くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

09年1月のシパダン~バラクーダ祭り開催中

2009-01-31 23:39:11 |  ダイビング


1月29日セレベス・エクスプローラー乗船
木曜にセレベス・エクスプローラーに乗り、金曜土曜とシパダンで2日間だけダイビング、土曜夕方にセンポルナに着いたら、即下船。「なんでそんなに短いの?」と、ゲストやスタッフに不思議がられたが、すでに日本を離れて10日以上たっているし、いいかげん働かねば。

エア・エイシアでタワウに着いたときから、香港のショップツアーご一行4名様といっしょだったので、私は香港グループに入ることとなった。香港人は全員フォト派で、「日本製品をお買い上げいただき、ありがとうございます。」な、日本製品ユーザーたちだ。同室になった女の子は、ネクサスにF70、レンズはフィッシュアイにマクロ、INONのストロボ2灯、ターゲットライトと、投資っぷりがすごい。他の人たちは、コンパクトデジカメであっても、防水プロテクタには、ちゃんと外付けストロボをつけている。単純に「ミュー770SW」をプロテクタに入れて、ぷらーんと持っている私とは、気合いがちがうのだ。そしてこの装備の差が、水中での動きに如実に現れる。彼らは、マクロでもワイドでも、一箇所にいつまでもスタックするし、私はお手軽装備で、どんどんカレントに乗っていく。こうしてダイビングの後半はひとり遠くにいってしまうのであった。


1月30日金曜日のダイビング
シパダンでの1本目はタートルパッチで潜った。タートルパッチなのに満潮だったのか、カメを2匹しか見なかった。魚影はいつものシパダン、でもこれといったものもなく漫然と漂っていた。そのまま漂っていくと、水深12mくらいで、やけにホワイトチップたちが活発になっていた。ふだんは水底で休んでいて、近づくと逃げる彼らだが、1匹、真正面から泳いできて、マスクの直前までせまってきた。グレーリーフも若者ではあったが、こんな深度浅めのところにやってきている。サメって、よくひとりになるとヌッと出てくる。とりあえずサメさんたちを刺激しないようにその場を離れようと、さらに流れに乗っていくと、ミッドリーフに到達していた。30分たっていたし、そろそろ水深5mで遊ぼうとおもって浮上しはじめると、10mほど先に黒い細長い物体のかたまり。バラクーダだ。こんな場所で見るなんて珍しいなぁ、と思っているうちに、すっかり囲まれた。みんなはどこに?とタートルパッチ側を振り向くと、遠くにバブルがあがっているのが見えた。早く来ればいいのにと思っているうちに、またバブルは見えなくなってしまった。知らせにいこうかな、と泳ぎ始めるが、流れが強くて、バラクーダも私も前にすすまない。私が流れに乗ると、バラクーダも乗ってくる。リーフのロックにつかまると、まわりをぐるぐるされる。幾千、いや幾万かもしれない目玉と縞模様が、メリーゴーランドのようにまわっていく。こうしてロックにつかまっていれば、カレントは一方向だから、そのうちみんな来るでしょ、と思って待っていたが、誰も来やしない。55分たって、あまりお待たせしてもいけないので、ゆっくり浮上することにした。浮上するとバラクーダも水面まで上がってきた。香港人たちが浮上していたのは、そんなに遠くはない場所だったのに・・・。

2本目はバラクーダポイントで潜った。ここでも香港の皆さん、いつまでも深めの深度にとどまっているが、私はDECOを出したくなかったので、リーフ上にあがり、そのままカレントにのっていった。コーラルガーデンで流れが緩くなって、ハダカハオコゼでも探していれば、そこで皆とは合流することになるだろうと思っていたら、コーラルガーデンの沖でバラクーダが現れた。1本目のミッドリーフからバラクーダポイントに向かって移動してきてるんだろうな。またこっちがひとりだと思って、バラクーダは余裕でぐるぐる。そしてまた誰も来ないので、30分くらいバラクーダを見ていた。さすがに1時間たつし、エキジットしたら、誰もいない。香港チームは、やはりDECO15分とか出していたもよう。そしてコーラルガーデンよりはるか手前で浮上してきた。ダメじゃん。

2ダイブ続けてバラクーダをミスした香港人たち。3本目はどうしてもバラクーダが見たいと、バラクーダポイントへ。そして、3度目の正直、バラクーダポイントのインナーリーフに入ったところで、バラクーダの群れ登場。バラクーダもこちらが複数いると、ときどき大群が真っ二つに分かれたりする。ひとりだと、なめられてるのか。でもやっぱりバラクーダポイントのリーフの切れ目のところに出ると、トルネードにもなりやすいし、よりいろいろな群れの形が楽しめる。

4本目は、ドロップオフ。香港チームが、タートル・カバーンの中がちょっと見たいとリクエストしたらしく、最初の大きなロックの裏側までゆく。そこはまだ外の光が届くところだ。でも私はライトを持っていなかったので、エントランスに背を向けたら完全鳥目。皆さんのライトで最初のスケルトンを見て、人のふんどしで相撲をとった気分。ミッドリーフ、コーラルガーデン、バラクーダポイントと移動してきたバラクーダであるが、さすがに4本目では見なかった。

この日はなんども、そして長時間バラクーダを見ていたので、夜、寝ようとしても、目を閉じるとバラクーダの群れがまわっていた。伊豆でダイビングをはじめ、伊豆ダイバーだった私が、はじめて久米島に行ったときは、ウメイロモドキの群れが、モルディブに行ったときはアカモンガラの群れが、といったように、魚影の濃いところにゆくと、まぶたの裏にサカナの残像が焼きついていたものだが魚影の濃いシパダンに慣れっこになった今となっては、こんなことは久しぶりだ。


1月31日のダイビング
1本目はバラクーダポイント。朝だから40m、壁からも離れてひたすら深いほうに目をこらすが、ハンマーは来なかった。シパダンのコーラルは回復したが、ハンマーはみつけにくくなってしまった。バラクーダもなし。個人的にはチョコレート色のハダカハオコゼが見られたので満足。なんてかわいいんだろう。




2本目。サウスポイントからスタッグホーンクレストに流す。最近、このへんでグレーリーフシャークやハンマーヘッドに出くわしてない。どちらかというと浅瀬のコーラルに癒される。やはり南の海はこうでなくちゃ。




