中秋名月・・・。
今時期、KKの町を歩いていると、Mooncake=月餅が、ショッピングセンターや中華系の
お店に並ぶ。
本来月餅は、脂っこいので、あまり好きではないが、プロムネードホテルで売られている
ココナッツの月餅はおいしい。人気があるようで、売り切れがちである。
普通の焼いたタイプのものと、要冷蔵なクリスタルの2種類がある。写真はクリスタル。
真っ白なクリスタルは外の皮がもちもちしていて、
ひんやりした食感。ひとつ9リンギット、約270円。
どちらも中にはココナッツフレークがびっしり、1個
完食すると、ずっしりで、あとの食事にさわるので、
何人かでシェアして食べるのがおすすめ。KKの
食べ物はおいしいが、9月は、さらにいろいろおい
しい。年ごとにズレはあるが、9月は、ランブータン
や、ドリアンの季節で、フルーツもいいし、ムーン
ケーキもある。シパダンも、(今年はダメだったけ
れど、)ハンマーの群れを高確率で見ている月。
バリのマンボウを見たいけれど、9月はシパダンでのダイビング、KKでの食と、二度
おいしく、毎年、遅い夏休みは、結局シパダンから脱却できなくなってしまうのだった。
けさセレベス・エクスプローラーをおりて、KKに戻ってきた。
5日間のクルーズ生活、シャワーは真水が出るが(なんとトイレの水も真水というもったいない話)、
なによりも節水第一だから、思うように洗濯もできず、着ているものにはなんとなくじっとり感が・・・。
それに、セレベス・エクスプローラーが停泊していたマブールからセンポルナへのボート移動で、
強い日差しと潮を浴び、さらにセンポルナからタワウ空港までは、タクシーで移動したが、シートが
しみだらけでとても汚れていた。とにかく早くすっきりしたくて、KKのホテルに荷物を置くと、即、スパ
に行くことにした。
きょうは、KK郊外のルヤンにある「ネオバユ・スパ、
(D’Bor Neobayu Spa)」をえらんだ。KKの町中の
ショッピング・センターにも、たくさんのスパがあり、
よくチラシ片手に客引きをしているが、スクラブの
内容を尋ねると、たいていはソルトスクラブ、コーヒー
スクラブといった加工品が主流で、天然の植物を
そのまま使っているところはまずない。また、大型
リゾートホテルのスパ、たとえば、マジュラン・ステラ・ハーバー・リゾートにあるマンダラ・スパ
などは、もちろん質は良いが、チェーンだからありふれているし、同様のメニューであっても、
個人経営のスパよりはるかに高い。ネオバユ・スパは、ホテルの部屋にあった、サバ州政府
観光局が毎月発行している、「Sabah」という雑誌で見つけた。小さな宣伝の中には、天然の
レモングラスや、ジンジャーなどの写真が写っていたので、よさそうに見えた。
ネオバユ・スパのメインのトリートメントは、「トラディショナル・マッサージ」だそうだ。オイルは、
レモングラス、ジンジャー、ラベンダー、ココナッツヴァージンオイルから選べる。マッサージは
60分95リンギットと、90分140リンギットから選べる。他には、フット・セラピーとスパがある。
スパは、「Sogumau Spa (Lemongrass)」「Hazo Spa (Ginger)」「Relaxing Spa」
「Whitening Spa」「Lulur Spa」「Neobayu Unwind Spa」がある。
価格は350リンギット~380リンギット+5%のTAXがかかるが、マッサージオイルとスクラブ
の素材が異なるだけで、コースの内容自体は同じである。
ジンジャーにしたかったが、今回は、ジンジャーオイルが品切れということで断念。
しばらく悩んだあと、ソグマウスパに決めた。
レセプションでのジンジャードリンクのサービスのあと、セラピストさんと顔合わせ。どのスパ
に行っても思うが、セラピストさんの多くは、小柄で小太りで、フレンドリーなスマイルで、
ちびまるこちゃんのお母さんのようなパーマ頭だ。
さて、スパのスタートはボディスクラブから。
レモングラスのスクラブで、スクラブの時間は、他のスパより長かった。スクラブ終了後に
シャワーを浴びると、15分ほどサウナ。
サウナは低温なので、たいして汗ばみもしない。ただ、一人用のご家庭用サウナといった
程度のもので、首だけ出して座っているタイプ。首と背中と腰の位置が、不自然な体制で、
あまりリラックスできなかった。
サウナ後、りんごのおやつがあり、もう一度シャワーを浴びてからマッサージ。ここでは、
ローカルのカダザン族伝統のマッサージが施され、他のKKのスパや、アジアのリゾート
