くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

KKショート・トリップ帰り道

2009-05-12 21:51:27 | Weblog
5月6日。あっという間に今年のゴールデン・ウィークも最終日。ぱっとしなかったKKショート・スティを終え、帰国の途につく。KKからシンガポール経由で成田へ帰るが、シンガポールで約11時間のトランジット時間があるので、ひさびさに町に出ようと思う。

KK発シンガポールゆきの便は、午前10時半発のMHだ。90分前チェックインをめざし、朝8時半すぎにホテルを出発する。こんな朝のうちにKKを去らなくてはならないのが惜しいが、シンガポールへのフライトがこれしかないので仕方がない。エア・エイシアが夕方にあり、順調に飛んでさえくれれば、じゅうぶんSQの成田ゆきのフライトに乗り継げるのだが、万が一遅延や運休が起こると、格安航空会社の場合は、乗り継ぎ扱いの概念自体がなく、とても面倒なことになるので、手堅いところでゆく。前回旅行時までは、水曜には、SQのシンガポール発成田ゆきの夜便への乗り継ぎにちょうどよいシルクエアーのKK-シンガポール便があったのだが、その設定がなくなってしまい、今は、水曜はMHの午前便だけだ。MHのチェックインのお兄さんは、ヒップホップ野郎っぽく、対応はファンキーな感じだった。晴れの日は、ボルネオの海岸線やプロゥティガなどがきれいに見えるので、窓側をお願いした。

午前10時すぎ、KKIAで、日が高くなってからのキャビンは、もわーんと暑かった。早朝だと、なんでこんなに冷やすの、と思うほどキャビンは冷えているが、なんでこんなに暑くしとくの、って思える。いつもはコンパートメント下の通風孔を右にまわすのに、きょうは左にまわした。それでも涼しくはならなかった。プチ蒸し風呂状態の中、出発を待った。やがて機長からのアナウンスが流れ、ウェルカムオンボードだろう、くらいに 聞き流していたが、最後の方で、ディレイへのお詫びの言葉と、詳細判明したらまたお知らせする、というのが聞こえてきた。急ぐこともないし、メカニック系の問題なら、しっかりなおしてね、なんて思いながら、搭乗口でとってきた新聞を読みふける。ローカルのデイリーエクスプレスとなぜか読めもしない中文の詩華日報。中文の新聞って、カラフルでなんとなく扇情的な感じがするところに興味をそそられるのと、漢字でニュアンスが伝わってくるので、こんなこといってるのかな、と推測するのがひまつぶしになるのだ。しかし暑い。そのうちオレンジジュースがサービスされたので、きっとしばらく飛ばないな、と予感した。定刻を30分過ぎた頃、機長から再アナウンス。出発は未定となり、いったんトランジットエリアで待つことになる。みんななかなか降りようとしない。アテンダントに、荷物持って降りた方がいいのか聞いたら、たぶん、との見解だった。トランジットパスを渡され、いったんはゲートを出るが、見たい店もないので、すぐにゲートに戻った。30分ほどたつと、見覚えのある人々が三三五五呼ばれはじめた。さっそく「俺の行き先はクアラルンプールじゃないんだ!」と吠えているのが聞こえてきた。最後まで話を聞かない典型だ。どうやらシンガポールゆきはフライトキャンセルにして、このあとのKL便にふられるようだ。シンガポール便がガラガラだったので、安易にキャンセルにしてしまうに違いない。シンガポールに着くのが遅くなって、久々に町へ出てじゃらんじゃらんしようかなと思っていたのに、行けば行ったで無駄づかいをするから、まあ、いいか、と私は寛大。

KKの地上職員は、「KLに着いたらグランドスタッフがシンガポールゆきのボーディングパスをお渡します」と言い、みんなKLまでのボーディングパスだけを受け取り、渋々KL便に乗る。私がもらったボーディングパスは、座席が三席並びの真ん中。二時間半かかるので、真ん中で固まるのは嫌だ。シートNoに異議を申し立てると、通路側が一箇所だけあいている、と変えてくれた。

KL便は、シンガポール組を吸収したことでほぼ満席。そしてやはり暑い。しかも、このトランスファー劇で、KK-KL便も、だいぶ出発が遅れてしまった。KL便のお客にとっては、他の便の運休で、自分の便がディレイするわけで、迷惑な話だ。

