くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

9度目の乗船なるか? セレベス・エクスプローラー

2010-04-26 12:37:19 | Weblog
ゴールデンウィークがやってくる。
私はセレベス・エクスプローラーに、2007年GW明けの初乗船以来、なんと9度目の乗船予定。
数字だけ見れば、CE(セレベス・エクスプローラー)の熱狂的ファン。

シパダンでたくさん潜れて、ダイブマスターのトムとジェリーがマクロもワイドもばっちりケアしてくれて、食事もおいしく、デザートによくマンゴを出してくれるというところが、この船の気に入っているところ。
一方、部屋が狭く空気がよどんでいるとか、トイレスペースが狭すぎるとか、ラマダン~ハリラヤ時のぐだぐだぶり、時々起こる断水、タンクのAIRがおいしくないなど、ダメなところもた~くさんある。
でも、シパダンで少しでも多く潜るためには、と思うと、つい、いそいそと予約をしてしまうのだ。

いろいろぶつぶつ言っても、昔のシパダン島のリゾートに比べれば、CEの居住環境はむしろ整っている。船にはTVも最新作のDVDもある。スタッフはWiMAXみたいなのも使っている。古いシパダンのシャレーは、打ち寄せる波や風でぐらぐら揺れる高床式、夜中に室内を駆け回るネズミ、ダニのいるベッド、夜になると水洗レバーハンドルがバカになって、なかなかフラッシュできない共同トイレ、夜はソーラーがきかず冷たくなる共同シャワー。ダニやサンドフライで、帰国後も尾を引くかゆみ、それをかきむしるときシパダンに思いをはせ。朝は鳥の声でめざめ、夕方は、みんなビーチに出てサンセットをながめ、夜はスタッフの歌とギター。通信はノイズひどめの電話だけ。初期はTVすらなかった。この質素すぎる環境が日常とかけはなれていて、現実逃避感があってよかったともいえる。Liveabordは、つねに海の上にいること自体が日常とはかけ離れている事実なのに、リゾート気分が味わえないうえに現実逃避気分がどうも盛り上がらない。

今はけっこうな絶海の孤島でも、携帯もネットもつながることが多いので便利だけれど、そのぶん常に現実世界とコンタクトしうるあじけなさがある。これで休暇を完全なオフ状態にできない仕事人間って多いと思う。前にカパライで出会ったオージーのハネムナーは、奥さん、新婚旅行中も就活をしていて、電話で新しいジョブ・インタビューを受けるがために、シパダンでのダイビングをパスしていた。島ナンパも、古式ゆかしい弾き語りや星空散歩から、部屋でネットサーフィンしましょーのデジタルへ。

…と、昔をしのんでいる場合ではなく、実は航空券がとれていない!
あさっての関空発MASのKK直行便に乗るつもりではいるが、もしとれなかったら、今からだとクルーズ代は全額ペナルティで没収されるだろうし、シパダン仲間を誘ったのは私だし、どうしよう。
しかし、なんとしても行かなければ!という気持ちにもなってこない。CEへの愛が足りていないからだなあ。なのに9回目。
さて、私のゴールデン・ウィークはいかに???

ゾウと泳いだアンダマン おわり

2010-04-16 09:04:39 |  ダイビング
2010 年3月29日(月)。

オールという暴挙で、パヌニーヨット下船の朝を迎えた。

パヌニーヨットは、タイの船なので、積んであるビールはシンハだ。で、私はシンハがあまり好きではない。沖縄のオリオンにはじまり、シパダンでタイガー、フィリピンでサンミゲル、バリでビンタン、ラパスでコロナとサン、タヒチでヒナノ、ニユーカレでNo1、パラオでは日本では売ってない米国バドライトと、その土地、土地のビールと恋におちるのに。ビアチャンにいたっては、ほぼ飲めない。なので、日々、おつきあいでシンハを1カン、しかも氷を入れて飲む程度でヘルシーに過ごすはずだった。

ところが、今回はe-diveリピーター参加率が高いだけあって、持ち込みのお酒やお菓子が実に潤沢だったので、結局遠慮なく「いただきま~す!」…。下船前夜は、酒池酒林になれるほど、まだお酒が残っていたので、無駄にしないためにがんばってみた。がんばっているうちにしらんできた。

お酒を飲まない人も含め、一睡もしなかった人は3人。いまさら寝てもつらいでしょーと思っているうちに、パヌニーヨット粥が出る時間になった。



パヌニーヨットでは毎朝、お粥が出る。
朝のダイビングで体が冷えたあとにも、お酒のあとにも、ありがたいメニューだ。
食事はタイ料理がメインだが、食べやすい。
ただ、お粥とか、麺とか、主食部分の盛りは軽めだったので、がっつり系には足りないと思う。

パヌニーヨットのスタッフはみんなよく働く。
それに、ゲストに失礼な態度もないし、いつも私がボルネオで乗っているお船のやつらに、爪の垢をせんじて飲ませたいくらいだ。
船全体も、これまで乗ったクルーズの中では、いちばん使いやすかったように思う。
2部屋あるスイートをのぞいては、共同トイレ&シャワーなのが残念だが、メナドのミンピ号や、セレベス・エクスプローラーのような狭苦しいバスルームなら、むしろ部屋にないほうがましかも、と思える。
船内の階段も、ほかのクルーズとはちがい、広めな構造なので、のぼりおりがしやすい。
部屋も、気合の入ったカメラ野郎むけの部屋以外は、二段ベッドではなく、ツインなので、使いやすい。

