くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

シパダンに人魚

2008-09-24 07:23:04 |  未分類

duyung1.jpgマブールからシパダンに人魚がいた!
というのは、今年前半に公開されたマレーシア映画「DUYUNG」でのお話。DUYUNG、ドゥユンは、マレー語で人魚のこと。

この映画の撮影地がシパダン&マブールなので、どんなふうにシパダンの海が描かれているかを見てみたくて、KKのショッピングセンターでDVDをさがしてみた。ところが、ショップの陳列はごちゃごちゃ。English, Malay, Chinese, HindiそしてJapanといったジャンルに分けられてはいるものの、あとはアルファベット順になっていたり、なっていなかったり。粘り強くない私は、すぐに探す意欲をなくしてしまった。
せっかく入った店だから、日本作品のところを見ると、「anego」や「L change the World」があった。赤西仁ずきであるが、ここはがまん。Lの松山ケンイチもたまらないがスルー。そして、「水男孩1」というのがあった。ウォーターボーイズだ。ちゃんと台湾の正規版DVD。海賊版ではない。このドラマ自体大好きだったし、なんといっても、福山の虹がいい。で、49.90リンギットで買ってしまった。限りあるリンギットから、予定外の出費。これで、ドゥユンのことは忘れるともなく忘れていたが、セレベス・エクスプローラーの帰りに寄ったタワウのスーパーの片隅に、小さなCDショップがあり、ふと見たワゴンを見ると、ドゥユンのVCDがあった。店員は、日本人の私が、全篇マレー語の映画を買うのを怪訝な顔で見ていた。そして値札は12.9リンギットだったので13リンギット出そうとしたら、12リンギットでよいと言われた。わからん。

ドゥユンの主人公は、マブールのカンポンに住むジミー。ジミーはいつも、猿人のオリックスと小舟で海のゴミを集める超エコ人で、人魚はきれいな海だけに現れると信じている。自然のため、サカナは食べない。そんなジミーは、カンポンの面々からは変わり者扱いされ、バカにされている。

ジミーは、アスパレラという幼なじみの女の子に結婚を申込んでいて、アスパレラもジミーのことが好き。ところが、アスパレラのおやじは、「娘を嫁にやるなら自分の土地と家を持ってからだ!」がと言う。ジミーは水上生活者だから土地はない。そしてアスパレラには、コルディという、でかくて金も力もある男が言い寄っている。

アスパレラの親父の言葉にこたえるべく、ジミーは猿人と、海で拾い集めたペットボトルでリサイクルアイランドを作りはじめる。その島はどんどん大きくなるが、実はひそかに人魚が手助けをしていたのだ。

ジミーのことを邪魔に思うコルディが、ジミーの島にボートをぶつけ、島がくずれかけたとき、島の基盤となるペットボトルがばらけ、そのネットをあわててひいたところに人魚が引っかかってしまう。それを助けるジミー。人魚はプトゥリ(英語でプリンセス)と名乗り、ジミーが子どもの頃からずっと、彼女の暮らす海をきれいにしてきてくれたことに感謝してきたという。

ジミーを待つアスパレラ、ジミーの最大の理解者である母、ジミーを勘当してしまう父、手ごわいアスパレラ父と、好意的なアスパレラ母、にくたらしいコルディ、そして、ジミーに思いを寄せるプトゥリ・・・こんな面々を中心にストーリーは展開する。

コンセプトは、「ロマンチック・ファンタジー・コメディ」らしい。人魚が主人公に幸せをもたらすおとぎ話だがラストの展開は、コメディということもあり、なんだかファンタジーという肩書きを台無しにしてるようにも思えた。また、なんで猿人がいるの?、とか、なんでゴミ拾いしているジミーがスキューバ器材を持って、スキューバダイビングもできてしまうの?とか、つっこまないで観ような映画。

さて、人魚といえば、貝のブラか、トップレスに長い髪なイメージ。でも、マレーシアだから、露出度の低い人魚だ。人魚は胸から鱗に覆われ、尾びれがなければ、イブニングドレスみたい。それに人魚ってゆったり泳ぐイメージがあるが、人魚のフィンキックはけっこう激しい。まあ、演ずるのは人間だから、水中で両足を尾びれ型衣装で一体化された状態で泳ぐには、モノフィンスウィマー状態で泳ぐしかなく、そんなもんかな。プトゥリ役のマヤ・カリンが、海の中を泳いでいるときも、顔がキレイで長い髪がのびのびワカメにならないのと、水から上がった直後でも顔がくずれないメイク術が素晴しい。見習おうとして見習えるものではないが、女子としてはお手本にしたい。

水中は、マブールとシパダンの超浅瀬ばかりだった。マブールはヒトデだけ、シパダンは、かろうじてアオウミガメやキンギョハナダイは出て来る。映像からシパダンの美しさは十分には伝わってこないし、水中でのシーンが短いのが残念。

最初に人魚が水面に顔を出すと、はるか彼方にセレベスエクスプローラーがうつっていたり、ラストの背景がSMARTだったりした。


マレーシア ちーぷおみやげ~KAYA JAM

2008-09-19 21:16:27 |  旅のグルメ

kayajam1.jpgkayajam2.jpg

大好きなカヤ・ジャム。
カヤ=珈椰=ココナッツ。
カヤジャムには、くせもなく、適度に甘くておいしい。
しかも、相場は、180グラム缶が2リンギット前後と、大変お手ごろ。
いろんなメーカーの商品があるが、パッ缶タイプが、缶切りで開けるタイプより、数十セン高い。
飛行機に、液体物の持ち込み制限ができてから、パッキング後にカヤ・ジャムのことを思い出し、
買えずじまいのことが多かったが、今回は、タワウのスーパーで忘れずに仕入れた。

これで朝が食パンの日も、楽しい。私は、だけど。

 




セレベス・エクスプローラー~満腹帰り道

2008-09-11 19:31:05 |  旅行

朝5時45分に起きてパッキング。きのうスタッフが洗ってくれたダイビング器材は、ジェネレータールームでからっからにかわいている。と思ったら、BCの水を抜かないまま干してくれたらしく、BCがまだ重かった。BCを逆さにして水を抜いたら、ジョボーっと出てきた。はぁー。器材洗いには、カメラやレギュの潮抜き用水槽の水が活用されていたりするから、しおしおのままなのだ。?

6時半前に、帰る人用朝食プレートが出てきた。てんこ盛りのビーフン、目玉焼き、ソーセージ2本、ハート型チキンナゲット2個。プレートが出てきた瞬間に固まった。とでもじゃないが入らない。乗船中、毎回おかわりしていたのに、さすがに朝早すぎて、まだ胃が起きていない。去年の9月は、2人でマギーミー1パックで、いくらなんでも、これは少なすぎるんじゃないの?、と思ったのに、この変わりようはなんだ?でも、マギーミー1/2パックくらいのほうが、こんな早朝には適量だ。

予定通り、午前7時に船を下り、センポルナに着いたのは、まだ7時50分。そして、私たちにはドラゴンインはない。もともと行き当たりばったりで、疲れていたらドラゴンインをウォークインでとるし、パワーがあったら、じゃらんじゃらんにしようと言っていた。私は、ひそかにタワウゆきをもくろんでいた。今回はKKに泊まらず、まっすぐ日本に帰るので、タワウのスーパーで、各種仕入れをしなければ。あわよくば、ココナッツプリンも食べたい。結局、車にスーツケースを積んで、みんなでそのままタワウじゃらんじゃらんに行くことにした。

tawau_pasar.jpgさすがに、センポルナからタワウの町まで、約100キロのドライブ中は、みんな眠っていた。タワウ空港入り口を過ぎたあたりで目が覚め、右手に共同墓地、そのはるか彼方に海が見えると、ああ、タワウだな、と思う。タワウの市街地に入ると、タワウはどんどんきれいになってきていると思う。車を降りたのが、朝10時ちょっと前。まずはマーケット散策からスタート。ここで並んでいるフルーツは、センポルナの品揃えとはちょっと違う。ドラゴンフルーツがいっぱいだ。果物が売られている奥の方には、衣料品の店が並ぶ。なんとなく、この場所全体の、昼なお暗い、レトロな感じがよい。衣料品を無目的にウィンドゥショッピングしていたが、約1名、10リンギットでリゾートドレスを購入。
 
tawau_supermarket.jpgマーケットを一通り冷やかすと、向かいのスーパーへ。その名もSERVAY HYPERMARKET。ハイパーなのだ。KKの市場の向かいのKKプラザにも、このスーパーが入っている。こちらのスーパーではよくあるが、大きなバッグを持っていると、万引き防止だろう、入り口で、バッグを預けないといけない。バッグを預け、財布をにぎって奥にすすむ。ここは4フロアあり、1階食料品、日用雑貨、2階婦人用品、3階紳士用品、4階おもちゃ、寝具、電気製品、カー用品などなど。私たちがスーパーに来た目的は、お土産に、お手ごろなお菓子をGETするため。それなのに、いちおう全フロアをみようということで、皆の意見が一致。なんとなく変な振動が気になるエスカレーターに乗って、上から順番にひやかす。本当になんでもある。おもしろい。そのあと、競って安い義理土産を購入。私は、義理土産には、アポロのレイヤーケーキを2箱、自宅用にはココナッツ・ジャムと、ニワトリ印のDark Soya Sauce。このニワトリ印のソースで、ミーゴレンを作ると、とてもおいしいのだ。あと、マギーミーのカレー味を大人買いってやつ。はたして、こいつらはスーツケースにおさまるのだろうか、という一抹の不安を覚えつつ・・・。