KLにつくと、ゲートに地上職員は立っていたが、そいつは、トランジットデスクにゆけ、だけで、何もケアしない。本来、「シンガポールゆきのお客様~」と声をかけるなり、誘導すべきなのに、立ってるだけでは、まったく役にたたない人員だ。普通の乗り継ぎ同様、トランジットデスクで一から並ぶというのも、おかしな話だ。KLの広いコンコースで動く歩道を何本か乗り継ぎ、私がデスクに着いた頃には、ほかのシンガポール組は9割がた先に並んでいた。振替便はあらかじめ決まっているはずなのに、なかなか列はすすまない。皆がそれぞれ、なんらか職員ともめている。そして見ていると、明らかにMASの地上職員の態度が悪い。皆実にふてくされた態度なのだ。

先にカウンターでもめてる人々を、みんなよく頑張るなぁと、私はまだまだ気持ちに余裕があった。やっと自分の番になり、「何時の便に乗せてくれるの?」と聞くと、「20分後」という。この広いKLの空港で20分であわてて乗るのはいやだから、あとの便にしてほしいというと、「それでは、先に急いでいる人の対応をするからあとにしてください」といわれる。それはないでしょ、とここでちょっと不機嫌になる。KL~シンガポールの間は、頻繁に便があるが、常に混んでいる。「何時の便にアサインしてくれるのかもわからないのに、あとまわしにするとは何事」と文句を言う。本当に、どのスタッフも謝ることもなければ笑顔もない。挙句の果てに「あなたはKLには来る予定がなかったから今すぐ飛ばないとダメ」と言われ、「最初にできるといったことをできないというし、おまけに急げとは、誰のせいでこうなったと思ってるの?」と、結局、私も前の客たちと同じようになってしまった。KKの地上職員はゆるゆるではあったが、まだ許せるが、KLのカウンターは、この日、4人いた全員が、なっちゃなかった。「World Best Cabin Staff」というのを今年もMASが受賞したが、グランドがこんなにひどければ、台無しだ。もっとも、キャビンが何をもってBESTに選ばれたのかも、理解に苦しむ部分はあるが。

シンガポールに着いたのは16時半。直行便での到着予定は12時すぎだった。トランジットデスクに、SQ便のボーディングパスをとりにゆくと、隣にイギリス人っぽいお父さんがいて、SQの職員に「いったいMH便に何があったの?」と聞かれていた。もうあきれ果てたといった顔で、「I don't know」と答えていた。確かに、フライトキャンセルの理由説明もなければ、であった。お父さんは、「去年も同じことがあってね、そのときは荷物も2週間くらい届かなくて大変だったんだ。」と毎度の被害らしい。

さて。シンガポールでまだまだ7時間はあるが、町に出るのはやめにした。インターネットコーナーで時間をつぶしていると、年配の白人のおじさんが「ネットにつながらないんだけど、君はつながってる?」と聞いてきた。アメリカ英語だ。アメリカといえば、H1N1大丈夫かな、なんて思ってしまう。「こっちはつながってるけど、ワイヤレスですか?」と聞いたら、「ワイヤード」と言っている。見もしないで、「IPアドレスとDNSが貼ってあるから、設定しないとだめなのかも。」と言うが、わからなかったみたいだ。なんでここで私がヘルプデスクと思いながら、おじさんのVistaを見ると、見事に「ローカルエリアケーブルが接続されていません」な表示になっている。LANケーブルはしっかりささっている。「LANケーブルが認識されていないようだけれど、そのケーブルはあなたの?」と聞いたら、そうだ、と言っている。「だったら、LANケーブルが備えつけになっているところで試したら?」とケーブルつきの席への移動をすすめたら、「つながった」と喜んでくれた。必要以上に感謝された。洋の東西を問わず、熟年層はPCには明るくない人が多いようだ。おじさんのデスクトップの壁紙はキレイな景色だったが、「どこですか?」とたずねると、ロサンゼルスの地元の写真だとかで、またまたH1N1が頭をよぎってしまう。私はマスクもしないくせに、やはり、そんなふうに思ってしまうのだ。そのあと、ひまにまかせてブログを書きなぐった。たいしたことのない写真を貼り付けるだけだ。