さて、みんなパッキングや精算が落ち着くと、記念撮影タ~イムがあって、そして下船。

船を降りてまたチェンナイに飛ぶのかと思うと、憂うつになる。
チェンナイゆきのキングフィッシャー航空のポートブレア発は12時50分、チェンナイ着は14時45分。そして、一部、インド旅行を続けられる方をのぞいては、皆、またTGやSQで日本へ帰る。TGもSQも出発は深夜なので、夜まで時間をつぶさなければならない。そのため、スケジュールにはチェンナイ観光がくみこまれている。もともとチェンナイの観光に積極的ではないところにもってきて、徹夜あけにはつらい。自業自得だが。

午前10時頃、パヌニーヨットを下船し、炎天下、ディンギーでぎゅうぎゅうになりながら、港へ移動。港では、またパヌニーボーイズが裸足でコンクリの地面ぺったりなのに、あらためて驚く。そしてまた、エアコンのないバスが待っていた。

ポートブレア空港は、またまた大混雑で、エアコンもないところで、受託手荷物のセキュリティチェック行列、チェックイン行列、イミグレ行列、搭乗口のセキュリティチェック行列と、なかなかすすまないいらいらと疲労と暑さとでくらくらする。おまけに、ポートブレアの空港に着いた頃から、パヌニー乗船後はすっかりなりをひそめていたおなかに再度異変が・・・。先日同様、トイレにかけこむ必要はない。たぶん汚いことが予想される空港のトイレよりも、機内のトイレにしておこう、とコントロール可能なレベルだ。キングフィッシャーのベルト着用サインが消えるとともに、トイレへゆくと、またもぷちコレラ患者状態に陥っていた。

でも、しっかり機内食は食べる。もちろんミールはまたカレー。中5日あいてのカレー登板だ。いろんなスパイスがきいて、深~い味わいなのは、さすがインドだが、まだ食傷気味。あと、キングフィッシャーのコーヒーは、なかなかおいしかった。かわせみマークの、小さなミネラルウォーターボトルを2回もらえるのもうれしい。

チェンナイに到着し、「これから行く先々のトイレは、きついと思うので、空港で行っておいたほうがよい」というすすめもあり、トイレに行く。トイレに行けば、ぷちコレラ患者なので、トイレに行くこと自体が恐怖なのだが、あとで後悔するよりはよいかと、一応寄っておく。国際空港のくせに、備え付けのトイレットペーパーもない、水浸しのトイレ。ここでも十分きついトイレだ。こんなんで空港税なんてとらないでほしい。

そしてせまくるしいバスで観光スタート。車窓からの景色を見ても、東南アジアの町がゴミゴミした感じなだけで、なにも新鮮さを感じないので、眠る。バスが走っているあいだは、ほとんど寝ていた。ヒンドゥー寺院は、ヒンドゥー教徒のお祭りで入れないと言われつつも、みんなは降りていったが、入れないんならと、怠け者の私は、車内で半分眠ってた。

やがて、バスが止まると、ベージュのビーチだった。いったいどこまで歩いたら波打ち際?といった、広い砂浜。マリナビーチというのかな?



道路ぞいには、こんな屋台がいっぱい出ている。こちらは休業中だったが、7upファンなもんで・・・。



こうした屋台では、主にアイスクリームを売っている。ルピーの余っている方に、アイスクリームを買ってもらってたべる。おなかの中は、ごろんごろん言っているが、おかまいなく。おいしー。なんとなく心ひかれるパッケージのお顔。ちなみにキャラメル味。



このあたりは、スマトラ沖地震の津波で、大きな被害を受けたそうだ。沿岸の建物には、その爪痕が今も残っていた。ボロボロの家屋、地べたにつながって座ってる女性たち…と、スラム地域もあった。去年行ったバンダアチェは、あんなに復興めざましかったのに、ここはなぜこうも取り残されてしまっているのだろう。

こうして、起きたり眠ったりしながら、車窓からの景色をながめているうちに、サンセット。



さて、チェンナイ観光には、「チェンナイ市内インド料理店にてご夕食」というのが入っている。はぁー。しかし、こんどはちゃんとした料理店で、本格的で超おいしいインド料理が出てくるかも、と少しだけ期待してみたが、なんとまた、問題児チェッカーズホテルだった。脱力。

またも特別おいしくもないカレーを食べる。
ビールはキングフィッシャー・ビール。
キングフィッシャー航空は、このビール会社の傘下なんだそうだ。
デザートは、一部おいしいものもあった。
インド料理といえば、ナン、タンドリーチキンといったところだが、みかけない。
あとから知ったが、日本で食べるインド料理は、北インド料理がメインで、南インドとは少々おもむきが違うらしい。たしかに、ボンベイとか、インド&ネパール料理とか、北インド地方を思わせる名前の店がほとんどだ。

食後、このあともインドで旅を続けられる方々とお別れし、空港へ移動。SQのカウンターははがらがらで、さっさと手続き完了。空港の売店に、おいしそうなココナッツクッキーのパックがあったので、買おうかと思ったがルピーがない。国際線ターミナルのくせに、通貨はインドルピーとUSドルしか受けないそうだ。どこに行っても、日本円は通用するのに、インドはそうはいかなかった。ゲートで何名か集まると、ルピーの余った人の寄付でドリンクを買うことになった。しかし、ビールはノンアルコールでぬるく、ソフトドリンクもどれひとつ冷えちゃいなかった。そして、SQ組から出発。