おなかもすいてきたので、空港に移動する前に、ランチを食べることにした。おいしい麺が食べたい。サビンドの屋台も捨てがたかったが、私がココナッツプリンに支配されているので、オーシャン・エリア・シーフード・レストランへ行くことにした。スーパーのしゃらしゃら袋を皆、ひっさげて。レストランに着くと、時計はまだ11時をまわったところ。店にお客は誰もいない。この店は、夜は宴会で貸切のことが多いが、昼や、夕方早めの時間に入ると、もしかしてやってないんじゃないの?と思うことが多い。奥から、メガネのもの静かなおじさんとおじいさんの間くらいの年齢の人が出てきて、「ソーリー・・・ランチ?」と効くので、ソーリー=準備中かと思ったら、しっかり、テーブルに案内してくれた。ミバサシーフード、ミースープシーフード、サユルマニス、タイガービールをオーダー。どれもみんなが大満足のおいしさ。やっぱり、スーパーのフードコートや、低予算のKEDAIと、シーフードの具の鮮度が違う。そして、なんといっても、この店のすばらしいのは、チリ。だいたい、こちらの中華系の店では、きざんだチリをお醤油につけたものなのだが、ここはすりおろしにんにくにチリが入っているのだ。それを、麺にでも、野菜にでも、肉にでも、好みに応じてつけるのだが、本当にたまらない。さらに、船では缶ビールしかなかったが、やはり冷えた大瓶のうまいこと。ただ瓶が空になると、頼まなくても次が出てくる仕組みで、午前11時台からひとり大瓶1本をたいらげることとなった。ああ苦しい。それでも、別バラのココナッツプリンをぺろりとたいらげた。

安い土産も買ったし、よく飲んだし、よく食べた。苦しくかつ、皆幸せな気持ちで、タワウ空港へ。空港に着くと、まず、各自スーツケースやらダイビングバッグを広げて、タワウでの戦利品をパッキング。パッキングが完成したところで、タイミングよく、チェックインカウンターがオープンした。KKからシンガポール経由SQで帰る私はKKまで、同行の人々は関空までチェックイン。彼らは非常口の席をとるために、「あいたたたたー」とか足を押さえてみせる。こわもてのチェックインスタッフは、それを見て、「Emergency Row?」と素晴らしい察しっぷり。Emergency Rowは、緊急事態には手伝わなくてはいけないので、けが人や病人、英語を話さない場合は、出してもらえないのだが、MASはゆる~いようだ。

KKに着くと、乗り継ぎが4時間ほどあるので、またまた町に出る。Happy Hour狙い。タクシーカウンターでタクシーチケットを買い、タクシーに乗リ場に行くと、午後なのに、正面にキナバル山が、8割ほど見えていた。こんな日だったら、下山もいくぶん楽だろうな。うらやましい。ポストカードを出したいとの要望があったが、KKIA(KKの空港のこと)の新ターミナルには、郵便局が見当たらなかった。とりあえず、まだオフィスアワーなので、KKの郵便局前で車を降りることにした。KK郵便局で切手を買い、ポストカードを書いていない私も、切手貼りのお手伝い。日本は、切手を貼るために水につけたスポンジが用意されているが、こちらはスポンジはなく、ただ水がはってあるだけだ。スタンプのところがびしょびしょな感じでポストへ投函。

郵便局の近くには、ポークのジャーキーがうまい店があるので、久々に行ってみた。ウィンドゥの前で立ち止まろうものなら、必ず中から店の人が出てきて、ハサミでチョキチョキ切っては、さまざまな味を試食させてくれるのだ。さすがチャイニーズ!な商売上手で、ついつい買ってしまうのだ。まだまだおなかがいっぱいだったので、さすがに今日は、私は購買意欲がわかなかったが、「うん。あてにいい。」ということで、1名様ご購入。本当にあてにいいのだ。そのあとはKKの市場をひやかした。
rambutan_sep08.jpg今年は、青果市場の表に面した店では、ランブータンを全然みかけなかったので、半ばあきらめていたが、奥の方の店で、ランブータンを見つけた。やった!小束なのに、1束2リンギットしたが、喜んで初物をいただく。今日のは、種ばなれのよいタイプで、実がむだにならない。だけど、種の皮がくっついてくる・・・。ランブータンって、種離れが悪くて、実がいっぱい種にくっついたまま残ってしまいもったいないタイプと、実は根こそぎ食べられるかわりに種の皮ももれなくついていくタイプと・・・、うまくいかないな。そうこうするうちに、出発時間が近づいてきたので、市場は途中で切り上げて、打ち上げに、ビールを飲みにいくことにした。ハイヤット・キナバルの近くにある、あてにしていた店2件は、まだやっていなかった。面倒くさいから、ハイヤットのロビーのカフェでビールにしようかという話になったが、入ると、ラマダン中の特別企画か、それとも、カフェではなくなったのか、テーブルにはすべてRESERVEDの札があり、どうもバフェスタイルの食事のために席を提供されているようだ。ここはトイレ休憩だけにして、別にいくことにした。

ハイヤットを出て、ウィスマムルデカの前の通りを渡ったところにある、キナバル・ダヤ・ホテルなら、ハッピーアワーをやっていたはずだ。ダヤの入り口に、ほんの数席だけの小さなバーだけれど、十分。タイガー生をピッチャーでオーダー。ハッピーアワーは22リンギットで4ハイとれた。

bakuteh_sayur.jpgそして17時半を待って、佑記茶室へ。おなかがすいているわけではないが、せっかくだから、食べて帰る。バクテは、食欲がいまいちのときも、食べやすい。そして、中国茶がおいしいのだ。初バクテのメンバーも、最初、スターアニスやらハーブがいっぱいで薬膳ぽい、という説明に、「?」な感じではあったが、食べて、その旨みの虜になったようだ。そして、この野菜がまた、おいしいのだ。ポットに中国茶がたんと入っていて、飲んでも飲んでもなくならないので、いつまでもいつまでも、中国茶をすすっていたが、とうとう葉っぱが出てくる割合が多くなったので、空港へ移動することにした。ジェッセルトンの近くには、だいたいいつもタクシーが止まっているが、見当たらなかったので、そのままスーパー・Milemewaコタキナバル店の角まで歩く。私達を見た瞬間、チャイニーズのタクシードライバーが、手をあげて、こっちこっちと手招きしていた。乗り込むと、とてもテンションが高い。「プロトン、エンジン、ミツビシ・・・カンチル、エンジン、ダイハツ」とか言ってる。そして、「KKパチンコナイ」なんでも、日本で何年か働いており、仕事あがりのBEERとパチンコが楽しかったそうだ。パチンコは、サバハンも、フィンランド人をも虜にするのだ。

kkia.jpgKKIAに着くと、KLゆきMAS便の搭乗時間がせまっている関西組に別れを告げ、私は、シルクエアーのチェックインカウンターへとすすんだ。私が予約している便はSQ便名で、インターネットチェックインができればいいのだが、シルクエアー運航のコードシェア便については、インターネットチェックインができないのが残念だ。いつも空港で、他の人は、なんであんなにチェックインに時間がかかるんだろう、と思っていたが、今回は私がそうなってしまった。KKIAでチェックインするときは、だいたいシンガポールから東京ゆきの席は、3席並びの真ん中しかとれないことが多いが、いちおう、「シンガポールから成田だけでいいけれど、Emergency Rowはある?」と聞いたら、KKIAでは扱いのないA380なので、チェックインスタッフは、混乱してしまったようだ。そして真剣にさがしてくれ、スーパーバイザーらしきトゥドゥンの女性が呼ばれ、「1席窓側ならある!」といって確保してくれた。チェックインを終え、しばし、ベンチで放心状態になったあと、新ターミナル出発階を右往左往してみた。新ターミナルは、デザインは垢抜けているが、それにしても人が少なくて、さびしい。

kkia_kedai.jpgチェックインカウンターの奥には、新しい店が、ぞくぞくオープン準備をしていた。ほとんど内装も終わった、あとは商品納入を待つだけの、海産物を売るらしき店の前に、熱帯魚の水槽があった。あんまりおもしろくなかったが、しばらく水槽をぼんやりと眺めた。やけにカクレクマノミがいっぱいだ。それからチョコレートショップや、本屋などにあてもなく入り、どこも1周して出てきた。特に買うものもないので、そのまま素直に、セキュリティチェックを受け、出国手続きをし、搭乗ゲートへと向かった。とにかく早く眠ってしまいたい・・・。



