極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 150

2025年02月20日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代
の井伊 軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と
兜(かぶ と)を合体させて生まれたキャラクタ-。



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季語と短歌:2月21

          春寒し早朝除雪学び多し 

                 高山 宇 (赤鬼)

🪄抗雪戦線二日目、除雪約2時間15分。県道と市道が接続坂道での除雪。
渋滞時の除雪中、排気ガスの滞留の物凄いこと。除雪下方(農業用水路
あり)開放で解消。全長約八十メートル。アルミ製搬出スコップは雪と
密着し使えず(但し、ショベル型エンプラ搬出機先端部のアルミは有効)。
両側の家屋壁への除雪移動でエンプラ製スコップで足で圧縮し除雪ブロ
ック化し上後方部へ堆積し、通路化確保(考案)していく。

3連休にかけて強烈寒波が居座る



【光触媒水素製造実用化技術】
特願2024-114429 光触媒膜付き基体及びこれを用いた水
分解装置 日本板硝子株式会社他(審査前)⓶
🏈 前回のつづき
【発明の詳細な説明】
【発明の効果】
 本発明によれば、水素を安定して供給することに適した光触媒膜付き基
体及び水分解装置が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  基体と、光触媒膜と、前記基体と前記光触媒膜との間に配
置された下地膜と、を備え、前記光触媒膜は、光照射を受けて水から気
体を生成する光触媒作用を奏しうる光触媒粒子と、前記光触媒粒子に接
するバインダと、を含む、光触媒膜付き基体。
【請求項2】  温水浸漬試験を適用した後に、前記基体から前記光触媒膜
が剥離しない、請求項1に記載の光触媒膜付き基体。  ただし、前記温
水浸漬試験は、前記光触媒膜付き基体を40℃の水中に4日間浸漬する
試験である。
【請求項3】  前記下地膜は、5nm以上250nm以下の厚さを有す
る、請求項1に記載の光触媒膜付き基体。
【請求項4】  前記下地膜は、Alを含む、請求項1に記載の光触媒膜
き基体。
【請求項5】  前記光触媒膜において、前記光触媒粒子と前記バインダと
の比が、質量基準で99:1~50:50の範囲にある、請求項1に記
載の光触媒膜付き基体。
【請求項6】  前記光触媒膜において、前記光触媒粒子と前記バインダと
の比が、質量基準で99:1~80:20の範囲にある、請求項5に記
載の光触媒膜付き基体。
【請求項7】  前記バインダは、Alを含む、請求項1に記載の光触媒
付き基体。
【請求項8】  前記バインダは、Siをさらに含む、請求項7に記載の
光触媒膜付き基体。
【請求項9】  前記バインダは、非球状粒子を含み、  前記非球状粒子は、
短径L2に対する長径L1の比が3以上である、請求項1に記載の光触
媒膜
付き基体。
【請求項10】  前記基体は、ガラス板又はガラス繊維を含む、請求項1
に記載の光触媒膜付き基体。
【請求項11】  請求項1~10のいずれか1項に記載の光触媒膜付き
基体を備えた、水分解装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】  本発明は、光触媒膜付き基体に関し、さらに光触媒膜付き
基体を用いた水分解装置に関する。

【背景技術】
  光触媒を用いて水を分解する水素製造技術が注目されている。光エネル
ギーを用いて水を直接分解する水素製造技術は、安価な水素を大規模に
供給する技術になりうるためである。この可能性を追求するために種々
の光触媒粒子が開発されている。例えば非特許文献1には、Alをドー
プしたSrTiO3粒子の特定の結晶面に助触媒を選択的に導入した光触
媒が開示されている。この光触媒粒子は、ほぼ100%の量子収率で水
を分解し、水素及び酸素を生成することを可能にする。また、特許文献1
には、AlをドープしたSrTiO3粒子に非特許文献1とは異なる助媒
を担持した光触媒粒子が開示されている。

【非特許文献1】Nature, 2020, vol.581, pp.411-414
【特許文献1】特開2023-88059号公報  水分解用光触媒
【課題を解決するための手段】【0006】
  水素を安定して供給するためには、水分解装置の使用可能期間の長期
化が望まれる。本発明者は、使用可能期間の長期化の観点から検討した
結果、水分解装置の運転期間において水と発生する気体とに曝され続け
光触媒膜付き基体の耐久性に改善の余地があることを見出し、本発明
を完成するに至った。

<基体>

  基体は、光触媒膜を支持する機能を有し、この機能を奏しうる限り、
その形状及び材料に制限はない。基体の形状は、
例えば板状、容器状で
ある。板状の基体は、平板であっても曲板であってもよい。基体は、金
属、樹脂、及び無機化合物からなる群より選択される少なくとも1つを
含んでいてもよい。基体は、具体的には、樹脂材料又はガラス材料を含
んでいてもよく、ガラス材料を含んでいてもよい。基体は、ガラス板又
はガラス繊維を含んでいてもよい。ガラス繊維を含む基体は、ガラスマ
ット、ガラスクロスに代表されるガラス繊維の成形体であってもよい。
基体が光触媒膜の剥離が生じやすいガラス材料を含む場合には、本実施
形態の適用により、剥離防止に関して顕著な効果が得られやすい。基体
の厚さに特に制限はない。
<下地膜>
  下地膜は、光触媒膜の剥離を抑制する作用を有しうる。かかる作用を
有する下地膜は、剥離抑制層と呼ぶことができる。下地膜は、酸化物
を含んでいてもよい。下地膜は、Al、Si、Ta、Nb、Ce、Zn
、Ti、Mg、Zr及びFeからなる群より選択される少なくとも1つ
の元素を含んでいてもよく、かかる元素の酸化物を含む膜であってもよ
い。剥離抑制の観点からは、下地膜は、酸化アルミニウムを含むことが
望ましく、酸化アルミニウムを主成分とすることがより望ましい。なお、
本明細書において、主成分とは、質量基準で含有率が最も多い成分を意
味する。酸化アルミニウムを主成分とする下地膜は、他の酸化物、例え
ば酸化シリコンをさらに含んでいてもよい。
【0029】<光触媒膜>(光触媒粒子)

  光触媒粒子は、光照射を受けて、水から気体を生成する光触媒機能を発
揮する。生成する気体は、水素及び酸素からなる群より選択される少な
くとも1つを含んでいてもよい。光触媒粒子は、光照射を受けて、水を
分解して水素及び酸素を生成する光触媒機能を有していてもよい。ただ
し光触媒粒子は、水素を生成する第1光触媒粒子と、酸素を生成する第
2光触媒粒子とを含んでいてもよい。第1光触媒粒子及び第2光触媒粒
子を含む系は、電荷伝達を担う媒体を含んでいてもよい。電荷伝達を担
う媒体を含む系では、第1光触媒粒子は、光照射を受けて、水から水素
を生成すると共に、媒体を酸化してその酸化体を生成する。第2光触媒
粒子は、光照射を受けて、酸素を生成すると共に、媒体を還元してその
還元体を生成する。還元体は、第1光触媒粒子が関与する酸化反応によ
り酸化体となり、第2光触媒粒子が関与する還元反応により酸化体から
還元体に戻る。

【0030】 光触媒粒子は、酸化物、酸窒化物、窒化物及びカルコゲナ
イド化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含みう
る。光触媒粒子は、Sr、Na、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、
Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Ag、In、Sn、Ba、
La、Ta、W及びBiからなる群より選択される少なくとも1つの元
素を含んでいてもよい。

【0031】光触媒粒子に含まれる化合物にはドーピングが実施される
ことがあり、場合によっては助触媒が導入されて、光触媒としての機能
が強化されることもある。例えば、SrTiO3には、Alがドーピング
されることがあり(SrTiO3:Al)、Rh及びSbが共ドープされ
ることもある(SrTiO3:Rh,Sb)。例えば、SrTiO3:Al
には、水素生成助触媒としてRh/Cr23が、酸素生成助触媒として
CoOOHがそれぞれ担持されることがある(非特許文献1)。ただし、
SrTiO3:Alの助触媒は上記に限らず、例えば、Co及びCrと、
Ru及び/又はPtとを含む助触媒であってもよい(特許文献1)。  
光触媒膜と基体との密着性に関し、ドーピング材及び助触媒の影響は極
めて限定的である。本明細書では、以降、ドーパント及び助触媒の種類
を省略して、光触媒粒子を記載する。例えば、非特許文献1及び特許文
献1に開示された光触媒粒子及び光触媒材料は、それぞれ「SrTiO3
粒子」及び「SrTiO3」と記述する。
                (中略)
【0061】(水素発生試験)
光触媒膜付き基体をPEEK樹脂で作製した反応容器に格納し、反応水
および生成ガスが漏れないようにOリングを反応容器に設置した。次に、
厚さ2mmの合成石英窓板をOリング上部にかぶせ、合成石英窓板の外
周部に金属製フレームを取り付け、ボルトで窓板を反応容器に固定した。
この際、窓板と光触媒付き基体表面の間隔が1mmになるように調整し
た。組み立てた反応容器内部に水(イオン交換水)を供給し、反応容器
から水が漏れ出ていないことを確認したうえで、紫外LED光(波長
365nm、100mW/cm2)を照射し、発生する水素酸素混合ガス
流量を石鹸膜流量計により計測し、水素生成速度を求めた。  結果を表1
にまとめて示す。なお、表中の水素発生速度は、測定開始後21時間経
過後の値である。
表1.
000003
【0064】
  表1より、下地膜の形成によって光触媒膜の密着性が改善されたこと
が理解できる。また、実施例6では、比較例2よりも光触媒粒子の比率
やや低いにもかかわらず、相対的に大きい水素発生速度が測定された。
この結果から見て、下地膜の配置は、バインダのみに頼って膜の密着性
を改善した場合よりも、水素発生速度を増加させる観点から有利である。
  実施例3により得た光触媒膜付き基体について、
水素発生試験をさらに
長期にわたって実施した。結果を図3に示す。下地膜及びバインダを有
する光触媒膜
からは、長期にわたって安定した速度で水素が発生した。


【図3】実施例で測定した水素発生試験の結果を示すグラフ

図3には、参照例として、比較例2と同様、下地膜を形成することなく、
かつ光触媒膜における酸化アルミニウムバインダの量を増加させた光触
媒膜
付き基体を作製し、これについて長期の水素発生試験をした結果も
併せて示す。参照例では、時間の経過と共に水素発生速度が徐々に低下
していったことから、下地膜が水素発生速度の長期にわたる安定化に寄
与しうることが理解できる。なお、水素発生試験では、測定初期におい
て水素発生速度がやや不安定であったため、表1には21時間経過後の
結果を、図3には20時間程度以降の経過を示している
【0066】
  実施例1による光触媒膜付き基体のSEM写真を図4及び5に示す。
光触媒膜が厚さ20μm程度の多孔膜であり、下地膜の厚さが70nm
程度であることが理解できる。
【0067】
  次に、バインダを構成する粒状体に関し、検討した結果を説明する。
(参照例1~14)
  参照例では、下地膜を形成することなく、基体上に光触媒膜を直接形成
した。光触媒膜の形成は、実施例と同様にして実施した。ただし、酸化
物ゾルとしては下記を用いた。また、棒状又は繊維状のアルミナゾルを
用いた場合は、加熱温度を300℃とした。
【0068】
[酸化物ゾル]
<酸化アルミニウム>
・アルミナゾル(球状):日産化学社製520-A(参照例1~3)
・アルミナゾル(羽毛状):日産化学社製AS-200(参照例4~11)
・アルミナゾル(棒状):川研ファインケミカル社製10A(参照例12~13)
・アルミナゾル(繊維状):川研ファインケミカル社製F1000(参照例14)
<酸化シリコン>
・シリカゾル(球状):扶桑化学工業社製PL-3H
【0069】
  なお、「10A」は、上述のとおり、直径10nm、高さ50nmの柱
状の酸化アルミニウム粒子を含む。「F1000」は、直径4nm、長
さ1400nm程度の繊維状の酸化アルミニウム粒子を含む。「PL-
3H」は、粒径35nmの球状の酸化シリコン粒子を含む。
【0070】
  各参照例から得た光触媒膜付き基体について、温水浸漬試験を実施し
た。結果を表2に示す。
表2
000004
【0072】  表2より、非球状の粒状体を含むバインダが膜の密着性の
確保に適していることが理解できる。

【0073】また、参照例から得た光触媒膜付き基体について、以下に
従って比表面積を測定した。

(比表面積)
  測定には以下の条件を適用した窒素吸着法(BET法)を用いた。使用
した装置は、マイクロトラックベル社製「BELSORP-miniII」
である。前処理には、マイクロトラックベル社製「BELSORP-
vacII」を使用した。測定対象は、基体から剥がした光触媒膜の粉体
とした。
【0074】  比表面積は、参照例7及び8について、それぞれ129
cm2/g、142cm2/gであった。この例のように、球状粒子の比
率の増加に伴って、膜の比表面積は増加する傾向を示した。膜の比表面
積の増加は、水素発生速度の増加をもたらしうる。球状粒子と非球状粒
子とを共に含有する膜は、膜の密着性と水素発生速度とを共に向上させ
ることに適している。
【0075】 次に、アルミナゾル以外のバインダを検討した結果を説明
する。以下の参照例でも下地膜は形成していない。
(参照例15~17)  これらの参照例では、アルミナゾルに代えて下
記のアルカリ珪酸塩を用いた。光触媒膜の形成は、実施例と同様に実施
した。また、温水浸漬試験も上記と同様に実施した。結果を表3に示す。
【0076】[アルカリ珪酸塩]
・リチウム珪酸塩:日産化学社製リチウムシリケート45
[酸化物ゾル]
<酸化シリコン>
表3
・シリカゾル(球状):扶桑化学工業社製PL-3H
000005
【0078】  アルカリ珪酸塩に由来する不定形のバインダは、膜の密
着性を向上させるバインダとして適している。なお、参照例15~17
において、質量基準で、アルカリ珪酸塩由来のバインダ(Li2O及び
SiO2)の約87.5%はSiO2、約12.5%がLi2Oである。
ただし、アルミナゾルに代えてアルカリ珪酸塩をバインダ原料として作
製した光触媒膜は、アルミナゾルを用いて作製した光触媒膜と比較して、
水素発生速度においては相対的に劣位にあった。
                      この項了

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特開2025-18833(審査請求前)
水素発生用陰極、アルカリ水
電解用陰極、陰極の製造方法、複極式電解セル、アルカリ水電解用電解
槽及び水素製造方法 旭化成株式会社
【要約】水素発生の起動と停止を繰り返し行う場合でも、過電圧が上昇
してしまうことなく、長期にわたって高いエネルギー変換効率を維持で
きる水素発生用陰極を提供することを目的とする。下図2のごとく、上記
目的を達成するべく、本発明は、導電性基材の表面上に、少なくともPt、
Pt酸化物及びPt水酸化物のうちの少なくとも1つと、Scあるいは
Yから選択される元素Rの金属、酸化物及び水酸化物のうちの少なくと
も1つと、を含有する触媒層を有する、水素発生用陰極であって、前記
触媒層中の、Pt元素と元素Rのモル比(Pt:R)が、95:5~65
:35であることを特徴とする。

000002
図2.本実施形態の複極式電解セルを含むアルカリ水電解用電解槽の、図
1の破線四角枠の部分の電解セル内部の断面を示す図

【符号の説明】  1        隔壁  2        電極  2a      陽極  2c      陰極  2e 
     弾性体  2r      集電体  3        外枠  4        隔膜  5        電極室  5a 
陽極室  5c      陰極室  5i      電解液入口  5o      電解液出口  6        
リブ  7        ガスケット  8        PFA被覆Pt線  9a      ノズル  9b 
袋ナット  9c      PTFE板  9d      EPDM板  10      ヘッダー  10o   
 外部ヘッダー  10ai  陽極入口ヘッダー  10ao  陽極出口ヘッダー 
10ci  陰極入口ヘッダー  10co  陰極出口ヘッダー  50      複
極式電解槽  51g    ファストヘッド、ルーズヘッド  51i    絶縁板 
51a    陽極ターミナルエレメント  51c    陰極ターミナルエレメン
ト  51r    タイロッド  60      複極式エレメント  65      電解セル 
70      電解装置  71      送液ポンプ  72      気液分離タンク  74     
 整流器  75      酸素濃度計  76      水素濃度計  77      流量計  78   
   圧力計  79      熱交換器  80      圧力制御弁  Z        ゼロギャップ構造

【発明の効果】  本発明によれば、水素発生の起動と停止を繰り返し行う
場合でも、過
電圧が上昇してしまうことなく、長期にわたって高いエネ
ルギー変換効率を維持する陰
極の提供が可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】  導電性基材の表面上に、少なくともPt、Pt酸化物及び
Pt水酸化物のうちの少なくとも1つと、
  ScあるいはYから選択される元素Rの金属、酸化物及び水酸化物の
うちの少なくとも1つと、を含有する触媒層を有する、水素発生用陰極
であって、  前記触媒層中の、Pt元素と元素Rのモル比(Pt:R)が
、95:5~65:35であることを特徴とする、水素発生用陰極。
【請求項2】  アルカリ水電解用陰極であることを特徴とする、請求項1
に記載の電極。
【請求項3】  前記触媒層が、前記導電性基材に含有される元素と同種の
元素を含有して
いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の陰極。
【請求項4】  前記触媒層が、Pt元素と元素Rのモル比が異なる、前記
導電性基材の表面上に形成される第一層と、該第一層上に形成される第
二層とからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の陰極。
【請求項5】  前記第二層における元素Rのモル比が、前記第一層におけ
る元素Rのモル比よりも大きいことを特徴とする、請求項4に記載の陰
極。
【請求項6】  前記第一層が、前記導電性基材に含有される元素と同種の
元素を含有していることを特徴とする、請求項4又は5に記載の陰極。
【請求項7】  前記触媒層のPt金属の(111)面によって回折され
るX線のピーク面積をIPt、PtOの(200)面および(111)
面によって回折されるX線のピーク面積をIPtOとしたとき、[IPt
/(IPt+IPtO)]の値が、0.1以上であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の陰極。
【請求項8】  前記元素RがYであることを特徴とする、請求項1又は2
に記載の陰極。
【請求項9】  前記導電性基材が、Niを含有することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の陰極。
【請求項10】  前記導電性基材が、線径0.05mm以上1.00mm
以下のNiの細線を20メッシュ以上60メッシュ以下で編んだ平織メ
ッシュであることを特徴とする、請求項9に記載の陰極。
【請求項11】  前記導電性基材が、厚さ100um以下のNi箔である
ことを特徴とする、請求項9に記載の陰極。
【請求項12】  前記触媒層が、Pt、Y及びNiを含有していることを
特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載の陰極。
【請求項13】  前記触媒層が、PtとNiを含有する前記第一層と、
PtとYを含有する前記第二層とからなることを特徴とする、請求項1
2に記載の陰極。
【請求項14】  前記触媒層の担持量が、4.5g/m以上20g/m
以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の陰極。
【請求項15】  前記触媒層中のPt元素の担持量が、3.5g/m
上15g/m以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
陰極。
【請求項16】  前記触媒層が、水素吸蔵合金を含有することを特徴と
する、請求項1又は2に記載の陰極。
【請求項17】  前記水素吸蔵合金がPdを含有することを特徴とする、
請求項16に記載の陰極。
【請求項18】  6kA/mの還元電流を1時間通電した後に15A/
の酸化電流を通電し、電位が+1.12V(vs  RHE)に到達す
るまでの積算放電量が、1500C/m以上10000C/m以下
であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の陰極。
【請求項19】  電気二重層容が、0.01F/cm以上0.15F
/cm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の陰極。
【請求項20】  前記導電性基材に、少なくともPt化合物と元素Rの化
合物とを含む塗布液を塗布する塗布工程と、  前記塗布液を乾燥させて前
記導電性基材上にPtと元素Rとを含有する前駆体層を形成する前駆体
層形成工程と、  前記前駆体層を300℃~800℃の温度範囲で加熱し
て触媒層を得る焼成工程とを、順番に2回以上繰り返す工程を有するこ
とを特徴とする、請求項1又は2いずれか一項に記載の陰極の製造方法。
【請求項21】  前記導電性基材に、少なくともPt化合物と元素Rの化
合物とを含む第一の塗布液を塗布する第一の塗布工程と、  前記第一の塗
布液を乾燥させて前記導電性基材上にPtと元素Rとを含有する第一の
前駆体層を形成する第一の前駆体層形成工程と、  前記第一の前駆体層を
300℃~800℃の温度範囲で加熱して前記第一層を得る第一の焼成
工程とを、順番に2回以上繰り返す第一の工程の後、  前記第一層が形成
された前記導電性基材上に、少なくともPt化合物と元素Rの化合物と
第一層と異なるモル比で含む第二の塗布液を塗布する第二の塗布工程と、
  前記第二の塗布液を乾燥させて前記第一層上にPtと元素Rとを第一層
と異なるモル比で含有する第二の前駆体層を形成する第二の前駆体層形
成工程と、  前記第二の前駆体層を300℃~800℃の温度範囲で加熱
して第二層を得る第二の焼成工程とを、順番に2回以上繰り返す第二の
工程を有することを特徴とする、請求項4に記載の陰極の製造方法。
【請求項22】  Niを含有する前記導電性基材に、少なくともPt化
合物とNiとを含む第一の塗布液を塗布する第一の塗布工程と、  前記第
一の塗布液を乾燥させて前記導電性基材上にPtとNiとを含有する第
一の前駆体層を形成する第一の前駆体層形成工程と、  前記第一の前駆体
層を300℃~800℃の温度範囲で加熱して前記第一層を得る第一の
焼成工程とを、順番に2回以上繰り返す第一の工程の後、
  前記第一層が形成された前記導電性基材上に、少なくともPt化合物
とY化合物とを含む第二の塗布液を塗布する第二の塗布工程と、
  前記第二の塗布液を乾燥させて前記第一層上にPtとYとを含有する
第二の前駆体層を形成する第二の前駆体層形成工程と、
  前記第二の前駆体層を300℃~800℃の温度範囲で加熱して第二
層を得る第二の焼成工程とを、順番に2回以上繰り返す第二の工程を有
することを特徴とする、請求項13に記載の陰極の製造方法。
【請求項23】  請求項1又は2に記載の陰極を備えることを特徴とする、
複極式電解セル。
【請求項24】  前記陰極と、陽極と、を備え、  前記陽極に6kA/m
の酸化電流を1時間通電した後に15A/mの還元電流を通電し、電
位が+0.12V(vs  RHE)に到達するまでの積算放電量が、前
記陰極に6kA/mの還元電流を1時間通電した後に15A/m
酸化電流を通電し、電位が+1.12V(vs  RHE)に到達するまで
の積算放電量よりも大きいことを特徴とする、請求項23に記載の複極
式電解セル。
【請求項25】  前記陽極に6kA/mの酸化電流を1時間通電した後
に15A/mの還元電流を通電し、電位が+0.12V(vs  RHE
)に到達するまでの積算放電量が、10000C/m以上300000
C/m以下であることを特徴とする、請求項24に記載の複極式電解
セル。
【請求項26】  前記陽極が、Niを含むことを特徴とする、請求項25
に記載の複極式電解セル。
【請求項27】  請求項26に記載の複極式電解セルを3~200個と、 
少なくとも1つの陰極ターミナルセルと、  少なくとも1つの陽極ターミ
ナルセルと、を備えることを特徴とする、アルカリ水電解用電解槽。
【請求項28】  請求項27に記載のアルカリ水電解用電解槽を用いて、
アルカリを含有する水を電気分解し、水素を製造することを特徴とする、
水素製造方法。
【請求項29】  正通電と正通電の停止との繰り返しを含む変動電源を
用いて、アルカリを含有する水を電気分解し、水素を製造することを特
徴とする、請求項28に記載の水素製造方法。

【発明の詳細な説明】
  再生可能エネルギーは、出力が気候条件に依存するため、その変動が非
常に大きいという性質がある。そのため、再生可能エネルギーによる発
電で得られた電力を一般電力系統に輸送することが常に可能とはならず
、電力需給のアンバランスや電力系統の不安定化等の社会的な影響が懸
念されている。


  そこで、再生可能エネルギーから発電された電力を、貯蔵及び輸送が
可能な形に代えて、これを利用しようとする研究が行われている。具体
的には、再生可能エネルギーから発電された電力を利用した水の電気分
解(電解)により、貯蔵及び輸送が可能な水素を発生させ、水素をエネ
ルギー源や原料として利用することが検討されている。  水素は、石油精
製、化学合成、金属精製等の場面において、工業的に広く利用されてお
り、近年では、燃料電池車(FCV)向けの水素ステーションやスマー
トコミュニティ、水素発電所等における利用の可能性も広がっている。
このため、再生可能エネルギーから特に水素を得る技術の開発に対する
期待は高い。
水の電気分解の方法としては、固体高分子型水電解法、高温水蒸気電解
法、アルカリ水電解法等があるが、数十年以上前から工業化されている
こと、大規模に実施することができること、他の水電解装置に比べると
安価であること等から、アルカリ水電解は特に有力なものの一つとされ
ている。

  しかしながら、今後アルカリ水電解をエネルギーの貯蔵及び輸送のため
の手段として適応させるためには、前述のとおり出力の変動が大きい電
力を効率的且つ安定的に利用して水電解を行うことを可能にする必要が
あり、アルカリ水電解用の電解セルや装置の諸課題を解決することが求

  アルカリ水電解において電解電圧を低く抑えて、水素製造の電力原単位
を改善するという課題を解決するためには、電解セルの構造として、特
に、隔膜と電極との隙間を実質的に無くした構造である、ゼロギャップ
構造と呼ばれる構造を採用することが有効なことはよく知られている(
特許文献1、2参照)。ゼロギャップ構造では、発生するガスを電極の
細孔を通して電極の隔膜側とは反対側に素早く逃がすことによって、電
極間の距離を低減しつつ、電極近傍におけるガス溜まりの発生を極力抑
えて、電解電圧を低く抑制している。ゼロギャップ構造は、電解電圧の
抑制にきわめて有効であり、種々の電解装置に採用されている。
【特許文献】
【特許文献1】 特許第5553605号公報
【特許文献2】 国際公開第2015/098058号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
  しかしながら、特許文献1、2に記載の従来のアルカリ水電解用陰極
では、意図する電解反応を進行させる正通電と、正通電を停止した後に
発生する逆電流(逆電)の通電とを繰り返すことで、触媒層が減耗ある
いは脱落し、過電圧が上昇してしまうという課題があった。そのため、
再生可能エネルギーのような変動電源では、長期にわたって高いエネル
ギー変換効率を維持することが困難であった。以下詳細は割愛 表.1,
表2、表3の結果のみ掲載する。

表1.


表2.


表3.



【0207】
  実施例4-1及び4-2と比較例4-1~4-3とを比較すると、試験
(8)においても、概ね試験(7)における実施例3-1及び3-2と
較例3-1~3-3と同様の結果となった。
  この結果及び実施例4-3、4-4から、本発明の規定するモル比率で
Pt元素と、pH7以上pH16以下の水の電位窓内において三価のイ
オンで電気化学的に安定となる元素Rを含有した触媒層をもつ陰極が、
アルカリ水電解用複極式電解セル199個を含む200対のアルカリ水
電解用電解
槽においても、長期にわたって高いエネルギー変換効率を維

持できること、また触媒層のPt金属の(111)面によって回折され
るX線のピーク面積をIPt、PtOの(200)面及び(111)面
によって回折されるX線のピーク面積をIPtOとしたとき、[IPt
/(IPt+IPtO)]の値が0.1以上であることがより好ましい
ことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0208】
  本発明によれば、水素発生の起動と停止を繰り返し行う場合でも、過
電圧が上昇してしまうことなく、長期にわたって高いエネルギー変換効
率を維持する水素発生用陰極の提供が可能となる。

🪄光触媒を希少金属以外の元素で構成(例えば、鉄、アルミ、シリカ
 など)で変換効率、耐久性で作るナノ錬金術で作れないかと考えている
ので今しばらく考察を続けたい。🌠
---------------------------------------------------------------------------

 心に残る中村八大の曲 

       『こんにちは赤ちゃん 梓みちよ 』 1963年
             ジャンル:歌謡曲 
             作詞:永六輔/作曲:中村八大     


    
  今日の言葉:


        春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

 

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エネルギーと環境 149

2025年02月19日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと

伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代
の井伊 軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と
兜(かぶ と)を合体させて生まれたキャラクタ-。
手押し式雪かき機ブレードサイズ740×410mm角度調整可能車輪付組立式/雪掻き除雪機排土板タイヤキャスターシャベルスコップスノープレッシャー
 手押し式雪かき機 ブレード

季語と短歌:2月20

        春寒しサンブラスかけ除雪かな 

                 高山 宇 (赤鬼)

🪄抗雪戦線初日、視力低下で悩んでいるが、思いきってサングラスを懸
け除雪作業を行う。計画通り「効果アリ」。以降、かけ忘れしないよう
に心掛け第二戦に臨む。ペットボトル廃棄場積雪で崩壊、早速班長に連
絡することに、嗚呼、町内会運動崩壊の兆し?

AIは短歌をどう詠むか / 浦川 通
著者:浦川 通/出版社:講談社 装丁:新書(218ページ) 発売日:
2024-06-20  ISBN-10:4065360129  ISBN-13:978-4065360125
✅『AIは短歌をどう詠むか』(講談社) ALLREVIEWS ②

🌠 AIの短歌を評価してみる
國兼 では、短歌AIがどのように歌を作るか実演を見ていただきます

今回のトークイベントに先立って、睦月さんの歌集コ])ance with the
invisibles」の収録歌からお題を出していただきました。
睦月 短歌AIはいろいろな生成の方法があります。今回は私からお題
として上の句を出して、下の句をAIに出力してもらいました。 

  お題①[冷凍のエビグラタンをあたためる」
  (オリジナル下の句「ひかりのなかでえびが生き返る」)

浦川 睦月さんからいただいたお題から、AIが生成した歌です(スラ
メード⑥・温度O・5のスライドー枚)。ここでは下の句に「必要がな
い」という言葉が多く見られます。学習データの中にもそのような表現
が多かったのでしょう。
國兼 味気のない生成ですね。
浦川 いま、スライドで映し出した味気ない短歌は、AIの設定の用語
でいう「温度」が低い設定で作らせた短歌です。
この設定は「温度O.5」です。
睦月 温度を低くすると、確串の高い言葉を単純に選んで出してくる。
スライドで映した短歌になぜ「必要がない」という言葉がたくさん出た
かというと、日本語のコロケーション(連結)で、「あたためる」に続
く可能性が商い言葉が「必要がない」だからと思われます。遂に温度が
高くなると、言葉の選択にランダム性が高くなってくる。
國兼 つまり、「温度」を低く設定すると、ありきたりな選択をすると
いうこと?
浦川 このモデルは先ほとの俵さんのものとは違ってウィキペディアの
擬似短歌だけを学習させたので、このままだとかなり味気ない。

睦月 短歌を知らないまま短歌を詠まされている状態です。
大塚 それってすごいですよね(笑)。
浦川 短歌は知らないけとルールだけ聞かされて詠んでみた、みたいな。
普通はそんな人いませんけどね。温度を「2・O」にするとまた変わっ
て、ちょっとだけ短歌っぽくなります(スライド⑦)。
 いくつかの温度設定で生成してイベントの前にお二人にお渡しし、一
首ずつ選歌していただきました。
  睦月都・選のA-短歌
  冷凍のえびグラタンをあたためる▽魔法の鏑を
  ▽借りてしまうし
睦月「魔法の鍋」が出てきたことにびっくりしました。温度の低い「O
:こだと、日本語がただ流れていくような生成だったんですが、高い温
度だと[魔法の鋼」という特殊な言葉が出てきて、割と詩に近くなりま
したよね。
國兼 結句の「借りる」って面白いですよね。[しまうし」というのは、
こういう歌を作る人がいそうですよね。
浦川「鏑」は人力にある料理っぽい言葉の雰囲気から出てきたものでし
ょうね。
睦月 上の句で一回切れて、下の句で別の二物衝撃的な事象が出てきて、
「冷凍のえびグラタン」という事象と、「魔法の鋼」という事象が異物
として衝突している感じです。これもづフメータの調整によって出てき
たものですね。

        お題②「木犀は夜に匂へり寝室へ」
 (オリジナル下の句「もとれなくなった子どものやうに」)
浦川 AIが作った短歌を一覧にしました(スライド⑧「温度1・O」。
睦月「えびグラタン」よりも詩的な感じがしますね。
浦川 恐らく「匂へり」に引っ張られてるんじやないかな。
ウィキペディアから学習しているので、その中には和歌みたいなものも
あるだろうし。

國兼 詩的な香りの嗅ぎ取りをAIがやっているように擬人化してしま
うのは、ヒトの
悲しき性なんでしょうか。
浦川 あくまで入力された言葉を見て次の言葉を考えるので、入力にな
んとなく和歌の
香りがしたらそれを引き継ぐんです。
國兼(スライド⑨「温度1・5」)。1・5になると[背徳の肌み」な
んて結句も出てくる。
睦月「木犀は夜に句へり寝室へ」だと上の句単体でも詩的
要素が多いの
で、AIがそれに近い言葉を選んでますね。
大塚 俳句をやっている自分から見ると、AI俳句で生成されたものと
比べて、短歌そのものがやはり散文的に近いと言うと怒られちゃいそう
ですが(笑)、ストーリー性というか、散文の学習が生きやすいですよ
ね。

睦月 偶然俳句をウィキペディアで学習させても、こんなふうにはなら
ないということですね。
國兼 温度を上げすぎちゃうと、ヘンな言葉が出てきちゃったり、日本
語として壊れていきますね(スライド⑩「温度2・O」)。
大塚 こういうのがだんだん面白くなってくるんですよ(笑)。

  睦月都・選のA-短歌
  木犀は夜に匂へり寝室へ▽誘い行く脚を▽供に
  白馬

睦月[寝室へ誘い行く」のあと「脚」が出てきたのが謎。最後に「白馬
」が出てきたのも謎で、AIの思考がトレースできないんですよ。面白
い謎だなと。
國兼 やはり、ちょっと壊れかけてる感じがいいんですかね。
睦月 私もそっち(大塚)寄りに入ってるのかもしれない(笑)。

  大塚凱・選のA-短歌 
  木犀は夜に匂へり寝室へ▽生い立ちと▽その▽
  あゆみ マイケル

睦月 壊れちゃいましたね、これいいですね(笑)。
浦川 でも実はこれテクいですよね。
大塚 そうなんですよ! まず韻律がテクいし。
睦月 しかも句切れが謎ですよね。「生い立ち」と「その」「あゆみ」
「マイケル」わざわざ一字空けでこれは短歌を知っている人(?)かも
しれない(笑)。
國兼[マイケル」はなかなか出ないよね。
大塚 でも「寝室」が出てくるとそこで死んだ[ジャクソン」を思うじ
ゃないですか。
國兼 あぁ、そうなんだ!
大塚 いや、わかんないですけどね。みんなジャクソンの歩みを見てる
わけですよ。

   お題②「婚なさず子なさずをれば一日が」
  (オリジナル下の句「シロツメクサのやうな涼しさ])

睦月 私自身はいつも、短歌は文語基調、旧仮名表記でつくっているん
です。最初の「冷凍のえびグラタン」はほぼ口語
短歌と変わらなかった
ですけど、このお題はかなり文語寄り
で、「をれば」は旧仮名。このあ
たりの違いがどう出るかな
と思って出しました。
浦川 これはお二人の選が一致したんですよね。

  睦月都・大塚凱・選のA-短歌
  婚なさず子なさずをれば一日が▽天国に見えて
  ▽サクランボ摘み

睦月 ほかの生成例があまりうまくいってなかったというのもありまし
たね。短歌的な飛躍の感じがよかったです。

大塚「婚なさず」ではあるけれど「天国に見えて」[サクランボ摘み」
からは神話的なイメージが出てくるし、中村草田
男の「空は太初の青さ
妻より林檎うく」のような、アダムと
イブ的な神活性を感じました。
睦月 私の元歌も「一日がシロツメクサのやうな涼しさ」で短歌AIと
植物かふりみたいな親和性を感じました。

大塚 サクランボもニコイチ(二娘一)みたいなイメージがありますよ
ね。「婚なさず子なさず」と裏側でついているみたいな。
                          この項つづく

⛑️ 生成的人工知能とは(ONE POINT LESSON

A detailed oil painting of figures in a futuristic opera scene
スペース・オペラ・シアター(Théâtre d'Opéra Spatial)、
Midjourneyによって作成された画像

生成的人工知能(generative artificial intelligence)または生成AI
(せいせいエーアイ: GenAI)は、文字などの入力(プロンプト)に対し
テキスト画像、または他のメディアを応答として生成する人工知能
ステムの一種である[5][6]。ジェネレーティブAI、ジェネラティブAIとも
よばれる。(@Wikipedia)
生成的人工知能モデルは、訓練データの規則性や構造を訓練において学
習することで、訓練データに含まれない新しいデータを生成することが
できる[7][8]
Representing images on multiple layers of abstraction in deep learning
ディープラーニングにおける抽出の多層レイヤーによる画像表示
歴史:機械学習の分野では、その誕生以来、データをモデル化し予測す
ることを目的とし、統計的モデルを使用してきた。2000年代初め頃、
ディープラーニング(深層学習)の登場により、画像や動画処理、テキ
スト分析、音声認識などのタスクで進化と研究が進んできた。しかし、
ほとんどのディープニューラルネットワークは識別的モデルとして、
像認識
 (en:英語版のような分類タスクを実行していた。
モダリティ:生成AIシステムは、教師なしまたは自己教師あり機械学
を、データセットに適用することにより構築される。生成AIシステム
の能力は、訓練に使用するデータセットのモダリティ種類英語版
によって異なる。生成AIは、ユニモーダルシステムとマルチモーダルシ
ステム
英語版
に大分できる。
ユニモーダルは1種類の入力(例:テキスト)しか受け入れないのに対し、
マルチモーダルは複数種類の入力(例:テキストと画像)を受け入れるこ
とができる[28]。たとえば、OpenAIのGPT-4はテキストと画像の両方の
入力を受け入れる[28]
課題:→「人工知能の倫理」および「汎用人工知能による人類滅亡のリ
スク
」も要参照。
その中で、抗議活動や訴訟、人工知能開発の一時停止
の要求が行われている。また、各国政府は規制を検討するなどしている。
🎈2023年5月に開催されたG7広島サミットでは広島AIプロセスが採択
され、その中では安全、安心、信頼できるAIの実現に向けてAIライフサ
イクル全体の関係者それぞれが異なる責任を持つ目的でリスクの低減な
どの方針を定める「全てのAI関係者向けの広島プロセス国際指針」を整
理した。[52]
⛑️リスク概念として以下のものがある。
⓵失業、②フェイク情報、⓷報道の信頼性の低下、④個人情報・機密情
報の流出、⑤サイバー犯罪、⑥ハルシネーション (幻覚)、作話、⓻人種
的、ジェンダーバイアスの強化、⓼ビッグテックへの依存、⑨エネルギ
ーと環境問題、⑩低品質なコンテンツの増加(劣化)
法規制:アメリカではOpenAIAlphabetMetaを含む企業が2023年7
月にホワイトハウスとの間でAI生成物に電子透かしを入れる自主協定を
締結した[139]。 2023年10月、大統領令14110により国防生産法が適用さ
れ、すべての米国企業に対し、大規模AIモデルを訓練する際に連邦政府
報告することが義務付けられた[140]。トランプ大統領はバイデン政権の
AI安全規制を撤廃した。[141]
著作権:→詳細は「機械学習 § 訓練データの著作権」、および「著作権」を参照。


 


僭称著作物問題:アメリカ合衆国著作権局は、人間の介入なしに人工知能によって作
成された作品は、人間の著作者がいないため著作権を保護できないとの評定を下した
[178]。米国著作権局は、この方針を改訂する必要があるかどうかを判断するために、
意見の収集を進めている[179]


成功者の言葉 - YouTube
@Wikipadia

イェール大学アシスタントプロフェッサーの成田悠輔氏が「X」(旧ツ
イッター)
を更新。日本の税金について、過去の驚きの数字をあげ,現在
、日本では国民から「税金が高い」と不満の声があがっているが、成田
氏は「日本で個人が稼いだお金にかかる税金は最高55%で、よく高い
と言われる。でも昔はもっとやばく、半世紀前の最高税率はなんと9
」と、パナソニックホールディングスを築いた松下幸之助の例をあげ
,さらに「松下幸之助は『9億円の税金を国に払ったというより、国のた
め10億円稼いだので、ご褒美に1億いただいた感じ』と言ったらしい」
と国のために働いた松下幸之助の精神を紹介。この事例でネット界隈で
話題急浮上とか?!

