極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 69

2024年12月06日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-


【季語と短歌:12月6日】

         北風や西日籠れるタイプ音   

                 高山 宇 (赤鬼)

【今日の短歌研究:異常気象】

四年経て奥入瀬川戻りくる九万匹が鮭一匹の日





✳️ ペロブスカイトPV庭園灯が東京都事業に採択
12月4日株式会社リコーは、ペロブスカイト太陽電池を搭載した庭園灯の
実証事業が、このたび東京都の「令和6年度 次世代型ソーラーセル社会実
装推進事業」に採択。
都の事業は「薄く、軽く、曲がる」という特徴を持
った日本生まれの太陽電池である「次世代型ソーラーセル(ペロブスカイ
トと呼ばれる結晶構造を用いた太陽電池)」の実用化に向け、開発事業者
に対し実証費用の一部が補助されるもの。
リコーは、複合機の開発で培っ
た有機感光体の技術を応用し、低照度の室内光でも発電する固体型色素増
感太陽電池「RICOH EH DSSCシリーズ」を2020年に世界で初めて販売し
た。また、この研究開発で培った技術を用いて、ペロブスカイト太陽電池
の開発を進めている。


今回採択された事業では、照度の低いエリアや垂直設置でも発電効率が高
いという特徴を持つペロブスカイト太陽電池を搭載した庭園灯を、都内に
30本程度設置する予定
屋外設置の庭園灯の電源としてペロブスカイト
陽電池の発電量や耐久性を検証します。さらに、インクジェット技術で
作製したペロブスカイト太陽電池も本実証事業内で検証を予定。この技術
により高生産性・低コストの実現が可能になると考えている。今回の
実証
事業を通じて、ペロブスイト太陽電池の早期事業化を目指す



図2 光操作によって脳内のcGMPを増加させることに成功
✳️ 光で脳内cGMPシグナルを操作する新技術の開発
局所的なcGMP量操作で記憶力の増強を実現 
12月4日 、富山大学学術研究部医学系の高雄啓三教授は、カナダ・トロ
ント大学医学部、マウントサ
イナイ病院(トロント)ルネンフェルド・タ
ネンバウム生物医学研究所、TANZ神経変性疾
患研究センターとの共同研
究により、青色光を照射するとcGMPを生成する光感受性cGMP
産生酵素
BlgC (Blue Light activation of BLUF(*5) coupled to Granule Cyclase) を
脳内でよ
り効率的に働くようにした(図1)。この酵素の遺伝子配列をア
デノ随伴ウイルスベク
ターに組み込み、マウスの海馬歯状回という脳の領
域に感染させることで、その部位の
神経細胞だけに BlgC を発現させ、さ
らにその部位に光ファイバーを通じて青色光を照射
することで局所的に、
時間と空間を限定して cGMP を増やすことに成功した(図2)。


青色光を照射するとcGMP を産生するBlgC。微生物の光センサータンパク
質部位である
BLUF が酵素活性部位GCに結合することで、通常時は活性を
持たない構造となっていま
すが(図1左側)、青色光が照射されると構造
が変化して酵素活性が回復し、GTP から
cGMPを生成することが可能とな
る(図1右側)。光照射をやめると活性が無くなり、
光によって可逆的に
活性を調整することができる。この手法により、マウスの海馬歯状回で
cGMP を増やしたマウスの脳を解析したところ、神経伝達が促進され、ま
た長期増強 (LTP: Long-termpotentiation)という現象がより強く起こるよ
うになっており、記憶や学習の基盤となると考えられる神経可塑性も促進
されていることが分かった。(図3)。さらに個体レベルで行動を解析した
ところ、cGMP 増やしたマウスではコントロール群に比べて社会性行動が
増加しており、空間記憶学習の課題では成績が向上した(図4)。


図3 光操作による長期増強の促進 
光操作により、海馬歯状回にcGMPを増加させると、長期増強とよばれる
現象がより強く起こるようになり、神経可塑性が促進された。
【展望】
統合失調症やアルツハイマー病のように認知機能障害を伴う病気、加齢に
よって cGMPが減少していることが知られており、様々な方法でcGMPを
増やす試みがなされている。
【論文詳細】 
論文名: Optogenetic elevation of postsynaptic cGMP in the hippocampal
dentate gyrus enhances LTP and modifies mouse behaviors 
掲載誌: Frontiers in Molecular Neuroscience 
DOI:10.3389/fnmol.2024.1479360


TSV/RDLの受託開発、製造、実装サービスの概要。TSV/RDLを開発、
造し、チップレットを実装するところまで一気通貫で提供

✳️TSV/RDL受託開発で「次のNVIDIA」登場を加速 コネクテックジ
ャパン
      量産なしでも受託可能

12月05日 、半導体やセンサー、MEMSなどの実装受託開発サービスを手掛
けるコネクテックジャパンは、TSV(貫通ビア)/RDL(再配線層)の受
託開発と製造、実装を一気通貫で行うサービスを2025年4月に開始する。
チップレット集積に欠かせないTSVとRDLの開発/製造サービスを提供す
ることで、AI(人工知能)用をはじめとする高性能半導体デバイスの開発
を加速することが狙い。


2.5D(次元)/3Dチップレットモジュールの受託開発例

⬛ チップレット集積の2つの課題
半導体の高性能化、高機能化の手段として注目されるチップレット集積だ
が、課題もある。一つは熱や応力に対する脆弱性だ。化合物半導体のチッ
プレットをシリコンインターポーザーに実装する際などに、硬度や熱膨張
係数のミスマッチを解消する必要がある。コネクテックジャパンは、半導
体を80℃の低温で実装する独自技術「MONSTER PAC」を用いて、この課
題を解決できる。
もう一つの課題がTSV/RDLの微細化だ。チップレットの実装には、チップ
レット間を接続するTSVとRDLが欠かせない。だが、「この分野では、ここ
十数年ほど技術進化がやや止まっている。微細化、薄膜化、多層化などに
おいて足踏み状態が続いている」と指摘する。
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【関連特許最新技術】
1.特開2024-165246 表示装置及び表示装置の製造方法 株式会社ジャパン
ディスプレイ⓶

【要約】
下図9のごとく、一実施形態によれば、表示装置は、基板と、前記基板の上
方において、画像を表示する表示領域及び前記表示領域よりも外側の周辺
領域に亘って配置された有機絶縁層と、前記表示領域において、前記有機
絶縁層の上に配置された下電極と、前記下電極の上に配置され、発光層を
含む有機層と、前記有機層の上に配置された上電極と、前記周辺領域に配
置され、第1下部と、前記第1下部の上に配置され前記第1下部の側面か
ら突出した第1上部と、を有する第1隔壁と、前記周辺領域に配置され、
前記有機絶縁層の開口に重なる金属層と、を備え、前記第1隔壁は、前記
開口に配置されてことで、信頼性の低下を抑制する。


図9. 周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域の他の構成例を
示す平面図
【符号の説明】
  DSP…表示装置  10…基板   5…無機絶縁層  AP1、AP2、AP3…
開口   6…隔壁  61…下部  62…上部   7…隔壁  71…下部  72…上部
  SP1、SP2、SP3…副画素  201、202、203…表示素子(
機EL
素子)  LE1、LE2、LE3…下電極  UE1、UE2、UE3…
上電極  OR1、OR2、OR3…有機層  DA…表示領域  SA…周辺領域
  100…表示装置用マザー基板  PP…パネル部  MP…余白部  PD…パッ
ド  MT…金属層  IL…有機絶縁層  12…絶縁層  114…絶縁層

【発明を実施するための形態】
【0009】一実施形態について図面を参照しながら説明する。  
  開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての
適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範
に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実
際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場
合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではな
い。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同
一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重
複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互
いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1
方向Xと称し、Y軸に沿った方向を第2方向Yと称し、Z軸に沿った方向
を第3方向Zと称する。第3方向Zと平行に各種要素を見ることを平面視
という。
【0011】本実施形態に係る表示装置は、表示素子として有機発光ダイ
オード(OLED)を備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置であ
り、テレビ、パーソナルコンピュータ、車載機器、タブレット端末、スマ
ートフォン、携帯電話端末等に搭載され得る。
【0012】図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。
【0013】表示装置DSPは、絶縁性の基板10の上に、画像を表示す
る表示領域DAと、表示領域DAよりも外側の周辺領域SAと、を有する
表示パネルPNLを備えている。基板10は、ガラスであってもよいし、
可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0014】本実施形態においては、平面視における基板10の形状が長
方形である。ただし、基板10の平面視における形状は長方形に限らず、
正方形、円形あるいは楕円形などの他の形状であってもよい。【0015】
 表示領域DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された
複数の画素PXを備えている。画素PXは、複数の副画素SPを含む。一
例では、画素PXは、第1色の副画素SP1、第2色の副画素SP2、及
び、第3色の副画素SP3を含む。第1色、第2色、及び、第3色は、互
いに異なる色である。なお、画素PXは、副画素SP1、SP2、SP3
とともに、あるいは副画素SP1、SP2、SP3のいずれかに代えて、
白色などの他の色の副画素SPを含んでもよい。
【0016】副画素SPは、画素回路1と、画素回路1によって駆動され
る表示素子20と、を備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆
動トランジスタ3と、キャパシタ4と、を備えている。画素スイッチ2及
び駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタにより構成されたスイ
ッチング素子である。
【0017】画素スイッチ2のゲート電極は、走査線GLに接続されてい
る。画素スイッチ2のソース電極及びドレイン電極の一方は信号線SLに
接続され、他方は駆動トランジスタ3のゲート電極及びキャパシタ4に接
続されている。駆動トランジスタ3において、ソース電極及びドレイン電
極の一方は電源線PL及びキャパシタ4に接続され、他方は表示素子20
のアノードに接続されている。
【0018】なお、画素回路1の構成は図示した例に限らない。例えば、
画素回路1は、より多くの薄膜トランジスタ及びキャパシタを備えてもよ
い。
【0019】表示素子20は、発光素子としての有機発光ダイオード(O
LED)であり、有機EL素子と称する場合がある。【0020】
  周辺領域SAは、ICチップやフレキシブルプリント回路基板を接続する
ための複数の端子TEを有している。複数の端子TEは、一方向に並んで
いる。図示した例では、複数の端子TEは、第1方向Xに沿って並んでい
る。また、図示した例では、周辺領域SAは、検査等に用いられるパッド
PDを有している。なお、表示パネルPNLにおいて、パッドPDは、省
略されてもよい。【0021】図2は、副画素SP1、SP2、SP3の
レイアウトの一例を示す図である。
【0022】図2の例においては、副画素SP2及び副画素SP3が第2
方向Yに並んでいる。副画素SP1及び副画素SP2が第1方向Xに並び、
副画素SP1及び副画素SP3が第1方向Xに並んでいる。
【0023】副画素SP1、SP2、SP3がこのようなレイアウトであ
る場合、表示領域DAには、副画素SP2及び副画素SP3が第2方向Yに
交互に配置された列と、複数の副画素SP1が第2方向Yに配置された列
とが形成される。これらの列は、第1方向Xに交互に並ぶ。
【0024】なお、副画素SP1、SP2、SP3のレイアウトは図2の
例に限られない。他の一例として、各画素PXにおける副画素SP1、S
P2、SP3が第1方向Xに順に並んでいてもよい。
【0025】表示領域DAには、無機絶縁層5及び隔壁6が配置されてい
る。無機絶縁層5は、副画素SP1、SP2、SP3においてそれぞれ開
口AP1、AP2、AP3を有している。これらの開口AP1、AP2、
AP3を有する無機絶縁層5は、リブと称する場合がある。  隔壁6は、平
面視において無機絶縁層5と重なっている。隔壁6は、開口AP1、AP
2、AP3を囲む格子状に形成されている。隔壁6は、無機絶縁層5と同
様に副画素SP1、SP2、SP3において開口を有するということもで
きる。
【0026】副画素SP1、SP2、SP3は、表示素子20として、そ
れぞれ表示素子201、202、203を備えている。【0027】
  副画素SP1の表示素子201は、開口AP1とそれぞれ重なる下電極L
E1、上電極UE1、及び、有機層OR1を備えている。下電極LE1
の周縁部は、無機絶縁層5で覆われている。下電極LE1、有機層OR1、
及び、上電極UE1を備える表示素子201は、平面視において隔壁6で
囲まれている。有機層OR1及び上電極UE1のそれぞれの周縁部は、平
面視において無機絶縁層5に重なっている。有機層OR1は、例えば青波
長域の光を放つ発光層を含む。
【0028】副画素SP2の表示素子202は、開口AP2とそれぞれ重
なる下電極LE2、上電極UE2、及び、有機層OR2を備えている。下
電極LE2の周縁部は、無機絶縁層5で覆われている。下電極LE2、有
機層OR2、及び、上電極UE2を備える表示素子202は、平面視にお
いて隔壁6で囲まれている。有機層OR2及び上電極UE2のそれぞれの
周縁部は、平面視において無機絶縁層5に重なっている。有機層OR2は
、例えば緑波長域の光を放つ発光層を含む。
【0029】副画素SP3の表示素子203は、開口AP3とそれぞれ重
なる下電極LE3、上電極UE3、及び、有機層OR3を備えている。下
電極LE3の周縁部は、無機絶縁層5で覆われている。下電極LE3、有
機層OR3、及び、上電極UE3を備える表示素子203は、平面視にお
いて隔壁6で囲まれている。有機層OR3及び上電極UE3のそれぞれの
周縁部は、平面視において無機絶縁層5に重なっている。有機層OR3は、
例えば赤波長域の光を放つ発光層を含む。
【0030】図2の例においては、下電極LE1、LE2、LE3の外形
は点線で示し、有機層OR1、OR2、OR3、及び、上電極UE1、U
E2、UE3の外形は一点鎖線で示している。なお、図示した下電極、有
機層、上電極のそれぞれの外形は、正確な形状を反映したものとは限らない。
【0031】下電極LE1、LE2、LE3は、例えば、表示素子のアノ
ードに相当する。上電極UE1、UE2、UE3は、表示素子のカソード、
あるいは、共通電極に相当する。
【0032】下電極LE1は、コンタクトホールCH1を通じて副画素S
P1の画素回路1(図1参照)に接続されている。下電極LE2は、コン
タクトホールCH2を通じて副画素SP2の画素回路1に接続されている。
下電極LE3は、コンタクトホールCH3を通じて副画素SP3の画素回
路1に接続されている。
【0033】図2の例においては、開口AP1の面積、開口AP2の面積、
及び、開口AP3の面積は、互いに異なる。開口AP1の面積が開口AP
2の面積よりも大きく、開口AP2の面積が開口AP3の面積よりも大き
い。換言すると、開口AP1から露出した下電極LE1の面積は開口AP
2から露出した下電極LE2の面積よりも大きく、開口AP2から露出し
た下電極LE2の面積は開口AP3から露出した下電極LE3の面積より
も大きい。
【0034】図3は、図2中のA-B線に沿う表示装置DSPの概略的な
断面図である。
【0035】回路層11は、基板10の上に配置されている。回路層11
は、図1に示した画素回路1などの各種回路と、走査線GL、信号線SL
、電源線PLなどの各種配線と、を含む。回路層11は、絶縁層12に
より覆われている。絶縁層12は、回路層11により生じる凹凸を平坦化
する有機絶縁層である。
【0036】下電極LE1、LE2、LE3は、絶縁層12の上に配置され、
互いに離間している。無機絶縁層5は、絶縁層12及び下電極LE1、LE2、
LE3の上に配置されている。無機絶縁層5の開口AP1は下電極LE1に
重なり、開口AP2は下電極LE2に重なり、開口AP3は下電極LE3
に重なっている。下電極LE1、LE2、LE3の周縁部は、無機絶縁層
5で覆われている。下電極LE1、LE2、LE3のうち、互いに隣接す
る下電極の間では、絶縁層12が無機絶縁層5により覆われている。下電
極LE1、LE2、LE3は、絶縁層12に設けられたコンタクトホール
を通じて副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれの画素回路1に接続さ
れている。なお、絶縁層12のコンタクトホールは、図3では省略するが、
図2のCH1、CH2、CH3に相当する。
【0037】隔壁6は、無機絶縁層5の上に配置された導電性を有する下
部(茎)61と、下部61の上に配置された上部(笠)62と、を含む。
図の右側に示した隔壁6の下部61は、開口AP1と開口AP2との間に
位置している。図の左側に示した隔壁6の下部61は、開口AP2と開口
AP3との間に位置している。上部62は、下部61よりも大きい幅を有
している。上部62の両端部は、下部61の側面よりも突出している。こ
のような隔壁6の形状は、オーバーハング状と呼ばれる。
【0038】有機層OR1は、開口AP1を通じて下電極LE1に接触し、
開口AP1から露出した下電極LE1を覆うとともに、その周縁部が無機
絶縁層5の上に位置している。上電極UE1は、有機層OR1を覆い、下
部61に接触している。
【0039】有機層OR2は、開口AP2を通じて下電極LE2に接触し、
開口AP2から露出した下電極LE2を覆うとともに、その周縁部が無機
絶縁層5の上に位置している。上電極UE2は、有機層OR2を覆い、下
部61に接触している。
【0040】有機層OR3は、開口AP3を通じて下電極LE3に接触し、
開口AP3から露出した下電極LE3を覆うとともに、その周縁部が無機
絶縁層5の上に位置している。上電極UE3は、有機層OR3を覆い、下
部61に接触している。
【0041】図3の例においては、副画素SP1はキャップ層CP1及び
封止層SE1を有し、副画素SP2はキャップ層CP2及び封止層SE2
を有し、副画素SP3はキャップ層CP3及び封止層SE3を有している。
キャップ層CP1、CP2、CP3は、それぞれ有機層OR1、OR2、
OR3から放たれた光の取り出し効率を向上させる光学調整層としての役
割を有している。
【0042】キャップ層CP1は、上電極UE1の上に配置されている。  
  キャップ層CP2は、上電極UE2の上に配置されている。 キャップ層
CP3は、上電極UE3の上に配置されている。
【0043】封止層SE1は、キャップ層CP1の上に配置され、隔壁6
に接触し、副画素SP1の各部材を連続的に覆っている。
封止層SE2は、キャップ層CP2の上に配置され、隔壁6に接触し、副
画素SP2の各部材を連続的に覆っている。  
封止層SE3は、キャップ層CP3の上に配置され、隔壁6に接触し、副
画素SP3の各部材を連続的に覆っている。
【0044】図3の例においては、有機層OR1、上電極UE1、及び、
キャップ層CP1のそれぞれの一部は、副画素SP1の周囲の隔壁6の上
に位置している。これらの部分は、有機層OR1、上電極UE1、及び、
キャップ層CP1のうち開口AP1に位置する部分(表示素子201を構
成する部分)から離間している。  
 同様に、有機層OR2、上電極UE2、及び、キャップ層CP2のそれぞ
れの一部は、副画素SP2の周囲の隔壁6の上に位置し、これらの部分は、
有機層OR2、上電極UE2、及び、キャップ層CP2のうち開口AP2
に位置する部分(表示素子202を構成する部分)から離間している。  
同様に、有機層OR3、上電極UE3、及び、キャップ層CP3のそれぞ
れの一部は、副画素SP3の周囲の隔壁6の上に位置し、これらの部分は、
有機層OR3、上電極UE3、及び、キャップ層CP3のうち開口AP3
に位置する部分(表示素子203を構成する部分)から離間している。
【0045】
  封止層SE1、SE2、SE3の端部は、隔壁6の上に位置している。
図3の例においては、副画素SP1、SP2間の隔壁6の上に位置する封
止層SE1、SE2の端部同士が離間し、副画素SP2、SP3間の隔壁
6の上に位置する封止層SE2、SE3の端部同士が離間している。
【0046】
  封止層SE1、SE2、SE3は、樹脂層13によって覆われている。樹
脂層13は、封止層14によって覆われている。封止層14は、樹脂層15
によって覆われている。
【0047】
  無機絶縁層5、封止層SE1、SE2、SE3、及び、封止層14は、例
えば、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、シリ
コン酸窒化物(SiON)、または、酸化アルミニウム(Al)な
どの無機絶縁材料で形成されている。
【0048】
  隔壁6の下部61は、導電材料で形成され、上電極UE1、UE2、U
E3と電気的に接続されている。隔壁6の上部62は、例えば導電材料に
よって形成されているが、絶縁材料で形成されもよい。下部61は、上部
62とは異なる材料で形成されている。
【0049】
  下電極LE1、LE2、LE3は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)
などの酸化物導電材料で形成された透明電極と、銀などの金属材料で形成さ
れた金属電極とを含む多層体である。
【0050】
  有機層OR1は、発光層EM1を含む。有機層OR2は、発光層EM2
を含む。有機層OR3は、発光層EM3を含む。発光層EM1、発光層E
M2、及び、発光層EM3は、互いに異なる材料で形成されている。一例
では、発光層EM1は、青波長域の光を放つ材料によって形成され、発光
層EM2は、緑波長域の光を放つ材料によって形成され、発光層EM3は、
赤波長域の光を放つ材料によって形成されている。  
 また、有機層OR1、OR2、OR3の各々は、正孔注入層、正孔輸送層
電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層などの複数の
機能層を含む。【0051】
 上電極UE1、UE2、UE3は、例えば、マグネシウム及び銀の合金(
MgAg)などの金属材料で形成されている。
【0052】キャップ層CP1、CP2、CP3は、複数の薄膜の多層体
である。複数の薄膜は、いずれも透明であり、しかも、互いに異なる屈折
率を有している。
【0053】
  図3に示した回路層11、絶縁層12、及び、無機絶縁層5は、表示領域
DA及び周辺領域SAに亘って配置されている。
【0054】
  次に、複数の表示装置DSPを一括して製造するための表示装置用マザー
基板100について説明する。
【0055】
  図4は、表示装置用マザー基板100の一例を示す平面図である。  
  表示装置用マザー基板100は、大型の基板10の上に、複数のパネル
部PPと、これらのパネル部PPよりも外側の余白部MPと、を備えて
いる。大型の基板10は、例えば矩形状に形成されている。複数のパネル
部PPは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列されている。
パネル部PPの各々は、表示装置用マザー基板100をカットラインに沿
って割断することで取り出される。取り出されたパネル部PPの各々は、
図1に示した表示パネルPNLに相当し、表示領域DAと、周辺領域SA
と、を備えている。  
 余白部MPは、例えば、テスト素子群(Test  Element  Gro
up)などと電気的に接続された複数のパッドPDを有している。
【0056】
  図5は、パッドPDの一構成例を示す平面図である。  図示したパッドP
Dは、図1に示した周辺領域SAのパッドPD、あるいは、図4に示した
余白部MPのパッドPDに相当する。  一点鎖線で示す金属層MTは、パ
ッドPDの電極に相当する。金属層MTは、有機絶縁層ILの開口OP
1及び無機絶縁層5の開口OP2に重なっている。開口OP1は点線で示
し、開口OP2は実線で示している。金属層MTのうち、開口OP1及び
開口OP2から露出した部分は、斜線で示している。金属層
MTの周縁部
は、有機絶縁層IL及び無機絶縁層5で覆われている。  
有機絶縁層ILは、少なくとも、図3に示した絶縁層12を含んでいる。
有機絶縁層IL及び無機絶縁層5は、パネル部PPの各々に配置されると
ともに、余白部MPにも配置されている。
【0057】
  図6は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域の一構成例
を示す平面図である。図示した例では、パッド領域は、4つのパッドPD
を含む。各パッドP
Dの金属層MTは、開口OP1及び開口OP2から露出している。  隔壁7
は、4つのパッドPDの間の十字状の領域に配置されている。また、隔壁
7は、4つのパッドPDの周辺の領域にも配置されている。これらの隔壁
7は、開口OP1には重ならず、有機絶縁層ILの上方に配置されている。
また、図示した例では、隔壁7は、パッドPDには重なっていない。この
ような隔壁7は、格子状に形成されている。一例では、隔壁7は、図2に
示した格子状の隔壁6と同様のパターンで形成されている。
【0058】
  図7は、図6のC-D線に沿った表示装置用マザー基板100の断面図
である。【0059】
  絶縁層111は、無機絶縁層であり、基板10の上に配置されている。
配線層112は、絶縁層111の上に配置されている。絶縁層113は、
無機絶縁層であり、配線層112の上に配置されている。絶縁層113は、
パッドPDにおいて配線層112を露出している。絶縁層114は、有機
絶縁層であり、絶縁層113の上に配置されている。金属層MTは、絶縁
層113及び絶縁層114の上に配置され、パッドPDにおいて配線層112
に接している。これにより、金属層MTは、配線層112と電気的に接続さ
れている。これらの絶縁層111、配線層112、絶縁層113、絶縁層
114、及び、金属層MTは、図3に示した回路層11に含まれる。なお、
回路層11は、図示した層の他に、絶縁層及び導電層を含んでいてもよい。
【0060】
  絶縁層12は、有機絶縁層であり、絶縁層114及び金属層MTの上に配
置されている。絶縁層12は、金属層MTを露出する開口OP1を有して
いる。上記の有機絶縁層ILは、絶縁層114及び絶縁層12を有してい
る。このような構成例においては、絶縁層114は第1層に相当し、絶縁
層12は第1層の上に位置する第2層に相当する。開口OP1は、有機絶
縁層ILの開口に相当する。【0061】無機絶縁層5は、絶縁層12を
覆い、金属層MTに接している。無機絶
縁層5は、開口OP1に重なる開口OP2を有している。無機絶縁層5は、
開口OP2において、金属層MTを露出している。開口OP2の面積は、
開口OP1の面積よりも小さい。
【0062】  隔壁7は、有機絶縁層ILの上方に配置されている。隔壁7
は、無機絶縁層5の上に配置された下部71と、下部71の上に配置され
た上部72とを有している。上部72は、下部71よりも大きい幅を有し
ている。上部72の両端部は、下部71の側面よりも突出している。この
ように、隔壁7は、図3に示した隔壁6と同様のオーバーハング状である。
隔壁7は、隔壁6と同一工程で形成することができる。この場合、下部71
は下部61と同一材料で形成され、上部72は上部62と同一材料で形成
される。【0063】
 図8は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域の他の構成例
を示す平面図である。 図8に示す構成例は、図6に示した構成例と比較し
て、隣接するパッドPDの間の比較的小さいスペースに直線状の隔壁7を
追加した点で相違している。図示した例では、第2方向Yに隣接するパッ
ドPDの間の小さいスペースにおいて、隔壁7は、第1方向Xに延出し
た直線状に形成されている。また、複数の直線状の隔壁7は、千鳥配列さ
れ、有機絶縁層ILの上方に配置されている。
【0064】
  図9は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域の他の構成
例を示す平面図である。  図9に示す構成例は、図8に示した構成例と比
較して、有機絶縁層ILの開口OP1に配置された隔壁7を追加した点で
相違している。  開口OP1に配置された隔壁7は、平面視において、パッ
ドPDの金属層MTに重なり、開口OP2よりも外側に位置し、開口OP
1の縁に沿ったループ状に形成されている。有機絶縁層ILの上方に配置
された隔壁7は、開口OP1に配置された隔壁7から離間している。
【0065】
  図10は、図9のC-D線に沿った表示装置用マザー基板100の断
面図である。  有機絶縁層ILの上方及び開口OP1に配置された隔壁7
は、無機絶縁層5の上に配置された下部71と、下部71の上に配置され
下部71の側面から突出した上部72とを有し、オーバーハング状である。  
  隔壁7を形成する際のウエットエッチングにおいて、開口OP1に配置
される隔壁7が過度に除去されることに起因した隔壁7の消失を防止する
観点で、開口OP1に配置される隔壁7の幅W1は、有機絶縁層ILの上
方に配置される隔壁7の幅W2より大きいことが望ましい。
【0066】 図11は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領
域の他の構成例を示す平面図である。  図11に示す構成例は、図9に示
した構成例と比較して、有機絶縁層ILの開口OP1に配置された隔壁7
が開口OP1の縁に沿って形成された複数のセグメントを有している点で
相違している。  図示した例では、隔壁7は、互いに離間した4つのセグ
メント7A、7B、7C、7Dを有している。4つのセグメント7A、
7B、7C、7Dは、いずれもL字状に形成されているが、この形状に限
定されるものではない。
【0067】図12は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領
域の他の構成例を示す平面図である。  図12に示す構成例は、図9に示
した構成例と比較して、有機絶縁層ILの開口OP1に配置された隔壁7
が格子状に形成された点で相違している。なお、ここに示す構成例におい
ては、無機絶縁層5の開口OP2は存在しない。一例では、開口OP1に
配置された隔壁7は、有機絶縁層ILの上に配置された隔壁7と同様のパ
ターンで形成されている。
【0068】図13は、図12のC-D線に沿った表示装置用マザー基板
100の断面図である。 無機絶縁層5は、絶縁層12を覆うとともに、開
口OP1から露出した金属層MTを覆っている。つまり、無機絶縁層5は
開口を有していないため、金属層MTが露出することはない。  口OPに
配置された格子状の隔壁7は、無機絶縁層5の上に配置され、金属層MT
に接していない。
【0069】次に、パッドPDを含む表示装置用マザー基板100の断面
構造について、さらなる他の構成例について説明する。
【0070】
    《第1グループ》
【0071】図14Aは、第1グループの一構成例を示す断面図である。
【0072】有機絶縁層ILは、絶縁層114及び絶縁層12を有してい
る。このような構成例においては、絶縁層114は第1層に相当し、絶縁
層12は第1層の上に位置する第2層に相当する。絶縁層12は、開口O
P1を有している。有機絶縁層ILの断面形状に着目すると、有機絶縁層
ILは、開口OP1に向かって厚さが低減する階段状の断面を有している。
【0073】有機絶縁層ILの厚さT1は、絶縁層114の厚さと絶縁層
12の厚さとの総和であり、絶縁層113の上面から絶縁層12のほぼ平
坦な上面121Aまでの第3方向Zに沿った長さに相当する。
【0074】有機絶縁層ILの厚さT2は、絶縁層114と開口OP1と
の間の絶縁層12の厚さであり、金属層MTの上面から絶縁層12のほぼ
平坦な上面122Aまでの第3方向Zに沿った長さに相当する。厚さT2
は、厚さT1より小さい。上面122Aは、上面121Aと開口OP1と
の間に位置し、また、上面121Aよりも下方に位置している。
【0075】無機絶縁層5は、絶縁層12を覆い、金属層MTを露出する
開口OP2を有している。隔壁7は、有機絶縁層ILの上方及び開口OP
1において、無機絶縁層5の上に配置されている。図示した例では、隔壁
7は、上面121Aの上方に配置される一方で、上面122Aの上方には
配置されていない。但し、隔壁7が上面122Aの上方に配置されてもよ
い。
【0076】階段状の断面を有する有機絶縁層ILは、例えば、以下のよ
うな手法で形成可能である。まず、絶縁層113の上に、絶縁層114を
形成する。その後、金属層MTを形成する。その後、開口OP1、上面1
21A及び上面122Aを有する絶縁層12を形成する。このような絶縁
層12は、例えば、以下のような手法で形成可能である。すなわち、金属
層MTが形成された表示装置用マザー基板100の全面に、例えばポジ型
の有機材料により絶縁層を形成する。その後、絶縁層を露光する。この露
光工程では、開口OP1の露光量は最大に設定され、開口OP1から外側
に向かうにしたがって露光量は段階的に減少するように設定されている。
その後、露光された絶縁層を現像する。その後、絶縁層を焼成する。  
  これにより、上記の断面形状を有する有機絶縁層ILが形成される。
【0077】図14Bは、他の構成例を示す断面図である。  図14Bに
示す構成例は、図14Aに示した構成例と比較して、有機絶縁層ILの上
方の隔壁7を省略した点で相違している。隔壁7は、開口OP1において
無機絶縁層5の上に配置されている。
【0078】図14A及び図14Bにおいて、開口OP1に配置される隔
壁7の形状は、図9及び図11に示したいずれの形状であってもよい。
【0079】図14Cは、他の構成例を示す断面図である。図14Cに示
す構成例は、図14Aに示した構成例と比較して、開口OP1における隔
壁7を省略した点で相違している。隔壁7は、有機絶縁層ILの上方にお
いて無機絶縁層5の上に配置されている。
【0080】 図15Aは、他の構成例を示す断面図である。  図15Aに
示す構成例は、図14Aに示した構成例と比較して、無機絶縁層5に開口
が存在しない点で相違している。隔壁7は、有機絶縁層ILの上方及び開
口OP1において、無機絶縁層5の上に配置されている。
【0081】図15Bは、他の構成例を示す断面図である。図15Bに示
す構成例は、図15Aに示した構成例と比較して、有機絶縁層ILの上方
の隔壁7を省略した点で相違している。隔壁7は、開口OP1において無
機絶縁層5の上に配置されている。
【0082】図15A及び図15Bにおいて、開口OP1に配置される隔
壁7の形状は、図9、図11、図12に示したいずれの形状であってもよ
い。
【0083】図15Cは、他の構成例を示す断面図である。図15Cに示
す構成例は、図15Aに示した構成例と比較して、開口OP1における隔
壁7を省略した点で相違している。隔壁7は、有機絶縁層ILの上方にお
いて無機絶縁層5の上に配置されている。
【0084】    《第2グループ》
【0085】
  図16Aは、第2グループの一構成例を示す断面図である。
【0086】
  図16Aに示す構成例は、図14Aに示した構成例と比較して、絶縁層
114が絶縁層12よりもパッドPDに向かって延出している点で相違し
ている。絶縁層114は、開口OP1を有している。絶縁層12は、絶縁
層114の上に配置されている。絶縁層114及び絶縁層12を有する有
機絶縁層ILの断面形状に着目すると、有機絶縁層ILは、開口OP1に
向かって厚さが低減する階段状の断面を有している。
【0087】 有機絶縁層ILの厚さT1は、絶縁層114の厚さと絶縁層
12の厚さとの総和であり、絶縁層113の上面から絶縁層12のほぼ平
坦な上面12Aまでの第3方向Zに沿った長さに相当する。

