朝 シーベンチャー
目がさめると、きょうでここを出られる!とハッピーな気分。
シパダンパーミットがない今となっては、ここには何の未練もない。
サイナスの調子は悪いけれど、部屋にはいたくないし、ダイニングにいても退屈だし、やっぱりダイビング。
明るくなってから起きて、朝食後にボートダイビングへ出発。
ガイドもゲストもきのうと同じメンバーに、アドバンス講習が終わったらしい中国人女子の友だちがJOINしただけ。
先日、シーヴェンチャーに泊まった知人いわく「ガイドがみんな若くて、魚を知らない。」とディスっていた。
でも、そんなことはない。
確かに魚じゃないけど、極小ウミウシや甲殻類はしっかりみつけてくれる。
それに、ものすごーく若いとも思えない。
1st dive Kapalai ウミウシ祭り開催中
この旅2度目のカパライ。
次から次へとウミウシを紹介され、次から次へとピンの合わない写真を量産。
みんなが紹介されたものにわっと集まるので、長居は禁物。
ウミウシ萌えだったら、カパライは間違いなくパラダイス。
でも、私はウミウシより、魚類、甲殻類。
誰も目をくれぬタルボッちゃんたちだったりする。
1本でやめようと思ったが、う~ん、物足りない。
というわけで、サイナススクイズにも負けず、もう1本行くことにした。
2nd dive Mabul Ray Reef
みんなリーフ沿いをお行儀よく泳いでいて、アダムが何か紹介すると、ワッと集まるというのを繰り返す。
ゆっくり写真をとれないのがストレスなので、避難もかねて、数メートル深いだけの砂地に降りてみた。
ここはやっぱりハゼでしょうと目を凝らすと、いた、いた!
ヒレナガネジリンボウが一つの穴から3つ出ているのを発見。
テンションが一気に上がり、静か~に近づこうとしたが、殺気を感じてか、すぐ2つになった。
じりじりと距離を縮めるうちに…
引っ込んだものもいれば、やってきた者もおり…
5分ほど粘ったが、3匹目はついに戻ってこなかったし、結局はこのお二方にも引っ込まれた。
蚊やり豚を思わせるホヤ。
これにて6日間18ダイブ終了。
午後 シーベンチャー→センポルナ
センポルナへのボートは15時出発。
リグに戻ったら、できるだけ器材を風通しのよいところに干すが、非力な太陽で、乾かないままメッシュで運ぶしかなさそうだ。
ランチのとき、アラサー中国女子の連れが日本語で話しかけて来た。
「あなたはどこから来たの?」と聞いたら、「上海から来ました。でも私は上海で働く韓国人です。上海で留学していたので、中国語を話します。日本語はほんの少しです。」
マレチャイたちちともネイティブのように中国語を話し、アドバンス講習も中国語オンリー。
ネームリスト見て、韓国っぽい名まえが一人いるなぁと思ったが、中国語堪能なコリアンであった。
ふたりとも見た目の感じがよく似ているのだが、おはようの挨拶も返さない社会人としてどーなん?な中国人女子と違って、韓国女子のほうが社交性もあり、「気をつけて帰ってください。」とオトナ対応である。
中国に留学したことのある知り合いによれば、韓国では、あの毎年ニュースになる大学受験に失敗すると、中国留学をする学生が多いと言っていたのを思い出して、賢そうなこの人も、受験戦争で苦労したのね、と勝手に人のバックグラウンドを臆測。
器材を片付けていると、ダイブマスターのティナというぷっくり女子が「Oh!You!帰るんですって〜?寂しいわぁ〜!」と、英語なんだけど、海外ドラマの吹き替えみたいな抑揚でやってきた。
ティナちゃん、私と接点ゼロだったぢゃん、と突っ込みたくなる。
インド人5人を担当しているイギリス人のジェニーンはフリーダイビングのインストラクターでもあり、ボート上で私のぺらっぺらな3ミリを見て、「これ、フリーダイビングにいいのよねー」と言うので、コースに興味を示したら、帰り際、わざわざ挨拶に来た。
どちらもこうしたセールスマインドは、評価しなくちゃ。
14時すぎにオフィスで精算。
シパダンパーミット40リンギット/日は、アルコール(タイガー1缶15リンギット)、マグナム(1個6.50リンギット)などに合わせて、チェックアウト時に支払う。
そして、待望のリグを去る時間になった。
人々はダイビングに出かけたあとなので、ひっそりとリグを去る。
そういえばアダムのやつ、明日のセンポルナからタワウの送迎を友だちに頼んでくれるの、しっかり忘れてくれた。
まあ、最安のミニバスでホコリまみれで帰るからいいや。
錆び錆びの水、オイル臭い部屋、吹きっさらしのダイニングと、およそ南の海での休日とはほど遠い環境とも、これでおさらばと思うとうれしい。
でも、シパダン5本のために、また閑散期に来るんだろうな…。
C/Eが新艇にならない限り。
50分ほどで、センポルナのjettyに着いたら、目の前にC/Eが泊まっていた。
朝、カパライへ行く途中、C/Eがノロノロと動き出すのを見て、どこ行くんだ?と思って見てたら、センポルナに戻ったんだ。
きょうは水曜なのに、なぜ?