帰りのSQ便のA380、混雑が予想されたので、乗り継ぎカウンターでEmergency Rowをリクエストしたら、バルクヘッドをくれた。バルクにはベビーコットが着くので、隣には赤ちゃん連れがやってきた。シンガポリアン女性と、白人男性のカップルで、両親はマスク着用だ。赤ちゃんは、やっと歩きはじめたくらいで、混血のいいとこどり、みたいなかわいい女の子だ。

成田到着が近づき、朝食に起こされ、本当はパスしたいところだったけれど、会社直行なので、とりあえず食べる。食後、再び眠りに入ろうとすると、爆睡しているママを超えて、赤ちゃんは私のところに愛想を振りまきに来た。この子がまた、すぐに帰ってくれず、床に落ちているくずなどを、ごていねに拾いたがるのでたいへんだった。パパ、なんとかしてよ、と思うが、パパはKYで、暖かい目でみているだけでとめない。ママ起きろよ、と思いつつ、あまりに機嫌がよさそうだしかわいいので、相手をしていた。適宜、「パパのところへもどりまちょーねー」なんて、言うが、動いてくれない。ドテッとしりもちをついたところで、チャンスと抱きかかえて、パパにお返しした。

成田には定刻より20分早く着いた。検疫のサーモチェックと問診票提出で少し時間をとられるが、ターンテーブルでの荷物のピックアップがないから、あとはスムーズだ。税関もパスポートを見て「申告するものはありませんね~」だけでおわり。「ありませんか?」の疑問形ではなく、「ありませんね」である。そう、どっちみち私のバッグには、ほぼ乾き物の加工済食品しか入っていないもの。成田から都内まで、JR、京成、リムジン、どれが一番効率的か見極めなければならない。まずは一番近いリムジンのカウンターにゆくと、5分後にTCATゆきのバスがある。「TCATまで今日は何分ですか?」とたずねると「1時間程度です」とのことで、渋滞もないようなので、リムジンで東京まで出ることにした。リムジンは、高速ではノンストップ。すばらしい。そして水天宮といえば半蔵門線に乗らなきゃはじまらないので、半蔵門線に乗った。しかし、この半蔵門線が止まる、止まる。この半蔵門線の遅れさえなければ、遅刻しなかったのに、結局、遅刻した。おそらく5分程度の遅刻ですんだと思うのだが、荷物をロッカーに隠したりする手間を考えると家に戻った方がよい。一度自宅に戻って、荷物を置き、レインブーツをはいて、電車遅延、それもまったく自分の通勤経路ではない路線の遅延で遅刻を通したのだった。豚インフルエンザさわぎで、海外旅行にゆくには、会社への届出が必要なところを、無視してきていたから、旅行帰り、なんてことはいえない。こういう日ごろの悪さで、いろいろバチがあたったのかな、な今回の旅だった。

KK食べまくり

2009-05-11 23:18:43 |  旅のグルメ
わずか2日の間でよく食べた。
なにしろKKの町では2泊だけなので、思い残すことは多いが、食べられるだけ食べた。

肉骨茶(バクテ)

最近、KKに来るとバクテばかり食べているので、バクテ以外のものを食べようと思うが、泊まったジェッセルトン・ホテルの対面に佑記茶室があるので、どうしてもスルーできない。今回はいつものこわもてばあさんがいなかったかわりに、派手なアラフォー女性が「マンゴプディン!3リンギット!おいしー!」と、マンゴプリンを売りにきた。この店でマンゴプリンが買えるなんて思わなかったので、ちょっとびっくりしたが、迷わず買った。ムシムマンゴ(マンゴシーズン)スペシャルらしい。写真の奥の方にある橙色がそれ。マンゴ果肉がたくさん入っているし、素材の味がそのまま出ていて、シンプルなおいしさだ。私はパティシエの独創的スイーツより、こういう自然な味の方がすきだ。そして食べはじめて思い出した。そういえば青果市場で買ったマンゴ一山がまるまる冷蔵庫にあることを。えーい、もういや。フレッシュマンゴは日本ではそうそう食べる機会もないから、食べられるうちに食べておこう、ということにした。さらに、この日もけっこう疲れていたが、バクテ後は、「さーて、もうひとジャランジャランするか」と思える回復ぶりだ。バクテは確実にリポDよりもきく。皆さんも、直行便で早く着いた日には、バクテを食べて体力つけて、翌日のマブールゆきにそなえるといいですよ。


