」(5)
「道行なわれず、俘(いかだ)に乗りて海に浮かばん」(7)
「回や一を聞きてもって十を知る。賜や一を聞きてもって二を知る」(9)
「われいまだその過ちを見て、内にみずから訟むる者を見ず」(27)
  ----------------------------------------------------------------------
6 孔子が弟子の漆離間に仕官の口を紹介したところ、かれは、「わたしには、
まだ自信がありません」と断わった。
孔子は、この返事をきいて、心からよろこんだ。

<漆離間〉 漆離が姓、間が名、宇は子間。孔子より十一歳若い。

子曰、道不行、乘桴浮于海、從我者其由也與、子路聞之喜、子曰、由也、好勇過
我、無所取材。

 Confucius said,
"The country is not in order. I'd rather go abroad on a raft.
I would be accompanied by Zi Lu, if I went."
Zi Lu were pleased.
Confucius said, "Zi Lu, you are more courageous than
me. But how do you get lumber?"


7 孔子は慨嘆した。
「わたしめ理想はとても実現しそうにない。いっそ筏にでも乗って海に出ようか。
由(子路)なら喜んでわたしについて来るだろうな」
子路は得意満面だった。
孔子は言った。
「勇気だけはわたしも由にかなわない。だが、考えてごらん。筏の材料をどうす
るつもりだね」   

〈子路〉姓は仲、名は由、孔子より九歳若く、有名な弟子のなかでは最年長。勇を
好んだ反面、軽率なところもあったようだ。
 
孟武伯問、子路仁乎、子曰、不知也、叉問、子曰、由也、千乘之國、可使治其賦
也、不知其仁也、求也何如、子曰、求也、千室之邑、百乘之家、可使爲之宰也、
不知其仁也、赤也何如、子曰、赤也、束帶立於朝、可使與賓客言也、不知其仁也。

Meng Wu Bo asked Confucius,
"Is Zi Lu a benevolent person?"
Confucius replied, "I don't know."
Meng Wu Bo asked again and Confucius replied,
"Zi Lu can be a military secretary of the country. But I don't
know whether he is benevolent or not." Meng Wu Bo asked, "What about Ran Qiu?"
Confucius replied,
"Ran Qiu can be a mayor of a city or a butler of a powerful family. But I don't know
whether he is benevolent or not."
Meng Wu Bo asked, "What about Xi Chi?
" Confucius replied, "Xi Chi can be a diplomat in full dress. But I don't know whether he i
s benevolent or not."
 

★冗談めかした言い方だがヽ孔子のことばには深い嘆きがこめられている。子諮
にはそこまでくみとることはできなかった。だが、それをたしなめながらも、ど
こまでも師と行動をともにしようとする弟子の心を、孔子はうれしく奉ったにち
がいない。

 

生きのよい漢ありけり洗ひ鯉     小澤克子  


漢としてきみに食べられてみたい っいて?! そんなエネルギーないがね。



 

【ポストエネルギー革命序論 Ⅴ】

  June 4, 2019


 高性能スマートウィンドウ用ナノ塗膜法  

6月3日、「スマートガラス」とは、自動車、ビル、飛行機の新しい窓に使われ
るエネルギー効率の高い製品で、スイッチの裏返しで透明と着色の間でゆっくり
変化する。「ゆっくり」という言葉が当てはまるのは、従来のスマートガラスが、
暗くなるまで数分かかっていたから。明暗を繰り返すサイクルは、時間の経過と
ともに着色品質を低下させる傾向がある。コロラド州立大学の研究グループは、
ガラスがナノスケールでどのように機能するかを解析することで、❶スマートガ
ラスの速度と❷耐久性の改善策が明らかにし、スマートガラス用のナノサイジン
グを提供。同グループは、まず、2種類の色調材料───エレクトロクロミック
でリチウムイオンを酸化タングステンの透明な薄膜に注入し機能───このな酸
化タングステン製スマートガラスパネルの透明/着色の変換時間は7~11分要
す。研究者たちは、エレクトロクロミック───化学物質に電荷印加することで
その光物性に可逆的変化が起きる現象
───の酸化タングステンナノ粒子実験で
は、単一のナノ粒子、それ自体では、同じナノ粒子薄膜より4倍早く着色するこ
を突き止める。つまり、ナノ粒子間界面がリチウムイオンを捕捉し、着色動作を
遅延させために起きる。時間が経つにつれ、イオントラップ(イオン溜まり)が
生じ材料性能を低下させていた。

 June 3, 2019

これの裏付に、明視野透過顕微鏡法で、酸化タングステンナノ粒子の光吸収およ
び散乱を観察。試料を「スマートガラス」にして、試料中のナノ粒子注入量を変
化させ、着色挙動にどのように影響するかを観察。次に、走査電子顕微鏡でナノ
粒子の長さ、幅、間隔の高解像度画像解析。この結果から、イオントラッピング
界面
の回避に、最適間隔のナノ粒子材料を製造し、スマートガラスの性能改善で
きることを突き止めた。この成果である画像処理技術は、ナノ粒子構造とエレク
トロクロミック特性相関の新しい方法である。スマートウィンドウのパフォーマ
ンス向上は1つの適用事例にすぎず、電池、燃料電池、コンデンサー、センサー
の応用研究の道を拓くものである。ナノ粒子の化学反応の新しい方法は。広範囲
なエネルギー技術の基礎プロセス研究として活用が期待されている。

図6 エレクトロクロミックダイナミクスと可逆性に対する粒子間相互作用の役割

(A)t色90 t90color   そして漂白剤90 t90ブリーチ   粒子クラスターサイズ F、ナノロッ
ド薄膜。
L、大規模クラスター(> 25粒子)。 (BおよびC)不可逆的漂白の割合(C)
およびカラー(B)サイクル対粒子クラスターサイズ。
サイズ2、3、4、5、および> 25に
ついて分析されたクラスターの総数は、それぞれ134、72、41、32、および19でした。
A  -
  Cのエラーバーは平均の標準誤差を表します。
(DおよびE)並列(面接触)配置および
上下(点接触)配置を有する二粒子クラスターのSEM画像。
(スケールバー、1μm)。
(F)81個の並んだクラスター(合計243サイクル)および30個の上部および底部ク
ラスター(合計90サイクル)に対する不可逆的着色および漂白サイクルの割合。

 

 Feb. 25, 2019

 京セラ、BYD社とe-バスの充電量集約システムに協同
6月3日、京セラは、電気バス充電パターン最適化事業に、中国の電動自動車・充電装置
製造販売するBYD社と協力推進することを公表。京セラは、過去数年間に仮想発電所の試
験事業で開発した統合集約技術を使用する。これはグリッドへの負担軽減に、e-バス充電
サービスの需要と、自社の太陽光発電所・分散型発電設備ろの調整制御を目的にしている。
BYD社は、2つ電動バスの統合システムを提供。このK9モデルは市販されているが、今回
小型のJ6モデルを日本市場向仕様設計し、2020年春から発売予定するもの。

  June 3 2019

同社によると、乗用車との共有や運輸部門の用途を開拓に加えて、住宅部門向けの分散系電
力システムをも包括検討───地域社会や電力小売業者、ならびに送配電システム運営者と
協力していく。上述2社は、2020年までにEV統合の最初のソリューションを実証し、2021年
に市場投入を目指す。また、2050年に1台の車両につき80%、最大で90%の排出量削減
を目指す。経済産業省は「Well-to-Wheel Zero Emission」政策事業を開始しており、2010年の
ベースラインシナリオと比較し、京セラは横浜の本社を中心に仮想発電所を設立計画を今年
2月に公表し、ソーラーとストレージの組み合わせ、および米国のLO3 Energy社が提供する
P2Pブロックチェーンエネルギー取引システムの使用を公表している。

 Jan. 15, 2019

供給と消費の側で、それらを単一の「発電所」として管理するために、分散エネルギー資源
集約するには、現在注目されている技術は、グリッド安定と低コスト可変再生可能エネルギ
ー資源統合を実現できる。炭素排出する要素群である化石燃料自動車と比較し、購入価格差
が解消されつつあるが、通常の充電時間中に電力需要の変動に対応すべく、電気自動車普及
が影響を与えるが、同社は、電動自動車を既存の送電網との統合実現を目指している。

  Mar. 29, 2019

    May 14, 2019




【8050と少子社会問題Ⅰ:デンマークから学ぶ】

世界経済フォーラムによるジェンダー格差の度合い示す「グローバー・ジェンダー・ギ ヤ
ッブ指数(2018年)」(0~1で或され,0に近づくほど格差 か大きいことを示す)によ
れば、149カ国中1位はアイスランド (0・858}で、2位ノルウヱー (0・835
)~デンマークも13位(0・778)と健闘し、北欧諸国はジェンダー平等化か進んで
いる(学者が斬る 視点争点 デンマークの少子化克服策に学べ 倉地真太郎 週刊エコノ
ミスト 2019.06.11 毎日新聞出版)。これに対して日本は 110位(0・662)と下層
位にあるという。 現実には配偶者控除の廃止、時諏児童解消遅延と政策と理念の乖離が存
在する。

デンマークでは、充実した子育て支援を行う一方、夫婦間の働き方は中立的にある。具体的
には.児童手当などの家族関連支出の充実と配偶者控除廃止を行い、基礎控除枠の余剰と連
動させた配偶者枠の付け替え制度(移転的基礎控除)を導入し同一所得での不平等の解消を
図る。しかし、これらの特徴か整備されたのは、人権上の平等化より遅れる。

共働き支援少なく少子化?

第1次大戦後、デンマークは社会保障制度整備しつつ、人手不足を補う介凌や保育などの家
庭内両道は地方公務員が担い、結果、女性は外で働くようになった。専業主婦はパートタイ
ム雇用からフルタイム雇用にシフトする中女性の労働参加率が上昇。反面、共働き世帯対策
は遅れていた───配偶者控除は1930年の提案からか実現するまでに30年を要した。

「子なし」家庭にも恩恵

当時デンマークでは、平均初婚年齢の上昇、避妊具の普及なとで、初産年齢が徐々に高くな
り、女性の労働市場参画が進む一方で、制度の対応が十分進まなかったこともあり、当時は
生活 水準を維持しながら共鋤きと子育てを両立するのが現在よりも難しい結果、1960年代
初頭から全年齢層で出生率低下、1900年代に入ると、少子化問題を背景に子育て支援政策が
国政選挙争点となり、育児休暇制度の拡充、移転的基礎控除導入、なお、89年には世界初の
登録パートナー・シップ法により同性婚が 成立。87年には税制改革合わせ所得制限のない
給付型児童手当の支給額(非課税)が大幅に拡充されることになった。87年以前にも児童手
当制度は存在していたが、支給額が少なく、控除型だった。制度改革によって、児童手当は
増額され給付型になる。87年の税制改革は、資本所得税の簡素化・比例税率化など高所得者
層の恩恵が大きい内容であっため、児童手当の拡大は、低・中所得者層にも恩恵が行きわた
る側面があり、独身世帯や子供がいない世帯帯にも税制改やの恩忠がいくように基礎控除額
が拡充され、幅広い所得階層に恩恵が行きわたることで、子供を産む選択を社会全体で支援
する一方で、子供を産まない選択ができる制度構築が狙いとされた。そして、一連の制度改
と前後し、83年ごろから出生率は増加傾向に転じ、デンマークは少子化を克服したとさたと
分析する。

日本に伝統的家族観

翻って日本では、子育て支援政策の拡充を熱心に支持する議論と並行し、いわゆる伝統的な
家族のあり方を維持しようとする観点から、家庭内労働の市場化や制度上のジェンダー平等
化に対する否定的な見方もある。今後、単身世帯が加速的に増加していく中で、単身獣帯と
既婚獣帯の問で税制上の負担、子育て支援に対する合意を結ぶことは容易ではない。

子育てを家庭だけでなく社会・地城全体で支援するという「子育ての杜会化」を共通認識に
するには、子育て獣帯以外に対しても負担と給付のバランス上配慮が必要である。デンマー
クで子育て支援拡充が進んだのは、高所得者向け・単身世帯など幅広い杜会階層に恩恵が
届くよう税制を整えたことで、結果的に子育て支援にも社会的な合意形成ができたからだろ
う。確かに全体でみれば子育て支援を訴える層は常に存在するだろうか、個々の家庭では
乳幼児の子育期間は生涯ベースでそれほど長くはない。つまり、当事者意識を持って子育て
問題に関わる期間は、意外と短く、そのことが子育て支援に対する社会的な合意を結ぶこと
を難しくしている。今後、幅広い人々の理解を得なか、夫婦問で働き方を自由に選べる税制
や子育て世帯に対する支援の構築をどう行うか、多様な家族のあり方を踏まえて検討すべき
だろう。        

なるほど、グラフを見るか切り底打ちしているようにみえるが、少子化傾向の歯止めになっ
たと断定するには至らず、今しばらく、総合的・網羅的的考察をつづけ、高齢・少子問題解
決の糸口を探る。



 

  

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いよいよ最終章 「ラストワンマイル論」

2019年04月14日 | ネオコンバーテック

  

              

                                                                     

四、里 仁 りじん 
ことば---------------------------------------------------------------------------
「朝に避を聞かば、夕に死すとも可なり」(8)
「士、遜に志して、悪衣悪食を恥ずる者は、いまだともに議るに足らざるなり」(9)
「君子は綸に喩り、小人は別に喩る」(16)
「父母の年は知らざるべからず。一はすなわちもって喜び二はすなわちもって懼れる」(21)
「徳、孤ならず、必ず隣あり」(25)
 
--------------------------------------------------------------------------------- 
2 不仁な人間は、逆境には耐えられず、順境にはたらまち崩れる。だが、仁者はつねに仁
の境地に 安住できるし、知者は知者で仁の効用をわきまえて、仁からはなれまいとする。
(孔子)    

★仁{者)と知(忿はしばしば並置される,前章もその一例。

子曰、不仁者不可以久處約、不可以長處樂、仁者安仁、知者利仁。

Confucius said,
"People without benevolence cannot endure a wretched life and cannot continue
a comfortable life. People with benevolence can live a peaceful life. Wise people know
the advantages of benevolence."

  歴史伝説 孔子エピソード


  ● 今夜の一品

お洒落なリユースコップ「ハノチーノ」

北ドイツのハノーファー市は使い捨てカップのごみを減らそうと、2017年よりリユースカ
ップ「ハノチーノ」を導入。赤地に黒でハノーファーの風景を描いたおしゃれなカップで、
今では5万個以上が出回っている。ドイツの環境賞「グリーンテックアワード」のライフ
スタイル部門で受賞、注目が集まっている。2017年8月に地元サッカーチーム「ハノーフ
ァー96」の試合で初めて使用されてから、現在は市内 165ヶ所のカフェや売店、催し物会
場で扱っている。カップのデポジットは2ユーロ(250円)で、提携しているお店ならどこ
でも返却できる。2019年2月には蓋も登場し、これでコーヒーをこぼしたり、早くさめるこ
となく持ち運びができるようになった。蓋は別途2ユーロで、カップと合わせると4ユーロ(
500円)のデポジットとなる。



 

【エネルギー通貨制時代 85】
 Anytime, anywhere ¥1/kWh  Era”

 Mar. 23, 2019

Why Goldwind Led a $41M Round in Oxford PV
 
ラストワンマイル最終章:ヘーリオスとデグサマニーの融合

3月28日、フォーブスなどは、中国の風力発電会社Goldwind が12月20日に英国本社のオック
スフォードPV社が、ペロブスカイト/シリコンタンデム型太陽電池の世界最高変換効率を記録した
ことを公表の後、同社に資金投資(4,050万ドル(約45億
4千万円せ)累積総資金調達)───こ
の内、
Goldwindは、2100万ポンド(2,800万ドル/約314千万円の資金を投入して資金調達を
主導───
を行ったことを
報じたことは記憶に新しい
(上写真参照)。また、ブルームバ
ーグ新エネルギーファイナンス(BNEF)は、リチウムイオン電池のコストは下がり続け、
価格が過去1年間で35%下がり、1メガワット時あたり185ドル
───これは、大幅な減少
であり───2012年以降のリチウムイオンストレージのコストは76%減少していることを
公表(下図参照)。このようにデジタル革命渦(デジタルギャラクシー)をベースに急速
にわたし(たち)が提唱している「エネルギー通貨制時代」は目前に迫っている。


  Mar. 27, 2019

 US20170243699A1


 オックスフォード フォトボルテック社関連特許

US10158033B2 Connection of photoactive regions in an optoelectronic device:光電
子デバイスにおける光活性領域の接続
オックスフォード ユニヴァーシティ 
イノヴェー
ション リミテッド

【概要】
光電子デバイスは、ベース層、第1の導電層、光活性層および第2の導電層を含む層状構
造を有する。 光活性層および第1の導電層を貫通して延びる複数の分離チャネルが光活性
層を光活性領域に分離し、絶縁材料がそれぞれの分離チャネルを通ってベース層まで延び
る。 隣接する光活性領域間で、電気コネクタは、一方の光活性領域と電気的に接触してい
る第2の電極の表面と他方の光活性領域と電気的に接触している第1の電極の反対側の表
面との間で絶縁材料の横方向の範囲内に延在する。電気コネクタを絶縁材料の横方向範囲
の内側に延在するように形成することによって、接続の全体的な大きさが最小になる。

   Apr. 13, 2019
 得るは捨つるにあり Out with the old, in with the new

中国 大規模な新機能がオンライン登場、ソーラーパネル市場に激震 ?! 

今年の太陽光発電需要は弱く始まったが、下半期には増加傾向を示すだろう。 PV InfoLink
チーフアナリスト(Corrine Lin)は、ポリシリコンの需要と供給を調査し、中国の西部
大規模な新機能がオンラインで登場し、市場を揺るがすと予測(上写真参照)。 

ポリシリコン製造では、電力がコストの40%近くを占め、PVサプライチェーンの他のど
セグメントよりも高い割合です。その結果、中国の製造業者は、過去数年間で新設備
の生
産コストを効果的に下げるために電力料金がおよそ0.26元/ kWh(0.039ドル)で
ある西部
と北西部の地域に拡大。2018年末から2019年かけ、楽山市と包頭市の龍翔工場を含む大手
メーカ
GCL Poly工場。新疆大馬新エネルギー有限公司。アジアシリコン(青海)有限公
司の生産能力をリリースし、生
産コストは沿岸地域や海外より30~40%低いが、Hankook
Silicon、
Hanwha Chemical、OCIなどの韓国企業、中国のLDK Silicon、Yichang CSG Poly、や
DL Siliconが機器運営下で、2018年の最後の四半期でもポリシリコンの需要と供給は均衡維
持。中国のモノシリコン/ポリシリコ
ン価格はRMB 80~86/ kg、マルチSiは73~78 / kg。
である。今年の第1四半期に目を向けると、マレーシアの新疆に拠点を置くTBEAとOCIの工
場は
Yongxiang、GCL Poly、Daqo New Energyに加えて、新生産能力をリリース。世界のポリ
シリコン量は119,000メー
トルトン(MT)に達し、2018年第4四半期に見られた106,000トン
から12%増加。中
国西部と北西部の新たに追加された量は年末までに世界のポリシリコン
量の半分を
占める。 中国の北西部地域の低コスト生産能力に続いて、ポリシリコンの全体
的な
価格は徐々に下落、ポリ製造業者はより高い生産能力で悩み、海外生産者が生き残り
が困難になる。






非中国メーカー

中国のダンピング防止および補助金政策の影響で、米国のポリシリコン企業は中国市場
らの撤退を余儀なくされ、中国以外の製造業者が保持する
モノSi/マルチSiウエハの生産能
力は低く、米国企業のストレスとなっている。韓国に課される関税は米国同業者それより
低いが中国への韓国ポリシリコンの輸出コストも増加。中国への追加ポリシリコン量の中
で、モノシリコンウエハは60~80%
を占め、中国輸入依存度を減らす。昨年以降、中国の
海外ポリ
シリコン依存度低下を反映して、ポリシリコンの輸入は四半期ベースで徐々に減
少。高い製造コストと貿易障壁で、一部の非中国ポリシリコン製造業者は、以前に締結さ
れた長期契約に頼るしかできず、長期的には、国
外ポリシリコン製造業者は、長期契約の
終了後、市場から脱落すると予測する。



中国のポリシリコン

海外ポリシリコン製造業者と比較し、中国の古い生産能力と沿岸地域の生産コストはそれ
ほど低くないが、コスト上の利点の少ない製造業者は、今年の上半期
に生産減か、あるい
は一時停止せざるをえず、徐州の
Sino-Si、GCL Polyの各工場では、生産量減少や古い生産
能力の閉鎖が予想される
現時点で高コスト設備のすべてが生産中断した場合、今年の上
半期は昨
年の最後の3ヶ月から8,000から10,000トンの生産高の純増加したが今年は価格の
落傾向を示し、後半に大幅増加し始めた場合は、一部のポリシリコン製造業者が設備保
全に
ライン閉鎖と同時に、PV InfoLinkは、ポリシリコン価格がサプライチェーン全体が大
きく回復すると予測。

中国西部と北西部では低コスト容量が徐々に増加しているにもかかわらず、昨年後半か
高コスト量も市場から撤退、市場統合が高まる。この現象はまた、生
産能力の継続的拡大
に反し、ポリシリコン価格がわずかに下落する
傾向にある。PV InfoLinkは、マルチSiウエ
ハ用のポリシリコンの最低価格は66元/ kgであり、モノ
Siウエハ用の76 / kgは3月上旬の
価格と比較して6-7%わずかに低下する
全体的価格は今年後半に劇的に反発し、今年の最
初の3ヶ月で見られたRMB87-93 / kgより高いレベルにある
モジュール供給は、補助金
削減により、世界のモジュール価格は下半期の需
要増加にもかかわらず上昇する可能性が
高く、マルチSiウェハ/
セルの利益幅が限定され、ウェハ/セルは通常ポリシリコンの価
格動向を
反映、モジュール利益は下半期の繁忙期に少し減少し、モジュール製造業者が今
年より高効率製品を積極的に生産する要因となり
、利益率改善のスピードアップが重要に
なると予測している。


  不思議な材料:初めて作られた二次元ホスホレンナノリボン

4月10日、ロンドン大学らの研究グループは、結晶性リンの小さな、柔軟なリボンを世
界ではじめて作製に成功したことを公表。それによると電子機器と急速充電技術に革命を
起こすだろうと語つ。 2014年のグラフェンのリン当量である二次元元ホスホレンの単離
以来、理論的研究をベースに「小さなリボンボン」を作製。 黒リンとリチウムイオンの結
晶から大量の高品質のホスホレンリボンを形成───個々のホスホレンナノリボンの用途
は非常に広範囲にわたるリボンは1原子層の典型的な高さで4~50nm幅×75μm長。
この縦横比は、ゴールデンゲートブリッジの2つのタワーにまたがるケーブルの縦横比に
匹敵。高度なイメージング手法を用い、非常に平坦で結晶性があり、柔軟なリボンを特徴
付ける。ほぼ単原子層の厚さで、リボンは1層以上のホスホレンで形成、リボンが分裂す
る1-2-3-4層の間にシームレスなステップを発見。ナノリボンはグラフェンのようないくつ
かの材料から作られてきたが、製造されたホスホレンナノリボンはより広範な幅、高さ、
長さおよびアスペクト比を有し、さらに、それらは液体中で大規模製造でき、低コストで
大量生産できる。

予測される応用分野には、バッテリー、太陽電池、廃熱の熱電変換素子、光触媒、ナノエ
レクトロニクス、そして量子コンピューティングなど。さらに、新しい磁性、スピン密度
波、トポロジカル状態を含むエキゾチック効果出現も予測される。ナノリボンは、黒リン
を液体アンモニアに-50℃で溶解したリチウムイオンと混合し形成。24時間後、アン
モニア除去し、混合サイズのナノリボンの溶液を作る有機溶媒と交換することで得る。

ホスホレンシートを目標にリボンを作製。ナノリボンが明確な定義特性をえるには、それ
らの幅が全長に沿って均一でなければならない。リボンの発見と同時に、その形態を特徴
付けるツールは急速に進化。ブリストル大学で構築した高速原子間力顕微鏡は、リボンの
ナノスケール特徴をマッピング機能を持ち、巨視的な長さである。また、広い範囲にわた
り、何百ものリボンをイメージングでき、作製された長さ、幅、厚さの範囲を詳細な評価
が可能となったと述べている。




これで、研究小僧から卒業できそうですね(笑)。

 

  ●今夜の一曲

優しいあの子 スピッツ Music Writers:草野正宗、スピッツ

「優しいあの子」がマイブームに。日本のロックバンド・スピッツの楽曲で、通算42作目の
シングルとして2019年6月19日にユニバーサルJより発売予定─── 前作「みなと」
から3年
2か月ぶりとなるシングル───表題曲「優しいあの子」は、NHK連続テレビ小説
『なつぞら
』の主題歌───北海道を舞台としたドラマであるため、歌詞にアイヌ語の
単語を使用──
─らしいなのだが、短いイントロなのだがスピッツ節炸裂?!で初夏の
サイダーの爽やかさ
が身体を通り過ぎていくような楽曲。



 

コメント
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ラストワンマイル35

2019年03月14日 | ネオコンバーテック



             

                                                  

 

 八  佾 はちいつ
ことば-------------------------------------------------------------------------
この篇は、礼をテーマとする章を中心として編集されている。
「夷狄の君あるは、諸夏の亡きがごとくならざるなり」(5)
「なんじはその羊を愛しむ。われはその礼を愛しむ」(17)
「成事は説かず。遂事は諌めず。既往は咎めず」(21)
「天下の道なきや久し。天まさに夫子をもって木鐸となさんとす」(24)

--------------------------------------------------------------------------------
2 魯の三人の実力者が、自家の廟で、祭祀の終わったあと雍の曲を奏しながら祭器をおろ
した。孔子はそれを非難した。
「歌詞をよく見るがいい。。"介添えするは諸侯たち 天子は在ます おごそかに"とあるで
はないか。これが陪臣ふぜいの家廟で奏してよい曲か」

三人の実力者〉 前章の季孫氏と、仲孫氏(孟孫の名でも呼ばれる)、叔孫氏の三家。魯
の桓公の子孫で、三桓と呼ばれ、世襲家老の家柄である。前出の孟慾子、孟武伯、父子は仲
孫(孟孫)氏。

雍の曲〉 『詩経』周 頌篇にある。これを奏するのは、周の天子の礼とされる。

 

    

【エネルギー通貨制時代 74】 
Anytime, anywhere ¥1/kWh  Era”

  Feb. 10.2019
Microstructured hybrid beam made of magnesium and short glass-fiber reinforced plastic (PP-GF30).

