極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

植物工場用バイオセンサ

2013年12月16日 | WE商品開発

 



【環境バイオセンサ事業の展開】

今年を振り返ってみて一番だったことは?と考えたら、試験菜園をまったくしなかなことだ。
しかし、
これには訳があり多くのフィールド上の課題がなくなったことにある。その経緯は
ブログを読み返せ
ばわかることなのだが、我流の「土壌機能の解体学」を粗方やり終えたこ
とにある。ところが、「和食」
が世界文化遺産登録を果たしたことで話題に上がる機会が増
えたためでで、特に発酵工学が取り
上げられている。例えば、アスペルギルス(麹黴)のフ
ラブスとオレゼのDNA配列比較とかが紹介さ
れていたしている。長い時間をかけて日本人
との共生で、酒や味噌、醤油などの伝統食品を改良利用してきた。このようにわたしたちの
環境中には微生物(細菌・糸状菌・放線菌・藻類・原生動物の5つ)が数多く存在している
のだが、加工食品工場での環境の定点測定は専ら培養試験を中心に、極めて経験的な作業と
伝承の中で行われてきたがゆえに生産性が低かった。ところで、土壌中には計り知れないく
らい多くの微生物が生きていて、土壌の小さじ1杯で1億くらい存在すると言われている。
その中には植物にとって有利なものもいれば有害なものもある。また植物の根がある場所(
根圏)は微生物の種類は少ないものの活発活動している(植物は、細菌・糸状菌・放線菌の
三種類が関与)。密度は非根圏の26倍から120倍と言われている
。なお、根圏の厚さは根か
ら1㎜前後と言われていて、根がない場所(非根圏)では微生物の種類は多いものの数は少
なく不活発だとされている。このような微生物環境をバイオセンサで定点測定出来るように
しておけば、環境変化と微生物の活動をその場測定できることで、農産物や加工食品の生産
の品質や生産性向上に大きく貢献することが期待できるだろう(「微生物のはなし」)。も
っとも、有機肥料成分、酵素、補酵素などの定量計測も可能だろう。そう考えたとき「土壌・
環境試料中の全生細菌定量測定装置とそのシステム自動化」ということに関してまとめて考
えてこなかったことに気付いた。

例えば、サンプルを機械的に自動採取し、耐圧チューブ(可撓性細管)などで減圧搬送し、バイオセ
ンサで自動測定するシステムに変えるわけだが、従来、この種の微生物検査方法は、栄養成分が
含まれる寒天培地に検体を0.1ml滴下し、コンラージ棒にて塗抹する塗抹寒天培養法、寒天培地
が固まらない状態で検体1mlを混釈する混釈培養法、液体培地にて検体を0.1mlもしくは1ml添
加する液体培養法などで微生物を培養し、その増殖活性を検出する培養法が用いられている。
養法は、培養に24~48時間かかること、培養条件(温度、時間、培地栄養成分)が一
致しない微生物を培養することができない問題がある。メンブレンフィルターを使用し微生
物を計量する方法の、アデノシン三リン酸(ATP)分解酵素を含む溶液をメンブレンフィ
ルターに施した後、乾燥処理したメンブレンフィルターに検体中の微生物をろ過捕集し、必
要であれば所要時間培養した後、ATPの抽出液試薬と発光試薬のルシフェリン・ルシフェ
ラーゼを
霧状に噴霧することにより、ルシフェリンとルシフェラーゼがATPと反応し、1
分子のルシフェリンを酸化し1フォトン発光し、高感度CCDカメラで撮り込み微生物を計
量する従来の微生物検査法である培養法は、検査の結果が得られるまでに24~48時間またはそ
れ以上の培養時間を必要とし、生鮮食品などの製造あるいは製品出荷の段階で検査結果待ち
を要
しデメリットとなる。

また、検体中に微生物と同じように発光する蛍光異物等が含
まれる検体検査では、微生物と
同じように発光する蛍光異物等と微生物の蛍光との明確な差が得られず、正確な微生物数の
計量ができない。上図の
発明は、検体中の微生物数の計量時間を短縮し、メンブレンフィル
ターに捕集した微生物と異物を判別し、検体中の正確な微生物数を検出する微生物計量装置
の新規考案が提案されていた。
 