成田悠輔氏「キャバクラの何が楽しいのかわかんないから行ってくるわ」→結果www : 日常と不思議でひまつぶし
@Wikipadia

✳️ 紅茶ティーバッグから大量のマイクロプラ
           腸細胞から吸収される可能性
毎日何気なく飲んでいるティーバッグのお茶に、思いもよらない事実。
よると、市販のティーバッグから、信じられない量のマイクロプラスチ
ックとナノプラスチックが放出されているとのこと。
https://doi.org/10.1016/j.chemosphere.2024.143736

財務省亡国論
財務省亡国論 あさ出版
■著者 高橋洋一
1955年東京都生まれ。都立小石川高校(現・都立小石川中等教育学校)を
経て、東京 大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。
1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリン
ストン大学客 員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務
大臣補佐官、内閣参事官 (総理補佐官補)等を歴任。小泉内閣・第一次安
倍内閣ではブレーンとして活躍し、「霞が関埋蔵金」の公表や「ふる さ
と納税」「ねんきん定期便」など数々の政策提案・実現をしてきた。
2008年退官。その後、菅政権では内閣官房参与もつとめ、現在、嘉悦大
学経営経済学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。
-----------------------------------------------------------------
「借金」も「資産」も世界一
日本に「財政問題」はない
財政再建を急がなければならない理由としてよく挙げられるのが、日本
の借金の多さである。その額、およそ1400兆円超。財務省はしきり
に、「国民I人あたりに換算すると1000万円強」「借金のGDPに
占める割合は200%で世界最大級」などと恐怖をあおっている。
借金が1400兆円以上あるのは事実だ。GDP比もたしかに世界最
大級に高い。
 この点で財務省は、ウソはついていない。
しかし意図的に、ある事実から国民の目を背けている。それは、借金
に対する資産の額である。
 考えてみてもほしい。企業の財務状況を見るときに、借金だけで考え
る人がいるだろうか。企業は設備投資や運用資金を銀行から借りている
が、一方で工場や在庫、子会社などの資産を持っている。これらの資産
と借金を並べたバランスシート(貸借対照表)を見てはじめて、その企
業の財務状況がわかる。国とて同じである。
ちなみに国のバランスシートを財務省ではじめて作成したのは、私だ
 財務省にとっては資産総額という、不都合な真実が明るみに出てしま
うものであり、政府として公表されるまでには10年もかかった。しかし、
いまでは世界的な流れからバランスシートを公表せざるをえなくなり、
毎年こっそりと公表している。


つまり税収という別計算の資産もある。税増収を押し上げる経済成長
を促すことができれば、702兆円の債務超過でも憂えることはない
しかも、子会社である日本銀行を意図的に外している。
 さらに注目すべきは、資産の内訳だ。
 資産740兆円のうち542兆円が金融資産であり、そのうち貸付金
や出資金等の合計222兆円ほどは、すぐに現金化できるものなのだ。な
かでも貸付金や出資金は独立行政法人や特殊法人に渡っているお金、い
わゆる特別会計の埋雁金だ。いってしまえば、天下り先に多額の資金提
供が行われているということになる。
 しかし、これはあくまで「日本政府のバランスシート」だ。
 「政府の子会社」(のようなもの)たる日本銀行(日銀) のバラン
スシートを足した、国のバランスシートを見て考えなければ、日本の財
政の本当のところはわからない。
 では、すべての子会社を含めると、どうなるだろうか(【図版1―2」
/41ページ)。

 まず、負債が1546兆円。資産の方を全部合わせると、実は1613
兆円。債務超過にもなっておらず、プラスである。702兆円の債務超
過と聞くのと、67兆円の資産超過と聞くのとでは、だいぶ印象が異なる
だろう。もちろんあまりの債務超過が続けば企業では存続を危ぶまれる
が、それは政府も同じことである。
 ただ、政府の方は今いったように資産超過であり、これにさらに徴税
権という隠れた資産-海外資産というのが多分500兆円ぐらい加わる。
それを考えると、資産超過は600兆円ぐらいとなるのだ。
 (※徴税権を資産とするなら、毎年予算で支出義務のあるものも負債
計上しなければいけないという議論もある。その通りだが、税法は恒久
的な制度とされているが、予算の支出は基本的には毎年の予算で決まる
ので、将来まで支出が拘束されているモノは原則としてない。あっても
少額なので資産計上していない)
 このように、政府と中央銀行のバランスシートを合体させたものを、
「パブリックセクターバランスシート(Public Sector Balance Sheet)」
(統合政府バランスシート)と呼ぶ。
 するとどうだろうか。今度は資産が負債を上回ることが見て淑れるだ
ろう。
 ちなみに、日銀券は利子負担なし、償還(返済)負担なしだから、実
質的には債務とはいえない。したがって税収を除いても、「パブリック
セクターバランスシート」の資産と負債は、ほぼイーブンになる。IM
F(International Monetary Fund/国際通貨基金)による国際比較デー
タによれば、先進国でも資産から負債を差し引いた純資産はマイナスの
国がほとんどである。その中で、日本はほぼイーブンとはいえ、数少な
いプラスの国である。【図版I-2】を見てもなお、「日本は財政難」
という人はいないだろう。
 つまりどんなに財務省が「深刻だ、深刻だ」といっていても、国債の
暴落が起こることはありえない。これが、プロフェッショナルが見た、
資産負偵のバランスシートー日本の財政の実相である。
「資産総額は財務省にとって不都合な真実」だといったが、これこそが
不都合な真実であり理由である。たとえば企業が経営難に陥ったら、ま
ず何をするだろうか。預金、貸付金などの金融資産をはじめとして、工
場や子会社などの資産を処分するだろう。
それと同様、国が財政難だというのなら、まずはムダな資産を処分すれ
ばいい。
 ただそれは、財務官僚にとっては自らの天下り先を処分することにな
る。だから財務省は、資産総額を明らかにすることで処分可能資産の存
在が知れてしまうことを、極力避けたかったのだ。
 しかしいまでは、国のバランスシートが公表されている。財務省の身
勝手な口車に乗せられて、借金総額だけを見て恐れるのは愚かというも
のだ。

パブリックセクターバランスシートを「デタラメ」といい放った財務大臣
借金が1400兆円超もある」といった情報を、マスコミ(ポチ)はち
ょっと早くリーク(餌まき)されると、もう喜んですぐに食いついてよ
だれを垂れ流す。まるで、マスコミが自らフェイクニュースを生産して
いるようなものである。
 私はかれこれ何十年も前から、この「正しい意昧での財務状況」とい
うのを、さまざまな場所で何度も何度もいっている。日銀(子会社)を
入れるだけでこんなに変わる。全然、違う。バランスシートには日銀(
子会社)を入れなくてはダメなのだ。 
 その一方で、パブリックセクターバランスシートを「デタラメだ」と、
いい募る人がなんと政治家にまでいた。
 驚くべきことに、鈴木(俊一)氏は財務大臣時代に参院財政金融委員
会で「政府と日銀のバランスシートを一体として認識する統合政府(パ
ブリックセクター)バランスシートの考え方は適切でない」と、委員の
渡辺(喜美)さんに対して答弁した(2022年3月16日)。
                          この項つづく



【光触媒水素製造実用化技術⓵】
特願2024-114429 光触媒膜付き基体及びこれを用いた水分解装置 
日本板硝子株式会社他(審査審査前)
【要約】下図1のfごとく、基体1と、光触媒膜2と、基体1と光触媒
膜2との間に配置された下地膜3と、を備えた光触媒膜付き基体10を
提供する。光触媒膜2は、光照射を受けて水から気体を生成する光触媒
作用を奏しうる光触媒粒子と、光触媒粒子に接するバインダと、を含む。
水分解装置に使用される光触媒膜付き基体を改良する。
000002
図1.光触媒膜付き基体の一例を示す断面図
1  基体 2  光触媒膜 10  光触媒膜付き基体
【発明の効果】  本発明によれば、水素を安定して供給することに適し
光触媒膜付き基体及び水分解装置が提供される。
                         この項つづく         

  心に残る映画  『Taras Bulba 』 1962年


 今日の言葉:
   原子力発電をフル稼働させるというが、重大事故の責任はとって
   いただけるのですね。
    
         



        春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』


                          



 

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エネルギーと環境 146

2025年02月16日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと 伝
えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井
伊 軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(か
ぶ と)を合体させて生まれたキャラクタ-。
                           梅一輪_絵手紙風イラスト - No: 2419207|無料イラスト・フリー ...
季語と短歌:2月17

         梅一綸アルマゲドンに備えるか 

                       高山 宇 (赤鬼) 
   
✳️ トランプ式関税戦争
自動車関税「4月2日ごろやる」 トランプ米大統領は14日、米国に輸入さ
れる自動車への関税を「4月2日ごろにやる」と記者団に語った。米国の自
動車の主要輸入先は、トランプ氏が問題視する巨額の貿易赤字を計上する
国々と重なる。ドル箱市場の米国に車を輸出して稼ぐ日本が標的になれば、
打撃は計り知れない。トランプ米大統領は14日、米国に輸入される自動車
への関税を「4月2日ごろにやる」と記者団に語った。米国の自動車の主要
輸入先は、トランプ氏が問題視する巨額の貿易赤字を計上する国々と重な
る。ドル箱市場の米国に車を輸出して稼ぐ日本が標的になれば、打撃は計
り知れない。
米国は2024年に約582億ドル分の乗用車を輸出したが、輸入
額は3倍超の約2141億ドルにのぼり、巨額の貿易赤字の要因になっている。
トランプ氏は自動車に関税をかけて外資メーカーに米国での現地生産を迫
り、雇用増や貿易赤字の削減につなげる狙いがある。ただ、焦点の税率や
対象国には言及しなかった。2日ごろにまず計画を公表するのか、実際に関
税を発動するのかもはっきりしていない。13日に公表した相互関税との関
係も不明だ。  自動車関税の標的になりそうなのが、世界的な自動車メー
カーを多く抱える欧州連合(EU)だ。トランプ氏は「我々は欧州車に2.5%
の関税しかかけていないのに、EUは米国車に10%もかけている」と批判。
特に米国市場での販売に占める輸出比率が高いフォルクスワーゲンなどを
抱えるドイツは、米国にとって車の輸入額、貿易赤字とも5番目と狙われや
すい。

✳️ 水を超高速で通すにもかかわらず塩を通さないフッ素ナ
ノチューブを開発 —次世代超高効率水処理膜の実現に向けて—
Ultrafast water permeation through nanochannels with a
densely fluorous interior surface

Abstract
Ultrafast water permeation in aquaporins is promoted by their hydro-
phobic interior surface. Polytetrafluoroethylene has a dense fluorine
surface, leading to its strong water repellence. We report a series of
fluorous oligoamide nanorings with interior diameters ranging from
0.9 to 1.9 nanometers. These nanorings undergo supramolecular
polymerization in phospholipid bilayer membranes to form fluorous
nanochannels, the interior walls of which are densely covered with
luorine atoms. The nanochannel with the smallest diameter exhibits
a water permeation flux that is two orders of magnitude greater than
those of aquaporins and carbon nanotubes. The proposed nanochannel
exhibits negligible chloride ion (Cl) permeability caused by a power-
ful electrostatic barrier provided by the electrostatically negative fluorous
interior surface. Thus, this nanochannel is expected to show nearly
perfect salt reflectance for desalination.
fig2en

【掲載誌】雑誌名:「Science」(オンライン版:5月12日)
論文タイトル:Ultrafast water permeation through nanochannels with
a densely fluorous interior surface.
著者:Yoshimitsu Itoh,* Shuo Chen, Ryota Hirahara, Takeshi Konda,
Tsubasa Aoki, Takumi Ueda, Ichio Shimada, James J. Cannon, Cheng
Shao, Junichiro Shiomi, Kazuhito V. Tabata, Hiroyuki Noji, Kohei Sato,*
and Takuzo Aida*
DOI番号:10.1126/science.abd0966

特許第7048918号 粉体組成物、塗膜及び三次元造形物 ダイキン工
業株式会社(有効)
【特許請求の範囲】【請求項1】
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)と含フッ素共重合体(II)を含み、
前記含フッ素共重合体(II)の平均分散粒子径r1と、ASTM  D12
38に従って380℃、5000g荷重及び5分予熱にてメルトフローレー
トを測定した後の前記含フッ素共重合体(II)の平均分散粒子径r2との
比r2/r1が1.60以下である
ことを特徴とする粉体組成物。
【請求項2】前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)と前記含フッ素
重合体(II)との質量比(I):(II)が99:1~30:70であ
る請求項1記載の粉体組成物。
【請求項3】前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)は、融点が300
~380℃である請求項1又は2記載の粉体組成物。
【請求項4】前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)は、ガラス転移温
度が130~220℃である請求項1~3のいずれかに記載の粉体組成物。
【請求項5】前記含フッ素共重合体(II)は、融点が200~323℃
である請求項1~4のいずれかに記載の粉体組成物。
【請求項6】更に、添加剤を含む請求項1~のいずれかに記載の粉体組
成物。
【請求項7】前記添加剤は、繊維状充填剤(III)を含む請求項記載
の粉体組成物。
【請求項8】粉体塗料である請求項1~のいずれかに記載の粉体組成物。
【請求項9】請求項1~のいずれかに記載の粉体組成物を塗装して得ら
れる塗膜。
【請求項10】請求項1~のいずれかに記載の粉体組成物を成形して得
られる三次元造形物。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
【要約】芳香族ポリエーテルケトン樹脂(I)と含フッ素共重合体(II)
を含むことを特徴とする粉体組成物。耐衝撃性や摺動性に優れた塗膜や成
形品を得ることができる粉体組成物を提供する。
【詳細説明】
【背景技術】含フッ素共重合体は、摺動性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、
耐候性、柔軟性、電気的性質等の特性に優れることから、含フッ素共重合
体を用いた粉体は、粉体塗料等として、種々の製品に使用されている。
例えば、特許文献1には、a)1以上のフルオロポリマーと400℃を超
える温度で熱安定性の1以上の熱可塑性ポリマーとを含む固形混合物を調
製すること、b)当該固形混合物を約250℃~約400℃の温度で溶融
ブレンドし、そして押出して均一性を達成すること、c)押出物を機械的
手段に付して、約100ミクロンまでの平均粒子サイズの粉体を得ること、
を含むフルオロポリマーを含むコーティングで基体を被覆する方法が記載
されている。
【特許文献1】 特表2006-527074号公報

特開2024-167509 重合性組成物、イオン交換樹脂、イオン交換膜、膜
電極接合体、及び水素製造装置 株式会社トクヤマ
【要約】一側面によると、重合性組成物が提供される。重合性組成物は、
式(I)に表される第4級アンモニウム塩と、重合性単量体と、炭素数1
以上4以下の直鎖状若しくは分岐状のアルキレングリコールと、特定の構
造を有する窒素含有化合物(N,N-ジメチルプロピレン尿素など)とを
含む。硬化体を効率的に製造可能な重合性組成物と、重合性組成物の硬化
体を含むイオン交換樹脂、イオン交換膜、膜電極接合体、及び水素製造装
置とを提供する。
【実施例】【0095】
つぎに本開示について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例
のみに限定されるものではない。【0096】
<メルトフローレート(MFR)>
(1)含フッ素共重合体のMFRは、ASTM  D1238に準拠し、38
0℃、5000g荷重の条件下で、メルトインデクサーを用いて測定する。
(2)芳香族ポリエーテルケトン樹脂のMFRは、ASTM  D1238に
準拠し、380℃、5000g荷重の条件下で、メルトインデクサーを用い
て測定する。
(3)含フッ素共重合体と芳香族ポリエーテルケトン樹脂とを混合して得
られた粉体組成物のMFRは、ASTM  D1238に準拠し、予熱時間5
分、温度380℃、荷重5000gで測定して得られる値である。
【0097】<融点>
フッ素共重合体の融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置を用いて、
10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する
温度として求めた。芳香族ポリエーテルケトン樹脂の融点は、示差走査熱
量測定(DSC)装置を用いて、10℃/分の速度で昇温したときの融解
熱曲線における極大値に対応する温度として求めた。
【0098】<ガラス転移温度(Tg)>
示差走査熱量測定(DSC)装置によって測定する。
【0099】<平均分散粒子径の算出>
実施例で得られた混練物(粉体組成物)、実施例で得られたMFRのスト
ランド、及び実施例で得られた三次元造形物から切出した切片を、流れ方
向に対し垂直に切断し、その断面を共焦点レーザー顕微鏡にて撮影し、得
られた顕微鏡画像を画像解析ソフト(Image  J)により解析した。分
散相を選択し、円相当径を求めた。分散相20個分の円相当径を算出し、
これを平均して平均分散粒子径r1及び平均分散粒子径r2とした。
【0100】<混練時せん断速度>
混練時のせん断速度(γ)は、下記式を用いて求めた。
γ=πDr/C
D:スクリュー外径(mm)
r:スクリュー回転数(rps)
C:チップクリアランス(mm)
【0101】<塗膜の表面平滑性>
実施例及び比較例で得られた塗膜を目視観察し、以下の基準で表面平滑性
を評価した。
A:凹凸が全くなく、かつ表面全体が均一である
B:凹凸はほとんどなく、表面全体は均一である
C:凹凸が多く、表面全体も不均一である
【0102】<塗膜の衝撃強度の評価>
実施例及び比較例で得られた試験板塗膜を用いて、デュポン式衝撃試験(
JIS  K  5600-5-3)に準拠し、評価した。デュポン式衝撃試験
器を用い、塗膜面に1000gのおもりを落下させ、塗膜面の割れやひび
の有無を観察し、下記に従い、評価した。
A:50cm以上の高さから落下させても割れやひびが生じない
B:25cm以上50cm未満の高さからの落下であれば、割れやひびが
生じない
C:25cm未満の高さから落下させても、割れやひびが生じる
【0103】<摺動性(摩耗量)の測定>
実施例及び比較例で得られた試験板塗膜を用いて、スラスト式摩擦摩耗試
験方法(JIS  K-7218)に準拠し、下記条件に従い、試験板と相手
材円筒を接触させ、試験板塗膜の摩耗量を評価した。
荷重:500N/cm、周速:0.5m/s、試験時間:30分 相手
材円筒(材質:S45C、外径:20.5mm、内径:16.5mm)
測定雰囲気:無潤滑、室温(25℃)
【0104】<引張破断伸び率の測定>
実施例及び比較例で得られた三次元造形物を用いて、ASTM  D  638
に準拠し、オートグラフにより引張破断伸び率を測定した。測定条件は、
試験速度2mm/minで行った。
【0105】<シャルピー衝撃強度の測定>
実施例及び比較例で得られた三次元造形物にノッチを入れ、ASTM  D6
110-02に準拠し、衝撃試験機により測定を行った。
【0106】<粒径(D10、D50、D90)>
MT3300EX  II(日機装社製)を用いて、レーザー回折法により測
定した。
【0107】<安息角>
パウダーテスターPT-X(ホソカワミクロン社製)を用い、安息角を測定
した。安息角が小さいほうが、粉体流動性に優れる。
【0108】実施例及び比較例では、下記の材料を用いた。
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(1):ポリエーテルケトンケトン(MFR
:40g/10分、融点:331℃、Tg:162℃)芳香族ポリエーテル
ケトン樹脂(2):ポリエーテルケトンケトン(MFR:92g/10分、
融点:336℃、Tg:162℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(3):ポリエーテルケトンケトン(MF
R:41g/10分、融点:301℃、Tg:160℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(4):ポリエーテルケトンケトン(MF
R:88g/10分、融点:301℃、Tg:160℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(5):ポリエーテルケトンケトン(MF
R:79g/10分、融点:360℃、Tg:165℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(6):ポリエーテルエーテルケトン(M
FR:25g/10分、融点:340℃、Tg:143℃)
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(7):ポリエーテルエーテルケトン(M
FR:10g/10分、融点:342℃、Tg:143℃)
ポリフェニレンスルフィド樹脂(8):東ソー・サスティール製  Ryto
n  V1(MFR:300g/10分、融点:275℃、Tg:92℃)
【0109】
フッ素共重合体(1):TFE/HFP/PPVE共重合体(MFR:
29.8g/10分、融点:260℃)
フッ素共重合体(2):TFE/HFP共重合体(MFR:6g/10
分、融点:270℃)
フッ素共重合体(3):TFE/PPVE共重合体(MFR:31.4
g/10分、融点:301℃)
フッ素共重合体(4):TFE/PPVE共重合体(変性PTFE、融
点:325℃)
フッ素共重合体(5):PTFE(融点:327℃)
【0110】実施例1
芳香族ポリエーテルケトン樹脂(1)及び含フッ素共重合体(1)を表1
に示す割合(質量%)でドライブレンドし、120℃で8時間乾燥させた
ものを、還流式高せん断加工機(株式会社ニイガタマシンテクノ製)を用
いて、以下に示す所定の条件で溶融混練した。なお、帰還穴の径はφ2.5
mmのものを使用した。
スクリューのL/D:1.8
混練温度:370℃
混練時のせん断速度:870秒-1
混練時間:10秒
【0111】<粉体組成物の製造>
得られた混練物を液体窒素により脆化させ、ハンマーミルを用いた冷凍粉
砕機により粉末化して、粉体組成物を得た。
【0112】<塗膜の製造>
得られた粉体組成物をアルミニウム板(100mm×100mm×1.5m
m)に、静電塗装機としてEP-MC10(アネスト岩田社製)を用いて、
焼付後の膜厚が約200μmとなるように静電塗装を行った。塗装後、38
0℃雰囲気で60分間加熱し、焼付塗膜を得た。焼付塗膜を室温まで冷却
し、得られた塗膜付きアルミニウム板を試験板として、平滑性、衝撃強度、
摺動性(摩耗量)を評価した。結果を表1に示す。
【0113】<三次元造形物の製造>
得られた粉体組成物を粉末床溶融結合法により、ASTM多目的試験片形状
およびASTM  V号ダンベル形状の三次元造形物にそれぞれ成形した。得
られたそれぞれの三次元造形物に対して引張試験およびノッチ付きシャルピ
ー衝撃試験評価を行った。結果を表1に示す。
【0114】実施例2~7
表1に示すように芳香族ポリエーテルケトン樹脂の種類、又は、芳香族ポリ
エーテルケトン樹脂の種類及び含フッ素共重合体の種類を変更したこと(
実施例3~5は更に樹脂の組成比を変更したこと)以外は実施例1と同様
にして粉体組成物を得た。また、実施例1と同じ条件で塗膜および三次元
造形物を得て、得られた塗膜および三次元造形物に対して各種評価を行った。
結果を表1に示す。
【0115】比較例1、2
表1に示すように含フッ素共重合体を使用しなかったこと(比較例2は更
に芳香族ポリエーテルケトン樹脂の種類を変更したこと)以外は実施例1と
同様にして粉体組成物を得た。また、実施例1と同じ条件で塗膜および三
次元造形物を得て、得られた塗膜および三次元造形物に対して各種評価を
行った。結果を表1に示す。
【0116】比較例3、4
表1に示すように含フッ素共重合体をPTFE又は変性PTFEに変更し
たこと以外は実施例1と同様にして粉体組成物を得た。また、実施例1と
同じ条件で塗膜および三次元造形物を得て、得られた塗膜および三次元造
形物に対して各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、比較例3、4の粉体組成物は、溶融成形できないPTFE又は変性
PTFEを使用したため、実施例1~7で得られた粉体組成物とは異なり
、粉砕時に大部分のPTFE分散粒子が脱落し、アロイ化した状態を維持
することができていなかった。変性PTFEとは、TFEを除く1種以上
のモノマーの含有率の合計が2wt%未満のものをいう。
【0117】比較例5
表1に示すように芳香族ポリエーテルケトン樹脂をポリフェニレンスルフ
ィドに変更したこと以外は実施例1と同様にして粉体組成物を得た。また、
実施例1と同じ条件で塗膜および三次元造形物を得て、得られた塗膜およ
び三次元造形物に対して各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0118】
水を超高速で通すにもかかわらず塩を通さないフッ素ナノチ
ューブを開発—次世代超高効率水処理膜の実現に
【表1】

                             この項了

特開2021-23869 難分解性物質の分解方法 野村マイクロ・サイエン
ス株式会社(本文不掲載)



🪄フッ素&ナノカーボンリスクフリー完備超純水製造システム完備しよう。

近くの映画館に行こう!

『アルマゲドン』(Armageddon)は、1998年アメリカ合衆国SF映画
タッチストーン・ピクチャーズ提供、ジェリー・ブラッカイマー作品。



アメリカ西海岸に隕石雨が飛来。甚大な被害が出るが、それは破滅の前触
れにすぎなかった。質量がエベレスト山の3倍という巨大隕石が、地球に
迫っていたのだ。激突まで、タイムリミットはわずか7日間。世界各国に
よる、レーザー兵器やミサイルによる攻撃は失敗。残された方法は、スペ
ースシャトルで隕石に着陸し、ロケットブースターを設置して隕石の軌道
を変えるしかない。アメリカ宇宙軍のデイヴィスは、この実行不可能なミ
ッションに挑むため、精鋭チームと共に宇宙に飛び立つが…

パトリック・ラビョルトー/ジョセフ・マイケル・ハリス/アンソニー・ジェ
ンセン/カラン・サグー/キャロラインウィリアムズ
監督・撮影:ノア・ルーク/製作:デヴィッド・マイケル・ラット/製作総
指揮:デヴィッド・リマゥイー/ 脚本:ジョー・ロッシュ、ローレン・プリ
チャード/音楽:マイケル・シェーン・プラサー、ティム・カルロス
今日の言葉:百年後の衝突確率2.2%?!に備えよう。2025.1.17


         春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                  春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                            

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エネルギーと環境 144

2025年02月15日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

✳️ 世界の電力需要、27年まで年4%増加へ 中国は6%増


[パリ 14日 ロイター] 国際エネルギー機関(IEA)は14日発表
た報告書で、世界の電力需要が2027年まで毎年4%のペースで拡大
するとの見通しを示した。年間の電力需要の伸びは日本の総消費量を上回
るという。世界の電力需要の伸びの85%は新興国と途上国が占める見通
し。伸びの半分以上は中国によるもので、中国の電力需要は27年まで年
6%のペースで拡大すると見込まれている。中国では20年以降、電力を
大量に消費する工業部門や、太陽光パネル、バッテリー、電気自動車(E
V)、関連材料の製造など電力集約型製造業の急速な拡大を背景に、電力
需要が経済成長を上回るペースで伸びている。空調、データセンター、5
G(第5世代)ネットワークも電力需要増加の原因。インドも世界の電力
需要の伸びの10%を占める見通し。活発な経済活動やエアコンの急速な
普及が背景。米国など、これまで電力需要が停滞していた一部の先進国も
、輸送、暖房、データセンターなどの分野で急速に電化が進むため、電力
需要が拡大する見通しという。欧州連合(EU)の電力需要の伸びは昨年
7月時点の予測から1%ポイント下方修正され今年1.6%となる見込み
。マクロ経済の見通し悪化が背景。21年の需要水準を回復するのは少な
くとも27年以降になるという。再生可能エネルギーや原子力といった低
排出エネルギー源は、世界の需要増加傾向に対応できる見通し。電源構成
で石炭のシェアを引き続き上回っているという。石炭のシェアは100年
ぶりに33%を下回る見通し。27年には太陽光が水力に次ぐ2番目に大
きな低排出エネルギー源になると見込まれている(YAHOO! JAPANより)。

(出所:横浜市)
実証実験の様子(出所:横浜市)
✳️市庁舎窓に太陽電池、横浜市が実証しペロブスカイトも

横浜市は、公共施設を活用した次世代型太陽電池の実証実験に取り組んで
いる。第1弾のペロブスカイト太陽電池に続き、第2弾として、結晶シリコ
ン型太陽電池をガラス建材に組み込んだタイプを設置した。「既存の窓に
取り付け可能な太陽電池の実証実験」として、12月4日から横浜市庁舎ア
トリウムで開始。実証実験の実施事業者はAGC。同社の既存建物向け太陽
光発電ガラス「後付けサンジュール」を市庁舎2階南側のアトリウム窓面
に16枚設置した。パネル1枚あたりの大きさは110cm×80cm。結晶シリコ
ン型のセル(発電素子)を使用するが、今後ペロブスカイト太陽電池の活
用も検討する。電量は1日あたり約2~3kWh程度を見込む。発電した電力
はデジタルサイネージに活用し発電状況を検証する。電力の使用方法は、
今後定期的に変更し、多様なツールでの活用を予定する。実証期間は12月
4日から2025年12月末までの予定。「後付けサンジュール」は、既存の窓
や建物本体への工事が不要で、屋内側からの簡易施工によって設置できる
のが特徴。ガラスメーカーの知見を活用し、発電モジュールを窓際に設置
した際に発生するガラスの熱割れリスクを低減した。AGCは、12月から同
製品の試験販売を開始。
横浜市では、太陽光発電の適地が限られる都市部
にさらに再生可能エネルギー設備を普及拡大させるため、公共施設を活用
した次世代型太陽電池実証事業の提案を募集し、9月に3事業者4提案を選
定した。⛑️
第1弾の実証実験として、9月30日~11月28日に市庁舎アトリ
ウム南側2階管理通路にフィルム型ペロブスカイト太陽電池(1225mm×
460mm)を4枚設置し、LED点灯など発電状況を検証した。事業者は東芝
エネルギーシステムズ。(メガソーラビジネスより)
🪄続々と貴重な実健データが集積され改良されていくぞ 

(出所:横浜市)
市庁舎の窓ガラスに太陽電池、横浜市が実証、今後ペロブスカイトも


 
✳️ 赤外光を電気エネルギー変換する無色透明材料の開発
        ―見えない電子デバイスの開発へ道―

タイトル Clear and Transparent Nanocrystals for Infrared-Responsive
Carrier Transfer 
著  者 Masanori Sakamoto,* Tokuhisa Kawawaki, Masato Kimura, Junie
Jhon M. Vequizo, Hironori Matsunaga, Chandana Sampath Kumara
Ranasinghe, Akira Yamakata, Hiroyuki Matsuzaki, Akihiro Furube,Tosh-
iharu Teranishi* 
掲 載 誌 Nat. Commun., Article ASAP, Published online January 24, 2019 
D O I https://doi.org/10.1038/s41467-018-08226-2
◾本研究成果は、2019年1月24日に国際学術誌  Nature Communications」
オンライン掲載。
-------------------------------------------------------------------------------


図:本研究で合成したスズドープ酸化インジウムナノ粒子
【概要】京都大学・豊田工業大学・徳島大学・国立研究開発法人産業技術
総合研究所らの研究グループは、赤外光を電気エネルギーや信号に変換す
ることのできる無色透明な材料の開発に成功。 光を信号やエネルギーに変
換することができる無色透明な材料は、例えば、透明性を利用した不可視
の通信デバイスや、センサー、太陽電池といった先端技術を実現するキー
テクノロジーとして多くの注目を集めた。紫外域の光を用いれば、無色透
明でありながら光をエネルギーや信号に変換できる材料を作つことは、紫
外光は通信、エネルギー変換に向かないため、長波長で不可視の光である
赤外光を電気エネルギーや信号に変換することのできる材料の開発が強く
要望されている。 今回、本研究グループは、赤外域に局在表面プラズモン
共鳴  LSPR : Localized Surface Plasmon Resonance)を示す無機ナノ粒子
を用いて、赤外光を電気エネルギーや信号に変換することのできる無色透
明な材料開発した。赤外域にLSPRを示すスズドープ酸化インジウムナノ
粒子を光吸収材に応用することで、透明性 可視域の透過率95%以上)と
高い赤外光誘起電子移動効率 電荷注入効率33%)を両立することに成功
した。また、本材料は1,400–4,000 ナノメートルという近赤外域から中赤
外域の光に応答することが明らかになっている。本成果は、目に見えない
太陽電池、通信機器、光学センサーなどの最先端デバイスの開発への応用
が期待されいる。

ヘテロインターフェースの作製と特性評価
SWIR領域におけるLSPRを用いたキャリア注入には、合理的バンドアライ
メントを有するヘテロ界面の作製が不可欠です。ITOのNCとヘテロ界面を
形成するための電子受容体相として、2種類の金属酸化物半導体TiOを選定
しました2(アナターゼまたはP25、アナターゼとルチルの混合物)およびSnO2
なぜなら、これらの金属酸化物は「透明で無色」であり、電子輸送層およ
び/または光触媒として一般的に使用され、ITOのNCからのホット電子注入
に適したアクセプターレベル(すなわち、伝導帯(CB)の位置)を有するから
である。1a. フェルミ準位(EF)のITOとSnOのCB2およびTiO2はそれぞれ0.2 e
Vと0.7 eVで、ITO NCで生成されたホット電子にアクセスでる.ITOとSiO
の組み合わせ2また、ITO NCから絶縁性SiOへの電子移動がないため、ITO
のNCのLSPR刺激応答のモニタリングリファレンスとしても採用された。
フェーズが予想される。ITO NCは、以前の報告に従って合成されました。
また、熱焼鈍および還元焼鈍プロセスにより金属酸化物に固定化される(
方法を参照)。図1b、cは、ITO NCと3種類のITO/金属酸化物のUV-Vis-IR
スペクトルを示している。すべてのサンプルは、IR領域にLSPRピークを
持っています。TEMおよびXRD測定では、アニールプロセス中にITO NC
のサイズや結晶構造に変化は見られませんでした(補足図)。15)。SnO上
のITO NCのLSPR帯域の拡充2ITO NCのプラズモン結合からの結果(補足
図を参照)。


図 1
図2.a. スズドープ酸化インジウムナノ粒子のクロロホルム溶液の吸収スペクトル(左図)および
スズドープ酸化インジウムナノ粒子を塗布したガラス基板 右図)。 b. スズドープ酸化インジウ
ムナノ粒子を担持した酸化物の拡散反射スペクトル


エネルギー図と光学特性。a 酸化インジウムスズ(ITO)、ナノ結晶(NC)、
金属酸化物のエネルギー図。EFITO NCの値とSnOの伝導バンドエッジ2
よびTiO2参考文献から取得されました101112それぞれ。CB伝導バンド
;VB価数バンド。b 左図:CHCl中のITO NCの吸収スペクトル3解決。右画像
:ITO-NCコーティングガラス基板。c ITO/SiOの消光スペクトル2、ITO/
TiO2および ITO/SnO2還元的アニーリング後。オレンジ色で示されている
スペクトルは、太陽スペクトル(AM 1.5)

図3.a. 1700 nmのレーザーによる励起後のスズドープ酸化インジウムナ
ノ粒子およびスズドープ酸化インジウムナノ粒子/酸化スズの5000 nmに
おける過渡吸収の経時変化。赤線はフィッテング。ピンクの線は装置関数。
スズドープ酸化インジウムナノ粒子/酸化スズの場合、光照射後に電子移
動に由来する吸収が現れていることがわかる。b. 1700 nmのレーザーによ
る励起後のスズドープ酸化インジウムナノ粒子/酸化スズの過渡吸収スペ
クトル。観測された過渡吸収スペクトル 黒丸)は、酸化スズの伝導帯電子
の吸収と一致した  赤線のスペクトル)。このことは、スズドープ酸化イ
ンジウムナノ粒子から酸化スズへの電子注入が起こっていることを裏付け
ている。

図4.a. スズドープ酸化インジウムナノ粒子/酸化スズ/タングステン電極の構造、b. スズドープ
酸化インジウムナノ粒子
/酸化スズ/タングステン電極のアクションスペクトル、電極のアクシ
ョンスペクトルはスズドープ酸化インジウムナノ粒
子のLSPRに一致しており、LSPRの励起によ
り電子移動が起こっていることを示している。c. d.短波中赤外光照射下で
の光電気化学測定結果。

✳️【論文情報】 
タイトル:Fabrication of near-invisible solar cell with monolayer WS2  
(単層WS2を用いた高透明太陽電池の創製) 
著者:Xing He, Yuta Iwamoto , Toshiro Kaneko, and Toshiaki Kato 
雑誌名:Scientific Reports, 12, 11315 (2022) 
DOI: 10.1038/s41598-022-15352-x 
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-022-15352-x

✳️【発表のポイント】

  • 透明でフレキシブルな半導体原子シートである遷移金属ダイカル
    コゲナイド(TMD)の、結晶成長初期の核形成過程を詳細に直接
    観測する手法を開発。
  • TMD原子シートの新たな核形成機構(非古典的な二段階核形成)
    を世界で初めて発見。

【概要】原子オーダーの厚みをもつ遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)
は、炭素原子シートとして有名なグラフェンと類似の原子シート構造だけ
でなく、グラフェンにはない半導体特性、さらには原子層特有の柔軟性と
透明性を示すことから、次世代フレキシブル透明半導体材料として大きな
注目を集めている。しかし、TMDを高品質で合成する技術は未だ開発段階
にあり、特に品質を決める成長初期段階の情報が必要とされていた。東北
大学大学院工学研究科電子工学専攻の加藤俊顕准教授、金子俊郎教授らの
グループは、東京大学大学院工学系研究科の澁田靖准教授らのグループと
共同で、成長初期における核形成過程を解析する新手法を開発し、TMD
の一種であるWS2の結晶成長が中間クラスターを経由する新たな核形成モ
デルによることを世界で初めて明らかにしました。この新たな核形成モデ
ルを活用することで、今後精密な構造制御が可能となり、高品質で巨大な
原子シートの合成、及び次世代超高性能フレキシブル透明デバイスへの活
用が期待される。

✳️ 米、ウクライナのレアアース鉱物の50%所有を狙う?