【再生エネ製造篇:最新複合材接合技術】

● 接着剤なしのボンディング技術

昨年3月22日、オランダのフラウンホーファー研究所は、異なる特性の材料を接続する新
しい工程を開発したことを公表。それによると、熱直接結合は、レーザ構造化金属と熱可塑
性コンポーネントを押しつけ、それらを局所的に加熱する。これにより熱可塑性物質が溶け
て構造物に浸透し、表面に固着する。特殊開発の接続ガンが、数秒でしっかりした接続を実
現する。”HeatPressCool-Integrative” (HPCI)プロセスは、複雑な接着プロセスの置き換えに
最適である。有機/無機(金属/非金属)の微塵加工技術はネオコンバーテックの必須条件。 
近年の「軽薄短小大安」構造は、金属とポリマーの組合せが必要になる(無機半導体以外)。
また、効率的なプロセスチェーンが必要とされ、特殊負荷に適合する前処理や結合技術を行
う産業生産での利用にある。プロセスシミュレーションや特性評価用のツールも重要な役割
を果たす。新しいフラウンホーファーIWSの開発は、このような要求に応えている。HPCI
ロセスは、接着での多年の経験と、レーザ遠隔技術分野の最新の技術開発とを組み合わせてい
る。

 Spot welding gun.

同研究チームは、自ら定めた、直接的にピッタリと結合する生産的なソリューションの開発
目標を達成した。熱可塑性物質と金属は非常に異なる物理的特性、たとえば融点や熱膨張係
数など、を持っているので、
2つの結合相手間の接着力を最適化することは特に重要である。
このため、IWS研究チームは、1秒に最大30平方センチメートルの面積率と百マイクロメー
トル以上の構造深度を生み出すレーザアブレーション工程を開発。同時に、ポリマーと金属
が積極嵌合するように、後で浸透するポリマーが、生成された構造を埋めることができる。
Bonding without adhesive - Fraunhofer IWS, 2018.)

実際の結合プロセスは実にシンプルである。予め構造化された金属結合対象をポリマーに押し
つける。同時に、金属が結合部で加熱され、熱可塑性物質が部分的に溶ける。このプロセス
を産業利用に適合させるためにIWS研究者は、、スポット溶接ガンの代わりにロボットアーム
にマウントできるモジュラー設計の接続ガンを開発した。特別な難題は、金属結合対象の均一
な加熱にある。誘導加熱に加えて、レーザ加熱は同様に十分なソリューションとなる。2Dレー
ザビーム振動の利用により、非常に高速のビームの動きと制御が可能になる。このやり方は、
結合部分の固有の放熱条件を補償するために温度場を動的に調整する。

 

Metal with thermoplastic fiber composite components

産業および研究パートナーとともにフラウンホーファーIWSは、複雑な技術デモンストレータ
ーを用いて開発した方法を評価した。研究チームは、軽構造の潜在性を実証するために、純然た
る溶接された建築用鋼材を、オルガノシートと金属カバープレートでできた多材コンポーネン
トで置き換えた。熱ダイレクト結合に加えて、研究チームは、金属とオルガノシートとの間でウ
エブスリットデザインで形状フィット接続も生成した。基礎研究は、熱ダイレクト接続は、多材
料とコンポーネントデザインに適していることを示した。特に、工程時間が短く、ロバストなプ
ロセス制御、優れた自動化機能のためである。

● 多機能複合材料用レーザプロセス 

2月18日、同研究所は、複合材料は異種材料の利点を兼ね備え、軽量構造で大きな可能性
を引き出せる。3月にパリで開催されるJECワールド2019では、複合材料の効率的な製造と加
工のための幅広いレーザー技術を公表。アーヘン総合軽量建築研究所AZLの共同ブースへの
訪問者は、接合および切断プロセスならびに表面構造化についての観察できる。特に既存のプ
ロセスチェーンへの統合という観点から、複合材料の経済的な接合、切断、切除または穴あけ
用レーザープロセスを研究開発。フライス削り、のこぎり切断、ウォータージェット切断な
どの分離技術の機械的プロセスが展示された。



● 超軽量応用のためのマグネシウムの微細構造

プラスチックおよび金属はそれぞれ、展性、強度または熱伝導性などの特定の特性を有し、
それらすべてをハイブリッド構成要素に組み合わせることができる。しかし、これらのハイ
ブリッド化合物の製造には、金属表面を前処理する必要とする。例えば、CWレーザーを用
いた微細構造化や超短パルス(USP)レーザーを用いた微小構造化、もしくはナノ構造化
や異なる機械で実現する。最も軽量の金属製建築材料のマグネシウムは、特に高い熱伝導率
が特徴。フラウンホーファー研究所らの研究グループは、マグネシウムを微細構造化のレー
ザープロセスを開発。

このプロセスでは、シングルモードファイバーレーザー(波長1064 nm)は、毎秒1000 mm2
までの面積率でマグネシウム表面に精密なアンダーカットを発生させます。これらのアンダ
ーカットは、その後のハイブリッド射出成形プロセスにおいてプラスチックで充填できる。
 短ガラス繊維強化プラスチック用に、最大22.4 MPaまでの高い引張せん断強度を持つハイ
ブリッド接続を開発。コンポーネントは軽いだけでなく、同時に耐久性があり、接着剤をが
不要。プラスチックの選択/制約はほとんどなく、原則として、射出成形に使用されるすべ
ての熱可塑材料が適用できている。コンポーネントを互いに接続し、機能統合の幅広い可能
性を提供でききる。



Trimming of a hybrid car roof bow made of glass and
carbon-fiber reinforced plastic.


● 複合材料のやさしい切削加工

レーザーを使用して熱可塑性複合材料、特に炭素繊維強化プラスチックを切断する場合、プ
ロセス設計は一般に、可能な限り最小に熱影響に抑えるこを目的とすると同時に、生産的で
短い加工時間を維持する必要があり、切断経路に沿いレーザービームを繰り返し高速スキャ
ンすることで、材料が容易に連続除去される。
レーザー出力、走査速度、および走査間の冷
却時間は、熱影響部と処理時間に影響、これらのパラメータを最適化し、材料に最適設定す
る───これは、材料混合物で作られたハイブリッド部品の場合にはコンポーネント内でも
適用できる。たとえガラス繊維や炭素繊維で強化されたプラスチックのように多種多様な材
料を分離する必要があっても、互いの上に積み重ねられていても、ビーム品質に優れた高出
力レーザーによる切断はワンステップで処理できる。


USP laser beam drilled carbon-fiber preform with a star-
shaped hole and positive-fit metal insert.


● 生産的CFRP部品製造のためのレーザ穴あけ

軽量の分野では、CFRP構造部品への機能要素の統合は、ねじ切りインサート、例えばねじ
山を介して行われることが多い。自動車および航空機産業における部品のプリフォームこの
目的のために、インサートは形状適合的に機械的に穿孔された構成要素に配置され、次いで
接着される。接合部の品質と強度は、穴あき積層板と接合部の精度に大きく機能要素が依存
する。
未含浸の炭素繊維織物がUSPレーザー照射で穿孔され、その後、形状適合的に挿入
されると、特に耐久性のある高品質の配合物が形成される。レーザースキャナーはまた星形
の穴のような要求の厳しい穴あけ輪郭を形成すること、そしてそれ故に負荷に適応したイン
サートの統合を可能にする。後の注入プロセスでは、マトリックスはカーボンファイバーと
インサートの間の接着剤として機能し、追加の接着剤が不要になる。このように、USPレー
ザー加工により、プリフォームと強化されたCFRP部品の両方を高品質で加工ができ、プロセ
ス時間は通常数秒から1分で、高レベルの自動化もCFRPコンポーネント製造のプロセスの生
産的用途を支援する。

   Feb. 1, 2019

【電気自動車軽量化事業篇:高分子材料製の直接冷却式電気モータ】

電気自動車の軽量化には、モーターの軽量化も含まれます。 その1つの方法は、繊維強化ポリマ
ー材料で構築。 フラウンホーファー研究所らの研究グループはモーターハウジング材料として使用
できるようにする新しい冷却コンセプト開発している。 冷却コンセプトだけでなく、また、、最先端技術
と比較しモータ電力密度と効率を大きく改善させることも目標としている。

     Feb. 6, 2019

【ポリマーの微細構造体を速く正確に製造方法】

また、同研究所はは、ステレオリソグラフィ (SLA)またはデジタル光処理(DLP)と多光子光重合
(MPP)を組み合わせることで、高精度かつ低コストでポリマー構造体を製造できる機械を開発。 波
長365 nmの高性能LEDとリソグラフィ-用HD解像度 のDLPチップを持つこの機械を使えば、サブ
マイクロメーターレベルの解像度でポリマー構造体を作製できる。ステレオリソグラフィと多光子光
重合を兼ね備えたこの機械は、1つのプロセスにおいて必要に応じ露光装置を選択することで、そ
れぞれの長所であるスピードと精密さの両立。細胞足場材やマイクロ流体システムなど、生物医学
ほか様々な分野での応用が実現する。

  Jan. 31, 2019

【超高速レーザーをさらに速く】

ピコ秒からフェムト秒の超短光パルス(USP)のレーザーは超高速レーザーと呼ばれ、アブ
レー
ションや切断において精密な加工を施します。近年、機能・性能を高めている超高速
レーザー
、高出力レーザーおよび高効率プロセスの面ではまだまだ改良の余地がある。フラ
ウンホーファーが欧州委員会の助成を受けて開発。レーザー光源1kW のプロトタイプでは、
レーザー光は、60パターンのビームレットに変換され、それぞれのビームレットは個別に
オン/オフにすることができる。
 今後、産業化に向けて数々の試験が行われますが、最終的
には現在使われている標準的な超高速レーザーの百倍ほどのスピードを持つことになる。

工スピードのさらなる向上により、製造の個数を増やすことはもちろん、大きな表面の加工
や機能化にとっても可能性が広がる。

【関連特許】

❑ JP 2018537289A 10205417 B2 接合区域の領域において2つの構成部分を
少なくとも1つのレーザービームによって接合する方法ならびに連続した接合
ームを形成する方法


【概要】

2つの構成部分(1,2)、すなわち第1の構成部分(1)と第2の構成部分(2)とを接合区域
の領域において、少なくとも1つのレーザービームによって接合する方法。第1段階において、前
記第1の構成部分(1)を溶融させ、このとき第1の構成部分(1)において溶融した材料(9)
から溶融ナゲットが形成される。第2段階で、第2の構成部分(2)の方向で前記溶融物に少なく
とも1つの圧力パルスを付与し、この圧力パルスは、前記溶融ナゲットがこの圧力パルスにより
ギャップ内へと転移し、この接合ギャップを橋渡しし、第2の構成部分(2)に接触するまで付
与され、溶融ナゲットのこのような接触により、第2の構成部分(2)へのエネルギ伝達が行われ
、第2の構成部分(2)へのエネルギ伝達により、第2の構成部分(2)の上面は第2の構成部分
の溶融温度に達し、溶融膜が形成されるような温度推移が生じ、熱進入深さは、所定の深さにおい
て、第2の構成部分(2)が損傷される損傷温度が超過されないように調節される。さらに、連続
的な接合シームを形成する方法が記載されている。



❑ 特開2018-32053 光学装置およびその製造方法ならびにレンズを偏位させる方法

【概要】

硬化性材料から形成された光学構造は、例えば特許文献1からも知られる通り、環境温度の変動に
応じてその特性が変化する。したがって、ポリマーレンズは、温度の変動に応じてその大きさが変
化して、その光学レンズの屈折率と曲率もまた変化する。この結果、カメラやプロジェクタなどの
光学装置は、その撮像性能および/または像再生品質が変動するものである、ということになって
しまう。
変動する像再生品質および/または撮像品質を補償するために、光学装置に用いられるレンズおよ
び/またはレンズ群は、その光学装置の焦点距離の熱誘起変動を補償するよう再調整される。この
ためには、可動コイルドライブ、圧電モータドライブまたはその他ータドライブなどのような駆
動装置が用いられる。また、レンズ曲率の変動を可能とする液体レンズも用いられる。しかしなが
ら、これらの手法は、光学システムの焦点距離を能動的に調整することを常に必要とするレンズお
よび橋渡し部材を有する光学装置において、接着剤が橋渡し部材と光学構造との間に配置され、接
着剤が、硬化処理後に、光学構造を参照面に対して所定の向きとする。レンズと橋渡し部材の少なく
とも一部の層が、同じ材料により形成されることで、温度変動により生じる光学特性、特にレンズ
の焦点距離の変動に、自律的かつ追加的アクチュエータとは独立に対抗することのできる光学装置
を提供する。

 ❑ 特開2017-104541 流体を皮膚中または皮膚下に適用するための自由噴流
投薬システム


【概要】

皮下適用は、最初に物質を皮膚下に、すなわち、例えば、結合組織または脂肪組織中に適用
することに関係する。物質を筋肉組織または血流中に適用することも、この一般的定義によ
って包含される。薬または薬剤を投与することは様々な方法で行われ得る。ピルまたは液体
を経口的にとることが最も普及しているが、さらなる例は、肛門的に適用される坐剤、肺を
介した吸入、点眼、皮膚に軟膏を適用すること、静脈内注入による全身投与、シリンジによ
る皮下適用または埋込み可能な薬剤投薬システムである。ペプチドまたはタンパク質のよう
な高分子は、ピルを通して投与され得ないが、注射[1]によって投与され得る。

インスリンを投与することがそれの一例である。現在、インスリンの皮下適用は、針によっ
て刺されること、および痛みを伴う。特に中国、インドまたはブラジルのような国では、食
習慣の変化に起因する糖尿病が急速に広まっているが、先進国でも、とりわけ人口統計的変
化に起因する糖尿病が広まっている。現在の市場分析によれば、(インスリンなしの)「イ
ンスリン送出デバイス」の市場は、現在の87億8千米ドルから2019年における138
億米ドルに増加している[7]。特に糖尿病の治療では、吸入によってまたは(カプセル化
によって)経口的にインスリンを投与することが過去数年にわたって調査されたが、これら
の方法は市場における受容を得なかった。その原因は、とりわけ、代替方法の不十分な投薬
精度(または生物学的利用能)であり、皮下(または同じく静脈内)注射のみによって、血
流に達するインスリンの量が正確に規定され得ることである。しかしながら、注射は痛みを
伴い、インスリンを投与することに患者が能動的に寄与することを要する。

現在、いわゆる「ペン」が普及しており、インスリンのプリセット量が、ばねラッチングに
よって、針を介して患者に自動的に注射される。しかしながら、これは針による突き刺しを
1日に数回要し、痛みを伴う。体に着用される「パッチポンプ」(供給者:Omnipod
)は新しい傾向であり、これらは3日ごとにしか突き刺しを要しない。しかしながら、3日
後に、パッチポンプを備えるカテーテルは、感染を避けるために交換される必要がある。現
在、患者にとって高度に有益であるはずの、薬剤を皮下に適用するための少ない疼痛および
無針の技術はない。

第二次世界大戦以来、無針注射が知られている。とりわけ獣医学において採用されている、
いわゆる予防接種銃が知られているが、これらは、無菌性の問題のために人間にはもはや使
用されていない。ここで、作用物質は、高圧でガスまたはばねによって開口を通って加速さ
れ、皮膚中に発射される。Injex[3]によるシステムのような、改善され承認された
無針注射システムがあり、これは糖尿病治療以外に、(例えば口腔外科における)局所麻酔
剤のためにも適用される。しかしながら、痛みからの解放が常に保証されるとは限らず、さ
らに、これらはペンよりも取り扱いが困難である[4]。ペンと比較してさらに不利である
のは、これらは、購入するのにより費用がかかり、例外的な状況(例えばシリンジ恐怖症)
においてしか健康保険会社によって支払われないことである。さらに、(数ミリメートルの
範囲内にある)薬剤の浸入深さは、これらのシステムを使用して正確に調整され得ず、これ
が、特に、痛みからの不完全な解放の原因になっている。

ここ数年間にわたって、様々な調査グループが、新しいアクチュエータ原理によって無針注
射を改善することを試みた。カリフォルニア大学サンタバーバラ校は、(ばねまたはガス駆
動の代わりに)圧電スタックアクチュエータを使用してより良く定義された方法で高圧を達
成するための考察を実施した[1]。代替として、マサチューセッツ工科大学(MIT)は
高圧を生成するためにローレンツ力駆動を使用して加速されるピストンを使用する注射器を
開発した[5]。HSG  IMITは、同じ原理を使用して内視鏡における使用のための注
射器を考察した[2]。すべてのこれらの新しい無針注射器は、原理としては圧力プロフィ
ル、したがって、薬剤の浸入深さを正確に調整することが可能であり、注射はほぼ痛みなし
で行われ、患者は噴流をほとんど感じないことが可能であり、これはかなりの改善である。

しかしながら、これらのシステムの欠点は、(数十ナノリットルの量の)マイクロドロップ
の放出頻度があまりに小さいことである。これは、投薬チャンバが十分迅速に再び充填され
得ないことに起因する。ここで、投薬量は約0.5から1.0μl/sに制限される。さら
に、これらのシステムでは、死空間、したがって、アクチュエータとノズルとの間の流体容
量を低減することが極めて困難であり、したがって、気泡があるとき、圧力プロフィルは噴
流で実現され得ない。さらに、医療目的のためのマイクロポンプを示す国際公開第2009
/136304号明細書への参照が行われる。最後に、すべてのこれらのシステムは極めて
大きく、製造するのに費用がかかり、したがって、これらは統合型適用に好適でない。した
がって、改善された手法が必要である(参考文献記載略)。

マイクロポンプと出口側上に配置されたノズルとを備える、流体を皮膚中または皮膚下に投
与するための自由噴流投薬システム。マイクロポンプは、入口と出口とを有し、入口から出
口に流体を移送し、出口において少なくとも20バールのブロッキング圧力を生成するように
構成される無針薬剤投薬の概念を提供。

---------------------------------------------------------------------------------
❑ US 10205417 B2 太陽光発電システムの自動試運転および検査

【概要】

太陽電池として一般に知られている光起電力(PV)電池は、太陽放射を電気エネルギーに
変換するための装置である。一般に、太陽電池の基板の表面に衝突し、その中に入る太陽放
射は、基板の大部分に電子と正孔の対を生成する。電子と正孔の対は、基板内のpドープ領
域とnドープ領域に移動し、それによってドープ領域間に電圧差を生じさせる。ドープ領域
は太陽電池上の導電性領域に接続されて、セルから外部回路に電流を向ける。 PVセルがP
Vモジュールのようなアレイに組み合わされるとき、全てのPVセルから収集された電気エ
ネルギーは直列および並列配置で組み合わされて特定の電圧および電流を有する電力を供給
することができる。

PVモジュールに加えて、PVモジュールシステムは追加のハードウェアを含む。そのよう
なハードウェアは、インバータ、電力計、およびPVモジュールシステムコントローラを含
み得る。これらのPVモジュールおよび追加のハードウェアが多くの管轄区域のある場所(
例えば建物の屋根、野原、カーポートなど)に設置されるとき、システムは動作前に検査官
によって試運転および承認されなければならない。試運転および検査プロセスの一部を自動
化し、また検査官との連絡を容易にするために、PVモジュールシステムの一部を使用する
ことが有利であり得る。

電気システムは、ローカル電力制御装置と、1つ以上の分岐回路上に複数の太陽電池モジュ
ールを含む太陽電池パネルシステムとを含む。
電気システムを試運転する方法は、遠隔シ
ステムと情報を送受信するために試運転装置を使用する設置者と、電気システムの自動セル
フテストを実行するローカル電力制御装置とを含む。
自己検査の結果は、電気システムの
写真および測定値と共にパッケージ化され、検査者が電気システムを遠隔で検査することが
できる遠隔システムに送信することができる。
検査員による承認を受けた後、局所電力制
御装置は、電気システムの各分岐回路を自動的に作動させ、それにより電気システムが電気
を生成することを可能にすることができる。



以上、今夜は、再エネ百%/ゼロ・ウエスト/再生医療社会をを実現するための製造技術及びシス
テムに焦点を当てピックアップした。「ラストワンマイル論」の掲載に拍車をかける。


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都のてぶり忘らえにけり

2019年01月18日 | ネオコンバーテック

  

 