旅行をしていると、だいたいいつも「もっとここにいたいよ。帰りたくないよ。」と思うものだが、まったく何の未練もなくインドを飛び立つ。

そして、ミールは、予想はしていたが、おいうちをかけるようにまたもカレー。



うぇっ、と思いながらも完食。ああ、もう二度とカレーはいらない。たぶん、この言葉を撤回する日がそう遠くない将来に来るとは思うが、立ち直るには少し時間がかかりそうだ。機内はガラガラで、食後は横になっておやすみなさい。そしてSQに乗ったとたん、おなかは正常に戻った。なんだったのだろう?もうこれは、想像コレラとしかいいようがない。

見慣れたチャンギのターミナル2に到着すると、名古屋や大阪方面へ帰るひとたちとお別れ。成田ゆきはターミナル3から出るが、ターミナル2のベンガワン・ソロのクッキー(安くて缶がしゃれていておいしいおすすめ品)と、行きに気になったAsian Diverを買ってからターミナル3に移動。ターミナル3をみてると空港にバクテを出す店があった。バクテ食べたい、がカレー攻撃の打撃は大きく無理。

残念なことに、シンガポール~成田は満席だったが、ひたすら窓に頭を押し付けたまま眠り続けた。食事で起こされ、フィッシュミールをしっかり食べた。Tigerも飲んだ。となりの多分アメリカ人は、張り切って和食をオーダーし、私だったらホークやスプーンで食べるものまで、ちまちまとお箸で、時間をかけてお召し上がりになっていた。あとは首が痛いと思いながら、トイレにたつこともなく眠り続けたので、あまり時間を感じずに成田に着いた。

地元に無事帰ると、桜がほぼ満開だった。これはなんだか得した気分。

これまでサンガラキ、ランカヤン、プラウ・ウェー、アンダマン諸島、マラブ(ニューカレドニアの北)と、人があまり潜っていないところに行こう、と辺境ねらいをするたびに、いまいちな結果で、ちょっと学習。モルディブにしても、オフシーズンに行って、「ちょっとこれまで潜ったことがないところを開拓してみましょう。」なんて行ってみると、まったくもってしょうもないポイントだったりする。手つかずの海イコール、ダイビングがおもしろいわけではない。

それにしても、シパダンのように、ディープから水面まで、マルチレベルで全深度で楽しめて、魚影も濃いというのは、稀有な環境だとしみじみ思う。

こうして、「花は桜木、海はシパダン」、と、しみじみ思うインド旅の終わりであった。


おしまい

アンダマン ゾウのあと(4) あとはジュゴンに会いたい!

2010-04-16 00:11:14 |  ダイビング
2010年3月28日(日)

最終日は、クルーズ中、比較的好評だったポイント、ミネルヴァ・レッジに戻ってまず1本。
ガイドは、きのうときょうは、日本人チコさん。気配りのできる、いい方だった。

あいにく、3日前とは違い、透明度は落ちていた。

あいかわらず、水底は、平凡な顔ぶれ。









Decoに注意して、早めに中層へ移動すると、バラクーダのしっかりとした群れが登場。
バラクーダは横長に広がる群れより、縦長に伸びる群れが好きだ。



しましまの連続はいつ見てもいいもんです。




2本めは、パイロット・リーフという浅めの砂地ポイント。
起伏にとぼしく、ひたすら砂地をはう。
何テンスかわからないが、テンス系幼魚がよく漂ってた。
下を向きがちなポイントであるが、チコさんがモビュラーさんx3を、みつけてくれた。



最終日は3ダイブのみで、ラストはラジャンさんの島近く。
ジュゴンも訪れることのあるという、期待のポイントだが、入ってみたらにごにご。
ジュゴンの食べるアマモもなく、入ってすぐ、ジュゴンなんて出るわけないな、と思った。
かつてサンゴが栄えていたようだが、ほぼ壊滅状態だ。
ジュゴンは、出たこともある、くらいの、レアレア既成事実なだけかもしれない。



透明度なし、見どころなしで、悲しいことに、最後がいちばん美しくないダイビングだった。

5日で19ダイブ。
おそらく、私にとって最初で最後であろうアンダマン諸島でのダイビングが終わった。

アンダマン ゾウのあと(3) バレン島

2010-04-15 00:12:03 |  ダイビング
2010年3月27日。

活火山の島、バレン島(BARREN ISLAND)。


1本目。黒い砂地のポイント。
黒い世界、長~いガーデンイール、さまざまなハナダイ、そしてナンヨウハギのこどもたちが印象的。
マンタも通過。




















2本目は、wall dive。



マンタ1枚。今回会ったマンタの中でいちばん近かったが、すぐに去っていった。







ここにもナンヨウハギのこどもたちがいっぱい。
みんなすぐサンゴの中に「伏せ」をしてしまう。





小さなサンゴたちががんばっているところもあるから、溶岩や火山灰がふりつもらなければ、いつかこのリーフが美しいさんご礁になる日も来るのかな。








3本めにして、黒い世界にはそろそろ飽きてきた。















パヌニーヨット。




4本めは3本めと同じ場所で。
ハナダイパラダイス。











きょうもエキジット近くなると、水中は暗い。
コンパクトデジカメの内蔵ストロボならでは?
みんな目がこわい。



浮上したら、蒼い世界に月こうこう。



頂上に溶岩赤々、という写真や映像も見たが、煙にかくれてそんなもんは見えない。
おまけにけむくさい。

バレン島、どこを潜っても、さまざまなハナダイが美しい。カシワハナダイ、ニラミハナダイに似たやつなどさまざま。コウリンハナダイは、うじゃっといる。実はジンベエが出たこともあるらしい。