3本目。再びバラクーダポイントへ。
砂地でガーデンイールを見ていたら、久々にニシキアナゴが見たくなった。ガーデンイールといえばチンアナゴが多く、ニシキアナゴ率は低いのだ。そのまま水底を這っていくと、ニシキアナゴが見え隠れ。と思ったら、先のリーフの切れ目にまたまたバラクーダがやってきた。このときは別のボートもいたので、ダイバーがひとりのときとは、彼らの動きもずいぶん違うなと思った。降ったり、湧いたり、ときどきものすごく大きな音をたてて真っ二つに別れたり。彼らの動きはアートのようだ。よく見ると、傷だらけのもの、皮膚病っぽもの、とりわけでかいのとか、いろんなバラクーダがいる。

リーフ上のバラクーダ。



どんどんやってくるバラクーダ。



昇るバラクーダ。



そしてトルネードになってぐるぐる。




来てよかった、シパダン
こうしてバラクーダに明け暮れたシパダン。この2日間、天気もくずれず、海もずっとなぎ。2日でシパダンに7本潜った。シパダン入島制限が大変に厳しい現在となっては、リゾート滞在で3日に1度しかシパダンへ行けなかったというのを聞くに、ある意味効率のよいスケジュールと、個人的には満足だ。水温が低い時期なので、ハンマーヘッドを期待していったがご縁がなかった。ヤングナポレオンの季節らしく、そこらじゅうにナポレオンの若者がいた。シパダンらしいものとして、カンムリブダイの群れは見なかった。バラクーダポイントの入り口のギンガメ大群は引き続き常駐。何十回シパダンに来ようが、千本潜っても、バラクーダやギンガメアジの群れにまみれるのは楽しいもんだ。

マクドナルドの鶏粥

2009-01-29 06:29:34 |  旅行


チェックインして、また所在ない感じになった。
エクセスが悔しいので、レギュレータを手持ちにした。
2キロだけエクセスは減った。

タワウまでの2時間45分は、眠りたい。
そのためには、朝食をとらねば。
5時半になっても、開いているのはマックだけ。
仕方ない、朝マックかぁ、とマックにゆくと、なんと、こちらの朝マックにはおかゆがあるではないか。
アヤム・ブブール。鶏粥だ。
SとLがあるが、4リンギットのSにした。

町で食べるお粥を想像してはいけない。
やはりファーストフードの限界はある。
でも、悪くはない。
さらさら、っと体にはいっていく。
日本でも、これはとりいれてほしいなぁ。
だけど、Sはどこにも足りない。
Lにすればよかった。

KLIA LCCTの夜

2009-01-29 04:18:50 |  旅行
KLのLCCT(Low Cost Carrier Terminal)ははじめてだ。
ターミナルに「格安航空会社ターミナル」って名づけてしまうのがすばらしい。
噂に聞いていたとおり、飛行機降りてから、イミグレーションまでは長距離歩かされた。

マレーシアでの目的地はシパダン。
バンダアチェからの到着が19時10分。翌朝のタワウゆきの便が7時20分。
今夜はLCCTで夜明かしだ。
マレーシアに着いても、東マレーシアではないので気持ちが落ち着かない。

きのうルンバルンバのボートで、「明日のLCCTのトランジットどうしよう」と話したら、KLで先生をしているという、かなりハイパーなスコティッシュに、「来るとき機内誌でみたけど、LCCTにものすごく安いトランジットホテルができたんだ。そこで休むといいよ。帰りにエア・エイシアに乗ったらチェックしなよ。」とアドバイスされた。それにバディになったオージーの女性も「そうそう!私も見たわぁ。寝るだけにはパーフェクトよね。」と、外国の通販のしゃべりのノリで、二人で盛り上がっていた。空港野宿を覚悟していたが、そんなに安いなら、それに行ってみるか。

エア・エイシアの手垢でべたべたになった機内誌に、たしかにそれはあった。1Borneoで見たことのある、チューンホテルズだった。☆の値段で☆☆☆☆☆の設備、というのがウリで、1泊9.99リンギットからといううれしい格安っぷり。KLのLCCTのところも、Book Nowとなっていた。

KLに着いてハイパーなスコティッシュに再会したとき、「ホテルはわかったかい?」とさっそく聞かれ「わかった」と答えたら、「完璧でしょ。」と手柄のようににんまりされた。あとは部屋があるかどうかだ。

入国手続・通関ともにスムーズだが、いざ外に出ると空港の勝手がよくわからないので、インフォメーションにゆき、「トランジットホテルはどこですか?」とたずねると、「どのトランジットホテル?」と逆に聞かれてしまった。「Tune Hotels」と答えると、「Tune Hotelsは、LCCTにはまだオープンしてませんよ。」と言われた。機内誌の宣伝は、先の日付をBook Nowであって、Now Openではなかったのだ。「トランジットならトランスファー込で180リンギットのホテルがありますが。」と言われた。翌朝のチェックインも2時間前からだし、せいぜいホテルで休んでも4-5時間くらいになってしまうから、国内線ターミナルに移動して、そこで夜明かしすることにした。

まだ20時すぎなのに、LCCTだけあって空港外(雨露はしのげる)のベンチには、もうたくさんの人たちが横になって眠っていた。私はまずは夕食をとりたい。エア・エイシアの機内では、ナシレマが9リンギットで飛ぶように売れていたが、私は買わなかったので、まずは夕食だ。国内線ターミナルには、マック、アジアンキッチンとコーヒービーンがある。心情的にはアジアンキッチンで麺かごはんものが食べたいが人であふれている。マックには、ぽつぽつと空きもあるし、回転もよさそうなのでマックにした。ここのマックのキャッシャーが、おそろしくスローだ。そしてひっきりなしに売れているわりには、バーガーも、ポテトも、すべてぬるく、衝撃的にまずい。できればマックで数時間長居を決め込みたいところだったが、混んでるし、背もたれもない席だったし、30分ほどで外に出た。本やみやげ物用のお菓子を売っている店で、ミネラルウォーターとマンゴぐみを買って、私も外のベンチで居座ることにした。安眠はできなくても、ベンチでごろっとしてみるが、体痛くなるし、これじゃ昼のスパ効果も台無しだ。ケチるといいことはない。3時間くらい、眠るとも眠らないともつかない状態でいると、なんだかぶぉーという、道路工事系の大きな音がしてきた。最初は無視していたが、音がなりやまないので起き上がりきょろきょろ。まわりもきょろきょろ。結局、みんなそのエリアから立ち退くようにいわれ民族大移動だ。みんな建物内に流入。そして24時間営業と看板をだしているマックもアジアンキッチンも、皆シャッターが閉まっている。看板に偽りありだ。きょうがたまたまか?