                                  
湯  問  とうもん
ことば
--------------------------------------------------------------------------------
「われの死すといえども、子ありて存す。子また孫を生み、孫また子を生み、子また子あり、子ま
た孫あり。子子孫孫窮匱(きゆうき)なきなり。而して山は増すことを加えず。いかんぞ平らがが
らんや」
「力を量らずして、日の影を迫わんと欲す」「すでに去るに、余音梁欐(りょうれい)を
繞り、三日絶えず。左右その人夫らずと以えり」
----------------------------------------------------------------------------------------
終北の国
孔子が東の国に旅した時、子供がふたりで何やらいい争っていた。孔子はわけをたずねた。

謁は治水のため各地を歩いていたが、道に迷ったあげく、ある国にたどりついた。北海のはるか北
中国から列干星列万里離れているかわからない。国の名は終北といった。はてしなく広がる大地。
雨・風・霜・露もなく、鳥・けもの・虫・さかな・草木のたぐいもない。あたり一面真っ平らで、
周囲は高い山がとりまいている。国の中央に豆偏という山がある。形はちょうど水がめのようだ。
頂上には滋穴という丸い輪のような口かおり、そこから水がこんこんとわきでている。人々はこれ
とよんでいる。その香りは萌や山根よりも香ばしく、味は酒や甘酒よりもかぐわしい。わきでると
ころは一つだが、四筋に分かれて山をくだり、国中をうるおしている。

気候はおだやかで、疫病などない。人々はみんなすなおでさからわず、争うことがない。心はなご
やか、からだはしなやか、おごりもしなければねたみもしない。年上の音も年下の音もいっしょに
くらし、君主もなければ臣下もない。男女は自由に交わり、仲人もいらないし式もあげない。みん
な水をのんで生きており、耕しもしないし植えつけもしない。気候が温和なので、はたを織ったり
着物を縫ったりしない。寿命は百歳と決まっており、早死にも病気もない。人ロはふえるいっぽう
で、よろこび楽しむことはあっても、悲しみ老いさらばえることはない。人々は音楽が好きで一日
じゅういっしょに歌をうたっている。つかれたり腹がへった時には神漢をのひ。のめば元気がでて
心もなごむ。のみすぎると酔い、十日しないと目がさめない。神漢で湯あみすると肌がつやつやと
し、香りは十日のを神使問消えさらない。

その後、周の穆王が北方を旅してこの国を通り、三年の問帰るのを忘れてしまった。周に帰ってか
らもこの国に魂を奪われて、数カ月の聞、酒も肉も口にせず、女にも近づかなかったという。また、
斉の宰相・管仲が斉の桓公のおともをして、遼口まで行ったことがあった。その時、終北の国まで
足をのばすよう桓公にすすめた。すると大臣の隰朋が公をとめた。

「斉の国は広く人民も多うございます。山川の眺めはすばらしく、五穀はゆたかにみのります。国
民には礼と鎬が行なわれ、服装もたいへんりっぱです。宮廷には美人がみち、朝廷には忠臣がみち、
ひとたび叱咤すれば百万の兵もそろい、ひとたび指揮すれば諸侯は命にしたがいます。だのにそれ
を捨てて、よその国をうらやましがり、斉の国をすてて、えびすの国に行かれるのですか。これは
俯仰がもうろくしたのです。ついて行くことはございません」

そこで桓公は思いとどまり、隰朋にいわれたことを管仲に伝えた。すると、管仲はいうのだった。

「隰朋なんかにわかることではございません。斉の富が何だというのです。もっとも、あの国へ行
き着けるかどうか、心もとないので行くことは中止しておきましょう。だからといって、別に隰朋
のいうことをきいて中止するわけではありません」

ユートピアヘのあこがれ 
古代ユートピアの1つが語られている。そこには儒教的な儀礼とは何の関係もない自由がある。



【下の句トレッキング:都のてぶり忘らえにけり】


天離(あまざか)る鄙に五年住まひつつ都のてぶり忘らえにけり   筑前国守 山上憶良

I lived in the country far from the capital for five years and forgot the customs of the capital.

俳句三昧となっていたことに気づき、急遽、『日めくり万葉集』(1月17日)で、何事もバラン
スと言い聞かせながら修正する。


 JAN. 17, 2019

【世界の再エネ篇:インド鉄道の太陽電池プロジェクト計画

この調達は推定1万6千ルピー(約2億5千万円)の価値があり、インド製の機器を1.2ギガワ
ット使用規定である。発電量は、鉄道で使用される4ギガワットの石炭火力消費電力の代替に当て
られる(
2019年1月17日ウマグプタ)。
年間電気代削減に、はまもなく、10州の電化線路に沿って配置された一連の太陽発電パネルから
電気を列車運行に使用。鉄道で消費する4ギガワットの石炭火力発電に代わるもので、初年度の年
間エネルギー料金の20%、その後40%の節約となる。Indian Railways社は現在1台あたり約5
ルピー/キロワットアワーを購入。異業者
は、鉄道事業者への電力販売を通じて、ソーラーパネル
やその他の機器設置費用を回収。州との合意の下、余剰電力を地元の公益事業者に売却する条項が
あり、インド鉄道の必要同等電力を供給する。
鉄道委員会はインドのSolar Energy Corporationが作成
したプロジェクト入札文書を検討。これは、パネルからの太陽光発電をインバータや昇圧トランス
を介し25kVの架空牽引システムに直接送電を推奨。それにより、別々の伝送線路を敷設するコス
トを削減し、25kV単相インバータが製造促進される。

 

●インバータ製造の促進
Times of Indiaによると、ABB、Huawei、Delta、Sungrowを含む約20の製造業者が、十分な需要がある
機器の製造に関心があると言われており、2030年までにインド鉄道が純ゼロエミターになるまでの
歴史的な一歩となり、交通手段としてはるかに環境に優しい旅行の選択肢ななると鉄道と石炭担当
大臣は語る。
提案の下で、インド鉄道は選択線路の両側に空地を提供する。インド政府は、再生可
能エネルギー事業の立ち上げに、多額の現金を保有する公共部門事業奨励し、2025年までに5ギガ
ワットの太陽光の開発約束。この
イニシアチブの一環として、鉄道事業者はすでに駅とサービスビ
ルに約71.19メガワットのルーフトップを設置、同社はソーラーパネルを車両の屋上にも追加
も検討画しており、すでに19人のナローゲージコーチと23人のブロードゲージ非空調付きコー
チの屋上にパネル設置をすませている。
 

  Apr. 1, 2018

【エネルギー通貨制時代 41】 
Anytime, anywhere ¥1/kWh  Era” 
 Mar. 3, 2017 

【蓄電池篇:電気自動車500マイル走行を可能にする二次元材料Ⅱ】

今夜は先回の、「最新リチウム硫黄電池製造技術」のつづき。さて、今回の鍵語である単層遷移金
属ダイカ
ルコゲナイドTMDCs;Transition Metal Dichalcegenides)は、ナノテクノロジー領域であり、
ナノサイズの制御
は既存技術を覆すインパクを発揮している。例えば、小さくしたハルバッハ配列
モータのように、光子をナノサイズと配列で電磁波に変換し、従来の蛍
光体や色素化合物を用いる
ことなくカラー表示デバイスや透明マントや平面レンズを出現させ、あるいは、
化学加工物を用い
ず超撥水界面や殺菌性を出現させ、また、材質を変更するだけで自己洗浄ガラス、さら
には、瞬間
接着剤を使用することなく大規模な建造物の接合法やあるいは、自己組織化/自己崩壊機能
を付与
したiPS細胞の瞬間生体接合剤や新薬創や、勿論、グラフェンや単層遷移金属ダイカルコゲナイ
ド等を用いた電子デバイスや触媒などの創製に応用展開されていくだろう。

 

 Dec. 20, 2018

WO2018148518A1 Passivation of lithium metal by two-dimensional materials
  for rechargeable batteries
二次電池用の二次元材料によるリチウム金属の不動態化

図5は、実施形態によるリチウムイオン電池システムを示す。一実施形態では、リチウムイオン電
池(LiB)システム500は、アノード501、カソード502、セパレータ503、電解質5
04、負極端子506、正極端子507、およびケーシング508を含むことができる。上述し、
少なくとも図1および図2に示されるような2D材料の1層。 1A-B、図2A-C、および3A-
C。カソード502は、リチウム酸化物材料(例えば、LiCoC、LiFePO、LiMn
LiNix Mny Coz Cなど)を含み得る。他の実施形態では、カソード502は、上で説明
され少なくとも図1および図2によって示されるように、少なくとも1層の2D材料で被覆された
Li電極を含むことができる。図1A-B、2A-C、および3A-C。セパレータ503は、ポ
リプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などを含む。


電解質504は、カソード502とアノード501との間でLiイオンを輸送することを可能にし
得る任意の数の電解質溶液(例えば、水性、非水性など)を含むる。例えば、電解質504は、様
々なリチウム塩(例えば、LiPF、LiClLiH PO、LiAlCl、LiBFなど)
または他の電解質材料を含み得る。集電体506をアノード501に取り付け、集電体507をカ
ソード502に取り付けることができる。 一実施形態では、集電体506は銅金属を含み、集電
体507はアルミニウム金属を含むことができる。ケーシング508は様々なを含み得る。例えば
LiBシステム500の実施形態は円筒形セル(例えば13650、18650、18500、2
6650、21700など)、ポリマーセル、ボタンセル、プリズムセル、ポーチセルなどに組み
込まれてもよい。

さらに1つまたは複数のセルをさまざまな用途(たとえば、自動車、ラップトップなど)で使用す
るために、より大きなバッテリパックに組み合わせることができる。 特定の実施形態において、
マイクロコントローラおよび/または他の安全回路は、セル動作を管理するために電圧調整器と共
に使用されてもよく、LiBシステム500の特定の用途に合わせて調整されてもよい。

一実施形態において、LiBシステム500は、低レベルの湿度および酸素(<0.5ppm)下で
アルゴン充填グローブボックス内でカソード502およびアノード501を使用して製造された。
電解質504は、エチレンカーボネート(EC)、ジメチレンカーボネート(DMC)、およびジ
エチレンカーボネート(DEC)の1:1:1(体積比)混合溶媒中の1Mヘキサフルオロリン酸
リチウム(LiPF6)塩の溶液を含んでいた。 セパレータ503は、PP系膜を含んでいた。ケー
シング508は、圧着工具で組み立てられたCR2032コインセルを含んでいた。 充電(脱リ
チウム化)および放電(リチウム化)サイクル試験は、0.
01-3.0Vの電圧窓内で室温で多チ
ャンネル電池試験ユニットにおいて行われた。

図6は一実施形態によるリチウム - 硫黄(Li-S)電池システムを示す。一実施形態では、Li
-S電池システム600は、アノード601、カソード602、セパレータ603、電解質604
負極端子606、正極端子607、およびケーシング608を含むことができる。アノード601
は、上述のように少なくとも図1および図2に示されるように、少なくとも1層の2D材料で被覆
されたLi電極を含むことができる。図1A?B、2A?C、および3A?C。カソード602は、
硫黄電極としての硫黄粉末および/または炭素構造を有する複合材料(例えば、カーボンナノチュ
ーブ(CNT)、グラフェン、多孔質炭素、自立型3D CNTなど)を含み得る。 セパレータ6
03は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などを含み得る。

電解質604は、カソード602とアノード601との間でLiイオンを輸送することを可能にし
得る任意の数の電解質溶液(例えば、水性、非水性など)を含み得る。例えば、電解質604は、
1%LNO3添加剤を含む1:1 DOL / DME中の1M LiTFSiまたは他の電解質溶液を
含み得る。集電体606をアノード601に取り付け、集電体607をカソード602に取り付け
ることができる。一実施形態では、集電体606は銅金属を含み、集電体607はアルミニウム金
属を含むことができる。ケーシング608は様々なセルフォームファクタを含み得る。例えば、Li
-S電池システム600の実施形態は、円筒形電池(例えば、13650、18650、1850
0、26650、21700など)、ポリマー電池、ボタン電池、角形電池、パウチ電池などに組
み込むことができる。さらに、1つまたは複数のセルをさまざまな用途(たとえば、自動車、ラッ
プトップなど)で使用するために、より大きなバッテリパックに組み合わせることができる。

特定の実施形態において、マイクロコントローラおよび/または他の安全回路は、セル動作を管理
するために電圧調整器と共に使用されてもよく、リチウム硫黄電池システム600の特定の用途に
合わせて調整されてもよい。一実施形態において、LiーS電池システム600は、湿度(H2O)
および酸素(O)濃度を0.5ppm未満に一定に維持しながら、アルゴン充填グローブボックス
内で製造された。カソード602(BF 3D- CNT-Sカソード材料)の電気化学的性能は、
カウンター/参照としての役割を果たすリチウムを用いてコインセル中の多チャンネル電池試験ユ
ニットによって評価した。

カソード602のサイズは、正方形の形状で1cm×1cm(1cm)であった。リチウムビス
-トリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSi、99%シグマアルドリッチ、1M)および
硝酸リチウム(LiNO3、99.99%、シグマアルドリッチ、0.25M)塩を1,2-ジメトキ
シエタン(DME、99.5%)の有機溶媒に溶解し電解質604を調製した。 1:1の体積比を
有する(シグマアルドリッチ)および1,3-ジオキソラン(DOL、99%、シグマアルドリッ
チ)。コインセルに添加された電解質604は、60μLの容量に最適化された。セパレータ60
3は、アノード601とカソード602とを隔離するためにポリプロピレン(PP)を含んでいた。
定電流充放電試験は、室温で1.5~3.0Vの電圧範囲内で実施した。C速度は、硫黄の理論比容
量((Qs = 2×9.65×10/(3.6×32.065)-1672mAh / g)に基づ
いて計算された。サイクリックボルタンメトリーおよび電気化学インピーダンス分光法(EIS)
測定は、ポテンショスタットによって行った。


図7は、本願の一実施形態によるリチウム硫黄電池システム700を示す。一実施形態では、Li-
S電池システム700は、アノード701およびカソード702を含むことができる。アノード7
01は、上で説明し、少なくとも図1および図2に示すように、少なくとも1層の2D材料で被覆
したLi電極を含むことができる。図1A-B、2A-C、および3A?C。例えば、アノード70
1は図7に示されている。 1つまたは複数のMoS 2層がその上に堆積されたLi金属を含むも
のとして図7に示される。上述したように、アノード701は、スパッタリング、蒸着などを介し
てLi金属上に2D材料(例えば、MoSなど)の1つまたは複数の層を直接堆積する。2D材料
の1つまたは複数の層は均一であり、セルが低分極で高電流密度で動作することができるように無
視できるインピーダンスを提供できる。

一実施形態では、リチウム化MoSは、エッジ配向フレーク状MoSであり得、これは、バルク
リチウム金属へのおよびバルクリチウム金属からのLiイオンの一貫した流れ、均一で安定なLi電
着、およびデンドライト形成の抑制を提供し得る。一実施形態では、カソード702は3D-
CNT
/S電極を含む。図3、
図7に示すように、カソード702は、その上に複数のCNTを有する基
板(例えばグラフェン)を含むことができ、これについては以下でより詳細に説明する。複数のC
NTを硫黄を塗布し、大表面積、超低抵抗経路、および基板との強い結合を提供できる。

一実施形態では、3D-CNT/Sカソード702の初期データは、> 8mg/cmの硫黄添加
量を示す。2D材料で塗布されたリチウム金属アノード701および3D-CNT/Sカソード7
02を含む別の実施形態では、1000℃を超える充電/放電サイクルで0.5℃で1100mA
h/g(例えば、> 500Wh/kg)の比容量であった


図8は、一実施形態による電極800の断面図および対応するSEM画像を示す。電極800は、
Liイオンの高い伝導経路および短い拡散長、ならびにサイクリングプロセス中に生成されたポリ
スルフィドの
吸収能力を提供する、多孔質3D-CNT構造(例えば、複数のCNT)を含み得る
。構造的完全性および導電性を維持しながら、1つまたは複数の3D CNT層をマルチスタッキン
グすることによって、CNTの高充填量を達成することができる。

一実施形態では、CNT表面を官能基で処理することにより、CNTと硫黄との間の結合強度を高
(例えば、酸素末端CNTは、硫黄との結合強度がより高くなる)、ポリスルフィドシャトル効果
が最小になる。以下。
一実施形態では、充電式電池内の三次元マイクロチャネル電極において、三次元Cuメッシュは、
二次元Cu箔の表面積の約10倍の表面積改善を示し、CNTの装填量を増加させることができる
(例えば、> 50倍)。 500nm厚のサンプルを用いて)。

一実施形態では、電極800は、様々な高エネルギー用途およびエネルギー貯蔵技術に対して拡張
可能であり得る。例えば、他の電池構成要素の重量は様々な用途にとって関心事である。一実施形
態では、電池のエネルギー/電力密度および/または比容量は、電池の全質量および/またはパッ
ケージ密度で正規化することができる。3D構造のカーボンナノチューブは、さまざまなプラットフ
ォームに対しより効率的で用途の広いエネルギー貯蔵を提供する。


図9は実施形態による電極の製造プロセスの態様を示す。一実施形態では、結合剤を含まない3D-
CNT/Sカソード構造体を製造することができる。図9(a)は、複数の自立型3D-CNTお
よびこれを示す対応する低倍率SEM画像を示す。図9(b)に示す一実施形態は、(例えば、約
155℃で機械的に加圧により)3D-CNT上に1層以上の硫黄を均一に被覆すること含む。硫
黄粒子は、毛細管現象および低表面張力により、溶融した硫黄を3次元CNT構造内の閉じ込めを
容易にできるため、均一に分散されかつ機械的に圧縮されてもよい。
図9(c)は、3D-CNT
への硫黄粒子の結果生じる分布概略図を示す。図9(d)は、高密度3D-CNTの断面SEM画
像。相互接続CNTは、大表面積(例えば、> 100m/g)および狭い細孔径分布(例えば、
2?20nm)の提供。図9(e)は、合成結合剤を含まない3D CNT/SのSEM画像を、対
応する炭素および硫黄のEDSマッピングと共に示す。セクション(f)は、(e)に示すSEM
画像のエネルギー分散型X線(EDX)スペクトルを示す。
これらのCNTの平均直径は100-
150nmの範囲であり得る。例示的な製造された3D-CNT/SカソードのSEM画像(e)
およびEDXスペクトル(f)は、3D-CNTの導電性ネットワーク内の硫黄の均一な分布を実
証する。

一実施形態では、結合剤を含まない3D-CNT/S電極を上記の例示的な方法に従って製造。結
合剤を含まないカソード設計は、0.1Cレート(-1.4mA)で8.83mAh/cmの高い面
容量および1068mAh/gの比容量を有する8.33mg/cm(カソード電極中~55重量
%S)の高硫黄負荷をもたらした。 150サイクルで95%以上のクーロン効率を示す。
実施形態
は、カソードの質量に対して、~1276W/kgの比出力で-478W/kgの比エネルギーを示す。


図10Aと図10Bは一実施形態による様々な硫黄添加量を有する電極の比容量に対するサイク数
を示すグラフ。 例えば、図10Aは、異なる硫黄充填量をもつ例示的な電池のレート能力を示す。
図10Bは、3D-CNT内に装填された55wt%S(8.33mg/cm)硫黄の高硫黄装填
量のサイクル性能を示す。図10C一実施形態による3D CNT/S電極の面積容量のグラフを
示す。図10Cは、バインダフリー3D-CNT/S電極の面積容量と従来のLi-S電池カソー
ド材料の面積容量との比較を示し、例示的なバインダフリー3D-CNT/Sカソード構造がより
高い面積容量を達成し得ることを実証する。

図10に対応する定電流放電 - 電荷プロファイルは、以下の通りである。図10Aは、すべてのC
レートについてプラトーを実証する(例えば、3D CNT / S構造のマトリックス内で高い導電
率を有する効率的な動的プロセスを示す)。改善された反応速度論はまた、下側(Qiower-piateau
と上側のプラトー(Qupper-piateau)との間の放電容量比からも実証されている。例えば、図10A
は、37wt%Sおよび42wt%Sの両方について、それぞれ1.85および1.8である、2C
速度でのキオワーピトー/クッパーピオトー比を示し、これはより高いC?速度での可溶性ポリスル
フィドの不溶性硫化物への効率的な変換を示す。
図10Aは、55wt%S(8.33mg/cm)の高硫黄装填量および0.1Cでの~1068m
Ah/gのセル送達初期放電容量(?3.39mA /cm)からの比容量を示す。~8.8mAh/
cm(例えば、従来のLi-S電池より高い)。一実施形態では、150サイクル後でも、セルは
、1サイクルあたり-0.4%の平均容量減衰で、-613mAh / gの比容量を依然として送
達することができる(例えば、図10Cに示される以前に報告されたデータより優れている)。


図11A-Bの実施形態による、複数のCNTをその上に有する可撓性3D金属メッシュを示す図
である。図11A-図11Bは、実施形態がスケーラブルかつ屈曲可能であり得るように構成され
た3D金属メッシュ上のCNTの実施形態を示す。図11A-図11Bの多孔性金属メッシュ構造上
のCNTを実証する実施形態のSEM画像を示す。一実施形態は、3D-Cuメッシュ上の3D-
CNTのCVD、および/または本明細書で論じる製造方法のいずれかを使用し製造できる。当然
のことながら本明細書で論じるLi-S電池の実施形態では、スケーラブルで曲げ可能な構造を電極
を利用し、曲げることが可能でスケーラブルな電極を多種多様な形状、サイズ、用途などに容易に
適合ができる。


図12は実施形態による3D CNTアノードスタックの製造プロセスの態様を示す。図12(a)
を参照すると、一実施形態では、CVDおよび/または本明細書で論じる他の堆積方法によって、
複数の3D-
CNTをメッシュ構造(例えば、Cu、グラフェンなど)上に成長できる。例えば、
Cuメッシュ構造(例えば、<200メッシュ)は、50~200μmの平均厚さを含み、最初に
一連のアセトン、エタノール、脱イオン水などで超音波洗浄できる。その後、清浄なCuメッシュ
構造をオーブン中で乾燥できる。一実施形態では、チタンバッファ層およびニッケル触媒は、所与
の堆積圧力(たとえば、約200℃)で堆積時間を変えながら(たとえば、1~15分)、室温で
(たとえば、RFマグネトロンスパッタリングを使用して)Cuメッシュ上に堆積できる(10-3
Torr Ar)。次に、3D-CNTを熱CVDシステムで合成することができる。高密度で整列したCN
Tの成長は、600~800℃の温度で10~60分間エチレンガス(例えば、50~150SC
CM)および水素キャリアガス(例えば、10~100SCCM)を使用することによって最適化
することができる。



図12(b)に示すように、3D-CNTを有するメッシュ構造をエッチングプロセスに導入する
ことができる。例えば、CNTs/Cuメッシュ構造をFeClエッチング溶液中でエッチング
し、(c)に示すように自立型3D-CNT構造が得られる。さらに、3D-CNTの1つまたは
複数の層をホットプレスによって3D-CNTの層をプレスしてマルチスタック3D-CNTを作
製し製造でき、これを次に電極とする((d)に示す))。電解質へのポリスルフィドの溶解は、
Li−S電池の容量低下に寄与し得る。一実施形態では、ポリスルフィドシャトル効果軽減にCNT
表面を官能基(例えば、酸素末端CNTなど)で処理して、CNTと硫黄との間の結合強度を高め
ることができる。例えば、CNTを用いた硫黄の安定化方法は、官能基(例えば、カルボン酸、ア
ミン、ケトン、アルコール、エステルなど)を導入することを含み得る。化学的官能化は、一部に
は、官能基とCNTの表面およびナノチューブのエンドキャップとの共有結合に基づいている。