~余談~
シルクエアーに乗り、恐怖のミールタイムがやってきた。さすがに、「食事はNo thank you、コーヒーだけください。」というと、アテンダントに、「それではビスケットはいかがですか?」とすすめられた。きっと2~3枚、パックされたものでもくれるのだろうと思って、「いえす、ぷりーず!」と迷わず答えた。それから、コーヒーをぷち・トレイに乗せてくれたが、ビスケットは出て来なかったので、きっと忘れちゃったんだ、まあ、いいや、くらいに思っていた。すると、5分くらいたってから、プチトレイにビスケットがキレイに8枚、それもすべて異なる種類、かつ、クリームがサンドしてある、ずっしり系なのだ。これを並べてくれるのに、時間がかかったんだ。食べられないよぉ~、と思ったものの、案ずることなかれ、食べだしたら難なく完食。どう考えても、セレベス・エクスプローラーで胃拡張になったとしか思えない。そして、ビスケット後、熟睡。シンガポールに、ずどん、と着陸した衝撃で、正気に戻ると、iPhoneを落とした。機体が前かがみになっていて、iPhoneは、そのまま、3席前まで、スイーっと、見事に滑っていった。空席が多いと、クルーが、Emergency Rowに離着陸時は座るようで、前には、先ほどビスケットをすすめてくれたアテンダントが、「大丈夫。待っていて。」と微笑みかけてくれた。機体が止まり、ベルト着用サインが消えると同時に、彼女は前の席の人に頼んで、私のiPhoneを回収してくれた。ありがとう。

シンガポールから東京のフライトは、あらかじめ、フルーツプラターをリクエストしておいた。これは正解。プルーン、イチゴ、マンゴなどなど。鉄分豊富、ビタミン豊富。これからも、夜行便については、必ずフルーツプラターにしよう。それでも、この24時間、まだまだ食べすぎなのだが。

こうして、本来、潜り倒しの旅になるはずだった2008年9月シパダンの旅は、食い倒れの旅に終わった。




セレベスエクスプローラー5日め

2008-09-09 23:42:00 |  ダイビング
1本目・バラクーダポイント
barracudas_9sep.jpgプランA。けさは無事、朝7時のバラクーダポイントからスタート。
きょう1日、シパダン4ダイブできるとわかり、ほっ。
きょうも透明度がよい。バラクーダの群れは、けさもいた。けさはリーフの外にいたので、リーフにつかまって、パラオのブルーコーナーのような感じで、ずっとバラクーダを見ていた。群れの広がり方は大きいが、密度はいまひとつな感じ。バラクーダはじゅうぶん満喫したので、コーラルガーデン側に移動した。コーラルガーデンの水面には、イカたちが群れていた。エキジットすると、西側に虹が出ていた。なんとなく、空模様がはっきりとしない。
 

2本目・サウスポイント
特に大物や、レア物はいなかった。ただただひたすら、サウスポイントのさまざまなハードコーラルに見入ってしまっていた。
south2.jpgsouth.jpg
south1.jpgsouth3.jpg
south4.jpgsouth5.jpg
 
3本目・ハンギングガーデン

hanging_gardens.jpgみんな、それぞれ、オーバーハングの中をのぞいたり、マクロ活動。ここでは普通種のニチリンダテハゼや、ヤマブキハゼの家もいっぱい。シーファンの数はずいぶん増えたが、壁一面にソフトコーラルがぶらぶらとぶらさがっていた以前の光景はまだない。シパダンのリーフ全体で、ハードコーラルが見事な復活をとげ、ホワイトチップアベニューあたりのソフトコーラルの繁茂ぶりには、目をみはるものがあるのに、なぜかここのソフトコーラルは、いまひとつだ。ロブスターレイアー方面に流して行くと、浅瀬では、ナポレオン+キツネフエフキ系10匹くらいが、軍団を京成して泳いでおり、ときどきサンゴを狂ったようにワッとつつく行為をくりかえしていた。何やってんだろう、と近づくと、彼らは、スーッと先へ行ってしまい、また次のサンゴをつつき狂うのだ。



4本目・バラクーダポイント
bp_shallow.jpg今回のラストダイブ&1500本記念。私の記念ダイブは、いつも特別なことは起こらない。気心の知れたバディや仲間と、お気に入りの場所で記念ダイブができれば満足だ。午後は、潮が上げだったせいか、バラクーダの群れにはあえなかった。地味なバラクーダポイント。DECOを出した人にあわせて、70分、水中にいた。こうして2009年9月のシパダンでのダイビングが終了した。5日間の乗船で15本。ちょっと潜り足りない気はしているし、ハンマーヘッドなし、カンムリブダイの群れなしと、ないない尽くしな感じである。ただひたすら水がキレイで、ヒーリング効果大なダイビングだった。浅瀬のキヘリモンガラや、ゴマモンガラも今回は皆、温厚だった。

そして、ラストナイトは、Tiger Beerと、焼酎のオンパレード。
「1500ダイブ?」とキャプテンに聞かれたが、去年1400ダイブでポロシャツをもらったし、土曜日に、白人がポロシャツをもらってるのをみて、同じポロシャツに、数字だけ書いてもらったものは、いいや、と思って、シャツは辞退した。この前に乗船したとき、フランス人のおじさんが、自らの300本記念を、自ら赤ワインを購入し、私たちにもふるまってくれた、そんなお祝いの仕方は粋だなあ、と思ったりもした。

そういえば、火曜日に戻ると言っていたトムは、とうとう戻ってこなかった。夜、SKおじさんと、話をしてみた。SKさんは、シパダンにまだきちんとした施設がない時代から、シパダンで潜ったといううらやましい経験の持ち主だ。タワウから、漁船にコンプレッサーやタンクを積んでシパダンまでやって来て、夜は、ある者は漁船で、ある者はJettyで眠る、という世界だったらしい。さぞ海は素晴らしかったでしょう、と尋ねると、「今の方が魚は見られるよ。」という、意外な答えだった。なんでも、当時、サカナもカメも、ダイバーを見ると、皆、一目散に逃げって行ったらしい。彼らはより野性的だったということだ。

明日の朝は午前6時モーニングコール、7時下船・・・。早い。
たしか、この前は、シアミルにむけて船が移動し、その中間地点で下船し、センポルナへとむかったが、セレベス・エクスプローラーの水曜のスケジュールが変わっていて、朝の1本目は、カパライで、そののちシアミルにむかうらしい。
午後9時半には、ドリンクの会計をすませてほしそうに、プレッシャーをかけられたので、支払いをする。
焼酎もなくなったので、眠ることにした。眠る前に頑張って、夜のうちに、ラウンジに空のスーツケースをあげておいた。


セレベスエクスプローラー4日め

2008-09-08 23:02:48 |  ダイビング

ふだんは船が発進すると目がさめるが、けさはその気配がないまま目覚めた。むむ、もしや。部屋の丸窓からわずかに見える外を見ると、黒い海が見えた。とにかく暗い。これは悪天候?夕べは、よく晴れていたのに。

ラウンジに上がると、外にはまだ、マブールが見えていた。ガーン。外が暗いだけ、海は静かだ。雨が降ったあとはあるが、もう小ぶりだ。でも船は出ない。ヨーロピアンも起きてきて、船が動かないことに、ざわざわしはじめた。