でのマッサージとは、手法がやや違っていた。このマッサージはとても心地よい。
そしてラストがボディマスク。ハケで塗られるマスクが冷たく、ちょっと寒かったことを除けば、
肌の手触りが明らかになめらかになって、よかった。日焼け後のトリートメントには、大いに
効果があったと思う。マスクを洗い流すと、コース終了。
料金は、5パーセントの税金込みで合計378リンギット、今のレートで13000円くらいだ。
スクラブがていねいだったことと、カダザン式マッサージは、とても気に入った。サウナは
どちらかというと、いらない感じはしている。
帰り際、スパのコンサルタントの女性が出てきたが、彼女は元ダイビングインストラクターで、
私がシパダンにダイビングに行ったと話したら、大変好意的だった。彼女いわく、ダイビング
後には、「ルルールがおすすめよ。でも、ルルールの香りが好きでないとダメなの」とのこと。
前に書いた、ピナンパンのカンダマン・スパ、タンジュンアルのジャリ・ジャリ・スパに加えて、
KKに来たら、また寄りたいスパだ。
ネオバユ・スパは、通りに面したWismaHCSという小さなビルにあるが、見つけにくい。
予約の際に、スパからは、タクシーのドライバーに、「ルヤン・サトゥ、レストランエープロンと
エンペラーの近く」と伝えればわかる、と言われたが、ルヤン・サトゥにはいとも簡単に到達
しても、ビル自体が無名のようで、かなり迷走した。スパの裏手にある、隣のビルには、
「リンタス・スーパーマーケット」というスーパーがあり、タクシーのおっちゃんには、このスー
パーの名前を言った方がよほどピンと来るようだった。
KKのホテルまでならば、前もって予約をしておけば、無料で送迎をしてくれるので、スパの
送迎を使った方がよい。
火曜日。私にとっては、早くも最終日。
きょうのスケジュールもシパダン4本。
朝から揺れが大きく、船に弱い人たちには、つらそうだった。
1本目・・・シパダン、バラクーダポイント。
今朝も壁から離れ、深度30メートルを漂い、気合をいれてハンマーヘッドを探すが不発。濁り具合
からは期待できそうな気配はあるのに。後半は、ハダカハオコゼ探しに燃えるが、自分で見つけた
個体は、すべて茶色版。ハダカハオコゼは、肉眼で見ると、目がダイヤモンドのようにキラキラして
いるが、写真だとその美しさが伝わらない。赤目軽減もトライしたが、予想どおり効果なし。
いつものようにコーラルガーデンでエキジットし、母船に戻ると、フランス人のおばあさんが、仁王立
ちになって待ち構えていた。ボートから降りるや否や、おばあは、「What did you see?」と聞くの
で、「Nothing special」と答えたら、「We saw a whaleshark!」だと。「Whaaat???」
ちょうど今朝、おばあがやって来て、「あなたたちは、みんなカメラを持っているけど、私も買った方
がよいかしら?でも、カメラを持って、カメラばかりに気に取られるのもいやなの。だけど、私はウミ
ウシが大好きで、ひとつひとつを忘れないように、写真に残してもおきたいの。」、とご自身でお決め
になるしかないですよ、的なことを聞きにきていた。そのとき彼女は、「私、今年の6月には、メキシ
コのホルボッシュでジンベイを一度に15も見たんだけど、そういうシーンも残しておきたいの。」とも
話していたので、この人は今、ジンベイ運が最高潮なんだろーな。しかし、日本人ボートも白人ボー
トも同じ時間帯に、同じポイントに潜って、この運の差。負け組な気持ち。それにしても、白人のダイ
バーさんたち、このおばあ以外、テンションあげている人はおらず、うれしそうな顔もしていなかった。
ダイブマスターのトムが、証拠写真だと言って、彼らのデジカメを持ってきたが、わずか3、4カット
だけ。COOLな人たちだ。というか、全員、ピン参加のようだが、みんな水面休息中は、談笑するで
もなく、常時いかめしい顔をしていている。感情が表にでない欧米人たちというのもレアだと思うが。
2本目・・・シパダン、サウス・ポイント。
こちらもグレーリーフシャークがちょろっといた程度。でも、悪くない。
3本目・・・シパダン、バラクーダ・ポイント。
最終日だから、好きなところへ、と言われ、迷わずリクエスト。今回は、マクロ系のウォッチングを
満喫。アケボノハゼ密度は、本当に高い。
ハダカハオコゼはピンク1と茶色を3つ発見。
4本目・・・シパダン、ドロップ・オフ。
旧ボルネオ・ダイバーズ前のJETTYから潜りたいと行ったが、「遠い」という、よくわからない理由で、