2015年6月29日、カリフォルニア州マウンテンパスにあるモリコープのマウンテンパスレアアー
ス施設のツアーで展示されているレアアース鉱物、酸化セリウム、バストナサイト、酸化ネオジ
ム、炭酸ランタンのサンプル。REUTERS/デビッド・ベッカー/ファイル写真

伸縮性のある有機太陽電池の図
伸縮性のある有機太陽電池
✳️  高性能で伸縮する有機太陽電池を開発
         発電層のひずみ再分配戦略
本研究成果は、2021年11月15日19時(日本時間)にネイチャーパブリッシ
ンググループの英国科学雑誌Scientific Reports(電子版)に掲載された。
理化学研究所(理研)らの国際共同研究グループは、高性能かつ伸縮可能
有機太陽電池]を開発。本研究成果は、発電層の機械的特性に依存せず、
デバイス全体に伸縮性を付与するもので、他の発電層材料にも適用可能で
あるため、伸縮性有機太陽電池の開発に新たな道を開くと期待されている。

【概要】有機太陽電池は、柔軟性に優れ、衣服や人体の表皮に貼り付ける
ウエアラブルセンサーの駆動用電源として注目されています。有機太陽電
池の柔軟性を生かした応用を実現するためには、高いPCEだけでなく、連
続的な身体の動きによってデバイスに加えられる引張力から生じるひずみ
引張ひずみ])に耐えられる機械的な強靭(きょうじん)さが必要です。
有機太陽電池は、基板と、基板上に透明電極と上部電極を備え、透明電極
と上部電極の間には、発電層と正孔輸送層[2]電子輸送層[2]が成膜され
ている。このうち、透明電極以外は所望の性能を持ちながら伸縮性もある
材料のめどが付いています。しかし、透明電極については、透明性・導電
性・伸縮性の三つを備える材料がまだ見いだされていない。伸縮性太陽電
池の透明電極に広く使われている導電性高分子(PEDOT:PSS)の引張り
弾性率
は通常2ギガパスカル(GPa、1GPaは10億パスカル)であり、伸縮
性を実現するには高過ぎる値です。PEDOT:PSSに可塑剤を添加しても、伸
縮性のある基板からの不可逆な塑性変形および局所的剝離を示しやすく、
有機太陽電池の永久的な伸びと伸縮サイクル(繰り返しひずみ)への耐久
性の低下を招きます。また、高いPCEを示す発電層の構成材料であるポリ
マードナー:低分子アクセプターのブレンド膜は、材料に破断もしくは亀
裂が発生する材料の伸長程度を表す亀裂発生ひずみ(COS:crack onset
strain)値が5%未満であり、5%未満の伸長でも破断してしまうため、機
械的耐久性の要件を満たさない。このように、透明電極に適用可能な高い
PCEと伸縮性を両立する材料は見いだされていない。
【研究手法と成果】
本研究では、高いPCEを有しながら、引張ひずみに対する高い耐久性を持

つ伸縮性有機太陽電池の実現に挑んだ。本研究で開発した伸縮性有機太陽
電池は、ポリウレタン基板上に、透明電極、正孔輸送層、発電層、上部電
極の順に積層されています(図1a)。

デバイスの構造と材料の図
図1 デバイスの構造と材料
a)伸縮性有機太陽電池の概略図。ポリウレタン基板、導電性PEDOT:PSS
(ION Eを5mg/mL含む)から成る透明電極、PEDOT:PSSから成る正孔輸
送層、Ter-D18:Y6から成る発電層、共晶ガリウムーインジウム(EGaIn)
から成る上部電極の順に積層した。b)伸縮性有機太陽電池の電極材料と
活性材料の化学構造。
透明電極は、導電性高分子材料である「PEDOT:PS
S」に「ION E(4-(3-エチル-1-イミダゾリオ)-1-ブタンスルホン酸)」
を添加しました。異なる引張ひずみ下での電気的および機械的特性(伸縮
性)を評価するために、10マイクロメートル(μm、1μmは100万分の1メ
ートル)厚のポリウレタン基板上に透明電極を塗布成膜手法によって溶液
から均一に成膜した。
5mg/mLのION Eを添加した透明電極は80%の引張
ひずみで初期値の2倍未満の抵抗を示しました。対照的に、ION Eを含ま
ない透明電極は40%の引張ひずみで初期値の122倍の抵抗を示した。ION
Eを添加した透明電極は、伸縮性が向上するとともに、引張ひずみが増加
しても抵抗の増加を大幅に緩和することを確認した(図2a)。
また、透明
電極のCOS値はION E濃度の増加に伴い明確に増えました(ION Eの添加
量2mg/mLで50%、5mg/mLで120%、10mg/mLで150%)(図2b)。
つまり、ION Eを添加した透明電極は大きな引張ひずみ下でも亀裂の進行
が著しく抑制されることを確認し
ました。

🎈全世界の埋蔵量は250~300万トン(W純分)と見られる。 最大の生産
国は中国で、世界の大半を占める。工業的に重要な鉱石は灰重石(シーラ
イト、CaWO4)と鉄マンガン重石(ウォールフラマイト、((Fe、Mn)
WO4)である。灰重石は比重が約6で灰色、鉄マンガン重石は比重7.2~
7.5で黒褐色を呈する。全世界の埋蔵量は250~300万トン(W純分)と
見られる。最大の生産国は中国で、世界の大半を占める。鉱石は日本にも
産するが現在は採掘されていない。粗鉱の品位はWO31%程度で、選鉱に
よりWO365%以上にする。通常WO370%以上で取引される。精鉱の主な
不純物はモリブデン・スズ・ヒ素・カルシウムなどである。わが国の鉱石
輸入量は年間約500トン(W純分約300トン)程度であるが、中間製品の
パラタングステン酸アンモニウム(APT)を年間約6,000トン(W純分約
4,200トン)消費している。主たる鉱石の輸入先は中国ならびにポルトガ
ルで、またAPTもそのほとんどを中国から輸入している。その他、タング
ステン炭化物や金属粉を中国・韓国・ヨーロッパ・カナダなどからおよそ
1,500トン輸入している。タングステン原料としてスクラップの利用率は
生産量の20%程度と見られる。

採掘した鉱石をクラツシャーやミルを用いて租粉砕し、比重選鉱・静電選
鉱あるいは浮遊選鉱により、WO3が65%以上、一般には70%以上の精鉱
とする。精鉱は数mmあるいはそれ以下の大きさの砂状で精錬業者に供給
される。精鉱は精錬前に粉砕機で再度200メッシュ以下まで粉砕する。粉
砕には銅製のロツドを入れた振動ミルや回転式のボールミルが用いられる。
タングステン鉱石は比較的粉砕されやすく、むしろ過粉砕に注意する必要
がある。過粉砕は精製工程で残渣の沈降を遅くして作業性を悪くする。粉
砕鉱石をスクリーンにかけ、微粒は再度粉砕機に戻される。微粒はホッパ
ーに貯蔵し、精錬工程に送る
透明電極を構成する導電性PEDOT:PSSの特性の図
図2 透明電極を構成する導電性PEDOT:PSSの特性
a)伸長中のポリウレタン基板と導電性PEDOT:PSSの積層フィルムの抵抗
値変化(引張ひずみを加える前の値で規格化している)。b)異なる量の
ION Eを含むポリウレタン基板と導電性PEDOT:PSSの積層フィルムの亀裂
発生ひずみ(COS)値。
ポリウレタン基板と透明電極との間の界面の特性
を評価するために、ION Eの添加による導電性PEDOT:PSSの分子構造およ
び結晶構造の変化に加えて、導電性PEDOT:PSS内、および導電性PEDOT:
PSSとポリウレタン基板との間の二つの分子間相互作用を精査しした。
ION E添加なしと5mg/mLのION E添加ありの透明電極の2次元接着力マッ
プを取得しました(図3a、b)。ION Eを含まない導電性PEDOT:PSSの接
着力(1.15ナノニュートン(nN、1nNは10億分の1ニュートン))は、
ION Eを含む導電性PEDOT:PSSの接着力(5.66 nN)よりも大幅に低い
とが明らかになつた。
この顕著な微視的接着特性が透明電極の伸縮性に反
映されているかどうかをマクロレベルに判断するために、界面接着力を評
価。「力-変位曲線」(図3c)は、ION Eを含むサンプルに適用された力
(80Nより大)が、ION Eを含まない試験片に適用された力の2倍以上であ
ることを示していました。堅固な界面接着は、剥離を抑制し、ポリウレタ
ン基板への機械的応力を分散させます。その結果、透明電極の面内亀裂の
駆動力が減少し、亀裂の発生と伝播が遅れ、透明電極の伸縮性が向上して
いることを確認した。
導電性PEDOT:PSSから成る透明電極とポリウレタン基板との界面の特性評価の図
図3 導電性PEDOT:PSSから成る透明電極と
    ポリウレタン基板との界面の特性評価

a)、b)ナノスケールの透明電極の2次元接着力マップ。aはION E無添加
、bはION Eを5mg/mL添加。c)接着特性評価のための透明電極を含むサ
ンプルの代表的な「力-変位曲線」(ION E無添加(緑)、および5mg/m
LのION E添加(赤))。

電層の伸縮性を向上させることは、高性能な伸縮性有機太陽電池を実現す
るためのもう一つの重要な要素。本研究で開発した伸縮性有機太陽電池の
発電層は、二つの高効率ドナー材料(PM6とD18)を混ぜてランダム三元
共重合ポリマードナーである「Ter-D18」を合成し、近年有機太陽電池と
して広く使われている低分子アクセプター材料「Y6」と混合してTer-D18:
Y6を作製しました。
Ter-D18:Y6から成る発電層と透明電極とポリウレタン
基板とを備えた複合フィルム(図1a)のCOS値は、PM6:Y6から成る発電
層と透明電極とポリウレタン基板を備えた複合フィルムのCOS値と比較す
ると亀裂の発生が大幅に遅延されており、発電層の機械的特性が改善され
ていることが分かった。さらに、ION E添加なしまたはION Eを5mg/mL
を添加した透明電極と組み合わせた複合フィルムの機械的特性を調べる
ために、引張り応力下にある複合フィルムの光学顕微鏡画像を撮影して比
較したところ、ION Eを添加した透明電極を含む複合フィルムは、亀裂の
伝播が著しく抑制されることを確認した(図4a、b)。つまり、ION Eを
含む伸縮性の高い透明電極は、発電層内の引張ひずみを効果的に非局在化
して再分散し、それによって亀裂の発生と伝播を遅らせ、伸縮性有機太陽
電池全体の機械的完全性(高い伸縮性)を保証することを確認できた。

ポリウレタン基板と透明電極と発電層から成る複合フィルムの機械的特性の図

図4 ポリウレタン基板と透明電極と発電層から成る複合
  フィルムの機械的特性

  • (a)引張り応力下にあるPM6:Y6から成る発電層を備えた自立型複合
    フィルムの光学顕微鏡画像。上段は透明電極にION E添加なし、下
    段は透明電極にION Eを5mg/mL添加。矢印は引張ひずみの値が0
    %から40%に大きくなることを示している。
  • (b)引張り応力下にあるTer-D18:Y6から成る発電層を備えた自立型
    複合フィルムの光学顕微鏡画像。上段は透明電極にION E添加なし、
    下段は透明電極にION Eを5mg/mL添加。矢印は引張ひずみの値が
    0%から60%に大きくなることを示している。

このようにして伸縮性を確認した複合フィルムに、液体金属共晶ガリウム
ーインジウム(EGaIn)[6]
から成る上部電極を備えた電子輸送層フリーの
有機太陽電池を作製し注)、太陽電池性能を評価しました(図5a)。Ter-
D18:Y6から成る発電層を持つ有機太陽電池は、伸長前に短絡電流密度(JSC
[7]
が25.18mA/cm2開放電圧(VOC[7]が0.84V、曲線因子(FF)[7]
0.67、PCEが14.18%という高い初期性能を示した。これらの値は、PM6:Y6
から成る発電層の有機太陽電池(JSC: 25.87mA /cm2、VOC: 0.78 V、FF: 0.65
、PCE:13.14%)の値よりも優れている。
さらに、有機太陽電池を伸長ス
テージに取り付け、伸縮性を分析しました(図5b)。PM6:Y6から成る発
電層を備えた有機太陽電池は、32%の引張ひずみで初期PCEの80%を維持
しましたが、より高い引張ひずみでは急速に劣化しました。対照的に、
Ter-D18:Y6から成る発電層を備えた有機太陽電池は伸縮性の大幅な向上
を示し、52%の引張ひずみで初期PCEの80%を維持した。
こうした伸縮性有機太陽電池の結果は、初期性能と伸縮性の優れた組み合
わせを示し、PCEがこれまでに報告された全ての高性能伸縮性有機太陽電
池の性能を上回りました(図5c)。
最後に、伸縮サイクルにおける伸縮性有機太陽電池の機械的耐久性を評価
した。Ter-D18:Y6から成る発電層を備えた伸縮性有機太陽電池は、10%
および20%の引張ひずみの100サイクル後も、それぞれ初期PCEの95%お
よび85%を維持しており(図5d)、顕著な伸縮サイクル耐久性があること
が確認された。

伸縮性有機太陽電池の性能の図

図5 伸縮性有機太陽電池の性能

a)伸長前の伸縮性有機太陽電池のJ-V(短絡電流密度-解放電圧)曲線。b)
引張ひずみ下での伸縮性有機太陽電池のエネルギー変換効率(PCE)。引張
ひずみ印加前の値で規格化している。c)過去に報告されたシステムと比
較した伸縮性有機太陽電池の性能。初期デバイス性能と、初期PCEの80%
になるひずみ値との関係で表す。d)10%および20%の繰り返し引張ひず
みサイクル下でのTer-D18:Y6から成る発電層を備えた伸縮性有機太陽電池
のPCE(引張ひずみ印加前の値で規格化している)。
2024年4月11日プレスリリース「全塗装プロセスで作製された超薄型ウエアラブルセンサー
                            この項了
 心に響く楽曲  『飛んでイスタンブール』1978年4月
              ジャンル:ポップス 歌:庄野真代
              作詞:ちあき哲也/作曲:筒美恭平

「飛んでイスタンブール」の大ヒットで知られる歌手でシンガー・ソング
ライターの庄野真代(70)が13日(日本時間14日)、トルコ・イス
タンブールで同曲を歌唱した。「飛んでイスタンブール」は1978年に
庄野の5枚目のシングルとして発売され、エキゾチックな雰囲気のメロデ
ィと歌詞が、海外旅行がブームとなり始めた当時の日本人に受け、80万
枚を超える大ヒットとなった。

●  今日の言葉:『エネルギーフリー社会』構想の最終段階に入る。


         春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                  春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』
                           



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エネルギーと環境 142

2025年02月14日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

✳️ 
「通信・コンピューター・情報サービス」の赤字が5割増
デジタル赤字は、財務省が公表する国際サービス収支のうち「著作権等使用
料」と「通信・コンピューター・情報サービス」、「専門・経営コンサルテ
ィングサービス」の3項目の収支で計算する。ソフトウエアやコンテンツ配
信のライセンス収入などで構成する「著作権等使用料」は前年比5.5%減の
1兆6814億円の赤字で、2021年以来3年ぶり減少に転じた。支払額が2.7%
増の2兆6503億円に対し、受取額が21.0%増の9689億円と大きく増えたこ
とで赤字拡大に歯止めをかけた。同項目にはコンピューターソフトの他、
映像・音楽作品なども含まれ、海外輸出の伸びはアニメやゲームなどが寄
与した可能性がある。

デジタル赤字額の推移
(出所:財務省統計を基に日経クロステック作成)

✳️ペロブスカイト太陽電池耐久化最新技術(東京応化工業)
要約:メタルハライドペロブスカイト半導体は、次世代の太陽電池に最適な
材料。世界各地での研究開発の結果、シングルセルデバイスの光電変換効
率は26%以上(2023年7月)と急速に向上。シリコン・オン・ペロブスカイ
ト・タンデムデバイスの光電変換効率は現在33.7%(2023年5月)を記録。
材料化学は、これらの注目すべき結果に向けて多くの重要な貢献。本稿で
は、ペロブスカイト太陽電池の高性能化に向けた材料化学研究の成果とし
て、⓵高純度前駆体材料の開発、②大面積印刷ペロブスカイト膜用プリカ
ーサーインクの開発などを紹介。核形成と結晶化の過程の研究は、シミュ
レーションを含み、高品質なペロブスカイト膜の信頼性の高い作製につな
がった。⓷多様な新しい電荷収集材料や、④ペロブスカイト表面を効果的
に改質する化合物により、太陽電池の性能が向上された。

:
(1)高純度前駆体材料と前駆体インクの開発;(2)高品質のペロブスカイト膜
の信頼性の高い作製のための核形成および結晶化プロセスの研究とシミュ
レーション。(3)新しい電荷収集材料と、ペロブスカイト表面を効果的に不
動態化するための化合物の概要。
【概要】メタルハライドペロブスカイトは、ABX3の一般式を持つイオン
性結晶材料です。1-5「有機-無機ハイブリッドペロブスカイト」と呼ばれ
ることもあるAサイトの一価陽イオンは、一価金属(Cs、Rb)またはメチル
アンモニウム(MA =CH3NH3)やホルムアミジニウム[FA = CH(NH2)2]など
の小さな有機アンモニウムイオンのいずれかです。Bサイトの二価金属カ
チオンは、通常、鉛(Pb
++++++2+)または錫(Sn2+)、ハロゲン化物I
Br
、または ClXサイトを占めます(図2)。その代表的な材料は、主に導
体として研究されてきたヨウ化メチルアンモニウム鉛MAPbI3です
6–9また
は発光素材。
10,11メタルハライドペロブスカイトは、色素増感太陽電池(
DSSC)の光吸収層として初めて成功裏に使用され
12132009年にMiyasaka
らによって、電力変換効率(PCE)は3.8%になった(図2)。1b)。
14この励ま
しの結果を受けて、韓国のナムギュパクのグループ
15イギリスのヘンリー・
スナイス
16液体電解質を除去し、ペロブスカイト層を直接2,2',7,7'-テトラ
キス(N, N-di-p-methoxyphenylamino)-9,9'-スピロビフルオレン(Spiro-O
MeTAD)でコーティングすることにより、独自に開発した固体太陽電池。 
これらの初期のペロブスカイト太陽電池のPCEは10%を超え、セルの性能
をさらに向上させるための激しい研究活動が始まりました。構成工学に基
づいて、
17いわゆる「トリプルカチオン」ペロブスカイトの開発は、他の
多くの進歩と相まって、2016年までに効率を20%以上に向上させました。
182023年に報告されたPCEの最高値は、現在26%を超えています。19さら
に、「鉛フリー」の錫ベースのペロブスカイト太陽電池、
20,21鉛の毒性問
題を克服するもので、最近では大きな進歩も見られた。
22–24


図1.ペロブスカイト太陽電池の基本。a)ABX3型ペロブスカイト半導体の構
造、b)電力変換効率(PCE)のチャート、c)ペロブスカイト太陽電池のデバイ
ス構造パネルb)のデータは、Best Research Cell Efficiency Chartから取得
ました。
典型的なペロブスカイト太陽電池の構造を図1に示す。1c. 光の吸収と電子-
正孔対の生成の両方を担うペロブスカイト層は、電荷収集層の間に挟まれ
ている。ペロブスカイト膜の大きな特徴は、溶液ベースの湿式堆積法によ
る前駆体材料からの直接の結晶化による作製です14-16,25または真空ベー
スの乾式処理。26,27湿式プロセスの場合、太陽電池デバイスに適した薄い
ロブスカイト層は、スピンコーティング、ブレードコーティングなどの
般的な薄膜堆積法を使用して容易に作製でき、これらのプロセスを広い
域にスケーリングすることは困難であることが証明された28ドライプ
ロセスでは、熱蒸着により、テクスチャード加工されたシリコンなどの粗
い基板上に薄膜をコンフォーマルに堆積できるが、前駆体材料の蒸着率を
制御したり、高品質な膜に必要なパッシベーション化合物を導入したりす
ることは困難。興味深いことに、処理温度が比較的低く、どちらの方法で
も通常150°C以下であるため、プラスチックフィルム基板上にペロブスカ
イト太陽電池を作製し、軽量で柔軟なデバイスを実現できる29–31
本稿では、溶液ベースのペロブスカイト膜作製における材料化学の立場か
ら、この分野における研究について紹介し、高品質なペロブスカイト膜の
再現性の高い作製における材料純度の重要性について紹介し、ペロブスカ
イトのユニークな特性を提示し、ペロブスカイト膜の作製方法を検討。成
膜時の結晶子形成のメカニズムを数値シミュレーションにより明らかにす
る。最後に、電荷収集材料の開発とペロブスカイト膜の表面改質について
詳しく説明する。
高純度の前駆体材料。a)未精製(左)と精製(右)のPbI2のDMF溶液の外観と、b)各出発物質を用いて調製した太陽電池の電流-電圧(J-V)特性。c) ハロゲン化スズの溶媒配位錯体であるSnI2(dmf)、SnBr2(dmf)、SnCl2(dmf)の結晶構造。パネルb)およびc)のデータは、それぞれ参考文献32および参考文献33から取得されました。
同様に、ハロゲン化スズ(SnX2)の精製にも取り組みました。二価のスズは
酸化されやすく、4価の種が混入するとペロブスカイト半導体の特性が劣
化するす。その結果、市販のSnI2(赤色固体)は、純度99.9%(微量金属ベー
ス)で、SnI4を10wt%も含んでいる。精製されたSnI2は、昇華によって得
られ、および/または配位溶媒から再結晶して、SnI2(dmf)などの無色の結
晶として高度に精製された材料を得ることができる(図2)。2c)。33この錯
体は酸化すると赤褐色に変わり、SnI2の純度を便利に示す。

✅ 2.2 メタルハライドペロブスカイトの特性
ABX3型ペロブスカイト半導体は、なぜ太陽電池の発電材料として優れ、こ
れらのペロブスカイト半導体の特異な光物性を高度な分光法を用いて明ら
かにしました。34–51ペロブスカイト材料は直接バンドギャップ型半導体で
あり、安定な励起状態により高発光性を実現。34ペロブスカイト半導体は
吸収係数が高いため、厚さが400〜800nm程度の薄膜でも、カバー波長の
太陽光を十分に吸収できる。照射光(励起光)の強度とフォトルミネッセンス
(PL)特性の相関を調べたところ、MAPbI3ではフォトルミネッセンス強度が
励起光強度の2乗に比例して増加することがわかる。35このことから、ABX
3型ペロブスカイト半導体は、励起状態から2体組換えによって発光するこ
とが示唆された。ABX3型ペロブスカイト半導体が光を吸収すると自由キャ
リア(正孔と電子)を生成することを初めて実験的に実証。35–39有機材料の
ような励起子ではなく。ワイドバンドギャップペロブスカイトでは、MAPb
Cl3のフォトルミネッセンスは励起子の再結合により引き起こされることに
要注意。40また、ペロブスカイト単結晶の動的光物性を多光子吸収法と時
間分解PL分光法により調べた。1光子励起下のPLピークは、時間が経過する
と赤方偏移を示すが、2光子PLは時間に依存せず、より低いエネルギーレベ
ルで現れる。低エネルギーの2光子PLは、局在状態からの放出に起因する可
能性がある。これらの結果から、高品質なペロブスカイト半導体結晶には、
光の放出と吸収を繰り返す「光子リサイクル現象」が見られ、光励起状態
の安定性が高いことが示された。41また、ペロブスカイト半導体は、正孔
と電子の両方に対して比較的高い移動度(拡散長)を持つ両極性半導体であ
ることも知られている。52ペロブスカイト半導体のこのようなユニークな
光物性により、ペロブスカイト層をp型半導体層とn型半導体層で挟んだシ
ンプルな構造で、効率的な太陽電池を実現できる(図2)。3a). 光子から電気
への変換機構53–63ペロブスカイト太陽電池は、光を吸収するとペロブスカ
イト層に拡散長が十分に長い自由キャリア(正孔と電子)が生成され、これ
を半導体層から各電極に選択的に取り出して発電きる(図1)。3a)。
ペロブスカイト太陽電池の構造。a) ペロブスカイト太陽電池の断面走査型電子顕微鏡(SEM)像と動作機構b) ペロブスカイト層の均一性の重要性を示す模式図。
図3.ペロブスカイト太陽電池の構造 a) ペロブスカイト太陽電池の断面走査
型電子顕微鏡(SEM)像と動作機構 b)ペロブスカイト層の均一性の重要性を
示す概略図

✅ 2.3 ペロブスカイトフィルムの作製
太陽電池の性能を向上させるためには、まず、緻密で平坦で高品質なペロ
ブスカイト薄膜を確実に作製するための適切なプロセス技術を開発する必
要がある。上述したように、ペロブスカイト太陽電池は、複数の層が積み
重なった構造で構成される。ペロブスカイト層が粗いと、上部電荷収集層
がペロブスカイト層を完全に覆うことができず、生成されたフリーキャリ
アが再結合して光電変換効率が低下(図2)。3b). ペロブスカイト半導体は本
質的に立方晶であるため、緻密で平坦な薄膜を形成することは困難。また、
ペロブスカイト半導体は、有機材料で作られた塗料やインクとは異なり、
固体状態では特徴的な黒色半導体にしか変化せず、前駆体溶液自体は黄色。
これらの前駆体の構成イオンは、乾燥および加熱プロセス中に溶媒が放出
されると、黒色のペロブスカイト構造に集合します。このコーティングプ
ロセスを「化学平衡」と「結晶成長」の観点から精密に制御することは、
欠陥構造を低減し、高品質な半導体薄膜を作製するために重要。ここで、
有機化学と複合化学の知識が大きな貢献をすることができる。

フィルムの作製を容易にし、フィルムの品質を向上させるために、さまざ
まな材料や添加剤が開発されています。また、溶解度、配位特性、沸点、
揮発性などの点で有機溶媒を慎重に選択した、さまざまなコーティングお
よび乾燥方法も開発されています。これらの進歩により、より再現性の高
い高品質なペロブスカイト半導体薄膜を作製することが可能となり、太陽
電池の性能が大幅に向上した。代表的なのが、コーティング時に無極性溶
剤(貧弱溶剤)を滴下する抗溶剤処理です。64,65これは、ペロブスカイト前
駆体溶液が完全に乾燥する直前に、トルエンなどの低溶解性非極性抗溶媒
を液膜上に滴下することを含む。このプロセスは、微結晶の急速な再沈降
により、基板上に多くの結晶核が形成されることとして理解できる。例え
ば、MAPbI3のペロブスカイト成分の場合、DMSOを溶媒として用いた場
合、MA2Pb3I8・2DMSO(DMSO:ジメチルスルホキシド)やMA2Pb3I8・
2DMFなどの無色透明の針状中間微結晶が形成された。66その後の100°Cま
での加熱プロセスで、中間微結晶は溶媒を放出しながら残りのMAIとさら
に反応し、MAPbI3の薄膜を形成。これらの成膜プロセスを精密に制御す
ることで、緻密で平坦なペロブスカイト薄膜の作製を実現し、光電変換効
率を20%以上にした。66アンチソルベントを滴下する最適な時間は、液膜
の乾燥速度によって異なる。当研究室でのMAPbI3膜のDMF/DMSO混合溶
媒を用いた最適化時間は、スピンコーティング開始後8秒でした。プロセス
ウィンドウ、この場合の抗溶剤滴下に許容される期間は、使用する溶剤と
前駆体材料の選択によって拡大することができ、これは大面積モジュール
の製造を実現するために重要。67

より広いプロセスウィンドウを持つMAPbI3膜作製のための主要な前駆体材
料として、MAPbI3·DMF溶液へのCH2Cl2のゆっくりとした拡散によるDM
F結晶。67単結晶X線構造解析により、DMF分子が[Pb2I6]2–層とMAカチオ
ン(MAPbI3)の比率は1:1です。その結果、MAPbI3·DMSOでは、PbI2 + M
AIの混合物(1.2 M)と比較して、DMSOはより溶解しやすく、高い溶解度(飽
和濃度:室温2.0 M)を示しますが、DMF(2.2 M)では差は認められなかった。
高純度MAPbI3・高純度のDMSOへの高溶解性を活用DMF結晶は、プロセ
スウィンドウを拡大することができる。
                          この項つづく

✅ 特開2016-44217 太陽電池用光吸収層および太陽電池
ならびにそ
の製造方法 東京応化工業株式会社
【要約】太陽電池の光吸収層の形成に用いられる塗布液であって、第11
族金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属、第15族元素、第
11族金属化合物、第12族金属化合物、第13族金属化合物、第14族
金属化合物及び第15族元素含有化合物からなる群より選ばれる少なく
も1種の単体または化合物を水の存在下溶媒に溶解して反応液を得て、前
記反応液にアルキレングリコールアルキルエーテル、アルキレングリコー
ルアルキルエーテルアセテート及びアルキレングリコールジアセテートか
らなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を3質量%以上添加してな
る。

図1は、カルコパイライト系またはCZTS系太陽電池の一例を示す断面
模式図。
【符号の説明】【0110】
1…カルコパイライト系太陽電池又はCZTS系太陽電池、2…基板、3…
第1の電極、4…CIGS又はCZTS層(光吸収層)、5…バッファ層、
6…i-ZnO層、7…第2の電極、8…反射防止膜層、A…入射光、B…
電流
【発明の効果】【0013】
  本発明によれば、大型基板上に均一な膜厚及び良好な膜質の塗布膜を形成
することが出来るの塗布液、太陽電池用光吸収層及び太陽電池、ならびに
その製造方法が提供できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  太陽電池の光吸収層の形成に用いられる塗布液であって、
  第11族金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属、第15族元
素、第11族金属化合物、第12族金属化合物、第13族金属化合物、第
14族金属化合物及び第15族元素含有化合物からなる群より選ばれる少
なくとも1種の単体または化合物を水の存在下溶媒に溶解して反応液を得
て、前記反応液にアルキレングリコールアルキルエーテル、アルキレング
リコールアルキルエーテルアセテート及びアルキレングリコールジアセテ
ートからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を3質量%以上添加し
てなる塗布液。
【請求項2】更に少なくとも1種の第16元素を前記溶媒に溶解する請求
項1に記載の塗布液。
【請求項3】前記太陽電池がカルコパイライト系太陽電池又はケステライ
ト系太陽電池である請求項1又は2に記載の塗布液。
【請求項4】  前記反応液が、下記一般式(1)又は(2)で表される化合
物を含有する請求項1~3のいずれか一項に記載の塗布液。
【化1】
000004
[式中、0≦w≦1、0≦x≦1、0≦y≦1、0<z≦1、Aは少なくとも
1種の16族元素、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、及び-1≦d≦1
である。]
【請求項5】  前記添加剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールジアセテートからな
る群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1~4のいずれか一項に記
載の塗布液。
【請求項6】更にNa、K、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれる
少なくとも1種を前記溶媒に溶解する請求項1~5のいずれか一項に記載
の塗布液。
【請求項7】請求項1~6のいずれか一項に記載の塗布液を用いて形成さ
れる、太陽電池用光吸収層。
【請求項8】  請求項7の太陽電池用光吸収層を備えた太陽電池
【請求項9】  太陽電池の光吸収層の形成に用いられる塗布液の製造方法で
あって、第11族金属、第12族金属、第13族金属、第14族金属、第
15族元素、第11族金属化合物、第12族金属化合物、第13族金属化
合物、第14族金属化合物及び第15族元素含有化合物からなる群より選
ばれる少なくとも1種の単体または化合物を水の存在下溶媒に溶解して反
応液を得て、前記反応液にアルキレングリコールアルキルエーテル、アル
キレングリコールアルキルエーテルアセテート及びアルキレングリコール
ジアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を3質量%
以上添加することを含むことを特徴とする塗布液の製造方法。
【請求項10】更に少なくとも1種の第16元素を前記溶媒に溶解する請
求項9に記載の塗布液の製造方法。
【請求項11】前記太陽電池がカルコパイライト系太陽電池又はケステラ
イト系太陽電池である請求項9又は10に記載の塗布液の製造方法。
【請求項12】
  前記反応液が、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物を含有す
る請求項9~11のいずれか一項に記載の塗布液の製造方法。
【化2】000005
[式中、0≦w≦1、0≦x≦1、0≦y≦1、0<z≦1、Aは少なくとも1
種の16族元素、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、及び-1≦d≦1で
ある。]
【請求項13】  前記添加剤が、エチレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及
びプロピレングリコールジアセテートからなる群より選ばれる少なくとも
1種を含む請求項9~12のいずれか一項に記載の塗布液の製造方法。
【請求項14】更にNa、K、Cs、Sb及びBiからなる群より選ばれ
る少なくとも1種を前記溶媒に溶解する請求項9~13のいずれか一項に
記載の塗布液の製造方法。
【請求項15】請求項9~14のいずれか一項に記載の塗布液の製造方法
により得られた塗布液を、基体に塗布し、焼成することを特徴とする太陽
電池
用光吸収層の製造方法。
【請求項16】  基板上に第1の電極を形成する工程と、  前記第1の電極
上に、請求項9~14のいずれか一項に記載の塗布液の製造方法により得
られた塗布液を塗布し、焼成して光吸収層を形成する工程と、前記光吸収
層上にバッファ層を形成する工程と、  前記バッファ層上に第2の電極を形
成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
[塗布膜の形成1]
  実施例1~4及び比較例1~15の各塗布液を、Mo蒸着した7.5cm
角のガラス基板上に、Automatic  Film  Applicator 
 “byko-drive”(BYK社製)及びUniversal  app
licator  “ZUA  2000”(ZEHNTNER社)を合体させた
アプリケーター用いて塗布した。
  次いで減圧乾燥を30Paで50秒間行い、100℃にて2分間ホット
レート上で乾燥し、さらに325℃にて2分間ホットプレート上で乾燥し
た。その後、基板を室温まで放冷し、1層目の塗布膜を得た。
  その後、1層目の塗布膜の上に、上記と同じ操作により2層目の塗布膜
を形成し、得られた塗布膜の観察を行った。塗布性は以下のように評価し
た。結果を表1に示す。
○:2層目形成後もハジキ発生は無く、良好な塗布性
△:2層目形成後ハジキ発生
×:1層目形成時点でハジキ発生
表1.
000003
                             この項了

🎈膨大な研究開発(工数×時間)に敬服。しかし、もう少し先を急ごう。

      心に響く楽曲
          『Itzhak Perlman – Beethoven: Violin Concerto
』 
           with Daniel Barenboim, Berliner Philharmonike


 今日の言葉:



          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

              

コメント
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エネルギーと環境 140

2025年02月13日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:2月14日】        バレンタイン2025チョコゴディバベルギースイーツグランプラス12粒入


        バレンタイン健康祈り頂きぬ 

               高山 宇 (赤鬼)               

✅ 新エネルギー便り:新幹線防音壁用に発電の実証実験

ペロブスカイト太陽電池を取り付けた防音壁の試作品=12日午前、愛知県小牧市
ペロブスカイト太陽電池を取り付けた防音壁の試作品=12日午前、愛知県小牧市

JR東海は12日、愛知県小牧市の研究施設で、次世代の太陽電池として注

目されるペロブスカイト太陽電池を使った発電の実証実験を報道陣に公開
した。二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた取り組みの一環で、積水化
学工業(大阪市)と連携して開発を進める。将来は東海道新幹線の線路脇
の防音壁に取り付け、駅などで使用する電力の生産を目指す。
ペロブスカ
イト太陽電池は従来と比べ、薄く軽量で多様な場所に設置できる。JR東
海は高所を走る区間が多く、営業距離が500キロ以上ある東海道新幹線
に着目。日光を遮る障害物が少なく、効率的な発電が期待できると1月か
ら実験を始めた。実健
では、太陽電池を取り付けた防音壁の試作品を、屋
外で東向きと南向きに計4枚設置し、モニターで発電量の違いを継続的に
観測。今後は長期的な発電量や日射量の傾向も調べる予定。防音
壁は30
年以上使用できるのに対し、太陽電池の寿命は10~20年と短いため、
試作品は電池を壁の下側から曲げ入れたり出したりできる構造にし、交換
を容易にした。
地点ごとの太陽光発電出力等が予測可能に 日本気象協会が提供開始
🎈地点ごとの太陽光発電出力等が予測可能に
                                      日本気象協会が提供開始
一般財団法人 日本気象協会(以下、日本気象協会)は2月12日、新たに「
個別需要家※1を対象とした余剰電力予測サービス」の提供を開始した。
同サービスは、高圧需要家(ビルや商業施設、工場など)から低圧需要家
(家庭、店舗など)まで、任意の個別需要家1地点ごとに、30分ごとの太
陽光発電出力・電力需要量・買電量・余剰電力量の予測情報を提供すると
いうものだ。利用者から事前に提供してもらう「太陽光発電設備情報」お
よび「個別需要家ごとの電力需要量・買電量の実績値」と、日本気象協会
独自の気象データをもとに予測する。日本気象協会が開発した太陽光発電
出力予測モデルと需要予測モデルを組み合わせることによって、高精度な
余剰電力予測を実現するという。

✳️ ペロブスカイト太陽電池耐久化最新技術(東京応化工業)
表題:
錫ペロブスカイトトランジスタとAサイトカチオン工学に基づく相補回路
要約:ハロゲン化スズペロブスカイトは、一般化学式ASnXを有します。3
ここで、Aは一価の陽イオン、Xは一価のハロゲン化物アニオンです。これ
らの半導体材料は、低コストかつ温度でp型トランジスタを製造するために
使用でき、n型酸化物ベースのトランジスタと統合して相補回路を作成でき
る可能性があります。しかし、この材料は結晶化制御性が低く、膜欠陥密
度が高いため、デバイス性能に劣ります。ここでは、セシウム-ホルマミジ
ニウム-フェネチルアンモニウムのトリプルAカチオンを使用して、純スズ
ペロブスカイト薄膜トランジスタを作成できることを示します。このアプ
ローチは、低欠陥で位相純度の高いペロブスカイト/誘電体界面を備えた高
品質のカスケードスズペロブスカイトチャネル膜につながります。最適化
された薄膜トランジスタは、70cmを超える正孔移動度を示します2V−1s−110
以上のオン/オフ電流比8これは、市販の低温ポリシリコントランジスタに
匹敵します。トランジスタは、100°C以下の温度で溶液処理法を使用して
製造されます。 また、これらのデバイスをn型金属酸化物トランジスタと
統合して、電圧ゲインが370の相補型インバータと、レールツーレールスイ
ッチング性能のNORおよびNANDロジックゲートを作成します。

詳細説明:
高性能なn型金属酸化物電界効果トランジスタの開発と商品化は、
p型トランジスタを凌駕しています12.錫 (Sn2+)ハロゲン化物ペロブスカ
イト、例えばセシウム錫トリヨウ化物(CsSnI3)およびメチルアンモニウム
スズトリヨウ化物(MASnI3)は、高い正孔移動度(毎秒数百平方センチメー
トル)と、費用対効果が高くスケーラブルな低温成膜法による優れた加工性
を備えたp型半導体です345678.それらの分散価電子バンドの最大
と小さな正孔キャリア有効質量(シリコンのそれに匹敵)は、良好な固有の
正孔輸送特性を提供します。その結果、スズペロブスカイトは、高性能p
チャネルトランジスタの開発に有望な半導体であり、nチャネル金属酸化物
トランジスタと併用することで、ノイズ耐性があり、低消費電力の相補型
金属酸化物半導体のような電子機器を作成できる可能性があります91011.