----------------------------------------------------------------------------------

【図12】図12は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域
の他の構成例を示す平面図である。

【図13】図13は、図12のC-D線に沿った表示装置用マザー基板
100の断面図である。

【図14A】図14Aは、第1グループの一構成例を示す断面図である。

【図14B】図14Bは、他の構成例を示す断面図である。

【図14C】図14Cは、他の構成例を示す断面図である。

【図15A】図15Aは、他の構成例を示す断面図である。

【図15B】図15Bは、他の構成例を示す断面図である。

【図15C】図15Cは、他の構成例を示す断面図である。


【図16A】図16Aは、第2グループの一構成例を示す断面図である。

【図16B】図16Bは、他の構成例を示す断面図である。


【図16C】図16Cは、他の構成例を示す断面図である。

【図17A】図17Aは、他の構成例を示す断面図である。
【図17B】図17Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図17C】図17Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図18A】図18Aは、第3グループの一構成例を示す断面図である。
【図18B】図18Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図18C】図18Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図19A】図19Aは、他の構成例を示す断面図である。
【図19B】図19Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図19C】図19Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図20】図20は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図21】図21は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図22】図22は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図23】図23は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図24】図24は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図25】図25は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図26】図26は、図7に示したパッドPDに多層膜115が形成された
様子を説明するための断面図である。
                           この項つづく
今日の言葉:国会中継も悪くない。
参議院予算会議で令和新鮮組の山本党首に能登半島地震対応の遅れを叱責
に、丁寧に答弁する新石破総理が座りながら両手を小刻みに振りながらま
るで口から泡を吹くかのように反論の動作シーンを見て、討論の勝敗は決
しているが、国会中継を見ることが少ないが私でも愉快で印象的であった。

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エネルギーと環境 61

2024年11月26日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

 

【季語と短歌:11月27日】 

        朝早く落ち葉時雨れる八高道    

                  高山 宇 (赤鬼)

✳️  ペロブスカイト太陽電池、40年に20GW導入目標
26日,経済産業省は軽くて曲げられる次世代の「ペロブスカイト太陽電池」
について、2040年に約20ギガワットを導入する目標を策定した。一般家
庭550万世帯分の電力供給力に相当する。年内に素案をまとめる新しいエ
ネルギー基本計画にも反映する。ペロブスカイト太陽電池は日本発の技術。
建物の屋根や壁面のほか、窓ガラスのかわりに設置できると期待されてい
る。現行の太陽電池は、原料のシリコンを輸入に頼っているが、ペロブス
カイトの原料となるヨウ素は国内で産出できるため、経産省は海外への輸
出も視野に普及をめざす。  ペロブスカイトの開発をめぐっては、中国や
欧州でも競争が激化している。経産省は量産技術の確立や生産体制の整備
について、官民で連携して進める。


出所:次世代型太陽電池戦略(案)2024.11 次世代型太陽電池の導入
拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会


 

⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖     
  リチウム二次電池の安全工学的考察 ⑬

 

【関連特許技術】
1. 特開2024-135832 二次電池、電池パック及び車両 株式会社東芝⓷
【詳細説明】【0175】
  <測定方法>
  係る二次電池についての分析は、以下のようにして行うことができる。
【0176】
  (電極の取り出し)
  二次電池に含まれる電極について分析する場合には、二次電池を分解し
て電極を取り出す。電極をジメチルカーボネートで洗浄後、乾燥させるこ
とで測定用電極を得る。
【0177】  (第1結着剤量の測定)
  電極が含む第1結着剤の量は、以下のようにして測定できる。
【0178】 先に説明した洗浄及び乾燥を行うことにより得られた測定用
電極から活物質含有層を剥離し、予め質量を測定する。活物質含有層を、
N-メチルピロリドン(NMP)などの溶媒に分散し、第1結着剤を溶媒
中に溶解させる。沈殿した活物質及び導電剤等の不溶成分を濾別して回収
し、質量を測定する。活物質の質量と沈殿物の質量の差を、第1結着剤量
として測定できる。
【0179】  (FT-IR分析)
  電極の表面のフーリエ変換赤外分光(FT-IR)分析は、以下のよう
にして行うことができる。
【0180】測定用電極を、ATR(Attenuated Total Reflection)法に
よるFT-IR分析に供する。FT-IR装置の例としては、BRUKE
R社製VERTEX70v/HYPERION3000またはこれと等価
な機能を有す
る装置を挙げることができる。分解能は4cm-1、積算回数は128回と
する。以上のようにして、電極表面の赤外吸収スペクトルを得られる。得
られた赤外吸収スペクトルから、電極がアクリル系樹脂を含むこと、及び
、電極が含むアクリル系樹脂の種類を特定できる。
【0181】
  例えば、得られた赤外吸収スペクトルが、先に説明したアクリル系樹脂を
含む電極表面の赤外吸収スペクトルが有する吸収ピークを有していれば、
電極がアクリル系樹脂を含むことを特定できる。
【0182】
  他の例としては、得られた赤外吸収スペクトルが、先に説明したアクリ
ル酸エステル又はメタアクリル酸エステルを含む重合体を含む電極表面の
赤外吸収スペクトルと同様の特徴を有していれば、電極がアクリル酸エス
テル又はメタアクリル酸エステルを含む重合体を含むことを特定できる。
同様にして、電極が、アクリロニトリルを含む重合体を含むことを特定で
きる。
【0183】  (電極の表面のXPS分析)
  電極の表面のXPS分析は、以下のようにして行うことができる。
【0184】XPS装置としては、アルバック・ファイ社製Quantera  
SXM、又はこれと同等な機能を有する装置を用いることができる。励起
X線源には、単結晶分光Al-Kα線(1486.6eV)を用いる。X線
出力は4kW(13kV×310mA)とし、光電子検出角度は45°とし、
分析領域は約4mm×0.2mmとする。スキャンは、0.10eV/
stepで行う。
【0185】測定用電極のXPS分析により得られたスペクトルデータに
対して、スムージング及び横軸補正のデータ処理を行う。スムージングと
しては9-point  smoothingを行い、横軸補正としては、
Nb5/2ピークが207.1eV(Nb3+)に現れているとみなして補
正を行う。これにより、電極表面についてのXPSスペクトルを得ること
ができる。
【0186】得られたXPSスペクトルが、先に説明したフッ素系樹脂を
含む電極表面のXPSスペクトルが有するピークを有していれば、電極が
フッ素系樹脂を含むことを特定できる。
【0187】得られたXPSスペクトルから、電極が被膜を含むこと、及
び、被膜が含む物質の種類を特定できる。例えば、得られたXPSスペク
トルが、先に説明したシアネート類を含有する被膜を含む電極表面のXP
Sスペクトルと同様の特徴を有していれば、電極がシアネート類を含有す
る被膜を含むことを特定できる。同様にして、電極が、硫酸塩類を含有す
る被膜を含むことを特定できる。電極が、金属亜鉛、金属スズ、金属鉛、
フッ化リチウム、酸化リチウム、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛からなる群より
選択される少なくとも1つを含む被膜を含むことも、同様にして特定できる。
【0188】  (第1結着剤のXPS分析)
  第1結着剤のXPS分析は、以下のようにして行うことができる。
【0189】  測定用電極から活物質含有層を剥離し、N-メチルピロリ
ドンなどの溶媒に分散し、第1結着剤を溶媒中に溶解させる。これを濾別
して液体画分を得る。得られた液体画分を乾燥して溶媒を除去することに
より、フィルム状の第1結着剤(バインダフィルム)を得る。得られたバ
インダフィルムをXPS分析に供する。
【0190】XPS装置としては、アルバック・ファイ社製Quante-
ra  SXM、又はこれと同等な機能を有する装置を用いることができる。
励起X線源には、単結晶分光Al-Kα線(1486.6eV)を用いる。
X線出力は4kW(13kV×310mA)とし、光電子検出角度は45°
とし、分析領域は約4mm×0.2mmとする。スキャンは、0.10e
V/stepで行う。
【0191】 バインダフィルムのXPS分析により得られたスペクトルに
おいて、680eV以上691eV以下の範囲内に現れるピークが、F1
sピークである。F1sピークの積分強度から、フッ素原子の原子量比(
mol/mol)を、測定装置の内部検量線によって算出することができ
る。フッ素原子の原子量比が、フッ素原子の量Aである。
【0192】528eV以上538eV以下の範囲内に現れるピークが、
O1sピークである。上記と同様にして、O1sピークの積分強度から、
酸素原子の量Aを算出できる。392eV以上408eV以下の範囲内
に現れるピークが、N1sピークである。上記と同様にして、N1sピー
クの積分強度から、窒素原子の量Aを算出できる。
【0193】第1結着剤中のアクリル系樹脂の割合が5%以上70%以下
であるとき、A、A及びAが、0.01≦A/(A+A+2A
≦0.95を満たし得る。
【0194】  (ラマン分光)
  水系電解質にアミド化合物及び有機硫黄化合物からなる群より選択され
る少なくとも1つが含まれていることは、水系電解質をラマン分光に供す
ることにより確認できる。
【0195】水系電解質が電池に含まれている場合は、電池を分解後、電
極を取り出し、電極を洗浄せずにサンプルとしてラマン分光に供すること
ができる。このようにすると、電極に付着している水系電解質について測
定できる。又は、水系電解質を抽出して、サンプルとしてラマン分光に供
してもよい。
【0196】ラマン分光装置としては、日本分光社製NRS-7500、
又はこれと同等な機能を有する装置を用いることができる。上述のサンプ
ルをガラス製チューブ等のサンプル容器に密閉し、サンプル容器越しに測
定することができる。測定は、例えば、波長532nmのレーザー光を用
いて行うことができる。
【0197】第1の実施形態に係る二次電池は、水系電解質と、正極と、
負極とを含む。正極又は負極のうちの少なくとも一方の電極は第1結着剤
を含む。第1結着剤は、フッ素系樹脂およびアクリル系樹脂を含む。その
ため、係る二次電池は、サイクル寿命性能に優れる。
【0198】 (第2の実施形態)
  第2の実施形態によると、組電池が提供される。係る組電池は、第1の実
施形態に係る二次電池を複数個含む。
【0199】係る組電池において、各単電池は、電気的に直列若しくは並
列に接続して配置してもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて
配置してもよい。
【0200】次に、実施形態に係る組電池の一例について、図面を参照し
ながら説明する。