セレベスエクスプローラーでシパダンへ行く日は、プランAとプランBがあり、天気がよければプランA、シパダン4ダイブ(土曜は3ダイブ)、天気が悪ければ、プランBでマブール1ダイブ+シパダン3ダイブ、場合によってはさらにシパダンのダイビングは、2、1、0と減るかもしれないのだ。そして、だいぶたってから、ジェリーから「天気が悪いから、1本目はマブール」というアナウンス。船の運航のことはわからないが、船が出られないほどとは思えないのだけれど・・・。

きょうはマブール1ダイブとシパダン3ダイブだけ、とキャプテンが言うので、もう1ダイブ、とデマンディグ。きのうだってたった1本しか潜れていないし、シパダンで4本やれと言っているのではない、サンセットの1本をつけてほしいという意味だ、普段は本数にはこだわらないが、1500本がかかっているので、どうしてもシパダンで1500にしておきたい。1499本で、今回のダイブトリップが終わると不都合という、おそろしく個人的で勝手な理由なのだ。不平不満をいいつつ、しぶしぶマブールで1本め。
そういえば、オージーが、ナイトロックスをやっていた。タンク1本あたり40リンギットらしい。ダイブステーションに、古くて巨大な、謎の黒ボンベがあったが、そこからナイトロックス用タンクに充填するらしい。オージーいわく、ナイトロックスはmuch betterとのことだったが、私は、もったいないなあ、と思うのだった。

1本目・マブール・イールガーデン
砂地におりると、ヒレナガネジリンボウがいた。ガーデンイールたちは、ひっこみがちだった。ピンクのウミウシ、ブロッキーが、ぼろぼろ落ちている。途中、砂地にぽつんとはえているコーラルに、オオモンカエルアンコウがはりついていた。アオウミガメも、時折見かけたが、眠そうにみえる。あとは、ワニゴチやアカククリの幼魚をみかけた。

omon_eelgarden.jpgnudi_eelgarden.jpgpenyu_eelgarden.jpg

croco_eelgarden.jpg


2本目・バラクーダポイント
はじめに、ごろっとグレーリーフシャーク。それから、バラクーダの群れ。
ハダカハオコゼのチョコレート色もみつけ、バラクーダポイントらしい1本。
greyreef_bp.jpgbarracudas_8sep08.jpg

3本目 コーラルガーデン(ほんとはホワイトチップアベニュー)
coralgarden_fans.jpgコーラルガーデン、ホワイトチップアベニュー、ポイント名を聞いて、わくわくするポイントではない。今回も、今日のシパダンは3本だけなのに、そのうちの1本が、コーラルガーデンですかい、と、正直思った。でも、潜れてよかった。とにかく、きれいだ。大物は出ないが、ひたすら竜宮城ダイビングなのだ。深場からウォルは、ウミウチワやソフトコーラルがびっしり、浅瀬はハードコーラルがびっしり。ぴきぴきでうりうりな枝サンゴに、こんもりとテーブルサンゴ。リーフの奥の方まで行くと、庭園的光景が美しい。セレベスエクスプローラーのいうコーラルガーデンは、ホワイトチップアベニューで、意図的に、ポイント名を逆にしているが、確かに、元祖コーラルガーデンより、ホワイトチップアベニュー改めコーラルガーデンの方が、今ではコーラルの美しさが勝っている。透明度が素晴らしいから、コーラルの美しさがより際立って、とても気持ちのよい1本だった。


coralgarden_hardcorals.jpgcoralgarden_supershallow.jpg

4本目 ドロップオフ
タートルカバーンやタートルトムからエントリーすることが多いドロップオフ。でも、タンクをかついで、ボルネオダイバーズの前からエントリー、というのがしみついてしまっているので、どうしてもJettyの場所から潜らないと、ドロップオフに潜った気がしないのだ。SKさんにお願いして、Jettyのところからエントリーしてもらい、しばらくひとり、また、浅瀬をうろうろ。
jacks_dropoff.jpgjuvenile.jpgnapoleon_belakang.jpg
青い海に、ドロップオフの迫力地形のコントラストもたまらん・・・。
dropoff_wall1.jpgdropoff_wall2.jpgdropoff_wall3.jpg


gt.jpgタートルカバーンのギンガメアジたちは、今日は、この黒い大きなロウニンアジに追いかけまわされていた。結局、ロウニンアジの狩は失敗に終わり、カバーンの入り口の平和は戻っていた。そして、きょう見ても、やはり、カバーンの入り口が狭まった気がして仕方なかった。タートルトムの、いつものオドリハゼの家を訪ねたら、すぐにひっこまれてしまった・・・。浅瀬にあがると、いつもの平和な光景。カメが首をのばし、ナンヨウハギや、ハナダイら、小魚が舞う。サンゴの種類も、ドロップオフ~ハンギングガーデンのあたりは、独特だ。ダイビングの終わりには、またまたバラクーダポイント入り口の、ギンガメがひしめきあっていた。

penyu_leher_panjang.jpgdropoff_coral.jpgjacks_hujung_dropoff.jpg

5本目 マブール パラダイスリーフ
tsubodashi.jpg
なんとか、5本目のサンセットができた。完全に帳尻あわせ。ニシキテグリちょぼちょぼ。ほどなく日没になった。とっぷり暮れても、エキジットする気配がなく、ライトを持たないナイトダイブな暗さになってしまった。鳥目状態のところへ、黄色が目立つツノダシが群れで急いでやってきたので、写真にとったら、案の定、六角形だらけになっていた。人のライトで見る、人のふんどしで相撲的な感じだったが、途中で、SKさんが、予備のライトを貸してくれた。ありがとう。ライトを持ったら、ちびいか発見。SMARTのハウスリーフより、こっちの方がずっといい。


セレベス・エクスプローラー3日め

2008-09-07 21:10:54 |  ダイビング


pisang.jpgバナナがヤッテキタ!
退屈な日曜日。
朝、フィンランド人の見送りのほか、することはなかった。
ヒマにまかせて、まだ青いバナナを何本食べたことか・・・
朝早くには、まだだいぶ青臭かったが、時間の経過とともに、どんどん甘くなってきた。
新しいゲストたちも早い時間帯に到着したが、船は、ずっとセンポルナの港に泊まっていた。「あ!船が動いている!」「ちがうよ、動いてないよ。」と、そんな会話ばかりが繰り返される。窓から見える景色がかわり、船が発進したように見えても、単に風で、アンカーにつながった船の向きが変わっているだけなのだ。

以前は、午前中はシブアンで1本潜ったが、今は、もうない。乗船前から、ダイビングは午後にならないとない、と聞いていて、承知していても、退屈だ。午後、ダイビングがあるから、ビールを飲んで、のんびりなわけにもいかない。島だったら、ビーチでごろり、水上コテージだったら、部屋のバルコニーでくつろぐとか逃げ場があるが、船はそれがない。センポルナで停泊しているところで、トップデッキに行って、水着でごろりでもないだろう。それに、空も曇っている。

結局、セレベス・エクスプローラーがセンポルナを離れたときには、もう13時をいいかげんまわっていた。トムが降り、かわりにジェリーと、オージーのゲストが乗ってきた。昼食後、またまたトップデッキでくつろぐ。きょう乗船した、スペイン人カップルの、ダンナさんが寝ていた。このダンナ、小柄だが、体はがっちりしていて、こわもてなのだ。うるさいと怒られるかな、と言いつつ、普通にバカ話をしていると、むくっ、と起き上がり、話しかけてきた。話すとフレンドリーで、笑えば、笑顔はチャーミングだ。奥さんは、すらりとしていて、ダンナより背が高く、肝がすわった、いい感じのナイスカップルだ。そのあと、天然のフランス人のおじさんとおじいさんの中間くらいのムッシュが上がってきた。さかんに双眼鏡で、「カパライ?カパライ?」と見ていた。私も、双眼鏡で、島を見ることになった。こうして、日欧交流をしながら、まあ、何もしない、こんな時間も贅沢だね、と言いながら、早くマブールに着かないかなぁ・・・と思っていた。

omon.jpgこうして、マブールに着いたのは、16時すぎ。到着してまもなく、SMARTの水上コテージ下のハウスリーフで潜る。ここに潜るのは3度目。いつも透明度が悪いが、きょうもまた著しく透明度が悪い。ブリーフィングの時に見るマップでは、普通の漁礁、家型漁礁、沈めたボートなど、さまざまな漁礁が、全部で30箇所くらいあるようだが、となりの漁礁が見えるか見えないかといった濁り具合で、コンパスなしじゃ、どこに何があるやら、さっぱりわけがわからない。とにかく、いろいろ漁礁を建てて、いらないボートやビール瓶、廃材を沈めた感じだ。どうしても、好きになれないこのポイントで見たものは、SKさんが見つけて教えてくれたオオモンイザリウオ。あとはたまたま見つけたボロカサゴの擬態系2発で終了。
どちらかというと、ここで潜るよりも、むしろ、エントリーポイントで、まん前に見える、SMARTの、カンダマンスパでマッサージを受けていたいくらいだ。SMART滞在を熱望いているが、ここに潜ると、やっぱりセレベスに乗るしかないなぁ、と思ってしまう。

sunset_celebes.jpgエキジットすると、もうサンセット。ナイトはもちろん行かないので、1ダイブだけでこの日は終了。

半日以上することがなかったので、時間がたつのが、とてもゆっくりだった。なんだか1日中何もすることがなく、だらだらと家で過ごし、夕方ちょっとコンビニに行ってみた、そんな感じだ。