マンゴ

KKの市場にも、その隣のフィリピノマーケットにも、緑のマンゴもオレンジのマンゴもならんでいた。緑の方がより甘く、繊維質が豊富だと思う。ただ、緑のマンゴは、表面に蜜がしみでやすくベタベタすること、熟れすぎてくると、ちょっとドリアンを彷彿させる強いにおいを発し、繊維質が歯に挟まりやすいので、あっさりしたオレンジのフィリピノマンゴーの方が扱いやすい。KKの市場で一山20リンギット、15リンギット、10リンギットの札がたっていた。一山はいらないなぁ、と思いながらオレンジのマンゴを凝視していると、その店のオバサンより先に、世間話をしていた隣の店のオバサンが、「さあ、どの山がいい?」ってせまってきた。「何が違うの?」と聞いたら、ふたりで「みーんな同じ。サイズだけ。大きいか小さいかだけよ。」といわれた。一番小さい山したが、それでもセンポルナで買うマンゴより大きい。朝な夕な、というか、朝な昼な夕なにマンゴを食べてた感じ。

クエ

マレー語は、「人はオラン、ごはんはナシ、菓子はクエ、魚はイカン、死ぬのはマテ」と、日本語との語呂合わせがよい。だからクエ(kuih)という言葉は、すぐに覚える単語だ。さて、このクエは、町滞在ならではの楽しみのひとつだ。パンダンリーフやココナッツフレーク、芋、豆、タピオカ、米、グラ・メラカ(パームシュガー)を使ったなかなかロハスな食べ物だ。美しくない盛り付けになってしまったが、左側から時計回りに、細長い緑色のがクエ・ダダール、黄色いのがクエ・ジャゴン(スイートコーンケーキ)、四角い緑と白がクエ・タラム、丸いのがオンデ・オンデ、ちまき型の緑と白がクエ・ロペスだ。緑はすべてパンダンリーフの色で、クエ・ジャゴン以外は、すべてこのパンダンとココナッツがなんらかかかわっていて、似通った味だ。でも、ひとつだけ選ぶことはできなかった。ちなみにクエ・ジャゴンは間違えて買ってしまった。なぜなら、コーンは天然の甘みは好きだけれど、人工的に甘く味付けしたのは大嫌いなのだ。子どもの頃、カールを食べなれていた私が、キャラメル・コーンをはじめて食べたとき、ゲッ!甘い!、と思ったトラウマからだろう。ショーケースの中、色がオレンジに近い黄色できれいだったので、「それ何?」とたずねたら、「ジャゴン(コーンのこと)」と言われたから、「じゃあノーサンキュー」といったのに、なぜか入っていた。昔、居酒屋でオーダーのとき、「これでおしーまい。」と言ったら、シューマイが出てきたという話があったが、じゃあ、でジャゴンと思われた?日本語・英語・マレー語をチャンプルーにして話すのが悪かったのかも。クエ・ジャゴン、食べられないことはないけれど、コーンスープのにおいで甘いというところが、私にはどーしてもなじめない。

KKではウィスマ・ムルデカの、いちばんウィスマサバ寄りの列、角のコーヒービーンズを背に、海側のKFC方面にむかって歩いていくと、右手にクエをうっている店がある。長年いきつけているわりには、店名はいちどもチェックしたことがない。ショーケースに緑のお菓子がいっぱい並んでいるので、通ればすぐにわかる。昼をすぎると、売り切れになっている品が多いので、早い時間に買った方がよい。あとは郵便局からKKプラザ横のナイトマーケットでも買える。ただ、生のココナッツフレークの足が速めなので、お早めにお召し上がりください、だ。