図5. 組電池の一例を概略的に示す斜視図
【0201】図5は、組電池の一例を概略的に示す斜視図である。図5
に示す組電池200は、5つの単電池100a~100eと、4つのバス
バー21と、正極側リード22と、負極側リード23とを含む。5つの単
電池100a~100eのそれぞれは、第1の実施形態に係る二次電池で
ある。
【0202】バスバー21は、例えば、1つの単電池100aの負極端子
6と、隣に位置する単電池100bの正極端子7とを接続している。この
ようにして、5つの単電池100は、4つのバスバー21により直列に接
続されている。すなわち、図5の組電池200は、5直列の組電池である。
例を図示しないが、電気的に並列に接続されている複数の単電池を含む組
電池では、例えば、複数の負極端子同士がバスバーにより接続されるとと
もに複数の正極端子同士がバスバーにより接続されることで、複数の単電
池が電気的に接続され得る。
【0203】5つの単電池100a~100eのうち少なくとも1つの電
池の正極端子7は、外部接続用の正極側リード22に電気的に接続されて
いる。また、5つの単電池100a~100eうち少なくとも1つの電池
の負極端子6は、外部接続用の負極側リード23に電気的に接続されている。
【0204】第2の実施形態に係る組電池は、第1の実施形態に係る二次
電池を含む。したがって、優れたサイクル寿命性能を達成できる。
【0205】
  (第3の実施形態)
  第3の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、
第2の実施形態に係る組電池を含む。この電池パックは、第2の実施形態
に係る組電池の代わりに、単一の第1の実施形態に係る二次電池を含んで
もよい。
【0206】係る電池パックは、保護回路を更に含むことができる。保護
回路は、二次電池の充放電を制御する機能を有する。或いは、電池パック
を電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回
路を、電池パックの保護回路として使用してもよい。
【0207】また、係る電池パックは、通電用の外部端子を更に含むこと
もできる。通電用の外部端子は、外部に二次電池からの電流を出力するた
め、及び/又は二次電池に外部からの電流を入力するためのものである。
言い換えれば、電池パックを電源として使用する際、電流が通電用の外部
端子を通して外部に供給される。また、電池パックを充電する際、充電電
流(自動車などの動力の回生エネルギーを含む)は通電用の外部端子を通
して電池パックに供給される。
【0208】次に、実施形態に係る電池パックの一例について、図面を
参照しながら説明する。

図6は、電池パックの一例を概略的に示す分解斜視図
【0209】  図6は、電池パックの一例を概略的に示す分解斜視図である。
図7は、図6に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図である。
【0210】図6及び図7に示す電池パック300は、収容容器31と、
蓋32と、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、
配線35と、図示しない絶縁板とを備えている。


図7. 図6に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図
【0211】図6に示す収容容器31は、長方形の底面を有する有底角型
容器である。収容容器31は、保護シート33と、組電池200と、プリ
ント配線基板34と、配線35とを収容可能に構成されている。蓋32は、
矩形型の形状を有する。蓋32は、収容容器31を覆うことにより、上記
組電池200等を収容する。収容容器31及び蓋32には、図示していな
いが、外部機器等へと接続するための開口部又は接続端子等が設けられて
いる。
【0212】組電池200は、複数の単電池100と、正極側リード22
と、負極側リード23と、粘着テープ24とを備えている。
【0213】 複数の単電池100の少なくとも1つは、第1の実施形態に
係る二次電池である。複数の単電池100の各々は、図7に示すように電
気的に直列に接続されている。複数の単電池100は、電気的に並列に接
続されていてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてい
てもよい。複数の単電池100を並列接続すると、直列接続した場合と比
較して、電池容量が増大する。
【0214】粘着テープ24は、複数の単電池100を締結している。粘
着テープ24の代わりに、熱収縮テープを用いて複数の単電池100を固
定してもよい。この場合、組電池200の両側面に保護シート33を配置
し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて複数の単
電池100を結束させる。
【0215】正極側リード22の一端は、組電池200に接続されている。
正極側リード22の一端は、1以上の単電池100の正極と電気的に接続
されている。負極側リード23の一端は、組電池200に接続されている。
負極側リード23の一端は、1以上の単電池100の負極と電気的に接続
されている。
【0216】プリント配線基板34は、収容容器31の内側面のうち、一
方の短辺方向の面に沿って設置されている。プリント配線基板34は、正
極側コネクタ342と、負極側コネクタ343と、サーミスタ345と、
保護回路346と、配線342a及び343aと、通電用の外部端子350
と、プラス側配線(正側配線)348aと、マイナス側配線(負側配線)
348bとを備えている。プリント配線基板34の一方の主面は、組電池
200の一側面と向き合っている。プリント配線基板34と組電池200
との間には、図示しない絶縁板が介在している。
【0217】正極側コネクタ342に、正極側リード22の他端22aが
電気的に接続されている。負極側コネクタ343に、負極側リード23の
他端23aが電気的に接続されている。
【0218】サーミスタ345は、プリント配線基板34の一方の主面に
固定されている。サーミスタ345は、単電池100の各々の温度を検出
し、その検出信号を保護回路346に送信する。
【0219】通電用の外部端子350は、プリント配線基板34の他方の
主面に固定されている。通電用の外部端子350は、電池パック300の
外部に存在する機器と電気的に接続されている。通電用の外部端子350
は、正側端子352と負側端子353とを含む。
【0220】保護回路346は、プリント配線基板34の他方の主面に固
定されている。保護回路346は、プラス側配線348aを介して正側端
子352と接続されている。保護回路346は、マイナス側配線348b
を介して負側端子353と接続されている。また、保護回路346は、配
線342aを介して正極側コネクタ342に電気的に接続されている。保
護回路346は、配線343aを介して負極側コネクタ343に電気的に
接続されている。更に、保護回路346は、複数の単電池100の各々と
配線35を介して電気的に接続されている。
【0221】保護シート33は、収容容器31の長辺方向の両方の内側面
と、組電池200を介してプリント配線基板34と向き合う短辺方向の内
側面とに配置されている。保護シート33は、例えば、樹脂又はゴムから
なる。
【0222】保護回路346は、複数の単電池100の充放電を制御する。
また、保護回路346は、サーミスタ345から送信される検出信号、又
は、個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号に
基づいて、保護回路346と外部機器への通電用の外部端子350(正側
端子352、負側端子353)との電気的な接続を遮断する。
【0223】サーミスタ345から送信される検出信号としては、例えば、
単電池100の温度が所定の温度以上であることを検出した信号を挙げる
ことができる。個々の単電池100若しくは組電池200から送信される
検出信号としては、例えば、単電池100の過充電、過放電及び過電流を
検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100について過充電
等を検出する場合、電池電圧を検出してもよく、正極電位又は負極電位を
検出してもよい。後者の場合、参照極として用いるリチウム電極を個々の
単電池100に挿入する。
【0224】なお、保護回路346としては、電池パック300を電源と
して使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を用い
てもよい。
【0225】また、この電池パック300は、上述したように通電用の外
部端子350を備えている。したがって、この電池パック300は、通電
用の外部端子350を介して、組電池200からの電流を外部機器に出力
するとともに、外部機器からの電流を、組電池200に入力することがで
きる。言い換えると、電池パック300を電源として使用する際には、組
電池200からの電流が、通電用の外部端子350を通して外部機器に供
給される。また、電池パック300を充電する際には、外部機器からの充
電電流が、通電用の外部端子350を通して電池パック300に供給され
る。この電池パック300を車載用電池として用いた場合、外部機器から
の充電電流として、車両の動力の回生エネルギーを用いることができる。
【0226】なお、電池パック300は、複数の組電池200を備えてい
てもよい。この場合、複数の組電池200は、直列に接続されてもよく、
並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続され
てもよい。また、プリント配線基板34及び配線35は省略してもよい。
この場合、正極側リード22及び負極側リード23を通電用の外部端子
350の正側端子352と負側端子353としてそれぞれ用いてもよい。
【0227】このような電池パックは、例えば大電流を取り出したときに
サイクル性能が優れていることが要求される用途に用いられる。この電池
パックは、具体的には、例えば、電子機器の電源、定置用電池、各種車両
の車載用電池として用いられる。電子機器としては、例えば、デジタルカ
メラを挙げることができる。この電池パックは、車載用電池として特に
好適に用いられる。
【0228】第3の実施形態に係る電池パックは、第1の実施形態に係る二
次電池又は第2の実施形態に係る組電池を備えている。したがって、優れ
たサイクル寿命性能を達成できる。
【0229】

  懐かしの晩秋期の楽曲 『落葉時雨』





人間の未来 AIの未来 講談社(2018/02発売)

まえがきにかえて 羽生善治から山中伸弥さんへ
第1章 iPS細胞の最前線で何が起こっていますか?
第2章 なぜ棋士は人工知能に負けたのでしょうか?
第3章 人間は将来、AIに支配されるでしょうか?
第4章 先端医療がすべての病気に勝つ日は来ますか?
第5章 人間にできるけどAIにできないことは何ですか?
第6章 新しいアイデアはどこから生まれるのでしょうか?
第7章 どうすれば日本は人材大国になれるでしょうか?
第8章 十年後、百年後、この世界はどうなっていると思いますか?
あとがきにかえて 山中伸弥から羽生善治さんへ
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人間の未来AIの未来』連載第7回
◾大事なのは「ブレイクスルーが起こったかどうか」
30年前、「がんの撲滅」となると、僕が医学生だったころ、多くの研究者
は「人類は2000年には完全にがんを克服しているだろう」と予想していた
が、治療技術ははるかに進んでいたが、やっぱりまだまだがんに負ける場
合も多い。また、ゲノム技術20年前には今のような事態をほとん予想して
いなかった
と山中氏は話す。月に人類を送り込む「アポロ計画」に成功し
たアメリカが次に挑んだプロジェクトが、1990年に「ヒトゲノム・プロジ
ェクト」。アメリカを中心にイギリス、世界各国の研究者が力を合わせて、
一人で30億塩基対あるヒトのゲノムを全部解読しようとする壮大な計画。
日本も少し貢献して、ヒト一人の全ゲノム暗号を10年以上の歳月と何千億
円という資金をかけて、やっと解読し2003年に完了。


✳️  ゲノム解析技術の「未来」
ゲノム計画で10年かかったことが、今は1日でできる。費用もどんどん下が
り、2年ほど前までは10日くらいで何千万円もかかっていたけれども、今は
100万円を切っています。この劇的な変化を2000年の段階で予想した人は、
ほとんどいなかった。                この項つづく

 今日の言葉:「ラスト九年」に拍車がかかる昨今。「整理整頓第一
         主義」を肝にすえる。(照れるなぁ?!)

1277夜 『変貌する民主主義』 森政稔 − 松岡正剛の千夜千冊

 『変貌する民主主義』 森政稔 - 千夜千冊
1277夜 世走篇 2008年12月29日 ⓷

ところが、ゴルバチョフのペレストロイカの促進で、社会主義体制があっ
けなく解体した。それでどうなったかというと、東欧やバルト諸国は「民
主化」された。だしその「民主化」は意外にも、それまで従来の大半の自
由主義諸国がとってきた政府主導の「代議制議会民主主義」への単純な回
帰ではなかったのである。ポーランドの「連帯」がそうであったのだが、
フォーラム型の民主主義をめざした。これは、市民参加型の下から積み上
げる分権的な組織形態をもったもので、ポーランドのばあいは労働者が組
合を維持しつつ、かつ教会などの生活世界との関係をもった。そのため「
コミュニケーション民主主義」が重視されるとともに、「自分自身を制限
する民主主義」(自己限定型民主主義などともいう)になっていった。

そういう“変貌”があったのだ。そうなると東欧の民主主義政治は、従来の政
党と代議制民主主義によるものではなくて、市民社会が活動する民主主義の
必要性が説かれるようになり、ここから世界中にNGO・NPO・ボランテ
ィア
などによる「市民活動民主主義」が台頭することになったわけである。
こうした「フォーラム型民主主義」や「市民活動民主主義」は一挙に広ま
った。いまではここに、割箸排斥やエコバッグ運動を主張する「エコロジ
カル民主主義」や「環境民主主義」が加わっている。誰もそうとは自覚し
ていないようだけれど、これらは冷戦崩壊後の民主主義の“変貌”の継承だ
ったのである。(※さぁ、ここから佳境に向かう)

他方、冷戦終結はアメリカに一極集中をもたらした。アメリカは地球上唯
一の「帝国」(empire)になった。アントニオ・ネグリ(1029夜)ら
が夙に指摘したところだ。そ
れで何がおこったかといえば、基軸通貨のド
ルが圧倒力をもち、アメリカの世界軍事戦略の独占がおこり、新自由市場
主義経済のモデルがデファクト・スタンダードとして世界中にふりまかれた。


このすべてがグローバリズムの無敵の進軍となったのだが、なかでも市場原
理主義ともいうべきグローバル・キャピタリズムが強大な力を発揮した。ア
メリカはこの軍事と経済にまたがる尊大な力を見せつけつつ、中東に、極
東に、南米に、徹底して政治と経済の「民主化」を迫ったものだった。日本
には日米経済協議などを通して、イラクにはミサイルを落として。
これら
世界にどんな傷痕を残したかは、いまや言うまでもない。アフガニスタ
ンもイラクもいまだに「民主化」はおこっていないのだし、グローバル・キ
ャピタリズムの進軍とともに生み落とされた「小さな政府」と「規制緩和」
を旗印にしたサッチャリズムとレーガノミクスと、そして小泉純一郎の構造
改革に代表される行き過ぎた「民営民主主義」の後遺症も、いまなお治癒し
ていない。
冷戦終結後という“最近の事情”をとっても、ざっとこのくらい
の民主主義の分化と変質がおこっている。“変貌”はあきらかなのである。

これでは、もはやいちいち民主主義と言わなくてもいいじゃないかという
気がするが、そんなふうに見えてしまうのは、そもそも民主主義という概
念が「多様と統合」のあいだで、「民主主義と自由主義」のあいだで、「
自由主義と資本主義」のあいだで、さらには「民族と個人」や「国家と組織
や「企業と社会」のあいだで、あるいは「ナショナリズムとポピュリズム
のあいだで、「大きな政府」と「小さな政府」のあいだで、歴史的にもひ
どく揺れてきたからだった。
なかで、最も歴史的に古い「揺れ」は、民主
主義と自由主義の、仲がよさそうで、なかなかそうはいかない関係にあら
われている。

そもそも民主主義(democracy)とは、いくつもの政治体制のなかの、ひ
とつの統治形態をあらわす用語であった。デモクラシーは、正確に翻訳す
るなら「民主政」である。民主政は古代ギリシアでは「民衆の権力」
(demokratia)の意味で、王政と貴族政と並ぶポリスの統治形態のことだ
った。
そうした民主ポリス(中世の自治都市なども)は自己領域をかたく
なに守って、しばしばハリネズミのように武装した。アテネもスパルタも
そのように武装した。民主政はその理念に反して当初から排他的だったの
である。


それでも統治(ガバナンス)の主体が「民」であるなら、それは民主主義
ということになるのだが、ところが歴史上、これが必ずしも政治上の統治
形態を表明してはこなかった。たとえばイギリスの統治形態は今日も「君
主政」であるけれど、イギリスは同時に民主主義国家なのである。天皇を
象徴にいただく
戦後日本もそうだとみなされている。
ということは、民主
主義を統治の原理とみなせば、政治の限界が民主主義の限界となり、民主
主義を民衆の原理とみなせば、統治の原理は民主主義を逸脱してしまう。
民主主義の使い方をめぐっての、いちばん難しいところが、すでにここに
あったわけである。
そこが難しくこじれていれば、いつの時代にあっても、
何をもってしても、旧体制の低迷を打破しようとするときに強力に「民主
主義!」を標榜しさえすれば、「民」はその旗に靡きやすいということに
なる。わかりやすい例でいえば、これを利用したのがヒトラーのナチス政
だった。ナチスの大勝利は「民」の待望による「民主の代表」が選ばれ
たもので、しかしその実、その代表は個人としての「総統」だったのであ
る。それゆえヒトラーらはその「個」の奥に、アーリアの血という「類」
を想定することになる。(※補足すると「敗戦虚無主義」を背景として)
   
                           この項つづく

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エネルギーと環境㊾

2024年11月12日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:11月14日】

       侘助や吾が一生も爆発期  
                    高山 宇 (赤鬼)

※かんむり座T星が爆発すると騒がれている。それも愛でたいと。




⬛ ペロブスカイト太陽電池が「大さん橋」に登場 
    苛烈な環境下で耐久性実証
「薄くて曲がる」次世代の電池として注目を集めるペロブスカイト太陽電
の実証事業が、横浜市のある「人気観光地」で始まった。宮坂力特任教
授は、「潮風に当たりながら、障害物がなくて晴れた日は一日中、日が当
たっている。 こういう厳しい状態で実証実験をするというのがまたとない
チャンスだと思う」と話す。(テレビ神奈川
将来の実用化に向け、課題とされる「耐久性」を上げるため、あえて厳し
い環境下でテストをするといい、市内の企業「マクニカ」などが共同で、
環境省の実証事業として開始するとのこと。ペロブスカイト太陽電池を大
さん橋に設置する実証事業は、来年1月末まで行われる。


図1. 蓄電池の導入量と利用目的 2018~2023年、出所:IRENA/BNE

⬛ 
世界で急増する定置型蓄電池、系統増強よりも有利
  
系統増強より蓄電池設置が加速
世界における定置型蓄電池の導入量は2010年の0.1GWhから2023年には
95.9GWhと指数関数的に増加している(図)。コストも2010年にはkWh
当たり2511ドルであったが、2023年には同273ドルと2010年から89%下
落していることが分かる。


図2. 系統用蓄電池の導入量とコストの推移(注:2010~2023年、出所
  :IRENA/BNEF)

図3●再生可能エネルギーの電源別コスト推移
図3 再生可能エネルギーの電源別コスト推移
(注:2010~2023年、出所:IRENA)

 ⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖

リチウム二次電池の安全工学的考察④

1. 特開2024-159862 正極活物質およびこれを含むリチウム二次電池 
 エコプロ  ビーエム  カンパニー  リミテッド⓶
【課題を解決するための手段】
【0137】前記有機溶媒としては、電池の電気化学的反応に関与するイ
オンが移動できる媒質の役割をすることができるものであれば、特別な制
限なしに使用され得る。具体的に、前記有機溶媒としては、メチルアセテ
ート(methyl  acetate)、エチルアセテート(ethyl
  acetate)、γ-ブチロラクトン(γ-butyrolactone)、
ε-カプロラクトン(ε-caprolactone)等のエステル系溶媒;
ジブチルエーテル(dibutyl  ether)またはテトラヒドロフ
ラン(tetrahydrofuran)等のエーテル系溶媒;シクロヘ
キサノン(cyclohexanone)等のケトン系溶媒;ベンゼン(
benzene)、フルオロベンゼン(fluorobenzene)等
の芳香族炭化水素系溶媒;ジメチルカーボネート(dimethyl
carbonate、DMC)、ジエチルカーボネート(diethy
lcarbonate、DEC)、メチルエチルカーボネート(methy
lethylcarbonate、MEC)、エチルメチルカーボネート
(ethylmethylcarbonate、EMC)、エチレンカー
ボネート(ethylene  carbonate、EC)、プロピレン
カーボネート(propylene  carbonate、PC)等のカ
ーボネート系溶媒;エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアル
コール系溶媒;R-CN(Rは、炭素数2~20の直鎖状、分岐状または
環状構造の炭化水素基であり、二重結合の芳香環またはエーテル結合を含
むことができる)等のニトリル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;
1,3-ジオキソラン等のジオキソラン類;またはスルホラン(sulfolane
)類等が使用され得る。これらの中でも、カーボネート系溶媒が好ましく、
電池の充放電性能を高めることができる高いイオン伝導度および高誘電率
を有する環状カーボネート(例えば、エチレンカーボネートまたはプロピ
レンカーボネート等)と、低粘度の線状カーボネート系化合物(例えば、
エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボ
ネート等)の混合物がより好ましい。この場合、環状カーボネートと鎖状
カーボネートは、約1:1~約1:9の体積比で混合して使用することが、
電解液の性能が優秀に現れることができる。

【0138】前記リチウム塩は、リチウム二次電池において使用されるリ
チウムイオンを提供できる化合物であれば、特別な制限なしに使用され得
る。具体的に前記リチウム塩は、LiPF、LiClO、LiAsF
、LiBF、LiSbF、LiAl0、LiAlCl、LiCF
SO、LiCSO、LiN(CSO、LiN(C
SO、LiN(CFSO、LiCl、LiI、またはLi
B(C等が使用され得る。前記リチウム塩の濃度は、0.1~
2.0Mの範囲内で使用することが好ましい。リチウム塩の濃度が前記範
囲に含まれる場合、電解質が適切な伝導度および粘度を有するので、優れ
た電解質性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動すること
ができる。

【0139】  前記電解質には、前記電解質構成成分の他にも、電池の寿
命特性の向上、電池容量減少の抑制、電池の放電容量の向上等を目的とし
て例えば、ジフルオロエチレンカーボネート等のようなハロアルキレンカ
ーボネート系化合物、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノー
ルアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n-グライム(glyme)、
ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン
染料、N-置換オキサゾリジノン、N,N-置換イミダゾリジン、エチレ
ングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2-メト
キシエタノールまたは三塩化アルミニウム等の添加剤が1種以上さらに含
まれることもできる。この際、前記添加剤は、電解質の総重量に対して
0.1~5wt%で含まれ得る。

【0140】上記のように、本発明による正極活物質を含むリチウム二次
電池は、優れた放電容量、出力特性および寿命特性を安定的に示すので、
携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の携帯用機器、およびハイ
ブリッド電気自動車(hybrid  electric  vehicle、
HEV)等の電気自動車分野等に有用である。
【0141】本発明によるリチウム二次電池の外形は、特別な制限がない
が、缶を使用した円筒形、角形、パウチ(pouch)形またはコイン(
coin)形等になり得る。また、リチウム二次電池は、小型デバイスの
電源として使用される電池セルに使用され得ると共に、多数の電池セルを
含む中大型電池モジュールに単位電池としても好ましく使用され得る。

【0142】本発明のさらに他の態様によれば、前記リチウム二次電池を
単位セルとして含む電池モジュールおよび/またはこれを含む電池パック
が提供され得る。
【0143】前記電池モジュールまたは前記電池パックは、パワーツール
(Power  Tool);電気自動車(Electric  Vehicle、
EV)、ハイブリッド電気自動車、およびプラグインハイブリッド電気自
動車(Plug-in  Hybrid  Electric  Vehicle、
PHEV)を含む電気車;または電力貯蔵用システムのうちいずれか1つ
以上の中大型デバイス電源として用いられる。
【0144】以下では、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。た
だし、これらの実施例は、ただ本発明を例示するためのものであって、本
発明の範疇がこれらの実施例により制限されるものと解されないと言える。