あしたはシパダン。きょうまでのダイビングが、事前に期待していた本数より2本少ない。いつもナイトに行かないのが悪いんだけどね・・・。




セレベスエクスプローラー2日め

2008-09-06 08:12:45 |  ダイビング
土曜日。土曜日は、シパダン3ダイブだけで船がセンポルナに戻る日。船のエンジンがかかる音で目がさめる。よしよし、今日もシパダンへゆける・・・。

1本目・バラクーダポイント
bp_akebono.jpg午前7時、バラクーダポイントで1本め。エントリーすると、今はバラクーダポイントの入り口で常駐のギンガメアジの大群、大きなロウニンアジたちがねらっていた。さっさと40mまで行って見るが、40mでも海は真っ青、にごりもなく、大物の気配はない。壁をちまちまとながめると、相変わらずそこここにアケボノハゼがいる。バラクーダポイントで期待できる、バラクーダの大群も、ディープのハンマーヘッドやグレーリーフシャークも、朝のカンムリブダイの群れも、すべて不在だった。ハダカハオコゼが1つみつかったくらいで、特別なことは何もなかった。コーラルガーデンでのエキジット時、水面にいることの多いイカたちもきょうはいなかった。そのかわり、ムレハタタテダイに囲まれながらのエキジットとなった。特別なことは何もなかったが、透明度がよく、海も暖かいので、気持ちのよいダイビングだった。
 
 

2本目・サウスポイント
 
水深28mあたりで、グレーリーフシャークが、現れてはスタッグホーンクレスト側へと去っていった。でも、みんな体長50~60センチ前後のお子様方。顔形ともグレーリーフシャークのそれなのだが、あどけなくてかわいいのだ。途中で、トビエイが飛んできた。体に白い点々があった。シパダンで、普通のトビエイはたまに見かけるが、マダラトビエイを見たのは、もしかしたらはじめてだったかも。
southpt1.jpgsouth_madara.jpg 


3本目 ドロップオフ
cavern.jpgタートルカバーンの上からエントリー。ドロップオフの透明度がこれまた素晴らしい。タートルカバーンから見た、今日の青は格別。ところで、なぜかカバーンのエントランスが小さくなった気がしてしようがない。Jetty側の水底の砂の量が増え、タートルトム側に抜けるドロップオフへの傾斜がさらに急になったような気がした。今回のセレベスメンバーは、94年にはじめてシパダンにやって来たとき、このドロップオフで仲良くなったと言っても過言ではないメンバー。そんなドロップオフ仲間が皆、同様に、カバーンの入り口が狭くなったと感じていたから、やっぱり狭くなったのか、透明度があまりによくて、全体がくっきり見えたことによる錯覚だろうか?カバーンの入り口では、ギンガメの小群れが、ぐるぐるやっていた。
dropoff_6sep.jpgpenyu_dengan_ikan_putih.jpg

batfish.jpgjacks_6sep.jpg

3ダイブを終え、ダイビングボートが2ハイとも母船に戻ると、セレベスエクスプローラーは、まるで逃げるかのような勢いでシパダンを去る。ちょっとは、ダイビング後、シパダン島を見て余韻にひたる時間を与えてもらえないものだろうか、といつも思う。サバ・パークスの取り決めでは、シパダン海域は、18時までに去ればよいのだから。 本日のダイビング終了とともに、wiht Beerのランチタイムのはじまり。ランチ後、きょうは天気もよいので、トップデッキにビールを持ってあがり、だべりんぐ。先客の白人女性が話しかけてきた。彼女は、「フィンランド、ムーミンの国から来たの。」と言った。「ニョロニョロのね。」と、手のひらを体の横でひらひらさせると、「ハッティバッティは、日本語でニョロニョロ?」と笑い転げ、あとから上がってきた物静かなボーイフレンドに、「ニョロニョロっていうんですって。」と教えていた。日本のことをいろいろ聞いてきた。ボーイフレンドは、おとなしい人だったが、関西からの夫婦が、パチンコ・海物語のうちわを持っていたら、突然、目がキラーンと光り、「オー!ウミモノガタリ~!」と突然狂喜したそうだ。なんでも日本に来たとき、パチンコが相当楽しかったらしい。

こうして、昼下がりがゆったり過ぎてゆき、船は16時すぎにセンポルナに着いた。今はラマダン。日没になれば、センポルナのパサールで、いろいろおいしいものが見つけられるに違いない。きのうから、キャプテンに「センポルナでジャランジャランしたい!」と訴え続け、そのたびに「の~ぷろぶれむ。」と言われていた。そして船がブイに係留すると、キャプテンに、「センポルナにはいついけるの?」と聞くと、「NOW!モウボートデル」との返事。たいへん。センポルナは、KKと違って超ムスリム色が濃いから、ちゃんと長いパンツをはかなくては。あわてて部屋に戻りジーンズにはきかえ、まさに出発しようとするボートに、「とぅんぐ~!(待ってぇ~)」と叫び、乗せてもらう。

初じゃらんじゃらん in センポルナ
これだけシパダンに来ていて、センポルナの町を歩いたことは一度もない。土地不案内なのだ。いつもタワウから着くと、せいぜい15分程度、リゾートのボート小屋で休憩して、そのまま島へのボートに乗っていたし、帰りも、センポルナに着けば、そのまま車に乗りこんで、即、撤収した。昔は、貝で作ったアクセサリを売りに来るおっさんたちがいたが、取り締まりが厳しくなった今はそれもない。昔、ボルネオ・ダイバーズのボート小屋で待っていると、バラクーダの干物も売りに来た。ボートを降り、われわれ日本人は、さくさく歩き出すと、トムに後ろから待つように言われた。ムーミンの国の人々は、皆、トムのうしろについてぞろぞろ歩いている。きょうのエキジット時、おそらくダイブステーションでヘアゴムをなくした私は、明日から髪がワカメ状態になるピンチだったので、なんとしても、スーパーでヘアゴムをGETしなければならない。トムに、「スーパーはどこ?」と聞くと、スーパーがわかるところまで、連れて行ってくれ、「スーパーはあそこ」と、指さしてくれた。センポルナの町は、道が狭いので、ごちゃついて感じる反面、KKでは薄い、東南アジア感がある。トムは、ムーミンの国の人々と、さらにどこかへと消えていった。そういえば、誰かが、BANKに行かなくてはいけないと、訴えていた気が。

スーパーは、MILEMEWA(美麗華)という店で、KKでもタワウでも、なじみのあるスーパーだ。しかし、センポルナのそれは、規模もずっと小さく、所狭しと商品が置いてあって、たいへんなことになっている。日本の消防法に、明らかに抵触しそう。マギーミーのパックや、クッキーなど、パックに穴が開いていたり、破られている商品も多い。外国のスーパーって、どこの国でも、ついつい夢中になってしまう。しかし、日用品売り場をながめても、ヘアゴムがない。そこにまたトムがやって来た。「えーと・・・」ヘアゴムにあたる言葉が思いつかなくて、髪をうしろでひっぱると、「いかっらんぶぅね。上。」と言われた。そうだ。Ikat(英語でtie)Rambut(英語でHair)だ。グランドフロアばかりに気をとられた我々は、用もないのに、上の2フロアも冷やかしまくる。無事、ヘアゴムもゲット。