タートル・カバーンの真上からのエントリーとなった。まさに昨年、作業船が座礁したという場所であ
るが、エントリーポイントからリーフエッジを眺めた限りでは、傷あとはあまり見受けられなかった。
みんながどんどん潜降していくところ、ゆっくり浅瀬を見ているわけにもいかず、詳細のチェックは
できなかったけれど。タートル・トムまで行くと、今日もギンガメの大群が渦巻いていた。
見上げればギンガメ。
正面からもやって来る。
見下ろせば、またギンガメ。
今日は、朝からいろんなものが群れている。
いつものハタタテダイ、ヤマブキスズメダイ、ツバメウオやマダラタルミ、ハギなどなど。
モヨウフグも、群れはしないが、複数漂っていた。
安全停止のときに足元に現れたウメイロモドキもきれいだった。
特別な出物はなかったが、good diveだった。
一番最後に浮上し、ボートに戻ると、まだ明日以降もある他のゲストたちが、「ジェリー、どうもあり
がとぉ~。とても楽しかった~」と、まるでラストダイブかのような勢いで、ダイブマスターにお礼を言
っていた。
たとえ、ジンベイを見逃しても、特に大物、レアものに出遭わなくても、こんなにもみんながHappy
に思える、シパダンだった。
シパダンでの4ダイブ後、母船はマブールに戻るが、明日のフライトに備え、さすがにサンセットの
5本目は自粛。
ディナー後、トムを中心に歌う夕べとなり、シパダン・ソングをひさびさに歌った。
ディナータイム、ボートは大きく揺れ、船酔いで撃沈ぎみの人も出たが、最終的には、皆、回復、
日本人チームは全員で、泡盛と焼酎の夜となった。
月曜日。
今日も午前7時すぎに1本目をスタートし、午前中3本、午後1本シパダンに潜って
マブールに戻るスケジュール。
1本め・・・シパダン、バラクーダポイント。
透明度はだいぶ回復してきた。
エントリーして15分ほど、壁から離れてハンマーヘッドを探すが出遭えず。
途中でバラクーダの群れが出たが、密度はスカスカだった。
2本め・・・シパダン、スタッグホーンクレスト。
特に珍しい魚も、大物も見なかったけれど、ポイント名にもなっている、スタッグホーンコーラル
が見事。
3本め・・・シパダン、ドロップオフ。
といっても、今回もタートル・トムからエントリー。
まずは、オーバーハングのところに棲んでいるオドリハゼにはまる。
オドリハゼ宅の敷地を出ると、グレーリーフシャークがゆうゆうと泳いで来た。
バラクーダの群れが、深いところを泳いでいくのもみえた。
ダイビングの後半、リーフ上に上がると、カンムリブダイが、こんな日の高い時間帯にドロップオフ
にいた。連続フン攻撃で、目の前が、真っ白になった。
ほかには、水面近くを大きなロウニンアジが5匹でぐるぐるしてた。
4本め・・・シパダン、ウェストリッジ。
流れがずっと一方向で、ひたすらドロップ方面にむかってのダイビング。
そういえば、今回は、カレントチェンジはバラクーダポイントくらいでしか起こっていない。
ナポレオンフィッシュ、黄色いハダカハオコゼ、アカククリの群れ。
ここでも、カンムリブダイが一かたまり登場、サンゴをゴリゴリ食べていた。
浅瀬は、さまざまなサンゴに覆われ、キンギョハナダイやデバスズメダイが舞い、美しい。
5本め・・・マブール、パラダイスリーフ。
マブールに戻って、今日もサンセット・ダイビング。
今日は、SMART寄りでエントリーして、途中、あまり珍しくないこんなやつらを見ながら・・・
結局は、ニシキテグリ&ホムラハゼコーナーへ。
ニシキテグリは、ほんとにぼろぼろころがってるし、ホムラハゼにも、みたび再会。
あさっての午後には、フライトだから、サンセットは今日で最後。
パラダイス・リーフの生き物たち、次に来るときまで元気でいてね。
日曜日。
昨晩からセレベス・エクスプローラーは、センポルナに停泊中。
7時半に、「Breakfast!」と呼ばれてダイニングにあがると、スパニッシュチームも、嵐を呼ぶ
フランス人男性も、もういなくなっていた。船上には、きのうのDECO22分のフランス人と、イギ
リス人のおじさん2人だけが残っていた。
以前、日曜日は「シブアン」というサイトに行く日と聞いていたので、「今日は初シブアン♪」と、ち
ょっと楽しみにしていたのに、今日はマブールだという。「え?シブアンじゃないの?」とたずねる
と、ダイブマスターのトムいわく、「先日シブアンにゲストを連れて行ったら、ダイナマイトフィッシ
ングで、何もなくなってしまったよ。」とのこと。ウミウシや、マンジュウイシモチの宝庫だったらし