LCCT国内線の出発口と到着口の間のコンコースですわって、ちゃっかり壁のプラグでiPhoneとOSXを充電。ときどき巡回してくるポリスからもなんのおとがめないから、遠慮なくチャージさせてもらう。そして、延々、ブログを書いているが、けっこうつらい。あと1時間ほどでチェックインもはじまる。早く朝になってほしい。

プロゥ・ウェー→バンダアチェ→KL LCCT

2009-01-28 22:36:47 |  旅行
せっかくきのうは午前1ダイブだけにしたのに、器材もTシャツもすっきり乾いてくれない。願わくば、昼の強い日差しでカラっとかわかし、きのうのうちにパッキングといったところだったが無理だった。そして5時起きパッキング。今朝になってもすべてが湿っぽい。きょうは格安航空会社のエア・エイシアでKLに移動するが、無料受託手荷物が15キロしかない。格安なだけにエクセスには手きびしいというので、極力軽くおさえたいが、このぶんだと湿気で重くなりそうだ。この島で捨てても環境破壊にならなそうな不要品は、潔くゴミ箱へ。

パッキング後、朝食用に買っておいたドーナッツを食べようと思ったが、ややすっぱい感じがしたのでやめにした。せっかくバリ製腹痛が一段落したのに、新たなる腹痛はいやだ。ちょっと虫が入らないように過剰に封をしすぎたかな。

ガパンビーチから港までは、午前7時にミニバスがルンバルンバの前でピックアップしてくれる。荷物を持ってビーチを歩く、っていう作業はまぬがれた。ただここは普通の宿泊施設とちがって、荷物は運んでくれなから、それぞれ斜面にたった部屋からダイブセンター前まで自力で荷物を運ばなければならない。子どもの頃、うんていをやったあとみたいに、指の付け根がまめになってしまった。出発10分前に荷物を持ってダイブセンター前にゆく。ようやく明るくなってきた感じだ。



チャイニーズ・ニューイヤー・ホリデーの終わりとともに、きょうは帰る人が多いので、人間はミニバス2台に分乗、荷物はトラックに積んで出発となった。ミニバスはまたよく飛ばす。しかも前を走る、ルンバルンバから一緒に出てきたもう1台をあおるあおる。ついにはわれわれの車が先をゆくことなった。窓から入る朝の湿った空気がここちよい。アップダウンとカーブ続きの道は、ジャングル、見え隠れする海、田んぼ、集落と、どんどんその景色を変えてゆく。そんなドライブ中、むっ、突然の悪臭。道には広範囲にわたって牛のフンが散乱していた。まあ臭いのも1分少々。今まで行った他の東南アジアの田舎より、牛やヤギの闊歩率が高い島だった。


ウェーの港、バロハン港には7時40分には着いた。ここで船を降りたときには、ガパンに行くことしか考えていなかったし、後ろを振り向く間もなくミニバスに乗ったので、これが港の入り口かぁ、とはじめて見るながめのようだ。




8時にスローなフェリーが12,000ルピアであるので、本当はそちらにしたいところだ。スローといっても2時間15分、バンダアチェ発のフライトは16時50分。時間は十分にあるのだから。でも荷物がまだ着いていないのでそうもいかなさそう。チケット売り場へ行って、8時半発高速船のエコノミークラスを55,000ルピアで買う。アチェの港では、きっぷ売り場のお兄さんが名前を書いてくれたが、ここのお姉さんたちは、乗客に書かせる。

きっぷを買って待合室に入ろうとすると、おばちゃんがナシ・ブンクスを売りに来た。ナシ・ブンクスは、ごはんと簡単なおかずを紙に包んだものだ。「中身は何?」と尋ねたら、「イカン(魚)とトゥロー(卵)」という返事。いくらか尋ねると、6000ルピア。うれしい安さ。これは買うしかない。おばさんから茶色い油紙で三角形に包まれたナシ・ブンクスを受け取る。ところがおばさん、あわてて「イカンとトゥローとっちがいいの?」という。「イカン!」と言ったら、私の手からナシ・ブンクスを奪い取り、別のをくれた。イカンとトゥロー両方が入っているのかと思ったら、イカンとトゥローの二種類から選ぶってことだったらしい。

待合室にスーツケースを放置し、港をしばし散策してみた。港の入り口に数件みやげ物やがあるのでひやかすことにした。どの店も商品はほぼ同じ、ランブータンなどのフルーツやケーキを売っている。ここはみんな商売っ気があり、みな満面の笑みで「こっちこっち」と手招きしている。一番手前の店がケーキのにおいをかがせてくれた。こちらのカルチャーって、試食はなく、においだけなのね。おなかがすいているので、おいしそうに思えるが、切ってないカステラ1本買うようなもので、ツーリストにはむかない。ノーサンキュー。



他に見るところもないので、待合室に戻ってナシ・ブンクスを食べようと思ったら、待合室はガラガラ。時計を見ると、まだ8時10分頃だが、もう乗船開始になっていた。そういえば、バンダアチェを出るときも、ずいぶん早くに乗り込んだことを思い出した。ナシ・ブンクスはあとにして、まずは船に乗ることにした。エコノミークラスでエアコンなしなら外の方が気持ちがよいから、客室を抜けて、外の席にすわってナシブンクスを食べる。うーん。これぞローカルフード。ココナッツミルクで炊いたご飯にチリソースが少しかかっていて、魚が乗っている。最初は?となったが、食べているうちにどんどんおいしくなっていく。6000ルピアは日本円にすれば50円しないと思うと、なんて素晴らしい食べ物なんだと思えてくる。さて、エコノミーの外の席は人気?出発する頃にはローカルでいっぱいになった。



船は8時31分に出発した。ひとりぎりぎりで走ってきたローカルがいたので、1分遅くなったのだ。遠ざかるウェーを見ながら、ウェーという島は本当に好きだけれど、なぜか名残惜しくも感じないのは不思議だ。ここにまた戻ってくる気もするし、これが最初で最後な気もする。

バンダアチェのウレレ港で下船したのは8時45分頃。港に着くと、またまた降りてきた客ひとりひとりを、男どもがわっと取り囲み、「タクシー?」「ペチャ?」と詰め寄ってくる。私ももれなく詰め寄られ、いちばん近くにいたおっさんが、「ベチャでいい?」と言う。あれだ。バイクの横にサイドカーが着いたやつ。「なんでもいいから町に連れて行ってちょーだい。」と言うと、ベチャのおっさんが、「オッケー」と荷物を持って歩き始める。すると別のドライバーが「タクシーだよ」と言ってくる。おっさんが「いやベチャだ。」としばしにらみ合い。結局、ベチャの小柄なおっさんが、荷物をかついで歩き始めたので、ベチャ決定となった。