スーパーを出て、パサール(市場)の方に行く。なんだかごちゃごちゃ。市場の敷地内で、というよりは、道端で、無造作に商品を並べて売っている店が多い。フルーツも、魚も、ニワトリまでもが。ニワトリは立派なオンドリで、大きかった。マレーシアのニワトリは、ネコより強い、といわれるのがわかる気がした。魚はいかんぷてぃ(ギンガメ)が多かった。ヒメジなんかもあった。どうみても、観光客の私達にも、魚市場のにいちゃんは、強力に売り込んでくる。買っても調理できないっつーの。
mangga.jpgpenjual_ikan.jpg
好みのサカナを買って持っていったら、食材の提供で、コックが調理してくれないかしら、など、思い悩んだが、まあ、無理なお願いはやめとこうということで、マーケットでは、フィリピン産マンゴを6個10リンギットで購入しただけ。そのあと、Liveabordにはつきもののバナナがないことを思い出し、なら、いっちょわれわれで買ってくか、という話になったが、全部真緑だった。バナナなんて、すぐに黄色くなると思ったが、市場のオバチャンから、これはまだ若すぎて食べられない!とダメ出しされた。

shukaku.jpg生臭さに誘われて(?)、屋根のちゃんとある、魚市場の中に入ってみた。なんらか作業をしている人々はいたが、時間が遅いせいか、サカナは特に見当たらなかった。奥まで行くと、船着場になっており、そこにおそらく漁民の船をつけるのだろう。ひっそりと、かつ、むぞうさに、カマス系とギンガメアジが水揚げされていた。バラクーダ、見事に反り返っていて新鮮だが、氷につけなくてよいんだろうか。こうして魚市場を勝手に10分ほど見学して、外に出ると、先ほどオンドリを見た場所に戻っていた。オンドリは、子どもたちを連れた、ムスリム装束のお父さんにおとなしく抱きかかえられ、まさに連れ帰られるところだった。さようなら。さて、見るものは見た気がするが、集合時間までは、小一時間あった。船でのおいしい夕食も待っているが、ラマダンならではのスナックをGETしたかった。サテ(焼き鳥)、魚のBBQ、ピサンゴレン(バナナフリッター)、クエ(お菓子)を期待していたが、まだ日没前だからか、特に何も出ていなかった。Jettyに戻ろうか、ともと来た道を戻るうちに、もう1件、小さなスーパーがあったので入ってみた。CTCトレーディングとかって名前だった。店に一歩入ると、満面の笑みの中国人おばあが、「ニイハオ!」の第一声。隣のおじいも「ニイハオ!」とこれまた満面の笑顔。いちおう「ニイハオ」と返したら、中国語でべらべらと話し出した。あきらかに私達のニイハオの発音には違和感があるはずなのに。「おらんじゅぷんばー」といったら、こんどは、「トウキョウ!ハーイ!トウキョウ!ハーイ!」。そして陽気にいろいろ知る限りの日本語を言ってくる。マギーミーを買っただけでも、満面の笑顔。なんだか華僑の人々のバイタリティを凝縮したような夫婦だった。そして、その割舌や、リアクションがいちいちおもしろいのだ。彼らの横では、トゥドゥンをかぶったローカルの女性店員が、しれーっとした表情で、たたずんでいた。店を出るときも、ずっとおじいは、「トウキョウ!トウキョウ!」を連呼していた。なんだか笑えた。こうして彼らのパワーに気おされて、Jettyにとぼとぼ戻った。日はとっぷりと暮れてきた。明日は午後までダイビングがない、と思うと、気が楽だ。


セレベスエクスプローラー1日め

2008-09-05 23:21:25 |  ダイビング

朝、レッドブルをぐびぐび飲んで、ラディウスをチェックアウト。
シパダンダイバーにはおなじみの、えむへいち・どうぁさとぅどうぁさとぅ=MH2121便の出発時間は、午前7時ちょうど。ラディウスと同じワリサンスクエアにある、インペリアルホテルのミールクーポンをもらったが、6時スタートでは間に合わないので朝食は放棄。人っ子一人いないセンターポイント前からタクシーで空港へむかう。深夜早朝とはいえ30リンギットかかった。KKで、タクシーで、わずか15分の距離で、1000円近くというのは、なんか高すぎだ。

mooncake.jpgそして、いつものMH2121便にチェックイン。ここで関西からやってきたシパダン仲間と合流。彼らは、シャングリラホテルで、朝食をとれたらしい。「食べなくていいの?」と聞かれ、チェックインエリアの奥のマックをさされたが、「ドリアン月餅があるから大丈夫♪」と言って、そのままセキュリティチェックをすませ、さっさと出発エリアへとすすんだ。朝7時発の便には、まだまだ時間があったので、たいして空腹感もなかったが、その間にきのう買ったドリアン月餅をいただくこととした。パックを切ると、マイルドなドリアンの香りがふわ~り。これをいいにおいだと思ってしまえる。そしてさすがドリアン。おいしい。

tawau.jpgそして、MH2121便にボーディングする頃には、すっかり空も明るくなった。けさのKKの空は、薄曇り。KKからタワウのフライトでは、いつもキナバル山の眺めを楽しみにしているが、今朝は、キナバル山は、その大部分が雲の中だった。これじゃ下山はどろどろだぁ、と、キナバル山下山のトラウマが甦った。そして、もうひとつ楽しみにしているのが、タワウに着陸体制に入ると、目に飛び込んでくるボルネオグリーン。椰子の葉の緑は、本当にいきいきとしていてきれい。ヴィトン、エピのボルネオグリーンはなぜ廃版になったかとふと思う。
 
タワウに着くと、荷物もすぐにピックアップでき、セレベス・エクスプローラのドライバーの送迎で、センポルナへむかう。ドライバーの名前は、アリ・ババだ。こんなボルネオグリーンの中に、ぽつんとあるタワウ空港からセンポルナまで約1時間、いつもは爆睡の時間なのに、テンション高いわれわれは、しゃべりっぱなしだった。

センポルナに着くと、シーフェストホテルでトイレ休憩。ホテルの従業員は、トイレを借りるだけのわれわれにも、優しい微笑みでドアを開けてくれるので申しわけない。いちおう、ホテルで高い、それでも船よりは安いであろうミネラルウォーターを買った。

センポルナからシパダンの間、海はぺたぺたで快適。どこのリゾートのボートに乗っても、だいたい途中でエンジンの調子が悪くなったり、なんらか止まってしまうが、今回は順調。今日は、ほとんどミラクルな、ノンストップでいけるかな、と思ったらシパダンへあと10分というところでとまった。よくあるエンジントラブルではなく、単にオイルタンクのつけかえだけだった。惜しい。

セレベスに乗り込むと、まず、キャプテンからのブリーフィング。キャプテンというと立派そうだが、芸人系キャラで、名まえはダスリという。船の停止直前に、ぐるぐる操舵してるといったタイミングにだけ、ごくまれにキャプテン顔をしているときもある。ブリーフィングは、私たちだけだったので、「ニホンゴ!」と言われたダスリは、頑張って最後まで日本語でブリーフィングをしていた。用が足りてしまうのがすごい。「ダイブマスターハ、トムトジェリーデス」と言ったが、ジェリーはホリデー中であった。うーん。私たちの大切な眼が、今回はない。簡単なダイビングの免責フォーム兼ゲストガードに記入すると、約一時間で最初の一本。

1本目・バラクーダポイント
penyu_tidur.jpg
一本めから、いきなりバラクーダポイント。もちろん全員、このポイントチョイスに異議ナシ。今回のガイドはSKおじさん。SKは名前のイニシャルで、いつももの静かで、読書をしている。仙人のようだ。今朝は、バラクーダポイントにバラクーダはいなかったということで、ふーん、いないのか、とあるがままに事実を受け止めて、ボートに乗り込んだ。