いのに。いくら取り締まっても、近隣の某国の漁民たちの、違法なダイナマイト漁や、ゴミの投棄
があとをたたない。どうにかならないものだろうか。
また、1本目のダイビングは、新しいゲストが来てからだと言う。KKからタワウの始発便がタワウ
に着くのが7時50分、そこからセンポルナに移動して、船に着くのは、早くても10時近くになるだ
ろう。そのあとこの、船足の遅い母船がセンポルナを出発し、マブールに着くには、軽く2~3時間
はかかるだろう。さらに今日は2ダイブのみだと言う。なんだか、今回は、ここまでダイブ・クルーズ
ならではの、潜り倒しの醍醐味が味わえていない。さて、長い長いアイドルタイムのあと、やっと新
しいゲストの皆さんが到着。日本人6人と、フランス人のお年を召した女性一人と、ニュージーラン
ド人の男性が一人。彼らと同席していたことで、はじめてこの船についてのブリーフィングを聞いた。
今回はリピーターだからと何も説明してくれなかったし、前回は、先に友達が乗っていて、乗船する
やいなや、友達とだべっていたら、そのままなし崩し的にブリーフィングはなかった。モルディブや
タイでのクルーズ船と同じような感じですごせばよいだろう、くらいで、適当にやってきたが、知らな
いことがいっぱいあった。ダイビングはマブールに着き次第すぐ、ランチは1本目の後とのこと。
そして、ブリーフィングが終わると、フランスとイギリスの両おじさんが下船し、セレベス・エクスプロ
ーラーは、マブールに向け出発。今日乗ってきた人が、窓から外を見て、「え?この船動いている
の?景色が全然動いていない・・・。」と冗談で言うほど、船のスピードはゆっくりだ。実際には、「か
なり揺れてるね」と、話していたけれど・・・。12時半になると、1本潜ったあとで、と聞いていたラン
チが、いきなり出てきた。きっと、船の到着が遅くなっているのだろう。午前中いっぱい、何もする
ことがなく、退屈だと言ったら、「なんで日曜乗船にしなかったの?」と言われてしまった。
1本目・・・マブール、SMARTウォーター・バンガロー
13時半から、マブールの、シパダン・マブール・リゾート(SMART)の水上コテージ前で1本め。
水底には、さまざまな形の漁礁が形成されていて、魚が多い。ギンガメの群れもいた。
イロとクマドリとオオモンカエルアンコウたち・・・
漁礁の奥から出てこない1.5メートルはある、巨大なハタもいた。
2本目・・・マブール、シーベンチャー
逆光かつ小さすぎだけど、だけど、写真の右手奥に小さく見えるのが、シーベンチャー。
ブルネイにあった、オイル・リグを持ってきて、ダイビングの宿泊施設にしている。なんとなく、気乗り
のしないポイントだったが、潜って見ると、マクロの宝庫でおもしろい。まず最初に、ピグミーシーホ
ースを見せてもらった。写真をとったつもりが、なさけないことに、ウミウチワしか写ってなかった・・・。
あとはオオモンカエルアンコウ3体。黄色が2つ、赤が1。黒もいたそうだが、スルーしてしまった。
マブールエリアはカエルアンコウファミリーが大充実だ。
砂地のころがってたサツマカサゴらしきカサゴ。肉眼では、くすんで黒く見えるのに、実は鮮やか。
他は、クダゴンベ、逃げ足の速かったセミホウボウ、ミノカサゴなどなど。
3本目・・・マブール、パラダイス・リーフ
当初、今日は2本だけ、と聞いていたが、日本人チームは皆、口々に2本じゃものたりない、と訴え、
サンセットダイブもありになった。サンセットで18時半にエキジットするために、水面休息がわずか
30分というタイトなプランになった。シーヴェンチャーから帰ると、みんなドライエリアに入らずウェット
でそのまま待機。体に悪そうなプロファイルだけれど、平均水深が5mくらい。今日もホムラハゼと
ニシキテグリがメイン。カミソリウオもいたそうだが、私はホムラハゼばかり見ていた。
<cebter>
これまた、小さくなりすぎたが、ホムラハゼは、忙しく、ぐるぐる動きまわっていたので、あっちむい
たり、こっちむいたり。一番右は、本来は尻尾側に倒れてるヒレが、ロックの細い亀裂をむりやり
通るから、頭側に折れ曲がってる状態。とにかく、忙しい子だ。
夕方さらに2人、白人の男性が乗船し、ゲストは全部で13人になった。明日からは、日本人と、白人
と、ボートを分けるそうだ。
夜、今日到着した日本人の皆さんは、さすがにお疲れで、21時すぎには全員就寝。
土曜日。シパダンでダイビングの日。
海はうねっているし、空もどんより。
ちょうど今、台風のしっぽがボルネオにかかってしまっているそうだ。