ダイビングで一緒だった白人たちは皆、タクシーをチャーターして津波跡を見に行くと張り切っていた。朝のフェリーで着くツーリストはだいたい午後16時50分のエア・エイシアに乗るのはわかっているはずなのに、港で「時間まで観光どう?」っていうドライバーは誰もいなかった。4年前に毎日のように映像でみた、あのバンダアチェの壊滅的な状況、犠牲者の数を考えると、ホリデー中の1ツーリストが、ダイビングの帰りに、時間つぶしの感覚で、物見遊山的に津波跡を見にゆくのは違うな、と思った。どっちにしても、最初から厳かな気持ちで見に行くべきだと思う。

ベチャの止まっているところにいくと、これがまた超おんぼろベチャであった。「どこに行くの?」とおっさんに聞かれ、「エルメスホテル」と答えた。エルメスパレスホテルにあるスパで休もうという考えだ。ペチャのおっさんが、「エルメスってどこ?通りの名前は?」と言う。「知らない。いちばん大きいホテルだと思うよ。」こんな心もとない状態で出発。エルメスは、もともとスイソテルという別のチェーン系だったものが、経営かわってエルメスになったのだが、どうしてもスイソテルというのが思い出せなかった。

ベチャで港を出発すると、しばらくまた砂利のガタガタ道。「ここは津波でやられたんだ。」とおっさんが言う。まだところどころに瓦礫が積まれているし、護岸もコンクリが新しく、周囲の景色となじんでいない。でも、マングローブの若木が水の中から出て来ていたり、数年でずいぶん様子は違ってくるだろう。

ベチャで走ると、バンダアチェの強い日差しや町の風をじかに受けるので、タクシーより町を身近に感じる。道中、おっさんが「ここも津波にやられた。」と何ヶ所か教えてくれた。津波のあとに、もう生々しさはないが、まだまだ瓦礫だらけのところ、修復中のところが多い。でも、町には元気があった。人々の表情にすさんだ様子も見られない。町の中心に入ると、ほこりと排気ガスを思い切りかぶったけれど、ベチャもいいもんだ。津波博物館なんて立派な建物もできているし、きれいな公園もあった。バンダアチェをほんの垣間見たに過ぎないが、アチェには前向きなものを強く感じる。今、危機的状況にある日本。首都圏では、JR、私鉄、地下鉄、なんらかいつもどこかで電車が止まっているのは異常だと思う。この、ゼロから再生していくアチェの姿には、学ぶところがある。

「いちばん大きいホテル」のたとえだけで無事エルメスホテルに着いた。このホテルにボロボロのベチャで着いたこと自体が笑える。ベルボーイが、このホテルに似つかわしくないいでたちの来客に、やや困惑しているのがみてとれたが、「スパに行ったりお茶を飲んだりしたいのですが。」と言って、スーツケースを預かってもらう。このホテルには、「マルタティラール」という、インドネシアの最大手基礎化粧品会社が展開する「マルタティラール・スパ」が入っているのだ。スパは、窓もない地下にひっそりとあった。予約なしのウォークインで、メニューを15分くらいあーでもない、こーでもない、と見ていた。アボカドなどフルーツを使ったトリートメントを受けたかったが、3日前までの予約が必要とのことで、マンディスス(牛乳風呂)が350,000ルピア(円高で2,800円もしない)にした。全部マルタティラールの既製品を使ってのトリートメントというのに、物足りなさはあったが、ウェーでのシャワーが不十分な感じだったので、ボディスクラブ、ボディラップと牛乳風呂ですっきり。マッサージでリラックスもしたし、よい投資だ。

スパを出ると12時半だったので、ホテルのカフェでランチをとることにした。できれば、ローカルの店で、ローカルフードとスマトラコーヒーといきたいところだったが、土地勘もないし、ホテルでたずねても、いまひとつらちがあかない。せっかくスパですっきりしたのに、汗をかくこともないかと、カフェへゆくと、トゥドゥンをかぶったパンツスーツの、とても背の高いウェイトレスがにこやかに席まで案内してくれる。そういえば、インドネシアで一番背の高い人々は、アチェにいるんだそうだ。カフェには数組のお客がいたが、皆さん商談中で、カジュアルではあるが、ビジネスの身なりをしているから、Tシャツとジーンズの私は浮きまくった。メニューをもらうとその高さに驚愕。せっかくだから、パスタやハンバーガーではなく、アチェニーズスタイルのミーゴレンにした。ミーゴレン42,500ルピア、コーヒー25,000ルピア、これに10パーセントのサービスチャージと、11パーセントの税がかかるのだ。合計8万ルピアちょっとの計算、日本円で620円くらいなのだが、金銭感覚も郷に入っては郷に従え、とてもお高いランチだと思ってしまう。バンダアチェは復興に伴い、すべてが値上がりしたとは聞いていたが。



そして、ここもまた、ガパンビーチなみに調理に時間をかけてくれているらしく、小一時間待った気がする。お味は悪くないのだが、ホテルならではの味つけだった。どこの国に行っても思うのだが、ホテルの出すローカルフードって、なんかちがう。多分、万人が食べやすいような味つけにしようとする結果だろう。ここの素材を使って、ガパンビーチのレストランの調理方法だったら、おいしそうだ、と無理なことを思う。

カフェでいい具合に時間がつぶれたので、食べ終わると、空港に向かうのにちょうどよい時間になっていた。ホテルでタクシーを呼んでもらうと、空港まで100,000ルピアらしい。



タクシードライバーは、昔、アチェにあった日本企業のドライバーをしていたということで片言の日本語を話した。「朝、君を港で見たよ。僕はオージーの女性からチャーターの予約を受けてたんだ。」と言った。そのオージーの女性とは、私とバディだった女性で、やっぱり白人は必ず津波あとを見に行くようだ。アチェは、町の中心を過ぎても、どこまでも民家や商店があるので、「アチェは、大きな町ですね。」と言ったら、「アチェは町じゃないよ。単なるBig villageだよ。」とドライバーは言う。田んぼのすがすがしい緑をながめているうちに、スルタン・イスカンダル・ムダ空港に着いた。ドライバーが、スーツケースをトランクからよいしょ、とおろすまもなく、ポーターがすかさず荷物を奪い取った。ドライバーとともに唖然。もういいや。どうせルピアもないし。