ボートを降りると、ウェットスーツを来たトムが、作業をしているので「トぉ〜ムぅ〜!トム、トム!」と連呼。
トムは新船長と新DMを紹介してくれたが、名まえが難しく、覚えられない。
Jettyに上がると、シーベンチャーのスタッフらしいおっさん二人が待機していた。
Jettyとシーフェストは目と鼻の先なので、歩いてゆくというのに、数十メートルを車で送ってもらい。
センポルナ 「Seafest Hotel」ジュニアスイート
さて、今宵は無意味にジュニアスイート。
Room605。
部屋に入ると、リビング。
手前はカウンターになっている。
奥にワンベッドの部屋があって、
シャワーブースとバスタブが別れている。
アメニティ。
ちなみに、玄関横にもトイレがある。
バスタブで器材洗って、バルコニーがないので、カウンターにバスタオル敷いて、片っ端から器材を並べる。
カウンターには小さいありんこがいっぱい。
まあ、ここはセンポルナ。
カーテン開ければ、海が見えると言っても…
そこはゴミだらけのセンポルナの海。
とくに岸近くと埠頭は美観ゼロ。
よく見たら、建造中のC/E発見。
こりゃ、期待はできないね。
夜 センポルナじゃらんじゃらん
夜は、センポルナでビジネスを始めたという、元シパダンのダイブマスター(のちイントラ)と再会。
思えば9月にKLでの長時間トランジットが退屈で、WhatsAppでひさびさにメッセージ送ったら「シパダンに来るならビールを」という話になったのだ。
どんだけこの人たちに、私はビール女として映ってんだろと思うほど、かれこれ20年近く「ビール飲む?」と言われる。
今回、外務省からの危険情報を気にしつつもシパダン行きに踏み切ったのは、彼らがここ、センポルナでビジネスを始めたということは、きっとセンポルナに差し迫った危険はないからだろうとふんだからだ。
ローカルが、本当に危険を感じれば、あえてKKを離れて、ここで事業は始めないはず。
さて、旧友は、SUVで登場。
「KKからセンポルナに車持って来たの?」
センポルナのビジネスは相当本格的なんだな。
開口一番「サテいこう!」で、数分走って、車はグライ(フードストール)で止まる。
まあ、インスタ映えするサテだこと! やってないけど。
見るだけでテンションあがる。
カンビン(山羊)でもレンブー(牛)でもなく、ここはやっぱりアヤムでしょ!
ビールがすすみそう。
でもムスリム色が強い土地柄。
わざわざ近くのコンビニで、オレジュー2パック買って来た。
サテもオレジューも、消費できない量である。
やっぱり、ピーナッツソースで食べるマレーシアのサテ、うまい。
サテをたいらげたら、即撤収。
すでにカロリーオーバーだが、「ビールを飲みに」と、ショッピングセンターみたいなところにあるオープンエアーなバーへ移動。
生バンドが「君の瞳に恋してる」をがなる中、テーブルにつき「カールスとアサヒどっち?」と言われ、SUPER DRY。
「I LOVE YOU BABY」とバンドが高らかに歌うと、屋根のない席にいる若者のグループが歌に合わせて、奇声をあげて踊りまくっている。
センポルナのダイブショップのローカルダイブマスター達だそうで、毎晩ここで奇声をあげて歌い踊ってるらしい。
中でも、いにしえのCCBの笠くんみたいないでたちの男子が目立っていて、その子が昔のボルネオダイバーズの誰それに似ているというのを言いたかったようだ。
ボルネオ・ダイバーズのドロップオフカフェの思い出を呼び覚ますためだけに寄ってくれたらしいが、私には響かない。
そしてビールを飲み干したら、次はChillingのために、新しくオープンしたホテル、シーフェスト2のバーへゆくという。
思い出した、こいつ、昔から、じっとしてられないんだった。
SDCのカンティーン、JETTYのドロップオフカフェ、とにかく場所移動が好きだった。
KKでも、店を次から次へと移ってたな。
飲み始めたら動きたくない私にとっては、面倒くさいが、このうるさい生バンドより、chill outだな。
ぐびっと飲んだから、まわる、まわる。
シーフェスト2は通称らしく、正しくは「Seafest Boutique Hotel」。
ルーフトップバーは閑古鳥が鳴きまくり…
ひなびた夜景。
でも、妙に落ち着く。
タイガー飲みながら、バカ話と昔語り。
そのうち、いろいろぼやかれる。
テックダイバー暮らしに疲れた(それで裕福になったでしょ)、結婚をしたことへの後悔と離婚したいきさつなどなど、ふんふん、へー、と聞き役。
ひとしきりぼやきや噂話を聞いたところで、今の私の最大の関心事はタワウへ戻ることであるが、「ところで、センポルナのミニバスステーションの場所って、KFC前でいいんだよね?」という質問を投げてみる。
マイカー愛用のKK人は確信がない様子なので、まあ、ホテルスタッフに聞くからいいやと思ったら、
「あした、タワウ空港まで送るよ。タワウの町にも行きたいし。」
なんですと!?
「ラッキー!」と思いつつ、さすがに辞退。
だって、往復3時間かかる。
でも、タワウで買いたいものもあるから、是非!と言われ、では、ご厚意に甘えて。
持つべきものは、友だちだねぇ!
さて、シーフェストのスイート利用客だけが入れるラウンジのウェルカムドリンククーポンがある。
選ばれし人(?)のみが入れるのだから、一応入っておきたい。
ラウンジが23時までなので、22時にバイバイしてラウンジへ。
ラウンジの扉を開けると、寒っ!
別の意味でのchilling。
真にchilling。
レセプションの人は、ひますぎて寝てたよう。
だって私しかゲストがいない。
窓は全部結露しているエアコンのききっぷり。
ソフトドリンクでさらに冷え、何もないので、早々に退散。
部屋に戻れば、こちらも冷え冷え。
カウンターにずらり並べたダイビング器材を乾かすために、キンキンである。
あすのパッキングを思いブルーな気持ちで、毛布かぶって就寝。
8時間は寝なくちゃ。