5月1日 暗い朝
朝6時、船が動き出した。
キャビンの小さな窓から見える海は黒い。
二段ベッドの上から、のっそり脱出。
ラウンジにあがって外へ出てみる。
雲が重くたれこめて、ボルネオのメインランドは見えない。
まだそう離れていないマブールすら黒い島になっている。
すっきり晴れることが多いこの時期なのに、なんだか停滞モード。
ラウンジに戻り、バナナとサバティーでダイビング前の軽食。
いつもの超薄切りロールケーキがないので、エリエルに「ロールケーキは?」とたずねたら、「きのうの乗る予定だったけど、乗らなかった」と言われた。ふ~ん。そのエリエルが、日本人はパンを食べないと不思議がる。私がトーストを焼かないのも、マイロを入れないのも、単なる不精。だいたい私は、旅に出たら、その土地のものを食べる主義だから、マレーシアではウェスタンスタイルの食事には用はない。それに、食パンにはバターやジャムを厚塗りしたいので、不要にカロリー摂取するから避けている。でも、エリエルがトーストを焼いてくれてしまったので、出してくれたものはしっかりいただく。
6時半をまわり、どんどん明るくなってくる時間なのに、シパダン上空も暗い。
そしてバラクーダ・ポイントのブリーフィングを聞いて、サバ・パークスへサインしにゆく。
今にも泣き出しそうな空の下、湿った感じのJETTYで、サイン待ちの間、三々五々、同行者同士で写真をとっていたが、そのうち、だれかれかまわず「入って、入って~」と言ったことで、集合写真撮影会に発展。みんな、「僕のも!」「私のも!」と次々にカメラを出し、テンションがあがって、微妙なタイムロスだっただろうな。
サバ・パークスの窓口の横には、シパダンで見られる魚として、バラクーダ、ギンガメ、そしてカンムリブダイの写真と説明が置いてある。シパダンを象徴する群れ3種だけど、紹介はこれだけ?
1st Dive バラクーダ・ポイント
バラクーダ・ポイントにさえ潜っていれば、満足というのはある。
ブリーフィングで、「High tideなので、サカナたちはリーフの内側に入ってしまっている」と言われたが、さすがのバラクーダ・ポイントも、精彩を欠く。
マンティスさん
ダイアナさん
そしてカンムリブダイが緩慢に登場。
2nd Dive ミッドリーフ
朝食後、40分くらいで出発。
営巣中のゴマモンガラに、私を含めて何名かが襲われながらの前進。
今回は、手の甲をアタックされ、かまれたわけではないが、内出血。
それでもゴマはまだキヘリよりはましだと思う。
キヘリは、どこまでも追いかけてくるが、ゴマモンガラは、直進してくるだけだから。
ただ、キヘリに耳を食いちぎられた日本人の話を聞いてから、必要以上に、びびるようになった。
さて、ミッドリーフは、エントリーポイントでも、ダイビング後半でも、とにかくタナの上の枝サンゴがゴージャスである。
デバスズメダイやパープルビューティーといったきれいどころが舞い、癒される。
そこをときどき、大きなロウニンアジが数匹、まさにどや顔でパトロール。
このロウニンアジも、サンゴが壊滅状態だった頃は、リーフ上から姿を消したが、サンゴびっしりの今、浅瀬で頻繁に会う。
しかも、年々、巨大化してきている。
潮がだいぶ下げてきて、カメがそこここに登場しはじめた。
2本目と3本目の間に、青空が出てきた。
やっとGWらしい天気になるのかな?
3rd Diveタートルパッチ
トムとジェリー、べつべつのポイントへ。
ジェリーのチョイスはタートルパッチ。
バラクーダねらいらしい。
2nd ダイブで、トムチームはバラクーダを見たそうだが、われわれジェリーチームは見ていない。
それでジェリー、オイラもバラクーダを見せなきゃ、ムキーっとなったのかな?
なにも初日から、そんなに気合いれなくても…。
下げで流れる時間にバラクーダポイントに入れば、きっとバラクーダには会えるだろうに。
でも、シパダンデビューの人が多いし、限られた本数の中で、最大限ゲストを楽しませようというガイド魂!?