【0145】  製造例1.正極活物質の製造
  (1)実施例1
  硫酸ニッケル、硫酸コバルトおよび硫酸マンガンを使用する公知の共沈
法(co-precipitation  method)を用いて小粒子
の第1リチウム複合酸化物および大粒子の第2リチウム複合酸化物のNi
CoMn(OH)水酸化物前駆体(Ni:Co:Mn=91:8:1(
at%))を合成した。前記第1リチウム複合酸化物の水酸化物前駆体(
第1水酸化物前駆体)の平均粒径D50は3.0μmであり、前記第2リ
チウム複合酸化物の水酸化物前駆体(第2水酸化物前駆体)の平均粒径D
50は18.0μmであった。
【0146】次に、前記第1水酸化物前駆体および前記第2水酸化物前駆
体を30:70の重量比で混合した後、LiOH(Li/(Ni+Co+
Mn)mol  ratio=1.05±0.05)を添加した後、焼成炉で
雰囲気を維持しつつ、780℃まで1分当たり2℃で昇温して、12
時間熱処理(1次焼成)して、前記第1リチウム複合酸化物と前記第2リ
チウム複合酸化物の混合物を収得した。
【0147】次に、前記第1リチウム複合酸化物と前記第2リチウム複合
酸化物の混合物に蒸留水を投入し、1時間水洗し、真空乾燥器で120℃
で12時間乾燥させた。
【0148】次に、焼成炉でO雰囲気を維持しつつ、700℃まで1分
当たり2℃で昇温して、12時間熱処理(2次焼成)して、小粒子の第1
リチウム複合酸化物と大粒子の第2リチウム複合酸化物が所定の割合で混
合されたバイモーダル形態の正極活物質を収得した。
図4b実施例1による正極活物質を正極とし、リチウムホイルを負極とす
{るリチウム二次電池において所定の充放電条件で充放電を行ったとき、
3サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記電圧Vとし、
Y軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで示したグラ
フである。


図4 実施例1による正極活物質を正極とし、リチウムホイルを負極とす
るリチウム二次電池において所定の充放電条件で充放電を行ったとき、3
サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記電圧Vとし、Y
軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで示したグラフ
である。

【0149】  (2)実施例2
  1次焼成前に前記第1水酸化物前駆体および前記第2水酸化物前駆体の
混合物を基準として0.5mol%のNaNOを追加混合した後、熱処
理したことを除いて、実施例1と同一に、正極活物質を製造した。


図5 実施例2による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0150】  (3)実施例3
  1次焼成前に前記第1水酸化物前駆体および前記第2水酸化物前駆体の
混合物を基準として0.3mol%のBa(OH)を追加混合した後、
熱処理したことを除いて、実施例1と同一に、正極活物質を製造した。

図6 実施例3による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0151】  (4)実施例4 
820℃まで1分当たり2℃で昇温して、12時間熱処理(1次焼成)し
たことを除いて、実施例1と同一に、正極活物質を製造した。

図7 実施例4による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0152】  (5)実施例5
  1次焼成前に前記第1水酸化物前駆体および前記第2水酸化物前駆体の
混合物を基準として0.5mol%のNaNOを追加混合した後、熱処
理したことを除いて、実施例4と同一に正極活物質を製造した。

図8 実施例5による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0153】  (6)実施例6
1次焼成前に前記第1水酸化物前駆体および前記第2水酸化物前駆体の混
合物を基準として0.3mol%のBa(OH)を追加混合した後、熱
処理したことを除いて、実施例4と同一に正極活物質を製造した。


図9 実施例6による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0154】  (7)実施例7
850℃まで1分当たり2℃で昇温して、12時間熱処理(1次焼成)し
たことを除いて、実施例1と同一に、正極活物質を製造した。

図10 実施例7による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0155】  (8)実施例8
1次焼成前に前記第1水酸化物前駆体および前記第2水酸化物前駆体の混
合物を基準として0.5mol%のNaNOを追加混合した後、熱処理
したことを除いて、実施例7と同一に正極活物質を製造した。

図11 実施例8による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0156】  (9)実施例9
1次焼成前に前記第1水酸化物前駆体および前記第2水酸化物前駆体の混
合物を基準として0.3mol%のBa(OH)を追加混合した後、熱
処理したことを除いて、実施例7と同一に正極活物質を製造した。

図12 実施例9による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0157】  (10)比較例1
 700℃まで1分当たり2℃で昇温して、8時間熱処理(1次焼成)した
ことを除いて、実施例1と同一に、正極活物質を製造した。


図13 比較例1による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ 

(11)比較例2
705℃まで1分当たり2℃で昇温して、8時間熱処理(1次焼成)した
ことを除いて、実施例1と同一に、正極活物質を製造した。

図14 比較例2による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0159】  (12)比較例3
710℃まで1分当たり2℃で昇温して、8時間熱処理(1次焼成)した
ことを除いて、実施例1と同一に、正極活物質を製造した。

図15 比較例3による正極活物質に対してX軸が電圧Vであり、Y軸が
dQ/dVであるグラフ

【0160】製造例2.リチウム二次電池の製造
  製造例1によって製造された正極活物質それぞれ92wt%、人造黒鉛
(super-P)4wt%、PVDFバインダー4wt%をN-メチル
-2ピロリドン(NMP)30gに分散させて、正極スラリーを製造した
。前記正極スラリーを厚み15μmのアルミニウム薄膜に均一に塗布し、
135℃で真空乾燥して、リチウム二次電池用正極を製造した。
【0161】前記正極に対してリチウムホイルを対電極(counter 
 electrode)とし、多孔性ポリエチレン膜(Celgard 
 2300、厚み:25μm)を分離膜とし、エチレンカーボネートおよび
エチルメチルカーボネートが3:7の体積比で混合された溶媒にLiPF
が1.15Mの濃度で存在する電解液を使用してコイン電池を製造した。

【0162】  実験例1.正極活物質の構造解析
  製造例1によって製造された正極活物質に含まれた小粒子の第1リチウ
ム複合酸化物および大粒子の第2リチウム複合酸化物それぞれに対してF
E-SEM(Bruker社)を使用して断面SEMイメージを収得した
後、前記断面SEMイメージから下記の式8による結晶粒界の密度の平均
値を計算した。
【0163】  [式8]
  結晶粒界の密度=(リチウム複合酸化物の断面SEMイメージでリチウ
ム複合酸化物の中心を横切る仮想の直線上に配置された1次粒子間の境界
面の数/前記仮想の直線上に配置された1次粒子の数)
【0164】前記結晶粒界の密度の測定結果は、下記の表2に示した。
【0165】

000004
【0166】  実験例2.正極活物質の電気化学的特性の評価
  (1)リチウム二次電池のピーク強度比および電圧比の測定結果
  製造例2によって製造されたリチウム二次電池を25℃で下記の充放電
条件で充放電を行ったとき、3サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを電
気化学分析装置(Toyo、Toscat-3100)を用いて測定し、
X軸を前記電圧Vとし、Y軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値
dQ/dVで示したグラフを求め、前記グラフから式1~式6によって定
義されたピーク強度比と式7によって定義された電圧比を求めた。式1~
式6によって定義されたピーク強度比と式7によって定義された電圧比は、
下記の表3~表6に示した。

【0167】  [充放電条件] 
1サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  2サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  3サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.4V
  -充電:1C(CCCV)/放電:1C(CC)
【0168】
000005

【0169】

000006

【0170】

000007

【0171】【表6】

000008

【0172】(2)リチウム二次電池の電池容量および寿命特性の評価
  製造例2によって製造されたリチウム二次電池を電気化学分析装置(Toyo
、Toscat-3100)を用いて25℃の温度で3.0V~4.4V
の駆動電圧の範囲内で1C/1Cの条件で50回充放電を実施した後、初
期容量に対する50サイクル目の放電容量の比率(サイクル容量維持率;
capacity  retention)を測定した。
【0173】  前記方法によって測定されたリチウム二次電池の寿命特性の
評価結果は、下記の表7に示した。
000009

【0175】前記表7の結果を参考にすると、実施例1~実施例9による
正極活物質を使用したリチウム二次電池の場合、比較例1~比較例3によ
る正極活物質を使用したリチウム二次電池に比べて寿命特性が向上したこ
とを確認することができる。

【0176】  実験例3.正極活物質およびリチウム二次電池の安定性の評価
  (1)正極活物質の熱的安定性の評価
  製造例1によって製造された正極活物質の熱的安定性を評価する熱重量
分析装置(TA  Instruments、Q20)を使用して常圧のA
r雰囲気下25℃から350℃まで10℃/minの昇温速度で重量損失
を測定した。この際、それぞれの正極活物質において重量損失(熱分解)
ピークが現れる開始温度(op-set)を下記の表8に示した。

000010
【0178】前記表8の結果を参考にすると、実施例1~実施例9による
正極活物質において重量損失(熱分解)ピークが現れる開始温度(on-
set)は、比較例1~比較例3による正極活物質より高いことが確認さ
れた。すなわち、実施例1~実施例9による正極活物質の熱的安定性が、
比較例1~比較例3による正極活物質より優れていることが分かる.

[0179】(2)リチウム二次電池のガス発生量の測定
  製造例2によって製造されたリチウム二次電池を定電流0.2Cで4.25
Vまで充電した後、60℃で14日間保管して、リチウム二次電池内ガス
発生に起因するリチウム二次電池の体積変化を測定した。体積変化の測定
結果は、下記の表9に示した。
000011
【0181】前記表9の結果を参考にすると、実施例1~実施例9による
正極活物質を使用したリチウム二次電池の体積変化量は、比較例1~比較
例3による正極活物質を使用したリチウム二次電池の体積変化量より小さ
いことを確認することができる
【0182】以上、本発明の実施例について説明したが、当該技術分野に
おける通常の知識を有する者なら、特許請求範囲に記載された本発明の思
想を逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加等によ
り本発明を多様に修正および変更させることができ、これも、本発明の権
利範囲内に含まれるといえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】リチウムのインターカレーション/デインターカレーション
が可能なリチウム複合酸化物を含む正極活物質であり、前記正極活物質は、
小粒子である第1リチウム複合酸化物と大粒子である第2リチウム複合酸
化物とを含むバイモダル形態であり、前記第1リチウム複合酸化物及び前
記第2リチウム複合酸化物のうちリチウムを除いた全金属元素に対するNi
のモル比はそれぞれ50%以上であり、前記第1リチウム複合酸化物の断
面SEM像において前記第1リチウム複合酸化物の中心を横切る仮想の直
線上にある一次粒子について、下記式8で計算される結晶粒界密度の平均
値及び前記第2リチウム複合酸化物の断面SEM像において前記第2リチ
ウム複合酸化物の中心を横切る仮想の直線上にある一次粒子について、下
記式8で計算される結晶粒界密度の平均値は0.90以下である、正極活
物質。
  [式8]結晶粒界の密度=(前記仮想の直線上に配置された1次粒子の
                間の境界面の数/前記仮想の直線上に配置された1次粒子の数)
請求項2】前記第1リチウム複合酸化物の断面SEM像における前記第
1リチウム複合酸化物の中心を横切る仮想の直線上にある一次粒子につい
て、下記式8で計算される結晶粒界密度の平均値は、前記第2リチウム複
合酸化物の断面SEM像において前記第2リチウム複合酸化物の中心を横
切る仮想の直線上にある一次粒子について、下記式8で計算される結晶粒
界密度の平均値以下である、請求項1に記載の正極活物質。
【請求項3】前記第1リチウム複合酸化物の断面SEM像において前記第
1リチウム複合酸化物の中心を横切る仮想の直線上にある一次粒子につい
て、下記式8で計算される結晶粒界密度の平均値は0.50~0.88で
ある、請求項1に記載の正極活物質。
  [式8]
  結晶粒界の密度=(前記仮想の直線上に配置された1次粒子の間の境界面
の数/前記仮想の直線上に配置された1次粒子の数)
【請求項4】
前記第2リチウム複合酸化物の断面SEM像において前記第2リチウム複
合酸化物の中心を横切る仮想の直線上にある一次粒子について、下記式8
で計算される結晶粒界密度の平均値は0.67~0.90である、請求項
1に記載の正極活物質。
  [式8]
  結晶粒界の密度=(前記仮想の直線上に配置された1次粒子の間の境界
面の数/前記仮想の直線上に配置された1次粒子の数)
【請求項5】
  前記正極活物質を正極とし、リチウムホイルを負極とするリチウム二次
電池において下記の充放電条件で充放電を行ったとき、
  [充放電条件]
  1サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  2サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  3サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.4V
  -充電:1C(CCCV)/放電:1C(CC)
  3サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記電圧Vとし、
Y軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで示したグラ
フにおいて、下記の式1によって定義されたピーク強度比(A)を満たす、
請求項1に記載の正極活物質。
  [式1]
  I1/I2≧1.4
  (式1で、
  I1は、充電領域で3.0V~3.8Vの間において、hexagonal
  から  monoclinic への相変態領域に現れるピークのy軸値dQ/
dVであり、I2は、充電領域で3.8V~4.1Vの間において、
monoclinic  から  hexagonalへの相変態領域に現れる
ピークのy軸値dQ/dVである)
【請求項6】
  前記式1で定義されるピーク強度比(A)は、1.4以上1.92以下
である、請求項5に記載の正極活物質。
【請求項7】
  前記リチウム複合酸化物は、下記の化学式1で表される、請求項1に記載
の正極活物質。
  [化学式1]
  LiNi1-(b+c+d+e)CoM1M2M3
  (ここで、
  M1は、MnおよびAlから選ばれる少なくとも1つであり、
  M2およびM3は、それぞれ独立して、Al、Ba、B、Ce、Cr、
Mg、Mn、Mo、Na、K、P、Sr、Ti、W、NbおよびZrから
選ばれ、
  M1~M3は、互いに異なり、
  0.90≦a≦1.05、0≦b≦0.10、0≦c≦0.10、0≦d≦
0.025、0≦e≦0.025、1.0≦f≦2.0である)
【請求項8】
  前記第1リチウム複合酸化物の平均粒径D50が8μm以下である、請求
項1に記載の正極活物質。
【請求項9】
  前記第2リチウム複合酸化物の平均粒径D50が8.5μm以上である、
請求項1に記載の正極活物質。
【請求項10】
  リチウムのインターカレーション/デインターカレーションが可能なリ
チウム複合酸化物を含む正極活物質であり、
    前記リチウム複合酸化物のうちリチウムを除いた全金属元素に対するNi
のモル比は50%以上であり、
    前記正極活物質を正極とし、リチウムホイルを負極とするリチウム二次
電池において下記の充放電条件で充放電を行ったとき、
  [充放電条件]
  1サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  2サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  3サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.4V
  -充電:1C(CCCV)/放電:1C(CC)
  3サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記電圧Vとし、
Y軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで示したグラ
フにおいて、下記の式1によって定義されたピーク強度比(A)を満であ
り、
  [式1]
  I1/I2≧1.4
  (式1で、
  I1は、充電領域で3.0V~3.8Vの間において、hexagonal 
 から  monoclinic への相変態領域に現れるピークのy軸値dQ
/dVであり、I2は、充電領域で3.8V~4.1Vの間において、
monoclinic  から  hexagonalへの相変態領域に現れる
ピークのy軸値dQ/dVである)
  前記リチウム複合酸化物の断面SEMイメージで前記リチウム複合酸化
物の中心を横切る仮想の直線上に配置された1次粒子に対して下記の式8
で計算される結晶粒界の密度が0.90以下である、正極活物質。
  [式8]
  結晶粒界の密度=(前記仮想の直線上に配置された1次粒子の間の境界
面の数/前記仮想の直線上に配置された1次粒子の数)
【請求項11】
  前記式1で定義されるピーク強度比(A)は、1.4以上1.92以下
である、請求項10に記載の正極活物質。
【請求項12】
  前記リチウム複合酸化物の表面のうち少なくとも一部をカバーし、下記
の化学式2で  表される金属酸化物を含むコーティング層を含である、請
求項10に記載の正極活物質。
  [化学式2]
  LiM4
  (ここで、M4は、Ni、Mn、Co、Fe、Cu、Nb、Mo、Ti、
Al、Cr、Zr、Zn、Na、K、Ca、Mg、Pt、Au、B、P、
Eu、Sm、W、Ce、V、Ba、Ta、Sn、Hf、Ce、Gdおよび
Ndから選ばれる少なくとも1つであり、0≦x≦10、0≦y≦8、2≦
z≦13である)                      (了)                

 今日の言葉:






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エネルギ-と環境 ㉗

2024年09月29日 | ネオコンバ-テック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。

                        
【季語と短歌:9月29日】

         曼珠沙華灼熱地獄回避問ふ       
                    高山 宇 (赤鬼)



【今日の短歌研究】
第六十回短歌研究賞受賞後第一作五十首(抜粋2)
                                    擁 腫
                                   坂井修一
    AIもおもしろけれど薔薇咲けばブリコラージュの歌を歌はな
        生業に歌に賞来る不可思議の定年われに痛苦も来たる
      神経科・整形外科をめぐれども春は知れざり痛みのもとは
      午前九時病棟地下を歩み来てわれはひんやりPETに入る
      きらきらとリンパ腺腫のかがやくは走馬灯より存在感あり
     ああこれが麻蝉と痛みのわけなのか3D映像いったりきたり
      半世紀ひとりよがりの連なりのこころなりけむ癌招きけむ
   書生の恰どこまでもふかく尋ねをり腺腫の種別、位置とおほきさ
    うらわかき女医にぞいらふ「人生はもう十分だ」本音のごとく
         電子メールは退職金の明細書この八桁は他人事なり


❏ 高圧水素源の「ギ酸」を二酸化炭素から再生~回収した二酸化炭素
 と水素から直接合成~


【要点】
1.水素製造時に副生する二酸化炭素から「ギ酸」を直接再生する技術
 を開発
2.ギ酸の分解速度を抑制し、ギ酸生成を高速化する溶媒(HFIPを発見
3.ギ酸を使った二酸化炭素を放出しない水素貯蔵・製造システムの構
 築が可能

【掲載論文】
掲載誌:Organometallics
論文タイトル:Direct formic acid production by CO2 hydrogenation with Ir 

  complexes in HFIP under supercritical conditions
著者:Seo Ono, Ryoichi Kanega, Hajime Kawanami
 DOI:doi.org/10.1021/acs.organomet.4c00229

❏ 特開2024-123475 細胞凍結装置及び細胞凍結方法 国立大学法人信
  州大学
【要約】
下図の野如く、細胞が分散する分散液を吐出し、細胞を内包する液滴を形
する吐出部と、液滴を凍結する凍結部と、を備え、凍結部は、沸点が-137
℃未満の冷媒が貯留される貯留部と、冷媒で冷却され液滴が着弾する着弾
と、吐出部は、吐出孔から液滴を吐出するインクジェットヘッドと、吐出部と
弾部との間の空間を加熱する加熱手段と、を有する細胞凍結装置で、細胞
を内包する液滴を瞬時に凍結させることで細胞を凍結する新規な細胞凍結
装置を提供。また、このような装置を用い細胞を凍結する新規な細胞凍結方
法を提供する。

図2.細胞凍結装置100の概略断面図
【発明の効果】  上記装置構成を採用する細胞凍結装置においては、筒
状に形成されたヒータで囲まれた空間、すなわち吐出部と着弾部との間
の空間を加熱することができる。そのため、本装置においては、加熱さ
れた空間の液滴を飛翔させることで、発明の効果が得られる。

❏ 耐水性と超柔軟性を備えた超薄型有機太陽電池
  2月1日、理化学研究所は超薄型有機太陽電池を開発し、陽極を構成す
る銀と発電層との界面に酸化銀を備え、陽極と発電層との間の界面接
化技術を開発、耐水性と超柔軟性を兼ね備えた有機太陽電池の実現に成
。作製された厚さ3マイクロメートル(μm、の超薄型有機太陽電池は、
水に4時間浸漬した後もエネルギー変換効率の保持率が89%であり、水
中で30%の圧縮歪(ひず)みと復元を繰り返す機械的な変形を300回加
えた後も、エネルギー変換効率の保持率が96%という高い安定性を示す。
さらに、この超薄型有機太陽電池を水中で浸漬した状態で光を入射発電
試験を行ったところ、60分以上の連続駆動を達成ている


図7 超薄型有機太陽電池の水中での駆動試
【掲載論文】
Title:"Waterproof and ultraflexible organic photovoltaics with improved 
 interface adhesion、Nature Communications, 10.1038/s41467-024-44878-z

懐かしの音楽『関白宣言』


「関白宣言」(かんぱくせんげん)は、シンガーソングライターのさだ
まさしの楽曲、あるいはこの曲を収録した1979年7月10日に発表したシ
ングル。「関白宣言」は、さだが当時山本直純に紹介されて通っていた
京都・斗町のスナック「鳩」のママ(「お母さん」と呼んでいた)に
、「最近の男は駄目になった。だから若い娘も駄目になった。男はん、
しっかりしとくれやっしゃ、お師匠はん、そういう歌を作っとくれやっ
しゃ」と言われて作られた作品。シングル盤ではさだの最大のヒット作
であり、約169万枚というミリオンセラーを記録。

● 今日の寸評




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エネルギ-と環境 ㉓

2024年09月25日 | ネオコンバ-テック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。







【完全循環水電解水素製造技術概論 ⑧】
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
世界で電力を使えない人は6億7500万人です。環境リスク本位制時代、
完全循環利用が設計理念となる。




再生可能エネルギーシステム・燃料電池・蓄電池・脱二酸化炭素及びメ
タネ-ションシステム・電気自動車・水素燃料製造システム・水(海水
電解システム)など開発・生産段階から織り込んだ設計(経済の社会へ
の埋め込み政策)をシリ-ズで考察していく。今回は、9月5日に掲載を

はじめてから8回目となる。正確には6月26日の【海水循環利用ビジ
ネス概論①】からはじめてきたことになるが、「水素エネルギ-産業
育成」の基本構想」が完成し、「カ-ボン・ゼロ社会」が今夜、開幕し
たことになる(順調に進めば「破局回避」できる)。ますは、関係者の
力に感謝申し上げたい。2024年9月25日 21:21
----------------------------------------------------------------
1.特開2023-124857 リチウムイオン二次電池を失活化する方法 国立
 大学法人京都大学
【要約】チウムイオン二次電池を失活化させる方法であって、(1)ハ
ロゲン化物イオン及び/又は還元剤を含む水溶液中に、前記リチウムイ
オン二次電池を浸漬する工程を備え、前記還元剤は、前記水溶液のpH
において、O2/H2Oの標準酸化還元電位よりも卑な標準酸化還元電
位の酸化還元対(Ox/Red)を有する還元体(Red)である、方
法で酸素ガスの発生を抑制しつつリチウムイオン二次電池を簡便且つ安
全に失活化させる方法の提供。