エア・エイシアのカウンターには、若いお姉さんが二人。おっとりしてそうな人と意地悪そうな人のペア。たぶんおっとりがまだ慣れていないようで、意地悪そうな方がが横からいろいろ指示を出している。意地悪そうな方は、私の予想を裏切らず、ポーターが荷物を置くや否や、「ハイ、5キロエクセスです!」と手ごわい。エア・エイシアは、エクセスを事前に割引で買えるのだから、20キロにはしておきゃよかったと後悔してもはじまらない。ホテルで空港税は「less than 100,000」といわれていたので、空港税が残る程度にルピアは残していた。空港税は65,000ルピアでバリの半額以下だ。ここで空港税が安いと喜んだとしても、エクセス225,000ルピアを全額ルピアで払えるほどルピアは持ち合わせていない。国際線だからUSドルを受けて当然と思っていたが通用しない。リンギットは使えるようだが、リンギットはこれからも使いたいので、しばらく利用する機会のなさそうな、かといって日本で再両替するほど残ってもいないユーロとUSドルから使ってしまいたい。そこでポーターに連れられて外の売店へ両替にゆく。やれやれ、残金とあわせてなんとか285,000ルピアを用意。カウンターへ戻って300,000ルピア出すと、おっとりが75,000お釣りをだしてきた。反射的に受け取りつつ「?」となっていると、すかさず横の意地悪そうな、いや、しっかりしてらっしゃる方が、ミスを指摘した。おっとりは、空港税のステッカーを貼ったのに、空港税をとり忘れようとしていたらしい。一部始終を見ていたポーターは、私がルピアを持っていないのを見ていたので、10,000ルピアだけ受け取り、次なるターゲットを求めて去っていった。

さっさと出国し、2時間ほど待合室でフライトを待つ。待合室では、ひとりギターをつまびいているヨーロピアンの若者がいた。田舎の空港、って感じがよい。私はヒマなので、ワイヤレスで時間をつぶすが、特に見たいサイトもないし、メールを何件か出して、ボーっとしていた。アチェニーズの若いパパに抱っこされた、かわいい女の子と目があった。妙に好かれてしまい、私にミネラルウォーターのボトルをくれようとする。その繰り返しで少し時間がつぶれた。

KLからのエア・エイシアが着陸したとたん、ゲートが開いた。そこからまた飛行機まではバス移動だ。こうして考えると、飛行機の機材繰りというのは、本当にかつかつでまわしてるんだな、ってあらためて思う。



はじめて乗る格安航空会社。出迎えるアテンダントの笑顔は暖かいが、非常にケバい。席は自由だが、多くの人は前から座る傾向にある。すいている後方の席ですわった。なんだかおじさんの変な整髪量のニオイがする。まさかこれがエア・エイシアのフレグランス?手垢だらけでうっと思う機内誌は持ち出し禁止。

飛行機が離陸すると、スマトラ上空からの景色なんて、そうそう眺める機会はないと、雲で下界が見えなくなるまで、ずっとずっと下界を凝視し続けた。スマトラといえばスマトラトラ。このどこかにいるのかしらん、なんて他愛のないことを考えながら、インドネシアとお別れだ。




プロゥ・ウェー ダイビングまとめ

2009-01-28 22:15:33 |  ダイビング
5泊したのに、7本しか潜らなかったプロゥ・ウェー。
ウェーのポイントは、ショップのポイントマップを見ると19あるが、そのうち6カ所しか潜っていない。
プロウ・ウェーについて語る資格はないが語ってみる。


プロゥ・ウェーの水中
ポイントの多くは、トップが水深5~20mの大きな隠れ根(Plateauと表現していた)で、シミランで見るような大きな岩が重なって根を構成している。
その根のおしまいのところが底の見える程度の深さのドロップオフ、という地形。



全体的に岩がちだが、ところどころに白砂のところがある。
水深30m以深にゆくと、ウミウチワがはびこっている。



サンゴはナンヨウキサンゴが目立つ。
一部テーブルサンゴや枝サンゴが見られる場所もあるが少ない。
それも色も茶系が多いために地味。

カレントは常時あったが、特別強い流れはなかった。



続いてウェーのサカナたちについて。
ウェーは、過去、ジンベイやマンボウが出たという情報もあるが、出ることもある、くらいにとらえておいた方がよさそうだ。
今は3日前にトラフザメが出た、というのが話題になっているくらいだら・・・。
モルディブやプーケットと同じインド洋、大物がまわってきても不思議はない。
そうはいっても2004年に、メガマウスシャークが打ち上げられ、2005年にはレックでメガマウスシャークが出たとか、ときに大化けするみたい。


私が見たウェーの現実は・・・
まず、ウェーといえばウツボと言いたいほどウツボが多い。





そしてインド洋ならではのサカナたち。
インド洋ならでは、体の黄ばんだアケボノハゼ。


インド洋ならでは、腹の黄ばんだナンヨウハギ。


インド洋のサカナはなぜ黄ばむ?

インド洋ならではの、背びれの丸いナンヨウハギ。


インド洋の固有種の代表格、パウダーブルー。群れない。


他には・・・
ハナヤサイサンゴの中はオオアカホシサンゴガニ棲息率高し。



ウミウシの卵は見たけれど、ウミウシはあまりみつけられなかった。



ルンバルンバダイビングセンター
オランダ人のTonとMarjanが1998年からガパンビーチで運営しているサービス。
津波の被害も見事に乗り越え、今日にいたっている。


ダイビングシステム
ボートダイブは1日2本、1本目は午前9時台に出て、だいたい昼頃戻ってくる。
2本目は14時台に出て、17時前に戻ってくる。
ダイバーのエアもちにもよるが60分潜る。
ルンバルンバ前のビーチで潜ることもできるが、タンク代は有料、ガイドをつければそれも有料。
ナイトも有料。

私が行ったときは、最繁忙期。
ボートは2ハイ出ていた。
ダイブセンターのホワイトボードに3日分のポイントが書き出されるので、行きたいポイントの方に自分の名前を書いておく。

チェックダイブらしいものはなく、いきなりボートでドボン。


ダイビングボート
ボートは木の船。
ダイビング用に設計したとのことだが、なんと屋根がない。日焼け止め必須。
日焼け止めを塗っても、白人はロブスターの茹で上がりのような色になってしまって、スキンヘッドの人はたいへんそうだった。
エンジンが二機ついているが、船足は遅い。