つづく

アンダマン ゾウのあと(2) ナルコンダム

2010-04-15 00:09:01 |  ダイビング
2010年3月26日(金)

ナルコンダム島(Narcondam Island)という、ポートブレアから一番遠い島まわりで4本潜る。



ブリーフィングのたびごとに、ホワートボードにポイントマップを書いてくれるが、マップはもはや予想図。ポイント名もついていない。

この日のガイドは、10年前は、今はなきサンガラキのボルネオ・ダイバーズのDMだったというインドネシア人のプトゥさん。オラン・カリマンタンかと思ったらオラン・バリだそうだ。
きっとパヌニーヨットのデラワン・サンガラキクルーズ要員なのだろう。

1本目、エントリーしてずいぶん長い時間、不毛な砂地を泳いだ。



ただただ砂地で、サカナもほとんどいない場所だったので、エントリー場所をまちがえたのかと思ったら、マンタ狙いで、わざとそうしたんだそうだ。

砂地を泳ぎ続けると、やがてリーフがあらわれた。ちょうどその境目くらいでマンタが出てきたが、短い時間のことだった。リーフがはじまると、地形が起伏に富んでいておもしろく、リーフはさまざまなサンゴに覆われていてすばらしい。ただ、全体茶色っぽい。褐虫藻の色味が強いのか?










2本目は、ドロップオフ気味のところからエントリー。ウミウチワにさそわれて、-35mまで行ってみた。



こちらもリーフのソフトコーラル、ハードコーラルともにきれい。



水底の構成がバラエティにとんでいて、水面をみあげると、砕ける波がかっこよかったりする。





マンタと2回会うが、あっさりと去っていゆく。ナポレオンが1匹いて、こちらの様子を伺っていたが、警戒心が強く、寄せてはくれなかった。

3本目は、インド洋の普通種たちとのふれあい。インド洋のアケボノハゼはボディが黄色、ナンヨウハギは腹が黄色と黄ばんでいると認識していたが、ナンヨウハギには、黄ばみバージョンと、そうでないやつがいることを発見。



4本目。本日も後半は鳥目ダイブ。
タイマイ、ウミヘビなどをみておしまい。
プトゥさんは、慣れていない海にしては、がんばってよくいろいろなものを見せてくれた。











つづく

アンダマン ゾウのあと(1)

2010-04-14 07:51:47 |  ダイビング
2010年3月25日・その2

エレファント・スイムのあとは、通常のダイビング。

きょうのダイブマスターは、香取慎吾似のタイ人レック君。
笑うときに口元を手で押さえたり、手を降るときは必ず両手だったり、完全おネエキャラ。
愛想のよさはピカ一なので、水中ではあまり活躍できていなくても許せてしまう。

昼間はミネルヴァ・レッジ(Minerva Ledge)というポイントで2ダイブ。
アンダマン諸島クルーズは、まだまだ未知の部分が多く、ダイビングのポイントにヴァリエーションは少ないようだ。

きのうのFish Rockとはうってかわって、透明度がよく、心地よいダイビング。
白砂に、大きな根がどーんとあり、そのまわりに小さなロックや、たるさんご集落が点在している。
大きめのロックには、とさかやヤギがいっぱいついていて、カラフルだった。
こちらもリーフトップが深いので、水底or中層なダイビングになる。

砂地のアンダマンジョーフィッシュやオーロラパートナーゴビー、ロックから顔を出すマイダスギンポ、そこここにいるパウダーブルーなど、インド洋の小さな住人たちがいっぱい。
底の方では、ヨスジフエダイ、ヒメフエダイ、中層にむけてマダラタルミ、中層から浅場にむけてはギンガメの小群れやロウニンさん、バラクーダの小さなグループがいた。ロウニンアジは、けっこう絶え間なく泳いでくるが、パラパラとやってくるのが残念だ。束になってきてくれればうれしいのに。











めずらしい生き物はいないが、水温も適温、明るい海で快適な2本。
DECOに注意が必要だけれど。


16時半スタートの3本目は、名まえもついていないポイント。
いつもはディンギーからエントリー&エキジットするが、こちらは母船から。
またまた鳥目になると、ダイブマスターが、小さなオクトパスと、おネエのレックが見なれないギンポを教えてくれた。
きょうもExitは暗くなってから。

ゾウと泳げてすべてよし、な感じの1日だった。

つづく

ゾウと泳ぐ!アンダマン  ラジャンさん

2010-04-13 22:04:46 |  ダイビング
2010年3月25日(木)・その1

ここがインド領であることを忘れさせる、美しい島、ハブロック・アイランド。
このビーチで、本日の、というより、この旅のメ~ンエベント、エレファント・スイムだ。
ゾウの名まえは、ラジャンさんという。もうすぐ還暦の59歳。

クリアで穏やかな海だが、波打ち際近くでは、小ぶりな波がブレイクしているので、水面で待機していると、けっこう波に翻弄される。

やってくるラジャンさんとゾウ使い。



エントリー。



まずは着底、鼻を水面に出して、息を吸って~!?