高性能な錫ペロブスカイト薄膜トランジスタ(TFT)の開発には、高品質な錫
ペロブスカイト半導体膜の作製が必要です。しかし、スズペロブスカイト
は通常、膜の結晶化が速いため、膜の不良やデバイス性能の競争力の低下
につながります1213.BサイトおよびXサイトエンジニアリング(Pbおよび
Br/Cl合金化)により、Sn-Iペロブスカイトの結晶化を遅らせ、緻密な粒子
と低い欠陥を持つ均一な膜を得ることができます14,15.このアプローチで製
造されたペロブスカイトTFTは、高い電界効果移動度(μFEの)約50cmまで2V
−1s−1.しかし、重いPbと強いイオン性のBr/Clの関与は、Pbの毒性に関する
懸念を引き起こし、電荷キャリアとフォノンによって生成される電場との
間のFröhlich相互作用を増強し、室温での電荷キャリア移動度を制限します3.

本質的に、Bサイト/Xサイト成分としてのSn/Iは、価電子バンドの最大値
付近の強いSn5s-I5 p結合と弱いFröhlich相互作用により、高い正孔移動度
に利益をもたらすことができます3.対照的に、Aサイトカチオンはバンドエッ
ジに直接影響しませんが、結晶化の支援、許容係数の調整、エントロピー/
構造安定化への貢献、ペロブスカイト特性の間接的な最適化を行うことが
できます16,17.コアシェル構造に混合Aカチオンを使用したり、より導電性
の高いかさばる有機スペーサーを設計したりするなど、これまでの取り組
みではTFTの性能が向上しましたが、最大限にμFEの値が 25 cm 未満2V−1s−1
(参考文献。6711).この記事では、セシウム-ホルムアミジニウム-フェネ
チルアンモニウム(CsFAPEA)のAカチオンを使用して、高品質のカスケード
純粋なSnチャネル膜と低欠陥の位相-純粋なペロブスカイト/誘電体界面を
作成できることを示します。最適化されたTFTは、70cmを超える穴の移動
性を示します2V−1s−1と流動比(Iオン/オフ)10を超える8これは、商用の低
温ポリシリコン(LTPS)デバイスの性能と似ています。

A-カチオンエンジニアリングSn TFT異なるA-カチオン組成のSnペロブスカ
イト薄膜(~30 nmの厚さ)を誘電体酸化ケイ素(SiO2;厚さ00 nm)の基板をス
ピンコーティングを使用してさまざまな前駆体から抽出し、続いて金源電
極とドレイン電極を蒸発させて、ボトムゲートトップコンタクトTFTを作成
しました(図1)。1a). 主に所望のA-カチオン組成物とヨウ化スズ(ii)を含む
さまざまな前駆体2)はグローブボックスで調製され、すべての調製の詳細
メソッドに記載されています。FA、FAPEA、CsFAPEAの命名法を使用し
て、タイプごとに最適化された性能を持つTFTの半導体層として機能する
すべてのペロブスカイト化合物を示します。手付かずのFAデバイスは、電
界効果が無視できる導体挙動を示し、Iオン/オフ(補足図。このような現象
は、Sn空孔欠陥の形成エネルギーが最も低いため、3次元(3D)Snペロブス
カイトのバックグラウンドホール密度が高いことに起因します18,19.次に、
FASnIの結晶化プロセスを調整できるPEAカチオンを含めました3ペロブス
カイトにより、欠陥密度を低減20,21.FAPEA TFT(FA:PEA = 7:2の最適なモ
ル比から作られる)は、平均μで明確な電界効果変調を示しますFEの14 cmの
2V−1s−1そしてオン/オフ2.5 × 107(補足図。1a). TFTの性能向上と競
争力向上の実現可能性を探るため、さらに第3のCsを取り入れて、部分的
なFAを代替しました。

※ https://www.nature.com/articles/s41928-023-01019-6
                           この項つづく



✅ 品質では世界一の金山「菱刈鉱山」
非物神崇拝主義者でないわたしでも、「1トンあたり40グラムの金」品
質では世界一の金山「菱刈鉱山」とは何かと問われれば、目がいく。地下
から採掘される金は、酸やアルカリに強いうえ耐腐食性に富み、高い温度
でも変化しにくい貴金属の代表である。『エネルギーと環境 90』(下図
参照)にも掲載した通りであるが、
工業原料として高い有用性があるだけ
でなく、希少性と美しさゆえ宝飾品としての価値もある。
金が高価なのは
地上にある量が非常に少ない。
地球の表面を構成する地殻に含まれる金の
割合はわずかに10億分の2で、金は密度が高いので地球の深部により多く
存在している。
地下3000キロの深さにある核では、金の割合は10万分
の1と推定されているが、取り出すのは不可能である。
また、海水にも微
量の金がイオンとして含まれており、2万トンの海水を煮詰めると1グラ
ムの金を得ることができる
だからこそ、海水から鉱産資源を得る研究は
続けられており、経済的に採取する方法はまだないからこそ、海水から、

二酸化炭素を回収・除去し、水素と炭化水素化合物を製造しつつ、有価物
を穏やかに回収しようと、世界初のプラント生産を完成しようと、わが人
生を「ラスト。ディケイド(パーフェクト・リバアティ*桑田投手の「PL」
と重複するが)」に実現に捧げている。微量にしか存在しない金は、マグ
マの活動によって地表近くへ運ばれてきた時に採掘できる。
こうした金が
濃集している場所が「金鉱床」である。化学反応を起こしにくい金は、化
合物ではなく単体として鉱石の中に存在する。
 高い品位の「菱刈」
マグマの熱によって、高温の地下水が流れたあとに多種の金属を含む「鉱
脈」ができるが、この中にごく微小の金の粒が入っているのである。ち

みに、金鉱石とは、1トン当たり5グラム以上の金を含むものを指し、2
グラムほどあれば採算が合うため採掘される。
人類が過去に採掘した金は
10万トンほどで、ほかの金属と比べると非常に少ない量が、その8割はリ
サイクルされて何度も使用され
てきた。かつての日本では金が多く取れたた
め、13世紀末にマルコ・ポーロは『東方見聞録』で「黄金の国」として紹
介した。17世紀には佐渡金山(新潟)の採掘が始まり、各地に金山が開発
された日本は世界有数の金の産出国となった。 


エネルギーと環境 90

菱刈り鉱山からの高品位「Ginguro」銀黒鉱石 - Greg Corbett Terry Leach Symposium

1981年に鹿児島県北部の菱刈(ひしかり)鉱山で、高品位の金鉱脈が発
見された。
その4年後には生産を開始しこれまで248・2トン(今年3
月末現在)の金を産出した。
菱刈鉱山は金の品位が高いことでも突出して
おり、1トンの鉱石中に40グラムもの金を含む。
世界の主要な金鉱山の品
位は平均5グラムなので、世界最高と言っても過言ではない。
ここの金鉱
床は、100万年ほど前に地下浅部に発達した熱水活動によって形成され
た。
マグマによって熱せられた地下水に金や銀などの有用金属が溶け出し、
上部で冷やされて鉱脈ができた(図)。
日本では金属鉱山はほぼすべてが
閉鎖されたが、菱刈鉱山は採算のとれるただ一つの鉱山である。
火山国の
我が国には、菱刈鉱山のような鉱脈が発見されないまま埋もれている可能
性が高い。
日本は世界有数の探鉱技術を持つ国である。資源を安定的に確
保するためにも、海外での鉱山探査とともに、国内の未開発資源の探査に
積極的に取り組む必要がある。
(本誌初出 歴史的高値の「金」 火山国・
日本に埋もれる鉱脈/27 20201117)

中公新書<br> マグマの地球科学―火山の下で何が起きているか

登山や温泉など、身近に親しんでいる火山だが、地下では何が起きている
のだろうか。最新の地球科学の成果をもとに、その仕組みを解明。
鎌田浩毅[カマタヒロキ]
1955(昭和30)年東京都生まれ。1979年東京大学理学部地質学科卒業。通産省地質調
査所、米国内務省カスケード火山観測所を経て、1997年より京都大学大学院人間・環境学研
究科教授。日本火山学会理事、日本地質学会火山部会長、気象庁活火山改訂委員、内閣府災害教
訓継承分科会委員、原子力環境機構国際有識者会議委員などを務める。火山研究のほか科学啓発
に熱心な「科学の伝道師」。1996年日本地質学会論文賞受賞。2004年日本地質学会優秀
講演賞受賞。専攻は火山学、地質学、地球変動学、科学教育、アウトリーチ。理学博士(東京大学)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 世界の大鉱床菱刈 日本
日本の南九州の緑の丘の奥深く、尾根の端には世界有数の金鉱がある。一
方、最大または最高のHishikariは、確実に40 g / tの金の平均グレードを
持ち、鉱石の390万トンから金の壮大な620万オンスを生産し、350万トン
で480万オンスの埋蔵量を持っているため、世界クラスの鉱床です。その
発見の物語は、この世界クラスの発見につながる、的を絞った系統的な探
査プログラムの物語。

菱刈金鉱山 鹿児島県九州市 住友金属鉱業株式会社
菱刈金鉱山 鹿児島県九州市住友金属鉱業株式会社
金の採掘は、日本では西暦750年に砂鉱床から始まったと記録されており、
菱狩地域では1750年に最初の採掘が始まったが、1975年になってようやく
金属鉱山庁が本格的な探査を開始し、地域の地質マッピングを使用し、続
いて地球化学的および地球物理学的調査を行い、高重力異常と低比抵抗偏
差のペアに焦点を当てた一連のターゲットを描写した。彼らが最初に掘削
されたとき、彼らは高品位であるが非常に狭い金鉱脈を遮断した。1970年
代後半には、より高品位の金鉱脈が、1981年に金属鉱業庁が200メートル
以上の深さで200g/tの金を15cm掘削。菱刈地方には現代の火山活動の温
泉が豊富。これらの温泉は、深部にマグマ溜りができたことに関連し、採
作用の原動力となっている。この地域の地質は、白亜紀の頁岩の配列の上
に広がる若い~100万年前の火山の配列であり、この2つの間のギャップは
不整合として知られる。この不整合は、鉱床の形成に重要な役割を果たす。
この鉱床は、SW-NE構造とN-S構造の交差部に整列した異なるシステムに
集まった125の別々の鉱脈で構成されている珍しいもの。平均幅1〜3メー
トルの静脈は、幅500〜1000m、長さ~3kmの変質の「回廊」にホストさ
れており、鉱脈は縞模様のクォーツ-アデュラリア(低温のピンク長石鉱物)
と、非常に高品位の>1000 g / tの金鉱化作用を持つクォーツ粘土で、「ギ
ングーロ」またはエレクトラム、カルコパイライト、方鉛鉱、閃亜鉛鉱で
構成される細いバンドであるシルバーブラックバンドと呼ばれる。鉱化作
用は地表の露頭を示すが、100メートル下から始まり、鉱化作用の大部分は
更新世の火山と白亜紀の頁岩との接触で発生する。堆積物は、古い頁岩が
マグマによって変形してドーム型になったため、破砕して鉱脈が形成され
たため、基礎となる頁岩と火山が接触したときに形成されたが、最近の火
山は塑性変形し、破砕されず、鉱脈が形成される空間が残らなかった、鉱
化作用は2つの間の接触に集中し、100メートル間隔以内で非常に高品位に
なった。

菱刈鉱山の鉱床は「浅熱水性鉱脈型金銀鉱床」と呼ばれ、太平洋プレート
が日本列島の下に潜り込む「プレートテクトニクス」という地球運動の過
程ではマグマが発生するため、このマグマが地殻の割目を通って上昇し、
地表では火山となって噴出します。火山活動の一方で、地表の割目に地下
水・マグマ水(熱水)が供給されると、熱水に溶け出した物質が冷え固ま
り鉱脈となる。このようにして形成されたのが菱刈鉱山の金鉱床で、今か
らおよそ100万年前にできたと考えられ、地質学的にみると非常に新しい
鉱床で、65℃の温泉水を伴っているのが特長。


ニッポン再発見 現在も稼働を続ける金鉱山・菱刈鉱山を訪ねて…鹿児島・伊佐 : 読売新聞
関連論文:
Mantle oxidation by sulfur drives the formation of giant gold deposits in subduction zones
Deng-Yang He https://orcid.org/0009-0000-2138-1103Kun-Feng Qiu kunfengqiu@qq.comAdam C
. Simon
 https://orcid.org/0000-0002-1733-5718+7, and Jun Deng djun@cugb.edu.cn
Authors Info &
Affiliations

Edited by Terry Plank, Columbia University, Palisades, NY; received March 7, 2024; accepted November
18, 2024 
December 19, 2024
121 (52) e2404731121 https://doi.org/10.1073/pnas.2404731121

 

img_seiseiairisk_03
生成AIのリスクと対策
1.生成AIの問題点とは?
2.生成AIが抱える問題点とデメリット
2-2. 情報漏洩の危険性
2-3. ハルシネーション(もっともらしい嘘)
2-4. バイアスと偏見の増幅
2-5. 悪用のリスク

2-6. 依存と創造性の低下
2-7. 環境負荷
2-8. 雇用の喪失
3.生成AIのリスクと対策
3-1. 情報漏洩のリスクと対策
3-2. 著作権侵害のリスクと対策

3-3. 誤情報(ハルシネーション)のリスクと対
3-4. 倫理的な問題(偏見・差別)のリスクと対策
3-5. プロンプトインジェクションのリスクと対策
3-6. セキュリティインシデントのリスクと対策
3-7. その他の対
4.その他の関連記事
生成AIリスクをしっかり認識してさらなる活用を


                                                                         

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エネルギーと環境 139

2025年02月13日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。



✳️ 
砂漠が洪水に見舞われる:サハラ砂漠で異例の豪雨
気候変動によって、あらゆる大気循環パターンに長期的に影響を与える可
能性があり、激しい嵐が頻発するかもしれない。
出典: (CNN) (The Economist) (IFLScience) (The Guardian)
(CBS News)

大気循環パターンの変化  予測不能な嵐


🪄エトナ山が大きな噴火が起きたり、スペインで最大級の洪水が起きたり
  異常気象が世界中で群発している。不気味であり要注意。

a) 本研究および先行報告で述べた全有機太陽電池の図解とAOSCの電力変換効率。
図2:太陽電池デバイス(フィルム型)の模式図   図1:本研究で開発した全有機太陽電池と従来の全
                        有機太陽電池の光電変換効率

                        a) 本研究および先行報告で述べた全有機太陽電池
                        の図解とAOSCの電力変換効率。

✳️ 有機太陽電池の世界最高効率約8%を達成
金沢大学,麗光,加クイーンズ大学は,有機材料で構成されたフィルム型
太陽電池において従来の2倍以上の性能を実現することに成功。
現在の太陽光パネルは,有害性が懸念される金属材料などを含むため,廃
棄処理にコストがかかるという課題を抱えている。そこで,有害な金属材
料などを含まない全有機太陽電池が注目されているという。

しかし,これまでの全有機太陽電池の光を電気に変換する効率は約4%にと
どまり,従来のシリコン型太陽電池の効率と比較して低いことが実用化に
おける課題となっている。研究グループは,世界最高性能を持つ全有機太
陽電池の開発に成功した。従来の全有機太陽電池の光電変換効率(PCE)
は約4%にとどまっていたが,この研究ではその2倍以上の性能を達成した。
全有機太陽電池のPCEが低い主な原因として,二つの課題があった。

一つ目は,十分な導電性を持つ有機透明電極材料で,フィルム型太陽電池
に適用可能な材料が限られていること。高導電性の透明有機材料は数例報
告されているが,それらの多くは導電性を向上させるために強い酸や塩基
の添加,高温での熱処理が必要だった。そこで今回の研究では,導電性高
分子であるPEDOT:PSSをベースとし,酸や塩基を使用せず低温で作製可能
であり,太陽電池の電極として十分な導電性(シート抵抗<70Ω/sq.)を示
す透明電極を開発。

図3:多層膜で形成される太陽電池デバイスにおいて溶液プロセスで電極
を作製する際
の下層膜の損傷例

二つ目の課題は,多層膜で構成される太陽電池デバイスを作製する際に,
層や基板を損傷させずに膜を積み重ねていくことが難しい点。特に溶液
プロセスを用いた場合,上層を形成する際に下層が溶解したり,膜の均一
性が損なわれたりするリスクがあった。この問題を解決するために,研究
グループは金沢大学が開発したカーボンナノチューブ電極のラミネーショ
ン法を活用した。
この手法では,太陽電池の封止材上に別個に電極を形成
し,それを貼り付けることで電極を作製する。この方法を用いることで,
カーボンナノチューブ電極を作製する際の溶液プロセスが,下層の有機材
料を損傷させることを防ぐことができる

3D surface roughness analysis of the a) Ag electrode film and b) the CNT‐based electrode film.
3D surface roughness analysis of the a) Ag electrode film and b) the
CNT‐based electrode film

【掲載論文】 
雑誌名:Advanced Functional Materials 
論文名:Unlocking High-Performance in All-Organic Solar Cells by the
Development of
Organic Electrodes with no Acid and High-Temperature
Treatment and the Effective Preparation
Thereof on Organic Multi-layer
Films
(酸や高温処理を必要としない有機電極の開発と有機多層膜上への
効率的な作製によ
る全有機太陽電池の高性能化)
DOI:10.1002/adfm.202419813 
URL:https://doi.org/10.1002/adfm.202419813 


図1.特定部位への光刺激と多点での神経活動記録を同時に行えるマイク
ロLEDと神経電極を統合したハイブリッドプローブ

✳️ マイクロLEDと神経電極の一体化プローブ作製
豊橋技術科学大学と東北大学は,生体組織深部において高精度に神経活動
を制御し,多点で神経活動を同時記録することを可能とするマイクロLEDと
神経電極を一体化したハイブリッドプローブを開発。
現在,光感受性タンパク質の発現を利用して特定の神経活動を制御する光
遺伝学的手法は,神経科学研究における強力なツールとして注目されてい
る。しかし,従来の光ファイバーを用いた光刺激では,単一の神経集団の
制御には適しているものの,複数の神経細胞群を同時かつ独立して操作す
ることが難しいという課題があった。
今回、本研究グループは、独自の接合技術を用いて、光刺激と神経活動記
録を同時に行えるよう多点マイクロLEDと神経電極をハイブリッド統合す
る神経科学プローブを開発しました。この新しいハイブリッドプローブを
使用して、マウス脳内で光刺激が特定の神経活動を誘導する様子を高い空
間・時間分解能で記録することに成功しました。本研究成果は、神経ネッ
トワークの理解を飛躍的に進展させる可能性を秘めており、神経疾患の新
たな治療法開発や、神経科学研究の革新につながることが期待されている。
🎈
【用語解説】注1:光遺伝学的手法
遺伝子導入によって特定の波長の光を当てると活性が変化するタンパク質
を発現させることで、狙った神経細胞の活動を光で制御する手法である。
代表的なタンパク質として知られるチャネルロドプシン2は、青色の光に
よって神経活動時のナトリウムイオンを細胞内に流入でき、人為的に標的
の神経細胞の神経活動を誘発できる。
【論文情報】
タイトル:Hybrid Probe Combining MicroLED and Neural Electrode for
Precise
Neural Modulation and Multi-Site Recording
掲載誌:Applied Physics Express
DOI:10.35848/1882-0786/adaf0a



✳️ 量子コンピューター「黎明」とスパコン「富岳」連携
      世界初のハイブリッド量子スーパーコンピュータ
2025年2月12日,アメリカ・コロラド州に本拠を構える量子コンピューター
企業・Quantinuum(クオンティニュアム)とスーパーコンピューター「
」を擁する国立研究開発法人理化学研究所(理化学研究所)がクオンティ
ニュアムの量子コンピューター「黎明(れいめい)」の設置を完了したこと
を発表。今後、黎明は富岳と連携して科学の課題に取り組んでいく。クオ
ンティニュアムの社長兼CEOであるラジーブ・ハズラ氏は「今回のマシン
設置完了は、私たちの量子技術がアメリカ国外で初めて運用が開始される
ことを意味し、弊社の世界戦略においても極めて重要な一歩です。理化学
研究所の卓越した研究者の皆様に弊社の開発したマシンをご利用いただく
ことにより、前例のない科学的ブレークスルーの達成に貢献できると信じ
ています」とコメントした。



 

 

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エネルギーと環境 137

2025年02月11日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:2月12日】

       春浅しスマフォトラブル残雪や 

                  高山 宇 (赤鬼)



ニュース番組にかかわるようになって20年以上、私の心のなかには、もや
もやした疑問がずっとつきまとってきた。それは日本航空123便の墜落
原因だ。1985年8月12日18時12分に、大阪に向けて羽田空港を
飛び立った日航123便は、同日18時56分に御巣鷹の尾根に墜落した。
乗客乗員524人中、520人が死亡するという、一機では、世界最大の
航空機事故となった。
(第76回:日航123便はなぜ墜落したのか、森永卓
)事故の原因は、その後の運輸省の調査で、機体後部の圧力隔壁が破損
し、そのときの圧力で尾翼の一部が吹き飛んで、油圧装置も破壊され、そ
のことで機体のコントロールが不可能になったことだとされた。機体は、
過去に伊丹空港で尻もち事故を起こしており、そのときに破損した圧力隔
壁をボーイング社が修理した際、十分な強度を持たない方法で行ったため
、それが破損につながったとされたのだ。いまでも、この公式見解は一切
変更されていない。
 しかし、この事故原因に関しては、当初から様々な疑念が呈されてきた。
例えば、圧力隔壁が破損すれば、急減圧で機内に濃い霧が発生する。それ
は、過去の機体破損の事故で共通して起きている。しかし、123便では、
薄い霧は発生しているものの、機内が見通せなくなるほどの霧は、発生し
ていないのだ。そしてこの事故で最大の疑問は、墜落現場の特定が大幅に
遅れたことだ。墜落時間は、8月12日の18時56分だが、地元の消防
団員が生存者の落合由美さんを発見したのは、翌日午前10時54分だっ
た。自衛隊が現場を特定したのも、公式には翌朝になってからということ
になっている。すぐに救出に向かえば、多くの人命が救えたにもかかわら
ず、現場の特定が大幅に遅れたのだ。
 しかし、内陸部に墜落したのだから、機体は直前まで、確実にレーダー
で捉えられていたはずだし、近隣住民も火の手が上がるのを目撃している。
当時、地元の自治体からは県や国に通報もなされているのだが、なぜか墜
落現場は、現場とは無関係の長野県とされるなど、翌朝まで報道が二転三
転し、特定されなかったのだ。もっと不思議なことは、米軍が墜落直後に
横田基地から輸送機を現場に飛ばし、上空から山が炎上するのを確認し、
自衛隊に通報するとともに、米軍輸送機の誘導で厚木基地を飛び立った米
軍の救難ヘリが現場に到着しているのだ。だが、救援ヘリは、救助開始寸
前に作戦中止を命じられ、何もせずに引き返している。つまり米軍は最初
から墜落現場を完全に特定していたにもかかわらず、何故か日本政府には
伝わっていないことになっているのだ。
 なぜこんな話を書いているのかというと、今年7月に青山透子氏が『日
本航空123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』
(河出書房新社)
という本を出版したからだ。青山氏は当時日本航空で働いていた客室乗務
員で、事故機には彼女が一緒に仕事をしていた同僚たちが乗り込んでいた
こともあって、事故の真相を探ろうと、あらゆる文献を収集整理し、目撃
者証言を集めて、いわば人生をかけた調査に取り組んできた。そして、書
籍のなかで、重大な事実を指摘したのだ。
 予め断っておくと、123便の墜落事故に関しては、これまでもあらゆ
る陰謀説が唱えられてきた。しかし、青山氏の今回の指摘は、そうした根
拠不明の陰謀説とは一線を画すものだ。青山氏は、東京大学の大学院を出
て、博士の学位も取っている。東大を出ているから正しいというのではな
い。博士論文は厳密な審査が行われる。そのため論文には明確な根拠が求
められる。憶測で書くことは許されないのだ。その論文作成の姿勢は、こ
の本でも貫徹されている。証拠となる文献、そして実名での証言を集めて、
青山氏は厳密な論証を行っているのだ。
 この本のなかでまず注目すべきことは、墜落直前の123便を2機の自
衛隊のファントム機が追尾していたという複数の目撃証言だ。この証言の
なかには、当時の小学生が事故の状況を綴った文集のなかでの証言も含ま
れている。子どもたちがうそをつくはずがない。しかし、この証言を前提
にすれば、日本政府は、当初から墜落現場を完全に把握していたことにな
る。
 それでは、公式に機体を発見したとされる翌朝まで、自衛隊は一体何を
していたのだろうか。本書に掲載された証言によると、現場にはガソリン
とタールをまぜたような強い異臭がしていたそうだ。また、現場の遺体は、
通常の事故では、あり得ないほど完全に炭化していたという。自衛隊を含
む軍隊が使う火炎発射機は、ガソリンとタールを混合したゲル状燃料を使
用している。つまり、墜落から翌朝までの間に、何者が証拠隠滅のために
強力な燃料で焼き尽くしたのではないかということだ。
 消すべき証拠とは何か。青山氏の著書によると、123便から窓の外を
撮った写真を解析すると、オレンジ色の物体が飛行機に向かって飛んでき
ているという。それは地上からも目撃されている。青山氏は、次のような
可能性を提示している。自衛隊の訓練用ミサイルなどの飛行体は、オレン
ジ色で塗られていた。何らかの理由で、その飛行体が123便の尾翼を破
壊したため、123便は制御不能に陥ったのだ。
 もしこの推測が正しいとすると、日本政府としては、とても受け入れら
れる事故原因ではなかっただろう。というのも、事故当時、私は経済企画
庁総合計画局で働いていたのだが、国会では、防衛費がGNP比1%以内
に収まるのかどうかが、連日、議論の的となっていたからだ。総合計画局
の産業班は、「防衛班」と呼ばれるほど、1%問題の国会答弁作成に追わ
れていた。当時は、野党が防衛費の膨張を強く非難し、国民の自衛隊に対
する感情も、いまほど理解あるものではなかったのだ。そうした環境のな
かで、自衛隊の不祥事は許されない状況だった。
 しかし事件から30年以上経過したのだから、政府は国民に真相を明か
すべきだ。それは、森友学園や加計学園よりも、はるかに重要な問題だと
私は思う。なぜなら、この事件のあと、日本は以前にもまして対米全面服
従になったからだ。事故の翌月には、ニューヨークのプラザホテルで「プ
ラザ合意」が結ばれ、協調介入によって極端な円高がもたらされ、日本は
円高不況に突入した。日本の安定成長が失われた大きなきっかけとなった
のだ。それだけではない。1993年には宮澤総理とクリントン大統領の
間で年次改革要望書の枠組みが決められ、それ以降、日本の経済政策はす
べてアメリカの思惑通りに行われるようになった。事故の原因を作ったと
されるボーイング社は、もしこれが事件だとすると、罪をかぶった形にな
ったのだが、その後、着々と日本でのシェアを高め、いまや中型機以上で
は、ほぼ独占状態といってもよい状況を作り上げている。
 123便の事故に関しては、これまで、何度も事故原因の再調査が政府
に申し入れられたが、日本政府や日本航空はまったく動く気配がない。し
かし、2年前、私の心に希望の光が差し込んできた。あるニュースが飛び
込んできたからだ。そのときに保存していたニュースを再掲する。

                           この項つづく
🪄日本航空123便墜落事故 Wikipedia
◾森永 卓郎 が、2025年1月28日(火)に原発不明がんのため逝去いた(享年67歳)。ご冥福を
 お祈りします。                                合掌



✳️ 昆虫の羽から円偏光の反射強度調整素子作製 筑波大
筑波大学の研究グループは,円偏光を反射する昆虫(アオドウコガネ)の
さやばねの表面に導電性高分子ポリアニリンをコーティングし,ポリアニ
リンの酸化と還元による発色の変化と,昆虫のもつ円偏光反射特性を組み
合わせた,円偏光の反射強度を調整可能な高分子素子を得る。アオドウコ
ガネのような一部の甲虫は左円偏光を強く反射する。これは外骨格形成の
際のさなぎの時に光学活性でらせん構造をもつコレステリック液晶相を形
成し,そのまま硬い骨格に固化するため。一方,導電性高分子ポリアニリ
ンは,円偏光は反射しないが,電気的あるいは化学的に酸化や還元を行な
うと発色が変わり,これに伴って光の透過度が変わる。今回,昆虫のさや
ばねの円偏光反射とポリアニリンの性質を組み合わせて,可変円偏光反射
素子を作成した。


ポリアニリンは,酸化−還元により色彩や光透過が変化する。この性質を
利用して,この素子の円偏光反射の強度制御を試みた。アンモニアにより
導電性高分子層を脱ドープ(還元)したところ,赤外域でも左円偏光反
射が生じた。一方,酸化状態はこの長波長領域での反射は見られなかった。
これは,ポリアニリンのドープ状態で発生するポーラロン(ラジカルカチ
オン)が長波長領域の光を吸収するためと考えられるという。また,右円
偏光の照射では,構造色に由来する550〜600nmの反射帯は見られなかっ
た。また,454nmで平面偏光であるP偏光はS偏光の2.5倍,584nmでは1.5
倍の反射強度が見られた。

ポリアニリン自体には右あるいは左に偏った円偏光反射はないことから,
この素子では,ポリアニリン層は入射光,反射光の強度を調整する光学フ
ィルターとしてのみ働き,その下のさやばね層が円偏光を反射したと示唆
される。
円偏光を反射する生物として確認されているのは一部の昆虫だけ。
研究グループは今後,アオドウコガネと異なる反射光帯域をもつ昆虫につ
いても同様の実験を行ない,バイオ/合成光機能材料による可変多色円偏
光反射素子の開発を進める。
【展望】特に,生体材料の光機能性と導電性高分子の外場応答性を組み合
わせたバイオ/合成光機能材料は,三次元ディスプレーの素子や量子コンピ
ューターの材料など,次世代の光機能材料開発に新しい展開をもたらす。
【掲載誌】
Circularly polarized reflection spectra of a photonic beetle and preparation of tunable circularly
polarized light reflecting device consisting of conductive polymer/beetle exoskeleton
【掲載誌】Next Materials
【DOI】10.1016/j.nxmate.2025.100516


✳️ 人工光合成型光触媒②
水素は,カーボンニュートラルの実現,さらには資源・エネルギー・環境
問題の解決のために欠かせない
物質.現在の化学工業では,触媒を使って
石油や
天然ガスのような化石燃料と水を高温高圧下で反応させて水素を製
造する.このようにして得られる
水素はグレー水素と呼ばれ,化石燃料を
消費しながら
二酸化炭素を排出して製造されています.そのため,化石燃
料を使わずに,二酸化炭素を放出せずに再生可
能エネルギーを使って水を
分解して得られるグリーン
水素が注目されている【図1】.このグリーン
水素
は,燃料電池車や水素エンジン車などのクリーンエネルギーとしての
みならず,e-fuel,e-chemical,
グリーンアンモニアを合成するために必
須な原料です.安価で豊富なグリーン水素を製造する方法が確立すれば,
資源・エネルギー・環境問題が解決すると言っても過言でない。

1.特開2025-8741 光触媒及びその製造方法、並びに前記光触媒を用いた
 水の分解方法 住友金属鉱山株式会社他
【要約】図7Bのごとく、ScVOを主成分化合物として含む複合酸化物
粒子を備える光触媒の製造方法であって、スカンジウム(Sc)及びバナ
ジウム(V)原料を混合して原料混合物を得る工程と、前記原料混合物を
680℃以上の温度で焼成して反応生成物を得る工程と、前記反応生成物
をフラックス中で熱処理して被熱処理反応生成物を得る工程と、を備える
方法。