發記
ウィスマ・ムルデカと大通りをはさんで対面にあたるアジアホテルの1Fにある發記(FATT KEE)。KKで一番おいしいチャイニーズの店といえよう。他のKEDAI KOPIやショッピングセンターのナシゴレンやミーゴレンも味付けのよいところは多いが、發記の何がよいかといえば、やはり具がしっかりしている。そしてすばらしい火力。發記の店の横を通ると、いつも「ゴーぉーぉー」という火の音が常時している。ランチ営業もしており、お勤めの人たちでにぎわっているが、やはりいろいろメニューが選べる夜の部がおすすめだ。店は、小柄でやせたショートカットのオバチャンがオーダーを仕切っている。会計担当は、オジチャンだ。夜18時台から20時台頃までは、いつも混みあっているが、今はビールを出さず回転がよいので、満卓でもわりとすぐに入れる。混雑する時間帯は、かなり暑い店だ。オバチャンがときどき仁王立ちになって、冷蔵庫から冷水の入ったポットを出しぐびぐびとあおる姿が、なんとなく迫力だ。この店でいちばん好きなのが、レモンチキン。マレー料理の店でもレモンチキンはあるが、やはり中華火力の勝利だ。

ナシゴレンも、KKの中でいちばんおいしい部類だ。ただ、この店、ときに油を使いすぎることがあるので、「油控えめにしてね」とお願いするとよのだ。


NEW STARのナシゴレン

タン・ダイナスティ・ホテルからつながっているワワサン内のフードコートにあるNEW STARも、プロムネード界隈にいるときにはよくゆく店だ。ミースープもミーゴレンバサもナシゴレンも、わりとおいしい。こちらもナシゴレン、ときに油がドボッと入ることがあるようなので、「油少な目」を主張した方が、よりおいしくいただける。

カリー・ラクサ

これはジェッセルトン・ホテルの朝食のカリー・ラクサ。これだけマレーシアにやって来ているわりには、マレー料理を食べる頻度は少なめだ。マレー料理もすきなのだが、どうしてもチャイニーズ系の店を選びがちだ。たとえば連泊していると、ある日の朝はミースープ、昼ミバサ、夜バクテ、次の日の朝はブブール、昼ミバサ、夜バクテ、そしてそのまたあくる日は、朝ミースープ、昼ミバサ、夜ミバサ、と偏っている。ときどきマレー料理の「スリ・メラカ」にはゆくが、これぞマレー料理というメニューは、あんまりオーダーしていないことに気がついた。なので、ラクサを食べるのは、味を忘れたほどひさしぶりだ。今回はミー(麺)ではなく、ビーフンでサーブされたので、あっさり度アップ。ココナッツベースのスープは辛くておいしかった。ライムをしぼってサンバルを加えていただくが、サンバルを加えても、辛味度アップしないほど、スープが辛かった。チキンもエビもいかももやしも豆腐も入っている。代謝よくなりそうだし、栄養バランスもよい食べ物だ。

こんな調子で帰ってきたら、体重が2キロ増えていた。十分予想できたことなので、別に驚かなかった。旅行によって、毎日行っていた腹筋も中断してしまった。帰ってきてからも、蓄積された睡眠不足で、すぐにエクササイズ再開の気力がない。そこで困ったときの超硬水ハイドロキシターゼで楽して減量と思ったら、今ハイドロキシターゼはどこも品切れ。店にハイドロキシターゼの入荷予定を尋ねたら、フランスのメーカーの意向で、日本には当分入ってこないといわれた。ショックだ。3週間飲むだけで4キロ減の道がとざされてしまった。これから地道なトレーニングをまたして、効果が出た頃には、KKでまた太ってやる!

マレーシア チープおみやげ大集合

2009-05-10 23:15:49 |  旅行
スーパーで買ったものをとりあえずバッグに入れてみたところ。バリ通の人々が、バリでの戦利品を、よくブログでこうやって紹介しているのを真似してみた。私の買い物は、ほとんど安菓子ばかりで、彼女らの足元にもおよびませんが。まだ本気のパッキング前で、ただ並べてみたところだが、食べ物だけで大半がうまってしまった。品数は少ないのに、機内持込可能な56cmX36cmX23cmのバッグだから、すぐいっぱいなってしまう。



ダイビング器材がなく、3泊だけなので、私の荷物はよくよく少ない。それに昔から荷物が小さく、パッキングの達人といわれてるのだ。

本当は、カヤジャム、チリソース、炭酸の入っていない茶瓶のレッドブル、タイガービール、伝統的な熱ざまし水と、ほしいものは数多かれど、機内持込にするから、液体は断念せざるをえない。目新しいものはなく、およそココナッツ、パンダンと名のつくものがあれば、みさかいなくどんどん買い物かごに放り込んだ結果がこれ。