泳ぐ。



息継ぎをしながら泳ぐ。



笑っているようにみえる。



まだまだ泳ぐ。







ゾウ掻きの足。



スイミングタイムしゅうりょー!!着底とともに、すごい煙幕。


エキジット。



さよなら、ラジャンさん。
「ぐっじょ~ぶ!」とでも言っていそうなパープルシャツが、オーナーか?



と思ったら、戻ってきて再エントリー。



「邪魔だよ…。」私だけでなく、ラジャンさんもそう思ったかも?



みんなの画像映像にうつりまくった、パヌニーヨットの社長・ジャックリン。

黒目がちに泳ぐラジャンさん!? ゾウ使いの直立姿勢がうける。



浅くなって…



これでおしまい。



こんどこそさよなら、ラジャンさん。



ラジャンさんは、もとは木材を運ぶ労働ゾウだったそうだ。
いまでは完全なツーリスト・アトラクションだが、泳ぐゾウは圧巻。

と、楽しかったエレファント・スウィムなのだが、これにいたるまでには紆余曲折が・・・。

当初、エレファント・スイムは、ダイビング最終日3月28日に予定されていて、エージェントを通して段取りされていたらしいが、なんでもナショナル・ジオグラフィックの取材が入り、そっちに予約をまわしちゃったらしい。ありえない。そりゃ、ナショジだもの、長いものには巻かれたい気持ちはわかるけど、けしからん。そして、われわれのエレファント・スイムは、クルーズのルートを変えてまで、3月25日にスケジュールしなおされたわけだが、オーナー側は、そんなに頻繁にはゾウを泳がせられないとか、なかなか話がまとまらなかったようだ。しかも、最初はひとりUS50ドルと聞いていたのが、US125ドルに高騰。ムキーッ!おまけに、ゾウは泳がないかも、という予防線つき。生き物だから、泳がなければ悲しいが、それはいたしかたない。でも、いくらなんでも倍以上の値上がりはないでしょ!?と思うが、それでもひと目、ゾウが泳ぐ姿を見たい、という人々の心理を巧みに利用して悪質だ。

また、一度にゾウと泳げるのは10名、という決め事もあるらしく、クルーズ参加者全員が泳げない危機もあったようだが、2回に分けて行くことになった。値段も最初はもっと高いことを言っていたらしい。e-diveと主催者の間にたったエージェントが使えなかったらしく、直接ラジャンのオーナーと交渉の結果、3月25日のスイミングが実現したのも、値段が125ドルで落ち着いたのも、e-diveスタッフと、カメラマン・越智さんが頑張った、血と汗ではなく、ひたすら汗と汗の結晶なのだ。だって、当日の朝、島へ対話にいった越智さんの汗だくぶりは、すさまじかったもの。

多くのひとびとが、エレファント・スイムを楽しみにしてきていたが、中には当初から「ゾウと泳いでどーする?」と、このごたごた発生前からパスする気まんまんの、自分をしっかり持った方たちもいらして、彼らはあっさりパス。私は75ドルの値上げはしゃくだが、今後この海に来ることはないだろうから、きっとこれがゾウと泳ぐ最初で最後のチャンス。それに、ラジャンさんが亡くなったら、泳ぐ跡継ぎはいないそうだ。行っとけばよかった、と思うよりも、行っとこう。パスした4名分のポストは、「2度行きたい、125ドル×2回払うぞ~」という裕福な人たちがとってかわった。