マレーシア・サバ州は、「Land below the Wind」と呼ばれ、台風発生地帯の南、台風は
来ないはずとされているが、もちろん直撃がないだけで、影響は大いに受けるのだ。予定
どおり、朝7時のダイビングからスタート。
1本目・・・シパダン、タートル・パッチ
以前は、1本目は午前6時にスタートしていたが、他のリゾートからのボートが多く、ポイント
混雑を避けるために、現在では1時間ずらし、7時スタートにしているらしい。タートル・パッチ
にエントリーした瞬間、あまりにリーフトップのサンゴが美しいので、感動。ただ、いつもの
タートル・パッチらしくなく、カメに会わないことを不思議に思った。あとから聞いた話によると、
満潮時には、カメはリーフの内側の浅瀬で食事中のため出て来ないという、豆知識をゲット。
水深10メートルくらいで見たロブスター。
2本目・・・シパダン、バラクーダ・ポイント
エントリーしたら、浅瀬の砂がうねりで巻き上げられ、目の前には、白いツブツブばかりが
広がる世界。深度を下げると、透明度はわずかにましになった。今日もフランス人男性
ふたりは深かった。ハンマーヘッドやバラクーダなどの大物はいなかった。
3本目・・・シパダン、ドロップ・オフ
同じボートのヨーロピアン3人のラストダイブだ。セレベス・エクスプローラー乗船中、何も
大物を見ていない彼らに、ギンガメの群れを見せようというダイブマスターの配慮で、現在、
ギンガメが常駐している、ドロップ・オフのタートルトムのところから潜ることになった。エン
トリー早々から、ギンガメの大群が巻いていた。
エキジット後、フランス人二人は、なかなか上がってこなかった。ずいぶん待たされてから、
まず一人が上がってきた。いわく、「相方は、水深30メートルレベルにずっととどまっていた
から、DECOが22分を出て、まだ消えない」と。ダイコンは見ないで潜っているのか?先に
あがってきたおじさんは、「ここに来る前は日本にいたんだ」と話していた。「また10月にも
日本に行く」、と言うので、「今年の夏は暑かったから、10月は、ずっと過ごしやすくていい
季節だと思うよ」、と答えると、「そうだね。僕がこの間日本にいたときには、台風だったよ。」
と。うーん。この人には、嵐がついてしまっているのかな。
さて、土曜日は、給油・給水のために、母船がセンポルナに戻る日だ。これまた、前回は、
センポルナに戻る日も、シパダン4ダイブできていたが、今回は、1本目のダイビングが、
午前6時から7時に遅くなったことにより3本だけしかできないという。ちょっと不満。
13時すぎに、船はシパダン海域を出て、センポルナに着いたのは17時頃。今はラマダン
期間中なので、センポルナの町を日没後にじゃらんじゃらんすれば、いろんなスナックや
お菓子が買えるとスタッフが言っていた。センポルナに着きしだい、すぐに町まで行ける
ような口ぶりだったので、ローカルテーストを楽しもうと、行く気まんまんで、ジーンズはいて、
財布握ってスタンバイした。が、1時間以上たっても、ボートが出ないので、結局、船にとど
まり、PCいじって、あとはタイガービールをひたすら飲んでいた。ゲストのほとんどがセンポ
ルナに行ったため、夕食は、みんなが戻った20時からになった。明日からは、相部屋に
なる予定なので、少し片付けなければと、食後はさっさと部屋に戻った。しばらくすると、子
どもの声が聞こえてきた。スタッフの誰かが、センポルナの家族を連れてきたのだろう。
そして、スパニッシュチームの打ち上げもはじまったようだった。スペイン人も、イギリス人も、
フランス人も、ヨーロピアン達は、明日は全員下船するので、私以外のゲストは総入れ替えだ。
朝、シーフェスト・ホテルの部屋のカーテンを開けると、工事現場ビューだった。
目の前には、このホテルと同じくらいの大きさの、まだ、打ちっぱなしの外壁が立ち
はだかっている。午前9時にホテルを出ればいいので、ゆっくり眠っていたかったが、
マレーシアの工事現場の朝は早い。カンカン、バリバリ、ガガガーといった音が容赦
なくしてくるので、寝坊もできなかった。朝食つきなので、1階のカフェでお粥を食べ、
8時50分にチェックアウトした。
シーフェストホテルはウォーターフロントで、セレベスエクス・プローラーからの迎えの
ボートが出発する桟橋は、すぐ向かいだ。それでも、昨晩のドライバーのおじさんが、
ホテルから船着場への誘導にやって来てくれ、荷物はホテルのベルボーイが運んで
くれた。
船着場には、セレベス・エクスプローラーのゲスト担当のダスリが来ていたが、ボート
