くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(144)ネズミフグ Diodon hystrix

2013-11-29 09:34:20 | シパダン図鑑
フグ目ハリセンボン科のネズミフグ。
きちんと写ったものは1枚もない。
アバサー汁にされるのを知ってか!?、目を合わせない。


寄ったらソッコー背を向ける。


全貌が見えるのは離れたところでおぼろげ…。


大きな個体は91センチにもなるそうだが、だいたいは40センチ程度らしい。
ピンチのときは体を膨らませ、針をたてて真ん丸になるのに、平常時はコーラルの上をやたら胴長によろよろと泳いでいる。
頭でっかちでギョロ目。
全身点々模様でヤマアラシのように針をもつから、Spot-fin Porcupinefish。
でも、なんとなく情けな~い感じを漂わせている。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(143)アラレフグ Arothron caeruleopunctatus

2013-11-28 09:09:24 | シパダン図鑑
フグ目フグ科のアラレフグ。


ぼてっと砂地にすわっていることが多い。
たまに重そうに泳いでいる。
大きいフグは、動くのがしんどいのか、恐れを知らないのか寄れる。
アラレフグも体長80㎝までになるらしい。
Blue-spotted pufferfishと、青い点々に白いまだらを持つものが多いが、色彩にはバリエーションがあるそうだ。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(142)シマキンチャクフグ Canthigaster valentini

2013-11-27 08:55:42 | シパダン図鑑
フグ目フグ科のシマキンチャクフグ。


縞巾着河豚。
見た目はゆる~いが猛毒。
しかも仲良しに見えるけれど、実は同種で争いがちらしい。


確かに、こんなふうに目のまわりがオレンジになってるのは、ヤバそう。

英名はノコギリハギ同様、blacksaddleからはじまって、Blacksaddle toby。
英語でフグはpufferfish、tobyはなぜか南アフリカのことばを採用したものらしい。
ほかにもSaddled puffer、Valentinni's sharpnose puffer。
filefishかpufferかだけで、名まえもノコギリハギと同じようなものがつけられている。

潜ったときに、もし覚えていたら、次はフグかハギか、ちゃんと見分けてみようと思う。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(141)ノコギリハギ  Paraluteres prionurus

2013-11-26 09:39:07 | シパダン図鑑
フグ目カワハギ科のノコギリハギ。


ずーっとキタマクラの仲間でしょ、で片づけてきたら、ハギだった。
それもそのはず、フグ目フグ科のシマキンチャクフグに擬態してるんだそうだ。
いつもは気にもとめない種も、こつこつと調べてみると、いろんな発見があっておもしろいもんだ。
英語はBlacksaddle mimic、Mimic filefish、Blacisaddle filefishで、まあ、黒い鞍の擬態ちゃん。

猛毒なフグに擬態して身を守るとは賢いですね。

パッと見ではよくわからないけれど、図鑑を見比べると、ノコギリハギはやはりハギ体型でハギ顔、シマキンチャクフグはフグ顔でフグ体型をしている。
この写真の体勢ではわかりにくいが、ノコギリハギは目の後ろに第一背びれがあって、第二背びれと腹びれが横長。
シマキンチャクフグは小さなドット模様、ノコギリハギは細かい点々の集合体で凝った模様になっている。

シマキンチャクフグは、またあした。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(140)ソウシハギ  Aluterus scriptus

2013-11-25 09:39:06 | シパダン図鑑
フグ目カワハギ科のソウシハギ。


手前のやつ。
(左上に浮かんでいるのは、ハギはハギでもニザダイ科のテングハギモドキ。)
漢字は草紙剥。
草紙ってな古くさい名まえからイメージするとおり、墨汁のにおいがしそうな風体。
学名の【scriptus】はラテン語で「書かれた」を意味するそうで、英名もそこから発展してScribbled。
走り書きや落書きってな、雑に書いた意味合いが強くなる。
同じ意味でScrawled filefish、Scribbled leatherjacketってのもあって、確かに見ようによっては、あまりうまくない絵にありがちなかたちにも見えてくる。
Broomtail filefishという名もあり、その通り!ほうきのような尾びれをしている。