【特許請求の範囲】
【請求項1】リチウムイオン二次電池を失活化させる方法であって、
(1)ハロゲン化物イオン及び/又は還元剤を含む水溶液中に、前
記リチウムイオン二次電池を浸漬する工程を備え、前記還元剤は、
前記水溶液のpHにおいて、O2/H2Oの標準酸化還元電位より
も卑な標準酸
化還元電位の酸化還元対(Ox/Red)を有する還元体(Red)で
ある、方法。
【請求項2】前記水溶液がアルカリ水溶液中である、請求項1に記載の
法。
【請求項3】前記ハロゲン化物イオンが、塩化物イオン、臭化物イオン
及びヨウ化物イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請
求項1に記載の方法。
【請求項4】前記ハロゲン化物イオンの濃度が、1.00×10-5~3.
0mol/Lである、請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】前記還元剤が、ヨウ化物イオン、硫黄系オキソ酸イオン、
尿素化合物、リン系オキソ酸イオン、及び有機酸よりなる群から選ばれ
る少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】前記還元剤の濃度が、1.00×10-5~3.0mol/
Lである、請求項1又は5に記載の方法。
【請求項7】前記工程(1)を不活性ガス雰囲気下又は還元性ガス雰囲
気下で行う、請求項1、3又は5に記載の方法。
【請求項8】前記工程(1)において、前記水溶液がアルカリ土類金属
化合物の溶液である、請求項1、3又は5に記載の方法。
【請求項9】前記アルカリ土類金属化合物の濃度が、1.00×10-5
~3.0mol/Lである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】前記工程(1)において、前記水溶液が石灰水である、
請求項1、3又は5に記載の方法。
【請求項11】前記工程(1)の後、(2)前記水溶液中で、前記リチ
ウムイオン二次電池を開口する工程を備える、請求項1、3又は5に記
載の方法。
【請求項12】前記工程(2)を不活性ガス雰囲気下又は還元性ガス雰
囲気下で行う、請求項11に記載の方法。
【請求項13】前記リチウムイオン二次電池を開口する工程が、前記リ
チウムイオン二次電池を破砕又は切断するか、前記リチウムイオン二次
電池のケーシングを貫通する穴を開けるか、又は前記リチウムイオン二
次電池のケーシングの一部又は全部を開封する工程である、請求項11
に記載の方法。
【請求項14】前記工程(2)において、前記リチウムイオン二次電池
を開口した後に、前記リチウムイオン二次電池を10分以上水溶液中で
浸漬する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】前記工程(2)の後、(3)失活処理を施したリチウム
イオン二次電池を乾燥させる工程を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】リチウムイオン二次電池から金属元素を分離回収する方
であって、請求項11に記載の方法によりリチウムイオン二次電池を失
活化させた後、前記失活化させたリチウムイオン二次電池を粉砕し、物
理選別する工程を備える、方法。
【請求項17】リチウムイオン二次電池を失活化させるために使用され
るリチウムイオン二次電池失活化装置であって、ハロゲン化物イオン及
び/又は還元剤を含む水溶液が貯留されるチャンバーと、前記チャンバ
ー内に配置され、前記チャンバー内に投入されたリチウムイオン二次電
池を開口する機構とを備え、前記還元剤は、前記水溶液のpHにおいて、
O2/H2Oの標準酸化還元電位よりも卑な標準酸化還元電位の酸化還
元対(Ox/Red)を有する還元体(Red)である、リチウムイオ
ン二次電池失活化装置。
【請求項18】前記チャンバー上に配置され、前記水溶液の上に形成さ
れる閉鎖空間を外部から隔離するための開閉可能な蓋と、不活性ガス又
還元性ガスを前記閉鎖空間に供給するガス供給部とをさらに備える、請
求項17に記載のリチウムイオン二次電池失活化装置。
【請求項19】請求項17又は18に記載のリチウムイオン二次電池失
活化装置を備える、車両。
【請求項20】請求項17又は18に記載のリチウムイオン二次電池失
活化装置を備える、可搬性プラント。
【請求項21】請求項1、3又は5に記載の方法を用いる、リチウムイ
オン二次電池リサイクル方法。



2.特開2022-158693 アルミニウム合金を用いた水素の製造方法 アル
 ハテック株式会社
【要約】アルミニウム合金を水素製造の原材料に用いた場合に、アルカ

リ水溶液中に溶解するアルミニウム以外の成分の影響を抑えた水素の製
造方法の提供を目的とする。アルミニウム合金をアルカリ水溶液に反応
させて水素を製造する方法であって、前記アルカリ水溶液中に溶解され
た前記アルミニウム合金に含まれるアルミニウム以外の成分を不溶化し
除去するための不溶化補助剤が前記アルカリ水溶液に添加されているこ
とを特徴とする。
【発明の効果】  水素の製造方法にあっては、アルミニウム合金をアル

カリ水溶液に溶解した際に、アルミニウム合金中に含まれるアルミニウ
ム以外の可溶性成分を不溶化補助剤にて反応液から除去できるとともに
アルカリ成分が再生されるので、効率よく水素を製造することができる。
【特許請求範囲】
【請求項1】アルミニウム合金をアルカリ水溶液に反応させて水素を製

造する方法であって、前記アルカリ水溶液中に溶解された前記アルミニ
ウム合金に含まれるアルミニウム以外の成分を不溶化し除去するための
不溶化補助剤が前記アルカリ水溶液に添加されていることを特徴とする
水素の製造方法。
【請求項2】アルミニウム合金をアルカリ水溶液に反応させて水素を製
造する方法であって、反応液中に含まれる前記アルミニウム合金中のア
ルミニウム以外の成分を不溶化し除去するための不溶化補助剤を前記反
応液中に添加し、前記アルカリ水溶液を再生し、再利用することを特徴
とする水素の製造方法。
【請求項3】前記不溶化補助剤はCaSO4,CaCO3,CaCl2,
Ca(OH)2,MgSO4,MgCO3,MgCl2,Mg(OH)2,
FeSO4,FeCO3,FeCl2,Fe(OH)2のうち、いずれ
か1つ以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の水素の製造方

法。



3.特開2024-12588 樹脂とアルミニウムとの複合材料からの資源回収

 法 株式会社 アルハイテック株式会社
【要約】樹脂とアルミニウムとの複合材料を、アルカリ水溶液と反応さ
せることで水素を得るとともに、前記複合材料中のアルミニウムを除去
するステップと、前記複合材料からアルミニウムが除去された樹脂とア
ルミニウム溶解アルカリ水溶液との混合液から樹脂分を分離回収するこ
とを特徴とする。樹脂とアルミニウムとからなる複合材料からアルミニ
ウム成分を水素の発生材料として使用し、樹脂成分を溶融して樹脂材料
として再利用する資源回収方法の提供を目的とする。
【発明の効果】本発明に係る資源回収方法を用いると、複合材料からア
ルミニウムを水素として資源回収でき、樹脂を分離及び溶融することで
樹脂材として再利用できる.
【特許請求範囲】
【請求項1】樹脂とアルミニウムとの複合材料を、アルカリ水溶液と反
応させることで水素を得るとともに、前記複合材料中のアルミニウムを
除去するステップと、前記複合材料からアルミニウムが除去された樹脂
とアルミニウム溶解アルカリ水溶液との混合液から樹脂分を分離回収す
るステップと、前記アルミニウム溶解アルカリ水溶液から水酸化アルミ
ニウムを得るステップと、前記分離回収された樹脂分を溶融回収するス
テップとを有し、前記複合材料は医薬包装として用いられるPTP(P
ress Through Pack)包装材であることを特徴とする
樹脂とアルミニウムとの複合材料からの資源回収方法。
【請求項2】前記複合材料中のアルミニウム分が溶解されているアルミ
ン酸アルカリ水溶液からアルミニウム成分を水酸化アルミニウムとして
回収することで、アルカリ水溶液が再利用できることを特徴とする請求
項1記載の樹脂とアルミニウムとの複合材料からの資源回収方法。
【請求項3】 前記混合液から分離回収された樹脂分を溶融回収すること
を請求項1記載の樹脂とアルミニウムとの複合材料からの資源回収方法。




4.特開2024-94941 二次元ホウ化水素含有シート、水素貯蔵放出材料、
  発光材料、二次元ホウ化水素含有シートの製造方法 国立大学法人 

 波大学
【要約】(BH)n(n≧4)からなる二次元ネットワークを有し、赤
線吸収スペクトルにおいて、2500cm-1近傍におけるBH結合に
由来する最大吸収値に対する、1360cm-1近傍におけるBHB結
合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)が0.7以上である、二
次元ホウ化水素含有シートで、水素放出速度を制御した二次元ホウ化水
含有シート、その二次元ホウ化水素含有シートから構成される水素貯蔵
出材料および発光材料、並びに二次元ホウ化水素含有シートの製造方法
を提供する。


図1 本発明の一実施形態に係る二次元ホウ化水素含有シートの分子構
造を示す模式図

【発明の効果】水素貯蔵放出材料、発光材料等として利用可能である。


【図15】実験例1、実験例2、実験例4~実験例6で得られた二次元
ホウ化水素含有シートについて、2500cm-1近傍におけるBH結
合に由来する最大吸収値に対する、1360cm-1近傍におけるBH
B結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)と水素発生量の関係
を示す図

かしの音楽 


● 今夜の言葉:継続は力なり。


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エネルギ-と環境 ⑲

2024年09月20日 | ネオコンバ-テック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。





【季語と短歌:9月20日】 

    の蜜に親しむ紫苑晴   田中一美(ろんど)

シオン(紫苑)は、日本、中国、朝鮮、シベリアなどに分布するキク科
の多年草。秋に咲く風情のある薄紫色の花は、中国から薬草として渡来
し、観賞用としても平安時代から栽培されてきた。現在は自生している
ものは激減し、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増
大している種)に指定されているという。

【今日の短歌研究:シュルレアリスム②】


      大地をば愛するものの悲しみを嘲める九月朔日の天                                                              与謝野晶子『瑠璃光』          
          
                                                                     

読書日誌:村上春樹著『街とその不確かな壁』
P1-C16




図1:各国生活者(消費者)の環境意識

意識の低さが目立つ日本         文・二宮昌恵氏
本には「もったいない精神」や省エネ・リサイクルの取組など、古
くから根付く環境意識がある一方で、温暖化に伴う異常気象や災害の
増加など気候変動対策が待ったなしとなる今、諸外国と比べると生活
者としての気候変動問題に関する意識の低さが目立つという(環境ビ
ジネス。
2024年秋季号)。2022年に公表された消費者意識調査で、新興国を含

む10か国と比べると日本の消費者の環境意識の低さが浮き彫りとなっ
た。「自分の行動が気候変動に与える影響を気にしているか」「気候
変動対策として自分の消費を制限できるか」といった問いに対し、「
気にしている」「制限できる」との回答割合が、いずれも日本が最下位
(上図1)。
マクロミルによる15か国20都市の消費者意識調査でも同様の傾向にあ

る、環境問題を重要課題との回答割合は、19都市平均76%に対して、
東京は下から2番目の60%。2022年に公表された消費者意識調査では、
新興国を含む10か国と比べ、例えば「自分の行動が気候変動に与える
影響を気にしているか」「気候変動対策として自分の消費を制限でき
るか」といった問いに対し、「気にしている」「制限できる」との回
答割合は、いずれも日本が最下位(同図1)。マクロミルによる15か国
20都市の消費者意識調査でも同様。環境問題を重要課題との回答割合は、
19都市平均
76%に対して、東京は下から2番目となる60%。更に顕著なのは、「

商品を選ぶ際に環境配慮を気にするか」といった購買行動についての
回答は「当てはまる」とした回答の割合は、東京は2割と19都市平均の
6割を大きく下回った(同図2)。この傾向は若年層にも当てはまる。
日本を含む11か国の16~25歳を対象とした気候不安に問する意識調査
では、気候変動への影響を「心配している」と答えた割合は、日本は
16%と最下位。
更に顕著なのは、「商品を選ぶ際に環境配慮を気にするか」といった

購買行動についての回答で、「当てはまる」とした回答は、東京は2割
19都市平均の6割を大きく下回った(図2)。この傾向は若年層にも当
まり、日本を含む11か国の16~25歳を対象とした気候不安に問する意
識調査において、気候変動への影響を「心配している」との割合は、
日本は16%と最下位、10か国平均59%と大きく離れている。
また、気候変動がもたらす感情について、日本は「不安」が7割超と高
く、平均を上回るも、「怒り」といった負の感情や「罪悪感」といっ

た自己を責める感情は平均の半分以下に留まる点が特徴的である。 

気候変動から連想するネガティブな未来のシナリオについても、自分

には当てはまらないとの見通しを持つ人の割合が平均より高かった。
 諸外国と比べると、気候変動への不安はあれ、どこか楽観視しており、

自身の生活や行動とは切り離された問題として捉える意識が、現在の日
本では主流といえる。

気候変動は「他人ごと」?
暮らしの中で意識しづらい理由    
では、こうした違いはなぜ生じるのだろうか。設問からイメージする事
象や行動水準の違いなど、数値を鵜呑みにできない点もあるかもしれな
いが、ここでは2つの要因を挙げる。
①ひとつは、気候変動がもたらす危機に対する実感の違いだ。国内でも

猛暑や豪雨など異常気象への認識は高まっている。
②る。一方、居住地に迫る大規模な山火事や、干ばつ・水害リスク等に
さらされている国々では、自身の生活や未来ヘの危機感が段違いに大き
いと考えられる。 例えば、インドでは熱波により気温50度も記録する
一方、エアコン普及率は3割程度とも言われ、健康被害は勿論、農作物
への打撃や水の確保など生活に影響を及ぼしている。ブラジルでは、大
雨や干ばつによる被害が深刻だ。本は、元より気象災害が多いことや、
自然環境やインフラり主環境等が相対的に恵まれていることから、変化
の度合いや切実な危機感を実感しづらく、気候変動を自分ごと化する人
が少ないのかも知れない。
 もうひとつ、環境意識を醸成しにくい素地も考えられる。欧州などで

は環境教育が根付いている国も多い。ドイツは「次世代のために自然を
守る責任」を国民レベルで意識付けるべく、1970年代から学校での環境
教育を取り入れている。北欧諸国やイタリアなど、環境学習を必修化し
ている国もある。


出所:株式会社マクロミル
「TheLIFE20-世界20都市の消費者生活・意識調査(2023)-」より筆者作成


 前述の調査では、「他の人と気候変動について話さない」との回答も

日本が突出して多かった。関心の低さの裏返しでもあるが、知識を得る
機会が限定され、話題にも挙がらない状況下では、関心が高まりにくく、
自身の行動の影響も想像しにくいというのは当然だろう。

環境より便利な生活行動変容には後ろ向き
環境問題への意識の低さは、当然ながら生活者としての行動変容のハー
ドルの高さに直結する。行動を変えることヘの後ろ向きな姿勢は前述の
通りだが、行動変容の障害を問う設問において、日本は「よりお金がか
かる」という各国共に着目すると、今後の意識変化の兆しも見受けられ
る。
 国内のサステナビリティに関する消費者意識調査*4では、「気候変動
問題に関心がある/行動を変えた」と回答した割合は、10代並びに50-

代が高かった。環境負荷の少ない買い物への意欲も、10代が最も高い結
果となっている。通の回答に加え、「手間がかかる/不便」「何かでき

るかわからない」との回答も高いことが特徴的であった*1.「便利な暮
らしが当然の前提であり、危機の実感もないため手放す必要性も感じな
い」「何をしたらいいのか、知識や情報が乏しい」という状況が伺える。
別の意識調査*5においても、環境・社会を意識した購買行動への意識は
10代及び60-70代が高い。10-20代は、1年前の調査から数値の上昇も見
られる。
 特に若年層の間でこうした傾向が続いていくならば、時間はかかって

も、環境問題を自分ごとと捉える生活者が増え、暮らし(消費)とビジネ
ス・社会構造の両面から環境問題にアプローチする人材が増えていくの
ではないかと筆者は期待している。

更なる環境意識の醸成が必要
 現在、企業はカーボンニュートラルや生物多様性保全など、サプライ
チェーン全体で地球と社会の持続可能性の向上を目指し、ビジネスモデ
ルの転換すら視野に入れる先もある。しかし、企業が本質的に必要な取
り組みを始めても、生活者サイドの意識が伴わず、その価値が消費意思
決定のプロセスで評価されない10代の環境意識は相対的に高い。
ここまで、国内外の環境意識の温度差について見てきた一方、国内の状

況い限り、その努力も「外部の規制強化に伴う単なるコスト増の取り組
み」と化し、よほどの信念がない限り長続きはしないだろう。そうなっ
た先にある、未来の地球環境はどうなっているのだろうか。
 持続可能な社会の実現に向けては、政策や企業対応のみならず、生活

を含む社会の価値観全体の変化という「両輪」が必要となると。次世代
を担う若者を中心に、更なる環境意識の醸成/価値観の変化が進み、社
会の変革を牽引していく未来を期待したい。
 一方、意識の高い若者からは、「期待だけを押し付けて自分は変わろ

うとしない大人」への失望感や徒労感の声を聞くこともある。私たち一
人ひとりが世界とのギャップも含めて現況や課題を認識し、若者が希望
を持って行動できる環境を今整えていくことが求められている。
                             以上


MBC日興証券株式会社経営企画部サステナビリティ推進室SMBC日興証券
株式会社に入社後、法人営業や債券引受業務などを経て、株式会社日本
総合研究所に出向し。企業のサステナピリティに関する取組評価や地方
自治体のSDGs推進に向けた制度設計などに従事。2024年4月に復職し、
経営企画部サステナピリティ推進室にて、同社における環境・社会への
取り組みの企画・実行に従事。



 次世代透明ディスプレイ
新たなデジタル屋外広告 
微細加工技術を応用し、製品ラインアップを拡充
9月5日、住友化学は、100%子会社である韓国の東友ファインケム株式
会社(以下、東友ファインケム)において、次世代通信関連製品「ガラ
ス透明LEDディスプレイ」を実用化し、同国内で販売を開始した。タッチ
センサーなどディスプレイ材料で培ってきた微細加工技術を応用する新
事業として、20年代後半に数十億円規模の売上収益を目指す。当社グル
ープは、ICTソリューション&モビリティ事業を成長ドライバーの一つ
に位置付けており、独自技術を活かした製品ラインアップおよび事業領
域の拡大へ積極的に取り組む。ガラスタイプの透明LEDディスプレイは
、東友ファインケムが従来から手がけるタッチセンサーなどで培われた
独自の微細加工技術を生かすことにより、高い透過率と高解像度の映像
提供を実現。また、ガラスタイプを採用することで、フィルムタイプの
製品と比べ、衝撃などの物理的な損傷や燃焼などの化学的な損傷にも強
い耐性を実現。


懐かしの音楽 『カ-ペンタ-ズ 
青春の輝き


「青春の輝き」(I Need to Be in Love)は、1976年にカーペンターズが発
表した楽曲。アルバム『見つめあう恋』 (A Kind of Hush) に収録され
ている。ジョン・ベティスが作詞、リチャード・カーペンターが作曲を
担当。ヒットチャートの最高順位は、アメリカは1976年6月24日のビル
ボードホット100)で25位、日本はオリコンで62位。日本で1995年にテレ
ビドラマ「未成年」
でエンディングテーマに用いられ、1983年に逝去し
たカレンを知らない若年層に大好評を博した。これを受けて日本向けに
編集して発売、ベスト・アルバムCD『青春の輝き〜ベスト・オブ・カー
ペンターズ』は230万枚以上を売り上げ、「未成年」のオープニングテ
ーマ「トップ・オブ・ザ・ワールド」をカップリングしたCDシングルも
発売され大ヒット。

The hardest thing I've ever done is keep believing
There's someone in this crazy world for me
The way that people come and go
Through temporary lives
My chance could come and I might never know

● 今夜の言葉: 可もなく不可もなく

                 いまは亡き池田修治座右の銘


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エネルギ-と環境 ⑱

2024年09月18日 | ネオコンバ-テック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。

【季語と短歌:9月18日】 
【今日の短歌研究:シュルレアリスム②】



【読書日誌:村上春樹著『街とその不確かな壁』】

P1-C16
 尾根から下ってきた水の流れは、今では堅く塗り込められた東門のわ
きから壁の下をくぐり抜け、その姿を我々の前に現し、街の中央を横切
って流れる。人間の脳が左右に分割されているのと同じように、街はそ
の川によっておおよそ南北半分ずつに分割されている。
 川は西橋を過ぎたあたりで向きを左に変え、緩やかな弧を描きながら
、小高い丘の間を抜けて南の壁に達する。そして壁の手前で流れを止め
、深い「溜まり」を形成し、その底にある石灰岩の洞窟に呑み込まれて
いく。南の壁の外には、ごつごつとした石灰岩地の荒原が見渡す限り続
いているということだ。それはずいぶん荒ぶれた、奇怪きわまりない風
景であるらしい。そしてその荒原の地下には、無数の水路が血管のよう
に張り巡らされているという。暗黒の迷宮だ。
 ときおりそのような暗黒の川筋から迷い出てきたらしい不気味な姿の
魚が、川岸に打ち上げられた。そんな魚たちの多くは目を持たなかった
(あるいは小さな退化した目しか持たなかった)。そして太陽ので不快
きわまりない異臭を放った。とはいえ、実際に私がそのような魚を目撃
したわけではない。ただそういう話を聞いただけだ。そのような不穏な

情報を別にすれば、川の流れはどこまでも優美で清々しいものだった。
それは辺りに様々な季節の花を咲かせ、通りに地よい水音を響かせ、獣
たちに新鮮な飲み水を提供した。川は名前を待たない。ただの「川」で
しかない。街が名前を持だないのと同じように。
 南の壁のすぐそばにあるその「溜まり」について様々な興味深い話を

聞いているうちに、私はどうしても自分の目でそれを見てみたくなった。
でも一人でそこまで歩いて行けるほど、私は街の地理に詳しくはない。
溜まりに行くには険しい丘を越えなくてはならず、その道筋はかなり荒
廃しているという話だ。だから私は君に案内を頼むことにする。いつか
曇った午後、一緒に南の溜まりを見に行くことはできないだろうかと
、私は尋ねる。
 君は私の申し出についてしばらく考え込んでいる。薄い唇がまっすぐ