【図7B】実験例3のScVO複合酸化物粒子について水分解光触媒活
性評価結果を示す。
【発明の効果】
  本発明によれば、水分解性能に特に優れる光触媒及びその製造方法が提
供される。また、本発明によれば、前記光触媒を用いた水の分解方法が提
供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  ScVOを主成分化合物として含む複合酸化物粒子を備え
る光触媒の製造方法であって、  スカンジウム(Sc)原料及びバナジウム
(V)原料を混合して原料混合物を得る工程と、
  前記原料混合物を680℃以上の温度で焼成して反応生成物を得る工程と、
  前記反応生成物をフラックス中で熱処理して被熱処理反応生成物を得る
工程と、を備える方法。
【請求項2】  前記フラックスがアルカリ金属元素の塩化物、炭酸塩、及
び水酸化物、並びに酸化バナジウム(V)からなる群から選択され
る1種以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】  前記フラックスが塩化ナトリウム(NaCl)と塩化カリ
ウム(KCl)の混合物である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】  請求項1~3のいずれか一項に記載の方法で得られた光触媒。
【請求項5】  請求項4に記載の光触媒と水とを含む懸濁液に紫外光を照
射し、それにより前記水を分解して水素と酸素を発生させる、水の分解方
法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】【0001】  本発明は、光触媒及びその製造方法、並びに前
記光触媒を用いた水の分解方法に関する。
【背景技術】【0002】  地球温暖化や化石資源枯渇の問題から、光触
媒を用いた水の分解反応に関する技術開発が注目を集めている。水の分解
反応を利用することで、太陽光エネルギーを水素などの化学エネルギーに
変換して有効活用することができる。【0003】
  光触媒を用いた水の光分解では、微粒子状の半導体粒子を水中に分散させ、
これに光照射することで水素と酸素が生成する。半導体粒子のバンドギャ
ップ以上のエネルギーをもつ光を半導体粒子が吸収すると、価電子帯の電
子が伝導帯に励起される。それに伴い、負の電荷をもつ自由電子が伝導帯
に生じるとともに、正の電荷をもつ正孔が価電子帯に生成する。これらは
半導体粒子の表面に移動し、そこで正孔が水を酸化して酸素を発生させ、
自由電子が水素イオンを還元して水素を発生させる。
【0004】 水分解反応を起こす上で、半導体粒子のバンドギャップ以
上のエネルギーをもつ光を照射する必要がある。言い換えれば、半導体粒
子は、そのバンドギャップよりも大きいエネルギーをもつ光しか吸収でき
ない。
【0005】  従来から、酸化チタンが光触媒材料として知られている。
しかしながら、酸化チタンはバンドギャップが3.0eV以上と大きく、
アナターゼ型酸化チタンは酸素生成速度が低い。非特許文献1によると、
ルチル型酸化チタンは、Rh、Pt又はPdを助触媒とした場合に、水分
解を可能とするとされているものの、RhCrOx触媒を担持した場合に
水分解活性を示さず、逆反応を防止しにくい。したがって、高効率化に適
さない。
【0006】そのため、酸化チタン以外の光触媒材料の開発が進んでおり、
そのうち、バナジウム系化合物が注目を集めている。例えば、酸化バナジ
ウム(V)や単斜晶バナジン酸ビスマス(BiVO)は、酸化物で
ありながら適切なバンドギャップ(2.3eVもしくは2.4eV)を有
し、優れた酸素生成型光触媒として知られる。しかしながら、伝導帯の下
端が水素生成準位より貴なために、水分解触媒ではなく、水素発生触媒と
組み合わせたZスキーム型光触媒として利用されることが多い。
【0007】  バナジウム系化合物に関する文献として、特許文献1には、
BiVOからなる光触媒粒子が開示されている。具体的には、水素発生
用可視光応答型光触媒粒子と、酸素発生用可視光応答型光触媒粒子とを含
む複合光触媒について、酸素発生用可視光応答型光触媒粒子がBiVO
等であること、及び可視光による水の光分解反応に複合触媒を用いること
が記載されている(特許文献1の請求項1及び9)。
【0008】水の分解反応とは異なる用途に用いられるものではあるが、
特許文献2には、バナジン酸ビスマス(BiVO)のBiサイトの一部
にランタン(La)がドープされてなる可視光応答型光触媒が開示されて
いる(特許文献2の請求項1)。特許文献2には、当該光触媒に関して、
Laドープにより、BiVOの価電子帯上端位置が下がり、酸化力が高
まり、その結果、有機物の分解能を高めることが可能になると記載されて
いる(特許文献2の[0008])。
【0009】
【特許文献1】 国際公開第2014/046305号
【特許文献2】 特開2020-040830号公報
【非特許文献】
【0010】【非特許文献1】Maeda, Kazuhiko. Photocatalytic properties
of rutile TiO2 powder for overall water splitting. Catalysis Science &
Technology 4.7 (2014): 1949-1953.
【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0011】
  このように、バナジウム系化合物からなる光触媒材料が提案されるもの
の、従来の材料には改良の余地があった。すなわち、水を分解して水素を
発生させるためには、光触媒材料の伝導帯下端の電位が水素生成電位より
も卑である必要がある。また、水を分解して酸素を発生させるためには、
価電子帯上端の電位が酸素発生電位よりも貴であることが必要である。こ
こで、水素生成電位とは、水中のプロトンを還元して水素ガスを生成させ
る電位である。また酸素発生電位とは、水を酸化させて酸素を発生させる
電位である。
【0012】 そのため、光触媒材料が光を吸収して水を分解し、それによ
り水素と酸素の両方を発生させるためには、光触媒材料のバンドギャップ
が光エネルギーよりも小さく、さらに伝導帯下端電位が水素発生電位より
も卑であり、且つ価電子帯上端電位が酸素発生電位よりも貴であることが
必要である。
【0013】  この点、酸化バナジウム(V)は、バンドギャップ
(2.7eV)がアナターゼ型酸化チタンよりも小さいものの、伝導帯下
端が水素発生電位よりも貴な電位側にあるため、励起された電子を水素発
生に利用できない。またVは水に溶解してコロイド状に変質するため、
水中で安定して利用することができない。
【0014】  単斜晶BiVOも、バンドギャップ(2.4eV)がアナ
ターゼ型酸化チタンよりも小さいものの、Vと同様に伝導帯の下端
が水素発生電位より貴なため、電子を水素発生に利用できない。特許文献
1で提案される複合光触媒は、BiVO等の酸素発生用光触媒粒子の他
に、ロジウムドープチタン酸ストロンチウム等の水素発生用光触媒粒子を
必要とする(特許文献1の請求項1及び5)。
【0015】  さらに、特許文献2ではLaドープBiVOからなる光触
媒が提案されるものの、この光触媒は有機物分解用であり、水分解用では
ない。実際、特許文献2にはLaドープBiVOの伝導帯下端の電子エ
ネルギー準位が従来のBiVOと一致していることが示されている(特
許文献2の[0044]及び図4)。そのため、この文献で提案される光
触媒(LaドープBiVO)は、従来のBiVOと同様、水素イオン
を還元して水素を発生させることはできないと考えられる。
【0016】  このような状況のもと、ScVOを主成分として含む新規
なバナジウム系化合物光触媒は、バンドギャップが比較的小さく、水分解
用光触媒として有望であるとの知見を得て、本発明者らの一部は、この光
触媒に関する特許出願を行った(特願2023-030812号)。
【0017】  本発明者らがさらに検討を進めた結果、ScVOを主成分
として含む光触媒の製造方法において、原料混合物を所定温度で焼成して
反応生成物を得、さらに得られた反応生成物をフラックス中で熱処理する
という手法を採用することで、特に水分解性能に優れる光触媒が得られる
との知見を得た。
【0018】  本発明は、このような知見に基づき完成されたものであり、
水分解性能に特に優れる光触媒及びその製造方法の提供を課題とする。ま
た、本発明は、前記光触媒を用いた水の分解方法の提供をも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】  本発明は、下記(1)~(5)の態様を包含する。なお、
本明細書において「~」なる表現は、その両端の値を含む。すなわち、
「X~Y」は「X以上Y以下」と同義である。【0020】
(1)ScVOを主成分化合物として含む複合酸化物粒子を備える光触
媒の製造方法であって、  スカンジウム(Sc)原料及びバナジウム(V)
原料を混合して原料混合物を得る工程と、 前記原料混合物を680℃以上
の温度で焼成して反応生成物を得る工程と、  前記反応生成物をフラックス
中で熱処理して被熱処理反応生成物を得る工程と、を備える方法。
【0021】(2)前記フラックスがアルカリ金属元素の塩化物、炭酸塩、
及び水酸化物、並びに酸化バナジウム(V)からなる群から選択さ
れる1種以上である、上記(1)の方法。
【0022】(3)前記フラックスが塩化ナトリウム(NaCl)と塩化
カリウム(KCl)の混合物である、上記(2)の方法。
【0023】(4)上記(1)~(3)のいずれかの方法で得られた光触
媒。
【0024】(5)上記(4)の光触媒と水とを含む懸濁液に紫外光を照
射し、それにより前記水を分解して水素と酸素を発生させる、水の分解方法。
                          この項つづく

【参考特許】                    000002
3.特許第7430434号 炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複
 合組成物の製造方法 株式会社宇宙環境保全センター
【要約】下図1のごとく光触媒金属として代表的な酸化チタンを使わず、金
属イオンの存在下において化石サンゴ等の天然物を含む炭酸カルシウムを、
ケイ酸溶液、および陽イオン溶液で処理することにより、炭酸カルシウム
配合金属イオン化合物を多孔性ケイ酸塩で被覆することを特徴とする、炭
酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法、本
発明は、EUヨーロッパ圏で昨今叫ばれている酸化チタンのナノマテリア
ルとしての健康への懸念を背景に、既存の高度な技術や高価な材料を用い
ず、より安全で安心な材料を活用して光触媒効果を高め、食品、飼料、肥
料、化粧品または医薬部外品の成分あるいはコーティング剤の成分として
配合可能である炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成
物の製造方法に関する。

図1.本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物
の製造方法の、実施例1における金属イオンの添加効果を示すグラフであ
る。炭酸カルシム(化石サンゴ)の配合のもと、金属イオン化合物に多孔
性ケイ酸塩を被覆することで光触媒効果が実現する。なお、測定条件とし
て各サンプル100mgに対してメチレンブルー(660nm波長におけ
る吸光度が0.854になる濃度)を10ml混合し、紫外線(2mW/
cm)を照射した。
【発明の効果】
  この発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物
の製造方法において、前記炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化
合複合組成物は、光が照射された際の酸化還元作用により、多孔性ケイ酸
塩や化石サンゴが吸着した汚れや臭い、細菌等を分解除去する作用を有す
る。ケイ酸塩は汚れや臭い、細菌等を吸着保持する機能を有する。例えば
窒素酸化物や過酸化脂質、アンモニアやアルデヒド類、大腸菌等の細菌や
ウィルスを吸着できる(セラミック)素材である。また、吸着機能のある
多孔質材であるゼオライトや珪藻土、炭をさらに配合した複合組成物でも
良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  ケイ酸化合物、またはケイ酸イオンを含まず、Caイオン、Mgイオン
の一つ以上、および金属イオンを含む陽イオン溶液(以下、「陽イオン溶
液」という。)に炭酸カルシウムを配合し、炭酸カルシウムの一部、また
は全部が溶解して生成する炭酸カルシウム配合金属イオン化合物に、Ca
イオンおよびMgイオンを含まず、ケイ酸化合物、またはケイ酸イオンを
含むケイ酸溶液(以下、「ケイ酸溶液」という。)を混合することにより、
炭酸カルシウム配合金属イオン化合物を多孔性ケイ酸カルシウム、または
ケイ酸マグネシウム、またはケイ酸カルシウムマグネシウムで被覆するこ
とを特徴とする炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成
物の製造方法であって、前記陽イオン溶液は、さらに繊維状物質を含有し、
  前記陽イオン溶液は、Feイオン、Agイオン、Cuイオンから選ばれ
る1つ以上の金属イオン(以下、「該金属イオン」という。)を、炭酸カ
ルシウムに対して0.001~20重量部含み、  前記陽イオン溶液は、
該金属イオンを混合することにより炭酸カルシウムを溶解する酸性度を有
することを特徴とする炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複
合組成物の製造方法。
【請求項2】  前記繊維状物質は、絹由来のセリシン、またはフィブロイン
の繊維状タンパク質であることを特徴とする、請求項1に記載の炭酸カル
シウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。
【請求項3】  前記炭酸カルシウム、および該金属イオンの配合量は、前
記炭酸カルシウムが化石サンゴ単独、または炭酸カルシウム単独、もしく
はそれらの混合物からなり、炭酸カルシウムに対し、該金属イオンが0.0
01~20重量部、残部が炭酸カルシウムと多孔性ケイ酸塩からなる、請
求項1に記載の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成
物の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】【0001】
  本発明は、既存の高度な技術や高価な材料を用いず、また、光触媒金属と
して二酸化チタンを使わずに、より簡易な方法、かつ安価で安心安全な材
料を活用して光触媒効果を高め、食品、飼料、肥料、化粧品または医薬部
外品の成分あるいはコーティング剤の成分として配合可能である、炭酸カ
ルシウムを応用した炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合
組成物の製造方法に関する。
【背景技術】【0002】
  従来、酸化チタンは光触媒としては言うまでもなく、塗料、着色料、食品
添加物などの種々の用途に使用されており、特に酸化チタンをアパタイト
で被覆した光触媒機能を有する素材を環境浄化化粧料素材として用いるこ
とが特開2007-169164号公報(特許文献1参照)において提案
されている。化粧品として酸化チタン光触媒を配合した場合、光エネルギー
による活性・分解力を基材である皮膚に直接及ぼさないためには光触媒金
属へのアパタイト等の被覆構造が必要不可欠であるが、ナノサイズの酸化
チタンが化粧品素材として使用される場合の皮膚浸透性などの健康への影
響について、酸化チタンの粒径までは言及されていない。
【0003】  また、特開2014-184349(特許文献2参照)、段
落番号0021には、金属イオンと炭酸カルシウムを配合した化粧品や食
品添加物としての酸化チタンの活性を向上させる製造方法について開示さ
れているが、食品添加物として摂取される酸化チタンがナノサイズである
場合の、ヒトの健康への影響については言及されていない。
【0004】  特許7193192号(特許文献3参照)には、金属イオン
配合ケイ酸塩を被覆した酸化チタンの製造方法が開示されているが、光触
媒機能を有する基材として従来の酸化チタンを配合する製造方法であり、
酸化チタン不使用の本願とは根本的な違いがある。一方で、酸化チタンを
使用しない高活性光触媒として、特開2015-54299(特許文献4
参照)には酸化鉄、特開2016-10750(特許文献5参照)にはオ
キシ水酸化鉄粒子が銅酸化物粒子の表面及び内部に結合した、酸化チタン
不使用の光触媒製造方法も開示されている。
【0005】  さらに近年は、オキシ水酸化鉄を応用した酸化チタンを凌
駕する光触媒性能を実現する技術(非特許文献6参照)や、酸化チタンの
代替品として二核鉄イオンを多孔質シリカで安定化させた酸化鉄系材料(
非特許文献7参照)の開発も進んでいる。
【先行技術文献】【特許文献】【0006】
【特許文献1】 特開2007-169164号公報
【特許文献2】 特開2014-184349号公報
【特許文献3】 特許第7193192号公報
【特許文献4】 特開2015-54299号公報
【特許文献5】 特開2016-10750号公報
【非特許文献6】東京理科大学、“プレスリリース”、[online]、2020年2
月27日、[2023年1月6日検索]、インターネット
<URL:https://www.tus.ac.jp/today/archive/20200227001.html>
【非特許文献7】広島大学、“研究成果”、[online]、2022年5月26日
、[2023年1月6日検索]、
インターネット<URL:https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/71669>

000003
図2.本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物
の製造方法の、実施例2における金属イオンの添加効果を示すグラフであ
る。なお、測定条件として各サンプル100mgに対してメチレンブルー
(660nm波長における吸光度が0.824になる濃度)を10ml混
合し、紫外線(2mW/cm)を照射した。Feイオン、Mgイオン、
ケイ酸イオンのいずれか1つに炭酸カルシウム(化石サンゴ)を配合し
ても光触媒作用は発現しない。つまり、金属イオンと炭酸カルシウムだけ
の炭酸カルシウム配合金属イオン化合物では光触媒作用は発現しない。

図3.本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物
の製造方法の、実施例3におけるFeイオンとケイ酸溶液、陽イオン溶液
の添加効果を示すグラフである。なお、測定条件として各サンプル10m
gに対してメチレンブルー(660nm波長における吸光度が0.824
になる濃度)を10ml混合し、紫外線(2mW/cm)を照射した。
Feイオンを含む陽イオン溶液に炭酸カルシウム(化石サンゴ)を配合し
て生成したFeイオン化合物を、ケイ酸溶液で処理することによって光触
媒作用が発現する。図3にあるように、Feイオンを陽イオン溶液に2重
量部(炭酸カルシウム(化石サンゴ)に対して)以上添加することによっ
て、光触媒反応は著しく促進される。

図4.本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物
の製造方法の、実施例4におけるMgイオンとケイ酸溶液、陽イオン溶液
の添加効果を示すグラフである。なお、測定条件として各サンプル100
mgに対してメチレンブルー(660nm波長における吸光度が0.824
になる濃度)を10ml混合し、紫外線(2mW/cm)を照射した。
Mgイオンを含む陽イオン溶液に炭酸カルシウム(化石サンゴ)を配合し
て生成したMgイオン化合物を、ケイ酸溶液で処理することによって光触
媒反応が発現する。図4にあるように、Mgイオンを陽イオン溶液に10
重量部(炭酸カルシウム(化石サンゴ)に対して)添加することによって、
光触媒反応は最も促進される。


図5.本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物
の製造方法の、実施例5におけるFeイオンとケイ酸溶液、陽イオン溶液
の添加効果を示すグラフである。なお、測定条件として各サンプル100
mgに対してメチレンブルー(660nm波長における吸光度が0.82
4になる濃度)を10ml混合し、紫外線(2mW/cm)を照射した。
Feイオンを含む陽イオン溶液に炭酸カルシウム(化石サンゴ)を配合し
て生成したFeイオン化合物を、ケイ酸溶液で処理することによって光触
媒反応が発現する。陽イオン溶液にFeイオンを2重量部(炭酸カルシウ
ム(化石サンゴ)に対して)添加した。図5にあるように、ケイ酸イオン
は5重量部以上添加することによって、光触媒作用が発現する。
図6.本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物
の製造方法の、実施例6におけるFeイオン、Cuイオン、Agイオンと
ケイ酸溶液、陽イオン溶液の添加効果を示すグラフである。なお、測定条
件として各サンプル100mgに対してメチレンブルー(660nm波長
における吸光度が0.886になる濃度)を10ml混合し、紫外線(2
mW/cm)を照射した。Agイオンを0.2重量部含む陽イオン溶液、
Cuイオンを0.6重量部(炭酸カルシウム(化石サンゴ)に対して)含む
陽イオン溶液、さらにFeイオンを1重量部(炭酸カルシウム(化石サン
ゴ)に対して)含む陽イオン溶液のそれぞれに炭酸カルシウム(化石サン
ゴ)を配合して生成した各金属イオン化合物をケイ酸溶液で処理すること
で顕著に光触媒効果が発現する。


図7・本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成
物の製造方法の、実施例7におけるFeイオン、Ptコロイドを添加して
生成した金属イオン化合複合組成物とケイ酸溶液の添加効果を示すグラフ
である。なお、測定条件として各サンプル100mgに対してメチレンブ
ルー(660nm波長における吸光度が0.854になる濃度)を10ml
混合し、紫外線(2mW/cm)を照射した。

図8.【図8】本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複
合組成物の製造方法の、実施例8におけるシルクたんぱく質の添加効果を
示すグラフである。なお、測定条件として各サンプル100mgに対して
メチレンブルー(660nm波長における吸光度が0.854になる濃度
)を10ml混合し、紫外線(2mW/cm)を照射した。

図9.本発明の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物
の製造方法の、実施例9におけるナノセルロース繊維の添加効果を示すグ
ラフである。なお、測定条件として各サンプル100mgに対してメチレ
ンブルー(660nm波長における吸光度が0.854になる濃度)を
10ml混合し、紫外線(2mW/cm)を照射した。
                           この項つづく
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エネルギーと環境 136

2025年02月10日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。



✳️  家庭用エアコンの室外機でNVIDIAを水冷式PC
NVIDIAのGeForce RTX 5090は最大消費電力が500Wを超え、その分かなり
の発熱が予想されるため、安定した冷却システムの構築が求められる。中
国で技術系動画を投稿する电解碳酸钠氏が、家庭用エアコンの室外機を使
ってGPUを冷やすシステムを設計した動画を投稿し、話題となっている
投入したのは、1万2000BTUのエアコンの室外機です。消費電力は約1200
W。サイズは765mm×268mm×550mmで、一般的なGPU用冷却ユニット
と比べると明らかに巨大。



icon
カーボンナノチューブ融合のイメージ図

✳️  細いCNT同士を融合、直径2倍のCNTに変換
京都大学と産業技術総合研究所、物質・材料研究機構の研究グループは、
細いカーボンナノチューブ(CNT)同士を融合し、直径が2倍となるCNTに
効率よく変換できる方法を開発した。太いCNTの構造制御や後処理による
物性変換が可能となる。

🎈太いナノチューブの構造制御や後処理による物性改変に道
カーボンナノチューブの電子、光学、化学、熱、機械特性は、それぞれナ
ノチューブの直径とカイラル角で定義される幾何構造に強く依存する。
そのため、ナノチューブの完全な構造制御合成や構造分離を達成するため
に、これまで多くの研究が行われてきました。しかし、これまでに知られ
ていた方法では、マクロスケールでの構造選択的合成や分離が可能なのは、
直径が1 nm程度の細いナノチューブに限られていた。直径約1.3 nmを超
える比較的太いナノチューブでは、類似の直径と特性を持つ、幾何学的に
実現可能なナノチューブ構造の数が非常に多く、特定の構造だけを狙って
作ったり、分離することが難しくなるためです。今回報告した原子レベル
で精密なカーボンナノチューブ融合は、この問題を解決する最も有望なア
プローチのひとつになり得ます。細いナノチューブについては、高純度の
試料を作製可能であるため、それらの効率的な融合反応を引き起こすこと
ができれば、細いナノチューブを原料として、太いナノチューブの構造選
択的合成が達成できる。さらに、この反応を利用すれば、ナノチューブ集
積体に後処理を施すことで部分的な融合反応を引き起こし、ナノチューブ
間にsp2共有結合を形成することもできます。ナノチューブ集合体の巨視的
物性を、後処理により劇的に変化させる技術は、マクロスケールでのナノ
チューブ集積体の様々な応用にとって非常に有用なものになると期待され
る。
図1
図1 ナノカーボン分子の融合の模式図。(a) 2つのフラーレン
とその融合分
子。(b) 2本のカーボンナノチューブとのその融合分子。
クリエイティブ・
コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

研究では、あらかじめ構造分離を行い、構造を揃えたカーボンナノチュー
ブ集積体を、5×10-4 Pa程度の減圧下で900–1000ºCで熱処理するという非
常にシンプルな方法で、細いカーボンナノチューブ同士を効率よく融合さ
せ、直径2倍の太いナノチューブに変換できることを発見した(図2)。
さらに、10 Pa程度の微量酸素の存在下では、酸素が触媒として働き、融合
に必要な温度を従来報告されていた熱処理温度より1000℃以上低い600ºC
まで下げられることもわかりました。得られた太いナノチューブは、前駆
体の細いナノチューブのカイラル角を保持したまま直径が2倍になってい
ることが、ラマン散乱分光)と収差補正透過電子顕微鏡(TEM)観察によ
り確認されました(図2a, b, c)。また、光吸収スペクトルの測定により、
ナノチューブの融合反応がナノチューブ膜全体で効率的に起こっているこ
とも確認できました(図2d)。融合により合成された多数のナノチューブ
が、確かに特定構造のカーボンナノチューブとしての性質を持つことを示
す明瞭な励起子共鳴ピークが観測されたのは、世界で初めて。これは、
融合したナノチューブがマクロスケールの試料中に多数存在し、それらが
実際に特定種のナノチューブに固有の電子構造と光学特性を持つことを明
確に示すものです。注目すべきは、カイラル角が30ºの「アームチェア型」
と、30ºに近い「近アームチェア型」のナノチューブのみが効率よく融合
し、カイラル角が小さいナノチューブの融合はほとんど生じなかった点で
す(図3)。この結果は、幾何学的要因による融合反応のエネルギーコス
トの構造依存性を強く示しています。本研究では、観察されたナノチュー
ブの融合効率の構造依存性を理解するための合理的なメカニズムも提案し
た。
図2図3

【波及効果】今回の研究により、これまで難しかった比較的直径の太いカ
ーボンナノチューブの構造選択的合成や、カーボンナノチューブ集合体の
物性を後処理により変更することを可能にする、将来のカーボンナノチュ
ーブの様々な応用にとって非常に有用な知見が得られました。さらに、よ
り一般的な観点からは、ここ数十年のナノテクノロジーの発展によって生
み出された精密に構造制御されたナノ材料から新たな物性を持つマクロス
ケールの材料を創製できる、という新しいアイデアを示すものであり、ナ
ノテクノロジーの新時代を切り開く一助となるものと期待されます。
【論文】
タイトル:Coalescence of carbon nanotubes while preserving the chiral
angles(カイラル角を保ったカーボンナノチューブの融合)
著者:Akira Takakura, Taishi Nishihara, Koji Harano, Ovidiu Cretu, Takeshi T
anaka, Hiromichi Kataura, Yuhei Miyauchi
掲載誌:Nature Communications DOI:10.1038/s41467-025-56389-6

✳️  有機薄膜が単接合変換効率20%超え

  ペロブスカイトに強力ライバル

上海交通大学が2024年8月末に発表した、変換効率20.8%(認定値は20.1
%) のOPVの素子構成(出所:上海交通大学の資料に日経クロステック
が加筆して作成。D18-Clは英Ossila)。同大学およびその論文によれば、
面積が5.2mm2の小セルで変換効率が20.8%だった。ただし、第三者機関
による測定では、20.1%と認定された。実は、同大学の発表の約2カ月前
の2024年6月には、中国・中国科学院 寧波材料技術工程研究所がOPVセル
作成後の初期データとして20.2%を達成したと報告している。
ただし、セルが安定化した後の値は18.42%だった。第三者機関による認
定値で20%を初めて超えたのは、やはり上海交通大学の方だったと言える

有機薄膜太陽電池(Organic PhotoVoltaic:OPV、Organic Solar Cells:
OSC)、または有機太陽電池と呼ばれるタイプの太陽電池の変換効率がつ
いに単接合で20%を超えた。達成したのは、中国・上海交通大学(SJTU)
の研究者で、2024年8月に論文を米Joule誌に発表した(図1)
図1 有機薄膜太陽電池(OPV)の変換効率が20%超に

図1 有機薄膜太陽電池(OPV)の変換効率が20%超に

このうち、(1)はドナー(電子供与体)と呼ばれるp型の有機半導体材料
を塗ってから、
これも一見すると特別な製法には見えない。ところがOPV
開発者にとってこのプロセスは“驚き”といえる。というのは、2000年代半
ばまで多くの塗布製法のOPVはこの手法で作製されていたものの、性能(
変換効率)がなかなか上がらなかった。そこに「バルクヘテロ接合構造
(※相互浸潤効果?)を採用したOPVが高い変換効率を次々にたたき出し
て、一気に主流の製法
になったからである。
バルクヘテロ接合構造とは、p型とn型の有機半導体材料を成膜前に混ぜ合
わせて塗ることで実現する。無機の太陽電池技術者にとっては常識はずれ
の製法だったが、やってみると性能が高まった。結果として、20年近くも
バルクヘテロ接合構造がOPV開発者の“常識”となってきた。このため、
イヤー・バイ・レイヤーは先祖返りとも言えるが、それで過去最高の変換
効率が達成された。

◾半導体材料の変化を反映か
考えられる理由は大きく2つある。
(i)有機半導体材料の形状が大きく変わってきた点、
(ii)最近のn型材料は、かつてのフラーレン系材料と違って、自らが光を
吸収し、電子と正孔の対を生み出す能力が高い点――の2つ。

(i)について従来はp型材料は高分子が多く、n型はフラーレン系(閉殻空
洞状の多数の炭素原子のみで構成される、クラスター)の“丸い”低分子材
料が多かった。この場合、p型とn型で塗り分けていては、両分子の接触面
が非常に狭くなってしまう。逆に混ぜ合わせれば接触面が飛躍的に増える
ため、バルクヘテロ接合構造が有効だった。
ところが、数年前からフラー
レン系に代わって、より大きな分子、でしかも平たいノンフラーレン系(
NFA)のアクセプターで高い変換効率が次々に出るようになった。このNFA
には“長いひげ”のような有機鎖が多数あることが多い。一方、ドナー側の
材料は逆に高分子から、アクセプターと同様な規模の分子にサイズダウン
しつつある。これなら、混ぜ合わせないレイヤー・バイ・レイヤーでも一
定の広さの接触面、つまり「i層」を確保できる
(ii)についてもかつてのフラーレン系材料は、電子を受け取る機能しか
期待されていなかったが、NFAでは、電子と同時に正孔を生成する機能が
高いため、p型材料との界面が、無機半導体のpn接合に近い役割を果たす
ようになる。結果、無機半導体の発想に近いレイヤー・バイ・レイヤーの
方が電子と正孔を分離して取り出しやすい、といったことがありそうだ。

✅ 有機太陽電池への洞察:展望と課題
型破りな資源
効率が20%以上、V以上の有機太陽電池OCの2.1V超えを全無機ペロブスカ
イトとタンデム化し、熱アニールフリープロセスを実現

詳細は、画像に続くキャプションに記載されています
図1. )2T無機ペロブスカイト/有機TSCにおける個々の層のデバイス構造
とそれに対応するエネルギー準位


詳細は、画像に続くキャプションに記載されています

図2.a) ETLが異なる全無機ペロブスカイトフロントサブセルのJ-V特性。b) s-
ZnO/SnOに基づくデバイスの過渡光電流測定2およびZnO NPs/SnO2ETL。
c) 裸CsPbIのフォトルミネッセンススペクトルとd) 時間分解フォトルミネ
ッセンス減衰曲線2Br膜とs-ZnO/SnO上に堆積した膜2およびZnO NPs/Sn
O2ETL

ポリマードナーと非フラーレンアクセプターに基づく有機太陽電池(OSC)
は、19%以上の電力変換効率
(PCE)を達成するが、550 nm未満の吸収が不
十分なため、高エネルギー光子の収集が制限される。対照的に、ワイド
ンドギャップ全無機ペロブスカイトは、低エネルギー光子の吸収を制
限し、
バンドギャップ以下の深刻な損失を引き起こす。そこで、ワイドバ
ンドギ
ャップCsPbIを組み込んだ2端子(2T)モノリシックペロブスカイト/
有機タ
ンデム太陽電池(TSC)を作製した2Brはフロントセルアブソーバーと
して、
有機PM6:Y6ブレンドはリアセルソーバーとして実証されており、
OSCの
吸収を高エネルギー光子領域に拡張。ペロブスカイトサブセルは、
ゾルゲ
ルを調製したZnO/SnOを特徴とする。
二層電子輸送層は、高い開回路電圧
(
VOC)は、リアサブセルの製造に、熱アニーリング(TA)フリープロセスを
採用することで
さらに強化され、過去最高のVを示すOC2.116 Vの有機サ
ブセルのTAフリーAg/PFN-Br界面
は、電荷輸送を促進し、非放射再結合を
抑制します。その結果、モノリシックな2T-TSC構成では、報告されてい
るシングルジャンクションOSCとタンデムOSCの両方よりも高い、20.6%
という顕著なPCEが達成され、ワイドバンドギャップの全無機ペロブスカ
イトとのタンデムがOSCの効率を向上させるための有望な戦略であ
ること
を示す。

サブセル間の相補的な吸収を実現に、リアセルアブソーバーとしてPM6:Y6
ブレンドを選択。個々のサブセルの吸収スペクトルは、図S4「補足情報」に
示す。PM6:Y6ブレンドの比較的小さなバンドギャップにより、光収集範
囲が900nmに広がる。まず、ITO/PEDOT:PSS/PM6:Y6/MoOの構造を持つ
シングルジャンクションOSCを作製した3/Agは、PM6:Y6の太陽光発電性
能を評価する。J-V 曲線は、図 S5a、補足情報に示されている。シングル
ジャンクションOSCは、Vで15.64%のPCEを示すOCの0.845 V、JSCの25.57
mA cm−2
のFFは72.41%で、PM6:Y6に基づいて報告されたデバイスに匹敵
する。EQEスペクトル(図S5b、補足情報)は、PM6:Y6ブレンドがカットオ
フ≈950nmでかなりの光起電力応答を持ち、CsPbIとよく一致した吸収を
示している2Br.続いて、MoOを適用しました3タンデムセル製造の相互接
続層(ICL)として/Ag/PFN-Brは、このような組み合わせにより、さまざま
な界面材料の中で最も高い垂直伝導率が得られ、2つのサブセルを低抵抗
で接続するためです(図3a)。2T-TSCでは、サブセルはICL(再結合層とも呼
ばれる)によって電気的に接続されている。吸収体内の光生成されたキャリ
アは、サンドイッチ設計の選択的接点間で分離され、対応する電極によっ
て抽出されるため、ICLは一方のサブセルから正孔を収集し、もう一方の
サブセルから電子を収集。したがって、効率的な組換えには高導電性のICL
が不可欠です。PFN-BrベースのICLは、650 nmを超える透過率が90 nmを
超えるため、有機サブセルの光吸収が保証されます(図3b)。また、TAは通
常、リアセルのBHJ膜の結晶化度や相分離の改善、電荷輸送の改善のために
必要であるため、TAがICLの導電率に及ぼす影響を検討した。S6「裏付
け情報」に示すように、110°Cで10分間アニールすると、導電率が急
激に低下し、ICLでの電荷回収効率やキャリア再結合に悪影響を及ぼす可
性がある。導電率の変動は、Ag/PFN-Br界面の熱脆弱性に起因する可能
性があり、これは一連の実験の後半で確認された。
https://doi.org/10.1002/advs.202200445

さらに、タンデムセルのリアセルと同じデバイス構造でOSCの性能を最適
化することが重要。そこで、次にITO/PFN-Br/PM6:Y6/MoOのデバイス構
造を持つOSCを作製したAgは、リアサブセルのパフォーマンスを最適化す
る。図S7「補足情報」のデバイスのJ-V特性は、処理条件に関係なく、開
回路領域付近にねじれのあるS字型の曲線を示しています。これは、ITO基
板とPFN-Br層との間の電荷輸送が非効率的であるため、電荷蓄積を引き起
こし、その結果、界面に空間電荷領域が生じることが原因と考えられるが、
これは以前の論文でも観察されている。薄いAg層(1 nm)を挿入すると、オ
ーミックコンタクトが形成され、J-V曲線のねじれが解消される。図S8
補足情報」に示すように、UPSの測定では、PFN-BrからAgへの界面双極
子ポインティングによるAgの-4.4 eVからPFN-Br/Agの-4.12 eVへの仕事
関数(WF)シフトが検証される。AgのWFとY6のHOMOとの間に50meVの
小さなエネルギーギャップがあるため、電荷抽出が容易になると同時に、
エネルギー損失が最小限に抑えられます。これに基づき、ITO/Ag/PFN-Br
基板上にデバイスを作製し、リア有機サブセルの性能を最適化した。一般
に、有機BHJ太陽電池の性能を向上させるために、熱焼鈍プロセスが必要。
しかし、驚いたことに、単接合BHJデバイスの一般的な現象とは異なり、
TAフリープロセスにより、リア有機サブセルの効率が大幅に向上すること
に気づいた。TAフリーデバイスは、Jで13.4%のPCEを示すSCの22.37 mA
cmの−2VOCの0.846V、FFは70.7%、TAデバイスはJのみで7.2%のPCEを
示しますSCの21.04 mA cmの−2VOCの0.665V、FFは51.7%(図4a;表 S2,
補足情報)。TAフリーデバイスの強化されたEQEスペクトルは、Jとよく一
致し、SCの増加する(図4b)。

詳細は、画像に続くキャプションに記載されています

<picture><source srcset="/cms/asset/a0044383-98b4-4d92-abb9-02e2b4e526c6/advs4315-fig-0004-m.jpg" media="(min-width: 1650px)" /></picture>
図4.a)J-V曲線、およびb)ITO/Ag/PFN-Br基板に基づくTAおよびTAフリー
有機リアサブセルの対応するEQEスペクトル。0〜100%の光照度での静電
容量-電圧測定と、Vを超える印加電圧での電荷注入プロセスの概略図c,e)
TAフリーおよびd,f) TAデバイスの場合。

さらに、TAフリーデバイスのFFの大幅な増加は、直列抵抗(RS)とシャント
抵抗の3倍の増加(RSHさん)をTAデバイスと比較します。Rの減少Sさらに、
TAフリーデバイスのインターフェースでの効率的な電荷移動による接触抵
抗の減少を意味します。電荷移動特性を評価するために、静電容量-電圧(
C-V)と電気化学的インピーダンススペクトル(EIS)の測定を行った。
C-V特性は、通常、照明下での電位バリアによる光生成キャリアの表面電
荷蓄積を明らかにする。図4cに示すように、TAフリーデバイスでは、光照
度を≈0〜100%に変化させると、≈1.7nFの幾何学的静電容量により、低バ
イアス電圧下で一定の静電容量が観察される。印加バイアス(VAP通信)は、
内蔵電界の減少につながり、対応する電極に向かって移動する電荷キャリ
アの駆動力を減少させ、界面に電荷蓄積を引き起こす。この動作は、C-V
曲線の静電容量の急激な増加と見なすことができる。
Vの継続的な増加AP通信内蔵電位(V= 0.841 V)は電荷注入につながる。
4e、fは、TAおよびTAフリーデバイスのC-V曲線の影付き領域における
さまざまな電荷注入メカニズムを示している。TAフリーデバイス(図4e)の
場合、注入された電荷は光生成キャリアと再結合し始め、その結果、静電
容量が低下します。しかし、TAデバイス(図4f)の場合、印加電圧の増加に
伴って静電容量値が上昇傾向にあることから、界面にバリアが存在するこ
とで光活性層への電子の注入が妨げられていることが示唆される。

EIS測定は、TAおよびTAフリーデバイスにおける界面電荷輸送をさらに調
査するために実施されました。コール・コール・ナイキスト線図と対応す
るボード線図は、Vのバイアスで10MHzから1Hzの範囲の周波数で測定さ
OCのを図 5 に示す。TAフリーデバイスでは、ナイキストプロットの2つ
の半円で表される2つの電荷輸送プロセスを識別できる。このプロセスは、
ボード線図(図5、右下)の特徴的なピークによって認識でき、≈2.5×10に高
周波のピークがある
Hz と ≈1.5 × 10 の低周波ピーク5HzはTAフリーデバ
イスで観察される。ただし、TAの後に高周波のピークは1つだけ識別され、
電荷輸送プロセスが1つだけであることを示す。以前の報告によると、半
円が欠落しているのは、劣化した界面層での電荷移動が非効率的であるか、
適切な界面層が不足していることが原因である可能性がある。
[30]また、
ITO/PFN-Br基板とITO/Ag/PFN-Br基板に基づくTAデバイスとTAフリーデ
バイスのインピーダンス曲線を比較しました。ITO/PFN-Brデバイスでは、
TAの前後に両方の半円がはっきりと見えるため(図
S9、補足情報)、したが
って、低周波に位置する欠落した半円は、ITO(Ag)/PFN-Br界面から発信
されていることが確認された。上記の観察結果を考慮して、EISデータを
S9c「サポート情報」に示す等価回路にフィットさせ、フィットしたパ
ラメータを表
S3「サポート情報」に示す。近似曲線は、元のスペクトルと
妥当な一致を示した。
アールs' 接点でのオーム損失を説明し、電荷輸送抵
抗 (
R1)およびコンデンサCPE1並行して。CPEは、非理想的なコンデンサを
表す定位相素子の略で、擬似容量(CPE
T)および対応する品質係数(CPEP)
.TAフリーデバイスの場合、追加の電荷輸送プロセスが存在するため、
R2
およびCPE2スペクトルの正確なフィッティングを提供する必要があります。
[30]TAフリーデバイスは、より低いRを示しますS’(8.52 Ω)は、非オーミッ
ク接触による電圧損失を低減する界面での接触抵抗が小さいことを示して
おり、これはナイキストプロットの高周波での半円の半径が小さいことと
一致。さらに、
R2電荷輸送抵抗を指すは、アニーリング後Ω 68.9から135.5
に大幅に増加しており、アニール中の界面抵抗の上昇を示唆しており、こ
れはFFおよび
Jと一致しているSCのTAデバイスのパフォーマンス。

詳細は、画像に続くキャプションに記載されています
図5.ナイキスト線図(左)とボード線図(右)で示されたTAおよびTAフリーの
有機リアサブセルのEIS測定

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Nano Energy
Efficient monolithic perovskite/organic tandem solar cells and their
efficiency potential
高効率モノリシックペロブスカイト/有機タンデム太陽電池
とその効率ポテンシャル
要約
大バンドギャップCsPbIの集積化に基づく高性能モノリシックペロブスカ
イト/有機タンデム太陽電池2 バンドギャップが狭いPM6:Y6ベースまたは
PTB7-Th:O6T-4Fベースのバルクヘテロ接合有機リアセルを備えたBr無機
ペロブスカイトフロントセルが実証されています。大きなバンドギャップ
無機ペロブスカイトは、その優れた光電子特性と可視光に対する広範な吸
収性により、フロントセルの候補として非常に適しており、電圧損失も小
さい(E損失)と、バンドギャップが近似している有機的な対応物と比較した
場合の外部量子効率(EQE)応答が高くなる。低バンドギャップ有機太陽電
は、Snベースのペロブスカイト太陽電池と比較して、安定性と吸収性が
優れている可能性があり、タンデムセルの後部セルの候補として適してい
る。その結果、本研究で提示されたペロブスカイト/有機タンデムセルの最
高の電力変換効率(PCE)は18%以上に達した。さらに、太陽光発電の性能
ラメータ(EQE、フィルファクター(FF)、E)に基づいています 損失)を最先端
の有機太陽電池およびペロブスカイト太陽電池ですでに達成しているが、
ペロブスカイト/有機タンデムセルの潜在的なPCEをさらに評価し、サブセ
ルのバンドギャップを最適化した場合の最大計算PCEが31%を超えること
を示している。(後略)                 この項了

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エネルギーと環境 135

2025年02月10日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

2月6日命日は、日本の男性指揮者小澤 征爾 2月8日は、徐福である。ブ
ログでも徐福伝説に関する話題を取り上げているが。今日のところ、歴史
的ハレーション効果?で伝説されてきたとし「ジャンク扱い」とする(決
定的な証拠が提出されたら別)。小澤征は爾齋藤秀雄の門下生。



  森永卓郎さんが最期に提唱 
日本経済大復活のための”2つのシナリオ”

政府は「最低賃金2000円」と「富裕層への課税」を
今すぐにすべき!!
今年1月28日、経済アナリストの森永卓郎氏が死去した。 原発不明がんと
闘いながらも、亡くなる直前までメディアに出演し続け、世界経済の行方
に多くの警鐘を鳴らしてきた。 「AIバブルは崩壊する…」「日経平均はこ
れから大暴落する…」 彼がこう語った背景には一体何があるのか。そし
残された私たちは、この先行き不透明な社会をどう乗り越えていくべき

のか。激動の時代を生き抜くための戦略と覚悟とは。 森永卓郎氏と、
息子
の康平氏がいまの日本のさまざまな病巣についてガチンコで語り合っ
た『
この国でそれでも生きていく人たちへ』より一部抜粋・再編集してお
届け
する。


Photo by gettyimages

🍫 チョコレートに期待される健康効果
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには「抗酸化作用」による動
脈硬化予防、 「自律神経調節」による血圧低下、「脳の活性化」による脳疲
労の軽減などさまざまな 健康効果が報告され、医療現場でも活用されてい
る。⛑️食べ方のコツは「量」と「タイミング」にあります。 大規模研究や
臨床現場での結果からわかってきた目安は以下のとおり。
▶「量」:1日約5粒(25g)。
▶「タイミング」:朝、昼、夜などに分けて食べる。

不調の有機ELテレビ、2つの要因と復活へのシナリオ【道越一郎のカットエッジ】

✳️ OLEDテレビの決め手を探せ!
不調の有機ELテレビ、2つの要因と復活へのシナリオ【道越一郎のカットエッジ】

4K化が一巡し、ほとんどのテレビが一定水準の画質に到達してしまった。
目を凝らして見なければわからないほどの、僅かな画質の向上で他社と差
をつけることは難しくなっている。テレビの選択基準は画質から機能へと
シフトしつつある。特に、放送波「以外」のコンテンツを、いかに手軽で
効率的に閲覧できるかが、テレビ購入の大きなポイントになっていくだろ
う。もはやパネルが液晶か有機ELかということすら、消費者には響かなく
なっているのかもしれない。高画質ではあるが割高な有機ELテレビを復活
させるには、この現状を打ち破る必要があるだろう。

🪄昨日も報告しているが、有機半導体の進化により、品質とコスパで差別
 化できるのではと期待しているが、如何に!