ガイド
アチェニーズのガイドとヨーロピアンのガイドが半々くらい。
なぞの日本人イントラ男性発見するが、おはようございます、程度で接点なし。
ヨーロピアンはどの人がイントラで、どの人がDMTか不明。


ゲスト
KLからエア・エイシアの直行便で1時間20分という便利さ、エア・エイシアの安さ、マレーシア人はビザが不要なことで、マレーシアンダイバーが多い。
あとはKLやシンガポールで就労中の外国人、ヨーロピアンが多い。
自分の器材を持ってくるダイバーは少ない。


お値段
ダイビングは10本で180ユーロ、宿泊も1泊25ユーロと、安めだ。
DM以上のCカードを見せると微々たる割引がある。


コメント
ウェーは間違いなく英語でいうところのPristine waterってやつだ。
ウミウチワの群生と、キャニオンやバテトコンで見られるキンギョハナダイの群れの密度の濃さ、ウツボ出現率は他のどこよりもすごいかもしれない。
カラフルなトロピカルフィッシュもたくさんいるし、魚影はとても濃い。
ただ、水底の構成が巨岩とナンヨウキサンゴなので、色彩的な華やかさに欠ける。
南の島の明るい海、といった印象とはちょっと違う。そこがまたユニークな環境でもあるのだけれど。

ガイドは、やはりローカルの視力に感謝しなければいけない。
ひとりイタリア人ガイドがいたが、サービス精神おおせいなイタリア人気質だけあって、いろいろ見せてくれた。
ダイブマスターになりたてのヨーロピアンにあたると、やや残念なダイビングになってしまう。

いつもは5~6人しかゲストがいないところに、24人という混雑ぶりであるが、スタッフたちは混乱することなく、ダイバーの器材をそれぞれのボートに積み、ボート上でのグループ分けも管理できていたのは評価に値すると思う。

バックパッカーでダイビングはおまけ、といった感覚のダイバーも多いようだが、ダイブトリップが目的の身としては、やはり1日ボート3本、ビーチは無制限という料金システムを作り上げてくれないと、ちょっとつらい。
1日2ダイブのわりには、あまりゆっくりした感もない。それは片道30分以上かかるポイントが多いのと、潜水時間が長いのと、船足が遅いのとで、2本でほぼ1日が終わってしまうからだ。効率が悪いのが残念だ。

プロゥ・ウェーは緑に覆われた美しい島。
ボートからうりうりした緑をながめるのは心地よい。

いつの日かバンダアチェで到着ビザをとることができるようになって、1日3ボート込の無制限ダイビングと、日よけのあるボートと、宿泊は3食つき、ソフトドリンクフリー、バンダアチェ到着から出発までのトランスファーもすべて込といったようなサービスになれば、また乾季に来てもいいかな、とは思う。


Pulau Weh 5日目

2009-01-27 10:11:35 |  ダイビング
ウェーの朝は遅い。
6時はまだ真っ暗。
7時頃薄明るくなったビーチに出ようとするとショップの犬が2匹やってきた。
散歩にいこうよ、とさそっている。
黒い犬は、よく「あう~ん」と言ったり、走りだす前には必ず伸びをする。
ビーチに出ると、激しく走り出したので、犬と一緒にランニング。

もどってきて、きのう買っておいたママ・ドーナツのドーナツやお菓子を4つぺろりたいらげた。
さらに朝8時過ぎ、ダイブショップの前にいたママから、またドーナツ、ピサンゴレン(バナナフリッター)、春巻など5つ買う。
おやつと、明日の朝食にしようと思っていたのに、ダイビングから帰ってきて、春巻きをチリと一緒に食べたらとてもおいしくて。
雨も降ってきたから、レストランにはいかずに、また全部ぺろり。

朝、犬と走ったから、いいんじゃないかな。


本日の1本 バテ・グラ
バテ・グラは、港から40分くらいかかるポイントだ。
エントリーしたところは、水底が白い砂地になっていた。
透明度はよくないが、明るい感じだ。
ガイドはもの静かなアチェニーズで、静かに何かをみつけてくれる。
砂地が途切れると、ふたたびゴロタの水底になって、そのあとズドンと落ちている。
ウォルの影に入ると、水中はまたも暗い。
ロウニンアジやイソマグロ数匹がクマザサハナムロの群れを狙っていた。



しばらくはウミウチワがはびこっているが、その後、ほぼ垂直に切り立った壁となり、ソフトコーラルは少なくなる。そこには、サザナミヤッコや、タテキンがいた、キンギョハナダイもいるが、キャニオンやバテトコンに比べるとずっと少ない。
最後にカミソリウオのペアを見せてくれた。



ダイビングは朝の1本だけで終わらせることにした。
1年計画でこの島にはるばるやってきて、5泊で7ダイブ。

今日は、降ったり照ったり天気が不安定。
器材が乾くか心配。
あしたはエクセスに厳しいエア・エイシアに乗るので、極力重量は減らしたいのだ。

プロウ・ウェー ガパンビーチ

2009-01-26 22:23:06 |  旅行
ロンリープラネットをして、
People don't come to Pulau Weh for the nightlife or the bikinis.
プロゥ・ウェーには、ツーリストむけの宿泊施設やダイビングサービスはあるものの、観光開発はほとんどされていない。


ガパン・ビーチの入り口。ここから坂道を下ると、ビーチがある。




ガパン・ビーチには、ビーチパラソルも、チェアもない。
ムスリムのローカルのファミリーが、服をきたまま水遊びをしているか、小さなこどもだったら、まっぱで泳いでいるような、のんびり、ほのぼのした場所なのだ。




ビーチの裏手は山。ココナッツや熱帯の樹木が生い茂っている。




高台からの景色も美しい。




ビーチの内側にはレストランが5件ある。レストランといっても、屋根だけついたオープンエア、古びたテーブルと椅子を置いただけの、超シンプルな海の家といった感じだ。アチェニーズフードと、洋食が中心。アルコールも売っていない。ちなみにビンタンビールはルンバルンバで買える。飲み物が5,000~12,000ルピア、食事が15,000~30,000ルピアくらい。

ミーゴレンについてはインスタント麺らしく、味に限界がある。受験生の夜食っぽい。ライスはライスだけで食べると、お米自体の精米がよくなく、あんまりおいしくないが、ナシゴレンになって出てくるとおいしく食べられる。エビの唐揚げはかなりおいしかった。それからミーゴレンやナシゴレンについてくる、焼いたツナもおいしかった。スパイシーなアチェニーズフードであるが、ナシゴレンもミーゴレンもチャプチャイも、同じ味付けなので、飽きはする。
マレーシアからのリピーターの男性が帰るときに、「また来る?」と聞いてみたら、どうだろうといったように首をかしげ、「スラウェシの南に行きたいってのもあるし、ここはどのレストランに行っても、ぜんぶ同じ調理方法で味だし・・・」と言っていた。まあ、そんな感じだ。