堅く結ばれている。
 「溜まりにはできるだけ近づかない方がいいのよ」と君は言う(君は

今では私に慣れ、比較的親しい口調で話をするようになっている)。
「ずいぶん危険な場所なの。何人もの人がそこに落ちて穴に吸い込まれ、

そのまま行方知れずになった。そのほかいろんな怖い話がつたわってい
る。だから街の人たちはあのあたりには近寄らないようにしている」
 「離れたところから眺めるだけだよ」と私は君を説得する。「
見てみ

たいんだ。水辺に近寄らないようにすればいいんだろう」
 君は小さく首を振る。「いいえ、どれだけ注意しても、あそこの水は

を呼び寄せるの。溜まりにはそういう力がある」
 それは人々をそこに近づけないようにするため、意図的に流布された

作り話ではなかろうかと私は疑う。壁の外の世界については、恐ろしい
噂が人々の間で囁かれていたが、そのお部は辺りに様々な季節の花を咲
かせ、通りに心地よい水音を響かせ、獣たちに新鮮な飲み水を提供した。
川は名前を待たない。ただの「川」でしかない。街が名前を持だないの
と同じように。南の壁のすぐそばにあるその「溜まり」について様々な
興味深い話を聞いているうちに、私はどうしても自分の目でそれを見て
たくなった。でも一人でそこまで歩いて行けるほど、私は街の地理に
しくはない。溜まりに行くには険しい丘を越えなくてはならず、その
道筋はかなり荒廃しているという話だ。だから私は君に案内を頼むこと
にする。いつか曇った午後、一緒に南の溜まりを見に行くことはできな
いだろうかと、私は尋ねる。
 君は私の申し出についてしばらく考え込んでいる。薄い唇がまっすぐ

堅く結ばれている。
 「溜まりにはできるだけ近づかない方がいいのよ」と君は言う(君は

今では私に慣れ、比較的親しい口調で話をするようになっている)。
「ずいぶん危険な場所なの。何人もの人がそこに落ちて穴に吸い込まれ、

そのまま行方知れずになった。そのほかいろんな怖い話がつたわってい
る。だから街の人たちはあのあたりには近寄らないようにしている」
 「離れたところから眺めるだけだよ」と私は君を説得する。「どんな

ものか見てみたいんだ。水辺に近寄らないようにすればいいんだろう」
 君は小さく首を振る。「いいえ、どれだけ注意しても、あそこの水は

人を呼び寄せるの。溜まりにはそういう力がある」
 それは人々をそこに近づけないようにするため、意図的に流布作り話

ではなかろうかと私は疑う。壁の外の世界については、いろんな恐ろし
い噂が人々の間で囁かれていたが、そのおおかたは根も葉もないものだ
った。溜まりについての話(不吉な伝承)もそんな類いの脅しではある
まいか。その溜まりは何はともあれ壁の外の世界に通じているわけだし、
もし街が住人を壁の外に出したくないと思えば、そこに人を近づかせな
いための心理的な仕掛けを施すのもあり得ることだ。
そのようなおどろおどろしい話を聞けば聞くほど、私は溜まりに対して

ますます興味を抱くようになった。最後には君も根負けし、私と溜まり
まで短い徒歩旅行(あるいは長い散歩)をすることに同意する。
 「ぜったい水辺に近づかないと約束してくれる?」
 「近づかないよ。遠くから見るだけだ。約束する」
 「道は相当荒れていると思うわ。崩れたりしているかもしれない。
行き来する人はほとんどいないし、私が最後に通ったのもずいぶん以前

ことだし」
「君が行きたくないのなら、かまわない。一人で行くから」
君はしっかり首を振る。「いいえ、あなたが行くのなら、私も行く」
(P116-118)                     つづく
※こうして、気乗りのしない「物語」を再開することにした。



❏ レーザー金属積層造形機の販売を開始
9月17日、DMG森精機は,従来機に比べ積載容量の拡大と高精度な積層を
実現したSLM(Selective Laser Melting)方式のレーザー金属積層造形
機「LASERTEC 30 SLM 3rd Generation」の販売を開始(価格は1億3130万
円(税別)。
近年,幅広い業界で製品開発スピードが加速し,新しい製品や部品が短
期間で製作,販売されるようになっている。複雑形状の部品をスピーデ
ィーに加工できるAMの需要が年々増加。さらに必要な部分にのみ積層
行なうアディティブマニュファクチャリングは,無駄な切りくずの発生
低減させるため環境にも配慮したサステナブルな加工方法となる。この
製品は,同社の工作機械の設計ノウハウを反映し,試作品製造だけでな
く量産加工にも活用できるよう開発した。具体的には同社の金属積層造
機としては初めて,熱対称構造の鋳鉄製フレームを使用することで高性
を実現した。Z軸にはマグネスケール製スケールを搭載し,位置決め精
度を向上させている。 

❏ 軟X線吸収分光計測で電子状態を解析
9月17日、分子科学研究所,理化学研究所,名古屋大学は,水溶液中のポ

ルフィリン金属錯体の軟X線吸収分光計測から,その金属―配位子間の
非局在化を中心金属と配位子を分離した電子状態解析により明らかにし
た。

図1 : (a) 金属錯体水溶液のXAS計測の模式図。Fe, Co L2,3吸収端か
ら金属錯体の中心金属が、窒素K吸収端からその配位子の電子状態が分

かる。金属錯体への水分子の配位構造も調べた。(b) FePPIX, CoPPIX,
PPIXの窒素K吸収端XASスペクトル。配位子のC=N π*ピークから、金属
錯体の配位子の電子状態が分かる。つまり,この研究で開発した溶液の

金属錯体のXAS計測では,機能を発現した状態での金属錯体の電子状態
解析が可能なため,金属錯体が関わる様々な生化学現象のメカニズムの
解明が期待される。

【完全循環水電解水素製造技術概論 ⑥】
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
世界で電力を使えない人は6億7500万人です。環境リスク本位制時代
、完

全循環利用が設計理念となる。

再生可能エネルギーシステム・燃料電池・蓄電池・脱二酸化炭素及びメ

タネ-ションシステム・電気自動車・水素燃料製造システム・水(海水
電解システム)など開発・生産段階から織り込んだ設計(経済の社会へ
の埋め込み政策)をシリ-ズで考察していく。今回は、4日目。
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❏ 酸素発生電極で起きる反応過程を直接観察
7月30日(45日ほど遅れ)、高エネルギー加速器研究機構は,酸素発生
電極で起きる反応過程を直接観察できる手法「波長分散型(エネルギー
一括測定型)軟X線吸収分光法」を世界で初めて開発


太陽光を用いて水を水素と酸素に分解できる半導体光触媒は,生成した
水素をエネルギーとして使用できるため,環境負荷の低い次世代エネル
ギー源の一つ。この半導体光触媒はp型半導体材料でできた水素発生電
極とn型半導体材料でできた酸素発生電極を組み合わせてデバイスとし
て用いられている。
酸素発生電極は水素発生電極に比べ,性能のボトルネックになっている
ため,システム全体の性能向上のために,酸素発生電極の性能向上が必
須となっている。一方で,電極上での酸素発生の反応過程には未だ不明
点が多い。特に,光触媒による水分解反応は固液界面での反応を扱うた
め,この固液界面でどのような化学種が生成し,どのように反応が進行
するかがデバイスの特性を左右すると考えられる。

研究グループは今回,モデル触媒として,本多・藤嶋効果で知られる酸
化チタンに着目し,波長分散型(エネルギー一括測定型)軟X線吸収分
光法を用いることで,酸化チタンの固液界面における化学反応(酸素発
生反応)を観察。この手法を用いると,さまざまなエネルギーを持つ軟
線の吸収の大きさを一度に測定することができるため,化学反応中に現
れる化学種の時間変化をリアルタイム観察することができる。


軟X線吸収分光法は金属酸化物半導体の表面・界面における化学種やそ
の電子状態を観察できる強力な手法。電位をスキャンしながら(または
UV光や可視光を照射しながら)固液界面の触媒反応時の電極/電解質
溶液界面に生じる化学種をリアルタイムかつオペランド測定することで,
触媒電極表面近傍に吸着した中間体や発生した酸素を観察することがで
た。これにより,水分解時の酸素発生電極の表面近傍に生じた中間体
や酸素を,反応させながら観察することができた。水素燃料を活用した
社会のカーボンニュートラル化をはじめとする社会課題の解決に向けた
材料開発への貢献が期待される成果となる。
【論文情報】
・Real-time and operando observation of intermediates on TiO2 hotoelectro-
catalysis by soft X-ray absorption spectroscopy
・Electrochemistry Communications 165, 107771 (2024
・DOI: https://doi.org/10.1016/j.elecom.2024.107771

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【鍵語】海水電解 水素製造 カ-ボンゼロ
2.特開2024-103338 水電解システム及びその制御方法 株式会社日
  立製作所
【要約】下図4のごとく、水電解システムは、電力変換器の交流側接
続端が交流電力系統に接続されており、少なくとも1つの電解スタッ
クと、少なくとも1つの電解スタックに遮断器が接続されて構成され
る直列回路が電力変換器の直流側接続端に接続されており、コントロ
ーラは、直列回路から電解スタックを解列する前に、電力変換器が直
流側接続端に流す電力を低下させる速度を、交流電力系統の電圧の振
幅の基準値からの差分が所定値未満となる速度としながら、直流側接
続端に流す前記電力を低下させ、遮断器が内部の直流回路を切断可能
な電力に到達した際に、直流回路に接続された遮断器を切断して、直
列回路から電解スタックを解列する。

図4.解列時のシステム動作および系統電圧を示すタイムチャート
3 三菱重工業株式会社.特開2024-110487 反応器およびカーボン
リサイクルシステム 
【要約】下図1のごとく、炭酸カルシウムおよび水素を含む原料から、
一酸化炭素および前記水酸化カルシウムを生成するための反応器は、前
記炭酸カルシウムおよび前記水素を供給するための少なくとも一つの入

図1.カーボンリサイクルシステムの概略構成を示す図
【符号の説明】10、10A~10C :反応器 11、11B~11C
:反応器本体 12、12B~12C :入口ポート(第1入口ポート)
13 :第1原料供給ライン 14 :入口ポート(第2入口ポート)
15 :第2原料供給ライン 16、16B :出口ポート 18 :触媒
30 :第1貯蔵部 32 :加圧ホッパ 33 :開閉バルブ 34 :
制御バルブ 40 :水素供給源 40A :水電解装置 50 :固気分
離装置 60 :変換装置 70 :第2貯蔵部 
【発明の効果】本発明の少なくとも幾つかの実施形態によれば、上記構
成の反応器において、炭酸カルシウムCaCO3と水素との反応により、
一酸化炭素および水酸化カルシウムCa(OH)2が生成される。水酸
化カルシウムCa(OH)2は、水溶液中において炭酸イオンと反応し、
炭酸カルシウムCaCO3に容易に変換可能である。このため、上記構
成の反応器を採用することで、カルシウムのリサイクル経路の実現が可
能となる。よって、炭酸カルシウムCaCO3をカーボンキャリアとし
て利用したカーボンリサイクルシステムの経済合理性を改善することが
できる。
口ポートと、前記入口ポートを介して供給される前記炭酸カルシウムお
よび前記水素を反応させて、前記一酸化炭素および前記水酸化カルシウ
ムを生成するための反応器本体と、前記反応器本体から前記一酸化炭素
及び前記水酸化カルシウムを含む反応生成物を取り出すための少なくと
も一つの出口ポートと、を備えるたる炭酸カルシウムをカーボンキャリ
アとして利用する場合の経済合理性に優れた反応器およびカーボンリサ
イクルシステムを提供する。




4.特開 2020-176309水電解システム及びその制御方法 本田技研工
 業株式会社
【要約】下図1のごとく、水電解システム10は、酸素ガスよりも高
圧の水素ガスを製造する。ペルチェ冷却器84は、水素ガス流路18
の気液分離器80と背圧弁20との間に設けられ、水素ガスを冷却し
て除湿する。温度センサ86は、ペルチェ冷却器84の周辺温度を測
定して温度測定値を出力する。圧力センサ78は、水素ガス流路18
のカソード14と背圧弁20との間の水素ガスの圧力を測定して圧力
測定値を出力する。制御部22は、温度測定値が、圧力測定値に対応
する水の凝固点を超える目標温度となるように、ペルチェ冷却器84
による冷却温度を制御する。目標温度の少なくとも一部は、圧力測定
値が高いほど低くなる。小型且つ簡素な構成で、水素ガスを効果的に
除湿できる水電解システム及び制御方法の提供。

【符号の説明】10…水電解システム 12…アノード 14…カソー
ド 16…水電解装置 18…水素ガス流路 20…背圧弁 22…制
御部 78…圧力センサ 80…気液分離器 82…脱圧弁 84…ペ
ルチェ冷却器 86…温度センサ 96…ペルチェ素子
【発明の効果】 水素ガスに含まれる水の凝固点は、該水素ガスの圧
力に応じて変化し、水素ガスが高圧であるほど水の凝固点は降下し、
水素ガスが低圧であるほど水の凝固点は上昇する。この水電解システ
ムのペルチェ冷却器では、温度測定値が、水素ガスの圧力測定値に対
応する水の凝固点を超える目標温度となるように水素ガスを冷却する。
目標温度の少なくとも一部は、圧力測定値が高いほど低くなる。この
ため、上記のように水素ガスを冷却することで、水素ガスに含まれる
水分が凍結しない範囲で、該水素ガスを凝固点に近づけて、飽和水蒸
量を効果的に低減させることが可能となる。その結果、ペルチェ冷却
器を用いた小型且つ簡素な構成で、水素ガスを効果的に除湿すること
が可能となる。

 
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エネルギ-と環境 ⑭

2024年09月10日 | ネオコンバ-テック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。


【季語と短歌:9月11日】 

     二百十日垣根剪定長火照り 
                 高山 宇(赤鬼)



【季語と短歌:角川短歌9月号より】                     
 未来山脈                第24回未来山脈新人賞
   
                       中行宣之
                     (なかむら・のぶゆき)
        一九七〇年滋賀県生れ。二〇二三年「未来山脈」入社。
          三十一文字で歌を詠む私にとって、湖国の歌人に
         口語自由律歌人の宮崎信義先生や井伊文子先生がお
         られたことは驚きでした。さっそく歌集を手に取り、
         こんな表現方法もあるのかと関心を持ちました。現
         在は三十一文字でも自由律でも歌を詠む日々。そん
         な私も「私」です。


梅雨の内緒話に聞き耳を立てる 雨滴は日々を湿らせ紫陽花を色づかせる


雨脚が穏やかになるまできみの話を聴く手渡す傘は初めから持っていない


ワイヤレスイヤホンで湿った喧騒をふさぎ空気がながれない街をただよう


黒い傘に埋もれ地下道をうつむき歩く真夏を浴びるこどなく今日が終わる


すれ違う「量産型のス-ツ」たち 目ぢからど真新しい靴の光は隠せない

                   特集 結社賞受賞歌人大競泳




 世界初、AI搭載「太陽光パネル設置ロボット」
   どんな天気や日差しにも対応/
3年内に5GW設置予定
米国でついにAI(人工知能)を活用した太陽光パネル設置ロボットが登
場した。産業社会のあらゆる場面でAIが活用され始めたなか、太陽光市
場でも応用が始まるのだろうかと思っていた矢先、7月末に発表された。
「マキシモ(Maximo)」と呼ばれるこのロボットは、「画期的な何かが
起こる兆しが…」と題するライブイベントで、お披露目された。



マキシモは、初のAIを搭載した太陽光発電設置ロボットで、具体的には、
コンピューター処理によるビジョン(画像)と生成AIを使用して太陽光
パネルを効率的に架台に取り付けていく。
太陽光パネルの画像処理は非常に難しい作業。屋外では日差しの状態は
天気や時間によって常に変化し、太陽光パネルのピックアップと取り付
け位置が同じにならない。この課題に対処するために、マキシモはコン
ピュータービジョンとセンサーを活用して、太陽光パネルをピックアッ
プする場所と取り付けタイミングを正確に把握し、ギラギラする太陽の
反射によって失われたピクセル(画像データ)を生成 AI が補う。これ
によりマキシモは、どのような日差しの状態でも的確に動作し続けるこ
とができる。


どんな天気や日差しにも対応
AESによると、マキシモは、「太陽光パネルの設置をエンド・ツー・エン
ドで完全に自動化できる、最初で唯一のロボット」で、メガソーラー(
大規模太陽光発電所)の施工期間とコストを半分にカットできる。屋外
では日差しの状態は天気や時間によって常に変化し、加えて太陽光パネ
ルのピックアップと取り付け位置が同じになることはない。この課題に
対処するために、マキシモはコンピュータービジョンとセンサーを活用
して、太陽光パネルをピックアップする場所と取り付けタイミングを正
確に把握し、ギラギラする太陽の反射によって失われたピクセルを生成
 AI が補う。これによりマキシモは、どのような日差しの状態でも的確
に動作し続けることができる。マキシモは、あらゆる太陽光パネルに対
応するという点で、テクノロジー・アグノスティック(Technology agnostic
=特定の技術、フレームワークに依存しないこと)であり、さまざまな
トラッカー(追尾装置)やマウント(架台) システムとの互換性を継続
的に拡張する。


 AESは、米インターネット通販大手の米アマゾン・ドット・コム(Amazon.
com=以下アマゾン)との契約に基づき、カリフォルニア州カーン郡で米
最大の「メガソーラー+蓄電池」プロジェクトの建設にマキシモを活用す
る。「ベレフィールド・ソーラー・プラス・ストレージ」と呼ばれる
プロジェクトは、連系出力500MWもの巨大な太陽光発電所に、連系出力
500MW、容量2000MWh(2GWh)というギガレベルのエネルギー貯蔵設備が
併設され。今月に入り建設が開始された。マキシモのようなAI搭載の設
置ロボットが登場したことで、今後、太陽光発電所の建設現場は、従業
員の安全性を維持しつつ、設置スピードが飛躍的に向上する可能性がで
てき、メガソーラーの規模拡大と、建設コストの削減を促す。



小型EVトラック「eキャンター」


❏  EVバッテリー「材料回収」の実証設備建設
三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)は、川崎市に本社を置く商
用車メーカー。ダイムラートラック社が89.29%、三菱グループ各社が10.71%
の株式を保有。90年以上の歴史を持つFUSOブランドのトラックやバス、
産業用エンジンを世界約170の市場向けに開発・製造・販売。日本初の量
産型電気小型トラック「eCanter」による電動化や、運転自動化では大型
トラック「スーパーグレート」に国内商用車初のSAEレベル2相当の高度
運転支援技術を実装するなど、先進技術の開発に積極的に取り組む。
eCanter」は、MFTBCが2017年に発売した日本初の量産型電気小型トラ
ック(バッテリーEVトラック)です。温室効果ガスを排出せず、CO2削減と
いう社会課題の解決に貢献しつつ、静穏かつ低振動というEVトラックの
特性により、都市内輸送・深夜早朝の輸送をより快適・低負荷で行える。
2023年3月にフルモデルチェンジして発売した新型モデルは、シャシライ
ンアップや架装バリエーションの拡大、ニーズに合わせた航続距離の展
開により、さらに多様なニーズへの対応が可能。日本のほか欧州31市場
やオセアニア地域に加え、インドネシアや台湾といったアジア地域およ
び中東・南米など、アジアなどさらなる海外市場への新たな展開も進め

図1.電極材料のライフサイクル

三菱ふそうトラック・バスは、シンガポールのスタートアップTrue 2 M
aterials (T2M)と共同で2025年初めに、電気自動車(EV)の使用済み
電池から正負極材などの材料を回収する実証実験を開始する。



❏ バイオマス発電の排ガスでスギを促成栽培
  脱炭素と木材不足解消へ

住友大阪セメントは、バイオマス発電所の排ガスに含まれる二酸化炭素
(CO2)を利用してスギ苗木を促成栽培する実証実験を開始。
バイオマス発電とCO2の回収・貯留技術を組み合わせた「BECCS(ベック
ス、Bioenergy with Carbon Capture and Storage)」の1つといえる。実証実
験は農林業用環境制御盤の開発・製造・販売などを手掛けるオムニア・
コンチェルト(東京・港区)と共同で実施。住友大阪セメントによると、
国内にバイオマス発電所が急増した影響で、燃料となる木質チップが逼
迫している。また、昨今のCO2削減の流れから木材を利用した建築物が増
加傾向にあり、建築用木材の需給逼迫も想定される。
そこで、CO2を利用し苗木を促成栽培する検討を開始した。植物は高濃度
のCO2環境下で成長が速くなるとされている。住友大阪セメントの栃木工
場における電力供給を担う木質バイオマス発電所から出る排ガスを浄化・
圧縮。それをCO2源としてスギ苗木を育苗するハウスに送り、促成栽培を
実施。



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エネルギ-と環境 ⑬

2024年09月09日 | ネオコンバ-テック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。

【季語と短歌:9月10日】 

             
         菊の酒四十七本 で、一杯   
                     高山 宇
(赤鬼) 

【今日の短歌研究 ㉚:角川短歌8月号から】
                    ‐         
                                  山帽子
                      中川 昭
(海市)
          山帽子はじめて人におくりたる羞恥もいまぱ老いてなつかし

          山帽子茂みに入りて手折りしは趾欧を知らぬ.まだ若きころ

            山帽子の白き広葉をゆらしつつ神戸に老いの夜をあそべり

          ふるさどは老いゆくほどになつかしく眉より白く照る山帽子

          山帽子を持ち来しひどぱ白きシャツ白きズボンの雪国のひど

                夏草のやつれゆらめく生田川自死のみたりを沈めて達し

          死ににける乙女のあどを追はんどて勇む男の子の清き顔みゆ


          あしのやのうなひをどめが身を投げし達き無残を鈷びて帰る

          愛恋に似る火ひどつをどもしつつ八十坂をゆく眠れるどきも

    老いて待つ死もたのしみのひとつとしこの世の外に緒をつなぎをり

            ふかみゆく老いの孤愁にしろじろど鴬草ふたつ翼をひらく

                行き惑ふほどの若さもすでになく水の音きく谷川の淵

※1943年2月27日、秋田県生まれ。国学院大学文学部文学科卒業。
 現代歌人協会会員。現在「海市短歌会」代表
※しみじみと感じ入る「高齢の深き海を知る」の返し歌ですね。
 山登りの具体化これかれですが。                         