に他に乗っているのは、半ダースの材木だけ。私以外のゲストはおらず、各自ボート
のベンチにごろり。ボートがセンポルナを出てしばらくは、海は静かだったが、シパダ
ン方面に進むにつれ、うねりがどんどん強くなっていった。海、あんまりよくなさそうだ。
ずっと頑張って横になっていたが、スピードボートのガンガン打ちつけるような揺れで、
ころがり落ちそうなので、そうそうごろごろしてもいられなくなった。途中、ボートのエン
ジントラブルもあり、1時間少々かかって、シパダンに停泊している母船に到着。ちょ
うど私が母船に着いたとき、ダイビング・ボートが2本目のダイビングに出て行くところ
だった。センポルナへもう少し早い時間に迎えに来てくれれば、これに乗れたのに。
乗船すると、ウェルカム・ドリンクを飲みながら、簡単なゲストカードに記入するだけで
手続き終了。部屋は、階段を降りてすぐの船尾よりのところに案内された。前回は、
一番船首よりのキャビンだったので、かなり狭かったが、幾分、広い部屋をもらえて
よかった。さっそくファブリーズを噴霧しまくるが、油の臭いはどうしようもない。
そして、かんじんのダイビング。
ボートは2チームに分けられ、1パイは、スペイン人8人グループのツアー御用達で、
ガイドはトム、あとの4人=イギリス人のおじさん1人+フランス人のおじさん2人+私
を、ジェリーがガイド。そう、このボートのダイブマスターの名は、トムとジェリー。
初めてのゲストは、絶妙なコンビ名に喜ぶのだった。確かトムは昔、アブディラでは
ジェフリー・トムと名乗っていたけれど、ゲストに印象づけるために、トム、で通してる
のかな?確かに、トムとジェリーで、覚えられやすい、って効果は絶大かも。
1本目・・・シパダン、ハンギング・ガーデン
今日、母船まで来る間のうねりから予想はしていたが、海はかなり緑色だった。
私にとっては1本目でも、他の3人にとってはすでに3本目のダイビング。それなのに
エントリーしたとたん、フランス人の二人はダッシュで沈んでいった。1本目の私よりも、
ずっと深い。どう見積もっても、45~50メートルは行ってしまった。一方、イギリス人
のおじさんは、大きなビデオのハウジングにライト二灯という、本格装備でベテランの
ようだが、途中でなんらかのトラブルらしく浮上していってしまった。普通種のオンパレ
ードで地味に終了。リーフ上のサンゴはきれいだし、深場にある、ウミウチワも立派。
いつになったら、ソフトコーラルがぶらぶらハンギングする、サンゴの白化現象前の
景観が復活するんだろう。
2本目・・・シパダン、バラクーダポイント
フランス人二人は、またどんどんディープにのめりこんで行った。ただひたすら、サメ
が見たいらしい。サメといっても、とくにハンマーヘッドにこだわっているわけでもなく、
サメならよいらしい。バラクーダポイントでは、途中、外洋側にバラクーダの小群れが
そっけなく通り過ぎていった。
このあと母船はマブール沖に戻り、サンセット・ダイブに連れて行ってくれた。ヨーロピ
アン達は、小物にはいっさい興味がないとのことで、参加者は私だけ。今現在、マブ
ールのウリは、ホムラハゼらしい。私はこれまで、ホムラハゼに出遭うチャンスが
なかったので、とても楽しみだった。ダイブマスターのジェリーに、「サンセットまで、
ニシキテグリとホムラハゼだけ。動かないダイビング」と宣言された。
3本目・・・マブール、パラダイス・リーフ
SMARTとボルネオ・ダイバーズの間にある、長い桟橋の前でエントリーすると、すでに
2人の先客がいた。おそらく、ひとりはマブールのどこかのダイブマスターで、ニシキテ
グリをゲストに見せに来た人、もうひとりは多分日本人で、かなり気合の入ったマクロ
撮影装備で激写中だった。彼らの目的は、明らかにニシキテグリ。ただ、彼らの陣取っ
ている場所が、まさに目的地らしく、ジェリーは二人にはおかまいなく、割って入っていく
くらいの勢いで突進していった。きっとふたりともムッとしたと思う。そして案の定、その
男性が激写している斜め下に、ホムラハゼのおうちがあったのだ。はじめて見るホムラ
ハゼは、全長3センチもない小ささで、スリムで、そして他動児だった。ひっきりなしに
動きまわるので、一眼ならともかく、お手軽デジカメにはなかなかおさまらない。なんとか
写った写真も、全身が見えていない。だけれど、この背びれの焔模様がとても素敵。
ホムラハゼで、影の薄くなってしまったニシキテグリは、以前にもまして、たくさんいた。