ジェリーの読みでは、バラクーダは、潮の具合でタートルパッチにいるだろうとのこと。
ジェリーはボートマンにあれこれ指図して、エントリーポイントにもこだわりをみせた。
ボートが止まると、やたらとエントリーをせかされ、ドボンと飛び込んだら、斜め下にバラクーダがどっちゃり。
群れがいると、水面でバラクーダのフィンがばちゃばちゃやってたりすることがあるが、今日は完全水面下。
このあたりは、さすが。
そして、このバラクーダたち、群れの形を変えながらも、最大深度も10.6mで、ずっとわれわれから離れない。
トルネードになったり
壁のようになったり
つねにロウニンアジがうろうろ
トンネルになったり
そしてとにかく近い。
バラクーダ以外にも、いろいろ通る。
ハタタテダイの群れ…
ナポレオン…
エントリーからエキジットまで、バラクーダ45分一本勝負。
それも、うち38分くらいは、他のボートからのダイバーのいない、われわれの貸し切りだった。
昼食をはさんで、4本目の前にはいいお天気に。
海も、もう少しで鏡のようにペタペタになりそう。
いよいよ5月のシパダンらしい、いい感じになってきた。
4th Dive ハンギング・ガーデン
本日のシパダンラストはハンギング・ガーデン。
内心、な~んだ、ハンギング・ガーデンかぁ、と思いながら潜る。
ここの壁一面に、オオトゲトサカがぶらぶらハンギングしていた頃、昼下がりにここで潜るのが大好きだった。
まったりしたいときには、ここをリクエストしたくらい。
サンゴの白化現象を機に、ぶらぶらとさかが消滅してからは、そして、シパダンにいつでも潜れるわけではない今となっては、積極的に行きたいとは思わなくなっている。
もちろん、ここだって悪くないのに。
エントリーしたら、アカククリの群れ。
巨大なブチウミウシとか。
アケボノとか。
うーん、ヒトででもとっとくか?
それでも、ここでの午後のダイビングで、ハンマーヘッドが出たことがあるという島伝説があり、外洋もチラ見しつつ、ウェストリッジ方面にすすむ。
なんとなくふらふら漂っていると、不明のサメが、深いほうでスーッと私を抜き去って行った。
ホワイトチップのようにくねくねしていない。
濁っていて、よく見えないが、頭がやや丸くカーブして見えた。
トラフ?
いや、トラフにしては黄色くない。
深くて濁っているから、黄色もかすんだか?
トラフなら、まあいいや。
また壁ウォッチングに戻る。
しばらくたつと、進行方向から、また先ほどと同じ泳ぎ方のサメが来た。
もう、前のダイビングより深くなってはいけません、どころではない。
25mまで潜ると、両端につきでたぐりんぐりんの黒目と目が合った。(たぶんむこうにはほとんどみえてないんだろうが)
まさにWhat the hell are you doing here?
なんでこの時間、この深度、このポイントで?