ところでラジャンさんは、1回目は泳いでも、2回目はもうやだ、になるかもしれないし、逆もありかもしれない。でも、なんとなく2回目のほうが分は悪そうだ。が、すったもんだしたくじ引きの結果、私がひいたのは2回目。スイミング時間も、ラジャンさんしだい。泳がなくてもビーチにむかったら45ドル、海にふみこんだら全額とか、不条理な条件てんこもりだったが、ラジャンさんは、1回目も2回目もしっかり泳いだ。2回目にいたってはアンコールスイムまでしてくれた。終わりよければすべてよし…

~~~余談~~~
帰ってきてから知ったこと。

ラジャンさんについては、ハブロックアイランドのBarefoot Scubaというダイビング・サービスからのリンクに詳しく書かれている。

価格高騰ぶりに、エレファント・スイムは、言い値?時価?と思えたので、いったい、ふつうはどのくらいの金額がかかるのだろうかとググルって見た。すると、Rajan-The diving elephantで公示価格はなんと、ダイビング10900ルピー也。シュノーケルでも9900ルピー。ちなみに1ルピー約2.28円だから、悪質に値上げというよりは、もともとが法外に高いのだ。ラジャンさんのオーナーは、もともとリッチらしいか、ますます豪華なラジャン御殿がたつにちがいない。

このラジャンさん、「落下の王国」という映画に出演したことがあるそうで、webではセレブ象扱いされていた。セレブだけあって、みんなの気をもませたり、アンコールスイムしたり、さすが見せ方知ってるね!?映画でのスイミングシーンは、You Tubeで、"the fall elephant"というキーワードから検索することができる。でも、映画より、われわれのときのほうが、水はきれいだった。

ラジャンさんの数奇な半生(おおげさ)については、Who is Rajanで知ることができる。また、ラジャンさんに関するFAQまであって、そこには、Why is it so expensive?なんてのもある。もっともらしいAnswerが書いてあるが、もちろん納得はいってない。

Barefoot Scubaのキャッチコピー、once in a lifetime experienceは、言いえて妙だ。

つづく

ゾウと泳ぎにアンダマン(5) やっとダイビング Passage Island

2010-04-13 08:17:21 |  ダイビング
2010年3月24日(水)

日本出発後3日めにして、やっと来の目的であるダイビング!
アンダマン諸島での1本目は、パッセージ島周辺のFish Rockというポイントだ。



魚影が濃さそうなひびきで、期待大。

が、エントリーしてみたら、「なんじゃこりゃ?」な緑の海でテンションが下がる。しかも、ロックは、ナンヨウキエダサンゴがまばらについている程度の不毛系。


さらに、茶色い巨岩ゴロゴロな水底は、色合いも地味だ。

Fish Rockの名のとおり、魚影は濃い。エヴァンス、クマザサハナムロにつっこむカスミアジ、ハタタテダイ、ヨスジフエダイなど、いろいろ群れてはいるが、普通種のオンパレードでおもしろみがないのと、なにより透明度の悪さで損をしている。あとは、タイマイ、バラクーダたち(シパダン育ちとしては、群れとはいえない)、タテキンyg、タマカイといった、タンクを1回カン、ダイビングベルならベルを一振りシャン程度ですむマリンライフだった。







ダイブマスターは、パヌニーヨットからの日本人ガイドだが、アゲインストもおかまいなしに、泳ぐ、泳ぐ。前に進むことしかしてくれない。そしてめったに止まらない。数少ないストップ時に教えてくれたのはサザナミヤッコとクダゴンベ。自分で見えてる。だから、私たちも、常時流れにさからって泳ぎっぱなしで、ジョギングのようなダイビングがだらだら続く。ブリーフィングで「はぐれたら負けと思ってください」と、やや大げさに言われていたので、人情としてはぐれたくはなく、あとについて泳がざるを得ない。確かに、変な場所で浮上して流されたら、誰もみつけてくれなさそうな海域だ。アベレージが深いダイビングで泳ぎ続けるものだから、浮上する頃には残圧10。私だけではなく、みんなもRED ZONEや、もうない!って状態に陥った。みんなエキジット後、ブーブー言っていたが、ダイブマスターは、そんなことはどこ吹く風。彼的には、なんしても1週したかった根を1週できたとご満悦だったようだ。完璧KY。

2本目もFish Rock。1本目で、根を1週した私たちにしてみれば、「え~!?また?」といった気持ちだ。みんな「1本目のようには泳ぎたくない」趣旨を、笑顔でDMに伝えるが、結局、2本目も、ジョギングダイダイブ。DMの意図は、どうもポイントマップ作成にあるようだが、であれば、私たちは人柱。これだけ魚影は濃いのだから、さがせばきっとマクロ系もいろいろなものがいそうだが、それもままならない。ツムブリの群れがやってきたくらいで、前のダイビングとあまり変わらない。ロックには、モンツキカエルウオがいたが、ロック上はうねりが強く、あーれーと、バランスをとろうとしているうちに、さっさとモンちゃんは引っ込むのだった。

気をとりなおして3本目、と思ったら、またもFish Rock。衝撃。
シパダンのバラクーダ・ポイントとか、パラオのブルーコーナーのように、1日3本潜っても楽しめるポイントとは違うぞ。
とどのつまり、パッセージ島まわりには、ここくらいしか、ポイントが確立されていないようだ。
ディンギーからバックロールで入ると、何もないところだった。そのあとまばらなバラクーダの群れが出てきたが、根に近づくにつれ、海は 緑色。緑色の水底にも、またウメイロモドキ。そして、3本目にして、この日、いちばん水深が深いダイビング。だめじゃん。30m以深を、けっこう長きにわたってさまよい、空気を選んだ私には、窒素がたまるだけの不毛ダイビング。
パヌニーヨットでは、Nitroxが主流だが、こうしたアベレージが深いダイビングにはNitroxでないと潜りにくい。私たちだけ、他のチームとは違う場所で潜っていたようで、どうやら、変な場所に降りてしまったようだが、DM的には、ポイントマップがのびたとご満悦。