図1 3D プリンター市場規模 出典:Wohlers Report 2024(参考文献1)
図1 3D プリンター市場規模 出典:Wohlers Report 2024(参考文献1)

✳️ 
AM/3D プリンターの最新動向—樹脂から金属まで
3Dプリンターの活用が盛んな米国,欧州では,かつてブームの頃に語られ
た誰もが何でも作れる革命的な道具から,ノウハウとスキルを持つ製造の
プロが使う付加製造(AM:Additive Manufacturing)として進化を続け
てきた。
図2 産業向けプリンター製品出荷数 出典:Wohlers Report 2024(参考文献1)
図2 産業向けプリンター製品出荷数 出典:Wohlers Report 2024(参考
文献1)
1.市場動向
3Dプリンターの世界全体の市場規模は,図1に示すとおり製品とサービス
を合わせて2023年時点で約200億ドルである。2020 年はコロナ禍の影響で
成長が鈍化したものの,2010年代は約20%前後,2020年以降は約10%代
の成長率を維持しつつ順調に成長している。2010年代中頃からサービスの
ほうがシステム(装置)の売上を上回っており,世界全体では健全に市場
が成長していく様子が伺える。一方,日本の状況であるが,製品とサービ
スを含めた統計データを探してみたが,筆者が知る限り公表されていない。
そこで,市場成長の中核を担う産業向け装置の台数規模を見ると,図2に示
すとおり全世界で約25,000台の装置が出荷されている。少々の変動は見ら
れるが概ね成長軌跡を辿っていると言える。図3の国内業務用装置の台数と
比較すると,日本の占める割合は世界全体の10%程度であることがわかり
世界の中でも導入される装置数の比率は小さくないことがわかる。

図3 業務用3D プリンター/造形機の国内市場動向 出典:中日社「2024年版3D プリンター/造形機の国内市場」(参考文献2)
図3 業務用3D プリンター/造形機の国内市場動向 出典:中日社「2024
年版3D プリンター/造形機の国内市場」(参考文献2)

よく言われることとして,日本のAM市場は世界に比べて現時点では非常に
小さいということが挙げられる。統計データがないので検証できないが,
世界のAM市場規模は時間をかけて成長を続けており,その中で日本のAM
市場も,前述の国内装置数データからインフラは整っていると言えるので,
今後の成長が期待できるのではないだろうか。

2.造形技術の動向
本章では,主流の材料である金属と樹脂に近年広がりを見せているセラミ
ックスを加えて,材料別に造形技術の動向を述べていく。表1に代表的な
方式・材料についてまとめたので,適宜参照されたい。

2.1金属造形技術の動向
これまで,航空宇宙・医療・自動車レースなどの高コストであっても絶対
的な高性能を追求する高付加価値分野で金属造形は発展してきた。これら
高付加価値分野では,さらに価値を高めるため,ロケット部品など大型化
の傾向が見られる。また,今後の普及が見込める自動車分野や消費者製品
など最終製品の量産に向けての活用が期待されている。そのため,量産分
野では高速化,品質安定といった量産上の課題を解決する技術の開発が進
んでいる。

2.2樹脂造形技術の動向
樹脂造形においては,金属と同様に大型造形物の需要がある。また,樹脂
造形はすでに量産が金属造詣よりも進んでおり,コスト低減や生産性向上
の取り組みが進んでいる。


2.3セラミックス造形技術の動向
セラミックス材料は耐熱性,低熱膨張率,生体適合性などの特徴があるが,
従来工法では複雑な形状を作成することが困難であった。UV樹脂に材料を
分散させたものをVPP方式で造形した後焼結することで3D造形物を得る装
置が数社から発売されている。また,造形エリアが従来の2 倍となる装置
が発表されている。これにより,部品の大型化や量産化が加速すると思わ
れる。Lithoz社の装置は造形エリアの体積が従来の約5倍にまで拡大されて
いる。実際に活用されている事例もあり,Lithoz社の造形装置によるEvove
社設計のフィルター(図13)やStainbagh社の手術用ロボットのチューブな
どが顧客事例として公開されている。
図13 Evove 社設計のフィルター部品

3  展望
今後の展開としては,大型化,自動化,コストダウン,品質安定性の向上,
標準の整備といった量産化に向けた開発がより一層進んでいくと予測する。
その背景には,基本的なAM造形方式はほぼ固まってきているが,それぞれ
一長一短があり,各社の技術開発も継続しており,進歩の余地はまだある
と考えられるからである。実際,最も古い3Dプリンターの方式であるVPP
方式ですら,本記事で解説したように,ここ数年,画期的な進歩を遂げて
いる。また,装置面だけでなく材料面からのアプローチにより,短所を改
善していくことで,さらに活用範囲が広がっていくものと

 
                                     心に響く楽曲 

                     『チャイコフスキー弦楽セレナーデ 』
                  小澤征爾 & サイトウ・キネン・オーケストラ 2010

●    今日の言葉:

春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                      





 

 

 

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エネルギーと環境 134

2025年02月10日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:2月10日】

       早春のひかりさしぬか残雪に 

                  高山 宇 (赤鬼)


✳️ ハメネイ師、米国との交渉拒否を表明
イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は7日の演説で、米国との交渉を拒
否する方針を表明した。トランプ米大統領は5日、イランとの交渉に前向
きな姿勢を示していたが、イラン核開発を巡る現状打開の糸口は当面なく
なった。米国の対イラン制裁強化やイラン側の核開発加速などで対立が深
まる可能性が高まった。
ハメネイ師は軍将校らを前にした演説で、「米国
とは交渉すべきでない。あんな政府との交渉は、賢明でも 聡明(そうめい)
でも名誉でもない」と述べた。理由として、米政府が核合意を順守しなか
った過去の「経験」を挙げ、トランプ氏を「合意を破り捨てた同じ人物だ」
と指摘した。

さらに、ハメネイ師は「米国の脅威には脅威で応じる。攻撃されれば攻撃
する」と断言し、軍事衝突の選択肢にも言及した。
これに先立つ6日、米
財務省は、イラン軍参謀本部に代わって年間数百万バレルのイラン産原油
の中国への輸出を支援したとして、イランや中国などの個人やタンカー会
社に制裁を科すと発表した。トランプ氏がイランに「最大限の圧力」をか
けるよう4日に指示した後、米政府が制裁を発動するのは初めてだ。

トランプ氏は、イランの外貨獲得手段である原油輸出をゼロにする目標を
掲げている。今回の制裁では、取引で重要な役割を果たす中国の金融機関
は対象外で、イラン側とのディール(取引)の材料にする可能性があるが
イラン外務省報道官は7日、米政府の決定は「違法」とする非難声明を発
表した。
イランは2018年、米英露など6か国と結んだイラン核合意か
ら第1次トランプ政権が一方的に離脱し、制裁を再開したのに対抗して核
開発を加速させた。現在、兵器級に近い濃縮度60%のウランを製造して
いる。
米国が制裁を強化すれば、イランはさらに核開発を進めるとみられ、
イランの核武装を憂慮するイスラエルを刺激することになる。イランの核
施設への攻撃など軍事的な対立への発展も懸念される。(
bing.com  news

✳️微小な有機半導体の複雑な分子構造を解明
🎈次世代電子デバイスと医薬品の開発を加速する革新的技術

有機半導体は,柔軟性,低エネルギーで合成や加工ができる環境への優し
さといった利点をもち,次世代の電子デバイスの材料として有望視されて
いる。これらの材料は,フレキシブル・ディスプレイや高効率太陽電池か
らウェアラブル・エレクトロニクスに至るデバイスを実現し,暮らしや社
会をより良いものに変革する可能性を秘めている。
その有機半導体の分子構造を解明する強力な解析手法である従来のX線結
晶構造解析法は,10μm以上の大きさの整然とした結晶を必要とするが,
多くの有機半導体はこれより小さい結晶や薄膜しか形成しないため,既存
の手法では解析が困難だった。

さらに,有機半導体の中には,多形(同じ分子が異なる結晶系を示す結晶
多形,および結晶内で異なる形状をとるコンフォメーション多形)と呼ば
れる複雑な挙動を示すものが知られていたが,解析例が極めて少なく,そ
の詳細は不明のままだった。
微細ではあるが機能・特性に大きく関わるコ
ンフォメーション多形を理解することは,有機材料の特性を予測し制御す
るために不可欠。そのため,既存の解析法の限界を超える,新たな構造解
析法の開発が望まれていた。

今回東北大らの研究グループは,最先端の3次元電子回折法と開発した構造
決定法を組み合わせて,従来の手法では解析できない複雑な分子構造をも
つ有機半導体微小結晶(厚さ数百nm以下)の構造解析に成功した。この新
しい技術により,有機半導体結晶中で分子がどのように配列しているのか,
その複雑な構造の詳細が明らかになった。さらに,同じ化学構造をもつ分
子が結晶内で異なる形状をとる現象を明らかにした。
今回開発した構造解
析技術は,さまざまな有機材料・薬剤の開発に新たな可能性を開く技術基
盤を提供するもの。解析困難な材料の詳細な構造情報を提供することで,
有機半導体の設計,開発を加速することが期待される。研究グループは,
より効率の高い太陽電池や,より性能の高いフレキシブル・ディスプレー,
新しい電子デバイスが生まれる可能性があるとしている。

研究チームが2024 年に合成を報告した有機半導体 antiC10(図 1 左)は厚
さ数百ナノメートル(nm、1nmは100万分の1ミリメートル)以下の薄い
結晶(図1中央)が形成される試料です。このため、通常のX線回折装置は
もちろんのこと、放射光施設を利用したX 線自由電子レーザーを用いても
構造決定に至りませんでした。電子線はX 線に比べ格段に試料と強く相互
作用するため、はるかに小さな結晶を扱うことができます。そこで、共同
研究チームは、クライオ電子顕微鏡を用いて高品質の電子回折データの取
得に成功しました(図1右)。しかしながら、既存のデータ解析手法では構
造同定できず。この課題を克服するために、分子置換と呼ばれる作業を安
定な部分構造を基に二段階で適用する新しい手法を開発しました(図2)。

分子置換法は類似のタンパク質の立体構造を使って構造情報を得るという
タンパク質の結晶構造解析で頻繁に用いられる手法ですが、構造の知られ
ていない有機分子の構造解析にはほとんど利用されていない。この手法に
は以下が含まれます: 

1. 初期探索モデルの作成:計算化学的手法を用いて、構造の剛直な部分に
焦点を当てながら、解析対象分子の 3 次元構造モデルを理論計算により
化学構造のみから作成しました。 
2. 二段階の分子置換法:上記の antiC10 構造モデルを探索モデルとして複
数のコピーを結晶中の単位胞(結晶を構成する空間格子の最小の繰り返
し単位)に配置する逐次探索を行い、初期構造を得ることに成功しまし
た。 
3. 精密化とモデル構築: その後、初期構造を精密化し、分子グラフィック
スプログラムを使って構造を完成させました。

この課題を克服するために、分子置換と呼ばれる作業を安定な部分構造を
に二段階で適用する新しい手法を開発した(図2)。分子置換法は類似
のタ
ンパク質の立体構造を使って構造情報を得るというタンパク質の結晶
構造解析
で頻繁に用いられる手法ですが、構造の知られていない有機分子
の構造解析に
はほとんど利用されていませんでした。この手法には以下が
含まれる: 

1. 初期探索モデルの作成:計算化学的手法を用いて、構造の剛直な部分に
焦点を当てながら、解析対象分子の 3 次元構造モデルを理論計算により
学構造のみから作成しました。 

2. 二段階の分子置換法:上記の antiC10 構造モデルを探索モデルとして複
数のコピーを結晶中の単位胞(結晶を構成する空間格子の最小の繰り返
単位)に配置する逐次探索を行い、初期構造を得ることに成功しまし
た。 
3. 精密化とモデル構築: その後、初期構造を精密化し、分子グラフィック
スプログラムを使って構造を完成させました。


このアプローチにより、研究チームは antiC10 の構造を解明し、結晶中の
雑な配置を明らかにすることができました。その結果、分子が平行およ
び反平
行に配置された2層構造であることを見出した(図2右)。 
このantiC10の層間は互いに入り組んだ複雑な構造をとる(図3左)。さ
に、結晶中に同じ分子が少しずつ異なる形で共存しているコンフォメーシ
ン多形と呼ばれる現象を発見した(図3右)。コンフォメーション多形
は分
子の機能と特性に大きな影響を及ぼすと考えられる。さらに本結晶は
180°
回転した同じ結晶が重なった状態の双晶であることが詳細な構造解析
の結果わ
かりました。この双晶は結晶が生成する途中の過程と深く関係が
あり、非常に
複雑な分子構造が形成されるに至ったことが予測される。
のような微細構造の違いを見分けることのできる解析法は、これらの有

半導体材料の設計指針を得るために極めて重要。本研究は、解析が
非常に
難しい物質に対して、以前は達成できなかった精度の高い解析手法を提

するものである。
 
本研究の構造解析手法の開発およびデータの解釈は東北大学の研究者が実
しました。電子回折実験および初期解析は理化学研究所の研究者が実施
しまし
た。産業技術総合研究所の研究者は材料開発および試料調製に、東
京大学の研
究者は連携体制の構築およびデータの解釈に重要な貢献があつ
た。

【展望】今後の展開 
今回開発された構造解析技術は、さまざまな有機材料・薬剤の開発に新た
な可能性を開く技術基盤を提供します。
1. 材料開発の加速:解析困難な材料の詳細な構造情報を提供することで、
有機半導体の設計、開発を加速することが期待されます。これにより、
り効率の高い太陽電池やより性能の高いフレキシブル・ディスプレイ、新
しい電子デバイスが生まれる可能性がある。 
2. 構造-物性相関の理解向上:コンフォメーション多形を詳細に解析できるよ
うになることで、分子構造が材料特性にどのような影響を与えるかをより
深く理解できるようになる。得られた知見は、特定の用途向けに材料を設
計する上で極めて重要。 
3. 製薬研究への応用:本技術は小さい結晶しか得られない新規薬剤の解析、
さらには同じ分子が異なる結晶系を示す結晶多形の解析に威力を発揮する。
結晶多形は薬剤の効能に大きな影響を与える可能性がある。従来は困難で
あった結晶多形の検出や高精度かつ効率的な構造解析が可能になる。

このように本研究は、次世代エレクトロニクスから医薬品に至るまで、さ
まざまな分野の技術革新を促進する技術基盤です。物質のナノスケールの
世界と機能性部品材料のマクロスケールの世界のギャップを埋めるこの研
究は、我々の日常生活を一変させる次世代技術の開発に繋がる可能性が考
えられる。 
【論文情報】 
タイトル:3D Electron Diffraction Structure of an Organic Semiconductor 
Reveals Conformational Polymorp掲載誌:Journal of the American
Chemical Society 
DOI: 10.1021/jacs.4c12734 
URL: https://doi.org/10.1021/jacs.4c12734hism 

✳️  光が流れるナノチェーンを開発し機構も解明
【要点】
1.長さと色素サイトの配向・配列・距離が正確に規定された一次元分子鎖
(ナノチェーン)を創製した。
2.ナノチェーン内の励起子(注1)の移動を既存例よりも精密にモデル化
し、発光データをシミュレーションすることで、これまで定量が困難であ
った励起子移動プロセスの速度を明らかにした。
3.本研究で用いた手法とモデルは、レーザーや検出器の性能に制限されない、
新たな手法による超高速光現象の解析に相当し、分子性ナノ材料における
光化学・光物理現象を理解するための標準的方法論に資することが期待さ
れる。
【概要】近年、デバイスの小型化と省エネルギー化が求められる中、シリ
コンなどの無機材料では実現が難しい分子スケールでの極小デバイスの開
発が科学者の究極の目標の一つとされている。特に、ナノメートルスケー
ルのデバイスを駆動するためのエネルギーや情報伝達信号として光が注目
されており、光を輸送することができる分子光導波路の開発が望まれてい
。 過去 50 年にわたり、ポリマー鎖内を励起子が移動(ホッピング)す
る挙動の解析にランダムウォークモデルが適用されてきたここで超高速
レーザーを用いる時間分解分光法が励起子ダイナミクス(通常、ピコ秒(
10-12 秒)スケール)の解明に重要な役割を果たしているが、観測可能な
現象の時間スケールはレーザーや検出器の性能に制限されてしまう。また、
従来のポリマーにおいては励起子の停留サイトとなる色素分子間の相対的
な配列・配向・距離が定まらず、この構造の不確実性が励起子移動現象の
定量的モデル化と解析を妨げてきた。

本研究グループでは、発光性ジピリン亜鉛錯体に着目し、色素であるジ
ピリン部位の配向・配列・距離を精密に規定した一次元分子鎖群「ナノチ
ェー
ン」を合成することに成功した(図 1)。 ナノチェーンは配位結合が
主鎖を担う直鎖状金属錯体。本研究では錯体部位の構造を緻密に設計する
ことで、1核から16核までのナノチェーンの単離を可能にした
。 



光照射によって生成する励起子は各ジピリン色素サイトに局在し、サイト
間の配向と距離に依存したFRET 機構で大部分の励起子移動を説明すること
ができます。一次元分鎖群の構造が規定されているため、連続時間マルコ
フ連鎖に基づく精密なモデルを構築し、鎖内の励起子ダイナミクスを数学
的に記述することが可能となりました(図2)。ただし、金属イオンを挟ん
だ最近接サイト間の励起子移動の定量化は困難であるため、その速度定数
を未知パラメータとして取り扱った。 

一次元分子鎖の蛍光減衰曲線と蛍光量子収率は市販の分光装置で実験値を
取得することができるとともに、上記の連続時間マルコフ連鎖モデルから
理論値を算出することができます。そこで、理論値が実験値を再現(図 2)
するように上記未知パラメータを最適化することで、最近接サイト間の励
起子移動の時定数を40± 20ピコ秒(分子鎖内部の値、トルエン中)と決定
できた。

今後の展開 
本研究は、一次元分子鎖の構造的特徴と一般的にアクセス可能な光物性測
定の結果から、励起子ダイナミクスの定量的モデル化と解析を行った初の
である。レーザーや検出器の性能に大きく制限を受ける従来の方法論を
用いずに、未知の高速励起子移動の時定数を算出したことは特筆すべき成
果。本研究で用いた手法とモデルは、分子性ナノ材料における光化学・光
物理現象を理解するための標準的方法論に資することが期待される。

  
      心に響く楽曲 
    『ヴィヴァルディ:『四季』より「春」 第1楽章(弦楽四重奏)』




●    今日の言葉:早朝からご近所は除雪作業。
         気鬱ごと晴れることなし。ならば、ヴィヴァルディも
         一興と気を取り直す。そして、ブログを打つ。望みは
         ひとつ。新しい時代をはやく実現させたいことだ。
                

春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                           

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エネルギーと環境 132

2025年02月08日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

             融雪剤 に対する画像結果

【季語と短歌:2月8日】

           雪模強風の中一人撒く 
  
                  高山 宇 (赤鬼)

 

✳️ 光で環境規制物質PFASを分解・無害化
ウシオ電機は,世界的に新たな環境規制物質として注目されている,PFAS
(有機フッ素化合物)のうち,代表的な物質であるPFOS(ペルフルオロオ
クタンスルホン酸),PFOA(ペルフルオロオクタン酸)を,触媒や添加物
を使用せず光を用いて1リアクターで分解・無害化できる技術を開発した。
PFASは,人体への健康被害の実例が報告されて以来,欧米をはじめとして
排出規制が定着しつつあるが,その難分解性から除去・無害化手法の確立
が喫緊の課題となっている。PFASの分解方法は現在,活性炭で吸着後に焼
却する高温焼却処理が検討されているが,吸着した活性炭の輸送,焼却の
ための燃料やそのエネルギーの消費,さらには活性炭焼却由来のCO2や温
暖化係数の高いフッ素系温暖化ガスの大気放出が懸念されている。
【特長】
・常温常圧にて処理可能
・焼燃料・触媒・化学薬品添加物が不要で、光と電気エネルギーだけで分解
可能
・分解反応の過程 で想定外のフッ素化合物ができにくい
・短鎖PFAS分子の分解も可能
・分解後に残った最終的な物質(HF、H+、F - )は、水酸化カルシウムで
最終処理することでフッ化カルシウムとして固定安定化が可能(別用途へ
の再利用可能)
・PFAS濃縮技術との組み合わせにより高い分解効率を実現可能

なお、今後は実用化に向けさらに研究・開発を進め、2025年度に実証実験
を開始し、2027年の事業化を目指す。



 NIFSらナノ秒紫外レーザーでPVにナノ構造を形成

研究グループは,発振波長248nm,パルス幅20nsのKrFエキシマレーザー
を用いてシリコン太陽電池表面上に高密度に三角形ナノドット構造を形成
することに成功した。シリコン太陽電池の融解閾値0.47J/cm2以下のレー
ザーフルエンスでKrFエキシマレーザーを照射したところ,ナノドット構
造は,レーザーがシリコン太陽電池のピラミッド構造表面に対してS偏光
として照射される面のみに形成されることを発見。
形成されたナノドット
構造の大きさは先端が約20nmである三角形のナノドット構造であり,こ
の構造のサイズはレーザーの回折限界よりも小さいことがわかった。ナノ
ドット構造の密度はレーザー波長に関係しており,レーザー波長の2乗に反
比例しており,短波長レーザー照射が高密度化に有効であることを見出した。
ピラミッド構造のS偏光面のみにナノドット構造が形成されたシリコン太陽
電池の500nmでの反射率は約5%を達成した。顕微ラマン分光を用いてシリ
コン太陽電池の結晶性を評価したところ,ナノドット構造を形成させるこ
とによって表面に圧縮応力が発生していることがわかった。
さらにバンド
ギャップを評価したところ,シリコン太陽電池のバンドギャップエネルギ
ーがより高くなることがわかった。
【掲載誌】
・タイトル:High-density nanodot structures on silicon solar cell surfaces
irradiated by ultraviolet laser pulses below the melting threshold fluence
・掲載誌:J. Phys. D: Appl. Phys. 57 (2024) 385101
DOI:10.1088/1361-6463/ad58ec


図3 精密アラインメント機構を備えたダイヤモンド量子センサホルダ

✳️ 量子センサ向け大径ダイヤ基板を実現
文部科学省 光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)のグループ
は,異種基板上のヘテロエピ成長技術により,量子センサに適した(111)
結晶方位とコヒーレンス時間を備える“量子品質”の10mm径以上のダイヤ
モンド結晶基板の作製を実現した。
【展望】生体親和性と広いダイナミックレンジを有し、常温大気中で動作
するダイヤモンド量子センサで、直径10 mm以上の大面積のものが実現可
能となり、応用可能性が拡がるとともに、工業的量産性が向上。これによ
り、生体計測等の医療応用や、エネルギーデバイス応用等への適用が加速
することが期待されます。例えば現在は大病院でなければ受けられない高
度生体磁気計測が市中の医院でも受診可能となる、EV電池の利用効率を上
げ10%の重量削減が可能となることが想定される。



✳️ アルミニウムイオン電池の安定化に成功
北京の研究者のチームが、アルミニウムイオン電池の安定化に成功したと
発表。リチウムイオン電池は軽量で大容量の電力を蓄えることが可能なた
め、スマートフォンや電気自動車などの分野で幅広く活用されているが、
素材となるリチウムは高価で価格変動が激しいほか、リチウムイオン電池
には発火性の電解液が必要などの欠点がある。アルミニウムは地球の地殻で
3番目に多い元素で、価格がリチウムの約4分の1と安く、電池への利用可能
性を探る研究が行われてきた。これまでの研究では、イオン液体電解液が
陽極腐食を引き起こす問題や、腐食を避けるためにゲル状のゲルポリマー
電解液を使うと導電性が下がる問題が発生していた。
【掲載誌】
・Aluminum Batteries Outlive Lithium-Ion With a Pinch of Salt - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/aluminum-batt
ery

【関連情報】
・世界初の充電可能な「鉄イオン電池」が開発される、高エネルギー効率で
リチウムイオン電池より安全
・A room temperature multivalent rechargeable iron ion battery with an
ether based electrolyte: a new type of post-lithium ion battery - Chemical
Communications (RSC Publishing)
https://pubs.rsc.org/en/journals/journal/cc


✳️  水素エネルギーの魅力と製造方法 ④
次世代エネルギーのいまと未来vol.1 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、「次世代エネルギー部門」が始動:朝日新聞デジタル
【最新燃料電池技術特許⓷】
特開2024-1112 均一に分布した二酸化チタンを含む触媒の担体及び製造
方法 サゾル  ジャーマニー  ゲーエムベーハー

【特許請求の範囲】
【請求項1】  アルミナ担体(Al)に対し1~5重量%のTiO
で被覆したアルミナ担体を含み、
  前記TiOは、前記アルミナ担体に均一に分散されており、
  前記TiOが前記アルミナ担体上に均一に分散されることで、前記アル
ミナ担体上に表面被覆が形成され、当該表面被覆には、前記アルミナ担体の
内孔壁の表面の被覆が含まれ、前記アルミナ担体のバルク内の被覆は含ま
れない、焼成触媒の担体。
【請求項2】  前記焼成触媒の担体のTi:ALのX線光電子分光法によっ
て決定されるピーク面積比に関して、乳棒と乳鉢を用いて粉砕する前の場合
と、乳棒と乳鉢を用いて粉砕した後の場合との間の差は、非常に小さいか、
または負である、請求項1に記載の焼成触媒の担体。
【請求項3】  乳棒と乳鉢を用いて粉砕する前の前記焼成触媒の担体と、乳
棒と乳鉢を用いて粉砕した後の前記焼成触媒の担体と、のTi:ALのX
線光電子分光法によって決定されるピーク面積比の差が0.0067以下
である、請求項1に記載の焼成触媒の担体。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
  本発明は、均一に分布した二酸化チタンとアルミナとを少なくとも含む触
媒の担体の生成方法、及び当該方法によって調製した触媒の担体に関する。
【背景技術】  特許文献1には、含浸によって、触媒の担体の材料にチタン
化合物を導入する方法が記載されている。含浸に適した液媒体を用いて、
チタン化合物と触媒の担体の材料との間の接触をもたらすことができる。特
許文献1の実施例では、チタン化合物で修飾する触媒の担体を調製する間
に、触媒の担体の材料をチタン化合物と接触させる有機物の液媒体として、
エタノールの使用を開示している。また、特許文献1では、例示されていな
いが、などの無機物の液媒体を使用して、触媒の担体材料をチタン化合
物と接触させることができることを開示している。
 特許文献2には、カルボン酸とチタン化合物との性組成物を調製し、同
時に触媒の担体の材料に添加する方法、すなわち、触媒の担体材料に添加
するのを、チタン化合物とカルボン酸との混合物とする方法が開示されている。
  特許文献3には、修飾金属酸化物と、修飾金属酸化物が卑金属酸化物全体
に均一に分布された卑金属酸化物とを含む、均一で非晶質な触媒の担体が開
示されている。特許文献3には、修飾アルミナを製造するためにアルミナ塩
を原料として用いる沈殿工程が記載されている。
  先行技術の調製方法は合致しないものであるか、あるいはチタン化合物が
触媒の担体上に均一に分散されていない触媒が得られるかのいずれかである
したがって、上述の方法を改善する必要がある。
【先行技術文献】【特許文献】
【特許文献1】 国際公開第2014/020507号 (WO  2014/020507  A2)
【特許文献2】 国際公開第2013/114098号 (WO  2013/114098  A1)
【特許文献3】 米国特許出願公開第2005/0124490号明細書 (US  2005/0124490)

【発明の概要】
【課題を解決するための手段】  本願における第1態様として、触媒の担体
を調製する方法が提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸
を添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液にチタン化合物を添加して、アルミナ/チ
タン化合物を形成する工程とを含む。
  当該方法は、アルミナ/チタン化合物の懸濁液に酸を添加して、酸修飾ア
ルミナ/チタン化合物の懸濁液を形成する工程を更に含むことができる。
  当該方法は、アルミナ/チタン化合物の懸濁液又は酸修飾アルミナ/チタ
ン化合物の懸濁液を加熱して、アルミナ/チタン化合物の加熱懸濁液又は
酸修飾アルミナ/チタン化合物の加熱懸濁液を形成する工程を更に含むこ
とができる。加熱は、30℃~70℃の温度範囲、典型的には約50℃で、
2~4時間なされる。
  当該方法は、アルミナ/チタン化合物の加熱懸濁液又は酸修飾アルミナ/
チタン化合物の加熱懸濁液を乾燥させる工程を含むことができる。
  当該方法は、チタン化合物の溶液を添加する前に、酸修飾アルミナ懸濁液
を乾燥させて、酸修飾アルミナの乾燥混合物を形成する工程を含むことがで
きる。
  本願の第1態様に対する第1選択肢によれば、触媒の担体を調製する方法
が提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸を
添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液にチタン化合物の溶液を添加して、アルミナ
/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    v)アルミナ/チタン化合物の懸濁液を乾燥させて、アルミナ/チタン化
合物の乾燥混合物を形成する工程とを含む。
 本願の第1態様に対する第2選択肢によれば、触媒の担体を調製する方法が
提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸
を添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液にチタン化合物の溶液を添加して、アルミ
ナ/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    v)アルミナ/チタン化合物の懸濁液に酸を添加して、酸修飾アルミナ
/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    vi)酸修飾アルミナ/チタン化合物の懸濁液を乾燥させて、pH修飾
アルミナ/チタン化合物の乾燥混合物を形成する工程とを含む。
【0014】  本願の第1態様に対する第1選択肢及び第2選択肢は、アル
ミナ/チタン化合物の懸濁液又は酸修飾アルミナ/チタン懸濁液を加熱する
工程を更に含むことができる。加熱は、30℃~70℃の温度範囲、典型的
には約50℃で、好ましくは2~4時間なされる。

  本願の第1態様の方法が、チタン化合物の溶液を添加する前に、酸修飾ア
ルミナ懸濁液を乾燥させる工程を含まない場合、アルミナ懸濁液に添加され
る酸は、好ましくはギ酸、乳酸、クエン酸、又はその混合物、より好ましく
は乳酸、クエン酸、又はその混合物、最も好ましくはクエン酸である。
  アルミナ懸濁液に添加される酸の割合は、酸修飾アルミナ懸濁液の5~30
重量%、好ましくは、酸修飾アルミナ懸濁液の5~20重量%にできる。
しかしながら、酸の添加量は、アルミナ懸濁液のpHを、6~8のpHか
ら、4~5のpHに低下させるのに十分な量でなければならないことは理
解されるであろう。

  本願の第1態様に対する第3選択肢によれば、触媒の担体を調製する方法
が提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸を
添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させて、酸修飾アルミナの乾燥混合
物を形成する工程と、
    v)酸修飾アルミナの乾燥混合物にチタン化合物の溶液を添加して、ア
ルミナ/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    vi)アルミナ/チタン化合物の懸濁液を乾燥させて、乾燥アルミナ/
タン化合物混合物を形成する工程とを含む。

  本願の第1態様に対する第4選択肢によれば、触媒の担体を調製する方法
が提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸を
添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させて、酸修飾アルミナの乾燥混合物
を形成する工程と、
    v)酸修飾アルミナの乾燥混合物にチタン化合物の溶液を添加して、ア
ルミナ/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    vi)アルミナ/チタン化合物の懸濁液に酸を添加して、酸修飾アルミナ
/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    vii)酸修飾アルミナ/チタン化合物の懸濁液を乾燥させて、酸修飾
アルミナ/チタン化合物の乾燥混合物を形成する工程とを含む。
  本願の第1態様に対する第3選択肢及び第4選択肢は、アルミナ/チタン化
合物の懸濁液又は酸修飾アルミナ/チタン化合物の懸濁液を加熱する工程を
更に含むことができる。加熱は、30℃~70℃の温度範囲、典型的には
約50℃で、好ましくは2~4時間なされる。
【0020】
  本願の第1態様の第4選択肢のvi)の工程で添加される酸の量は、アル
ミナ/チタン化合物の懸濁液のpHを4~5のpHに維持するのを保証する
のに十分な量であることは理解されるであろう。
  本願の第1態様の方法が、チタン化合物の溶液の添加前に酸修飾アルミナ
懸濁液を乾燥させる工程を含む場合、添加される酸は、好ましくは、ギ酸、
乳酸、クエン酸、又はその混合物を含むカルボン酸(少なくとも1つのカル
ボキシル基(C(=O)OH)を含有する有機化合物)である。
  アルミナ懸濁液に添加される酸の割合は、酸修飾アルミナ懸濁液の5~3
0重量%、好ましくは、酸修飾アルミナ懸濁液の5~20重量%である。し
かしながら、添加される酸の量は、アルミナ懸濁液のpHを、6~8のpH
から4~5のpHに低下させるのに十分な量でなければならないことは理解
されるであろう。

  本願の第1態様に対する第3選択肢及び第4選択肢のとおり、チタン化合
物の溶液を添加する前に酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させる(溶液滴下含浸
法(inpicient  wetness:IW)として公知)よりも、例
えば、本発明の第1態様の第1及び第2選択肢のとおり、チタン化合物の溶
液の添加前に酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させない方(平衡沈降濾過
(equilibrium  deposition  filtration:EDF)
として公知)が好ましい。
  本願の第1態様の方法(及び選択肢)は、乾燥アルミナ/チタン化合物混
合物又は酸修飾アルミナ/チタン化合物の乾燥混合物を焼成する最終工程
を含むことができる。焼成は、典型的には100℃~1000℃、好ましく
は400℃~600℃の温度で、それぞれ好ましくは2~5時間にわたっ
て実施され、焼成触媒の担体を生成する。