いつものアポロケーキは1箱6.99リンギット、約196円で、24人に配れる。

マギーは自宅用。カレー味は必須アイテムなのだ。

あとはバワンゴレン。レッドオニオンを油で揚げたもので、特別おいしいものではないが、これをマギーやお粥、炒め物にふりかけると、それだけでマレーシア風になるすぐれもの。



そんななかで、今回はじめて買って、一番のヒットがパイナップルジャムの入ったクッキー。王冠マークのTATAWAというメーカーのものだ。




かなり甘いが、相当気に入った。外はサクサク、中はしっとり。しかもたったの2.45リンギット!70円せずに、このうまさ。ちょっと言いすぎかもしれないが、台湾のパイナップルケーキをほうふつさせる。

さて、この中で一番の高額土産はサバティー。1箱11.80リンギット、330円くらい。これが高い、と思えてしまうのだ。今回、なぜかどこのスーパーに行っても、サバティーが品薄だった。GIANTには小箱しかなく、KKの市場の前にあるKKプラザ地下のスーパー、SERVAYでラスト3個のうちの2個だ。本当は、ティーバッグではなく、茶葉だけのタイプがほしかったけれど、売り切れだった。珍しいことだ。サバ・ティーは常備アイテム。東京で一番サバティーを消費してるのは私じゃないかと思うほど、よく飲む。黒茶で茶渋はつきやすいけど・・・。

乾き物ばっかりでも、けっこう重い。このあと、他の持ち物をつめて、なんとかふたをした。そしてパッキングの達人も、マギーがベキベキベキッと音をたてるのを聞いたのであった。

メルキュール・コタキナバル

2009-05-10 07:15:54 |  旅行
1Borneoのメルキュールに泊まってみた。1Borneoにショッピングにゆくわけでもないので、意味ないなぁ、と思いながらも、なんとなく泊まってみたかったのだ。



1Borneoには、4件のホテルが隣り合って並んでいる。写真は手前から、紅白のチューン、メルキュール、そしてノボテルだ。



いちばんショッピングモールよりにあるのが、ノボテル(Novotel)、その隣がメルキュール(Mercure)。いずれもフランス系のホテルチェーン、アコーホテルズ(Accor Hotels)だ。ノボテルの方が、やや格が上。

そして、メルキュールの隣には、チューン(Tune Hotels)がある。格安航空会社、エア・エイシア(Air Asia)の系列で、建物の色もエア・エイシア・カラーだ。



謀図かずおを思い出す。こちらは1泊9.9リンギットとか、キャンペーン料金がはられていればもっと安い。エア・エイシア同様、爆安だ。ただ、エア・エイシアで、機内食や飲み物がほしい人は、別途買わなければならないように、こちらも、エアコン、TV、バスタオル、ワイヤレスはオプションで有料購入となる。エアコンやTVにお金がいるなんて、民宿みたい。でも、1スターの値段で、5スターホテルのベッド提供、というのがウリらしい。

あともう1件、チューンの隣にはコートヤードホテル(Courtyard Hotel)というのがある。これも1泊90リンギット前後からでお手ごろだ。


さて、ここからメルキュールレポート。
レセプションのスタッフは感じがよかった。12時頃着いて、待たされることなく、部屋に通してくれた。1BEDがよいか、2BEDがよいかも聞いてくれる。ポーターも感じはよかった。

通された部屋は10階で、エレベーターは、ごんごん言う音をたてながら昇降する。

廊下はシックな色合い。



ドア。



室内。カーテンが閉まった状態。



カーテンを開けると、窓部分が大きいので、明るい。



真正面のビューは殺風景。開発準備中なのだろう。



かなたにメナラ・トゥン・ムスタファビル。



右手もこんな感じ。



ほぼ床の位置までガラスなので、足元ビューはこんな。高所恐怖症の人はいやかも。



そして、スーパーマーケット「Giant」のサインボード。トイザらスは目立たない。



ミニバーコーナー。コンプリメンタリーのコーヒー、紅茶と、ミネラルウォーター2本。冷蔵庫はカラだった。



メルキュールのMのマークのマグが、なんだかかわいい。



このマグ、実は巨大で、500ミリの牛乳パックと並んでこんな感じ。



テレビとライティングデスク。



ライティングデスクにはLANポートあり。



さすがに10階にワイヤレスは届いてこない。部屋のLANポートにLANケーブルを差し込んだら、なかなか抜けなくなった。回線品質があまりよくないのか、トラフィックが多いのか、ホームページがなかなか表示されなかったり、すぐにページを表示できません、になってしまう。