もともとバックロールエントリーが嫌いなところにもってきて、セレベスエクスプローラーのダイビングボートは小さくて、ボートのへりに座ったとき、フィンの先が、ベンチにひっかかるのがいやで、いつもジャイアントストライドでエントリーする。飛び込んでみたら、なんだか海が青くてきれいだ。沖縄の離島で見たことがある色だ。リーフの上に、ギンガメの大群がいたが、全員、わりとあっさり潜降開始。94年には、ドロップオフでのオリエンテーションダイブで見たギンガメアジにも大興奮のメンバーだったのに、もう慣れっこだから、新鮮な感動にかけるといえよう。水深5mくらいのところで、アオウミガメが、固く眼をとざして、眠っていた。だいたい、眠っているようでも、片目が開いていたり、半眼であったりのことが多い彼らだが、きょうは、ギューっ、と閉じてる感じだった。さて、水が青いのに加えで、水温もダイコン上は29℃。ハンマーヘッドを探す感じじゃない。そして、バラクーダは、聞いていた通り、けさはいなかった。流れもなかったし、インリーフは、海の色は青いが、ミルキーな感じだった。

バラクーダポイントから船に戻るとランチ。みんな朝が早かったので、船に乗ったときには、すでに空腹だった。ドリアン月餅は、食べた直後は、ずっしり来たが、消化はよいようだ。セレベス・エクスプローラーの食事はおいしいので、みんなついつい食べ過ぎてしまう。さらに、私が辛いのが好きというのを覚えてくれていたようで、コックが顔を見るなり、すぐに醤油の中にチリとカラマンシーを入れて、ホットなソースを作ってくれたので、それをごはん、魚、肉、なににかけてもおいしくて、より食がすすんでしまうのだ。

2本目・スタッグホーンクレスト
staghorn.jpgサウスポイントにむけて流すが、途中で流れがかわり、押し戻された。その流れは、はじめはゆるやかだったが、だんだん早くなり、最後はピューンと、ひたすら流された。流れがはやくなるとともに、水のクリアさもアップ。浅瀬はこわいほど抜けていて、肉眼では、もはや青みすら感じなかった。干潮だと水面に頭が出てしまう、奥の方のリーフの輪郭も、普段の紗がかかった感じではなく、こわいほどくっきりと見えるのだ。乾季のモルディブなみの流れと透明度に、美しいハードコーラル。ただただ流れに乗って、水中の景観がとんでゆくのを楽しんだ。透明度が落ちてきて、やっと流れがゆるくなったと思ったら、ハンギングガーデンだった。

3本目は、ナイトダイビングだというので、パス。おやつも、夕食も、タイガーも、おいしくいただき、こうして、あっという間に1日目の夜は更けていったが、もう何日も乗っているような気になっていた、われわれなのであった。




めいっぱいKK

2008-09-04 23:57:30 |  旅行
シンガポール~KKへ
mi.jpg朝5時半に、チャンギ国際空港ターミナル2の「プラザ・プレミアム・ラウンジ」の仮眠エリアを出たが、KKゆきのシルクエアーの出発時刻は、午前8時50分。まだ3時間半近くあった。ラップトップコーナーで、しばらくネットにつないだり、免税店をひやかして時間をつぶした。おなかがすいたが、機内食もあるので、不要なカロリー摂取は避け、カフェでホットコーヒーとココナッツクッキーのスナックだけにした。
 
ボーディングパスに書かれた搭乗時間は出発1時間前。ふだんはそんなにゆとりをもってゲートには行かないが、することもないので、今日はさっさとゲートへすすんだ。KKゆきのシルクエアーのゲートにゆくと、私の前に並んでいた、マレー系とおぼしきおじさん4人連れが、セキュリティゲートのところを、行きつ戻りつになっていた。4人が4人皆、ゲートを通るとブザーが反応して、携帯を出しに逆戻り。そして、ラップトップを手荷物に入れたままスクリーンを通し、これもまた取り出すといった具合で、誘導係の若い男性職員が、奥の検査官に、「手際が悪いぞ、コラ!」と叱られていた。みんなの前で叱られるのは気の毒だったし、おじさんたちもわかっちゃなかったが、おにいさんの要領が悪いのだ。ボーディングパスリーダーにボーディングパスを通すと、半券と一緒に、マレーシアの出入国カードを渡された。げ。1回廃止になっていたのに、また復活?
 
ゲートでぼんやり外を眺めていると、まだ朝も早いのに、KKゆきとなる便の機材は、どこかから飛んできて到着したばかりのようで、貨物室から荷物をおろしているところだった。到着便の荷物をトロリーに載せ終わると、こんどは出発便に積み込む荷物がやってきた。自分のスーツケースが、ベルトコンベヤーで貨物室へと消えていくのを見て、一安心。全部の荷物が積み込まれると、スーツケースが2個、貨物室から押し戻されてきた。きっと、KKゆきの荷物じゃなかったのだろう。こうしてロストバゲージが起こるんだな、と思った。そのあと、別の荷物を積んだトロリーが走ってきて、ぐいーんと急カーブをきったら、スーツケースがドサドサッと、2個、振り落とされるのが見えた。こうして荷物のダメージが起こるんだな、と、チェックドバゲージの受難を垣間見た気がした。 

mi_silkair.jpgシルクエアーの座席番号は24Aだった。機材のエアバスA319が小さめなので、24にして最後列。さて、シルクエアーで後方に座ると、いつも必ずといっていいほどミールのチョイスがなくなるが、今日は珍しく選べた。シーフードにすると、「スパイシーOK?」と聞かれたが、確かに、スパイシーなシーフードビーフン。悪くない。よく機内で上映される、カナダのドッキリ番組、「Just for Laughs」を見ていたが、続いて、犬らしき動物が車で事故るとか、スポーツで怪我するとか、いつもなんらか痛い目にあうアニメが始まった。ハングルが出てくるから、韓国製なのかな。犬は毎回受難続きで不死身なのだが、私はこのアニメが嫌いなので、しばし眠ることにした。
 
さて、KK到着が近づくと、窓の下には、次々といろいろな島が見えてきた。天気もよく、南シナ海の青がきれい。
borneo1.jpgborneo2.jpg

landasan_kkia.jpgところが着陸寸前になると、ひどく海が濁ってしまっている。海と滑走路の境目から、コーヒー牛乳色→緑色→青へと、沖にむけて、くっきりと水の色が変わっていく。KKの海に透明度は期待できないが、この赤茶けた色は、明らかに以前の濁りとは違う。空港の新ターミナル建設や、滑走路延長工事の影響で、赤土が流出してしまっているのだろうか。

6月に来た時には、飛行機の離発着のみ新ターミナルで、イミグレーションやバゲージクレームは旧ターミナルという運用だったが、すべての機能が新ターミナルに移っていた。到着ゲートからコンコースに出ると、スタバが目に飛び込んできて、KKらしくないなあ、と思ってしまった。新空港の雰囲気は、KLIA(クアラルンプール国際空港)に似ていて、なんだか無機質な感じだ。規模が大きくなったわりには、人の流れが少なく、まだまだ空きテナントも多く、がらんとして感じる。イミグレーションは結構な行列で、待たされた。黄色いラインの後ろに並ぶように書いてあるわりには、黄色いラインがなかったり、まだまだ完璧じゃない新空港。荷物をピックアップし、外に出ると、ますます人影もまばら感が強くなった。とりいそぎ、街中に比べるとかなり不利なレートだが、MAY BANKで5000円だけ両替したら、MAY BANKラベルのミネラル・ウォーターをくれた。水はいいから、もっとレートをよくしてちょうだい。そしてタクシーチケットを買い、ワリサン・スクエアにある、きょうのホテル、「ラディウス・インターナショナル」へとむかった。チェックインが14時なのを承知でホテルへ行くと、案の定部屋の用意ができておらず、「14時に戻ってきてね。」と言われた。荷物だけ預けて、時間つぶしにひとりじゃらんじゃらんに出発。

きょうのKKランチ
newstar_mibasah.jpg日本にいるといつも恋しく思う、KKのミバサ=ミー・ゴレン・バサと、バクテスープ。バクテは夜だけなので、まずはミバサからだ。WISMA WAWASANというショッピングセンターのフードコートへ行く。平日だったので、まわりはほとんどこのビルのオフィスで働いているらしきビジネスマンやOLっぽかった。このフードコートのNEWSTARという中華の店の前を通ると、いつも女の子たちが、「マカン、マカン」と(makan=eat)と言っているので、ついNEWSTARでマカンしてしまうのだ。NEWSTARは、ナシゴレンもおいしいが、ナシゴレンのことなど、思い出しもしなかった。それほどミバサを切望。機内食を食べてから、そう時間がたっていないので、おなかはぜんぜんすいていない。なのに、ポークの肉団子スープまで頼んでしまった。船に乗ったら、しばらくポークが食べられないと思うとついつい・・・。2品で10リンギット。うーむ。値上がりしたな。きょうは、ついてきたチリが、なぜか青唐中心で、しっかり全部入れたら、とてもHOTだった。ミバサは、やはりこの濃い色のスープ、黄色い麺、シーフードの組み合わせに限る。味はとてもよいのだが、こうしたショッピングセンター内のフードコートや、安めのKEDAIでは、エビやイカといった具の鮮度が悪く、たいていぐだぐだな感じなのが残念だ。おなかがすいていないといったわりには、難なく完食。