  遷移アルミナは、γ(ガンマ)-アルミナ、δ(デルタ)-アルミナ、θ(
シータ)-アルミナ、又はその混合物であることが好ましい。最も好ましく
は、遷移アルミナは、γ-アルミナである。
  アルミナ懸濁液は、好ましくは、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混
合物からなる群から選択されるアルミナ、好ましくはγ-アルミナを少なく
とも中に懸濁させることによって調製される。懸濁液におけるアルミナの
割合は、アルミナ懸濁液全体に対して5~60%であり、好ましくは、アル
ミナ懸濁液全体に対して40~50%である。
  好ましくは、アルミナ懸濁液中のアルミナは、遷移アルミナ、ベーマイト
及びその混合物からなる群から選択されるアルミナのみであり、好ましくは、
γ-アルミナのみである。
  チタン化合物の溶液は、チタン前駆物質を、少なくともに溶解させるこ
とによって調製される。シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンアンモ
ニウム、乳酸チタンアンモニウム、又はその混合物を含む溶性チタン前
駆物質を用いることができる。必要に応じて、少なくともの温度を90
℃まで上昇させて、溶解工程を加速することができる。溶液中のチタン前
駆物質の濃度は、可能な限り高く、少なくとも中のチタン前駆物質の溶解
度によってのみ制限すべきである。好ましいチタン液は、TiOとして算
出された1%から4%重量で生成された脱シュウ酸チタンカリウムの
液である。チタン溶液は、アルミナ懸濁液に添加する前に、約30分間磁気
撹拌できる。チタン溶液は、アルミナ懸濁液に添加される前に、任意の不純
物、例えばカリウムを除去するために、イオン交換カラムを通すのが好まし
い。したがって、チタン溶液は、アルミナ懸濁液に添加される前に、一定時
間、磁気撹拌し、(また、それとは別に)イオン交換カラムを通すのが好ま
しい。
  本願の技術分野で公知の任意の乾燥方法は、本発明の方法で利用できる。
乾燥は、典型的には、80℃~120℃の温度で0.5~5時間行われる。
  アルミナ/チタン化合物の懸濁液は、Alとして算出するアルミナ及
びTiOとして算出するチタン化合物の合計に対し、99~95重量%、
最も好ましくは97~99重量%の、Alとして算出するアルミナと、
好ましくは1~5重量%、最も好ましくは1~3重量%の、TiOとして
算出するチタン化合物とを含む。
  アルミナ/チタン化合物(酸/pH修飾アルミナ/チタン化合物を含む)
の乾燥混合物は、アルミナ/チタン化合物(酸/pH修飾アルミナ/チタン
化合物を含む)の乾燥混合物全体に対して、好ましくは99~95重量%、
最も好ましくは99~97重量%の、Alとして算出するアルミナと、
好ましくは1~5重量%、最も好ましくは1~3重量%の、TiOとして
算出するチタン化合物とを含む。
  本願の第2態様によれば、本発明の第1態様によって調製された触媒の担
体が提供される。
  本発明によれば、アルミナ担体(Al)に対して1~5重量%のT
iOで被覆されたアルミナ担体を含み、TiOは、アルミナ担体上に均
一に分散されている焼成触媒の担体が提供される。
  「被覆する/被覆された」とは、担体の材料に渡って形成された表面被覆
を意味し、担体の材料の内壁の表面の被覆を含む(担体のバルクの内部は
含まない)。
  当該触媒は、アルミナ担体(Al)に対して3~5重量%(焼成後に
測定)のTiOで被覆したアルミナ担体を含むことが好ましい。
  本発明の第1態様により調製された触媒の担体におけるTiOの重量%
は、触媒の担体の総重量を単位として表される。
  アルミナ懸濁液を最初に酸で処理する場合、アルミナ懸濁液をチタン化合
物の溶液と接触させる前に、アルミナ触媒の担体上でチタン化合物の均一な
分布の改善が実現されることが見出されたことは、最も驚くべきことである。
  本願の第4態様によれば、促進触媒の担体を調製する方法が提供され、当
該方法は、
    i)本発明の第1態様により触媒の担体を調製する工程と、
    ii)触媒の担体上及び/又は触媒の担体中に助触媒を導入することによ
って、促進触媒の担体を得る工程とを含む。
 助触媒は、例えば、マンガン酸化物、マンガン酸化物、及び/又はマン
ガンオキシ酸化物を含むマンガン化合物であることが好ましい。マンガン
は、チタン化合物の溶液と共に、すなわち、マンガン前駆物質、例えば酢酸
マンガンを、本発明の第1態様のii)工程のチタン化合物の溶液と混合す
ることによって、触媒の担体に添加してもよい。代替的には、焼成触媒の担
体は、マンガン前駆物質、例えば酢酸マンガンで含浸してもよい。
【0040】
  本願の第4態様は、焼成の最終工程を含むことができる。
 本発明により調製した触媒の担体又は促進触媒の担体は、Fischer
-Tropsch触媒、炭化素合成触媒、素化脱硫触媒、素化処理
触媒、及びNO酸化用の光触媒などに用いることができる。
  本発明は、添付の図面と以下の非限定的な実施例とにより、ここで更に詳
細に記載される。
【図面の簡単な説明】

【図1】比較例3の断面SEM画像であり、白い箇所がTiOの富化を表
している。

【図2】実施例3の断面SEMである。

【発明を実施するための形態】
【0044】[実験]
  用いられるチタン(IV)ビス(アンモニウムラクタト)ジヒドロキシド
(TALH)は、Tyzor(登録商標)LAとして同業者に知られてい
る1重量%(TiOとして算出)のTALHの溶液である。
【0045】  以下の実施例においては、触媒の担体においてTiOとし
て算出されるTiの重量%は、触媒の担体の総重量を単位として表される。
【0046】  X線光電子分光法(XPS)を以下の実施例で用いて、アル
ミナ表面上のTiO分布を決定した。XPSとは、1000部の範囲あた
りの部数で元素組成を測定する表面感度の定量分光技術である。XPSは
表面感度のみであるので、受領時のもの(現状の粒子)、及び、乳棒と乳
鉢とを用いて粉砕(粉砕)した後のものの両方でXPSによって分析し、元
素の比を報告した。乳棒と乳鉢を用いてちょうど十分な力を加えて粒子を分
解した粉砕工程では、(現状の粒子を測定したときの試料と)ほぼ同量の試
料を用いた。

  XPSスペクトルは、KRATOS  Axis  Ultra  DLDに記録し
、分析器はスペクトル探査については160eV、個々の部分については
20eVの固定パスエネルギーで動作させた。測定はAlKαの単色光源を
用いて行った。材料の性質上、取得中中に中和が必要であった。すべての
スペクトルは、284.6eVのC1sを用いてエネルギー補正した。全て
の試料は、モリブデン試料ホルダに遊離粉末として封入した。実施例におけ
る全ての担体の試料について、XPSによって決定されるようなピーク面積
比は、現状の粒子と破砕した試料との間の差の算出値と共に、

表1、2、及び3に提供される。この差が大きくなるにつれて、試料の均一
性が低下する。均一な試料は、非常に小さい値か負の値を示す。


[実施例-本発明の第1態様の第1選択肢及び第2選択肢]
  前述したように、本発明の第1態様の第1選択肢及び第2選択肢は、チタ
ン化合物の溶液の添加前に、酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させる工程(平
衡沈降濾過(以下、「EDF」)として公知)を含まない。
[比較例1:酸の添加のないTALHの平衡沈降濾過(以下、「EDF」と
する)]
  38.8gのPuralox  SCCa-150を46.5gのに懸濁し、
45.5重量%のAl懸濁液を得た。164gのTALH溶液
(1重量%のTiO)をアルミナ懸濁液に添加し、50℃で3時間加熱し、
濾過し、乾燥し、550℃で焼成した。得られた修飾担体は、1.1重量%
のTiO(修飾担体の総重量に基づく)が含まれていた。
【0050】
[比較例2-特許文献2(WO  2013/114098  A1)と同一工程
:クエン酸を事前混合した1工程のTALHのEDF]  38.6gの
Puralox  SCCa-150を46gの(45.5重量%の懸濁液
)に懸濁した。160gのTALHとクエン酸との混合溶液を懸濁液に添加
した(1重量%のTiO=11gのTALH、使用したTALHの量に対
する20重量%のクエン酸=2.2g)。混合物を加熱し、50℃で3時間
撹拌し、濾過し、乾燥し、550℃で焼成した。得られた修飾担体は、
1.7重量%のTiO(修飾担体の総重量に基づく)が含まれていた。

【0051】
[実施例1:クエン酸を含むTALHのEDF(AP15-171)]
38.8gのPuralox  SCCa-150を46.5gの中に懸濁
し、において45.5重量%のAl懸濁液を得た。11.2gの
40重量%のクエン酸溶液を懸濁液に添加して、懸濁液のpHを4に調整
し、酸修飾アルミナ懸濁液を生成した。次いで、164gの1重量%の
TiOのTALH溶液を酸修飾アルミナ懸濁液に添加し、クエン酸を
用いた4へのpH制御下で、アルミナ/チタン化合物の懸濁液を50℃で
3時間加熱し、濾過し、乾燥し、550℃で焼成した。得られた触媒の担
体には、2.2重量%のTiO(修飾担体の総重量に基づく)が含まれ
ていた。
【0052】
  実施例は、Ti化合物を添加する前にアルミナ懸濁液に酸を添加すると、
比較例1及び比較例2のように、酸処理なしの場合と比較した場合又はチ
タニア(TiO)と酸を事前混合した場合と比較した場合、アルミナ上の
TiO吸着が、かなり高くなることを示している。
  実施例1で調製したような現状の粒子及び触媒の担体の粉砕(破砕)試料
のTi:Al比は、ほぼ同じであることが見出された。したがって、チタニ
アの表面分布は、担体粒子の内表面及び外表面にわたって均一であると考え
られる。実施例1のようなTALHのEDFでの含浸の前にアルミナ担体を
酸で官能化すると、触媒の担体材料を酸で事前に処理することなく、同時に
チタン化合物とカルボン酸とを触媒の担体と接触させて、不均一なTi分布
が得られた比較例2と比較して、均一なTi分布が得られた(表1の実施
例1のXPSのTi:Alピーク比を参照)。
  担体修飾の結果によって、吸着の改善がpHの機能であること、及びアル
ミナの表面が酸によって官能化されるという事実が実証される。
  結果は、以下の表1に含まれる。
【0056】
表1
000002
【0057】[実施例-発明の第1態様の第3選択肢及び第4選択肢]
  本発明の第1態様の選択肢3及び4の前に記載されたように、チタン化合
物の溶液を添加する前に、酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させる工程(溶液滴
下含浸法(以下、「IW」)として公知)を含む。
【0058】[比較例3:酸の添加のないTALHのIW]
  13.7gのTALHをに溶解し、合成した21mLのTALH溶液
を得た。次いで、強力な混合中において、54.4gのPuralox  
SCCa-2/150懸濁液にTALH溶液を滴下した。大気圧下80℃で
を除去し、550℃で3時間焼成した。得られた担体は4.1重量%の
TiOを含んでいたが、TiOの分布は不均一であった(表2及び図1
参照)。
表2.
000003
【0059】
[比較例4:20重量%のクエン酸(TALHとの関係で表される)を用い
た1工程でのTALHのIW(事前混合)]
  11.3gのTALHをに溶解し、合成した18mLのTALH溶液を
得た。2.3gのクエン酸を固体としてTALH溶液に添加した。強力な混
合下で、38.8gのPuralox  SCCa-2/150懸濁液にこの溶
液を添加した。大気圧下80℃でを除去し、550℃で3時間焼成した。
得られた触媒の担体では、TiOの分布は不均一であった。

【0060】
[本発明の第4態様の例:Mn含浸の例]
[比較例5:酸添加前処理をしないTALHのIW、MnAcのIW]
  比較例3に記載したように触媒の担体を調製したが、焼成後に酢酸マンガ
ン(MnAc)を溶液滴下含浸法により添加した。

  26.9gのTALHを水に溶解し、合成した42mLのTALH水溶液
を得た。91.8gのPuralox  SCCa-150にこれを滴下し、
Krups撹拌機で混合させた。水を大気圧下120℃で除去し、550℃で
3時間焼成した。12.5gの酢酸マンガン四水和物(Mn(CHCOO)
・4HO)を42mLの水に溶解し、焼成粉末に滴下した。触媒の担体を
120℃で乾燥し、再び550℃で3時間焼成して、3.9重量%のTiO
及び4.7重量%のMnOを含む触媒を得た。


[比較例6:1工程での20重量%のクエン酸を用いたTALHのIW、
及びMnAcのIW]
  比較例4に記載したように触媒の担体を調製したが
乾燥後の第2溶液滴下含浸法工程において、酢酸マンガン(MnAc)を
添加した。

  22.8gのTALHを水に溶解し、合成した36mLのTALH水溶液
を得た。4.6gのクエン酸を固体としてTALH溶液に添加した。Krups
撹拌機で混合しながら、78gのPuralox  SCCa-2/150にこ
の溶液を滴下した。水を大気圧下120℃で除去した。10.6gの酢酸マ
ンガン四水和物を36mLの水に溶解し、この乾燥粉末に滴下し、大気圧1
20℃で乾燥し、空気中550℃で3時間焼成した。修飾担体は3.9重量
%のTiOと4.7重量%のMnOで構成された


[比較例7:1工程でのTALHのIW、及び20重量%のクエン酸を用い
たMnAcのIW]
  触媒の担体は、比較例4に記載されているように調製
したが、TALHのクエン酸でのIW中にMnAcを添加した。

【0071】
  22.8gのTALH、10.6gの酢酸マンガン、及び4.6gのクエン
酸を水に溶解し、36mLの水溶液を得た。Krups撹拌機で混合しなが
ら、78gのPuralox  SCCa-2/150にこの溶液を滴下した。
水を120℃の大気圧下で除去し、粉末を空気中550℃で3時間焼成した。
修飾担体は、3.9重量%のTiOと4.7重量%のMnOから成るも
のであった。

[実施例6:5重量%のクエン酸で前処理したTALH、及びMnAcの
IWの2工程]
  触媒の担体は、実施例3に記載のように調製したが、TA
LHのクエン酸での溶液滴下含浸法の間にMnAcを添加した。

  73.9gのPuralox  SCCa-2/150  34mLに、5重量
のクエン酸溶液を添加し、混合させた。混合物を大気圧下80℃で乾燥さ
せた。21.5gのTALH及び10gの酢酸マンガン(II)四水和物
(Mn(CHCOO)・4HO)を水に溶解し、34mLのTALH
/Mn酢酸水溶液を得た。
  第1工程で調製したように、乾燥させ、酸処理
したPuraloxに、TALH/MnAc水溶液を第2工程の含浸で添加
し、80℃で乾燥させて水分を除去し、550℃で3時間焼成して、
4.1重量%のTiO及び4.7重量%のMnOの修飾担体を得た。乾
燥中の大きな酸損失を防止するために、80℃で乾燥を行った。


【0075】[実施例7:TALHのEDF、5重量%のクエン酸、及び酢
酸MnのIWの2工程]

  触媒の担体は、実施例1に記載されているように調製したが、焼成後の溶
液滴下含浸法性によりMnAcを添加した。

  85.8gのPuralox  SCCa-2/150を102mLの水と混
合することによって水懸濁液中のAlを調製し、懸濁液を40重量%
クエン酸溶液によってpHを4に調整した。その後、950gの1重量%の
TiOのTALH水溶液を懸濁液に添加し、クエン酸を用いた4へのpH
制御下で、50℃に3時間加熱した。懸濁液を濾過し、乾燥し、550℃で
焼成した。焼成後、12.4gの酢酸マンガン四水和物を43mLの水に溶
解し、粉末に滴下し、120℃で乾燥させ、550℃で3時間焼成した。


  比較例5及び実施例6についてのXPSピーク比の結果は、溶液滴下含浸
ルートを介して調製されたTi及びMn修飾試料の表3に含まれ、チタニア
は主に担体の内面上に位置し、一方、マンガンは担体の内面及び外面上に均
一に位置することを示す。

  結果は、以下の表3に含まれる。
【0079】【表3】

000004
                       この項了


        心に響く楽曲     『夜永唄  神はサイコロを振らない

                 作詞/作曲:柳田周作
                 ジャンル:J-POP 2019年7月

2015年に結成。バンド名の由来は現代物理学の父、アルベルト・アインシ
ュタイン
の言葉による。アインシュタインは、「そこには必ず物理の法則が
あり、決定されるべき数式がある」との立場から、〝神″をその比喩として
用いた。「型にはまらない、誰にも出せない音を生み出し続ける」という、
自らが定めた絶対的な〝法則″。それをもって自分自身が司る道を自分自身
で切り開いていく、との意を込めて命名された。


今日の言葉:「(マスク氏を)クビにしろ」

 

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

 

                                                                                 

 

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エネルギーと環境 131

2025年02月07日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:2月7日】

          

         凍返る再会阻む降雪か 

                  高山 宇 (赤鬼)

✳️【APB】全樹脂電池支援停止すると経済産業省発表



🪄唯エネルギー密度密度主義でなければ問題ないのでは、全樹脂主義でな
 くハイブリッド樹脂ではいけないのかと考えてもみた。


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【内容財務省は「スキあらば増税したい!」人たちの集まりで、本心から
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自分たちの歳出権(※お金を使う権利)という権益を広げるために暗躍し、
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その片棒を担ぐ人。
そして、真実を何もわかっていないのに、「いかにもわかっている」よう
に語る人。それを見て、さらにほくそ笑む財務省……。元財務官僚の髙
橋洋一氏がその洗脳をスパッと解く。
■著者 高橋洋一
1955年東京都生まれ。都立小石川高校(現・都立小石川中等教育学校)を経
て、東京 大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。
1980年に大蔵省(現・財務省)入省。
大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客 員研究員、内閣府参事官
(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官、内閣参事官 (総理補佐官補)
等を歴任。小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍し、「霞が
関埋蔵金」の公表や「ふる さと納税」「ねんきん定期便」など数々の政策
提案・実現をしてきた。2008年退官。その後、菅政権では内閣官房参与も
つとめ、現在、嘉悦大学経営経済学部教授、株式会社政策工房代表取締役
会長。

目次
●1章  大義名分にゴマかされるな!財務省のエゴとは?
・なぜ財務省はスキあらば増税したいのか
・「消費税=財務再建」に正当な根拠はない
・「借金」も「資産」も世界一! 日本に「財政問題」はないほか
●2章  財務省の口車に乗らないために知っておきたい経済の基礎知識
・ダマされないためには「全体を見渡す視点」が必要
・なぜ国は経済成長を目指すべきなのか――「オークンの法則」
・「実質賃金はとうぶん上がらない」――その理由とは?ほか
●3章  日本をわざと経済成長させない財務省
・二つの呪縛が日本の経済成長を止めている
・「タラレバ日本」の経済成長は悪くない
・「公共投資はムダ遣い」という財務省の洗脳 ほか
●4章  親玉「財務省」子分「日銀」─その本当の関係とは?
・物価は「モノとお金のバランス」で決まる――貨幣数量理論
・日銀が行う経済対策「金融政策」
・政府が自ら行う経済対策「財政政策」
●5章 「金利」からも見えてくる! 財務省の大好きな増税は「意味不明」
 で「愚かな策」

・「金利」と「お金の量」は表裏一体
・知らなくては話にならない「実質金利」
・マイナス金利って、どういうこと?ほか
●6章  何が何でも増税したい!「財務省のウソ」
・今日も経済成長に逆行する財務省
・遅すぎた定額減税。財務省が次に狙うものとは
・コロナウイルス感染症対策で復興増税を阻めた理由 ほか
●7章 「円安で儲かる」は世界の常識。 でも財務省は動かない
・金融緩和=円安にhる向ける政策
・「近隣窮乏化」を知れば怖くない ほか
●8章 「国債がまた増えた!」と騒ぐウラにある財務省の思惑とは
・何の知識もなく語っている人が多すぎる
・「借金をなくせ」で国債がなくなったら、大変なことになる ほか





🪄唯帳簿主義の弊害を避けられず、低成長、所得格差拡大放置し保身・権
威主義に奔るは官僚支配の打破策とし、『双頭の狗鷲』を構想し、はや三十
年。「公約破りの消費税引き上げ」、そして七十年後の「日本人口零」の後
門の狼状態が待ち受ける中、党首殺害された「自公民体制」はいつまで続け
られるのか・・・さてどうする?
 


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レシピのほか、食の大切さや命をいただく大切さについても絵本仕立てで
紹介し、いつも何気なく口にしている食材はどこから来ているのか」とい
った
食の本質について、三宅瑠人のイラストで、わかりやすくたのしく伝
える。




                 心に響く楽曲     『地上の星 中島みゆき』

                 作詞/作曲:中島みゆき
               ジャンル:J-POP 2000年7月



 今日の言葉:トランプ禍時代のリスクインパクトマネージメント⛑️

 

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                                                                                                     

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エネルギーと環境 130

2025年02月06日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

                         B’z「イルミネーション」配信ジャケット
【季語と短歌:2月6日】

        雪催カーブミラーで合点する  
 
                 
                  高山 宇 (赤鬼)

🪄今朝の思いつく「ネオコンバーテック事業」。光熱変換薄膜・光反射透
膜・蓄電発電膜三位一体構造のカーブミラー設置条例運動を。ことはこれ
で終わらない。物忘れが酷くなり、法要忘れなどが増え、加え2019年の網
膜裂孔、慢性眼精疲労(16時間/日☞8時間、ブログ数3件☞1件に集約)と
対応中。


折紙工学入門

平安時代から親しまれてきた折紙.その折紙の特性を生かし工学的に応用
するために「折紙工学」が提唱されている.ソーラーセイルやハニカムコ
アなど,コンパクトに収納でき,強靭で軽量な構造物への応用が期待され,
近年では世界的にも注目を集めている.そんな折紙工学の基本的な考え方
はもちろん,新たな折紙模型創出のためのヒントまで含めてくわしく解説.
折紙と幾何学とものづくりをつなぎ,無限の可能性を秘めた折紙工学の精
髄を第一人者が語り尽くす.

第1章   折紙工学とは
第2章 幾何学の基礎
第3章 螺旋構造と折り畳みの基礎事項
第4章 折り畳みのできる模型と形が可変な立体模型
第5章 2枚貼り折紙
第6章 コアパネルと3次元のハニカムコア
第7章 折紙の工学化の課題と期待/付録



特開2022-156809 白金ナノ粒子の製造方法 大阪瓦斯株式会社

特開2024-119081 光触媒及びその製造方法 日本製鉄株式会社

特開2024-42617 水分解光触媒に用いられる半導体粒子と
それを用いた
光触媒並びにそれらの合成方法 トヨタ自動車
株式会社 

【要約】
【課題】  光による水分解反応に於いて、できるだけ安定的に高い量子効率
を達成する光触媒であって、大量合成と実用化に適した光触媒を提供でき
るようにする。

【解決手段】  チタン酸ストロンチウムを含む半導体粒子に助触媒が付加さ
れて成り、光照射により水分子が酸素分子と水素分子とに分解する水分解
反応を惹起する光触媒に於いて、半導体粒子にバリウム又は更にスカンジ
ウムがドープされる。その光触媒のための半導体の合成方法は、塩化スト
ロンチウム内にてチタン酸バリウム又は更に酸化スカンジウムを混合し
た物又は塩化ストロンチウムと塩化バリウム内にてチタン酸ストロンチウ
ム又は更に酸化スカンジウムを混合した物を焼成することによりバリウム
がドープされたチタン酸ストロンチウムを含む半導体粒子を合成する工程
を含む。

【選択図】  図2(A)は、本発明の方法に従って合成された半導体粒子
を用いた光触媒により得られた量子効率であって、チタン酸ストロンチウ
ムに対するバリウムの含有量が変更された場合の値を示している。図2(
B)は、本発明の方法に従って合成された半導体粒子を用いた光触媒によ
り得られた量子効率であって、バリウムとアルミニウムの存在下で、チタ
ン酸ストロンチウムに対するスカンジウムの含有量を変更した場合の値を
示している

【符号の説明】M…メノウ乳鉢 C…アルミナ製るつぼ H…焼成炉
 V…ガラス容器 W…水溶液   L…照射光

【発明の効果】かくして、上記の本発明によれば、チタン酸ストロンチウ
ムを含む半導体粒子に助触媒が付加されて成り、光照射により水分子が酸
素分子と水素分子とに分解する水分解反応を惹起する光触媒に於ける半導
体粒子として、チタン酸ストロンチウムに対してバリウム又は更にスカン
ジウムをドープしたものを用いることにより、従前よりも、水分解反応の
量子効率の値がより高く、ばらつきが小さい光触媒が再現性よく合成でき
ることとなる。本発明の方法及び半導体粒子によれば、光触媒の量子効率
に関わる特性がより安定なものとなるので、本発明の方法及び半導体粒子
は、水素ガスの製造のための光触媒の大量合成と実用化に、より適した方
法及び半導体粒子であるということができる。


図1 本発明による半導体粒子及びそれを用いた光触媒の合成方法の工程
を説明する模式図

図3(A) 本発明の方法に従って合成された半導体粒子を用いた光触媒
により得られた量子効率であって、半導体粒子の合成に於ける焼成時の温
度を変更した場合の値を示している。図3(B)は、本発明の方法に従っ
て合成された半導体粒子を用いた光触媒により得られた量子効率であって、
半導体粒子の合成に於ける焼成時の時間を変更した場合の値を示している。
棒グラフ内に付されている数字は、その条件に於ける実験回数を示してい
る。

【発明を実施するための最良の形態】
水分解反応光触媒のための半導体粒子と光触媒の合成方法
  本実施形態による水分解反応光触媒のための半導体粒子は、塩化ストロ
ンチウム(SrCl)中にチタン酸バリウム(BaTiO)又は更に
酸化スカンジウム(Sc)、酸化アルミニウム(Al)を混合
した原料混合物(第一の合成方法に於ける原料混合物)、或いは、塩化ス
トロンチウム(SrCl)と塩化バリウム(BaCl)との混合物中
にチタン酸ストロンチウム(SrTiO)又は更に酸化スカンジウム(
Sc)、酸化アルミニウム(Al)を混合した原料混合物(第
二の合成方法に於ける原料混合物)を、SrClとBaClが融解し
て液体化する温度(ただし、BaTiO、SrTiO、Sc
Alは融解しない温度)に加熱して、SrTiOにバリウム原子
(Ba)、又は更にスカンジウム原子(Sc)若しくは更にアルミニウム
原子(Al)がドープされてSrTiOが半導体化された状態のものと
して合成される(フラックス法)。そして、光触媒は、フラックス法にて
得られた半導体粒子に対して、例えば、光電着法(photodepositing:光
析出法とも称される。)により、助触媒となる物質を付加することにより
合成される。

  より詳細には、図1を参照して、本実施形態に於いては、半導体粒子は、
開始材料が異なる二通りの合成方法により調製される。第一の合成方法に
於いては、多量のSrCl粉末にBaTiO粉末と、又は更にSc
粉末、Al粉末とが混合される。各粉末の好ましい割合は、以下の
如くである。
  100モル部のBaTiOに対して、
      SrCl:500~2000モル部
      Sc:0.1~5モル部
      Al:0~5モル部(Alは、含まれていなくてもよい。)
  また、第二の合成方法に於いては、多量のSrCl粉末とBaCl
末との混合物にSrTiO粉末と、又は更にSc粉末、Al
粉末とが混合される。各粉末の好ましい割合は、以下の如くである。
  100モル部のSrTiOに対して、
      SrCl+BaCl:1000モル部
      (SrClとBaClのモル比は、1:9~9:1)
      Sc:0.1~5モル部
      Al:0~5モル部(Alは、含まれていなくてもよい。)
  上記の粉末の混合は、例えば、メノウ乳鉢(M)内にて粉砕(grinding)
することにより為されてよい(30分程度)。
 しかる後、上記の粉末の原料混合物は、焼成用のるつぼ、例えば、アルミ
ナ製のるつぼ(C)に移され、焼成炉(H)にて焼成される(図1(B))。
この工程に於いて、焼成温度は、上記の如く、SrClが融解して液体
化する温度(874℃以上)又はSrClとBaClが融解して液体
化する温度(962℃以上)であって、BaTiO、SrTiO、Sc
、Alは融解しない温度(1625℃以下)であってよく、後述
の如く、本発明の発明者等による実験によれば、焼成温度は、例えば、
1000~1200℃程度であってよく、好適には、1100~1200
℃であってよい。また、原料混合物を上記温度に曝す焼成時間は、SrTi
にBa又は更にSc若しくは更にAlがドープされ、SrTiO
半導体化された状態となるのに十分な時間であり、本発明の発明者等によ
る実験によれば、後述の如く、焼成時間は、10~30時間であってよく
好適には、30時間程度であってよい。

 上記の焼成工程の後、焼成物が常温まで冷却すると、るつぼ(C)に水蒸
留水でよい。)が加えられ、超音波攪拌機などにより超音波をかけて攪拌し
つつ、るつぼ内の焼成物を粒子として水中に分散し、更に、吸引ろ過など
により、焼成物が回収されてよい。かかる粒子状の焼成物が本実施形態に
よる光触媒のための半導体粒子P(Ba-SrTiO、Ba-Sc-Sr
TiO又はAl-Ba-Sc-SrTiO、Al-Ba-SrTiO
)である。そして、回収された半導体粒子Pは、水にて洗浄されてよい。
かかる洗浄は、洗浄水のpHが7となり、洗浄水に塩素が含まれなくなる
まで実行されてよい。かくして、半導体粒子は、洗浄後、乾燥されてよい。
【0026】
  上記の半導体粒子を光触媒として機能させるためには、半導体粒子の結晶
面に於いて助触媒が付加される。かかる助触媒は、光による水分解反応に
於いて、半導体粒子にて光の照射により生じた電荷(電子と正孔)の半導
体粒子
の表面まで移動してきた後に、それらの電荷が再び半導体粒子内部
へ逆行することを防止するものと考えられている。本実施形態に於いて、
助触媒は、任意の手法に半導体粒子に付加されてよく、典型的には、既に
触れた如く、非特許文献1の場合と同様に、光電着法によって、水中に分散
された半導体粒子の結晶面に助触媒を析出させることにより、助触媒が半導
体粒子
に付加されてよい。具体的には、まず、半導体粒子がガラス容器な
どの透明な容器内にて水中に分散される(図1(C))。なお、半導体粒子
が一様に分散されるように、半導体粒子の分散された水(半導体粒子分散
液)に対して超音波が印加されてよい。しかる後、助触媒の原料となる塩
類が添加され、光Lが照射されて、半導体粒子Pの表面に助触媒となる金
属酸化物を析出させる処理が実行される(図1(D))。
【0027】
  より詳細には、半導体粒子Pの表面に付加する助触媒として、非特許文献
1の場合と同様に、酸化ロジウム-クロム(Rh/Cr)と水酸化酸
化コバルト(CoOOH)を用いる場合、以下の如く、工程が実行されて
よい。即ち、まず、塩化ロジウム(RhCl)水溶液が、半導体粒子分散
液へ、半導体粒子の量に対して、ロジウム(Rh)が0.1wt%となるよ
うに加えられ、半導体粒子分散液にキセノンランプ(300W,20mA)の光が
大気圧下で10分間照射される。次に、クロム酸カリウム(KCrO
水溶液が、半導体粒子分散液へ、半導体粒子の量に対して、クロム(Cr)
が0.05wt%となるように加えられ、キセノンランプ(300W,20mA)
の光が大気圧下で5分間照射される。そして、硝酸コバルト(Co(NO
)水溶液が、半導体粒子分散液へ、半導体粒子の量に対して、コバルト
(Co)が0.05wt%となるように加えられ、キセノンランプ
(300W,20mA)の光が大気圧下で5分間照射される。そうすると、図1
(D)に模式的に描かれている如く、半導体粒子Pの表面に、Rh-Cr
酸化物とCo水酸化酸化物とが付着され、かくして、調製された合成物が、
光による水分解反応を惹起する光触媒として機能することとなる。なお、
光電着法による半導体粒子の表面への助触媒の付加工程に於いて、半導体
粒子
分散液に加えられる助触媒のための塩類の濃度は、適宜調節されてよ
い。本発明者による実験によれば、例えば、助触媒のための塩類の濃度を
上記の4倍にすると、量子効率が大幅に低下することが見出されているの
で、かかる塩類濃度は、過剰にならないように調節されることが好ましい。
また、半導体粒子の表面への助触媒の付加は、光電着法の他、含浸法(分
散液に塩類を添加して熱を加える。)によっても為されてもよい。
【0028】
  上記の本実施形態による合成方法により調製された半導体粒子の性能は、
助触媒が付加されて光触媒能が付与された状態で、光による水分解反応に
於ける量子効率[水素分子×2/照射光子数]を測定して評価される。か
かる半導体粒子の性能に関して、後述の実験例から理解される如く、半導
体粒子
の組成(ICP-MSにより検出)に於いて、100重量部のチタ
ン酸ストロンチウムに対して、バリウムの含有量が0.1~2重量部であ
る場合に約70%又はそれ以上となる量子効率が安定的に与えられる(0.1
重量部のスカンジウムの含有時)。また、半導体粒子の組成に於いて、100
重量部のチタン酸ストロンチウムに対して、0.7~0.8重量部のバリ
ウムの存在時には、スカンジウムの含有量が0.1~1重量部であるとき
には、70%を超える量子効率が得られる(スカンジウムがない場合には、
量子効率は、30%程度である。)。なお、アルミニウムの有無は、100
重量部のチタン酸ストロンチウムに対してアルミニウムが1重量部を下回
る条件に於いて、量子効率に有意な差は認められなかった。また、開始材
料が第一の合成方法である場合と、第二の合成方法である場合との間で、
量子効率に有意な差は認められなかった。従って、本実施形態によれば、
チタン酸ストロンチウムに対してバリウム、又は更に、スカンジウムがド
ープされた状態の半導体粒子を合成し、それを用いて光触媒を調製するこ
とにより、安定的に且つより高い量子効率を与える半導体粒子及び光触媒
が提供できることとなる。
【0029】
実験例
  上記の本実施形態の教示に従って、チタン酸ストロンチウムにバリウム又
は更にスカンジウム、アルミニウムをドープした半導体粒子とそれを用い
た光触媒を合成し、光触媒の量子効率を測定し、本実施形態の有効性を検
証した。なお、以下の実験例は、本実施形態の有効性を例示するものであ
って、本発明の範囲を限定するものではないことは理解されるべきである。
【0030】  半導体粒子の合成は、上記の工程に従って行った。具体的に
は、まず、上記の第一の合成方法に於いては、SrCl粉末、BaTiO
粉末、Sc粉末及びAl粉末を種々の割合にて、第二の合成方
法に於いては、SrCl粉末、BaCl粉末、SrTiO粉末、Sc
粉末及びAl粉末を種々の割合にて、メノウ乳鉢にて、30分間
に亙り粉砕混合した。粉末の混合物は、アルミナ製のるつぼに移した後、
焼成炉にて、焼成温度と焼成時間とを種々設定して焼成した。なお、焼成
工程に於いて、室温から焼成温度までの昇温は2時間にて行い、焼成時間
の経過後、6時間をかけて室温まで放冷した。放冷後、焼成物の入ったる
つぼ内へ蒸留水を加え、超音波攪拌機で超音波を印加して攪拌し、るつぼ
内の焼成物(るつぼ内壁に付着したものも分散された。)を粒子状にして
水中に分散し、吸引ろ過により、回収した。その後、回収した粒子状の焼
成物を蒸留水により洗浄した。洗浄に於いては、洗浄後の水のpHをpH
試験紙を用いて確認するとともに、洗浄後の水中の塩素の有無を、洗浄後
の水に0.1M硝酸銀を加えて塩化銀が発生するか否かで確認し、洗浄後
の水のpHが7となり、塩素が検出されなくなるまで、洗浄を行った。そ
して、洗浄後の粒子状の焼成物、即ち、半導体粒子は、70℃にて乾燥し
た。半導体粒子の組成は、ICP-MSにより検出した。
【0031】
  上記の半導体粒子を用いた光触媒の調製に於いては、耐熱ガラス容器(4
00ml)に於いて、100mgの半導体粒子粉末を蒸留水100ml中
に分散した。そして、まず、塩化ロジウム(RhCl)水溶液を、半導
体粒子
分散液に、半導体粒子の量に対して、ロジウム(Rh)が0.1wt
%となるように加え、半導体粒子分散液をキセノンランプ(300W,20mA)
の光にて大気圧下で10分間照射し、次に、クロム酸カリウム(KCr
)水溶液を、半導体粒子分散液に、半導体粒子の量に対して、クロム
(Cr)が0.05wt%となるように加え、上記と同様に半導体粒子
散液をキセノンランプ(300W,20mA)の光にて大気圧下で5分間照射し、
最後に、硝酸コバルト(Co(NO)水溶液を、半導体粒子分散液に、
半導体粒子の量に対して、コバルト(Co)が0.05wt%となるよう
に加え、上記と同様に半導体粒子分散液をキセノンランプ(300W,20mA)
の光にて大気圧下で5分間照射した。なお、キセノンランプによる光の照
射は、ガラス容器に石英盤の蓋をして行った。かくして、処理後の半導体
粒子
分散液を、そのまま、光触媒の分散された溶液(光触媒分散液)とし
て、量子効率の測定に用いた。
【0032】
  光触媒の量子効率の測定に於いては、先ず、光触媒分散液の入ったガラス
容器を真空ポンプで脱気した後、アルゴンガスを充填することにより、ガ
ラス容器内の空気をアルゴンガスに置換した。しかる後、ガラス容器にガ
ラス配管を介してガスクロマトグラフに接続し、キセノンランプ(300W、
20mA)の光を365nmのバンドパスフィルターを介して、ガラス容器
内の光触媒分散液に照射し、水分解反応を惹起させて水素ガスを発生させ
た。水素ガスの発生量の検出に於いては、光照射を2時間実行する間にガ
ラス配管に発生した水素ガスを溜めて、溜められたガスをガスクロマトグ
ラフへ導入して、水素ガス量を検出した(測定は、20分おきに行った)。
クロマトグラフに於ける水素ガス量の検出に於いては、事前に水素ガスの
モル数が既知の標準ガスを用いて、水素モル数と水素ガスに相当する検出
データ部分の面積との間の検量線を作成しておき、その検量線を用いて、
ガラス配管からガスクロマトグラフへ導入された水素ガスの検出データ部
分の面積から発生モル数を決定した。一方、ガラス容器内の光触媒分散液
に照射された光子数については、測定に使用されるガラス容器内の光触媒
分散液に照射される全光のワット数P(単位時間当たりのエネルギー量)
をフォトダイオードセンサーで計測しておき、光触媒分散液に単位時間当
たりに入射される光子数Iを下記の式により算出した。
  I(/s)=P(W)×λ(m)/[h(J・s)×c(m/s)]
  ここで、λは、照射光の波長、hは、プランク定数、cは、光速である。
そして、量子効率は、下記の式により算出した。
  量子効率(%)=n(/s)×NA×2/I×100
  ここで、nは、単位時間当たりに発生した水素ガスのモル数、NAは、
アボガドロ数である。
【0033】
  結果に於いて、まず、バリウムの含有量を種々変更して合成された半導体
粒子
を用いて調製した光触媒にて測定された量子効率は、図2(A)の如
くとなった。なお、同図に於いて、半導体粒子に於けるバリウムの含有量
は、100重量部のチタン酸ストロンチウムに対する重量部にて表わされ
ている。また、組成に於いて、スカンジウムが0.1重量部にて含有させ
た(アルミニウムは含まない。)。焼成時の焼成時間は、30時間とし、
焼成温度は、1150℃とした。同図を参照して理解される如く、バリウ
ムの含有量が0.04~5重量部であったときに、量子効率は、約70%
又はそれ以上となり、バリウムの含有量が0.1~2重量部の場合には、
量子効率は、80~90%に達する高い値が安定的に得られた。このこと
から、半導体粒子に於ける100重量部のチタン酸ストロンチウムに対す
るバリウムの含有量が0.04~5重量部の場合、より好適には、0.1
~2重量部の場合に、高い量子効率を与える光触媒が得られることが示さ
れた。
【0034】
  バリウムとアルミニウムの存在下で、スカンジウムの含有量を変更して合
成された半導体粒子を用いて調製した光触媒にて測定された量子効率は、
図2(B)の如くとなった。ここに於いて、100重量部のチタン酸スト
ロンチウムに対して、バリウムの含有量は、0.7~0.8重量部であり、
アルミニウムの含有量は、0.2重量部であった。焼成時の焼成時間は、
30時間とし、焼成温度は、1150℃とした。同図の結果から、スカン
ジウムが無くても、量子効率は、30%ほど得られるところ、スカンジウ
ムの含有量が0.1~1重量部である場合には、70%又は80%を超え
る高い量子効率の光触媒が得られることが示された。また、図2(A)の
結果と合わせて参照して、半導体粒子に於いて、0.1~2重量部程度の
バリウムの存在時に於いて、0.1重量部のオーダーのアルミニウムの有
無は、光触媒の量子効率に有意な差を与えないことが理解される。