ガバン銀座の様子。
 ↓



物資の乏しい土地柄、食事代は、バリのワルンなんかよりずっと高い。オーダーしてから、ゆるゆる作り始めるようで、なかなか出てこない。どこの店も、メニュー、味付けにはあまり差はないように思う。


ルンバルンバのお隣が、ダンダンナ。

ダイビングでルンバルンバを使う人が多いので、この店を使う人は多い。
近いので、ついついここに行きがちである。生のバナナジュースがとてもおいしかった。

ルンバルンバを背に、海を左手に歩いていくと、もう1件のダイビングサービス「プロゥ・ウェー・ダイブ・リゾート」がある。




その先にガパン・ジャヤ。おばあさんがやっている。ここのメニューがいちばんアチェニーズ色が強いらしい。




続いてリンボーレストラン。ここでは食べずじまい。




ルンバルンバから一番遠い、といっても3分ほどのゼロ・カフェ。



ゼロ・カフェには、いつもローカルのお客さんが複数いるので、おいしいのではないかと思ったら、やはりおいしかった。



ゼロ・カフェの先に「ママ・ジャングル」というのがあるが、こちらは家庭料理が食べられるらしい。午後に予約する必要があるみたい。

ビーチには「ママ・ドーナツ」といわれるドーナツ売りのおばさんがいる。
だいたいルンバルンバのダイブショップの前にすわっている。
緑色のバスケットの中には、ドーナツ、カヤジャム、豆の入ったお菓子、野菜の
天ぷらがぎっしり入っていて、おひとつ2,000ルピア。これがまたおいしいのだ。ダイバー、スタッフにとぶように売れ、朝のダイビングボートが出る前にまだいぱいあるからと、帰ってからにしたりすると、なくなっていたりする。なくなればママはまたドーナッツを揚げてやってくる。クリスピークリームドーナツやドーナツプラントにはない、心温まる味。




ガパン・ビーチにはたくさんの犬がいる。
ルンバルンバの犬は、よく散歩のお供をしてくれた。



私がレストランに入れば、レストランの前で座って待ってもくれる。
犬といえば、いちどドーナッツの入った袋を持ったまま歩いていたら、次々犬がついてきて、ハンメルの笛吹きみたいになった。「あげないよ。」と言ってもみんな期待の目で、歩くほどに犬の数が増える。でも、別の方向から1匹また犬が来たら、いきなり一組交尾をはじめてしまった。食い気よりも色気が大事?


ガパンビーチでは、ローカルの人々も観光ずれしていなくて、適度な距離感をたもっている。島を訪れる人々も、ここまでやって来る人に悪い人はいない、といった感じだ。

ロンリープラネットのプロウ・ウェーの冒頭に、
You are in for a real treat at Pulau Weh.
とあるが、ガパンビーチにいれば、それがよくわかる。




プロゥ・ウェー ルンバルンバリビング事情

2009-01-26 22:04:03 |  旅行
「ルンバルンバ・ダイビング・センター」に併設された「ルンバルンバ・リビング」。
1泊25ユーロ。食事なし。

1棟2ユニットのコテージで、すべての部屋に広々としたベランダがついている。
ベランダの間には板が張ってあるので、隣が見えることはない。



部屋のドアやベランダのとびらはすべてガラス張りなので、圧迫感がない。
ガラスには、すべて簾がおろせるようになっている。

部屋はシンプルで広々としている。

ベッド。



ソファーとテーブル。



流しと冷蔵庫、ケトルがある。



冷蔵庫に1.5リットルのミネラルウォーター1本がコンプリメンタリーで入っている。
コーヒー・ティーセットもある。ミネラルウォーターがなくなったら、新しいボトルを
買うのではなく、レフィルと称して、ダイブセンターにあるウォーターサーバーの水を
3000ルピアで詰めることが推奨されている。自然にやさしく。



浴室は、トイレ+シャワー+マンディがある。
シャワーは、出もよくないし、いつまで待ってもお湯にはならなかった。
水シャワーである。
バスタオルは部屋にそなえつけてあるが、ベッドのリネンともども、申し出なければ
交換はしてくれない。洗剤で自然破壊をしないため配慮らしい。

マンディはインドネシア特有の水浴びのための浴槽で、全自動洗濯機ほどの水槽に
水がためてあり、そこから手桶で水をすくって水浴びをするためのもの。

とにかく夜になると虫が多い。ベッド横のリーディングライトをつければ、そのまわりの
ベッド上には小さな羽虫がばらばらと落ちている。こうやってラップトップでネットして
いると画面に虫が飛んできて止まる。蚊もいっぱいいる。ときどきチクリとさす虫もいる。
蚊取り線香とバイエルン製のベープマット的なものはある。ちなみに、ベッドの頭上の壁
には扇風機が据え付けてあり、扇風機を回すことで蚊を追い払うこともできるという意図
らしい。ただ、扇風機をまわし続けたまま眠り続けたら、脱水症状で死んじゃうかも、と
つっつこみたい。というわけで、とにかく虫が多い。それもそのはず、高窓が常時開いて
いるので、虫さんのお出入りが自由な構造なのだ。一方、バスルームの高窓は閉じられた
ままなので、こっちをあけてほしい。クモも、ベランダ、室内、おかまいなく糸をひいて
いる。

カブトムシ以外の虫はいやだ。そうはいっても、必要は発明の母か、だんだん自分で対処
するようになってくる。蛾がこちらに飛んできたら絶叫するが、弱ってるやつは、自分で
ホウキで外に追い出した。

マンディの水は白く濁っているし、虫は浮いているし、絶対無理と最初は思っていても、
ちょっと水が出なくなると平気でマンディを使って水浴びもするし。どんどん強くなる。
でもやはり正直つらい。虫が降ってこないように蚊帳がほしい。部屋にたくさんいるゲッコ、
もっと虫を食べてくれないかな。