❏  貼って剥がすだけ!画期的な周期微細構造の転写技術
9月5日、NIMSとコネティカット大学の研究者からなるチームは、ポリジ
メチルシロキサン(PDMS)という汎用材料の表面に形成したナノ/マイ
クロメートルスケールの周期構造(周期微細構造)を、ガラス基板に簡
単に転写できる手法を開発。
【掲載論文】
 ・Syneresis-Driven Self-Refilling Printing of Geometry/Component-Controlled  
  Nano/Microstructures
 ・ Advanced Science 2024.8.29
  ・ DOI : 10.1002/advs.202405151

❏ 可視光から近赤外まで発光が様々に変色するマイクロビーズ
6月13日、NIMSの研究チームは、クエン酸などを主原料とした、環境に
優しいマイクロビーズ型の発光材料の開発に成功した。

【展望】このマイクロビーズは様々な色の光を発することに加え、さら
にその形状やサイズに応じて発光の波長と光の強度の分布 (発光スペク
トル) が大きく異なる。こうしたビーズごとに個性を示す発光スペクト
ルは、認証タグやバーコードになぞらえて利用することが可能だ。光を
用いてひとつひとつのビーズを同定することが可能になり、色が変わる
塗料、偽造防止用のインク生体内でひとつひとつのビーズを同定し個
別に追跡できる蛍光プローブなどが期待できる。

【掲載論文】
Rare-Earth-Metal-Free Solid-State Fluorescent Carbonized-Polymer Micro-
  spheres for Unclonable Anti-Counterfeit Whispering-Gallery Emissions from 
  Red to Near-Infrared Wavelengths
・ Advanced Science (Wiley-VCH) 2024年6月13日
・ DOI : 10.1002/advs.202400693


JAPAN TAPPI JOURNAL・62巻・12号・1488頁 - J-Stage
❏ 海水電解水素 メタン製造 有機化合物合成  二酸化炭素 触媒 光触媒

1.特開2024-119040 電極およびその製造方法 JFEスチール株式
 会社
【要約】下図1のごとく、鉄原子を50mass%以上含む基材の表
面に、厚さが10マイクロメートル以上のマッキナワイトの層を有す
るものとする、十分低い水素過電圧を有し、水素発生の速度も速く、
しかも水素発生電極上の活性物質の失活の無い、電極を提供。

図1.X線スペクトラムからピークが存在する角度を判定する方法を
  説明する図
【符号の説明】 1.ク クーポン 2 導線   3  樹脂塊
※[マッキナワイト]
  マッキナワイトは、本発明の核心部分となる化合物である。すなわち、

マッキナワイトの表層では、電解液からの水素原子の吸着(一般には、
これをVolmer過程という)と吸着水素原子の水素ガス分子化(一
般には、これをTafel過程という)が起きやすい。特に、水素過電
圧が低いと、このTafel過程が進行しやすい。しかも、マッキナワ
イトは、溶液がアルカリ性のときに安定であるため、アルカリ形水電解
やAEM形水電解の電解液中で化学的に安定である。また、マッキナワ
イトは硫化鉄である。従って、これまで水素発生電極の触媒として検討
されてきた、Ni-S合金、ラネーニッケル、白金及びルテニウムなど
の貴金属、酸化ニッケルおよび、Ni-Sn合金、上記の特許文献で開
示されている、物質や金属、合金、化合物のどれよりも安価である。さ
らに、マッキナワイトは、後述するように100℃以下の溶液中に浸漬
すれば腐食反応の結果として形成されるため、数百度の高温度で焼成す
る必要が無い。つまり、基材の強度低下を懸念する必要が無い。

発明の効果



【特許請求の範囲】
【請求項1】鉄原子を50mass%以上含む基材の表面に、厚さが

10マイクロメートル以上のマッキナワイトの層を有する電極。
【請求項2】  請求項1に記載の電極の製造方法であって、前記基材を、

前記基材の表面積に対する比液量が50mL/cm2以上且つ60℃超
に保たれた、濃度が1.0mass%以上のチオシアン酸アンモニウム
水溶液中に15時間以上浸漬し、前記基材の表面にマッキナワイトを形
成する、電極の製造方法。

2.特開2024-113569 触媒の製造方法、カソード、イオン交換膜-電極
 接合体及び固体電解質形電解装置 国立大阪大学 他
【要約】
銅イオン、ニッケルイオン、鉄イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、
マンガンイオン、モリブデンイオン、インジウムイオン、水銀イオン、
及びアルミニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の金属イオン
を含む化合物;担体;窒素源;並びに、前記窒素源と異なる窒素含有化
合物であって、尿素及び尿素誘導体からなる群より選択される1つ以上
の尿素系窒素含有化合物を混合する混合工程と、前記混合工程で得られ
る混合物を、焼成する焼成工程とを含む触媒の製造方法。


図1.実施形態で好適に用いられるイオン交換膜-電極接合体の模式図

図2.実施形態で好適に用いられる固体電解質形電解装置の模式図
【符号の説明】10 ガス拡散層 20 触媒層 22 アイオノマー
24 触媒 30 固体電解質(イオン交換膜) 40 アノード(陽極)
50 イオン交換膜-電極接合体 100 カソード集電板 200 カ

ソード(陰極) 300 固体電解質(イオン交換膜) 400 アノー
ド(陽極) 500 アノード集電板 600 電解液 700 電圧印
加部 800 固体電解質形電解装置


【発明の効果】


本開示の技術によれば、メジアン径が小さく、電解活性が高い触媒を製
造することができる触媒の製造方法、該触媒を含むカソード、イオン交
換膜-電極接合体及び固体電解質形電解装置に関する技術を提供するこ
とができる。

かしの音楽 『マシュ・ケ・ナダ』  &
            『フール・オン・ザ・ヒル』


セルジオ・サントス・メンデス(Sérgio Santos Mendes [ˈsɛʁʒju ˈsɐ̃tuʒ 
ˈmẽdʒiʃ]、1941年2月11日 - 2024年9月5日)は、ブラジル生まれのピア
ニスト、作曲家、編曲家、バンドマスター。「Bossa Nova」の「Nova」(
ノヴァ / ノバ)とはポルトガル語で「新しい・独自の」、「Bossa」(ボサ 
/ ボッサ)とは「素質・傾向・魅力・乗り」などを意味する。1950年代、
リオデジャネイロのコパカバーナやイパネマといった海岸地区に住む裕
福な白人ミュージシャンたちによって生み出された]。



マシュ・ケ・ナダ:」(Mas que nada) は、ブラジルのシンガーソングライター、ジョ
ルジ・ベン作曲のボサノヴァの楽曲。1966年に、セルジオ・メンデスのアル
バム『Sergio Mendes & Brasil'66 』に収録された女性コーラス入りのカヴ
ァーが大ヒットし、世界的に有名になる。このヒットでセルジオ・メン
デスが世界中の様々なジャンルの音楽ファンに知られるところとなる。
このバージョンは2015年にトヨタ自動車のコンパクトミニバン「シエン
タ」のCMソングに採用された。



ボサノバの名曲「マシュ・ケ・ナダ」などで知られ、日本でもファンが
多いブラジル音楽界の巨匠セルジオ・メンデスさんが5日、米ロサンゼ
ルスで死去。享年八十三。                 合掌

●今夜の寸評:木を見て森を見ず 古い政治の刷新を願う。




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エネルギ-と環境 ③

2024年08月28日 | ネオコンバ-テック
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。


【最新特許技術 ③】
今回は,ペロストカイト太陽電池製造技術の適応展開の創生事業と新規
材料展開インパクトの可能性を考察してみたい。

尚、作業を進めている途中、ぺロブスカイト太陽電池の水中発電及び水
電解分解の実証実験の技報が目にとまり、一気にボリュ-ムが膨れあが
り収集がつかなくなる。
---------------------------------------------------------------
7.特許751903  太陽電池の製造方法及び太陽電池 株式会社PXP他
【要約】
図1のごとくInGaSe層と、CuSe層と、InSe層と、を有す
る前駆体を形成する前駆体形成工程と、上記前駆体を加熱することによ
り結晶化させた光吸収層を得る結晶化工程と、を備える、太陽電池の製
造方法にて、太陽電池を高性能とする、高生産性の太陽電池製造方法を
提供する。
           
図1.実施形態に係る光吸収層の前駆体の概略断面図
【発明の効果】
本発明によれば、高性能と高生産性を両立させた太陽電池及びその製造
方法を提供することができる。

【特許請求範囲】
※ペロブスカイトの絡みでは「詳細説明」の2-4-2項で「追加の光
吸収層」で次のように引用されている。

太陽電池は、光吸収層104と異なる、追加の光吸収層を有していても

よい。そのような追加の光吸収層は、例えば、既に光吸収層を有する太
陽電池の第2電極層102上にさらに正孔輸送層を有し、追加の光吸収
層を有する態様が考えられ、さらなる正孔輸送層を有しない場合は、第
2電極層102上に追加の光吸収層を有してもよい。
追加の光吸収層となる化合物として、例えば、ペロブスカイト化合物、

カルコパイライト化合物又はケステライト化合物を含むものが挙げられ
る。それぞれの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上のペロブスカ
イト、カルコパイライト、又はケステライトを併用してもよい(以下略)。


※【請求項13】請求項1~12のいずれか一項に記載の方法により製
造され、前記光吸収層において、受光面側から深さ方向200nmまで
の区間におけるバンドギャップが1.1eV以上1.4eV以下であり、
受光面側からの深さ方向200nmから深さ方向400nmまでの区間

におけるバンドギャップが0.9eV以上1.2eV以下であり、受光
面側からの深さ方向400nm以降の区間におけるバンドギャップが
1.2eV以上1.7eV以下である太陽電池。

8.特開2024-098032 太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール
 ジョジアン  ジンコ  ソーラー  カンパニー  リミテッド
【要約】

図いのごとく、太陽電池は、表面に金属パターン領域と非金属パターン
領域を有する基板と、第1領域及び第2領域の基板内に位置するドーピ
ング層と、金属パターン領域の基板表面を覆う第1パッシベーションコ
ンタクト構造と、を含み、非金属パターン領域は隣接する第1領域及び
第2領域を含み、第2領域の第1領域から遠い側は金属パターン領域に
隣接し、第1領域の基板表面は金属パターン領域の基板表面よりも低く
、第2領域の基板表面は第1領域の基板表面より低くなく、かつ金属パ
ターン領域の基板表面より高くなく、基板がドーピング層の上面に露出
し、第1パッシベーションコンタクト構造は、積層された少なくとも1
層の第1トンネル層及び少なくとも1層の第1ドーピング導電層を含む。
本願は太陽電池の光電変換効率の向上に有利であり。太陽電池の技術分
野に関し、特に太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュールに関す
るものである。
      
図1 実施例によって提供される太陽電池の断面構成を示す図 
※「詳しい説明」の項目【0045】でペロブスカイトとの絡みが示さ
れている。

基板100は入射光を受光して光生成キャリアを生成するために用いら

れ、いくつかの実施例では、基板100はシリコン基板であってもよく、
シリコン基板の材料は単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファス
シリコンまたは微結晶シリコンの少なくとも1種を含んでもよい。他の
いくつかの実施例では、基板100の材料は炭化珪素、有機材料または
多成分化合物であってもよい。多成分化合物は、ペロブスカイト、ガリ
ウム砒素、テルル化カドミウム、セレン化銅インジウムなどを含むが、
これらに限定されない。

発明の効果】

【特許請求範囲】
【請求項1】 第1電極と、表面に金属パターン領域と非金属パターン
領域を有する基板と、前記第1領域及び前記第2領域の基板内に位置す
るドーピング層と、前記金属パターン領域の基板表面を覆う第1パッシ
ベーションコンタクト構造と、を含み、 前記金属パターン領域は、前
記第1電極の前記基板の表面における投影を含み、前記非金属パターン
領域は、前記第1電極の前記基板の表面における投影を含まなく、前記
非金属パターン領域は隣接する第1領域及び第2領域を含み、前記第2
領域の前記第1領域から遠い側は前記金属パターン領域に隣接し、前記
第1領域の基板表面は前記金属パターン領域の基板表面よりも低く、前
記第2領域の基板表面は前記第1領域の基板表面より低くなく、かつ前
記金属パターン領域の基板表面より高くなく、前記基板がドーピング層
の上面に露出しており、前記第1パッシベーションコンタクト構造は、
積層された少なくとも1層の第1トンネル層及び少なくとも1層の第1
ドーピング導電層を含む、ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】前記第1ドーピング導電層のドーピング元素と前記ドーピ

ング層のドーピング元素は同族元素である、ことを特徴とする請求項1
に記載の太陽電池。
【請求項3】前記第1ドーピング導電層のドーピング元素濃度は前記ド

ーピング層のドーピング元素濃度以上である、ことを特徴とする請求項
2に記載の太陽電池。
【請求項4】前記第1ドーピング導電層のドーピング元素濃度は1×

1019atoms/cm3~9×1020atoms/cm3であり、
前記ドーピング層のドーピング元素濃度は1×1016atoms/
cm3~1×1020atoms/cm3である、 ことを特徴とする
請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】 前記ドーピング層のドーピング元素の種類は前記基板の

ドーピング元素の種類と異なっている、ことを特徴とする請求項3に記
載の太陽電池。
【請求項6】前記ドーピング層のドーピング元素濃度は前記基板のドー

ピング元素濃度よりも大きい、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽
電池。
               (中略)

【請求項20】前記誘電体層に対してパターニング工程を行うことは、
 前記金属パターン領域の誘電体層上面に前記金属パターン領域に正対す

るインク層を形成することと、前記非金属パターン領域の誘電体層を除
去するように前記誘電体層を酸洗処理し、前記第1開口を形成し、前記
第1開口によって前記非金属パターン領域の前記初期第1パッシベーシ
ョンコンタクト構造を露出させることと、を含む、ことを特徴とする請
求項18に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項21】 前記第1領域及び前記第2領域の基板表面に対してドー

ピング工程を行うことは、前記第1領域及び前記第2領域の基板内に前
記ドーピング元素を拡散させ、あらかじめ設定された厚さを持つ初期ド
ーピング層を形成するように、前記第1領域及び前記第2領域の基板表
面にドーピング元素を注入することと、前記ドーピング層を形成するよ
うに、前記初期ドーピング層に対してアニール工程を行うことと、を含
む、 ことを特徴とする請求項18に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項22】 前記第1領域のドーピング層の前記第1パッシベーシ

ョンコンタクト構造に向かう側から、前記第1領域のドーピング層の前
記第1パッシベーションコンタクト構造から離れた側に向かう方向にお
いて、前記第2領域のドーピング層のドーピング元素濃度が次第に減少
する、 ことを特徴とする請求項21に記載の太陽電池の製造方法。

 ・海水発電及び自己電解デバイス

図 4 タンデム シリコン ペロブスカイト光アノードの非補助水分解性能。
a HaP/Si タンデムを使用した非補助 PEC 水分解システムの概略図。
b 変換されたシリコン ペロブスカイト光アノードの吸収面 (上) と触媒
面 (下) の光学画像。c HaP/Siタンデム光起電 J-V 曲線。スケールバ
ーは 1 cm。d 光アノードの 2電極 J-V 曲線チャンピオンデバイスから、
理論的な動作電流密度が 16.9mA/cm2 であることを示す。e 時間の経過
に伴う 2 電極の無補助水分解。f IrOx ナノ粒子と Pt 箔電気触媒の 2 
電極時間依存電圧 (15mA/cm2)。g STH と t60 での寿命に関する他の統
合 PEC タイプデバイスとの比較。t60 に到達しないデモンストレーショ
ンは、報告されている全寿命とともに示されている。

 海水発電とセルフポリッシング技術
米海軍の助成資金を受けた研究グル-プは、水中太陽電池用の新保護膜を
開発。コーティングは、生物付着と増殖による可視光線の透過率を維持
しつつ生物付着防止するもの。この太陽電池は、海軍の監視、海洋学
究、その他の用途で無人および自律型水中車両に使用されおり、汚れに
強く、光透過率を自力で維持する保護膜で、現在適用している機械洗浄
・保守整備などの定期的な労力に替わる「発電電源」を提供する目的を
もつ。その報というのは、酸化第一銅 (Cu2O) や酸化亜鉛 (ZnO) など
のナノサイズの海水可溶性顔料を超低濃度で使用し、有機殺生物剤と高
速研磨バインダーを組み合わもつ。これらのコーティング膜は海水にさ
らされると、顔料粒子が溶解し、海水がコーティング拡散多孔質層が形
成される。①この浸出層により、溶解した殺生物化合物がコーティング
から海水に拡散し。②浸出層のバインダーマトリックスは海水イオンと
反応➲制御しながら可溶性化合物を形成。③これをバランスさせ、研
磨速度を制御し、自己研磨コーティングでは、海水中で加水分解するか
どうかわからないコポリマーを使用。④加水分解が続くと、侵食された
ポリマーと溶解した顔料の前面が新しいアクリレートポリマと顔料層
を露出させ、浸出層の厚さを安定的に自己研磨させることが出来る。

研究チームは、さまざまな粒子混合物を使用、コーティングのさまざま
なバインダーシステムをテストし、バインダーとして、シルイルアクリ
レート(SA)を単独、またはロジン(SA-R)と組み合わせて70:30の重
量比で使用。粒子混合物には、ナノサイズの亜酸化銅(NC)、ナノサイ
ズの酸化亜鉛(NZ)、有機液体殺生物剤シーナイン211(SN)、ミクロン
サイズの亜酸化銅(MC)、ミクロンサイズの酸化亜鉛(MZ)が含まれる。。
200 mm × 100 mmの6 mm厚で滑らかな透明ポリカーボネート基板にコー
ティングしたパネルを、デンマークのフンデステッド港に2か月半浸漬、
2週間、6週間、10週間後に検査と写真が撮影する。
「SA-RコーティングにおけるNC、NZ、SNの複合作用により、12週間の曝
露期間を通し顕著な汚れ耐性が得られた。これは、溶解効果の相乗速度
とSA-Rバインダーの急速な研磨速度による」と研究グループは言う。
この優れたコーティングのNC顔料体積濃度 (PVC) 率は 0.04%、NZ PVC 
率は 0.08%、無溶剤コーティング ベース (SN) の重量パーセントは 3%
。同じ配合で 12週目までに完全に研磨されたが、その後コーティング
が汚れ始めた。これは、研磨率が約 1.4 μm/日と高く、従来の 5~15
μm/月 (0.15~0.5 μm/日) を上回っていることによるが、この配合の
【要約】
ペロブスカイト太陽電池で、実験室の水中条件で実験する。ペロブスカ
イト太陽電池 (PSC) は、大気中の変換効率 14.29%。海水と脱イオン 
(DI) 水環境では、それぞれ水深 10 cmで 10.49 mW cm−2と 11.88 mW 
cm −2という優れた電力密度を示す。市販のシリコン太陽電池と比較し
PSC はバンドギャップが広いため、水深レベルの影響を受けにくくなる。
量子効率測定で、ペロブスカイト太陽電池は、水中環境において 400~
800 nm の波長ではまったく影響を受けず。
さらなるテストはフロリダの海軍研究局 (ONR) によって実施され、コー
ティングは汚れがひどく暖かい海水 (22 ℃~30 ℃) で生物付着に対す
る並外れた耐性を示した。太陽光発電は 13 週間を通じてほぼ 100% の
効率を維持した。
Cu2O と ZnOのナノサイズ バージョンは、従来のミクロン サイズ バー
ジョンよりも約 20倍高価だが、開発されたソリューションに必要量が
少なく配合コストが比較的低く抑えられる。デンマーク工科大学の研究
者らは、Progress in Organic Coatings に掲載された「水中太陽電池
用の自立型防汚コーティング」でその研究成果報告。
【要約】
ペロブスカイト太陽電池で、実験室の水中条件で実験する。ペロブスカ
イト太陽電池 (PSC) は、大気中の変換効率 14.29%。海水と脱イオン 
(DI) 水環境では、それぞれ水深 10 cmで 10.49 mW cm−2と 11.88 mW 
cm −2という優れた電力密度を示す。市販のシリコン太陽電池と比較し
PSC はバンドギャップが広いため、水深レベルの影響を受けにくくなる。
量子効率測定で、ペロブスカイト太陽電池は、水中環境において 400~
800 nm の波長ではまったく影響を受けず。一方、シリコン太陽電池の
スペクトル応答は、水による光吸収のため、赤外領域 (700~1050 nm)
 で大幅低下する。水の吸収ピークは太陽電池の量子効率スペクトルで
観測される低下と一致し、水による光吸収が水中条件での光電流と電気
性能の低下の主な原因。
【掲載論文】
Nat Commun   2023 Jun 26;14(1):3797.  doi: 10.1038/s41467-023-39290-y.       
Figure S3. External quantum efficiency (EQE) in water for (a) Si solar cells 
and (b) perovskite solar cells in DI water and seawater using the integrated JSC
-EQE.