一実施形態では、HNO、HSO、および/または両者と強酸化剤(例えば、KMnOなど)
との混合物などの強酸によるCNTの酸化処理は、酸素化官能基を形成することができる。別の実
施形態では、活性分子との非共有相互作用は、CNT/Sの界面特性を調整するために提供され得
る。 CNTは、芳香族化合物、界面活性剤、ポリマー、および/または疎水性相互作用によって
非共有結合的に官能化できる。

                                       この項了

 Jan. 17, 2018

世界最大のロッテルダム風力タービン始動





  ● 今夜の一曲

CHAGE and ASKA PRIDE  Music Writers: Ryou Asuka 

思うようには いかないもんだな
呟きながら 階段を登る 
夜明けのドアへ たどり着いたら
昨日のニュースと手紙があった 
折れたからだを ベッドに投げ込んで
君の別れを 何度も見つめてた 
伝えられない事ばかりが
悲しみの顔で 駆けぬけてく 
心の鍵を壊されても
失くせないものがある プライド 

光りの糸は レースの向こうに
誰かの影を 運んで来たよ 
やさしい気持ちで 目を細めたとき
手を差しのべる マリアが見えた 
何が真実か わからない時がある
夢にのり込んで 傷ついて知ること 
誰も知らない 涙の跡
抱きしめそこねた 恋や夢や 
思い上がりと 笑われても
譲れないものがある  

 

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左義長五百マイル

2019年01月17日 | ネオコンバーテック

  

 


                                  
湯  問  とうもん
ことば
--------------------------------------------------------------------------------
「われの死すといえども、子ありて存す。子また孫を生み、孫また子を生み、子また子あり、子ま
た孫あり。子子孫孫窮匱(きゆうき)なきなり。而して山は増すことを加えず。いかんぞ平らがが
らんや」
「力を量らずして、日の影を迫わんと欲す」「すでに去るに、余音梁欐(りょうれい)を
繞り、三日絶えず。左右その人夫らずと以えり」
----------------------------------------------------------------------------------------
ものを知らない孔子
孔子が東の国に旅した時、子供がふたりで何やらいい争っていた。孔子はわけをたずねた。
「ぽくは、お日さまは朝は近くにいて、日中は遠くにいってしま
うと思うんです」「ぼくは、朝は遠くにいて、日中は近くにくると思うんです」
「そんなこといったって、日がのぼる時は車の上のかさぐらい大きいけど、日中はお皿みたいに小
さいもん。近くのものは大きくみえて、遠くのものは小さくみえるはずじゃないか」

「だって、日ののぼり始めはまだ涼しいけど、日中になれば熱湯に手をつっこんだみたいだよ。遠ければ涼
しくて、近ければ熱いはずじゃないか」
孔子はどちらともきめかねた。子供たちは口をそろえてひやかした。
「それでも物知りといえるの、おじさん」 

車の上のかさ〉 車の上にかける円形のかさ。雨よけにも日よけにもなる。

  Wikipedia

左義長五百マイル君に届かん

 

【エネルギー通貨制時代 40】 
Anytime, anywhere ¥1/kWh  Era” 
 Mar. 3, 2017 

【蓄電池篇:電気自動車500マイル走行を可能にする二次元材料Ⅰ】

今夜は、ナノテクノロジー(ネオコンバーテックのコア技術)領域から、最新のリチウム-空気二次電池技
術の話題を取りあげる。1月10日、UIC工科大学の研究グループは、二次元触媒材料を合成したことを
公表。 それによると、触媒がリチウム - 空気電池に組み入込むことで、それらの多くの2 D材料は、電
池が伝統的な触媒を含むリチウム- 空気電池よりも最大10倍多いエネルギーの保持にすることに成功
する。尚、 同グループの調査結果はジャーナルAdvanced Materialsに掲載。

ところで、リチウム空気電池は、電気自動車、携帯電話、およびコンピュータに電力を供給する
ために現在使用されているリチウムイオン電池の次の革新的な代替候補にある。現在開発段階に
あるリチウム空気電池は、 リチウムイオン電池の 10倍のエネルギーを蓄えることができ、はる
かに軽量であるが、リチウム空気電池は二次元材料から作られた先進的な触媒を組み込むことで
さらに効率的でより多くの電荷提供が可能となる。この触媒は、電池内部の化学反応の速度を速
め、触媒製造材料の種類により、電池のエネルギーを保持供給能力を大幅に高めることができる。

尚、このような2 D材料の一般的原理の発見を理化学研究所などの国際共同研究グループが成功して
いる(下図参照)。

 Dec. 8, 2017

17年12月8日、理化学研究所などの国際共同研究グループは、遷移金属ダイカルコゲナイド
TMD;Transition Metal Dichalcodenidesの略)――タングステン、パラジウム、白金などの遷移金
属元素Mと、硫黄、セレン、テルルのいずれかのカルコゲン元素Xとが結合し「MX2」の化学組成
で表される層状構造を持つ化合物。組成によって絶縁体から半導体、金属、超伝導体まで幅広く
電子状態が変化する。また、層状結晶をバラバラにした原子レベルの厚さのシートにしても安定
で、積層時とは異なる電子状態が発現することもあり、有望な次世代の電子素子として注目され
てい――において、物質表面にスピンの向きがそろったトポロジカルな電子状態や、物質内部全
体にグラフェンと同様な質量ゼロのディラック電子状態が発現時の一般的な原理を発見――六つ
の異なる組成をもつTMDについて、トポロジカル表面電子状態や3次元ディラック電子状態が存在
していることを実証――してたことを公表している。

 Jan..16,2019
さて、15種類の二次元遷移金属ジカルコゲナイドまたは単層遷移金属ダイカルコゲナイド(TM
DCs;Transition Metal Dichalcegenides
)を合成。 TMDCは、充電および放電中に電池内で起こる反
応などの他の材料との反応に参加するために使用することができる、高い電子伝導性および速い
電子移動を有するため、独特の化合物である。 同大学の研究者らは、リチウム空気電池を模した
電気化学システムの触媒としての15種類のTMDCの性能を実験的に調べ、これらの材料の反応
速度は、金や白金のような従来の触媒に比べてはるかに高い早い。 二次元TDMCが非常にうまく機
能した理由の1つには、 リチウム空気電池で起こる充電放電の触媒の二機能性として知られる双
方向反応による。二次元原材料は電解質、すなわち充電および放電中のイオン移動材料と相乗作
用をもたらすが、使用した二次元TDMCとイオン液体電解質は、電子がより速く移動するのを助
ける助触媒系であり、より速い充電と、より効率的なエネルギー貯蔵と放出をもたらす。また、
電池を次のレベルに引き上げ、より効率的かつ大規模な製造方法の開発を必要とする。

 Mar. 21, 2018

【最新関連特許事例】

特開 2018-200782 金属空気電池用正極、金属空気電池、リチウム空気電池、金属 空気電
  池用正極の製造方法、リチウム硫黄電池用正極、リチウム硫黄電池、及びリチウム硫黄電池
   用正極の製造方法 学校法人 東洋大学

リチウム空気電池は、理論的に12000Wh/kgというガソリンに匹敵するエネルギー密度
を得られる電池である。理論値だけで比べればリチウムイオン電池よりも30倍以上もエネルギ
ー密度が高い。さらに、リチウムイオン電池に比べて危険性が低く、空気を利用することから、
自動車への搭載が期待されている。 従来、リチウム空気電池の正極(空気極)は、空気(酸素)
の透過性が高いカーボンペーパーを正極集電体として、その片面に正極活性体を塗布し作製され
ていた。正極活性体は、電気伝導性の炭素物質と、金属触媒と、バインダーとを混合した材料が
用いられている。特に炭素物質はアセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カー
ボンナノチューブ、その他のカーボンナノ構造体などがこれまで使用されている。

リチウム空気電池の構成要素は、正極以外に、負極、分離膜、電解質である。負極には通常金属
リチウムが使われる。リチウム空気電池の放電は、負極から電解質に溶出したリチウムイオンが
正極近傍で酸素と化学反応し、正極上に過酸化リチウム、炭酸リチウムなどの放電堆積物を形成
するというメカニズムで行われる。充電はその逆の反応が起こる。正極活性体の金属触媒は過酸
化リチウムを形成(放電時)や分解(充電時)を助ける働きをし、炭素物質は放電堆積物を形成
する場所の提供と、酸化反応により生じた電子の輸送を担う。そのため、特に正極活性体に使わ
れる炭素物質は、電気伝導性が高く、放電堆積物を多く形成するため比表面積が高くかつ多孔質
状であることが望ましいと考えられている。これまでの正極作製方法は、複数の物質からなる正
極活性体を準備し、それを正極集電体に塗布するという複数の工程により行われていた。例えば、
グラフェンと、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレンを使用し、高容量の正極を製造す
る方法がある。

複数の工程を経ることなく、かつ電池の高容量化を実現できる金属空気電池用正極、金属空気電池、
金属空気電池用正極の製造方法、リチウム硫黄電池用正極、リチウム硫黄電池、及びリチウム硫
黄電池用正極の製造方法の提供。【解決手段】正極集電体上にカーボンナノウォールが形成され
ていることを特徴とする、金属空気電池用正極。本件によれば、単一行程で正極活性体を正極集
電体上に作製できるため、従来法に比べて製造時間を顕著に短縮できる。また、本発明において
は、金属触媒やバインダーを使用することなく正極を製造することができる。このため、複数の
工程を経ることなく、かつ電池の高容量化を実現できる。

特開2018-195578 金属空気電池用空気拡散層及びその製造方法、並びにそれを
  含む金属空気電池 三星電子株式会社
 

金属空気電池は、イオンの吸蔵及び放出が可能な負極と、空気中の酸素を活物質として使用する
正極と、を含む。該正極においては、外部から流入される酸素の還元反応及び酸化反応が起こり、
該負極においては、金属の酸化反応及び還元反応が起こり、このときに発生する化学的エネルギ
ーを電気的エネルギーに変換させて抽出する。例えば、該金属空気電池は、放電時には、酸素を
吸収し、充電時には、酸素を放出する。このように、該金属空気電池は、空気中に存在する酸素
を利用するため、電池のエネルギー密度を大きく向上させることができる。例えば、該金属空気
電池は、既存のリチウムイオン電池より数倍以上高いエネルギー密度を有することができる。


併せて、ガス拡散層の重さを低減させる場合、該金属空気電池のエネルギー密度を追加して向上
させることができる。それと関連して、炭素ナノ素材から形成された多孔性フィルムがガス拡散
層として使用されているが、機械的特性が低下してしまうという問題
がある。
下図のごとく、金
属空気電池用ガス拡散層及びその製造方法、並びにそれを含む金属空気電池に関し、該金属空気
電池用ガス拡散層は、複数の非伝送性ファイバ構造物を具備する多孔層と、炭素素材を含み、該
炭素素材がファイバ構造物の表面に沿って配置される、伝導性炭素層とを含み、また、金属空気
電池用ガス拡散層は、層状自己組立法を利用して、接着層及び伝導性炭素層を含む多層膜構造を
具備するように製造される金属空気電池用空気拡散層及びその製造方法、並びにそれを含む金属
空気電池を提供する。


 
 WO2018148518A1 Passivation of lithium metal by two-dimensional materials
   for rechargeable batteries
二次電池用の二次元材料によるリチウム金属の不動態化


0現在のリチウムイオン電池技術は、貯蔵能力およびエネルギー能力の点で限界に達しているとい
う認識が高まっている。しかしながら、より高いエネルギー貯蔵およびより長持ちする装置に対
する需要が依然として増加している。次世代の電池システムのいくつかは、リチウム - 空気 お
よび、リチウム-硫黄電池を含む。リチウム金属は、インターカレートおよびまたは導電技術を
使用せずにリチウムイオン貯蔵の材料として知られている。このため、リチウム金属電極は、高
い理論比容量(?3860mAh/g)および低い酸化還元電位(-3.04V)を示す。したが
って、それらは次世代の充電式リチウムイオン電池用のアノード製造に最良選択と見なされるこ
とが多い。しかしながら、リチウム金属アノードは、数多くの問題を抱る。これらの特性は、繰
り返しのリチウム析出/溶解プロセス中の制御不能なデンドライト形成と関連することが多く、
電池の短絡および潜在的な過熱や発火の原因となる。リチウムデンドライト成長抑制およびび/
またはリチウム金属の安定性を高めるいくつかの技術が実施されている。例えば、添加剤を用い
た液体電解質改質のデンドライト成長/堆積制御。 リチウムイオン+導電性ポリマーまたは固
体電解質の採用する。 リチウム金属の表面にアルミナ層の塗布、アルミナ薄膜層は、2D材料
の電子伝導性を欠くセラミック系材料であり、従って電池電極の内部抵抗を増加させる。しかし
ながら、充電式電池に関して有効であることが示された方法はない。低コストで豊富な硫黄が
リチウム-硫黄電池概念を魅力的にする一方で、リチウム-硫黄電池の広範な開発を妨げるいく
つかの問題、例えば、硫黄は絶縁材料であり、活物質の不十分な利用をもたらし、充電/放電プ
ロセス中の電子移動障害となり、さらに、放電プロセス中に、リチウムと硫黄と反応してカソー
ドでより高次の可溶性ポリスルフィドの形成する可能性があり、サイクルプロセス中にアノード
とカソードとの間でポリスルフィドの往復を生む。

このシャトル効果は電池の内部抵抗を増大させ、容量の衰退に寄与する。さらに、リチウム金属
の不均一な堆積から生じる制御されていない樹枝状結晶の形成は、より高いC速度での安全性の
問題、ならびに多孔質リチウム金属構造の連続的発生を引き起こす。いくつかの手法が開発され
てきたが、リチウムノードと共に使用された場合、セル効率の低下および容量フェージングの増
大の問題は依然としてリチウム-硫黄電池性能に影響を与える。リチウム電極上に二次元材料(
例えば、MoS、WS、MoT、MoSe、WSe、BN、BN-
C複合材料など)を堆
積させるための方法に関する。二次元材料で被覆されたリチウム金属電極を組み込んだ電池シス
テムも記載されている。方法は、リチウム電極に出入りするリチウムイオンの流れを促進するた
めに二次元材料を挿入することを含み得る。二次元材料被覆リチウム電極は、高いサイクル安定
性および著しい性能向上をもたらす。システムおよび方法はさらに硫黄コーティングを有するカ
ーボン構造(例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、多孔質カーボン、自立型
3D CNTなど)を有する電極を提供する。

特許請求範囲

    1. リチウム金属を不動態化する方法であって、該方法は、リチウム電極を用意する。リチウム電極上に二次元材料の少なくとも1つの層を堆積させる。そして二次元材料の少なくとも1つの層を複数のリチウムイオンでインターカレートすること。リチウム金属を不動態化する方法であって、該方法は、 リチウム電極を用意する。リチウム電極上に二次元材料の少なくとも1つの層を堆積させる。そして、二次元材料の少なくとも1つの層を複数のリチウムイオンでインターカレートすること。
    2. 前記二次元材料が、MoS2、WS2、MoTe2、MoSe2、WSe2、BN、およびBN ? Cからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
    3. 請求項1に記載の方法であって、さらに、少なくとも1つの界面層を挿入するステップであって、前記少なくとも1つの界面層は、前記リチウム電極と前記二次元材料の少なくとも1つの層との間にあるように構成される。前記少なくとも1つの界面層がプラズマ処理された清浄面を含む、請求項3に記載の方法。
    4. 前記少なくとも1つの界面層がプラズマ処理された清浄面を含む、請求項3に記載の方法。
    5. 前記少なくとも1つの界面層が、10nm未満の厚さを有する金属中間層を含む、請求項3に記載の方法。
    6. 前記少なくとも1つの界面層が官能化中間層である、請求項3に記載の方法。
    7. 前記堆積するステップが、スパッタリングおよび蒸着のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
    8. 前記挿入することがさらに以下を含む、請求項1に記載の方法。二次元材料を含む第1のターゲットを提供する。リチウム金属を含む第2のターゲットを用意する。 そしてリチウム電極上に第1のターゲットと第2のターゲットとを同時にスパッタリングする。
    9. 前記挿入するステップがさらに、二次元材料 - リチウム複合体を含むターゲットを準備するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。 リチウム電極上にターゲットをスパッタリングする。
    10. 請求項1に記載の方法であって、更に、陰極を準備する工程; 陰極上に複数のカーボンナノチューブ構造体を形成する。 複数のカーボンナノチューブ構造体上に複数の硫黄粒子を堆積させるステップ。
    11. 正極端子と、b。 陽極は、正極端子に接続され、不動態化層を形成するために2D材料の少なくとも1つの層で被覆されたリチウム電極を含む。 セパレータ層。 陰極は、その上に配置された複数の硫黄粒子を有する複数のカーボンナノチューブ構造体を含む。 陰極に接続された負端子。
    12. 前記カーボンナノチューブ構造体が3Dカーボンナノチューブ構造体である、請求項11に記載の電池。
    13. 前記カソードが、前記基板に結合された複数の硫黄被覆カーボンナノチューブ構造を有するグラフェン基板を含む、請求項11に記載の電池。
    14. 前記セパレータ層が、ポリプロピレン層およびポリエチレン層のうちの少なくとも一方を含む、請求項11に記載の電池。
    15. 前記アノードおよびカソードが電解質溶液内に配置されている、請求項11に記載の電池。
    16. 前記電解質溶液が非水溶液である、請求項15に記載の電池。
    17. 1つ以上の集電体をさらに含む、請求項11に記載の電池。
    18. 前記1つ以上の集電体が、少なくとも1つのアルミニウム金属集電体と少なくとも1つの銅金属集電体とを含む、請求項17に記載の電池。
    19. 前記リチウム電極上の前記コーティングが、1つ以上の二硫化モリブデン(MoS )層を含む、請求項11に記載の電池。
    20. 前記リチウム電極上のコーティングが、二硫化タングステン(WS 2)、二硫化モリブデン(MoTe 2)、二セレン化モリブデン(MoSe 2)、二セレン化タングステン(WSe 2)、窒化ホウ素から選択される少なくとも1つの層をさらに含む請求項19に記載の電池。 BN)、および遷移金属ジカルコゲナイド単層。

 

【詳細な説明】 

図1A-図1Bは、この実施形態による、2D材料被覆リチウム金属電極を製造する方法が示さ
れている。
図1Aは、2D材料の堆積前に、Li金属電極101を洗浄。電極101は、リボン
型リチウム金属、リチウム金属被覆アノードなどを含む。電極101は、酢酸、アセトン、イソ
プロピルアルコール、脱イオン水などで洗浄。別の実施形態では、電極101は、異なる一連の
工程たは洗浄液を使用洗浄できる。特定の実施形態では、電極101は界面層102を有し得る。
界面層102は、電極101との2D材料の接着促進に挿入できる。例えば、界面層102はプ
ラズマ(例えばAr、He、H、Nガス)を含み得る。)きれいな表面を処理。別の実施形
態では、界面層102は堆積金属層を含み得る。金属層は、1.0nmから10nmの厚さで堆
積。さらに別の実施形態では、界面層102は機能化界面層でありる。例えば、電極101を真
空中で官能基(例えば、水素、フッ素、C-H結合)で処理できる。
 

次に、図1Bでは、2D材料103が電極101(または界面層102を有する電極101)上
に堆積される。 2D材料103は、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化タングステン(W
)、二硫化モリブデン(MoTe)、二セレン化モリブデン(MoSe)、二セレン
化タングステン(WSe)、窒化ホウ素(BN)などの1D層以上の二次元材料を含み得る。
および/または他の任意の遷移金属ジカルコゲニド単層。異なる材料が異なる性能を提供する。

例えば、MoSはLi金属に対して強い接着力を提供する。また、インピーダンスを下げるた
めに容易に金属相に変換される。一実施形態では、図2に示すように、1つの実施形態において
、図1Bにおいて、金属102(例えば、Mo)は、直流(DC)スパッタリング、電子ビーム
蒸着または電気化学的堆積によって堆積される。その後、2D材料103をスパッタリングによ
って堆積できる。
マグネトロン無線周波数(RF)スパッタリング用のターゲット材料としてタ
ーゲット111(例えば前述の2D材料のいずれか)を使用して、2D材料の連続層を電極10
1上にスパッタリングして2D材料被覆電極を製造する。一実施形態では、スパッタリングは、
10-6トル以下のベース圧力、不活性ガス流112、および10?100WのRF電力でチャン
バ110内で行われてもよい。不活性ガス流112は、1-100mTorrで流されてもよい。
アルゴン、ヘリウム、または他の物質との反応性が低い他のガス。他の実施形態では、蒸発を利
用して電極101上に2D材料103を堆積させることができる。堆積時間は、2D材料103
の厚さを調整するために1から30分の間で変動してもよい。

図2Bは、一実施形態による、2D材料層を挿入する方法の別の実施形態を示しており、ターゲ
ットは、2D材料/Li複合材料に基づいて作られ、それに応じてスパッタリングされる。2D
材料ターゲット221は、2D材料とLi金属を含む。前述の実施形態の代替形態では、同時ス
パッタリング法を使用するのではなく、組み合わせたターゲットをスパッタリングする。スパッ
タリングのためのターゲット材料として2D材料/ Li複合材料ターゲット221を使用して、
2D材料/ Li複合材料の連続層が電極201上にスパッタリングされ、インターカレートさ
れた2D材料204がもたらされる。不活性ガス流222は、1~100mTorrで流されて
もよく、アルゴン、ヘリウム、または他のガスとの反応性が低い他のガスを含んでもよい。他の
物質堆積時間は、挿入された2D材料204の厚さを変えるために1から30分まで変化させる
ことができる。他の実施形態では、蒸発を利用して電極201上に挿入された2D材料204を
堆積できる。
図2Cは、2D材料205が電気化学的に挿入されている他の実施形態を示す。
例えば、電極201は、本明細書に記載の実施形態に従って2D材料を用いて堆積させることが
できる。 次に電極201を反応室230に導入することができ、ここで電極201は電解質溶
液(例えば、1:1のDOL/DME溶媒中の1Mリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)イミド(LiTFSI))中のリチウム金属231に面る。 次いで、電極201とリチウ
ム金属231との間に電圧を印加することができる。印加電圧は1~100Vの間とすることが
できる。電極201とLi金属231との間の距離は1~50mmの間とすることができる。
次いで、電圧を印加すると、リチウム金属231のリチウムイオンが電極201上に被覆された
2D材料をインターカレートし、それによってインターカレートされた2D材料205を生成す
る。

 図3A-Cは特定の実施形態による、2D材料がその上に堆積されたLi電極の断面図を示す。図1
に示す実施形態では、No。図3Aに示すように、2D材料被覆電極は、電極301および2D
材料303を含む。2D材料303は、MoS、WS、MoTe、MoSe、WSe、BN、
BN-Cなどを含む。
一実施形態では、電極301を最初に洗浄し、次に2D材料を電極301
上に堆積させることができる(例えば、スパッタ、蒸着など)。2D材料303はまた、前述の
インターカレーション方法(例えば、2D材料とLiイオンとの同時スパッタリング、2D材料/
Li複合材料のスパッタリング、電気化学的スパッタリング)のいずれかに従って、Liイオン
とインターカレートすることもできる。特定の材料は2D被覆電極を提供するのに適していると