【0035】
  更に、第一の合成方法により合成された半導体粒子100重量部のチタ
ン酸ストロンチウムに対し、バリウムが0.75重量部、スカンジウムが
0.58重量部、アルミニウムが0.18重量部)を用いた光触媒の量子
効率は、82%であり、第二の合成方法により合成された半導体粒子(1
00重量部のチタン酸ストロンチウムに対し、バリウムが0.75重量部、
スカンジウムが0.62重量部、アルミニウムが0.14重量部)を用い
た光触媒の量子効率は、84%であった。このことから、第一の合成方法
により合成された半導体粒子を用いた光触媒と、第二の合成方法により合
成された半導体粒子を用いた光触媒とで、有意な差がないことが理解される。
【0036】

上図3
  次に、粉末混合物の焼成の際の焼成温度と焼成時間を種々変化させて合成
した半導体粒子を用いて調製した光触媒にて測定された量子効率は、図3
(A)、(B)の如くとなった。なお、半導体粒子は、組成が100重量
部のチタン酸ストロンチウムに対し、バリウムが0.3重量部、スカンジ
ウムが0.1重量部となるよう調製した。まず、図3(A)を参照して、
焼成時間を一定にした場合(30時間)、焼成温度が1000~1200
℃の場合に於いて、量子効率が略70%を上回り、焼成温度が1100~
1200℃の場合には、量子効率が略80%を上回り、焼成温度が1150
℃の場合に、量子効率が最大となった。一方、図3(B)を参照して、焼
成温度を一定にした場合(1150℃)、焼成時間が10~30時間の範
囲で、量子効率は80%を超え、かかる時間範囲で有意な差は、認められ
なかった。このことから、焼成時間が10~30時間の範囲で、焼成温度
は、1000~1200℃、より好ましくは、1100~1200℃とす
ると、安定的に高い量子効率を与える半導体粒子を合成できることが示さ
れた。
【0037】
  以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者に
とつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示さ
れた実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱する
ことなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
-----------------------------------------------------------------
特開2024-4698 光触媒膜被覆体及びその製造方法 三菱ケミ
カル株式会社

【要約】紫外線から可視光領域の広範な領域で透明性及び光触媒性を同時
に高いレベルで実現可能な光触媒膜被覆体及びその製造方法の提供。
【解決手段】価電子帯と伝導帯のバンドギャップエネルギーが0.1eV
~5.5eVである金属酸化物を含む光触媒膜を有する光触媒膜被覆体で
あって、前記光触媒膜の波長200nm~800nmにおける光線透過率
が80%以上であり、前記光触媒膜の膜厚が0.5nm~200nmであ
光触媒膜被覆体及びその製造方法。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
  価電子帯と伝導帯のバンドギャップエネルギーが0.1eV~5.5eV
である金属酸化物を含む光触媒膜を有する光触媒膜被覆体であって、前記
光触媒膜の波長200nm~800nmにおける光線透過率が80%以上
であり、前記光触媒膜の膜厚が0.5nm~200nmである、光触媒
膜被覆体。
【請求項2】
前記金属酸化物が、ジルコニウム、チタン、セリウム、インジウム、スズ、
亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、鉄、鉛、銅、タングステン
、ニオブ、クロム、ストロンチウム、インジウム、ルテニウム、カドミウ
ム、ガリウム、アンチモン、テルル、セレン及びハフニウムからなる群よ
り選ばれる1種以上の金属元素を含有する、請求項1に記載の光触媒膜被
覆体。
【請求項3】前記光触媒膜中の前記金属酸化物の最小粒径をXnmとし、
前記光触媒膜の膜厚をYnmとしたときに、下記式(1)及び下記式(2)
を満たす、請求項1又は2に記載の光触媒膜被覆体。
  0.5≦X≦200    ・・・(1)
  1.0≦Y/X≦3.0    ・・・(2)
【請求項4】  前記光触媒膜の波長200nm~800nmにおける光線透
過率が90%以上である、請求項1又は2に記載の光触媒膜被覆体。
【請求項5】  前記光触媒膜の膜厚が0.5nm~100nmである、請求
項1又は2に記載の光触媒膜被覆体。
【請求項6】  JIS  R  1703-1:2020に準拠して測定した前記
光触媒膜の表面の水接触角が20°以下になるまでに要する時間が48時間
以下である、請求項1又は2に記載の光触媒膜被覆体。
【請求項7】  請求項1又は2に記載の光触媒膜被覆体の製造方法であって、
  前記金属酸化物の粒子分散液を基材に塗布し、乾燥及びエージングした後、
溶剤で洗浄し、0℃~1000℃で焼結する、光触媒膜被覆体の製造方法。
【請求項8】前記金属酸化物の粒子のモード径が200nm以下である、
請求項7に記載の光触媒膜被覆体の製造方法。
【請求項9】波長10nm~400nmにピークを有するスペクトルの光
を照射する光源を更に有する、請求項1又は2に記載の光触媒膜被覆体。

特開2024-176954 遷移金属錯体の製造方法、遷移金属錯体の精製方法、
遷移金属錯体及び有機電界発光素子 三菱ケミカル株式会社(審査前)
特開2024-172574 流体用容器および水素発生用水分解装置 三菱ケミカ
株式会社他(審査前)
特開2024-117940 積層フィルム、画像表示装置用表面保護フィルム、フ
レキシブル画像表示装置及び積層フィルムの製造方法 三菱ケミカル株式会社
特開2024-14304 過酸化水素製造用光触媒及びそれを用いた過酸化水素の
製造方法 三菱ケミカル株式会社他(審査前)
特開2023-184494 有機化合物の精製方法、製造方法及び有機電界発光素子
の製造方法(審査前)
特開2023-111655 水処理装置、及び水処理方法 三菱ケミカル株式会社(審査中)

      心に響く楽曲 『イルミネーション B'z』 

              作詞:稲葉浩志/作曲:松本孝弘 
              ジャンル:J-POP 2024年10月


 今日の言葉:

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

              

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エネルギーと環境 129

2025年02月05日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

                   

【季語と短歌:2月5日】

         君子蘭硝子一枚大寒波 
  
               高山 宇 (赤鬼)

 

3日、韓国メディア・スポーツ韓国は「ミスは中国側が犯したにもかかわらず、中国囲碁界の攻勢に屈した韓国棋院が死に石の管理に関する規定を改正した」と伝えた。資料写真。

韓国で開催された囲碁大会で、中国のトップ棋士、柯潔九段が規則違反敗
北したのを受け、中国で柯潔を擁護する声が高まっている。一方、韓国側
を激しく非難する声も上がり、中国側との関係悪化を恐れた韓国棋院が謝
罪文を発表して事態の鎮静化に務めた。
騒動の発端は、23日に開催された
「第29回LG杯朝鮮日報棋王戦」。韓国のピョン・サンイル九段との最終局
で、柯潔は「取った石(死石)の管理規定」に違反して反則負け(棄権)
となった。韓国棋院の規定では、取った石は指定された碁笥(ごけ)の蓋
に保管する必要がある。しかし、柯潔は第2局、第3局で同じミスを繰り

し、累積警告により敗北が決定したことによる。



✳️ 墜落アゼル機に多数貫通痕
2月4日,カザフスタン運輸省の報告書から得られたデータによると、アゼル
バイジャン航空のエンブラエル190-100の飛行機墜落事故の調査中に、フラ
イトレコーダー(CVRとFDR)の記録に基づいて悲劇の重要な瞬間が再構築
されたと、カジンフォルム通信社が公表。報告書は、衝突前の油圧システ
ムの損傷の証拠を含む写真とグラフを示す。この損傷は、外部物体が航空
機の部品を貫通したことにより引き起こされた可能性があると言う。


Azerbaijan Airlines plane
検証結果、システム内の油圧作動油と圧力の損失は、航空機
の制御不能に
つながった。
3番目の油圧システムの圧力は 05:13:34 に 0 PSI に低下し、
液面は 0% に低下した。05:13:47に「HYD 2 LOW PRESS」アラームが作
動し、最初の油圧システムの圧力が0 PSIに低下
したことを示す。




✳️  水素エネルギーの魅力と製造方法 ⓷
次世代エネルギーのいまと未来vol.1 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、「次世代エネルギー部門」が始動:朝日新聞デジタル

【最新燃料電池技術特許⓶】
3.特開特開2025-10364 燃料電池モジュール及び燃料電池装置 京セラ株
会社
【要約】下図1のごとく、燃料電池モジュール10は容器11と燃料電池セ
ルスタック13と複数の配管12とを有する。容器11は改質器16と燃
焼器17とを収容する。燃料電池セルスタック13で複数の燃料電池セル
を積層させる。
燃料電池セルは改質器16が生成した燃料ガスと酸化剤の電気化学反応に
より発電する。複数の配管12は容器11及び燃料電池セルスタック13
の間でそれぞれ異なる種類のガスを送る。複数の配管12の一部を容器1
1の第1の面及び燃料電池セルスタック13の第1の面に接続する。複数
の配管12の別の一部を容器11の第2の面及び燃料電池セルスタック1
3の第2の面Scs2の少なくとも一方に接続する。容器11の第2の面
は第1の面と異なる。燃料電池セルスタック13の第2の面Scs2は第
1の面と異なり、配管同士の干渉を回避させるための設計における自由度
を向上する
000002

図1. 第1の実施形態に係る燃料電池モジュールの斜視図

【符号の説明】  10、100  燃料電池モジュール   11、110、111、
114  容器
  12、120、121、122、123、124  複数の配管
13、130、131、132、133、134  燃料電池セルスタック
14、141  原燃料ガス及び水の供給管 15、151  排出管   16、
161  改質器
  17、171  燃焼器   18  熱電対   19  着火ヒータ
  20、201、204  酸化剤ガス供給管   21、210、211、212、
213、214  燃料ガス配管
  22、220、221、222、223、
224  酸化剤オフガス配管
  23、230、231、232、233、
234  燃料オフガス配管
  24、241  酸化剤オフガス燃焼器  25、
251  燃料オフガス燃焼器
  26、260、261、262、262、
264  酸化剤ガス配管
  27、271、272、273  燃料ガス入口
28、281、282、283  酸化剤ガス入口  29、291、292、
293  燃料オフガス出口
  30、301、302、303  酸化剤オフガ
ス出口
  31’  燃料電池セル  CH  流路  IN  入口  IS  容器内の空間
  OUT  出口  Scs1  燃料電池セルスタックの第1の面  Scs2  燃料
電池セルスタックの第2の面
  SS1  第1の方向側の側面  SS2  第2の
方向の逆側の側面
  Svl1  容器の第1の面   Svl2  容器の第2の面
  US  上面
【発明の効果】
上記のように構成された本開示に係る燃料電池モジュール及び燃料電池装
によれば、配管同士の干渉を回避させるための設計における自由度が向
上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】改質部、及び該改質部を加熱する燃焼器を収容する容器と、
  前記改質部が生成した燃料ガス、及び酸化剤の電気化学反応により発電す
る複数の燃料電池セルを積層させた燃料電池セルスタックと、
 前記容器及び前記燃料電池セルスタックの間で、それぞれ異なる種類のガ
スを送る複数の配管と、を備え、前記複数の配管の一部が、前記容器の第1
の面及び前記燃料電池セルスタックの第1の面に接続され、前記複数の配管
の別の一部が、前記容器の第1の面と異なる第2の面、及び前記燃料電池
セルスタックの第1の面と異なる第2の面の少なくとも一方に接続される
  燃料電池モジュール。
【請求項2】請求項1に記載の燃料電池モジュールにおいて、前記燃料電
池セルスタックの第1の面は、前記燃料電池セルの積層方向に実質的に垂
直であり、前記燃料電池セルスタックの第2の面は、前記燃料電池セルス
タックの第1の面の裏側であり、前記複数の配管の一部の残りが該燃料電
池セルスタックの第2の面に接続される  燃料電池モジュール。
【請求項3】  請求項2に記載の燃料電池モジュールにおいて、前記容器の
外壁及び内壁の間に酸化剤の流路が形成されている燃料電池モジュール。
【請求項4】請求項2又は3に記載の燃料電池モジュールにおいて、前記
改質部が生成した燃料ガスを送出する、前記容器内の内部配管は、前記容
器における該改質部とともに前記燃焼器を挟む壁部以外の壁部を貫通する
  燃料電池モジュール。
【請求項5】請求項2から4のいずれか1項に記載の燃料電池モジュール
において、前記燃料電池セルスタックは、前記複数の配管に接続する燃料
ガス入口、酸化剤ガス入口、燃料オフガス出口、及び酸化剤オフガス出口
を有し、前記燃料オフガス出口は、前記燃料ガス入口よりも前記容器の近
くに位置し、前記酸化剤オフガス出口は、前記酸化剤ガス入口よりも前記
容器の近くに位置する燃料電池モジュール。
【請求項6】請求項5に記載の燃料電池モジュールにおいて、前記燃料ガ
ス入口及び前記酸化剤ガス入口が前記燃料電池セルスタックの第1の面に
設けられ、前記燃料オフガス出口及び前記酸化剤オフガス出口が前記燃料
電池セルスタックの第2の面に設けられる  燃料電池モジュール。
【請求項7】  請求項5に記載の燃料電池モジュールにおいて、  前記燃料
ガス入口及び前記酸化剤オフガス出口が前記燃料電池セルスタックの第1
の面に設けられ、前記酸化剤ガス入口及び前記燃料オフガス出口が前記燃
料電池セルスタックの第2の面に設けられる 燃料電池モジュール。
【請求項8】請求項5に記載の燃料電池モジュールにおいて、  前記燃料ガ
ス入口及び前記燃料オフガス出口が前記燃料電池セルスタックの第1の面
に設けられ、前記酸化剤ガス入口及び前記酸化剤オフガス出口が前記燃料
電池セルスタックの第2の面に設けられる  燃料電池モジュール。
【請求項9】請求項6から8のいずれか1項に記載の燃料電池モジュール
において、前記積層方向は、前記容器及び前記燃料電池セルスタックが並
ぶ第1の配置方向に対して実質的に垂直である燃料電池モジュール。
【請求項10】請求項9に記載の燃料電池モジュールにおいて、前記容器
における前記第1の配置方向に実質的に垂直な長手方向は、前記積層方向
に平行である  燃料電池モジュール。
【請求項11】請求項9に記載の燃料電池モジュールにおいて、  前記容器
における、前記第1の配置方向に実質的に垂直な幅方向は、前記積層方向
に実質的に平行である  燃料電池モジュール。
【請求項12】  請求項6に記載の燃料電池モジュールにおいて、  前記積
層方向は、前記容器及び前記燃料電池セルスタックが並ぶ第1の配置方向
に平行である  燃料電池モジュール。
【請求項13】  請求項1に記載の燃料電池モジュールにおいて、 前記容
器内で前記燃焼器及び前記改質部の順番に、第2の配置方向に沿って並ん
で配置され、 前記燃料電池セルスタックは、前記容器に対して、前記第2
の配置方向に垂直な方向に位置する  燃料電池モジュール。
【請求項14】  請求項13に記載の燃料電池モジュールにおいて、  前記
複数の配管の一つの一端は前記容器を介して前記改質部に接続され、他端
は前記一端よりも前記第2の配置方向側において前記燃料電池セルスタッ
クに接続される  燃料電池モジュール。
【請求項15】  請求項13又は14に記載の燃料電池モジュールにおいて、
  前記容器の第1の面は、前記第2の配置方向側の面であり、  前記容器の
第2の面は、前記容器の第1の面の裏側の面であり、前記燃料電池セルス
タックの第2の面は、前記燃料電池セルスタックの第1の面の裏側の面で
あり、前記複数の配管の別の一部が、前記容器の第2の面及び前記燃料電
池セルスタックの第2の面に接続される  燃料電池モジュール。
【請求項16】  請求項13又は14に記載の燃料電池モジュールにおいて、
  前記容器の第1の面は、前記第2の配置方向側の面であり、  前記容器の
第2の面は、前記第2の配置方向の逆側の面であり、
  前記複数の配管の別の一部が、前記燃料電池セルスタックの第1の面に接
続される  燃料電池モジュール。
【請求項17】  請求項13から16のいずれか1項に記載の燃料電池モジ
ュールにおいて、  前記容器の外壁及び内壁の間に酸化剤の流路が形成され、
  前記第2の配置方向の逆側から前記容器に酸化剤が導入され、  前記酸化
剤の流路に接続する、前記複数の配管の一つは、前記容器よりも前記第2
の配置方向側において前記燃料電池セルスタックに接続される  燃料電池モ
ジュール。
【請求項18】請求項1から17のいずれか1項に記載の燃料電池モジュー
ルを備える 燃料電池装置。

図2.図1におけるII—II線に沿った燃料電池モジュールの断面図

図3.図2におけるⅢ—Ⅲ線に沿った燃料電池モジュールの断面図

図14. 第2の実施形態の燃料電池モジュールの第2の方向に
垂直な平面に
         よる断面を示す断面図


図15 第3の実施形態の燃料電池モジュールの斜視図

図16 図15の燃料電池モジュールを第2の方向の逆方向から見た側面図


4.特開2024-26133  燃料改質触媒、燃料電池システム及び燃料電池セル構
   造体 大阪瓦斯株式会社
【要約】下図5のごとく、セリア系金属酸化物もしくはジルコニア系金属酸
化物を主成分とする担体に少なくともニッケルとバナジウムを担持した燃
料改質触媒を有する内部改質触媒層Dを、燃料電池セルユニットUの内に
設ける。貴金属を用いることなく低コストでありながら、高い改質性能を
得ることができ、例えば、燃料電池セルユニット内に改質部を設ける構造
にあっても、燃料電池としての性能を安定して発揮できる燃料改質触媒を
得る。


図5.燃料電池セルユニット内に於けるガス反応系の説明図
【符号の説明】1    金属支持体(支持体)34  外部改質器(外部改質部;
改質部) A    アノード電極 B    電解質層 C    カソード電極 D    内
部改質触媒層(内部改質部;改質部) L1  還元性ガス供給路(燃料ガス
供給路) L2  酸化性ガス供給路 R    燃料電池セル U    燃料電池セル
ユニット(燃料電池セル構造体) Y    燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】  少なくともニッケルとバナジウムを含有する溶液に、セリア
系金属酸化物もしくはジルコニア系金属酸化物を主成分とする担体を添加
し、前記担体に少なくともニッケルとバナジウムを含浸担持する含浸担持工
程を少なくとも有する燃料改質触媒の製造方法。
【請求項2】  請求項1に記載の燃料改質触媒の製造方法により製造された
燃料改質触媒であって、  セリア系金属酸化物もしくはジルコニア系金属酸
化物を主成分とする担体に、少なくともニッケルとバナジウムを担持し、
CO吸着量が0.17~0.68Nml/gである燃料改質触媒。
【請求項3】  触媒全体に対する前記担体の割合が55重量%以上である請
求項2記載の燃料改質触媒。
【請求項4】  前記ジルコニア系金属酸化物が、イットリウム、スカンジウ
ムのうちの少なくともいずれか一つで安定化したジルコニアである請求項
2又は3記載の燃料改質触媒。
【請求項5】  前記ニッケルの担持量が0.5重量%以上である請求項2~
4のいずれか1項記載の燃料改質触媒。
【請求項6】  前記バナジウムの担持量が前記ニッケルの担持量と同一以下
である請求項2~5のいずれか1項記載の燃料改質触媒。
【請求項7】  請求項2~6のいずれか1項記載の燃料改質触媒を少なく
とも含み、原燃料ガスを前記燃料改質触媒により水素リッチな改質ガスに
改質する改質部を有し、前記改質部から前記改質ガスの供給を受けるとと
もに、酸化性ガスの供給を受けて発電する燃料電池を備えた燃料電池システム。
【請求項8】  電解質層を挟んでアノード電極層とカソード電極層が少なく
とも形成された燃料電池セルと、前記アノード電極層に燃料ガスを供給す
る燃料ガス供給路と、前記カソード電極層に酸化性ガスを供給する酸化性
ガス供給路とを備えて構成され、  請求項2~6のいずれか1項記載の燃料
改質触媒を少なくとも有する改質部を内部改質部として備えた燃料電池セ
ル構造体。
【請求項9】  電解質層を挟んでアノード電極層とカソード電極層が少なく
とも形成された燃料電池セルと、前記アノード電極層に燃料ガスを供給する
燃料ガス供給路と、前記カソード電極層に酸化性ガスを供給する酸化性ガ
ス供給路とを備えて構成され、  前記燃料電池セルが支持体上に形成される
とともに、  請求項2~6のいずれか1項記載の燃料改質触媒を少なくとも
有する改質部を内部改質部として備えた燃料電池セル構造体。
【請求項10】  前記支持体が金属である請求項9に記載の燃料電池セル構造体。
【請求項11】  前記燃料電池セルが固体酸化物形燃料電池である請求項
8~10のいずれか1項記載の燃料電池セル構造体。
【請求項12】  請求項9又は10記載の燃料電池セル構造体の製造方法であって、
  前記担体に前記ニッケルとバナジウムを含浸担持する含浸担持工程を経て
得られる含浸担持物を前記支持体の少なくとも一部に配置して前記改質部
を得る燃料電池セル構造体の製造方法。
---------------------------------------------------------------------------
【背景技術】
  燃料改質触媒として、炭化水素系燃料を水蒸気改質する水蒸気改質触媒が
良く知られている。従来、このような水蒸気改質触媒として、ニッケルや
貴金属を活性金属として担体に担持した触媒が広く使われてきた。例えば
特許文献1(不掲載)には、γ‐アルミナに酸化セリウムを12重量%、酸
化ストンチウムを3重量%それぞれ加えた無機酸化物担体に、γ‐アルミナ
に対して10重量%のニッケルと0.1重量%のパラジウムをそれぞれ担
持させた水蒸気改質触媒が開示されている。
  一方、特許文献2(不掲載)には、水蒸気改質触媒活性成分と、バナジウ
ムとを含む触媒活性粒子を含有する水蒸気改質触媒組成物が提案されている。
  この水蒸気改質触媒組成物は、水蒸気改質触媒活性成分(代表的にはニッ
ケル)にバナジウムを加えることにより、水蒸気改質触媒活性成分が本来
有する触媒性能を低下させることなく、且つ、500℃以上の温度での還
元処理または改質反応時のシンタリングを抑制して、触媒性能の劣化を抑
制することができるとされている。水蒸気改質触媒活性成分をニッケルと
する場合、組成物に占めるニッケルの割合は比較的高い。 

 燃料電池システムにあっては、水蒸気改質触媒は、従来燃料電池本体に対
して外部に別体として配置されていた「外部改質器」で使用されてきた。
しかしながら、特許文献3(不掲載)には、改質部を燃料電池セル(本発明
にいう燃料電池セル構造体に相当)内に備えることが提案されている。ま
たこの特許文献3では、改質部に使用する水蒸気改質触媒として、ニッケ
ル鍍金層PR1を設けることが示されている(〔0048〕)。
 ここで、本発明の理解を容易とするめ、本明細書における「燃料電池セル」
「燃料電池セル構造体」「改質部」に関して説明しておく。
  燃料電池セルは、電解質層を挟んでアノード電極層とカソード電極層が少
なくとも形成されて構成され、前記アノード電極層に燃料ガス(還元性ガ
ス)を、前記カソード電極層に酸素を含有する酸化性ガスを、それぞれ供
給される状態で、電池反応により両極間で発電する基本単位である。
  燃料電池セル構造体は、上記の燃料電池セルを備えるとともに、前記燃
料ガス(還元性ガス)の供給路と、酸化性ガスの供給路とを形成可能に構
成されている構造体である。燃料電池セル自体或いは燃料電池セルを支持
する支持体とを含む概念であり、後述する燃料電池セルユニットは、この
燃料電池セル構造体の一例となる。
  また、改質部は、燃料改質触媒を備え、例えば炭化水素燃料といった原燃
料ガスが供給されて、触媒反応により、少なくとも水素を含有するガスで
ある改質ガスを得る部位である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-184394号公報
【特許文献2】WO2016/047504号公報
【特許文献3】特開2017-208232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
  しかしながら、各特許文献に開示の技術は以下のような課題がある。
  特許文献  1
  当該特許文献に記載の触媒は貴金属系触媒となっているため、非常に高活
性ではあるが、貴金属を用いるためコストが高い
  特許文献  2
  当該特許文献に記載の水蒸気改質組成物は酸化ニッケルを基本材料とする
ため、ニッケルの使用量が大となる。さらに、ニッケルを含む粒子の表面
に、(a):バナジウム酸化物もしくはバナジウム・ニッケル複合酸化物と、
(b):ケイ素酸化物及びジルコニア酸化物の両方、とが存在する必要が
ある。結果、(a)と(b)の最低2度の含浸担持工程が必要となるため
製造過程が複雑となりコスト上昇を招く。
  特許文献  3
 当該特許文献には、燃料電池セル構造体内に改質部を設けることが提案さ
れているが、このニッケルは鍍金とされているため、内部改質部は実質的
にニッケル層であり、ニッケルを多量に必要とする。また、この層と燃料
電池セル構造体を構成する他の部位(本発明で説明する支持体、燃料電池
セル)とのなじみも問題となる。
以上纏めると、貴金属系触媒を使用する場合は、触媒に貴金属を含み高活
性のため使用量を抑えることはできるがコスト高となる。一方、ニッケル
系触媒は貴金属系触媒よりも活性が低いため、比較的活性の高い改質部を
得るためには、貴金属系触媒に比べてニッケル量を増やす必要がある。結
果、コスト的には貴金属触媒を使用するのと同程度のコストを要すること
となる。さらに、触媒を燃料電池セル構造体内に設ける技術に関しても、
なお多量のニッケルを必要としている。 本発明は、こうした課題に鑑みて
為されたものであり、その目的は、
貴金属を用いることなく低コストであ
りながら、高い改質性能を得ることができ、例えば、燃料電池セルユニッ
ト内に改質部を設ける構造にあっても、燃料電池としての性能を安定して
発揮できる燃料改質触媒を得ることにある

【課題を解決するための手段】
  本発明の第1特徴構成は、セリア系金属酸化物もしくはジルコニア系金属
酸化物を主成分とする担体に少なくともニッケルとバナジウムを担持した燃
料改質触媒としてある点にある。
 セリア系金属酸化物もしくはジルコニア系金属酸化物を主成分とする担体
に少なくともニッケルとバナジウムを担持した燃料改質触媒であるから、
ニッケルとバナジウムの担持量が少なくても高い改質性能が得られる。また、
担体が、セリア系金属酸化物もしくはジルコニア系金属酸化物を主成分と
するから、燃料電池セル構造体に用いる場合、燃料電池システム内で使用
する他の構成材料と熱膨張係数が近いため、燃料電池セル構造体の起動停
止時の熱応力耐性が向上し、信頼性・耐久性に優れた燃料改質触媒とする
ことができる。

 本発明の第2特徴構成は、触媒全体に対する前記担体の割合が55重量%
以上である点にある。重量%は質量%と同義である。 触媒全体に対する担
体の割合を少なくとも55重量%とすることにより、活性成分としてのニッ
ケル及びバナジウムを高分散に担持できるようになり、高い燃料改質性能
を得ながら、シンタリングなどの影響を抑制しつつ、その改質性能を長期

を低減できる。一方、担体割合が高いことから、燃料電池セル構造体にお

にわたって維持可能となる。そして、それらの使用量を低減してコスト
るその構造材(後述する、本願にいう支持体)さらにはその構造材上に設
けられる燃料電池セルとのなじみが良く、燃料電池セルユニットに用いる
場合、燃料電池システム内で使用する他の構成材料と熱膨張係数が近いた
め、燃料電池セル構造体の起動停止時の熱応力耐性などが向上し、信頼性
・耐久性に優れた燃料改質触媒とすることができる。なお、前記担体の割
合が60重量%以上であるとより好ましく、65重量%以上であると更に
好ましい。このようにすると上述の効果が更に得やすくなるからである

 本発明の第3特徴構成は、前記セリア系金属酸化物が、ガドリニウム、サ
マリウム、イットリウムのうちの少なくともいずれか一つをドープしたセ
リアである点にある。  このようにすると、燃料電池システム(特に燃料電
池セル構造体)内で使用する他の構成材料と熱膨張係数が近い上に、燃料
電池で使用する他の材料と同様の材料にすることが可能となるため、材料
の入手性が向上する。

  本発明の第4特徴構成は、前記ジルコニア系金属酸化物が、イットリウム、
スカンジウムのうちの少なくともいずれか一つで安定化したジルコニアで
ある点にある。

  このようにすると、燃料電池システム(特に燃料電池セル構造体)内で使
用する他の構成材料と熱膨張係数が近い上に、燃料電池で使用する他の材
料と同様の材料にすることが可能となるため、材料の入手性が向上する。

  本発明の第5特徴構成は、前記ニッケルの担持量が0.5重量%以上で
る点にある
。  担持量が0.5重量%未満の場合、ニッケルが寄与する触媒
活性を得にくいためである。担持量は、好ましくは1重量%以上であり、
良好な触媒活性が得られる。より好ましくは5重量%以上であり、十分な活
性を得ることができる。一方、35重量%未満とすると好ましい。なぜな
らば、これ以上担持させても担体上に高分散にニッケルを担持させること
が困難となり、触媒活性の更なる向上が見込めないからである。また、好
ましくは30重量%以下であり、この程度でも十分な触媒活性を得る事が
できる。より好ましくは25重量%以下であり、ニッケルの使用量を制限
しても、所望の燃料改質性能を得ることができる。

本発明の第6特徴構成は、前記バナジウムの担持量が前記ニッケルの担持
量と同一以下である点にある。 このようにすると、非常に少ないバナジウ
ム担持量でも、ニッケルとの相乗効果で十分な改質性能が得られるからで
ある。

 本発明の第7特徴構成は、燃料電池システムが、これまで説明してきたい
ずれかの特徴構成を有する燃料改質触媒を少なくとも含み、原燃料ガスを
前記燃料改質触媒により水素リッチな改質ガスに改質する改質部を有し、
前記改質部から前記改質ガスの供給を受けるとともに、酸化性ガスの供給
を受けて発電する燃料電池を備えた点にある。 このようにすると、非常に
安価で十分な改質性能が得られる改質部を備えた燃料電池システムを構築
できる。

 本発明の第8特徴構成は、燃料電池セル構造体が、  電解質層を挟んでアノ
ード電極層とカソード電極層が少なくとも形成された燃料電池セルと、前
記アノード電極層に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、前記カソード
電極層に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給路とを備えて構成され、こ
れまで説明してきた燃料改質触媒を少なくとも有する改質部を内部改質部
として備えて構成される点にある。

ここで、燃料ガスは、アノード電極層に供給されて発電可能な還元性ガス
である。後述する実施形態において、外部改質部と内部改質部との両方を
有する場合は、原燃料ガスがまず外部改質部に供給され、原燃料ガスの一
部が改質されて水素を含む改質ガスとなり、一部の原燃料ガスは未反応の
まま改質ガスに含まれた状態となる。そして、一部の未反応の原燃料ガス
を含む改質ガスが内部改質部に供給され、未反応の原燃料ガスが内部改質
部で改質されて水素を含む改質ガスとなり、燃料電池の発電に使われる燃
料ガスとしてアノード電極層に供給されることとなる。

一方、外部改質部が無く内部改質部のみで改質を行う場合は、原燃料ガス
が内部改質部に供給され、内部改質部で原料ガスが改質されて水素を含む
改質ガスとなり、燃料電池の発電に使われる燃料ガスとしてアノード電極
層に供給されることとなる。加えて、内部改質部が無く外部改質部のみで
改質を行う場合は、原燃料ガスが外部改質部に供給され、外部改質部で原
料ガスが改質されて水素を含む改質ガスとなり、燃料電池の発電に使われ
る燃料ガスとしてアノード電極層に供給されることとなる。
  この構成を採用することにより、燃料電池セルと一体に内部改質部を備
えることで、燃料電池セル構造体内で良好に燃料改質を行い、改質ガスを
得て発電を実行できる。このため、コンパクトで高効率な燃料電池セル構
造体とすることができる。

  本発明の第9特徴構成は、燃料電池セル構造体が、電解質層を挟んでアノ
ード電極層とカソード電極層が少なくとも形成された燃料電池セルと、前
記アノード電極層に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、前記カソード
電極層に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給路とを備えて構成され、前
記燃料電池セルが支持体上に形成されるとともに、これまで説明してきた
いずれかの燃料改質触媒を少なくとも有する改質部を内部改質部として備
える点にある。 このようにすると、安価で十分な改質性能が得られる改質
部を内部に備えた燃料電池セル構造体を構成できる。

  本発明の第10特徴構成は、前記支持体が金属である点にある。
  このようにすると、安価でかつ薄くても強度の高い金属を支持体に用いる
ことができるため、安価でコンパクトかつ強度に優れた燃料電池セル構造
体を構成できる。とりわけ、金属支持体の材料として、フェライト系ステ
ンレス鋼を用いると、燃料改質触媒の担体と熱膨張係数が近くなるので、
安価でコンパクト、かつ、起動・停止時のヒートサイクル耐性などに優れ
た信頼性・耐久性の高い燃料電池セル構造体を構成できる。

  本発明の第11特徴構成は、燃料電池セルが固体酸化物形燃料電池である
にある。このようにすると、安価で十分な改質性能が得られ、例えば、
燃料電池セル、或いは、その支持体を構成する構成部材と熱膨張係数が近
い担体を有する燃料改質触媒を燃料電池セル構造体内に配置できるため、
安価で高性能、かつ、起動・停止時のヒートサイクル耐性などに優れた信
頼性・耐久性の高い燃料電池セル構造体、或いはそれを用いた燃料電池シ
ステムを構築できる。

本発明の第12特徴構成は、少なくともニッケルとバナジウムを含有する
溶液に、セリア系金属酸化物もしくはジルコニア系金属酸化物を主成分と
する担体を添加し、担体に少なくともニッケルとバナジウムを含浸担持す
る含浸担持工程を少なくとも有する点にある。
このようにすると、簡便な方法で、少量のニッケルとバナジウムを担体に
担持した性能の高い燃料改質触媒を安価に製造することができる。
この燃料改質触媒の製造方法においても、触媒全体に対する前記担体の割
合を55重量%以上に調整することが好ましく、60重量%であるとより
好ましく、65重量%以上であると更に好ましい。
  このようにして燃料改質触媒を製造することで、先に説明した本発明の第
2特徴構成をとることにより得られた作用・効果を得ることができる。

本発明の第13特徴構成は、先に説明した燃料電池セル構造体を製造する
に際して、これまで説明してきた燃料改質触媒を採用するに、前記担体に
前記ニッケルとバナジウムを含浸担持する含浸担持工程を経て得られる含
浸担持物を前記支持体の少なくとも一部に配置して前記改質部を得る点に
ある。このような製造方法をとることで、燃料電池セルを支持する支持体
に本発明に係る燃料改質触媒を燃料電池セルユニットに配置するのに、含
浸担持物を例えば塗布等の簡易な手法で配置して、燃料電池としての作動
に有用な改質部を燃料電池セル構造体内に形成することができる

  本発明に係る燃料改質触媒は、含浸担持工程を実行するとともに、最終
的には焼成等の加熱処理工程が必要となるが、この加熱処理工程を、燃料
電池セル構造体に備えることとなる燃料電池セルの形成工程に重ねて、或
いは、その前、後に行ってもよい。即ち、加熱処理工程に於ける温度、加
熱時間等の条件が合致すれば、同じタイミングでの処理を行える。

図2 燃料電池モジュールの正面図及び要部断面図

図3. 燃料電池セルユニットの外観視図

図4 燃料電池セルユニットの製造工程を示す図
                           この項つづく

 心に響く楽曲 『あの日のメロディー 昭和の歌謡曲 』     
                    ジャンル:歌謡曲
              

 今日の言葉:

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

 

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