ランプも素敵なデザイン。




バスルームと部屋のドア。



バスタブ。



カーテンに隠れて見えないが、ハンドシャワーもついている。



洗面はすっきり。



新しいホテルでよく見る、四角いつくり。



備え付けのコップ。赤いストライプがかわいい。



手前はバスジェル、シャンプー、ボディローション。



トイレの上には、ドライヤーが備え付けられている。



狭い部屋だが、採光がよく明るいところがよい。備品のデザインがどれもおしゃれで、さすがフランス系と思わせる。テレビはSAMSUNGじゃなくてTOSHIBA、バス&トイレは知らないメーカーのじゃなくてTOTOということにも感心した。でも、天気急変するとき、風がかわるときには、ものすごい音がする。吹きっさらしにたっているからか、それとも気密性にかけるのか。


プールにも行ってみた。3階にあり、半屋外で、プールは屋根の下、プールサイドはオープンエア。壁と天井はシパダンの水中か?ふと銭湯を思い出す・・・。





プールサイドがとにかく狭い。





デッキチェアに寝転んで空を見上げれば、こんな眺め。壁だ。



プールサイドでリラックスするには景色がちょっと・・・。ROXYでゴーグルもつけずに泳ぎこみでもないなと思って、プールには入らなかった。プールでは、やる気のチャイニーズ2人、黙々と泳いでいたから、けっこう泳げるプールなのかもしれない。

朝食つきなので、レストランにも行った。バフェであるが、とにかく、おいしくない。ナシレマにしてみたが、すべてがさめかけているのだ。



レストランスタッフのサービスも、行き届いていない。席に誘導しても突っ立っているだけ。いすをひくとかもなければ、バフェどうぞ、もない。デザートのローカルクエもおいしくなかった。


まとめ
1Borneoのノボテル、メルキュールとも、もともと評判はイマイチなのは知っていたので、期待はしていなかった。ホテル予約サイトで、外国人がノボテルやメルキューについて、「スタッフの再教育をした方がいい」とコメントしているのを読んだことがあるが同感だ。新しいホテルというのは、ハード面は新しいだけにきれいであっても、ソフト面でスタッフが慣れるまで、質が老舗より下がるというのはよく聞く話である。でも、ここは、ホテルのスタンダードなサービスレベルを満たしていないところが多い。たとえばチェックアウトのとき、タクシーは?と聞いてこない。ベルキャプテンデスクでは雑談していて、こちらから働きかけないとタクシーを呼ぼうともしない。ホテルふう慇懃スマイルもなければ、だからといって、カジュアルホテルホテルのフレンドリーさもない。何事においても中途半端なイメージだ。とにかく、新しくて価格がリーズナブルなだけが花。


ジャスミン(コタキナバルのスパ)

2009-05-09 07:53:32 |  スパ
ワリサン・スクエアの、ジャスミン・ヒーリング・セラピー(jasmine Healing therapies)で、KK街スパ、というか、ショッピングセンタースパを初体験。

ワリサンには多くのスパやマッサージ屋がある。ワリサンを一周したら、「マッサージ~」という呼び込みに4、5件は会うんじゃないかと思うけれど、こちらは呼び込みに会わなかったのがよくて、チェックしにいってみた。

ジャスミンは、ワリサンの2階(日本でいうところの3階)にある。アピアピセンター側のブロックで、海側の通り寄りの、狭い階段を3階まであがったすぐ横にひっそりとあった。グランドフロアにバナーが出ているだけで、容易に見過ごしてしまいそうだ。