して開示されているが、そのような特定の材料は限定としてではなく例示の目的で開示されてい
る。本開示の実施形態による2D材料被覆電極。一実施形態では、2D材料303用の選択材料
は、電極製造には化学物質および温度サイクルの耐久性が求まられる。特定の実施形態では、2
D材料303は、空洞、島、および孔を含む多孔質形態がある。多孔質形態は、様々な条件(例
えば、スパッタリング中の高エネルギー衝撃による非平衡原子スタッキング)に起因し得る。多
孔質形態は、電解質イオンの静電吸収のための開放路を提供し、そして支配的な二重層電荷蓄積
のための電気化学的活性部位を提供し得る。これは蓄積された電荷のより速い充電および/また
は放電できる

図4は、本出願の一実施形態による方法400を示す。特定の実施形態では、方法400は、図
1-図4を
参照して図示および説明された製造プロセスに対応し得る。図1A-図1Bおよび/
または図1C。 2A-
C。ブロック410において、方法400はLi電極を準備することを
含む。一実施形態において、Li電極は、
リチウム複合材料、酸化リチウム、硫化リチウムなど
を含むことができる。特定の実施形態では、界面層
を挿入することができ、それによって、2D
材料へのより良好な接着がえられ、例えば、界面層は、上述の
ように、プラズマ処理された清浄
表面、金属層、および/または官能化層を含み得る。 ブロック420で、
方法400は、Li
電極上に2D材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。2D材料は、MoS、WS

MoTe、MoSe、WSe、BN、BN-Cなどを含み、上述のようにいくつかの方法(
例えば、スパッタリング、蒸着など)によって堆積させることができる。
ブロック430にお
いて、方法400は、2D材料の少なくとも1つの層を複数のLiイオンでインターカレートす
ることを含む。 いくつかの実施形態では、2D材料の挿入は電極の堆積と同時に起こり、他の
実施形態では、2D材料の堆積は電極材料の堆積後に起こり得る。

一実施形態では、2D材料と2D材料の2つのスパッタリングガンによって、2D材料と2L材
料を真空スパッタリングチャンバ内で同時スパッタリングする。スパッタリング用のターゲット
材料として2D材料ターゲットおよびLiターゲットを使用して、2D材料およびLiの連続層
をLi電極上にスパッタリングし、その結果、インターカレートされた2D材料が得られる。別
の実施形態では、ターゲットは2D材料とLi金属複合材を含む。

次に、同時スパッタリング法を使用するのではなく、複合ターゲットをスパッタリングする。ス
パッタリング
用の2D材料/ Li複合材料ターゲットを使用して、2D材料/ Li複合材料の
連続層が電極上にスパッタ
リングされ、その結果インターカレートされた2D材料が得られる。
さらに別の実施形態では、2D材料を
電気化学的に挿入することができる。

図4は、本出願の一実施形態による方法400を示す。特定の実施形態では、方法400は、図
4を参照して図示および説明された製造プロセスに対応し得る。図1A-図1Bおよび/または
図1C。 2A-C。ブロック410において、方法400はLi電極を準備することを含む。
一実施形態において、Li電極は、リチウム複合材料、酸化リチウム、硫化リチウムなどを含む
ことができる。特定の実施形態では、界面層を挿入することができ、それによって、2D材料へ
のより良好に接着できる。
例えば、界面層は、上述のように、プラズマ処理された清浄表面、金
属層、および/または官能化層を含み得る。ブロック420において、方法400は、リチウム
電極上に2D材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。2D材料は、MoS、WS
MoTe、MoSe2、WSe、BN、BN-Cなどを含み、上述のようにいくつかの方法(例
えば、スパッタリング、蒸着など)により堆積できる。

ブロック430において、方法400は、2D材料の少なくとも1つの層を複数のLiイオンで
インターカレートすることを含む。いくつかの実施形態では、2D材料の挿入は電極の堆積と同
時に起こり得、他の実施形態では、2D材料の堆積は電極材料の堆積後に起こり得る。一実施形
態では、2D材料と2D材料の2つのスパッタリングガンによって、2D材料と2L材料を真空
スパッタリングチャンバ内で同時スパッタリングする。スパッタリング用のターゲット材料とし
て2D材料ターゲットおよびLiターゲットを使用して、2D材料およびLiの連続層をLi電
極上にスパッタリングし、その結果、インターカレートされた2D材料が得られる。別の実施形
態では、ターゲットは2D材料とLi金属複合材を含む。

次に、同時スパッタリング法を使用するのではなく、複合ターゲットをスパッタリングする。ス
パッタリング用の2D材料/リチウム複合材料ターゲットを使用して、2D材料/リチウム複合
材料の連続層が電極上にスパッタリングされ、その結果インターカレートされた2D材料が得ら
れる。さらに別の実施形態では、2D材料を電気化学的に挿入できる。例えば、電極は、本明細
書に記載の実施形態に従って2D材料を用いて堆積させることができ、次いで電極を、電解質溶
液中のLi金属に面した反応チャンバ内に導入することができる。次いで電圧を印加すると、2
D材料の挿入が引き起こされる。得られた2D材料被覆電極は、充電式電池を含む様々な用途に
使用することができる。

図4は、本出願の一実施形態による方法400を示す。特定の実施形態では、方法400は、図
1-図4を参照して図示および説明された製造プロセスに対応し得る。図1A-図1Bおよび/
または図1C。2A-C。ブロック410において、方法400はLi電極を準備することを含
む。一実施形態において、Li電極は、リチウム複合材料、酸化リチウム、硫化リチウムなどを
含むことができる。特定の実施形態では、界面層を挿入することができ、それによって、2D材
料へのより良好な接着がもたらされ得る。
例えば、界面層は、上述のように、プラズマ処理され
た清浄表面、金属層、および/または官能化層を含み得る。ブロック420において、方法40
0は、Li電極上に2D材料の少なくとも1つの層を堆積を含む。

2D材料は、MoS、WS、MoTe、MoSe、WSe、BN、BN-Cなどを含み、
上述のようにいくつかの方法(例えば、スパッタリング、蒸着など)によって堆積させることが
できる。
ブロック430において、方法400は、2D材料の少なくとも1つの層を複数のリチ
ウムイオンでインターカレートすることを含む。 いくつかの実施形態では、2D材料の挿入は
電極の堆積と同時に起こり得、他の実施形態では、2D材料の堆積は電極材料の堆積後に起こり
得る。一実施形態では、2D材料と2D材料の2つのスパッタリングガンによって、2D材料と
2L材料を真空スパッタリングチャンバ内で同時スパッタリングする。スパッタリング用のター
ゲット材料として2D材料ターゲットおよびリチウムターゲットを使用して、2D材料およびリ
チウムの連続層をリチウム電極上にスパッタリングし、その結果、インターカレートされた2D
材料が得られる。別の実施形態では、ターゲットは2D材料とLi金属複合材を含む。

次に、同時スパッタリング法を使用するのではなく、複合ターゲットをスパッタリングする。ス
パッタリング用の2D材料/リチウム複合材料ターゲットを使用して、2D材料/リチウム複合
材料の連続層が電極上にスパッタリングされ、その結果インターカレートされた2D材料が得ら
れる。さらに別の実施形態では、2D材料を電気化学的に挿入することができる。
例えば、電極
は、本明細書に記載の実施形態に従って2D材料を用いて堆積させることができ、次いで電極を、
電解質溶液中のリチウム金属に面した反応チャンバ内に導入することができる。次いで電圧を印
加すると、2D材料の挿入が引き起こされる。得られた2D材料被覆電極は、充電式電池を含む
様々な用途に使用することができる。


                                    この項つづく

 

   今夜の一曲

藤原さくら「五百マイル」 
 

 Jan. 15, 2019

ボーイング社 電動旅客機の共同開発を日本企業に呼びかける!?

 

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外の面は雨のしののめらし

2018年06月21日 | ネオコンバーテック

 

       
                                      
『呉子』
春秋戦国時代に著されたとされる兵法書。武経七書の一つ。『孫子』と併称される兵法書。前四
世紀楚の宰相であった呉子の言を集録したものという

5.応  変(おうへん)

臨機応変の「応変」。孫子の応変が老子思想に基づくものであるのにたいし、呉子のそれは法宗
感想を根底としている。


戦術よりも戦略配置を
「ここに敵軍がいるとしよう。その軍勢は非常に多く、しかも武勇すぐれているばかりか、大き
な山
を背にし、険しい地形を前にし、右手に山、左手に川という理想的な布陣。そのうえ、濠を
深く、塁
を高くし、強力な弓をフらねて守りを固めている、山が勁くように空々と退き風雨のよ
うに激しく進
む、そのうえ糧食も十分にたくわえている。このような敵と長く対峙するのは不利
だと思うのだが、
どうしたらよいであろうか?」
武侯がたずねると、呉超はこたんだ。
「これは重要な問題です。この問題はは、けっして単なる個々の戦闘に関する戦雨ぬではなく、
聖人の謀
ともいうべき大局的な戦略問題であります。
それにはまず、兵車千倆、騎兵一万の大車をととのえ、これに歩兵を付したうえで、全ボを五つ
分けて五箇所に配ほいたします。こうすれば、敵はきっと戸感って、どこを攻めたらよいかわ
からなくなるでありましょう。

そこで敵が防備を堅固にするようであれば、すぐに同原を送り込んでその計画をさぐるのです。
して、まず平和的に交渉いたします。敵が、わが方の説得に応じ、陣を解いて去るならば、そ
れでよ
し、応ぜずに、わが方の使者を膳りすて親書を焼いてしまうような挙に出るならば、五軍
を次々にく
りだして戦うのです。戦いに勝っても、深追いしてはなりません。勝てぬとみたなら
ば、すかさず逃げることです。このようにして、余力を残してわざと逃げ、あるいは整然と進ん
ですばやく戦う機動性が必要です。戦うには、一軍で敵を正面攻撃し、一軍は背後を絶ってはさ
みうちにし、両軍とも、ひっそりと物音をたてず、あるいは左に、あるいは右に、敵の虚に采じ
て奇襲するのです。こうして軍がかわるがわる攻めろならば、かならず勝利にいたるでありまし
ょう。以ヒが、強敵を撃つ方法です」

車騎の力に非ず、聖人の謀なり」 局部的な現なや表面的な戦力(単騎の力)にとらわれず、
大筒的な観点にたって、敵味方の状況を考え、わが戦力を配分する。これを呉子は「聖人の謀」
と表現している。

  Mar. 28, 2018

【下の句トレッキング:外の面は雨のしののめらしい】

きみなくてレリークヴィエを聴きいたり外の面は雨のしののめらしい  三枝浩樹/「時祷集」

 Grey Wagtail

ただ一度生まれて果つる時のなかひとりにひとりの終の答あり

卓上に富有と津軽 日本の秋すぎんとし今朝は霧湧く

キセキレイ水辺にいたり微動する鏡となりてゆく秋の川

きみなくてレリークヴィエを聴きいたり外の面は雨のしののめらしい

野に熟れたるトマトの甘さひとふりの塩きらめきて色の濡れたり

イフェマールとはつかのまのいのちにてそのつかのまをわれらは生くる

うつせみのひかり集めてたまかざる夕べの色とわれはなりゆく


百葉箱のような人生という比喩がほんのり浮かぶ そうでありたい
I thought slightly about a metaphor of my life is like a Stevenson screen.  I want to be like that.

人ひとりいなくなること永遠に解けない謎がまた寄ってくる

かぎりなき贈与のなかにめざめつつひかりの春の本に凭りいたり

風に慣るるということあらず ゆっくりと確実に壊れゆくのであろう

四月十五日朝よりの雨なお止まず散りてあたらしきはなびらあまた

別るるためまことわかるるため会いて五十三年 母を葬りぬ

イフェマール(ephemeral):儚さ、一日の命の

 Wikipedia

この十三首を流れるイフェマールに「たたかひに 果てし我が子を かへせとぞ 言ふべきとき
と なりやしぬらむ」(釈迢空)/「マッチ擦るつかのま海に桐ふかし身捨てるほどの祖国あり
や」(寺山修司)や「思へばこの世は常の住み家にあらず」(幸若舞・能「敦盛」)を惹き寄せ
わたしの昨今の心情とシンクルナイズしたが、第八首の「百葉箱のような人生・・・」が印象強く
残る。百葉箱は主に外の気温を直射日光の影響や雨などの影響をなくした気象観測器。外側は日
光を反射しやすいように白く塗られており、風通しをよくする為によろい戸を設け、扉は北向き
になるよ設置し、地面からの照り返しを防ぐために芝生の上などに百葉箱は設置。中には温度計
 (最高・最低温度計、自記温度計) や乾湿計(湿球と乾球の示度の差から湿度を求める計器)な
どを入れている。生命の移ろいの陰影を宇宙の無限遠点下から精緻に「日常」の心象を微分し、
「儚さ」を表現する魂の詩篇(Psalm) として
読みとめた。
 

1067夜『ゴドーを待ちながら』サミュエル・ベケット|松岡正剛の千夜千冊

  
【ソーラータイル事業:大面積のフィルム型ペロブスカイト太陽電池】

昨日につづき、6月18日のNEDOと(株)東芝はの保有するメニスカス塗布技術に加えた大面
積のフィルム型ペロブスカイト太陽電池てモジュール関連する特許事例を掲載する。



❑ 特開2018-049970  光電変換素子 株式会社東芝

【概要】

周知の通り、光電変換素子は、蒸着法等の比較的複雑な方法を用いて製造されるが、塗布法や印
刷法は、従来よりも低コストで簡便に光電変換素子を製造できる。光電変換素子として、例えば
有機材料または有機材料および無機材料を用いた太陽電池、センサ、発光素子等が開発されてい
が、光電変換素子の光電変換特性向上求められており、本件はその光電変換素子を容易に製造す
る方法の提供にある。本件の光電変換素子は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極および
第2の電極に接し、ペロブスカイト型化合物を含む活性層を備えた光電変換層とを備える。X線
回折測定で得られる活性層のX線回折パターンは、ペロブスカイト型化合物の(004)面に起
因する第1の回折ピークと、ペロブスカイト型化合物の(220)面に起因する第2の回折ピー
クとを有する。第2の回折ピークの最大強度に対する第1の回折ピークの最大強度の比は、0.
18以上である(下図1)。
 

【符号の説明】

1…基板、2…電極、3…電極、4…光電変換層、5…隔壁、41…活性層、42…バッファ層、
43…バッファ層、44…下地層、45…保護層、61…支持体、61a…回転軸、61b…支
持面、62…被処理体、62a…塗布層、63…塗布機構、63a…塗布液、71…ガス供給機
構、71a…ガス、81…研磨ローラ、81a…回転軸、81b…研磨面、82…移動機構、
83…制御機構、91…支持体、91a…回転軸、91b…支持面、92…支持体、92a…回
転軸、92b…支持面、93…支持体、93a…回転軸、93b…支持面、94…制御機構、
95…クリーニング装置。

さて、  上図1/図3は光電変換素子の構造例を示す図である。図1は、上面模式図である。上
図2は、図1の線分X1-Y1における断面模式図である。図3は、図1の線分X2-Y2にお
ける断面模式図である。実施形態の光電変換素子としては、例えば発光素子、太陽電池、または
センサ等が挙げられる。図1ないし図3に示す光電変換素子は、基板1と、電極2と、電極3と、
電極2および電極3に接する光電変換層4と、を具備する。基板1は、電極2、電極3、および
光電変換層4を支持する。基板1を介して光が光電変換層4に入射する場合、基板1は、透光性
を有す。

電極2は、基板1上に設けられている。電極2は、アノード電極およびカソード電極の一方とし
ての機能を有す。電極3は、光電変換層4を挟んで電極2と離間して設けられている。電極3は、
光電変換層4上に設けられ、基板1上まで延在する。電極3は、アノード電極およびカソード電
極の他方としての機能を有す。光電変換層4は、電極2と電極3との間に設けられる。光電変換
層4は、活性層41と、バッファ層42と、バッファ層43と、を有する。なお、必ずしもバッ
ファ層42およびバッファ層43の少なくとも一つを設けなくてもよい。

活性層41は、電極2と電極3との間に設け、バッファ層42の上に設ける。光電変換素子
太陽電池の場合、活性層41は、入射する光のエネルギーにより電荷生成や励起子生成を行って
もよい。光電変換素子が発光素子の場合、活性層41は、発光層としての機能を有してもよい。
活性層41は、ペロブスカイト型化合物を含む。ペロブスカイト型化合物とは、ペロブスカイト
と同じ結晶構造を有する化合物である。ペロブスカイト型化合物を含むことにより変換効率を高
めることができる。

ここでは、ペロブスカイト型化合物の説明は、一部を省略するが 活性層41を厚くすると光吸
収量が増えて短絡電流密度JSCが増えるが、キャリア輸送距離が増える分、失活によるロスが増
える傾向
にある。このため最大効率を得るために、活性層41の厚さは30nm以上1000n
m以下で
あることが好ましく、60nm以上600nm以下であることがさらに好ましい。活性
層41の
厚みを個々に調整すれば、実施形態の光電変換素子と他の一般的な光電変換素子を太陽
光照射条
件で同じ変換効率になるように調整が可能である。しかし、膜質が異なるため200l
xなどの
低照度条件では、実施形態による光電変換素子は一般的な電変換素子より高い変換効
率を実現
できる。
また、活性層41の厚みを個々に調整すれば、実施形態の光電変換素子と他の一般的な光電変
素子
を太陽光照射条件で同じ変換効率になるように調整が可能であるが、膜質が異なるため20

0lxなどの低照度条件では、本件の形態による光電変換素子は一般的な電変換素子より高い
変換効率が得られる。
ペロブスカイト型化合物の結晶構造は、例えばX線回折(XRD)測定により解析される。下図
4は、XRDにより得られる活性層41のX線回折パターンの一部を示す図である。図4に示す
回折パターンは、回折角度(2θ)が28.0~28.3度の範囲にペロブスカイト型化合物の
(004)面に起因する第1の回折ピークと、回折角度(2θ)が28.5度の付近にペロブス
カイト型化合物の(220)面に起因する第2の回折ピークと、を有する。結晶面の表記はミラ
ー指数で表わされるが、単位胞の規定の仕方で呼称が変化する。第1の回折ピークは、第2の回
折ピークと重なっていることがある。この場合、低角側から見て、単位角度あたりの強度増加の
減少を伴う領域における変曲点が第1の回折ピークの頂点と定義される。もしくは、各回折ピー
クが低角側と広角側に正規分布するとして最小二乗法等で形状をフィッティングすれば単体のピ
ーク形状を求められ、そこから、第1の回折ピークの頂点が定義できる。最大強度の比は図4の
ようにベースラインからの強度aとbを(004)と(220)の最大強度として求められる。

第1の回折ピークを有すことは、ペロブスカイト型化合物の結晶構造の安定性が高いこと示す。
また、図4に示す回折パターンにおいて、第2の回折ピークの最大強度に対する第1の回折ピー
クの最大強度の比は、0.18以上である。0.18未満では、ペロブスカイト型化合物が十分
に形成されておらず、変換効率が低下しやすい。(004)は(220)と垂直に交差する結晶
面であるため、両方が検出されるということは、3次元的に結晶構造の秩序構造
が形成されていることを裏付け、特に有機材料を下地としてペロブスカイト型化合物を形成する
場合は、結晶核生成の基点が無く、結晶成長が困難になる。この場合にも検出されるということ
は、3次元的に秩序構造が良好であることを意味する。なお、回折ピークの強度は、結晶面の存
在だけではなく、他の結晶面、特に並行する面の干渉を受けて、強度が弱くなることがある。こ
れらを加味して0.18以上であることは、ペロブスカイト型化合物内の3次元的な秩序構造
高められていること意味する。以下、要所のみ掲載する。

基板1の厚さは、その他の構成部材を支持するために十分な強度があれば、特に限定されないが、
基板1が光入射面側に配置される場合、光入射面には、例えばモスアイ構造の反射防止膜を設置
できる。このような構造とすることで、光を効率的に取り込み、セルのエネルギー変換効率を向
上できる。モスアイ構造は表面に100nm程度の規則的な突起配列を有す構造で、この突起構
造により厚み方向の屈折率が連続的に変化するため、無反射フィルムを媒介させることで屈折率
不連続的な変化面がなくなるため光の反射が減少し、セル効率が向上する。基板1は単体また
は組み合わせることで光電変換素子の機能を発現するものでもよい。具体的には、既に完成され
たシリコン太陽電池の上に、本発明を適用した太陽電池を形成し、タンデム型太陽電池としても
よい。この場合、等価回路が並列回路になることが好ましい。さらに、第1の電極と中間層とが
シリコン太陽電池と共有されてもよい。この場合、等価回路が直列回路になることが好ましい。

電極2および電極3の少なくとも一つの電極の厚さは、電極の材料がITOの場合、30nm以
上300nm以下であることが好ましい。30nm未満の場合、導電性が低下して抵抗が大きく
なりやすい。抵抗が大きいと光電変換効率が低下する場合がある。300nmを超える場合、I
TO膜の可撓性が低下して、応力が作用するとひび割れる場合がある。電極2および電極3の少
なくとも一つの電極のシート抵抗は、10Ω/□以下であることが好ましい。
尚、光電変換層4の構造例は、図1ないし図3に示す構造に限定されない。下図5は、光電変
換素子の他の構造例を示す断面模式図。図5に示す光電変換素子では、図1ないし図3に示す構
成に加え、下地層44と、保護層45と、をさらに有する光電変換層4を具備する。 
さらに、活性層41の一方向に電極2および/またはバッファ層42と、電極3および/または
バッファ層43と、を互いに離間して配置したいわゆるバックコンタクト方式の構造を有してい
てもよい。


次に、実施形態の光電変換素子の製造方法例について説明する。上図6は、実施形態の光電変換
素子の製造方法例を説明するためのフローチャートである。実施形態の光電変換素子の製造方法
例は、第1の電極形成工程S1と、光電変換層形成工程S2と、第2の電極形成工程S3と、熱
処理工程S4と、を具備する。なお、実施形態の光電変換素子の製造方法は、上記製造方法例に
限定第1の電極形成工程S1では、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、メッキ法、または塗布法等を用いて基板1上に電極2を形成する。

光電変換層形成工程S2では、電極2上に光電変換層4を形成する。光電変換層形成工程S2は、
第1のバッファ層(下地層)形成工程S2-1と、塗布工程S2-2と、ガス吹き付け工程S2
-3と、保護層形成工程S2-4と、研磨工程S2-5と、第2のバッファ層形成工程S2-6
と、を有する。
第1のバッファ層(下地層)形成工程S2-1では、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法、メッキ法、または塗布法等を用いて電極2上にバッファ層42および下
地層44の少なくとも一つの中間層を形成する。下地層44は、例えば塗布法を用いて形成する
ことが好ましい。なお、バッファ層42および下地層44を形成しない場合、第1のバッファ層
(下地層)形成工程S2-1は実施されない。