まさにボロボロいる感じ。この大きい固体が、次々相手を変え、産卵行動に励んでいた。
ここでは少子化の心配はなさそう。
まだ何もしない子どもたち。この大きい方で1.5センチくらい。色も薄め。ただ1か所に
固まって、じーっとしているだけ。
真っ暗になるまで、ニシキテグリとホムラハゼの観察をした。
ホムラハゼにまた会いに来たいなあ、と思いながら、エキジット。
浮上後、ジェリーが口笛でボートを呼ぶが、なかなかピックアップに来てくれなかった。
空には、細い月。
セレベス・エクスプローラーでクリスチャンは、ジェリーとコックさんの2人だけだそうで、
他のスタッフは全員ムスリムだという。
ジェリーに、「みんなラマダンで、ちょうど今が食事の時間だから、来てくれないよ」、と
おどされたが、数分プカプカ浮いていたら、ボートマンはやって来た。
明日は、天候が許せば、朝7時からシパダンでダイビングだ。
明日からセレベス・エクスプローラーで、ダイブ・クルーズ。
今年の5月に続いて、早くも二度目の乗船。
セレベス・エクスプローラーでは、月・火・金・土の週4回がシパダンでのダイビングと
スケジュールが固定されているので、最短の日数で効率よくシパダンに潜るために、
金曜乗船、水曜下船という日程にした。
きょうは、マレーシア航空の成田発コタキナバル(KK)ゆき直行便のある木曜日。
成田発13時30分、KK着18時15分の便から、KK発20時15分のタワウゆきの便
に乗り継ぎ、そのままセンポルナまでいっきに移動する、というスケジュール。
きょうはKKに泊まり、明日午前7時発のタワウゆきの便というテもあるが、先々週末、
友達とKKに行ってきたばかりだし、早起きもいやなので、きょうはあえてKKには泊ま
らずに、そのままセンポルナまで行くことにした。
今日のフライトはよく揺れた。フィリピンあたりに台風の卵でもできたのかな?もしそう
ならば、シパダンの海況もあまりよくないかもしれない。それでも飛行機はKKに、定刻
より30分ほど早く着陸した。せっかく早く着いたのに、飛行機が沖止めで、タラップが
なかなか来なかったので、結局、15分ほど機内で待ちぼうけ。KKの空港では今、新
ターミナル建設中で、なんだかごちゃごちゃしている。
飛行機を降りて入国すると、荷物はタワウまでスルーにしたので、誰よりも先に外へ
出て、両替の銀行窓口に直行した。荷物をタワウまでスルーにすると、ロストバゲージ
になりやすい、という噂があるので、一抹の不安が・・・。でも、荷物は成田できちんと
積んでくれさえすれば、誤ってKKでおろされてターンテーブルの上をまわり続けるか、
KLまでいってしまうか、といったリスクしか考えられず、その場合は、明日の始発便に
積んできてもらえばいいや、と楽観的な考え。
両替をしていると、セレベス・エクスプローラーを持つ会社、アドベンチャー・ジャーニ
ー・ワールド・トラベルの日本人スタッフ・K氏が声をかけてくれたが、私が一番に出て
くるのを見て、「荷物は?タワウまで預けたんですか?成田では今、タワウまで預ける
ようすすめてるんですか?」・・・これは、やっぱり荷物を預けるのは賭けなのかなあ。
成田のチェックインでは、「お荷物はタワウまでお預かりしてよろしいでしょうか?」と、
ごく普通だったのに。そしてK氏は、「たぶん、タワウの迎えもちゃんと来ると思います。
きょうの昼にも確認しときましたから。」と笑顔。「た・ぶ・ん」のキーワードがちょっと気
になる。今回はひさびさの一人旅だし、タワウで、もし荷物も送迎もなかったら、悲しい
だろうな。
両替後、空港のレストランでミー・ゴレンの夕食をすませ、荷物だけはタワウまでスル
ーチェックしてあったが、人はまだだったので、国内線にチェックイン。土産物屋を冷
やかすうちに、なんとなくカメのかわいいマスコットと、サメの歯のアクセサリーをそれ
ぞれ10リンギットで購入してしまった。そして定刻よりやや遅れて、タワウゆき最終便
で出発。
ところで、きょうはイスラム教徒にとっては、断食月であるラマダン1日目。次の新月
までムスリムは、日中は飲まず食わず、唾液すら飲まないという。ただし、6歳まで
の子供、病人、妊婦、あと高齢者は、断食しなくてよいらしい。KKとタワウ間のエコ
ノミークラスのサービスは、ふだんはジュースのみなのに、ラマダン特別サービスか、
「Berbuka Puasa(英語でBreak one's fast、断食をやめるの意)」と金文字で
書かれた箱に入ったスポンジケーキが配られた。
タワウに到着すると、無事に荷物も出てきたし、ちゃんとセレベス・エクスプローラー