Pulau Weh 4日目

2009-01-26 20:52:27 |  ダイビング
Gong Xi Fa Chai。旧暦の元日だ。きょうもダイバーでいっぱい。

1本目 Pantee Peunateung
よく晴れているし、大潮だけれど、やはり透明度はあがらない。水深5メートルから20メートルくらいまで、広大なプラトーになっており、プラトーの四隅がドロップオフになっている。エントリーはプラトーの上、エッジをめがけて、しばらく潮に逆らって泳ぐ。適度なアゲインストで、水の抵抗がなんだか心地よい。ここも巨岩ごろごろ。ドロップオフにたどりつくと、ハタタテダイやウメイロモドキが群れていた。ここもウミウチワの群生がすばらしい。バラクーダの群れは、スリムでこぶりで、すぐにいってしまう。ギンガメの群れも、規模が小さいが、人慣れしていないらしく、あっという間に通り過ぎ、また人を見に来るといった感じ。



2本目 Batee Tokong
こちらも大きな根の上とまわりを潜るポイント。
クダゴンベやオニオコゼを見ながら泳いでいくと、ロックの影にハダカハオコゼが2匹ひらひら。かわいい!彼らをとろうとしても、激しくキンギョが通過するので、なかなかうつせない。ここも、もの凄い量のキンギョハナダイが群れている。その下でうつぼがめちゃめちゃにらんでいる。



うつぼが穴から出て泳いでいたり、ウツボ同士が喧嘩していたり、ヒレミノカサゴがそこらじゅう漂っていたりで、ヨーロピアンごのみな光景が多い。

浅瀬に上がってくるにつれ、カレントがとても強くなっていた。潮通しのよい場所の透明度はかなりアップしていたが、すこし落ち着くとそうでもない。でも、ここがプラウ・ウェーに来て、いちばんおもしろいポイントだと思った。浅瀬はなんか、平和な熱帯魚水槽に入ってしまった気がするほど、カラフルなやつらばかりだった。



きょうは2本とも、イタリアーノのルカが担当、オージーの女性とフランス人の男性と、私の4人で潜る。とにかくよく泳いだ。サービス精神旺盛なイタリア人気質か、けっこういろいろみつけてくれた。エントリーしたとき、フランス人がマスクを落とし、どんどん沈んでいくので、拾いにいった。水面でエントリー前、そしてエキジット後ものすごく感謝される。


夕方、おなかがすいたので、ビーチでどーなっつを売っている女性、通称ママドーナツからドーナッツ類を6個も買ってしまう。おやつと明日の朝食用。そしてお隣のダンダンナでナシゴレンとバナナジュース。ここのナシゴレン、ドライでけっこういけるし、ついてきたツナがうまい。

運動量が多かったので、早くも消化してしまったようだ。
でも朝までがまん、がまん。

Pulau Weh 3日目

2009-01-25 22:11:40 |  ダイビング
大晦日の今日は晴れ。
明日は元日。
旧暦で、の話。
旧正月、チャイニーズニューイヤーが来る。
主にマレーシアンとシンガポリアン、それとマレーシア、シンガポール、インドネシアで働く外国人が、チャイニーズニューイヤーのホリデーで、どっさりやってきた。ルンバルンバでは稀にみる忙しさらしい。


1本目 キャニオン
きのう魚影が濃かったので、今日もキャニオンゆきのボートに乗ることにした。
今朝はスコティッシュのご夫妻と、COOLなイングリッシュガールのDMと私の4人で潜る。ボートには、ずんぐりむっくりの、オーラのないイントラに引率されたチャイニーズが7人。でもこのずんぐりむっくり氏が笑うと、なんともいえない愛嬌があるので、お人柄か。きょうのグループ分けだと、言語と人種で分けてるわけでもなさそうだ。

きょうも私たちのグループからエントリー。水面で集合するが、潜降直前、水面でスコティッシュの奥さんのフィンがはずれてしまった。フィンはイングリッシュガールが回収し、あらためて潜降をはじめると、今度は耳が抜けないらしく、なかなか降りてこない。その間に流されたのか、イングリッシュガールがピナクルがないから浮上するというサインを出してきた。

浮上すると、まだボート上には何人かが残っていてエントリーしているのが見えたが、ずいぶんそのエントリー場所から流されてしまっている。全員のエントリーが終わると、ボートがこちらにやってきた。ボートにあがってピナクルの上でエントリーするのか、それとも泳ぐのかと、イングリッシュガールがボートマンに尋ねているうちに、まず奥さんがエキジット。イングリッシュガールとご主人と私はボートにつかまっていたが、奥さんがエキジットするやいなや、ボートが動き出した。3人ともボートにひきづられてポイントまで移動らしい。こういうのって、サメに狙われるんだったっけ?と思いながら、ボートに引きずられていく。思ったよりも腕力がいるもんだ。

そして仕切り直しの再潜降。またまた何も見えない。流れもあって透明度も悪い隠れ根ってのは、たいへんだ。それに、こんな状況なのにコンパスあわせずに、よくガイドするなぁ、って思ってしまう。このイングリッシュガール、「私はここは4ヶ月目だけど大丈夫」と自身満々だったが。

まあ、こんどは無事にリーフが見えてきた。にごにごで目をこする感じの中に、ウミウチワが林立している。ウミウチワはおそらく40~35メートルくらいのところがいちばんのはびこり深度なんだろうけれど、あえて降りないようにしていた。こんな透明度ではぐれたら、確実に1分探して浮上するしかないもの。

しかし、スコティッシュのご主人がどんどん深場におりてゆく。大丈夫かな?と思いつつ、上から見守っていると、ご主人が、手招きをしている。どーしよーかなー、と思いつつ、とりあえず降りていってみても、何もいない。何を見たのか、首をかしげている。ダイコンは38mをさしていた。



イングリッシュガールは30メートル地点から降りてこない。ご主人に上がりましょう、とサインを送ってみるが、意図が伝わらないので、ダイコンの数字を見せて、深いから上がりましょう、ともう一度浮上サインを出し、なんとか2人を30mまで連れ帰った。

そして、イングリッシュガールは、クマドリカエルアンコウを探すが見つけられず。でも、そんなことにご夫妻は気づく間もなく、ほどなく奥さんのエアが残圧50を切り、ものの10分も潜らないうちに浮上。イングリッシュガールも彼らのケアで浮上することになったため、私はマレーシアンチームを連れたアチェニーズダイブマスターに引き継がれた。



2本目 ルビア・シー・ガーデン
午後は別のマレー人のグループがボートにいる。おそろしくテンションが高い。

午後のグループ分けでは、きのうのローカルダイブマスターのガイドで、KLからのマレーシア人のおじさんと私。透明度悪い。寒い。各種ウツボ、エイ、クマノミなど、普通のおさかなばかりだった。