下図7は、塗布工程S2-2を説明するための模式図である。塗布工程S2-2では、塗布法を
用い、塗布機構63から塗布液63aを支持体61に配置された被処理体62の中間層上に塗布
して塗布層62aを形成する。なお、塗布機構63を備える塗布装置を用いて塗布層62aを形
成してもよい。塗布機構63による塗布液63aの供給は、別途設けられた制御機構により制御
される。
支持体61は、回転軸61aと被処理体62を支持する支持面61bとを有する。回転軸61a
は、支持面61bに垂直である。支持体61は、支持面61bにおいて真空チャックを用いて被
処理体62を固定する。塗布層62aを形成する際、支持体61は、回転軸61aを中心に回転
する。
塗布液63aは、ペロブスカイト型化合物の前駆体と前駆体を溶解し得る有機溶媒とを含む。有
機溶媒としては、例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、γ-ブチロラクトン、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。有機溶媒として複数の材料の混合溶媒を用い
てもよい。塗布液は、1つの溶媒と、溶媒に溶解されたペロブスカイト型化合物を形成するため
の複数の原材料と、を含んでいてもよい。
塗布液63a中の前駆体の濃度は、1770mg/ml以下であることが好ましい。1770mg
/mlを超えると、ペロブスカイト型化合物の結晶粒径が大きくなり、研磨工程S2-5におい
て活性層41にピンホール等が発生しやすくなる。
塗布層62aは、例えばペロブスカイト型化合物を形成するための複数の原材料を個々に含む複
数の溶液を調製して順次、スピンコータ、スリットコータ、バーコータ、ディップコータ等を用
いて塗布することにより形成されてもよい。



上図8は、ガス吹きつけ工程S2-3を説明するための模式図である。ガス吹きつけ工程S2-
3では、ガス供給機構71から塗布層62aにガス71aを吹き付けてペロブスカイト型化合物
を形成する。なお、ガス供給機構71を有する塗布装置を用いて塗布層62aにガス71aを吹
き付けてもよい。ガス供給機構71によるガス71aの供給は、別途設けられた制御機構により
制御される。
ガス71aとしては、例えば窒素や、希ガスに分類されるヘリウム、ネオン、アルゴンが好まし
く用いられる。また、ガス71aとして空気、酸素、二酸化炭素などを用いることもできる。こ
れらのガスは、それらを単独で、または混合して用いることもできる。窒素ガスは安価で大気か
ら分離して利用することができるため好ましい。ガス71a中の水分濃度は50%以下、好まし
くは4%以下であることが好ましい。ガス71a中の水分濃度の下限値は、10ppm以上であ
ることが好ましい。(中略)ガス71a中の水分濃度は50%以下、好ましくは4%以下である
ことが好ましい。ガス71a中の水分濃度の下限値は、10ppm以上であることが好ましい。

ガス71aは、室温で液体である物質の蒸気を含んでいてもよい。室温で液体の物質としては、
例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、γ-ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド
(DMSO)、クロロベンゼン(CB)、ジクロロベンゼン(DCB)等を用いることができる。
室温で液体である物質の蒸気は、活性層41の平滑性を向上させることができ、ペロブスカイト
型化合物の安定性を向上させることができる。
ガス71aの温度は30℃以下であることが好ましい。30℃を超えると塗布液63aに含まれ
るペロブスカイト型化合物の前駆体の溶解度が上昇し、ペロブスカイト型化合物の形成が阻害さ
れてしまう。一方、被処理体62の温度(基板温度)はガスの温度よりも低温であることが好ま
しい。被処理体62の温度は、例えば20℃以下、さらには15℃以下であることが好ましい。

ガス71aを吹きつけることにより、ペロブスカイト型化合物が形成される過程で有機溶媒が排
除され、ペロブスカイト型化合物の形成反応を促進させることができる。ガス71aの吹きつけ
により、熱を加えなくともペロブスカイト型化合物の形成反応が進むため、活性層41のピンホ
ール、亀裂またはボイドの形成を抑制することができる。また熱を加えないことで塗布層62a
の表面の急激な乾燥が抑制されて、塗膜表面と内部との応力差を抑制することができる。このた
め、形成される活性層41の表面の平滑性が高くなり、フィルファクタFFを改善することがで
き、寿命を改善することができる

ガスの吹きつけは、塗布液63a中でペロブスカイト型化合物の形成反応が完了する前に行う必
要がある。

すなわち、ガスの吹きつけにより反応を促進することが必要である。塗布層62aを形成した後、
速やかに
ガスの吹き付けを開始することが好ましい。具体的には塗布終了後から10秒以内が好
ましく、1秒以内
であることがより好ましい。
塗布層62aが乾燥する過程では、ペロブスカイト型化合物の形成と同時に原料としてMAI、
ヨウ化鉛などの単体の結晶も成長することがある。塗布層62a中に溶解分散した状態から速や
かに乾燥させる程、ペロブスカイト型化合物を効率よく成長させることが可能である。よって、
実施形態の光電変換素子の製造方法例は、有機膜や格子不整合の大きい酸化物上にペロブスカイ
ト型化合物を形成させる場合に有効である。


上図9は、研磨工程S2-5を説明するための模式図である。研磨工程S2-5では、研磨ロー
ラ81を用いて被処理体62の表面を研磨する。研磨ローラ81は、移動機構82により移動が
可能である。移動機構82は、制御機構83により制御される。研磨は被処理体62の表面を平
滑にするために行われる。特に保護層45を形成した後に、塗布層62aの表面における凸部の
みを露出させるような研磨を行うことが好ましい。(中略)  研磨ローラ81は、回転軸81a
と回転軸81aを中心に回転して被処理体62の表面を研磨するための研磨面81bとを有する。
研磨の際、被処理体62の表面が回転軸81aと平行に研磨ローラ81の研磨面81bに接する
ように移動機構82により研磨ローラ81および被処理体62の少なくとも一つを移動させる。
これにより被処理体62に傷が生じにくく、または研磨によるゴミが残存しにくくなる。上図9
では、移動機構82により研磨ローラ81を移動させる例を図示している。研磨ローラ81は、
回転しながら支持面61bと平行な一方向に沿って移動してもよい。
ロールツーロールにより被処理体62を移動させながら研磨してもよい。上図10は、研磨工程
S2-5の他の例を説明するための模式図である。図10に示す構成の場合、研磨ローラ81の
位置は固定されていてもよい。この場合は、移動機構82が設けられなくてもよい。図10に示
す支持体91は、回転軸81aと平行な回転軸91aと回転軸91aを中心に回転して被処理体
62を支持する支持面91bとを有する。支持体92は、回転軸81aと平行な回転軸92aと
回転軸92aを中心に回転して被処理体62を支持する支持面92bとを有する。支持体93は、
回転軸81aと平行な回転軸93aと回転軸93aを中心に回転して被処理体62を支持する支
持面93bとを有する。支持体91ないし支持体93の位置は、固定されていてもよい。

上図11は研磨を行っていないサンプルの表面の写真であり上図12は研磨を行ったサンプルの
表面の写真。図11に示すサンプルの表面は斑点を有する。これはPCBMを2回塗布しても消
えなかった。図12に示すサンプルでは、斑点が無い。研磨を行うころにより、1回目の塗布に
より表面に斑点が有していても、2回目の塗布により斑点を消すことができることがわかる。
すなわち、活性層の露出部分を覆うことができる。(中略)これらの光電変換素子に対し、ソー
ラーシミュレータでAM1.5の光を1000W/mの条件で照射したときのIV特性をそれ
ぞれ測定した。図13は、光電変換素子のIV特性を示す図である。表1は、熱処理時間と各パ
ラメータ(開放電圧VOC、短絡電流密度JSC、最大出力Pmax、フィルファクタFF、変換効
率PCE、並列抵抗Rsh、界面抵抗Rs)との関係を示す表であり、上図14は変換効率PC
Eを示す図であり、下図15は開放電圧VOCとの関係を示す図であり下図16は界面抵抗Rsを
示す図であり、下図17はフィルファクタFFを示す図であり、下図18は短絡電流密度JSC
示す図であり、下図19は並列抵抗Rshを示す図である。例えば、変換効率4,48%だった
サンプルは、熱処理の時間経過と共に改善し、変換効率8.97%と、初期の変換効率の約2倍
の性能に達した。また、VOCよりもJSCとFFが大きく変化した。

 
表2は、光電変換素子の各パラメータの再現性を示す表であり、下図20は、光電変換素の各パ
ラメータの再現性を示す図。実施例1では、研磨工程を含む上記工程によりサンプルA、B、Cを
作製した。表2から研磨を実施することによって、変換効率のばらつきは1バッチ内の0.82ポ
イントの範囲内に収まっていることがわかる。このことから光電変換素子が高い再現性を有するこ
とが確認できた。



【図26】光電変換素子のIV特性を示す図  【図27】光電変換素子の構造例を示す模式図
【図28】光電変換素子のIV特性を示す図  【図29】光電変換素子のIV特性を示す図

今回の世界記録はペロブスカイト型の第面積化の成功例であり、今後は商用化をめだし、作り込みの長寿
命化(~10年)、高変換率化(~20%)の開発が始まるが、順当に行けば、ここでも日本が先端を走ること
になる。面白い。

  ● 今夜の映画





While My Guitar Gently Weeps

圧倒されました。                       
                                                          

 

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再生医療革命 Ⅰ

2018年05月02日 | ネオコンバーテック

      

                                     

12 火  攻

篇名は「火攻」だが、後半は、別固の独立した箆であり、指河竹の感情的な行動を戒め、冷
静な
判断を強調している。

火攻めの原則

何を焼くか、その目的によって、火攻めは五つの種類に分けられる。

一、人員に損害を与える。
二、物資を焼く。
三、補給を絶つ。
四、倉庫を焼く。
五、陣形を混乱させる。

どの場合でも、火攻めは、適当な条件がみたされてはじめて決行できるのである。必要な道
具類は
あらかじめ準備しておくべきだ。 
まず、決行する時を選ぶ必要がある。空気が乾ききったころ、そして、月が箕、壁、翼、斡
(いず
れも星座の名)にかかるとき、これこそ決行の時だ。月がこれらの星座にかかるとき
には、必ず風が吹
き起こる。

そして、次には火攻めの程順に応じた兵力の使い方を考えるべきである。
敵陣に火の手があがれば、速やかに行動を起こすべきである。ただし、火の手があがったの
に、敵
陣が静まりかえっているようなら、攻撃はひかえなければならない。火が盛んになる
のを得ったうえ
で進むべきか退くべきかを見極める、冷静な判断が必要とされる。
原則として、火攻めには間者をつかい、敵陣の内部から火を放つ。だが、条件にめぐまれた
場合に
は、外からでも決行してさしつかえない。
火は常に風上に放ち、風上から風下に向かって敵を攻めること。また、昼間の風は夜には止
むこと
も心得ていなければならない。

戦争を行なうには、火攻めの方法を十分理解した上で、以上の条件に応じてそれを活用する
ことが
大切である。
火攻めは、水攻めとともに、きわめて有効な攻撃手段である。だが、水攻めは、火攻めとち
がって
敲の補給を絶つだけで、敵がすでにたくわえた物資に損害を与えることはできない。


 No.1

連載が終了した『エネルギー革命元年』を最新事業開発の考察を継続しながら、新しい事業
開発の考察として『再生医療』の事業開発を掲載していくことにする。ところで、再生医療
こと、再生医学( Regenerative medicine)とは、人体の組織が欠損した場合に体が持っている
自己修復力を上手く引き出し、その機能回復の医学分野である。この分野における医療行為
である。
再生医学を行う手法には、❶クローン作製、❷臓器培養、❸多能性幹細胞(ES細胞、
iPS細胞)の利用、❹自己組織誘導の研究などがある。❺将来的には遺伝子操作をした豚な
どの体内で人間の臓器を養殖するという手法も考えられている。自己組織誘導については、
❶細胞と、分❷化あるいは誘導因子シグナル分子)と、❸足場の3つを巧みに組み合わせ
ることにより、組織再生が可能になるとみられており、従来材料による機能の回復(工学技
術に基づく人工臓器)には困難が多く限界があること、臓器移植医療が移植適合性などの困
難を抱えており、再生医学には大きな期待が寄せられている。
胚性幹細胞ES細胞)の作成
には受精卵を用いるといった倫理的な問題も伴うことから、京都大学再生医科学研究所の山
中伸弥教授らによる人工多能性幹細胞iPS細胞)の研究成果が、ノーベル生理学・医学賞
を受賞したことなどから世界から注目されている。細胞や細胞医薬品の長期保存のため液体
窒素を活用した大型の全自動凍結保存システムなども注目されている。

 Nov. 20, 2017

尚、日本においては、医薬品医療機器等法の第二条9に「身体の構造又は機能の再建、修復

又は形成」「疾病の治療又は予防」「に使用されることが目的とされている物のうち、人又
は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの」、および「疾病の治療に使用されることが
目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子
を含有させたもの」を再生医療等製品と定義している。

  

 【再生医療革命 Ⅰ:臨床ラッシュ】

他人由来のIPS細胞を使った難病治療の研究で、ヒトを対象にした臨床試験が相次いで始
まつている。他人由来の細胞を使う再生医療は、コス
トを大幅に下げることが期待されてお
り市場化を見据え民間企業の参
入も加速する。3月23日、シード・プランニング社は、国
内の再生医療周辺産業の市場――国内の再生医療周辺産業の市場は、培地・血清・試薬など
の消耗品分野と製造受託などのサービス分野が市場を牽引、30年には15年比約22.6倍の
6,140億円になるとの予測を公表。

ここで、「再生医療周辺産業」とは、「再生医療」の臨床応用やそれらの基礎研究をサポー
トする製品やサービスを提供する産業と定義、再生医療や再生医療研究において用いる装置・
設備類や消耗品類、サービス類等を指す。国内市場に絞ると、15年時点の国内の再生医療市
場は約140億円。その約9割はがん免疫細胞療法や美容領域等の保険外診療が占める。
20年以
降にはiPS細胞由来の再生医療等製品が徐々に承認され、20年から30年にかけ市場拡大が急
速に加速。
また、脊髄損傷をはじめとする現在有効な治療法が存在しない疾患領域を対象と
する再生医療等製品が上市され、適応患者数が多いこと、臓器移植代替の領域に再生医療の
貢献等を踏まえると、30年の国内市場規模は約1兆1,000億円に到達すると予測。
対象部位に
関し、20年以降軟骨領域が、現在対象疾患から除外されている変形性膝関節症を対象とする
再生医療等製品が上市され市場の拡大。

眼領域の疾患に関しても、角膜疾患および網膜疾患において複数の製品が上市し、さらに世
界で初めてのiPS細胞を用いる加齢黄斑変性の細胞医薬品が上市されることで市場の拡大す
る。また、神経領域の疾患については、現在有効な治療法はなくリハビリが中心に行われて
いるものの、開発中の製品を用いることによって症状回復が観察される症例もあることから、
神経領域における再生医療等製品は承認後に急速に普及するとみられている。(
「再生医療
周辺産業の市場予測、30年には15年比約22.6倍と急拡大へ 」財経新聞、2018.03.28)

Mar. 21, 2013


ここでは、週刊エコノミスト2017年3月21日特大号で掲載された特集「再生医療 臨床ラッシ
ュ」の記事を電子書籍をお復習いし理解を深めながら、関連分野の最新技術事例を考察する。

【目 次】
はじめに
・臨床ラッシュ 他人由来の細胞で治験へ 難病治療に広がる可能性/インタビュー 岡野
 栄之(慶応義塾大学医学部長)/ロボットで脊髄損傷を治療 脳と神経のループを再構築

・パーキンソン病 インタビュー 高橋淳 京都大学iPS細胞研究所教授(神経再生学)
・3大疾病 がん 再生医療の「オプジーボ」? 免疫細胞を増強する新治療
・3大疾病 脳卒中 細胞が「薬」になって脳を刺激 慢性期脳梗塞の新治療法
・3大疾病 心筋梗塞 ヒトの「心筋」シート化 2018年度に治験開始へ
・毛髪再生 再生医療でフサフサ? 資生堂、京セラが参入
・カナダ・トロントリポート 官民の資金で成長後押し
・関連銘柄24 再生医療で広がる市場 迫る医療の「産業革命」

【執筆者】花谷美枝、横山渉、村上和巳、宮城康史、渡辺勉、繁村京一郎


他人由来の細胞で治験へ 難病治療に広がる可能性 花谷美枝(編集部)

他人由来のiPS細胞を使った難病治療の研究で、ヒトを対象にした臨床試験が相次いで始
る。他人由来の細胞を使う再生医療は、コストを大幅に下げることが期待される。市場化を
見据えて民間企業の参入も加速する。

他人由来の細胞を使った再生医療の研究で、ヒトを対象に安全性を確かめ、効果を見る臨床
試験が相次いで始まる。治療までの時間を大幅に短縮し、コストを下げる可能性かおる他人
来の細胞の移植が実現すれば、これまで治療が困難だった病気や障害を治せる可能性が高
る。脊髄損傷の治療でも、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った臨床研究が始まる。
報道によると、慶応義塾大学の岡野栄之教授と中村雅也教授らの研究チームは、脊髄を損傷
した患者
に、iPS細胞から作った神経のもとになる縦胞を移植する臨床研究について学内の
倫理委員
会に申請した。了承を受けた後、国への届け出を行う。iPS細胞から神経細胞のも
とになる「神経前駆細胞」を作り、患者の脊髄の損傷部分に移
植する。iPSは、京都大学I
PS細胞研究所から提供を受ける。拒絶反応が起きにくい
タイプの健康な人から作り、備蓄
を進めているものを使う。脊髄を損傷してから2~4週間が
経過した患者を対象に2018
年前半の試験開始を目指すと報じられている。

傷ついた神経を修復

脊髄損傷は交通事故や転落・転倒などにより脊髄が損傷し、神経が断裂したり圧迫されたり
して、脳から発した電気信号が届かなくなり、手足が動かなくなったり感覚が麻疹したりす
る。岡野教授らの研究では、iPS細胞から作った神経前駆細胞を損傷部分に移植する。手
足が
麻疹した小型サルのコモンマーモセットを対象にした研究では、細胞移植により運動機
能が改
善し、立つことができるようになったり、手の握力が改善したりした。詳しいメカニ
ズムは不
明だが、移植した細胞が損傷部分を回復させる役割を果たすと考えられている。

岡野教授によると、再生医療の効果には、移植した細胞が失われた細胞を補う「細胞置換」

と、移植細胞が栄養因子を出して再生能力や保護効果を高める「栄養効果」がある。脊髄損
の治療では、その両方が効いていると考えられるという。現状では、細胞移植で治療効果
を見込めるのは受傷後数週間以内の急性期から亜急性期の患
者だ。受傷後時間が経過した慢
性期の患者は、損傷部分が固いカサブタのような状態になり、
回復しにくくなる。再生医療
で治療する場合も、自分由来の細胞からiPS細胞を作っていた
のでは治療のタイミングを
逃す。ストックされている他人の細胞を使えば、亜急性期までの期
間に治療を開始できる。

岡野教授は今後、治療の研究を進めることで、「慢性期の患者でも、細胞移植とリハビリの
み合わせによって回復を期待できる」と期待を寄せている。国内の脊髄損傷の患者数は約
10万人で、毎年5000人の患者が新たに発生している。現在
の医療では根本的な治療法が
なく、再生医療に寄せられる期待は大きい。

治験数が増加

人工培養した細胞や組織を使って失われた組織を修復・再生する再生医療の研究は、ここに
来て大きく前に進み始めている。厚生労働省の再生医療等評価部会は2月1目、他人のiPS
細胞からつくった網膜組織の細
胞を目の難病「泄出型加齢黄斑変性」の患者に移植する世界
初の臨床研究計画を了承した。今
年前半に最初の手術が行われる。同じ2月には京都大学i
細胞研究所の高橋淳教授がパ
ーキンソン病の治療で臨床試験を始めると発表(側回。大阪
大学の渾芳樹教授は重症心不全
で、臨床試験へと進む意向を昨年明らかにしている(判詞)。

縦胞移植の中でも、あらゆる臓器に対応できて培養もしやすいiPS細胞を活用することへ
の期待は大きいが、実際に治療で行われたのは患者本人から細胞を採取した例だけだ。自分
来のiPS細胞は他人由来に比べて拒絶反応のリスクは低いが、細胞を採取・加工する時
間と
費用が問題だった。疾患や障害によっては発注後、早期の治療を必要とすることがある。
また
治療費のコスト抑制の課題に応えるためにも、他人由来の細胞を使った治療の研究が求
められ
ていた。
他人由来の細胞を使った治療の中でも、iPS縦胞を使う研究を後押しするのが、京都大学
iPS
細胞研究所の・-PS細胞ストックだ。血液細胞の型(HLA型)のうち、拒絶反応
が起
きにくいタイプを選んでiPS細胞をあらかじめ件って保存し、必要に応じて提供する。
15年
以降は民間にも提供を開始、22年度までに日本人の大半をカバーできるストックを作る
目標を
立てている。研究者にとってiPS細胞提供のインフラが整備されたことの意義は大
きく、慶
応大・岡野教授は「京都大学から提供を受けた(非臨床グレードの)iPS細胞を
用いた動物
実験が13年に始まり、技術的にはヒトでの臨床研究に移行する段階に入れるよう
になってきた
のが今だ」と話す。

他人由来iPS細胞を使った細胞移植という先端研究だけではない。再生医療の研究は対
疾患、アプローチの種類ともに広がりを見せている。

再生医療等医薬品の治験の件数は、1月末までで少なくとも5件(医薬品医療機器総合機構
への届け出ベース)ある。再生医療等製品は、従来の医薬品とは別に早期に保険適用を承認
る仕組みが14年に施行されており、今後も治験の数は増えると見られる。ヘリオスの急性
期脳
梗塞治療薬「マルチステム」は2/3相試験中で、サンバイオの外傷性器損傷治療薬「
SB6
23」は2相の試験中だ。1月にはタカラバイオが血波のがんで「キメラ抗原受容体
(CA
R)-T細胞療法」で再生医療等製品としての治験を申請している。
治験の件数増加は、14年111月施行の医薬品医療機器等法により、早期承認制度が導入さ
れた
ことが大きい。国が認めれば、治験の最終段階を早期に切り上げて、保険適用を得て商
品化で
きる。

ただ、多くの研究は動物実験で確認された効果を、ようやくヒトに応用する試験の最初の段
階に差し掛かかったところだ。医薬品の開発は、研究室で行われる「臨床研究」から、治療
兼ねた「臨床試験」に入り、保険適用を目指す「治験」へと進む(目)。臨床試験は、ま
ずヒト
での安全性を確かめながら、慎重に進められる。またがん化の回避など安全性を確保
する技術
のほか、縦胞培養や流通など、実用化までにクリアすべき課題は多い。

一方、民間企業が将来の市場拡大をにらみ、細胞培養の受託や装置開発などで参入する動き
を見せ始めている。京セラやニコンなど、異業種からの参入組も多い。再生医療用細胞の開
発・受託製造施設を新設し、18年度に受託開始を予定する日立化成の丸山寿社長は「10年か
てでも、ライフサイエンス分野を新しい事業の桂に育てる」と将来性の大きさに期待を寄
る。

みずば銀行産業調査部の戸塚隆行調査役は、民間企業の参入が進み、「産業化の下地ができ
つある」と話す。再生医療は、研究の段階から新時代の医療市場へと成長する最初の時期
を迎
えようとしている。



【最新再生医療特許事例】

❑ 特開2018-065132 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置

【概要】

 近年、フィルタを用いた細胞凝集塊の分級において、細胞凝集塊の回収率を高めることが望
まれている。本発明は、細胞凝集塊の回収率を高めることができる金属製多孔膜、それを用
いた分級方法および分級装置を提供することを目的とする。下図1のごとく細胞凝集塊を分
級する金属製多孔膜10であって、前記細胞凝集塊が捕捉される第1主面PS1と、第1主
面PS1に対向する第2主面PS2とを有すると共に、第1主面PS1と第2主面PS2と
を連通する複数の貫通孔12を有する膜部11を備える金属製多孔膜10。このような構成
により、細胞凝集塊の回収率を高めることができる金属製多孔膜10で、細胞凝集塊の回収率
を高めることができる金属製多孔膜、それを用いた分級方法及び分級装置の提供。



❑ 特開2018-064578 細胞において多能性を誘導する方法

【概要】

細胞を、MUC1活性を増大させる遺伝子、タンパク質又は化学種と接触させることによ
って細胞に
おいて多能性を誘導又は維持する方法であって、タンパク質は、好ましくはMU
C1*リガンドであり
、リガンドは好ましくはNM23であり、タンパク質は抗体、好まし
くはMUC1*のPSMGFR配列を
特異的に認識する二価抗体であってもよい方法。MU
C1*とは、細胞外ドメインがPSMGFRを含
むようにN末端が切断されたMUC1タン
パク質を指すことで、単独で、又は既に同定されたものに加
えて、細胞において多能性を誘
導するか、又は多能性誘導の効率を向上させるタンパク質及び小分
子の提供。


❑ 特開 2018-061511 神経細胞評価方法、神経細胞評価プログラム及び神経細胞評価方法

【概要】 

iPS細胞の作成(特許文献1参照)により、再生医療、組織工学、細胞工学等の分野の進
歩は著しく、細胞の状態の評価や、細胞に対する薬物等の効果や影響の評価に対する要望が
非常に大きくなっている。特に神経細胞においても、iPS細胞等の胚性幹細胞から神経細
胞を作製する方法が確立されてきており(特許文献2参照)、神経細胞の有効な分析方法が
求められている。細胞の分析方法として、分析対象の細胞を経時的に撮像した動画を解析し
そこから得られる情報に基づいて細胞の分析を行う方法が研究されている。

しかしながら、動画からひとつの評価値を算出するものであり、動画における細胞の経時的
な動きを評価するものではない。本発明者らは、細胞等の分析対象が経時的に撮像された動
画像において、分析対象の経時的な動きを評価することが可能な分析手法を新たに見出した
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、分析対象を経時的に撮像した動画像から分析対
象の経時的な動きを評価することが可能な分析システム、分析プログラム及び分析方法を提
供することにある。下図12のように、神経細胞評価プログラム及び神経細胞評価方法を提
供し、特徴量算出部と、特徴量表示部とを具備する。特徴量算出部は、神経細胞を経時的に
撮像した動画像において、神経細胞の評価対象範囲の動き量の周波数特徴量を算出する。特
徴量表示部は、算出された神経細胞の評価対象範囲の周波数特徴量の薬剤投与前後での変化
を可視化して表示するよう制御するkとで、分析対象が経時的に撮像された分析対象動画像
から分析対象の経時的な動きを評価可能な分析システム、分析プログラム及び分析方法を提
供する。


【我が家は春爛漫】 

 

 ● 今夜の一曲

I AM YOUR SINGERサザンオールスターズ
作詞・作曲 桑田佳祐/原由子  編曲 宮崎隆


l am your slnger.