からの迎えも来ていてくれた。タワウからセンポルナへの道は、途中、ラハ・ダトゥや
サンダカン、KK方面への道が分岐する2~3箇所を除いては、ほぼ1本道で、その
道のりのほとんどは、椰子の木農園の間といった感じだ。ところどころ小さな集落に
なっているところだけは、薄ぼんやりとした灯りがあるが、あとはほとんど真っ暗だ。
特に今日は、月もない夜道だったので、暗さにはより迫力があった。センポルナに
入ると、街灯は設置されているものの、なぜか灯りはついていないものが続き、よく
よく町の中心に入ったら、やっと街灯が道路を照らしていた。
23時前にはセンポルナにたどり着き、今日はシーフェスト(Seafest)というホテル
に宿泊だ。あしたのホテル出発時間は午前9時と告げられ、ドライバーのオジサン
とバイバイ。
シーフェストは、Webで予約フォームを送ったら、1泊99リンギット、今のレートで
3500円弱でとれてきた。部屋はまあまあの広さで、テレビも湯沸しポットもあった。
バスルームはトイレとシャワーブースのみ。シンプルだが、1泊だけなら問題ない。
ただ、壁がものすごく薄いようで、隣の部屋からチャイニーズが話す声がつつぬけ。
意味がわからないのでうるさいだけだが、もし同じ言語の人が隣の部屋だったら、
普通の声で話せば、全部丸ぎこえになってしまう。安いし、今夜1泊だけだし、彼ら
もじき寝てしまうだろうから、まあいいや、と思いつつ、おやすみなさい。
明日はシパダン。
フィリピノマーケットで、常温保存の実なら2リンギットで飲める。
メリディアンホテルの向かいがフィリピノ・マーケットで、青いココナッツが
山積みにされているので、すぐにわかる。何軒もココナッツジュースを出す店が
並んでいるが、どこもたいてい愛想がない。ココナッツを割ってくれ、ドーンと
出される。サッカーボールくらいの大きさがある。
ふたの部分。ココナッツの果肉は、スプーンを借りて食べる。
中は、透明なココナッツジュースがたっぷり満たされている。
甘みはごく薄く、とてもさっぱりした風味。
けっこうなボリュームなので、カップルなら一つたのんでシェアでじゅうぶん。
台風の日。東京も暴風圏に入るらしいとのことで、会社では、「きょうは16時で帰って」
とのうれしい指示があり、予想外に早くに帰ってきた。
さっそくこのアイドル・タイムを利用して、先日マレーシアのスーパーで買ってきた
バクテースープの素をことことと煮込むことにした。
バクテースープの素。
パックの中身。
パック裏に書かれた成分は、「当帰、玉竹、桂皮、白胡椒、党参、甘草、元西米、川芎、
丁香、陳皮、八角」プラス、秘伝の粉末のような表現。
自分で用意するものは、骨付きの豚バラ肉、3リットルの水、にんにく、オイスターソース
大さじ3杯だけ。お湯が沸いたら、上記すべての具材を鍋につっこみ、あとはひたすら
待つだけで、調理もとても簡単。
2時間半待つ間、成分について、特色と効用を調べてみた。ヒマジン。
当帰(とうき)・・・セリ科なる植物で、写真には、小さな白い花がいっぱいついていた。
根っこに血行促進作用があり、婦人病に効果があるそう。
玉竹(いずい)・・・ユリ科のアマドコロという植物の根っこを乾燥させたもの。滋養強壮効果。
桂皮(けいひ)・・・シナモン。発汗、解熱、健胃作用。
党参(とうざん)・・・つるにんじんの根っこを乾燥させたもの。
細胞活性化、食欲不振、疲労、冷え性、息切れに効果。
甘草(かんぞう)・・・リコリス。鎮痛、抗炎症、抗アレルギー作用。
川芎(せんきゅう)・・・セリ科の植物。根っこを乾燥させたもの。セロリに似た香り。婦人病に効果。
丁香(ちょうこう)・・・丁子、グローブ。 芳香健胃剤。
ゴキブリが嫌いなにおいで、ゴキブリ除けにもなるらしい。
インドネシアたばこのガラムのにおい。
陳皮(ちんぴ)・・・みかんの皮。血圧降下作用、芳香性健胃剤。
八角(はっかく)・・・ういきょう。その成分は、タミフルの原料のひとつでもあるらしい。
暇にまかせ、Wikipediaを見たり、ググるったりしたが、とうとう元西米がわからなかった。
西米はタピオカのことだが、クコの実が入っていたから、元西米はクコの実のこと?
いずれにしても、生薬についてのこの一時的ウンチクは、すぐに消えてしまうことだろう。
そうこうするうちに、スープが出来上がり。
もちろん、マレーシアの街にあるバクテー屋にはおよばないが、味に深みがありおいしい。
本当に体によさそうな味。
バクテースープの素、軽いし、体にいいし、ご自宅用お土産になかなかよいものだ。