4本目もFish Rockで潜る方向だったようだが、みんながネガティブだったことで、Sister Islandというところに移動した。エントリーした場所だけ、ハードコーラルがきれいだったが、その後は、砂地にところどころロックや、地味目のサンゴが点在するポイントで、後半は鳥目にもなり、よく見えなかった。Lonely Planetによれば、アンダマン諸島は、インド本土から1000キロ以上離れているのに、インド本土と同じタイムゾーンを採用しているので、午前4時には夜が明けて、午後5時には日が暮れるのだという。16時半スタートで、Exitしたときには、もう日が暮れていた。





手つかずの、健康な海だけれど、なんだか残念な初日だった。

ゾウと泳ぎにアンダマン(4) ポートブレア

2010-04-13 07:51:18 |  旅行
2010年3月23日。

朝、5時45分頃、強烈なモーニングコールのベル音で起きる。
心臓に悪いくらいの大音響。
カーテンを開けると、鉛色の空にさえない景色で気持ちがよどむ。ドバトまで飛んできた。



部屋のトイレは流れないので、さっさとロビーに降りる。トイレに行けば、昨晩同様、おなかがおかしい。歯みがきも、今回はぬかりなくミネラルウォーターでしたし、おなかをこわすいわれはない。それに、細菌性のときは、特有のしくしく~という痛みをともなうはずだが、それもない。常時おなかはごろごろいっているが、トイレにかけこむ必要もなく、変なの。

おなかはすいていないし、朝食はパスしようかな、と迷うが、先に食事をとった方に、「おいしくないけど、料金に含まれてるから食べときなさい」とすすめられ、ホテルのレストランで、インドな朝食。バフェ形式なので、インド料理ずきとしては、あれこれとってみるが、どれもさめかかっているし、味に中心がなく、おいしくない。唯一、ひよこ豆のカレーはなかなか味がよかったが、ぬるいのだ。食後にコーヒーをたのんだが、ウェイターはOKと言ったものの、とうとう持ってこないうちに、ホテルを出る時間になった。また、朝になってわかったが、クレームしたかしないかは別として、誰ひとりシャワーとトイレが満足に使えた部屋は、なかったようだ。

ポートブレアへ
アンダマン諸島クルーズは、ポートブレアから出航する。チェンナイからポートブレアは、キングフィッシャー・エアラインというインドの会社で飛ぶ。(キングフィッシャーは、お金持ちの会社である。)さんざんだったチェッカーズホテルから、チェンナイ空港に移動すると、空港はまたも大混雑だった。



かわせみ航空の名前のとおり、ロゴはかわせみ。グループチェックインなので、ぼーっとあとについていくだけだ。ここでは機内持ち込み手荷物には、必ずネームタッグをつける必要があるらしい。セキュリティ・チェックは、荷物によってはけっこうしつこくチェックされるが、そのわりに、携帯を別にスクリーンすることはなく、わざわざ別にトレーに置こうとしたら、バッグに入れて、と言われた。手荷物のタッグには、スクリーンずみのスタンプが押される。このためにタッグをつける仕組みらしい。また、ボディ・チェックは、女性はパーテーションで仕切られた中で行われる。ふつうは脱ぐわけでもないのに。私の前にいた年配のインド人女性は、どうみてもよさそうな人だったが、ペットボトルを持ち込もうとしていた。女性ボディチェック担当が彼女に、毒見するよう指示し、一口飲んだら、「それじゃ足りない、もっと飲め」と、結局、半分以上飲ませていた…。そこまでいくと、安全重視というよりは、ちょっと意地悪?

ベルト着用のサインが消えると、すぐに機内食が出てきた。なんだか丸い、炭水化物のパテが2枚入ったカレー。炭水化物は、豆をマッシュしたのか、ポテトをマッシュしたのか、わからない。「ぬるいね。」なんて言いながら、3分の1ほど食べたところで、クルーの男性が来て、「よく温まってないようでしたらおとりかえします」と言って、取り替えていった。ホテルの朝食からまだ時間があまりたっていないし食べすぎだ。夕べのラクサからカレー続きで、カレーに嫌気がさしてきた。チェッカーズホテルの水まわり騒動もあり、睡眠不足だったが、機内誌を読んですごす。インドの俳優や女優の記事ばかりで、機内誌っぽくない。彼らが有名なのかそうでもないのかも知らないが、美形がいっぱいいるもんだ。通路側だったので、窓の外の状態はまったくわからないまま、2時間ほどでポートブレアに到着。



どうやって読むんでしょう?



ポートブレア
チェンナイで、インドの入国スタンプをもらっているが、ポートブレアでは、アンダマン諸島にエントリーするためのパーミットを取得しなくてはならない。まず、A4サイズの紙に入国カードと似たような質問事項があるので記入し、係員から記入漏れがないかチェックを受けたうえで、イミグレーションにすすむ。チェックの時点でおそろしく時間がかかり、いらいらいらいら。日本のビザ取得からして、ペーパーワークが多すぎだ。こうしてまたパスポートにまたひとつスタンプが増える。

外に出ると、e-dive様用バスが着いていた。エアコンはないし、皆のダイビング器材をつんで、いっぱいいっぱい。夕方、パヌニーヨット乗船までの間は、このバスで観光だ。先に港にたちより、荷物だけおろして観光スタート。パヌニーから荷物をピックアップに来たクルー男子たちは、焼けているはずであろうコンクリの地面を、平気で裸足でペタペタ歩いている。すごい。できることなら、私も荷物と一緒にパヌニーに送ってほしい、と思いながらいやいや観光に参加。バスは小さいしエアコンもない。

ポートブレアの景色は、東南アジアのいなかのような感じだ。