僕の生きがいは 数えきれないその笑顔

「愛の詩(うた)』も「塊の声」も あなたがくれた プレゼント

きっと未来はあてなき旅の途中

また逢う日のため笑っておくれ 夏がまた来るまでは

互い涙見せずに いつまでも変わらぬ想い

遠<離れ離れの時も 「 大好きだよ」と

嗚呼ロ唇に微笑みを Oh…いつの日も乗せて!!

サザンオールスターズの53枚目のシングル。2008年8月6日発売。発売元はタイシタレーベル
。キャッチコピーは「すべての音楽を愛する人たちへ。30年間の気持ちを込めて」。前作「
DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~」以来約2年ぶりとなるシングル。この間企画盤などのベ
スト・アルバム・再発も含め、サザン名義での作品リリースが全く行われず、発売自体も同
作以来に。

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エネルギー革命元年 Ⅶ

2018年04月27日 | ネオコンバーテック

      

                                     

11 九  地
敵味方のおかれている状況を九つの場合に分類し、それぞれに応ずる法(九地の法)をあげ
とくに捨て身によって全力を発揮する”奥の手”を論じている。

状況に応じた内部指導
敵国に攻め入る場合、奥深く入れば軍隊の団結は強まるが、深く進入せずに止まればバラバ
ラになりやすい。国境を越えて戦うということは、孤立して戦うことを意味する。そして、
戦場が進の目方に通じているのは「衢地」(くち)、敵地に奥深く入れば「重治」、まだ入
ったばかりの所が「軽地」、堅固な地 山を後ろにし狭い呑を前にしたのが「囲地」、逃げ
場のないのが「死地」である。その他「争地」「交地」「圯地」(ひち)、敵地で戦うこの
ハつの場合について、味方のあり方を考えてみよう。

「散地」では味方の志を一にし団結を強めることが肝要である。
「軽地」では味方をよく掌握して、バラバラにならぬように心がけることである。
「争地」を攻めるには、蔵の後ろにまわって旱つことである。
「交地」は、敵もきやすいのであるから、占領したら慎重に守りを固めることである。
「衢地」では友好国との結合を強化することである。
「重地」では食禄の補給が絶えないようにすることである。
「圯地」では進軍をつづけ、一刻も早く自由な行動のできるところへ出ることである。
「囲地」では自から出目をふさぎ、味方から死になって戦うようにすることである。
「死地」では、戦う以外に生きる途がないことを全軍に示すことである。

要するに、敵に囲まれれば防ぎ、ほかに方法がなくなれば必死に戦い、危険におちいれば統
率者を頼りにする、これが兵士の心理なのである。
諸侯の計略をよく知らないで、これと交りを結ぶことはできない。山林、高山、湿地帯など
の地形を知らないで、行軍することはできない。案内人を使わずに坦の利を得ることはでき
ない。九地のうち一つでも知らないものは、天下を副司する軍とはいえないのである。

 No.197
【蓄電池事業篇:最新電固体型電池技術】

神を欺いたことで、シーシュポスは神々の怒りを買い、大きな岩を山頂に押して運ぶという
罰を受け。彼は神々の言い付け通りに岩を運ぶのだが、山頂に運び終えたその瞬間に岩は転
がり落ちてしまう。同じ動作を何度繰り返えす『シーシュボスの神話』(Le Mythe de Sisyphe
――作者のカミュはここで、人は皆いずれは死んで全ては水泡に帰す事を承知しているにも
拘わらず、それでも生き続ける人間の姿を、そして人類全体の運命を描き出しているが、こ
れをヒントに蓄電池事業を考えてみると、太陽光や風力などの再生可能(=自然)エネルギ
ーからの余剰電力を位置エネルギーをエネルギー変換する水力発電の貯水池(ダム)からの
放流水を下方の貯水池から揚水ポンプで上方の貯水池に戻し貯めこれを半永久的に繰り返す
揚水水力発電型蓄電池方式をイメージ。

   Apr. 25, 2018
Le mythe de Sisyphe            トーマスエジソンの1906年特許のアルカリ

このような揚水発電による電力需給量のバランス調整という「シーシュポスの苦役」からの
解放(=”エネルギー革命元年宣言”)がマサチューセッツ州政府のように一部の地域で実
現先行している地域がすで存在する
(下の「RESILINTPOWER」(復元力)ロゴ※参照)

※同州政府のクリーンエネルギーグループとメリディアン研究所の共同イニシアチブである
RESILINTPOWER」(復元力)事業は、脆弱な地域社会を対象とした、廉価な住宅とコミュニ
ティ施設に太陽光発電(マサチューセッツ州の太陽光発電能力は2,076メガワット)と蓄電池
を整備することで、
経済的、健康的で便益性のある広範な復元に、クリーンエネルギーグル
ープはリーダーシップ構想を公表。

ところで、クリーンエネルギーと蓄電池の普及は、1893年、トーマス・アルバ・エジソンが
電球発明し、電気を蓄える蓄電池を発明している。エジソンは、1879年に蓄電池を主電源と
し配線した住宅に設置し、昼間に充電し、夜間や夜間に白熱電球として電力消費するシステ
ムを考案した語っている。また、
第一世代の電気自動車を発明したのにもかかわらず、より
信頼性の高い量産型のガソリン車フォートモデルTにより、技術史のゴミ溜まりに追い込ま
れたが、百年の後
この技術が初期の欠点を克服するに至る。

 



マッキンゼーの世界有数の技術コンサルタントは、蓄電池が電力分野の次なる「破壊的技術」
であり、低コスト化にともない
電力状況を一変させると、2017年の報告書で述べ(上図参照)
今日の低価格では、蓄電池は、グリッドバランシングなどのニッチな用途から、信頼性のた
めに従来の発電機の交換、電力品質のサービスの提供、再生可能エネルギーの統合サポート
など、幅広い用途で、より広範な役割を果たし始めているとする。尚、
 2017年の蓄電量は
27%増の431メガワットアワーに達し、2018年には倍増すると見込む。また、
2018年の
調査によれば、長期的な将来の市場成長の可能性も大きいと予測。
この調査では、蓄電コス
トが引き続き下落し、今後10年間で蓄電池市場は5万メガワット拡大すると予測。
 

1980年代以降、エネルギーと環境擁護者は、技術特有のクリーンエネルギー政策と公共投資
を促進。30年前、これらの初期動向はエネルギー効率に焦点を当てた。戦略は1990年代に
実用規模の風力に拡大され、その後世紀の変わり目に太陽光と分配。
エネルギー効率の目標
を定めたユーティリティインセンティブは、クリーンエネルギー市場を急速拡大、今日の主
流をしめる。 州と連邦の政策は、風力や太陽光、州レベルの公益投資費用、再生可能なポ
ートフォリオ基準、太陽光発電システムの正味計量の税額控除を創出。これは特別なコスト
削減とクリーンエネルギー市場の拡大につなる。
最近では、環境保護令と株式戦略を求め
てクリーンエネルギープログラムの公平設計に基づき、低所得コミュニティに利益をもたら
すように管理保証する。
現在、百年の技術革新の後、古い有効技術である蓄電池が新たに登
場。クリーンエネルギーの「聖杯」と呼ばれる
技術は、エネルギーシステムの最終的で脱炭
素化を実現する可能性を伴い、全経済分野にうまく転換できるかもしれない。上図1に示す
ように、蓄電池は、増大するアプリケーションを持つ複雑な技術で、

• 建物レベルからベースロード電力まで、さまざまな発電システムで動作するように拡張す
 ることができる。

• 化石燃料の排出を削減するために太陽光や風力などの分散型発電技術(オンショアまたは
 オフショア)と組み合わせることができる。

• それは、経済的、健康的、安全性、およびエネルギー弾力性を含む多様な利益をもたらす。
• これは、商業顧客および脆弱な低所得住民の公共料金請求および電気代を減らす。
• ユーティリティーが地域のキャパシティー支払いを削減するために使用することができる。
• 周波数調整などのグリッドアプリケーションから収益を生み出すことができます。
• それはプエルトリコに計画されているようなコミュニティのマイクログリッドに弾力を提
 供する。

• 電気自動車(EV)充電ステーションが電気料金を削減、その最も野性的なブースターの一
 部によれば、電気飛行機に電力供給できる。
時間と共に拡大するこれらの様々な用途
 は、電池貯蔵技術をエネルギーと気候変動を解決できる、


このように技術開発の初期段階にあるものの、蓄電池は重要技術で、電池
保管コストを歴史
的に削減。もはやエジソンの遠い夢ではなく、コスト削減により、ラップトップから電気自
動車、据え付け型、建物サイズ蓄電池まで開発している。
図2に示すように、リチウムイ
オン電池の価格は、2010年から2016年の間に70%以上低下、世界全体容量が倍増するにつ
れて19%のコスト削減パターンが続いた。
ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナ
ンスの最新の2017年の数値によれば、蓄電池のコストは、2016年以来驚異的な24%に低下。
これは予測をはるかに超える。  BNEFは、2018年3月末のコスト・アップデートで、「結論
は化石燃料部門にとっては冷たい」と表現されている程、
バッテリー技術はエジソンの時代
のように手作業(流れ作業)でなく、その費用は化石燃料価格の変動とは無関係で、寧ろパ
ーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォンなどのより安価でユビキタスな情報化時
代の技術則の、コスト削減という経済的利点を有し、太陽光などのエネルギー技術と蓄電池
やディスクドライブの3
つはその恩恵に与る。まず、メータの背後にある商用-顧客向けア
プリケーションでは、電池需要の変化を減らし、弾力性を提供すると同時に太陽光発電設備
に価値付加する。
第2に、蓄電池は、今後数年間に数百のガスピ-カープラント(特に、公
共料金が高い混雑したグリッドエリアに配置された汚染の少ない、頻繁に稼動しないプラン
ト)を置き換わる。
第3に、多くの州では、多くの再生可能エネルギー資源を送電網に投入
し、送電と容量のコストを削減する、実用規模の蓄電池事業が数多く存在し。
これら3つの
合理的に関連市場が、蓄電池をコア推進し、重要な環境および経済上の利益をもたらす。

さらに、再生可能エネルギーと貯蔵がベースロードの化石燃料プラントへの依存を減らす方
法――
約20年前のソーラー業界は、蓄電池の採用を阻む障壁が数多くあったが、これらの
障壁(技術オプション、コスト、安全性、利益、およびその他の市場障壁に関する情報格差
が含まれる)が
、これらの障害を克服し、気候やその他の緊急のエネルギー需要対処に技術
を適時拡大に、より支持的な政策と戦略を必要とし
、この技術提供する複数のアプリケーシ
ョンに合わせ設計された技術革新そのものと同じように、アプリケーションごとに異なるタ
イプの分析とポリシーを必要とする。

 Battery cell manufacturing process

【特許事例:最新全固体蓄電池技術】

以上、最新のクリーンエネルギー情報を考慮し「太陽光+蓄電池」の技術及び事業並びに市
場動向
を探り、「エネルギー革命元年論」の意味付けを行い備忘録とした。ここではそのこ
とを踏まえ、❶環境配慮製造プロセス、❷安全第一、❸高性能(①高密度、②長寿命、③高
速充電)、❹廉価、❺大規模化の要件に焦点を絞り全固体型二次電池の最新技術(日米特許)
動向を調査俯瞰する。

 Video

❑ 特開2018-063757 全固体リチウム二次電池 日立金属株式会社

リチウムイオン二次電池は、他の二次電池と比較して高いエネルギー密度をもち、二次電池
の小型軽量化、大容量化や高出力化に有利で、リチウムイオン二次電池の用途は、❶小型電
子機)に加え、❷大型電気機器(例えば、HEV(ハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)な
どの自動車用動力電源や、電力貯蔵用電源)にも拡大。
高温環境(例えば、エンジンルーム
内や屋外)での設置が検討され、高温環境に耐えられるリチウムイオン二次電池が求められ
ているが、非水電解液を用いる従来のリチウムイオン二次電池は、①一般的に非水電解液の
熱温度が60℃程度と言われている上に、②非水電解液を構成する溶媒が引火性をもち、
耐熱性や耐火性の観点で弱点がある。

この弱点の克服に、非水電解液の代わりに固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池が、
現在、精力的に研究されている。全固体リチウム二次電池は、用いられる固体電解質(例え
ば、固体高分子電解質、無機電解質)が百℃を超える耐熱温度を有し引火性もないことから
非水電解液を用いる従来のリチウムイオン二次電池よりも高温環境での利用が可能になる。

全固体リチウム二次電池は❶薄膜型と❷バルク型とに大別できるが、電池容量の観点からは
電極活物質の絶対量を多くできるバルク型が有利で、大型電気機器用の大容量二次電池を想
定した場合、バルク型の全固体リチウム二次電池が対象となる。言い換えると、バルク型の
構成であれば電池容量に余裕が取れるので、電気機器の大小(消費電力量の大小)による制
約が少なくなり、幅広く適用することが可能となる。
また、全固体リチウム二次電池は、固体電解質層が流動性を有しないことから❸固体電解質
層自体が電池セパレータの機能を兼ねることができるため(言い換えると、非水電解液リチ
ウムイオン二次電池では必要な別体の電池セパレータを配設する必要がないため)、非水電
解液リチウムイオン二次電池よりも体積エネルギー密度を高めることができるポテンシャル
がある。

一方、全固体リチウム二次電池では、高出力化のため、固体電解質自体が高いイオン伝導性
を有する必要があると共に、固体電解質層と電極層との間で電気的接合性を確保する必要が
ある。より具体的に言うと、固体電解質層と電極活物質層との間(固相/固相界面)で良好
なイオン伝導パスを構築し(イオン伝導の障害を極力低減し)、かつ電極活物質層と集電体
層との間(固相/固相界面)で良好な電子伝導パスを構築することが非常に重要である。

上記要求(特に、電気的接合性の確保)を実現するためには、電極層と固体電解質層とを積
層した電極群全体を一体焼成することが好ましい。(中略)

【特許文献1】国際公開第2012/020700号
【特許文献2】特開2015-049981号公報

特許文献1~2の技術は、それぞれ全固体リチウム二次電池に関して有用な作用効果を有す
ると思われる。ただし、特許文献1~2の技術は、いずれも電極活物質および固体電解質と
してリチウムリン酸化合物を利用するものであり、使用する材料の選択肢が制約されること
で、電池性能の向上が頭打ちになることが懸念される。

なお、特許文献1~2の技術は、その記載内容から小型電子機器用の比較的小型の二次電池
を想定していると思われ、その技術を単純に大型電気機器用の大容量二次電池へ転用するこ
とには困難があると考えられる。

一方、二次電池に対する技術的要求レベルは今後ますます高まることが予想される。すなわ
特許文献1~2を凌ぐ技術の開発は継続すべき重要な課題である。

したがって、本発明の目的は、全固体リチウム二次電池において、電極活物質や固体電解質
として使用する材料の選択肢を広げながら、電極層と固体電解質層とを積層した電極群全体
を一体焼成したとしても該電極層と該固体電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二
次電池の高出力化に貢献可能な全固体リチウム二次電池を提供することにある。(中略)


本発明によれば、全固体リチウム二次電池において、電極活物質や固体電解質として使用す
る材料の選択肢を広げながら、電極群全体を一体焼成したとしても電極群内の電極層と固体
電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二次電池の高出力化に貢献する全固体リチウ
ム二次電池を提供することができる。

【要約】

本発明に係る全固体二次電池は、集電体層と正極層と固体電解質層と負極層とが積層された
電極
群を有する全固体リチウム二次電池であって、前記電極群は、焼結接合体を形成してお
り、前記正極層は、前記集電体層に当接する第1正極層と、前記固体電解質層に当接する第
2正極層との二層構造を有し、前記第1正極層と前記第2正極層とは、互いに組成の異なる
正極活物質を含有し、前記第2正極層の前記正極活物質がリチウムニッケル図2複合酸化物
からなることを特徴とする全固体リチウム二次電池で、電極活物質や固体電解質として使用
する材料の選択肢を広げながら、電極層と固体電解質層とを積層した電極群全体を一体焼成
したとしても該電極層と該固体電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二次電池の高
出力化に貢献可能な全固体リチウム二次電池の提供。


【符号の説明】

10b…集電体層グリーン基板、10c…集電体層、 21b,25b…第1正極層グリーン基板、21c,
25c…第1正極層、 22b…第2正極層グリーン基板、22c…第2正極層、 21a…第1正極層グ
リーンシート、26a…第1正極活物質部グリーンシート、 27a…電気絶縁部グリーンシート、
26b…第1正極活物質部グリーン基板、26c…第1正極活物質部、 27b…電気絶縁部グリー
ン基板、27c…電気絶縁部、 30b,35b…負極層グリーン基板、30c,35c…負極層、 36b…
負極活物質部グリーン基板、36c…負極活物質部、 40b…固体電解質層グリーン基板、40c…
固体電解質層、 50b…バイポーラ電極グリーン基板、50c…バイポーラ電極、 61b…正モノ
ポーラ電極グリーン基板、61c…正モノポーラ電極、 65b…負モノポーラ電極グリーン基板
、65c…負モノポーラ電極、 63…正極外部端子、67…負極外部端子、 70…キャリアシート、
80…接合層、90…パッケージング材、 100b,105b…電極群グリーン基板積層体、100c,105c
…電極群焼結接合体、 100d…全固体電池構造体、100e…全固体リチウム二次電池。



※グリーンシート(生のシートという意味)とは誘電体シートのこと。

 

 【特許請求範囲】

  1. 集電体層と正極層と固体電解質層と負極層とが積層された電極群を有する全固体リチ
    ウム二次電池であって、前記電極群は、焼結接合体を形成しており、前記正極層は、
    前記集電体層に当接する第1正極層と、前記固体電解質層に当接する第2正極層との
    二層構造を有し、前記第1正極層と前記第2正極層とは、互いに組成の異なる正極活
    物質を含有し、前記第2正極層の前記正極活物質がリチウムニッケル複合酸化物から
    なることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  2. 請求項1に記載の全固体リチウム二次電池において、前記リチウムニッケル複合酸化
    物は、Li2NiMn3O8、LiNiO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、およびLiNixCoyMn1-x-yO2(0.34
    <x<0.90、0.10<y<0.33、0.44<x+y<1)から選ばれる一種であり、前記固体電
    解質層に使用される固体電解質は、ガーネット型リチウム複合酸化物からなることを
    特徴とする全固体リチウム二次電池。
  3. 請求項2に記載の全固体リチウム二次電池において、前記ガーネット型リチウム複合
    酸化物は、Li7La3Zr2O12、Li7+xLa3Zr2O12-xMx(0<x<1.2、MはN,Cl,S,Seのい
    ずれか)、Li5La3Ta2O12、Li5La3Nb2O12、およびLi6BaLa2Ta2O12から選ばれる一種で
    あることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の全固体リチウム二次電池において、前
    記電極群は、前記集電体層の一方の主面上に前記正極層が積層形成され該集電体層の
    他方の主面上に前記負極層が積層形成されたバイポーラ電極と、前記固体電解質層と
    が交互に積層されたバイポーラ積層型電極群であることを特徴とする全固体リチウム
    二次電池。
  5. 請求項4に記載の全固体リチウム二次電池において、前記バイポーラ積層型電極群を
    積層方向から見たときに、前記バイポーラ電極および前記固体電解質層はそれぞれ四
    辺形形状を有し、前記集電体層はその外縁が前記正極層および前記負極層の外縁より
    も内側になるように形成されており、 前記バイポーラ電極中の前記正極層および前
    記負極層のそれぞれは、前記集電体層に接する面において前記四辺形の所定の対辺領
    域に電気絶縁部を具備していることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  6. 請求項5に記載の全固体リチウム二次電池において、前記積層方向から見たときに、
    前記正極層の電気絶縁部は前記四辺形の一対の対辺領域に配置され、前記負極層の電
    気絶縁部は前記四辺形の他の一対の対辺領域に配置されていることを特徴とする全固
    体リチウム二次電池。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の全固体リチウム二次電池において、 前
    記集電体層は主要成分が炭素系材料および/または導電性酸化物からなり、 前記第1
    正極層の前記正極活物質がリチウム遷移金属複合酸化物からなり、 前記負極層は主要
    成分が炭素系材料、リチウム遷移金属複合酸化物および/またはリチウム遷移金属複
    合窒化物からなり、 前記固体電解質層は主要成分がリチウム複合酸化物電解質からな
    ることを特徴とする全固体リチウム二次電池。