 今日の言葉:
                   
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エネルギ-と環境 ①

2024年08月25日 | ネオコンバ-テック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。




【最新特許技術 ①】
今回は,ペロストカイト太陽電池製造技術の適応展開の創生事業と新規
材料展開インパクトの可能性を考察してみたい。
----------------------------------------------------------------
1.特開2024-114519 四端子タンデム型太陽電池 株式会社エネコート
  テクノロジーズ
【要約】
随1のごとく四端子タンデム型太陽電池10は、ペロブスカイト太陽電
池100および非ペロブスカイト太陽電池200を有する。ペロブスカ
イト太陽電池100は、光が入射する側(上部)に配置されている。非
ペロブスカイト太陽電池200は、ペロブスカイト太陽電池100の下
方に配置されている。ペロブスカイト太陽電池100と非ペロブスカイ
ト太陽電池200との間に接着層300が設けられている。接着層300
はハイドロタルサイトを含み、優れた光電変換特性および優れた耐久性
を有する四端子タンデム型太陽電池の提供、
【符号の説明】
10  四端子タンデム型太陽電池、100  ペロブスカイト太陽電池、
110  支持体、120  第1の電極、130  正孔輸送層、140  
光電変換層、150 電子輸送層、160  第2の電極、200  非ペロ
ブスカイト 太陽電池。」210  第3の電極、220  シリコン半導
体、230  第4の電極、240  封止層、250  支持体、260  
バックフィルム、300  接着層
【産業上の利用可能性】
本発明の四端子タンデム型太陽電池は、光電変換素子として有用。本発
明の四端子タンデム型太陽電池は、一般的な光電変換素子(例えば、一
般的な太陽電池)と同様の用途及び使用方法で、広範な分野に適用可能
である。
【特許請求範囲】
【請求項1】一対の電極と、前記一対の電極間に設けられ、ペロブスカ
イト化合物を含有する第1の光電変換層とを有するペロブスカイト太陽
電池と、他の一対の電極と、前記他の一対の電極間に設けられ、シリコ
ン半導体または化合物半導体を含む第2の光電変換層とを有する非ペロブ
スカイト太陽電池と、前記ペロブスカイト太陽電池と前記非ペロブスカ
イト太陽電池との間に設けられた接着層と、を備え、前記接着層が、ハ
イドロタルサイトを含む、四端子タンデム型太陽電池。
【請求項2】前記接着層が、酸化ストロンチウム、酸化カルシウムから
なる群より選ばれる一種類以上をさらに含む、請求項1に記載の四端子
タンデム型太陽電池。
【請求項3】前記非ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト太陽電
池の側に配される前記非ペロブスカイト太陽電池の一方の電極の外側に
支持体を有し、前記接着層の一方の主表面が前記ペロブスカイト太陽電
池の一方の電極と接し、かつ、前記接着層の他方の主表面が前記支持体
と接している、請求項1または2に記載の四端子タンデム型太陽電池。
【請求項4】前記前記非ペロブスカイト太陽電池は、前記他の一対の電
極および第2の光電変換層を封止する封止層を含み、前記接着層の一方
の主表面が前記ペロブスカイト太陽電池の一方の電極と接し、かつ、前
記接着層の他方の主表面が前記封止層と接している、請求項1または2
に記載の四端子タンデム型太陽電池。

2.特開2024-113702 ペロブスカイト型発光性ナノ粒子 伊勢化学工
  業株式会社
【要約】
ペロブスカイト型の発光性ナノ粒子は、優れた光学的又は電子的特性を
有することなどから、有機LED、太陽電池、レーザー光源、マイクロ
LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、UVセンサー等、多くの分野
での応用が期待される材料。
ペロブスカイト型の発光性ナノ粒子であって、CuKα線を用いて測定
した粉末X線回折パターンにおける(110)面に対応するピークの半
値幅が0.53~5.5°であり、Aサイトカチオンとして有機カチオ
ンを含む、発光性ナノ粒子で、PLQYが改善されたペロブスカイト型
の発光性ナノ粒子を提供する。
【発明の効果】

【特許請求範囲】
【請求項1】
ペロブスカイト型の発光性ナノ粒子であって、
CuKα線を用いて測定した粉末X線回折パターンにおける(110)
面に対応するピークの半値幅が0.53~5.5°であり、
Aサイトカチオンとして有機カチオンを含む、発光性ナノ粒子。
【請求項2】
ペロブスカイト型の発光性ナノ粒子であって、
CuKα線を用いて測定した粉末X線回折パターンにおける(100)
面に対応するピークの半値幅が0.55~1.1°であり、
Aサイトカチオンとして有機カチオンを含む、発光性ナノ粒子。
【請求項3】
ペロブスカイト型の発光性ナノ粒子であって、
CuKα線を用いて測定した粉末X線回折パターンにおける(200)
面に対応するピークの半値幅が0.55~1.5°であり、
Aサイトカチオンとして有機カチオンを含む、発光性ナノ粒子。
【請求項4】
  Aサイトカチオンの60モル%以上が、アンモニウムカチオン、グア
ニジウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、
ピロリジニウムカチオン及びプロトン化チオウレアカチオンからなる群
から選択される少なくとも一種である、請求項1~3のいずれか一項に
記載の発光性ナノ粒子。

3.特開2024-109962 有機金属錯体および発光素子 株式会社半導体
 エネルギー研究所
【要約】
図2ごとく、キャリア輸送性を有する第1の骨格と、発光性を有する第
2の骨格とを一分子内に有し、分子量が3000以下である有機化合物
を含む発光素子用材料で、新規な発光素子用材料を提供する。または、
発光素子を作製するための工程を簡便にすることが可能な発光素子用材
料を提供する。または、発光素子を作製するためのコストを低減するこ
とが可能な発光素子用材料を提供する。または、本発明の一態様では、
発光効率が良好な発光素子を実現することが可能な発光素子用材料を提

供する。
【図2】発光素子の概略図。
【符号の説明】101 陽極 102 陰極 103 EL層 111 正孔注
入層 112 正孔輸送層 113 発光層 114 電子輸送層 115 電
子注入層 116 電荷発生層 117 P型層 118 電子リレー層 
119 電子注入バッファ層 400 基板 401 陽極 403 EL層
404 陰極 405 シール材 406 シール材 407 封止基板
412 パッド 420 ICチップ 501 陽極 502 陰極 511 

第1の発光ユニット 512 第2の発光ユニット 513   電荷発生層

本実施例で用いる発光素子の素子構造を図21に示し、具体的な構成に
ついて表1に示す。

【発明の効果】


【特許請求範囲】
※「【0133】液滴吐出装置を用いてEL層786を作製する場合に
おいて、各種有機材料や有機無機ハロゲンペロブスカイト類を溶媒に溶
解または分散させた組成物として湿式法により形成する場合」のみで表
記。

4.特開2024-107062 蓄電体 株式会社半導体エネルギー研究所
【要約】
図3のごとく、電極板を2つ折りにされた絶縁体でなるシートで覆う。
シートは電極板の周辺部で重なっている部分を接合することで、袋状あ
るいはエンベロープ状に加工されていることが好ましい。電極板は、シ
ート共に外装体に固定されている。外装体が曲げなどにより変形した場
合、電極板がシートと共に、外装体内部で滑ることができるため、電極
板への曲げによる応力を緩和することが可能である。
【発明の効果】【特許請求範囲】
正極活物質材料として、NaFeF3、FeF3等のペロブスカイト
型フッ化物が表記されているのみである

5.特開2024-105629 光電変換素子及び発電デバイス 三菱ケミカル株
 式会社
【要約】【発明の効果】【特許請求範囲】

6.特許7527510 太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール ジ
 ョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド他
【要約】【発明の効果】【特許請求範囲】
7.特許751903  太陽電池の製造方法及び太陽電池 株式会社PXP他
【要約】【発明の効果】【特許請求範囲】
8.特開2024-098032 太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール
【要約】【発明の効果】【特許請求範囲】
9.特開2024-96287フラーレン誘導体、膜、電子アクセプター、電子輸
 送材料、及び電子デバイス 国立大学法人東海国立大学機構
【要約】【発明の効果】【特許請求範囲】
10.特開2024-095333 光電変換素子 及びその製造方法 株式会社エ
 ネコートテクノロジーズ
【要約】【発明の効果】【特許請求範囲】
                                                   この項つづく

● 今夜の言葉:米が手に入らない(「令和米騒動」の前兆か)
  それにしても、政府は後手ゞがめだちだした。
  「環境リスク本位制」への対応が急がれる。

Record number of forest fires in Brazil Amazon





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最新コスパ優先SDGs室内空調器

2024年07月19日 | ネオコンバ-テック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんの
お誕生日は、2006年4月13日。

【イラストをはじめよう!①】


イラストを始め、独自のイラストを描きたくなったのはブログを書き

出してかららが、その思いがつよくなったのはつい最近。古舘春一
『ハイキュ-!!』(中国語簡体で「排球」を意味する)がきっかけ。


【季語と短歌:7月19日】

      花木天蓼なだるる崖に水奔る  芝宮留美子



梅と鶯、紅葉に鹿。木天蓼(マタタビ)は猫。実は、我々人間を含め
「生物多様性」「共生」の象徴と関係がある植物。

【今日の短歌研究⑪】
                                                    大滝和子
                                                       未来                                                       
                                            フェルメールよ                  
    

 オービットを溶かす根を張る宇宙樹のあれぱなかにいるのはだあれ
     われの祖に雪国の人多くいて長崎に行きし者ありやなしや
フェルメールと言葉交わしたオランダ人よ長崎でわれの先祖の髪を見たか
    わたくしの食卓に来るフェルメールの恋人のよう春のなぞ影
  「神奈川祭神浪裏」ダーウィンが佃煮を煮るような世界に向かう
          数学の巫女は走り始めたり羊飼の笛鳴りている
      人間のすきとおるたて軸よこ軸に太陽系外のつる草絡む
    シルクロード的なるものよ間の時空を超える箸的なるものよ
        コーヒーを卓上に置きはるかなる心惑星と永遠の鳥
心時間論、心存在論。たましいの新元素はマインド惑星をイデア海惑星に置く
                    「短歌研究」5・6月号

【特版|最新コンパクトク-ラ技術考①】
温暖化による猛暑対策として、古いクーラの修理になかなかかかれな
いなか、表題のごとく、コンパクトでコスパと高品質な室内空調器及

び除湿器の市販品の調査と関連特許を検索をはじめる。

1.JP2021124275A 卓上冷風扇 株式会社コジット
【課題】冷却能力を高めることができるとともに、湿気を帯びた潤いの
ある冷風を生成することができる卓上冷風扇を提供する。
【解決手段】持ち運び可能な卓上冷風扇1であって、空気取込口10a
及び空気吹出口10bを有するケーシング2と、ケーシング2内の空気
取込口10a側に配設される送風機40と、ケーシング2内の下部に配
設される水受トレイ20と、水受トレイ20内に貯留される水に下部が
浸されるようにケーシング2内の空気吹出口10b側に配設され、吸水
性及び通気性を有する加湿フィルタ80と、ケーシング2内における送
風機40と加湿フィルタ80との間に配設され、送風機40から加湿フ
ィルタ80に向かう空気通流方向に流れる空気を冷却する氷を保持する
保持容器60とを備えるものとする。【選択図】図2

2.JP2024026000A 卓上加湿器 株式会社ニトリホールディングス
【解決手段】卓上加湿器10は、吹出口20と、照明部12と、制御装置とを
備え、電圧を印加すると遠心ファン28が駆動され、遠心ファン28の風力
により吹出口20からミストが放出されるように設定されている。また、
電圧を印加すると、照明部12を点灯させることができる。ここで、遠心
送風機28の風量と照明部12の照度とを連動させ、遠心送風機28の風量が
大きくなるほど、照明部12の照度が大きくなるように制御装置によって
制御されている。つまり、遠心送風機28の風量が減少すると、照明部12
の照度が低下する。このように、照明部12の照度を低く設定することが
できるため、就寝時に卓上加湿器10を使用する場合には、卓上加湿器10
を加湿器としてだけでなく常夜灯としても用いることができ、常夜灯を
別途設ける必要がなくなる。
選択した図面: 図 13

【符号の説明】 10 卓上型加湿器(加湿器本体) 12 点灯部 16

 ベース(貯留部) 20 吹出口(第1吹出口) 22 底蓋 26 矩形
孔(貫通孔) 28 遠心ファン(ファン) 28A 吹出口(第2吹出口)
 32 載置面 36 円筒部(第2流路) 36A 上端(第2流路の上端)
 40 内周壁(第1流路) 44 空間部(貯留部) 50 コイルスプリ
ング 52 振動子 60 電源スイッチ 62 制御装置(制御部) 64
 軸部 10 20 30 40 50 (12) JP 2024-26000 A 2024.2.28 64A 下端(
軸部の先端) 66 コイルスプリング(付勢部材) 70 弁体 

※市販方式:①ミニミスト型:扇風機がミスト(5~7ミクロンの非常に
小さな粒子)マシーンに変身!気化熱を利用し、周囲の温度を下げるエ
コなミスト扇。工場扇の中央に貼り付け使用。

②噴霧ノズル(2流体ノズル)型:逆止弁内蔵で、噴霧停止後のボタ落
ちを防止。噴霧角度を調節。ストレーナー内蔵。
 
霧を発生させて、冷却・保湿。野外活動などの熱中症対策やイベントな
ど、広い用途。


.窓用エアコンの電気代はいくら?壁掛けエアコンと比較、節約する方法


LERIZOMは、クローゼットやトイレにも置きやすい、162mmのコンパク
トサイズで、卓上設置もできる。重量も1.4kgと軽量なため、水捨て
などのメンテナンスが簡単で、本体を移動することができる。
静音制も高く、運転音は39dbとある。
1.特開2023-107285 中空糸膜およびこれを用いた除湿器 東レ株式会社 
2.特開2010-075854 電子除湿器 オーム電機株式会社
3..特開2019-095163 除湿機 株式会社コロナ
                       この項つづく


 メタ(m-)ベンザインの常温常圧合成に成功 2024.7.17
【要点】
1.m-ベンザイン(1,3-ジデヒドロベンゼン)の常温常圧合成を

 実現
2.ベンゼン環内に広がる反転シグマ(σ)結合を含むm-ベンザイン

 の物性を実験的に明らかにした
3.新たな準安定結合/分子の発見により創薬・材料合成への新たな道
 が拓けた

 欠陥を導入した強誘電体結晶で電気抵抗スイッチングを実証 2024.7.18
【要点】
1.酸化ジルコニウム・バッファ層を用いることにより簡便な手法でシ
 リコン(Si:ケイ素)ウェハー上に大面積の強誘電体結晶薄膜の作
 製が可能にた。
2.欠陥を抑制するのではなく積極的に導入することにより、極めて安
 定した電気抵抗スイッチング特性を実現
3.脳機能模倣素子の開発研究に役立つだけでなく、高品質な強誘電体
 結晶薄膜の汎用的な作製手法として実用化が期待。

 世界最高の臨界電流密度を有する鉄系超伝導薄膜を創製 2024.7.18
【要点】
1.鉄系超伝導材料SmFeAsO1-xHx薄膜を創製し、液体ヘリ
 ウム沸点温度(マイナス269度)下で鉄系超伝導材料における世界
 最高の臨界電流密度(電気抵抗ゼロで流せる電流密度)を達成
2.創製したSmFeAsO1-xHx薄膜は、25テスラの高磁場下
 において鉄系超伝導材料の中で最も高い臨界電流密度を達成。この特
 性は、すべての超伝導材料の中で最も臨界電流密度が高い銅酸化物高
 温超伝導材料YBa2Cu3Oy薄膜に匹敵。
3.材料設計指針を用いることでSmFeAsO1-xHxとは異なる
 超伝導材料(YBa2Cu3Oy,BaFe2(As1−xPx)2
 ,FeSe1-xTex)でも飛躍的な臨界電流密度向上に成功。
--------------------------------------------------------------------------------------
【被害想定復元政策論:Ⅰ近畿圏原発事故想定事例研究①】

6 結語
以上のように,大飯3・4号機についても,高浜3・4号機についても,
い-ずれもMCCI による水素発生の不確かさの影響評価を踏まえて,解析
コードに依拠しないで,全炉心内のジルコニウム量の100%が水と反
応すると仮定して,水素濃度を計算すべきである。そして,その場合,
いずれについても,水素爆轟防止の判断基準値13%を超えること既に
述べたとおりである。したがって,過酷事故時には,水素爆発による格
納容器の損壊とそれに伴う放射性物質の大量放出という大事故が発生す
る具体的な危険性があることが明白である(以上,甲280・11~1
2頁,甲281・16~17頁「5.結語」)。以 上
                                             この項つづく




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宇宙の謎説と酷暑の七夕

2024年07月09日 | ネオコンバ-テック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんの
お誕生日は、2006年4月13日。




【季語と短歌:7月8日】

         七夕に酷暑忘れて宇宙解く 


【今日の短歌研究④】 

                          作品三十首
                         君が詩になる
                           小佐野弾

                       「7月の新作短歌集」
                     「短歌研究」7月号2024年

    まつさらな頬を光らせギャンスタになれざる君が連行される
      罪状はしらゆきなれば淡々と読み上げられてゆく逮捕状
        陽を受けて輝きやまぬ権力の色たしかなる警察手帳
  ウィンドウ越しに手錠を見せながらぺこりと詫びて君が詩になる
    ちんまりと雪の残れるさみどりの山を見上げて君しづかなり
    殉教者めいた笑顔で首を振るおまへのために吹け、からつ風

「おともだちですか」と問はれ「はあ、はあ」と答へてをれば荒くなる息
  ほんたうは好きですだとか叫んだらすべてが嘘になればいいのに
 黒ぐろとゆれる瞳を伏せてのち「ごめん」と言ひて連れ去られゆく
  息を吐く ただ息を吐くだけの午後 僕らの罪をたしかめながら
 飲みかけのレッドブルとか食べかけのグミとか全部あざやかすぎる
     留置場の冷えたる米をとつとつと喰らふ横顔すら夢なんて
 鉄格子越しにへへつとおまへなら笑ふのだらう ギャンスタだから
    喉奥に逆巻けるもの吐き出してしまへぱ楽になるなにもかも
    天国にいちぱん近いゆふぐれの香を届けたし 塀の向かうへ
       説明のできない幾百幾千のことぱを秘めてなほ薄き胸
    信じる、と決めてぼんやり待つうちに関東甲信越梅雨に入る
  レーダーがくるくるまはる 曇天のうへをさまよふ鳥を剌すため
    黒幕は君なんだよ、と見たことのない瑠璃色の顔がうそぶく
     ヘラクレス、遊女、葡萄、脈略のない初夏の夢の覚めぎは
ローソンの堀川さんに打ち明けてしまはうなんて なんて なんてね
    白壁に額を打ち付けつつ食めば酸ゆきからあげクンチーズ昧
    しづまれ、と言ひ聞かせをり耳奥を侵してやまぬ怪物たちに
     鶯がなにも知らずに嚇つてゐやがるからだ泣き止まぬのは
        イタリアの炭酸水の無色なる泡怖しき梅雨の明け方
    先々の予定ぽちぽち打ち込めばどこまで嘘かわからなくなる
 僕宛てのことづてのなく咲き狂ふ蒲公英ぐわしぐわし踏み潰したり
     虎杖の群れかきわけてゆく君の背中ひとつで許せてしまふ
     まひるまに甘きレノアの香りだけ残して去った君に幸あれ
   いつまでも僕を苗字で呼びさうなくちびるだけを信じて待つよ

作家略歴:おさの・だん:1983年、東京都生まれ。台湾在住。「かば

ん」所属。歌集に「メタリック」(第12回(池田晶子記念)わたくし
つまりNobody賞、第63回現代歌人協会賞受賞)、「銀河一族」。小説 
に『車軸』 『ピギナーズ家族』等。 
※作品集を詠みおえて終えて、「教育(者)論の系譜と構造」が過ぎ

り、次に丸山恭司著「教育において<他者>とは何か: ヘーゲルとウィ
トゲンシュタインの対比から」(2000年67巻1号 p.111-119)抄録の「
教育はユートピアを実現するための手段ではなく、われわれは学習者
の潜在的な他者性を引き受けねばならないのである」に着地し、作
集の第三〇首の「僕を苗字で呼びさうなくちびるだけを信じて待つ
」に偶然に結びついたのには驚いている。 
 
❏ 133億光年かなたの銀河に最遠方星団を観測
早稲田大学,千葉大学,名古屋大学,筑波大学らは,ジェームズウェ
ッブ宇宙望遠鏡を用いて,宇宙年齢4億6千万年の時代の星団を発見し
た。私たちの天の川銀河には,球状星団と呼ばれる,何十億年もの間,
自らの重力で集団を保ちながら生き延びてきた星団がある。球状星団
は,宇宙初期に生まれた,いわば化石のような天体であると考えられ
ているが,いつどこで形成されたのかは,未だよくわかっていなかっ
た。今回,研究グループは,ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いて
,宇宙年齢4億6千万年の時代の銀河であるSPT0615-JD1,別名コズミ
ック・ジェムズ・アークの中に,5つの極めてコンパクトな星団を発
見し,それらが球状星団の祖先である可能性を突き止めた。
【掲載論文】
論文名:Bound star clusters observed in a lensed galaxy 460 Myr after the Big
 Bang)。



 銀河の中心にダークマターを吸収して「不死身」の星が            
核融合のエネルギーで輝く太陽のような星は主系列星と呼ばれますが、

燃料である水素を使い果たすと寿命を迎えます。どのような最期にな
るのかは質量によって異なり、大抵は白色わい星のような燃え殻にな
ったり、超新星爆発を起こして中性子星やブラックホールのような高
密度の天体になったりします。しかし、銀河の中心部にある星々の中
には、普通の恒星とは異なる例外もあります。「銀河中心に最も近い
場所にある星々、いわゆる『Sクラスター星』は非常に不可解で、他
のどこにも見られない特性を持っています。例えば、星が誕生するに
は厳しい環境である銀河の中心部に、こうした星々がどうやって近づ
いたのかは明らかではありません」と関係者が話す。

    

2024年5月にプレプリントサーバー・arXivで発表した未査読の論文で、
研究チームは恒星の進化のコンピューターモデルを使ったシミュレー
ションを行い、Sクラスターの星々が暗黒物質を吸収した場合としなか
った場合とでどのような進化を遂げるかを調べた
その結果、質量が大きい星が暗黒物質を摂取すると核融合の反応が遅

れて星の成長も遅くなる。また、暗黒物質の密度が高い場合は核融合
の代わりに暗黒物質が燃焼され、星の老化が止まることも判明。星は
融合燃料の代わりに暗黒物質を摂取してエネルギー源にすることが
可能となるという。


 有機分子のりん光の高速化・高効率化に成功
【要点】
1.レアメタルを使わない、有機分子のりん光の高速化・高効率化に
 成功。そのメカニズムを解明
2.開発した有機分子のりん光効率は 世界記録を2倍以上上回り、

 りん光速度 は従来の1桁以上という 好成績を収めた
3.従来のレアメタル材料を凌駕・代替しうる有機発光材料の開発

 に期待

【懐かしの映画音楽:野生のエルザ】
『野生のエルザ』(原題:Born Free;新約聖書の使徒行伝にある、パウ
ロが彼を捕らえた兵士に言った言葉「But I was free born」(しかし、私は生ま
れながらの自由(民)です)に由来)は、ジョイ・アダムソンによる実在
のライオンを記録した1960年刊行のノンフィクション作品。1966年公
開のイギリス映画。音楽主題歌 ジョン・バリー マット・モンロー 


●今日の言葉:般若心経②
一休寺・京都 / 薬師寺寛邦 キッサコ - Japanese Zen Music


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