2年ぶりのハンマー。
最近、目撃例が極端に少ないので心配していたが、シパダンには、まだちゃんとハンマーがいるんだ。
コンデジで写真をとるにはムリのある浮遊物と距離で断念。
深度も27mを越えていて、DECOも間もなくなので、ハンマーとともに沈むのはやめにした。
ハンマーは、1匹だけだが、偵察に来たかのような動きだった。近くにまだ仲間がいるんじゃないかと思えて、15mあたりで何かマクロを紹介してたジェリーに知らせにゆき、ハンマーサーチをお願いするが、みつからなかった。
明日からに期待。
母船はマブールに戻り、きょうはサンセット・ダイビング。
マブール パラダイス1
水中ライトを持っていないので、気乗り薄だ。
でも、行っとく。
ミノウミウシのたぐいを1枚とっただけ。
ニシキテグリがメイティングをはじめる前に、ちびクマドリカエルアンコウにあう前に、コンデジのバッテリーが切れた。
あとはひとさまのビデオライトで、ニシキテグリのメイティングを見ていた。
カンムリブダイも、バラクーダの大群も、ハンマーも初日で出ちゃって、明日からが楽しみ。
朝6時、船が動き出した。
キャビンの小さな窓から見える海は黒い。
二段ベッドの上から、のっそり脱出。
ラウンジにあがって外へ出てみる。
雲が重くたれこめて、ボルネオのメインランドは見えない。
まだそう離れていないマブールすら黒い島になっている。
すっきり晴れることが多いこの時期なのに、なんだか停滞モード。
ラウンジに戻り、バナナとサバティーでダイビング前の軽食。
いつもの超薄切りロールケーキがないので、エリエルに「ロールケーキは?」とたずねたら、「きのうの乗る予定だったけど、乗らなかった」と言われた。ふ~ん。そのエリエルが、日本人はパンを食べないと不思議がる。私がトーストを焼かないのも、マイロを入れないのも、単なる不精。だいたい私は、旅に出たら、その土地のものを食べる主義だから、マレーシアではウェスタンスタイルの食事には用はない。それに、食パンにはバターやジャムを厚塗りしたいので、不要にカロリー摂取するから避けている。でも、エリエルがトーストを焼いてくれてしまったので、出してくれたものはしっかりいただく。
6時半をまわり、どんどん明るくなってくる時間なのに、シパダン上空も暗い。
そしてバラクーダ・ポイントのブリーフィングを聞いて、サバ・パークスへサインしにゆく。
今にも泣き出しそうな空の下、湿った感じのJETTYで、サイン待ちの間、三々五々、同行者同士で写真をとっていたが、そのうち、だれかれかまわず「入って、入って~」と言ったことで、集合写真撮影会に発展。みんな、「僕のも!」「私のも!」と次々にカメラを出し、テンションがあがって、微妙なタイムロスだっただろうな。
サバ・パークスの窓口の横には、シパダンで見られる魚として、バラクーダ、ギンガメ、そしてカンムリブダイの写真と説明が置いてある。シパダンを象徴する群れ3種だけど、紹介はこれだけ?
1st Dive バラクーダ・ポイント
バラクーダ・ポイントにさえ潜っていれば、満足というのはある。
ブリーフィングで、「High tideなので、サカナたちはリーフの内側に入ってしまっている」と言われたが、さすがのバラクーダ・ポイントも、精彩を欠く。
マンティスさん
ダイアナさん
そしてカンムリブダイが緩慢に登場。
2nd Dive ミッドリーフ
朝食後、40分くらいで出発。
営巣中のゴマモンガラに、私を含めて何名かが襲われながらの前進。
今回は、手の甲をアタックされ、かまれたわけではないが、内出血。
それでもゴマはまだキヘリよりはましだと思う。
キヘリは、どこまでも追いかけてくるが、ゴマモンガラは、直進してくるだけだから。
ただ、キヘリに耳を食いちぎられた日本人の話を聞いてから、必要以上に、びびるようになった。
さて、ミッドリーフは、エントリーポイントでも、ダイビング後半でも、とにかくタナの上の枝サンゴがゴージャスである。
デバスズメダイやパープルビューティーといったきれいどころが舞い、癒される。
そこをときどき、大きなロウニンアジが数匹、まさにどや顔でパトロール。
このロウニンアジも、サンゴが壊滅状態だった頃は、リーフ上から姿を消したが、サンゴびっしりの今、浅瀬で頻繁に会う。
しかも、年々、巨大化してきている。
潮がだいぶ下げてきて、カメがそこここに登場しはじめた。
2本目と3本目の間に、青空が出てきた。
やっとGWらしい天気になるのかな?
3rd Diveタートルパッチ
トムとジェリー、べつべつのポイントへ。
ジェリーのチョイスはタートルパッチ。
バラクーダねらいらしい。
2nd ダイブで、トムチームはバラクーダを見たそうだが、われわれジェリーチームは見ていない。
それでジェリー、オイラもバラクーダを見せなきゃ、ムキーっとなったのかな?
なにも初日から、そんなに気合いれなくても…。
下げで流れる時間にバラクーダポイントに入れば、きっとバラクーダには会えるだろうに。
でも、シパダンデビューの人が多いし、限られた本数の中で、最大限ゲストを楽しませようというガイド魂!?