 特開2018-063927硫化物固体電池 トヨタ自動車株式会社

 全固体電池では、電解液が用いられないことから、❶電解液を用いる二次電池と比較し、過
充電に起因する電解液の分解等が生じない。❷更に、全固体電池は、高いサイクル耐久性及
びエネルギー密度を有していることが特徴。全固体電池に用いられる固体電解質においては、
固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。硫化物固体電解質材料は、
リチウムイオン伝導性が高いため、電池の高出力化を図る上で有用。これに関して従来から
種々の研究がなされているが、硫化物固体電解質材料は、リチウムイオン伝導性が高いとい
う利点を有する反面、これが水(例えば、空気中の水分)と接触した場合には、硫化水素
発生するという問題があるが、この問題に関して、❶発電要素が収納されている外装体の内
部に、硫化水素ガスを吸収して無害化する材料を有する硫化水素無害化部が配置され、これ
が発電要素から生じた硫化水素を無害化し、これによって、外装体外への硫化水素の流出を
防止する技術が開示されている。❷また、特体電池を収容する筐体と、固体電池を冷却す
る温度調整手段を有し、筐体の内側の温度が所定値以下となるように固体電池を冷却するこ
とで、硫化水素の発生を抑制する。前者は、硫化物固体電池において、硫化水素が発生した
場合に対する対策が試みられているが、硫化水素の発生自体を抑制できない可能性がある。
また、後者は、固体電池を収容する筐体に、吸気ダクトから空気を流入させ、固体電池を冷
却している。これによれば、空気が筐体内の全体に広がると、固体電池全体が冷却されると
考えられる。しかし、固体電池においては、電池全体の温度が低下すると、電池抵抗が高く
なり、電池性能が低下する可能性がある。

【要約】

正極集電体層16、正極活物質層14、硫化物固体電解質層13、負極活物質層15、負極
集電体層17がこの順で積層されている電池素子10を有する積層電池18と;積層電池18
を積層方向から挟持して拘束している第一及び第二の拘束部材20,21とを有する硫化物
固体電池100において、第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方が冷却部22
を備え、冷却部22は、(i)第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方の面方
向の端部、(ii)第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方と積層電池18の
面方向の端部との当接部に対応する部分、又は(iii)(i)及び(ii)の両方に配置
されており、積層電池18の面方向の中心温度よりも積層電池18の面方向の端部温度が低
くなるように冷却す硫化物固体電池100。


【符号の説明】
1 断面線 2 積層電池の面方向の端部 4 積層電池の面方向の中央部 6 拘束部材と積層
電池の面方向の端部との当接部に対応する部分 10 電池素子 11 正極層 12 負極層  
13 固体電解質層 14 正極活物質層 15 負極活物質層 16 正極集電体層 17 負極
集電体層 18 積層電池 20 第一の拘束部材 21 第二の拘束部材 22 冷却部 30
ボルト 100 硫化物固体電池


【その他の関連特許】

 



● 営農型太陽光」「地域新電力」推進を明記 環境基本計画改訂

4月17日環境省は、「第5次環境基本計画」を閣議決定したと発表した。6つの重点戦略の
最初に「グリーンな経済システムの構築」を挙げ、「再生可能エネルギーの最大限の導入」
を掲げた。具体策として、水素や地域バイオマスの利用、営農型太陽光の推進を明記した。
環境基本計画は、環境基本法に基づき、環境保全に関する長期的な施策を定めるもので、中
央環境審議会の答申を受け、約6年ごとに見直している。今回の見直しは、国連でパリ協定
が採択された後に初めて策定される計画となった。そのため、「21世紀後半に温室効果ガス
排出を実質ゼロ」と明記した同協定の挑戦的な目標を意識し、「新たな文明社会を目指し、
パラダイムシフトが必要」との方向性を打ち出した。
 

再エネに関しては、温暖化対策の柱としつつ、「エネルギー自給率の向上」「地域経済の活
性化」の効用を重視した。その具体策として、「営農型太陽光(ソーラーシェアリング)」
「地域新電力」「地域の未利用バイオマス資源」「廃棄物系バイオマス」の活用・推進など
を盛り込んだ。
また、太陽光・風力を大量導入する上で課題になっている「電力系統への負
荷」に関して多くの記述を割き、「送電網の広域利用」「需要側の調整(デマンドレスポン
ス)」「蓄電池の導入」「水素としての貯蔵」などの有効性を示しつつ、「電力系統に依存
しない自立分散型の再エネの導入を進める」との方向性も挙げている

 ● 今夜の一曲

ピアノソナタ第14番 ハ短調 K. 457

1784年にウィーンで作曲された(モーツァルト自作の作品目録では、同年10月14日に完成し
たと書かれている)。翌1785年に「幻想曲 ハ短調 K. 475(英語版)」と共に「ピアノフォ
ルテのための幻想曲とソナタ」作品11としてアルタリアから出版された。短調であるが故に、
その後のピアノソナタの新地平を切り開いたこのモーツァルトの記念碑的な2曲のピアノソ
ナタは、モーツァルトの楽譜の写譜をしていたフォン・トラットナーの妻でモーツァルトの
ピアノの弟子でもあったテレーゼ・トラットナー夫人に献呈された。



アナスタシア・リジコフ (Anastasia Rizikov)はカナダのクラシック音楽のピアニスト。1998
年12月8日生まれ。ロシア系移民としてトロントで生まれる。5歳からピアノを始めたが急激
な上達を見せ、13歳でラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏するなど、カナダの天才少女
として騒がれた。 Sergei Babayan, Arie Vardi, Robert Levin, Ferenc Rados, Anatoly Ryabov, Oxana
Yablonskaya
ほかのマスタークラスを受講しているが、彼女の名を決定的にしたのは28歳まで
のカテゴリーのコンクールを12歳で優勝したことである。その後も次々と国際コンクールの
最年少記録を更新したものの、BNDES、グリーグ、ヴィオッティ(その年の最年少出場)では
本選に進めず、2017年のマリア・カナルス国際ピアノコンクールでは第3位に終わったという。

 

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みずにもやはき足裏はある

2018年04月20日 | ネオコンバーテック

      
                                     

10 地  形

まず「地形」から説きおこしてはいるか、この篇名に、さしたる意味はない。後半は、敗北
の原因、将の責任と役割にふれている。

味方・敵・地の利
将たる者にとって、部下は赤ん坊と変わらない。そうあってこそ、部下は深い谷底であろう
と一緒におりて行こうという気持をおこすのである。将たる者にとって、部下は愛児と変わ
らない。そうあってこそ、部下は生死をともにしようという気持になるのである。しかしな
がら、部下を厚遇するだけで思いどおり使えず、可愛がるだけで命令できず、乱れていて

治めることができないならば、親が子供を甘やかしすぎるようなもので、戦争の役には立だなくな部
下を統率し、その力を把握することは、敵の力を知ることと同様、勝利の大きな要因である。部下の
実力を十分知っていても、敵のあなどりがたい力を認識していなければ、勝敗の確率は五分と五分
である。 敵の力は破り得るという自信があっても、わが部下の実力を十分に認識していな
い場合も
同様である。さらに、敵の力は破り得るという自信があり、わが部下の勝つべき実
力を認識していた
としても地の利か悪いということを知らないならば、これもまた勝敗の確
率は五分と五分である

戦上手は、敵、味方、地形、この三つを完全に掌握しているから、一度行動を開始すれば迷
うことな
く、ことがおこっても決してたじろがない。敵味方、双方の力量を正しく量り、天
の時と地の利とを得て戦う者は、常に不敗である。

この一節の前半は、前節からの脈絡がない。おそらく後世、混入したものであろうが、こ
 れは
これとして「将と部下」という意味で示唆にとんでいる。

 Wikipedia

【下の句トレッキング:みずにもやはき足裏はある】

ストローをためらひがちにのぼりくるみずにもやはき足裏はある  柳澤美晴

                                                    (『おやすみ、メアリー・スー』より)


 主に二次創作で、もとの作品にはいないオリジナルキャラクターであるにも関わらず「優秀」
「特
別」が行きすぎたキャラクターのことを「メアリー・スー」と呼ぶ。(作者の自己陶酔)Mary
Sue
メアリー・スー)とは、理想化されたオリジナルキャラクターを揶揄する語。

    
【黒の革命篇:最新高品位長尺グラフェンの連続製造プロセス技術】

4月17日、マサチューセッツ工科大学の研究グループは、高品位長尺グラフェン機能膜の
連続製
造プロセスの開発したことを公表。この開発により、塩、より大きなイオン、タンパ
ク質
またはナノ粒子を含む様々な分子などの濾過膜――グラフェンをシームレスにし、基板
を完
全に覆い、高品位膜用途向――として脱塩、生物学的分離などに使用できる。

● 成長するグラフェン
グラフェンは理想的なろ過膜で、1枚のグラフェンは原子的に細い鶏籠網状の炭素原子がパ
ターン
結合材料は非常に丈夫で、最小の原子のヘリウムも浸透できない。グラフェン膜を製
作し、所望の分子をろ過するサイズに調整する小さな穴/ナノ細孔制御技
術開発――化学気
相堆積法では、最初に銅ホイルのサンプルを加熱し、炭素と他のガスの組み合わせを堆積さ
せ、
グラフェン膜はバッチ方式で製造されているが、商用向けの製造方式にするには技術的
な課題を抱える。

薄膜の連続処理には工業的アプローチのロールツーロール方式と化学蒸着製造技術を組み合
わせ、高品位グラフェンを大量/高速製造する必要がある。このシステムは、小さな炉を通
過するコンベアベルトに接続された2つのスプールで構成。❶まず第1のスプールでは、幅
が1センチメートル未満の長尺銅箔ストリップを広げ、炉に入る段階で、ホイルは最初の1
本のチューブに送られ、次にスプリットゾーン・チューブに送られる。
ホイルが第1のチュ
ーブを所定組成のメタンおよび水素ガス雰囲気の加熱処理することで、
グラフェンは小さな島
状に形成開始しやがて一様となり連続シートを形成、オーブンの外に出るまでに、グラフェンは、ピ
ザの連続的なベッド状でホイルを完全被覆した状態される。❷次に、このグラフェンが炉を出ると
グラフェンは第2のスプールで連続的供給、毎分5センチメートル速度で高品位グラフェン
を製造(最長運転の約4時間で、最長約10メートルのグラフェン)。同研究グループは、
わたし(たち)が「作り込み」という作業を繰り返すことで好適制御条件を見出している。


Posted: Apr 18, 2018

● フレキシブルで工業的製造設計
次に、グラフェンをロールツーロール法で中間製品をハーバード大学で開発された方法でポ
リマーメッシュまたは支持体をエッチングし銅を除去する。
また、メタンと水素ガスの成分
比率を変え、プロセス処理速度と相関を求め、
電子アプリケーションから膜アプリケーショ
ンまで、グラフェンの
調整操作に関して大きな柔軟性を見つける。今後、ロールツーロール
方式で、ポリマー鋳造や現在手作業で行われている工程を含め製造
方法を確立する予定で、
エンドツーエンドプロセスとして、より多くのオペレーションを製造ラインに統合する必要
があり、
グラフェン膜技術の信頼と関心が高まれば商品化できると期待を寄せている。



❑ A Scalable Route to Nanoporous Large-Area Atomically Thin Graphene
Membranes by Roll-to-Roll Chemical Vapor Deposition and Polymer Support
Casting

ACS Appl. Mater. Interfaces, 2018, 10 (12), pp 10369–10378 DOI: 10.1021/acsami.8b00846
Publication Date (Web): March 19, 2018

【要約】

グラフェンのスケーラブルで費用対効果の高い合成と統合は、ナノ多孔質原子状薄膜(NAT
M)などの大面積アプリケーションを実現する上で不可欠です。
ここでは、ロールツーロー
ル化学蒸着(CVD)による大面積グラフェンの高速連続連続合成と、階層的に多孔性のポリ
マー支持体の鋳造とを組み合わせた、NATMの製造へのスケーラブルな経路を報告する。

ず2つのゾーンのロールツーロールグラフェンCVDリアクタを設計し構築した。グラフェン
CVDリアクタは、可動フォイル基板をアニーリングおよび成長雰囲気に順次露出させ、ゾー
ン間の鋭い等温遷移を行います。
反応器設計の構成上の柔軟性により、グラフェンの品質に
影響を与える重要なパラメータの詳細な評価と、高速のロールツーロールグラフェン製造で
考慮すべきトレードオフが可能になります。
このシステムでは、5cm / min以上の速度で均一
な高品質単層グラフェン(ID / IG <0.065)を合成します。
最適化されたグラフェンから製造
されたNATMは、ポリマー鋳造および後処理を経て、従来合成されたグラフェンから製造され
た膜と同等の性能を有するサイズ選択的分子輸送を示す。
したがって、この研究は、タンパ
ク質脱塩および小分子分離を含む用途のための、NATMのスケーラブルな製造プロセスの実
行可能性を確立する。



❑ High-speed roll-to-roll manufacturing of graphene  using a concentric tube
CVD reactor
Scientific Reports volume 5, Article number: 10257 (2015) doi:10.1038/srep10257

【要約】
ロールツーロール化学気相成長のための同心管(CT)反応器の設計を提示する(CVD)によ
るフレキシブル基板への適用、および銅上のグラフェンの連続生産への応用ホイル。CTCVD
反応器では、薄い箔基材を内管の周りに螺旋状に巻き付け、同心管の間の隙間を通って平行
移動する。ベンチスケールのプロトタイプマシンを使用します銅基板上のグラフェンを25mm
/分~500mm / minとし、プロセスパラメータが均一性とカバレッジに及ぼす影響を調べる連
続的に動くフォイル上のグラフェン低速では、高品質の単層グラフェンは形成された;高速で
は、小さなグラフェンドメインの急速な核形成が観察されるが、凝集CTCVDシステにおけ
る限られた滞留時間によって防止される。我々は、平滑な等温還元雰囲気と炭素含有雰囲気
との間の移行は、高品質のロール・トゥ・ロール・グラフェンに不可欠であるCVD。フォイ
ル品質と微細構造がグラフェンの均一性をどのように制限するかについて議論する巨視的な
次元。CTCVDのスケーリングと再構成の手段2次元材料製造の一般的な要件に基づく設計。



さて、どの程度の膜強度があるのかわからないが、まずは、半導体製造で使用する超純水製
造装置の機能膜に
応用し、ゼロウェスト、省エネ、コスト削減ための研究をスタートさせた
たいね。


【関連資料及び特許事例】

----------------------------------------------------------------------------------
❑ US 9394174 B2 Alkyne-assisted nanostructure growth

【要約】
ナノチューブを含むナノ構造体の形成および処理に関する。いくつかの実施形態は、比較
穏やかな条件(例えば、低温)を使用してナノ構造成長のためのプロセスを提供する。場合
によっては、本発明の方法は、ナノ構造形成の効率(例えば、触媒効率)を改善し、揮発性
有機化合物および/または多環芳香族炭化水素を含むナノ構造形成中の望ましくない副生成
物の生成を低減することができる。そのような方法は、ナノ構造形成に関連するコストを低
減するとともに、環境および公衆衛生および安全性に対するナノ構造製造の有害な影響を低
することができる。


   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   


終 章 TPPも雇用法も、世間でいわれていることはウソだらけ」
第1節 自由貿易は戦争を「抑止」するものであり、止めるべきではない

これまで、戦後から平成までの日本経済の歩みについて、何か「間違った常識」で、何か「
物事を正しく見る眼」なのか、経済理論とデータ検証をベースとしつつ解き明か
してきまし
た。
本書の最後に、現在も様々に取り沙汰されている2つの経済的事象について、経済史
視点も交えながら考えてみたいと思います。テーマは「自由貿易」と「雇用問題」に
ついて
です。

最初に、「自由貿易」について見ていきましょう,
私がときに不思議に思うのは、我が国でよく「自由貿易」に対する反対意見が声高に叫ばれ
ることです。最近のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)反対の議論の中に
も、ずいぷん
と理解に苦しむ論調を見かけました。

もちろん、「自由貿易」で自分たちの利益・権益が侵されるおそれを感じている人々は反対
するのでしょう。また、「プラザ合意はアメリカの仕組んだ罠だ」などというこ
とを真面目
に信じている人も、そういう陣営に与するかもしれません。どの国にも自由
化反対論者はた
くさんいて、グローバリズムに対する根強い反対意見はあります。
しかし、そういう人たち
は、自由貿易の歴史的背景や理論に触れたことがあるので
しょうか。ことに日本人は、戦後、
自由貿易の恩恵を大いに享受してきています。そ
の日本人の1人として、歴史や理論を知っ
たうえで本当に「自由化反対」などといえる
のか、どうにも不可思議に思えるのです。

歴史的に振り返って見ると、自由貿易が推進された理由は、戦争の抑止と密接に関連してい
ます。1929
年の世界恐慌以降、世界経済はブロック化の方向に進みました。ブロックの
権益を守るため、ブロック問で摩擦や対立が起こりました。また、高い関税や資源の輸出制
限が掛けられ、それが第二次世界大戦につながった要因の1つと考えられていま
す。資源を
持たざる国である日本は、このような経済状況に大いに苦しみました。
戦争の反省をもとに、
世界の国々は貿易自由化を進めることになりました。戦後の貿
易自由化は、経済目的で始ま
ったものというより、戦争を防ぐために始まったものなの
です。そして実際に、2国間の貿
易が進み、相互依存が強くなるほど戦争の確率は低下
してきたように考えられます。
私は「国際平和五角形(ペンタゴン)」と呼んでいるのですが、戦争を防ぐ国際平和の5要
件というものが示されています。

(1)同盟関係を持つこと
(2)相対的な軍事力
(3)民主主義の程度
(4)経済的依存関係
(5)国際的組織加入

これらの5要件はいずれも戦争を起こすリスクと関係があります。この中の(4)に、経済
的依存関係という要件が含まれています。私は国際政治研究のためにプリンストン大学に留
学していたときに、「民主主義国家同士は、稀にしか戦争しない」という民主的平和諭の権
威であるマイケル・ドイル教授(現コロンビア大学)から、次のような本があることを教え
てもらいました。ブルース・ラセット教授(エール大学)とジョン・オニール教授(アラバ
マ大学)によって2001年に出版された "Triangulating Peace”という本です。同書の中で
国際平和の5要件と戦争リスクの減少の関係が示されています。

                                 リスク
(1)きちんとした同盟関係を結ぶこと               40%減
(2)相対的な軍事力が一定割合(標準偏差分、以下同)増すこと   36%減  
(3)民主主義の程度が一定割合増すこと                       43%減  
(4)経済的依存関係が一定割合増加すること                      33%減
(5)国際的組織加入が一定割合増加すること                      24%減

貿易を進めることは(4)に該当します。経済的依存関係が増えると戦争リスクが43%減少
するというのです。このようなことを知れば、どんなに反対意見が強くても、貿易自由化は
止めるべきではないことが、よくわかります。自由化は戦争を抑止する方向に働くからです。

関税率を下げるとWin-Winになるのが経済学の常識 また、2国間の自由貿易が増えると、
両国に利益をもたらし、Win-Winの関係になる、ということは、経済学の中でも最も確度
の高い命題でもあります。摩擦が生じることはありますが、全体として見ればWin-Winで
すから、経済学者で自由貿易に反対している人はいません。
もちろん、Winの大きさは追います。日米貿易でアメリカのWinのほうが大きくて、日本の
Winのほうが小さいケースも、その逆も出てきます。しかし、日本がマイナスになることは
ありません。両者がWinになるというのは、自由貿易の定理のようなものです。
TPP交渉は関税率引き下げの交渉ですが、関税率を下げるとどうしてメリットがあるのか
は、経済学の理論を知ると理解しやすくなります。
まず、関税がかかっていないシンプルなケースを考えてみます。
図6を見て下さい。横軸のQは数量、縦軸のPは価格で、Dは需要曲線、Sは供給曲線です。


価格が下がるほど買いたい人が増えますので、需要の数量は増えていきます,需要曲線Dは
右府下がりになります。反対に、価格が上がるほど売りたい人が増えますので、
供給量は増
加します。供給曲線Sは、右府上がりとなります。SとDの両者が交わった
点が、取引され
る価格です。
仮にこの価格をCとします,消費者の中には、Cより高い価格でも買ってもい
いと
思っている人もいます,そういう人は、Cの価格で買うことができると「得」をします。
これを「消費者余剰」といいます。図でいうと、三角形A・C・Fが消費者余剰に
なります。
次に供給者のことを考えてみます。供給者の中には、価格Cよりも安い値段でも売ってもい
いと思っている人もいます。そういう供給者にとっては、価格Cで売ることがで
きれば「得」
をします。これを「供給者余剰」と呼びます。図では、三角形C・E・F
が供給者余剰です。
 消費者余剰(三角形A・C・F)と、供給者余剰(三角形C・E・F)を足した部分が、
この取引をすることによるトータルの利得です。では、関税をかけるとどう変わるのか(図
7)。図の供給曲線がSからS’の位置に移勤します。関税分だけ値段が上昇しているとい
うことです。


関税がかかったケースでは、消費者余剰と供給者余剰が変化します。消費者余剰は三角形A・
B・G、供給者余剰は三角形B・D・Gです。その下の平行四辺形D・E・
H・Gの部分が
関税です。関税は国の取り分です。
この取引によるトータルの利得は、三角形A・B・G(
消費者余剰)、三角形B・
D・G(供給者余剰)、平行四辺形D・E・H・G(税金)の合
計です。
さて、関税がかかつていないケースと、関税がかかっているケースのトータルの利
得の面積を比べてみて下さい。両者を比較すると、関税がかかっているケースでは、三角形
G・H・Fの部分だけ面
積が小さくなっていることがわかります。この部分を「デッドウェ
イトロス」といいます。国全体のトータルではロスが出ると
いうことです。「デッドウェイ
トロス」の部分はどうしても取り戻すことができませ
ん。関税を課すことによって絶対にカ
バーできないロスが生じるのです。
関税を引き下げれば、デッドウェイトロスの分を取り戻
せます。誰の利益になるかは
わかりませんが、全体では利益が増えます。マクロで見ると関
税引き下げが必ず得をするというのは、この理論が根拠になってい
ます。関税を引き下げれ
ば、得をする人もいますし、損をする人もいます。農業従事者に
とっては大きな損失が出る
かもしれません。しかし、国全体で見ると、関税引き下げは
デッドウェイトロスがなくなる
分だけ必ず得をするのです。


個々の利害関係者が集まって「私は得をする」「私は損をする」という議論を繰り返
してい
ても、実りのある結論にはなりません。国全体のトータルで取り分を大きくしま
しょう、と
いうのが関税を引き下げていく自由貿易の考え方です。
あとは、関税引き下げによって利益
を失ったり、失業したりする人に対して、どう手
当てをするかです,全体のパイが増えるわ
けですから、消費者と供給者の両方から少し
ずつ税金をとって、困っている人に分配する方
法もあります。
TPPについていえば、内閣立居は、政府統一試算としてマクロ経済効果を
3・2兆
円としています。おそらく内開府は「デッドウェイトロス」の計算をしているのだ
と思
います。そうでなければ、数値など出すことはできません。関税をかけることによって
発生するデッドウェイトロスがなくなることが、TPPのマクロ経済効果です。自由貿易の
公理のようなものですから、どんな反対論者でも、この理論を論破するこ
とは無理です。


如何なる自由貿易あるいは自由貿易主義なのかと突きつめれば、わたし(たち)はこのブロ
グでも掲載しているように「歴史的自由貿易主義」の立場にあり、「自由貿易」とは「共同
間の相互協議貿易のことをさし、高橋の主張するような数式(公式)主義(=観念主義
ではないことを、また、現実的には覇権的な軍事的/財政的な力(=バイアス/不公正)が
伴なうこともここでは、まず表明しておき読み進めていこう。

                                  この項つづく

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