ヒンドゥー教寺院の前でだけ、バスはちょっと停止。窓越し、かつ反対側の席なので、じっくり見られなかった。他には、日本軍占領時代の遺物である防空壕などがあった。どこも下車はないまま、海辺のホテルでランチタイムとなった。多くのメンバーはビールだ、ビールだ・・・とさっそくビールで乾杯。日が高いうちに飲むビールというのは、ひときわおいしいものだが、なんか、味がいまいち。そしてもちろんまたカレー。バフェにはほうれん草カレー、豆カレー、チャパティと、本来なら好物満載だけど、カレー4連弾で、完全にカレーには飽きた。アイスクリームのデザートもあった。

ランチ後、申し訳程度にビーチを散策。



その後、観光で唯一の入場は独房監獄見学。
英国によって建てられたこの監獄には、インド独立のために戦った、主に政治犯が収監され、拷問にあったり、処刑されたりしたという、この世の地獄だった場所だ。ロンリープラネットによれば、一見の価値ある場所だそうだが、せっかくのホリデーはノー天気に何も考えずにすごしたい私には、この見学は、ありがた迷惑だった。でも、いいこともあった。独房監獄の前の公園で飲んだチャイは、最高においしかった。さすがインド!

こうしてやっと、待望のパヌニーヨットに乗るときが来た。ところで、謎のおなかごろごろ状態は、前の晩から改善していなかったが、パヌニーに乗ったとたん、正常に戻った。これって精神的なもの?

つづく



ゾウと泳ぎにアンダマン(3) チェンナイの一夜

2010-04-13 00:53:54 |  ダイビング
2010年3月22日。深夜。

今回のツアーは、チェンナイ集合で、SQやTGで来る人々が主流だ。
いちばん早いSQ便が22時、遅いTG便が23時の到着だ。
今回のツアーでは異端なTiger Airwaysも、定刻に着き、安物買いの銭失いにならずにすんだ。

さあ、あとはe-diveのスタッフと、ツアーのご一行様と出会い、ホテルで寝るだけだ。

このクルーズには、2組ばかり知人友人が乗ることになっていて、チェンナイで再会予定だった。e-diveからの指示では、外に出ないで待つように、ということだったが、税関を出たところは、細長い通路で、待てるような場所もないし、ダイバーらしい人もなかなかみつからない。

この通路と外とはガラスで隔てられているが、ガラスのむこうは、昔のデンパサール空港の出口を彷彿させる人垣だ。きょろきょろすると、税関出口横の待合室みたいなところで、昨年、セレベス・エクスプローラーで知り合った一組めを発見。私もそちらに移動することにした。待合室に入ろうとすると、入り口のお兄さんが「チケット」と言って手を出すので、てっきり航空券かと思った私は、「到着だから、チケットはないの。」と答えるが、また「チケット」といわれ、「チケットなんてないの。あそこに座っている2人に会いに行くだけだから、入れてもらえない?」と言ったら、あっさり入れてくれた。どうもかみあわないと思ったら、その待合室はベンチがあるだけなのに有料だったらしい。ちゃっかり無料で入り、バンコクから着く人々を待った。待合室にいたふたりから、「両替なら中の銀行はレートが悪いから、近づいてくるヤミ両替商の方がよいよ」とアドバイスされた。「ヤミは大丈夫?」とたずねたら、待合室に入る代金(私は無賃入場)も払えたし、ミネラル・ウォーターも買えたから大丈夫と言われた。ヤミ両替商のお金は通用したが、人によってレートが異なり、やはりヤミやヤミだ。

一番最後のTG便が到着し、別の友人にも無事再会し、はじめましてなe-diveスタッフにあいさつもし、全員がそろった。ところが、さっそくホテルへの送迎と出会えず、しばらく待ちぼうけ。空港敷地内には、ファミリーで床にべったりすわっているインド人の一家とか、なんのために空港にいるのか理解不可な人々が多い。翌朝のフライトはけっこう早いはずなのに、時間はどんどん過ぎてゆく。かなりのロスタイムののち、送迎がみつかり、バスへ移動。ふつう、送迎担当やドライバーが、みんなの荷物はこびを手伝うが、そんな動きはみじんもない。空港まわりは、ゴミがほうぼうに散らばっていて、こきたなかった。バスもぼろ。バスから、夜中のチェンナイの町を、インドなんだな、と思いながら、ただぼんやりとながめていた。

ホテルの名まえは、「チェッカーズホテル」という。
いかにも中級ホテルといったイメージだが、バスが着いたからといって、ベルボーイが走ってきて、荷物を手伝う、なんて動作はない。約20名のグループチェックインが終わるまで、ソファーで朦朧としながら待っていると、謎のウェルカムドリンクが。バリウムのようだという説もあったが、私は、こどもの頃、近所の小児科でもらった風邪薬のシロップを思い出した・・・。

チェックインで部屋が決まると、703とか、そんな数字の部屋。しかし、なぜだか館内シースルーのエレベータは、8を押さないと、7からはじまるお部屋のフロアではない。英国式のG、1、2…という数え方とも違う。インドって変。

部屋は小さいが、1泊だったらじゅうぶん許せる、と思える感じだった。
が、シャワーを浴びれば、冷水。
おまけに同室の人が、トイレが流れないと言い出す始末。
スーツケースを届けにきたベルボーイに、トイレが流れないから、メンテナンスを呼ぶように言うが、「お客様の荷物を全部届け終えたら、自分が5分で直します」と言う。そして去っていったきり。
おまけに、部屋の入り口のところには、到着時にはなかった謎の水溜りができていた。
見上げると、天井の板がはずされて、配管が見えていた。おそらく、なにか修復途中でそのまま放置したのだろう。そのうち、私のおなかがごろっとしてきたので、ロビーのトイレに行きがてら、苦情も言おうと思って下におりた。トイレの場所をたずねるためにレセプションに行くと、先客が3組様。みな、トイレ流れないとか、シャワーの水すら出ないということだった。中には、部屋を2度変えてもらっても、改善なし、って人もいたそうで、結局、水は出ないホテルってことだった。おなかは切羽詰まっていなかったので、トイレだけでも流すようにしてと言ったら、かわりの部屋を探すという。いまさら移動はめんどうくさいから流せというが、ダメ。誰に対しても、まったく対応がなっちゃいない。とりあえず、埒があかないので、トイレだけ行って、部屋に戻って寝ることにした。
ちなみに、おなかはしっかりくだった。ついたばかりなのに・・・。