ジェリーの読みでは、バラクーダは、潮の具合でタートルパッチにいるだろうとのこと。
ジェリーはボートマンにあれこれ指図して、エントリーポイントにもこだわりをみせた。
ボートが止まると、やたらとエントリーをせかされ、ドボンと飛び込んだら、斜め下にバラクーダがどっちゃり。
群れがいると、水面でバラクーダのフィンがばちゃばちゃやってたりすることがあるが、今日は完全水面下。
このあたりは、さすが。
そして、このバラクーダたち、群れの形を変えながらも、最大深度も10.6mで、ずっとわれわれから離れない。
トルネードになったり
壁のようになったり
つねにロウニンアジがうろうろ
トンネルになったり
そしてとにかく近い。
バラクーダ以外にも、いろいろ通る。
ハタタテダイの群れ…
ナポレオン…
エントリーからエキジットまで、バラクーダ45分一本勝負。
それも、うち38分くらいは、他のボートからのダイバーのいない、われわれの貸し切りだった。
昼食をはさんで、4本目の前にはいいお天気に。
海も、もう少しで鏡のようにペタペタになりそう。
いよいよ5月のシパダンらしい、いい感じになってきた。
4th Dive ハンギング・ガーデン
本日のシパダンラストはハンギング・ガーデン。
内心、な~んだ、ハンギング・ガーデンかぁ、と思いながら潜る。
ここの壁一面に、オオトゲトサカがぶらぶらハンギングしていた頃、昼下がりにここで潜るのが大好きだった。
まったりしたいときには、ここをリクエストしたくらい。
サンゴの白化現象を機に、ぶらぶらとさかが消滅してからは、そして、シパダンにいつでも潜れるわけではない今となっては、積極的に行きたいとは思わなくなっている。
もちろん、ここだって悪くないのに。
エントリーしたら、アカククリの群れ。
巨大なブチウミウシとか。
アケボノとか。
うーん、ヒトででもとっとくか?
それでも、ここでの午後のダイビングで、ハンマーヘッドが出たことがあるという島伝説があり、外洋もチラ見しつつ、ウェストリッジ方面にすすむ。
なんとなくふらふら漂っていると、不明のサメが、深いほうでスーッと私を抜き去って行った。
ホワイトチップのようにくねくねしていない。
濁っていて、よく見えないが、頭がやや丸くカーブして見えた。
トラフ?
いや、トラフにしては黄色くない。
深くて濁っているから、黄色もかすんだか?
トラフなら、まあいいや。
また壁ウォッチングに戻る。
しばらくたつと、進行方向から、また先ほどと同じ泳ぎ方のサメが来た。
もう、前のダイビングより深くなってはいけません、どころではない。
25mまで潜ると、両端につきでたぐりんぐりんの黒目と目が合った。(たぶんむこうにはほとんどみえてないんだろうが)
まさにWhat the hell are you doing here?
なんでこの時間、この深度、このポイントで?
2年ぶりのハンマー。
最近、目撃例が極端に少ないので心配していたが、シパダンには、まだちゃんとハンマーがいるんだ。
コンデジで写真をとるにはムリのある浮遊物と距離で断念。
深度も27mを越えていて、DECOも間もなくなので、ハンマーとともに沈むのはやめにした。
ハンマーは、1匹だけだが、偵察に来たかのような動きだった。近くにまだ仲間がいるんじゃないかと思えて、15mあたりで何かマクロを紹介してたジェリーに知らせにゆき、ハンマーサーチをお願いするが、みつからなかった。
明日からに期待。
母船はマブールに戻り、きょうはサンセット・ダイビング。
マブール パラダイス1
水中ライトを持っていないので、気乗り薄だ。
でも、行っとく。
ミノウミウシのたぐいを1枚とっただけ。
ニシキテグリがメイティングをはじめる前に、ちびクマドリカエルアンコウにあう前に、コンデジのバッテリーが切れた。
あとはひとさまのビデオライトで、ニシキテグリのメイティングを見ていた。
カンムリブダイも、バラクーダの大群も、ハンマーも初日で出ちゃって、明日からが楽しみ。