シパダンでは、ひたすらヌボーっと浮かんでいる。
ただ、見た目の無害そうな感じとは裏腹に、内臓にはパリトキシンという毒素をもっていることがあって、死に至らしめる猛毒、フグの70倍規模だとか。
食べたいと思える見た目ではないし、「日本の海水魚」によれば「味はあまりよくない」そうだが、実はおいしいという説もあり。
熱帯では内臓を食べないのであたらないようだが、温暖化のせいか、最近では日本でもよく釣れてしまうそうで、各都道府県の自治体が「ソウシハギは絶対に食べないでください!」と注意喚起をするほど。
凡庸なようで、実は侮れない。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(139)クロモンガラ Melichthys vidua

2013-11-22 09:11:27 | シパダン図鑑
フグ目モンガラカワハギ科のクロモンガラ。


黒っぽいのがリーフエッジ付近をゆる~っと漂っているだけで存在感は薄い。
全体的に地味で観察意欲はわかないものの、白いヒレのひらひら感がやたらと目につくことがある。
Puddlefin triggerfishという英名があるらしい。

通常の英名はPinktail triggerfishといわれ、実は尾びれがピンク。


実はボディはダークグリーン。


近くにいるし、コンデジだからいらなきゃ消せばいいや、ってスタンスでとったら、逆光だったり浮遊物だらけだったりの写真ばかり。
まあ、ひれのひらひら感と尾びれがピンクというのだけは、最低限お伝えできるかと…。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(138)ハクセイハギ Cantherhines dumerilii

2013-11-21 09:24:37 | シパダン図鑑
フグ目カワハギ科のハクセイハギ。


うっすらと帯が入っているのが、barred filefishと呼ばれるゆえんだろう。
fileにはヤスリという意味があって、サンドペーパーのようなザラザラした肌の質感から来ているらしい。
WikipediaのEnglish版によれば、乾燥したカワハギの皮で、木製のボートを仕上げていた時代もあったとか。

とぼけた顔をしているが、黄色い尾びれに浮かぶ、片側2本ずつのトゲを持っている。
まあ、われわれレジャーダイバーがハギにふれることもないけれど…。
過去、ゴマやキヘリに襲撃されたトラウマからか、どうも、このハギ系のフリルの入った背びれが苦手。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(137)ヒトヅラハリセンボン  Diodon liturosus

2013-11-20 09:00:59 | シパダン図鑑


きのうのお題だったキヘリモンガラと、コーラルガーデンの入り口で佇んでいる写真(ついでにトカラベラの顔面も。変なトリオ。)があったので、きょうはフグ目ハリセンボン科のハリセンボン。
英名はBlack blotched porcupinefishは大きなシミというか黒ブチな感じ、Shortspine porcupinefishも針というかトゲを表し、それぞれ名は体を表すになっているが、日本語の人面針千本が一番言いえて妙だと思う。
でも、警戒心が強くてすぐに背を向けられるので、人面しているところが写せない。
90年代には、ヒトズラハリセンボンみ~つけた=つかまえてふくらます、ってなガイドが多かったので、ダイバーはキケン!という直観が働くDNAが受け継がれているのだろーか?
ガイドが持てるほどだから、針の威力はいまいち…。

夜行性らしく夜はエサを求めてうろうろ、昼はこんなふうにコーラルやロックのかげでボーっと過ごしているそうだ。
とにかく目が大きい。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(136)キヘリモンガラ Pseudobalistes flavimarginatus

2013-11-19 09:06:37 | シパダン図鑑
フグ目モンガラカワハギ科のキヘリモンガラ。


こちらもきのうのゴマモンガラ同様、狂暴化するおさかなだが、めずらしく昼下がりにまったりしていたところをパチリ。
日本語の黄縁とまるで同じ意味の「Yellowmargin triggerfish」が英名。
他にも「Green triggerfish」「Yellowface triggerfish」「Yellowed-face triggerfish」さらには「Pineapple trigger」なんてのもある。
ゴマより一回り小さいので、私は、まだ色が薄いゴマygなんだと信じていた時代もあった。
でも、よ~く見ると顔立ちが違う。
文字通り、ヘリが黄色くて、顔も黄色っぽくて、体はグリーンがかって、パイナップルの皮よう!?