1Borneo
6月にオープンした、KKの一大ショッピングモール、1Borneo。東マレーシア最大規模で、メガモールだとか、ハイパーモールだとか、普通のショッピングセンターとは違うぞ、な形容詞がくっついている。KKの中心からは離れているし、有名店や高い店ばかりという話で、KKで、そんなブランドものを買うというアイデアはわかないので、あまり興味がなかった。ところが、きょうKKに来るときに読んだ、シルクエアーの機内誌に、1Borneoには水族館もあると書いてあったので、さっそく行ってみることにした。 
1borneo_pintu.jpg1Borneoは、KKから車で約20分、UMS(マレーシア大学・サバ校)に近い。UMS自体が、まだ若い大学で、まわりには何もないように見える。エントランスから外を見ると、だだっぴろい野っ原がひろがっていた。1Borneoには、ノボテル、メルキュールといったおフランス系のホテルが2件に、ベストウェスタン系のホテル、他にもコンドミニアムやら、ボウリング場、スパ、フィットネスクラブ、アミューズメントパーク等、さまざまな施設が併設されている。何もない田舎に、唐突に巨大施設ができた感じで、周囲の景色となじんでいない。
1borneo_atrium.jpgショッピングモールは、オアフのアラモアナ・ショッピング・センターを思い起こす大きさ。ヴィトンなど、高級ブランドが並ぶのかと思ったら、そんなことはなかった。敷居高い系のブランドではなく、CKだとか、高級というよりは、カジュアルな有名ブランドがほとんだ。それでも、こちらの物価水準から比べるとぜいたく品ばかりに思える。ここに来た目的はショッピングではなく水族館だ。インフォメーションに行き、「水族館はどこですか?」とたずねたら、「まだ完成していません。」と言われてしまった。「オープンはいつですか?」と聞いてみると、「今年の暮れです。」との返事。機内誌め・・・。
seaworld_underconstruction.jpg吹き抜けから下を見たら、地下のフロアに、水中の絵と、SEA  WORLDの文字が見えた。確かに、まだまだ建築中だ。物好きに下まで降りていって、予定地の前にたたずんでみた。この囲いの隙間から、中がしっかり見えたが、まだコンクリート打ちっぱなしの、グレー一色の世界だった。水槽になるらしき部分のふちはできていたが、これでは、基盤もできてるかどうか、といった状態だった。それに、水族館の規模としては、あまり大きくなさそうだ。水槽には、どんな生き物は入るんだろうか。囲いにマンタの絵が描かれていたから、マンタは入るのかな?

せっかく来たのだから、ウィンドゥショッピングと思うが、たいしてひやかしたい店もなかった。買い物に来たわけではないが、せっかくここまで来たのだから、ムーンケーキ=月餅くらいは買って帰ろう。今年はどこに行ってもココナッツ月餅がない。なのでドリアン味にした。約270円、こっちの物価から考えると結構高い。1Borneoだから高いのではなく、月餅は、平均して高いのだ。そして、ついついクイックシルバーで、ROXYのbagを購入。店員は、このバッグ+何かもう1品を買えば、5割引になるといったが、Tシャツも、ボードショーツもほしいのがないので、バッグだけでよいとお断りした。でも、キャッシャーに行ったら、5割引きにしてくれた。無駄づかいは終わりにして、ホテルのチェックインタイムもまわったことなので、ホテルに戻ることにした。1Borneoのイメージは、お台場のパレット・タウン。ローカルの富裕層と、旅行者むけの、あまり個性のないテナントにもう用事はないかな、と思うけれど、水族館の水槽の中身しだいでは、また来よう。

ラディウス・インターナショナル・ホテル 
bilik_radius2.jpgラディウスは去年、ビューのない部屋をとり、部屋が狭くて圧迫感があってイヤだったので、今年はオーシャンビューにしたものの、限りなくシティビューに近い、パーシャルオーシャンビュー。というか、真正面のメリディアンホテルビューといった感じだ。真下を見下ろせば、ひたすらワリサンスクエアの屋根ビュー。アップルホテルズのクーポン利用だから、しようがないといえばしようがない。同じ規格の部屋でも、外が見えると見えないとは大違いで、このホテルの印象は、昨年より大幅にアップ。

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ワリサンスクエアの7階がラディウス・インターナショナル・ホテルで、60X号室も、70X号室も、皆、同じ7階のフロアにあり、廊下をはさんで向きあっている。また、ビューのない部屋の窓側の廊下には、バンブーの石庭(?)がある。ビューがない部屋だと、この屋内バンブーをはさんで、お向かいの部屋ビューなのだ。窓をあければ、パブリックスペースというわけで、わざわざここを通りぬける人も見ないが、変な格好して、窓を開けるわけにもいかないのだ。
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ホテル内のミーティングスペースというか、喫煙スペースのような場所からのオーシャンビューの景色はなかなかよい。窓の外には、ツバメ系の鳥がたくさん舞っていた。KKのツバメは、飛び方はツバメだが、燕尾ではない。ガヤ、マムティク、スルといった、サピの島々が見える。穏やかな南シナ海。こんな景色が見える部屋ならば、ホテルに引きこもるのもよいが、私の部屋は、たいした眺めではないので、外へサンセットを見にゆくとしよう。ワリサンスクエアを出て、海側の道を歩いていくと、しばらくは道が乾いていたが、セガマを越えたあたりから、道がぬれている。局地的に雨が降ったようだ。
sunset_kk.jpgKK市場を過ぎ、SABAH PARK JETTYの手前、昔は不法滞在の人々が建てたJettyがあったあたり、前を通れば、必ず、「あいらんど?」と、島へ渡るボートの客引きがあったあたりが、範囲は狭いが、ボードウォークに生まれ変わっていた。イルカやサカナのモニュメント(?)もある。きょうのサンセットは、空が赤く染まらない、地味なサンセットだ。今まで、夕方、街を歩いていて、サンセットがどんなにキレイでも、適当な佇みポイントがなかったが、ここは夕暮れ時にぼーっとするにはよい。
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佑記茶室で肉骨茶
bakuhteh.jpgさて、お次は、日本でいつも切望しているバクテだ。けっこう気に入っている新記茶室というバクテ屋の前を通ると、「マカ~ン」と声をかけられたが、どうしても、佑記茶室のバクテが食べたいので、わずかな未練を残しつつスルー。新記も激ウマだし、盛りは佑記よりよい。ジェッセルトンホテル前の佑記茶室に入ると、いつも仏頂面の、チャイニーズのおばあがいる。むっつりとオーダーをとるが、ときどきニヤっと笑うと、妙に愛嬌があるのも不思議だ。そして、スープの味といい、豚肉のやわらかさ加減といい、やはりこの店のバクテは絶品。佑記のよいところは、一人前であれば、食べすぎにはならないこと。腹八分目ですませられるのだ。そして、お会計のときのおばあは、いい笑顔だ。

カンダマンスパへ 
今回は、月末にバリに行く予定があるため、そうそう長い休みをとるわけにもいかず、KKでの長居ができない。こうしてKKにいると、バリのことは、どうでもよくなってきて、バリではなく、KKを長くすればよかったと思ってしまう。でも、約束は約束なので、バリには行かなくてはならない。なので、短いKKでの時間で、極力やりたいことはやっておく。仕上げはピナンパンのカンダマンスパだ。そして、ここも値上がりしていた。まったくなんでもかんでも高くなったもんだ。それでも、ここのスパは、良心的な価格設定で、質もよいので満足だ。ココナッツスクラブと、ボディマッサージと、ボルネオフェイシャルで生き返った。ピナンパンからの帰りの車、アピアピセンターでおろしてもらい、やや割高だが、通宵営業(そう書いてある)のセブンイレブンで、レッドブルとタイガービールを買って、ホテルに帰った。ほとんどおっさん。

ホテルに戻ったのは、23時ちょっと前。結局、ラディウスの部屋から外を眺めた時間は、トータル数十分だったように思う。