ところで上の写真は、産業技術総合研究所が、検出対象のバイオ物質に付着させた蛍光標識
からの発
光信号を表面プラズモン共鳴励起蛍光増強(SPRF)機能によって強めて、対象バ
イオ物質の高感度検出ができるV字型の断面を持つマイクロ流路型センサー(V溝バイオセ
ンサー)チップの開発に成功したことを公表した。今回、マイクロ流路の断面をV字型にす
ることでSPRF機能の発現に必要な光学プリズムと表面プラズモン共鳴(SPR)励起層を流路
と一体的に構成し、センサーの光学系を一直線上に配置して、SPRFの高感度性とマイクロ
流路の簡易操作性とを併せ持つバイオセンサーシステムを実現。体内の極微量の疾患由来物
質(
バイオマーカー)やウイルスなどの定量検出が数µL程度の極微量試料で行え、臨床現場
でのより正確な診断に加え、日常の健康管理にも役立つバイオセンサーシステムとして
貢献
が期待されている



この背景には、さまざまな疾患に起因して体内に発生するバイオマーカーが特定され、糖尿
病のような生活習慣病やガンなどの早期発見が可能となってきている。これらのバイオマー
カーを検出し、まだ病気ではないが病気になりつつある状態、未病状態が検知できことも分
かってきている。人を病気にさせない技術として注目を集めている。また、感染症でも、感
染初期の極微量の菌やウイルスを迅速に高感度で検出できるようになれば、治療の初動を早
めることで早期回復が期待できるとともに、感染拡大の阻止にも繋がる。
これらを実現する
鍵となる技術が、超高感度バイオセンサー技術である。既にいくつものセンサー技術が実用
化して
いるが、簡易検査では十分な感度や定量性が得られない一方、高感度な検出手法では、
操作が煩雑でその場での迅速な判定は難しいことがある。
 

今回の発明はの特徴は、上図のように、従来のSPRF検出系は光学プリズム上にSPR励起層を
持つチップを密着させ、このチップ上に検体を保持する流路を接合した構成。また、励起用
の光を、プリズムに対して所定の角度に調整して入射する必要があった(図1(a))。その
ため使い勝手が悪く、装置が大型化するため、高感度であることが分かっていながら実用的
な使われ方はされていなかった。そこで、図1(b)、(c)に示すように、底面に光が入射
するプリズム面となるようなV字型の溝のマイクロ流路により流路そのものにプリズムの機
能を持たせ、流路の内面にSPR励起層として金(Au)薄膜を持った構造を考案。これにより、
プリズム、検出用チップ、流路、と三つの部材に分かれていた構成を、一体化できた。また、
センサーチップ底面に励起用の光を垂直に入射すればSPRが励起されるようにV溝の頂角を設
定してあるので、煩雑な入射角の調整が不要で、下方から照射される励起光に対して水平に
チップを置くだけでSPRF効果が得られるという。

※参考「特開2013-024607 目的物質検出プレート、目的物質検出装置及び目的物質検出方法」 

つまり、この二つの発明でも分かるように、計測対象と検出感度さえ決まれば、微量のサン
プルで、
多種多様の微生物など対象タンパク質(バイオ及びネグロ)が検出される。一旦、
植物の成長を促し
高付加価値(品質・機能)で安定供給、廉価などの特徴を持った農産物や
加工食品を生産性を高め
ることができる土壌環境を決定・再現できれば、植物工場のまた新
しいステージ
に立つことができる
はずだ。この構想を付けくわえることを、こうして今夜動
機付けることができたという次第。そのうちに
スマホで自分で注文した食品の生産現場を遠
隔見学でき、生産条件などの履歴が閲覧できる時代
がくるだろう。これは面白い。
 

 

日銀短観改善-景気回復の波、中小企業にも拡大-景気回復の波が中小企業にも広がり始め
たと、日本銀行が16日発表した。それによると12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で
は、中小企業の製造業と非製造業で、最近の景気が「良い」と考える企業の割合が「悪い」
とする企業を上回ったという。それで?それでというわけではないが、予断禁物だが経済政
策については、やっと、後追いでチェンジできたということになるが、ここは素直にウエル
カムだ(上図参照)。

 

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