ふだんは近づいてもなんでもないが、産卵期は超攻撃的。
しかも、シパダンに行くたびに営巣中のことが多い。
そしてキヘリはゴマより、さらに手ごわい。
ゴマは猪突猛進なだけだが、キヘリは縦横無尽に水面までも追ってくる。
セレベス・エクスプローラーに乗るたびに、ブリーフィングで、日本人ゲストが、初日にキヘリに耳たぶを噛み切られる大ケガで、1週間、船上で何もせずに過ごさざるをえなかったというのを引き合いに出している。
スタッフの携帯に証拠写真があり、耳たぶがかなり広範囲にわたって食いちぎられなくなっているという衝撃的なもので、見ただけでジンジン痛くなる。

ゴマもキヘリも、口は胸鰭まで裂け、的なルックスだが、写真で見た限り、幼魚は地味かわいい。
侵入者は傷つけてでも卵を守る親の気持ちがわかるかわいさ。
まあ、種の保存のための本能で動いているだけなんだろうけど、医療行為が必要になるほどの攻撃を加える彼らは、やっぱり嫌い。
最近は、ゴマキヘリ地帯で潜るときには、サーフビニーやバンダナをするうにしている。
遠巻きに彼らの姿が見えたら、まずは近寄らない。
巣がない場所でおひとり様のときは、写真のように、ぼへーっとしているだけなんだけど…。


まりん・らいふ・いん・しぱだん(135)ゴマモンガラ Balistoides viridescens

2013-11-18 08:48:15 | シパダン図鑑
フグ目モンガラカワハギ科のゴマモンガラ。


ダイバーから嫌われがちな彼ら。
私も何度か攻撃されたので、嫌い。
そもそもは、彼らのテリトリーに入ってしまうダイバーがいけないんだけれど…。
彼らの営巣エリアに気づかずに進入したら、背びれを突き立てて直進してくる。
これがトリガーの由来なんだろうけれど、そのさまがなんともにくらしい。
いきなりフィンを激しく引っ張られて、何?と思うと、ゴマモンガラが白目をむいてフィンに噛みついていたりする。
頭にゴーンとなんか当たったと思ったら、頭突きを入れられてたり。
ゴマモンガラは、ウニ・カニ・貝を好むグルメ。
おいしいものを食べているせいか、おいしいという話も聞くが、あんまり食欲はわかない。
シガテラ毒をもつものもいるそうだ。
そんな固いものを噛み砕ける歯で噛みつかれたら、病院ゆきになることも。

英名はmoustache triggerfish。口の上が黒いからなのね。
あとはTitan triggerfishなんて、ギリシャ神話のタイタン由来のたいそうな名まえをもらっているわりには、ぱっとしないルックス。
Giant triggerfishとも呼ばれ、タイタンともども、巨体由来らしい。
そんなに大きな個体を見たことがないが、75センチにもなるそうだ。
全体的にサカナのサイズが大きいシパダンで、さらに水中では25%増しに見えるわりには、そこまで大きなやつには、幸か不幸か出くわしたことがない。
巣さえ守っていなければ、単にさえない風体のおさかななのだが…。

初パラオでブルーコーナーのカレントにあーれー、と翻弄されながら棚にへばりついていたとき、ビギナーだった私たちがゆらゆらしているのにあわせて、こいつも私たちのすぐそばを、一緒にゆらゆらしていた。
友だちが「潜ルンです」で撮った写真に写ってて、「この不細工な魚、なんだろーねー」なんて言えてた。
ふだんは何もしかけてこないが、巣を守る時期になると凶暴化。
母性愛にあふれているのだ。

そういえば、コ・タオのブッダビューリゾートのロゴがゴマモンガラだったが、ありえない!と、こんなの選ぶなんてあっぱれ!と同時に思った記憶がよみがえって来た。
コ・タオは、チュンポン・ピナクルのジンベイと、ヒレフリサンカクハゼとゴマモンガラの記憶しかない。
あとはガイドがゴマモンガラを挑発してフィンで戦う、なんてのがファンダイブの余興で、こんなファンダイブやだー、と思ったものだった。
ゴマモンガラTシャツはどうしても欲しくなく、コ・タオみやげには、ビッグブルーのドルフィングッズを買ったんだった…。

さて、シパダンの危険地帯はサウスポイントやコーラルガーデンの入り口あたり。
すり鉢状の巣があるそうだが、シバダンはさんごうりうりしている場所が多くて、気がついたときは、すでに遅しなことが多い。
今年の9月は、テンパっているゴマモンガラを見かけず、どれもこれもヌボーっとすれ違うだけ。
平和がいちばん。