店内に入ると、店名のとおり、ジャスミンのアロマが心地よい。ちょうど日本人カップルが、「きのうも来たなんて、よく覚えてるな。」と言いながら出て来るのとすれ違った。連日来店とは、きっとこの店のサービスに満足だったからだろう。レセプションの女の子も感じよく対応してくれ、値段も手ごろだったので、ジャスミンのトリートメントをためしてみることにした。マッサージとハニースクラブで250リンギットのメニューを選び、翌日の20時を予約した。

さて。
マンタナニからの帰りが遅れたしわ寄せで、スパの予約時刻に遅刻した。着いたときには、ずいぶんたくさんの靴が入り口に並んでいたから、けっこう繁盛しているのかもしれない。ロッカーもウェルカムドリンクもカウンセリングもなにもなく、即、トリートメントルームに通される。
トリートメントルームは、個室にはなっておらず、カーテンで仕切られているだけ。まずこれにうろたえる。今まで、壁がなかったスパに行ったことがないので、びっくりだ。ショッピング・センターのスペースだと、こんなもんなのかな。
それにスパというと、ふつうはバティークなどがひかれた施術台があって、うつ伏せになったときには、お花が入ったボールが顔の下に来るのが定番だが、台にはなっておらず、ベッドマットが床にでーんと置いてあるだけだ。
廊下をはさんで、片側、それぞれ5人分くらいのマットが置いてあるのだと思う。お客の施術中のところだけカーテンが閉められ、空いているところは全開だったので、けっこう見渡せてしまった。
さらに、普通は使い捨て紙パンツに、パレオや甚平のような着物に着替えるが、ここは、ペチコートパンツみたいなもの一枚だけ。これは絶対、洗濯しての使いまわしだ。えっ、紙パンツじゃないの?衛生的にどーなのよ、と、またうろたえる。着替えも、カーテンがやわにクリップで止められただけなので、すきまから外がよく見えるし、誰も通らないんだけれど、トップレスで待つっていうのにもうろたえる。セラピストはすぐに来てはくれたが。

スクラブは、パパイヤの香りが勝って、ハニーなアロマはなかったが、あのペットリ感は間違いなくハニーだ。けっこう丁寧。スクラブ後は、その場でお湯をひたしたスポンジでスクラブをぬぐってくれるだけで、シャワーで洗い流さない。これにもうろたえる。

そのあとのマッサージは、隣のベッドマットに移動。たぶん、スクラブで汚れたからだろう。オリジナルのメニューでは、ストーンマッサージで、アロマオイルなしのドライマッサージになっていたが、前日、予約をしたときに、私がアロママッサージがよいと言ったら、ストーンマッサージからアロママッサージに変えると言われていた。

アロマオイルはヴァージンココナッツオイルしかないが、ココフェチなので、むしろ歓迎。でも、マッサージのはじめにストーンを背中に並べられてしまった。あれれ?とここでまたうろたえ、主張しようかと思うが、石からじんわり広がる熱が心地よいので、これも悪くないなとそのままにすることに。ところがマッサージがはじまるとオイルもありだった。ときどきお菓子のような香りがしてきたが、店内に漂うジャスミンの香りと、先のパパイヤの香りに押されていた。マッサージは、たぶんタイ式。プレッシャーも強く、なかなかきくのだけれど、枕にうつ伏せで顔をのせていると、どうもしっくりする角度がなく首が痛い。首から下は超リラックスしているのに、首の違和感に悩む。うんうん、といろいろ位置を変えてもダメ。そのわりには、いつの間にか意識がとんだ。セラピストさんに、終了を告げられて目が覚めた。ということは、マッサージがとても気持ちよかったのだろう。最後になってぬるいお茶が出てきた。

閉店は23時らしいが、私が着替えてレセプションのところに戻った頃には、もうスタッフしか残っていなかった。そういえば、私のトリートメントがはじまって少したった頃に、カーテンごしにあちこちから「カムサハムニダ」が聞こえてきていたな。スタッフはみんな荷物をかかえて、店をクローズできるのを今かと待っていた。なんだかなあ。みんな、感じはいいのだけれど・・・。

22時半すぎに店を出て、エレベーターを待つほどでもないから、階段をおりる。グランドフロアーにある、Big Apple Donutで、スタッフの女の子二人がレジを閉めていた以外は、どこも閉店後で人気がない。あとは、セキュリティがパイプいすにだらしなくすわっているのが見えただけだった。すたすたと出口にゆくと、自動ドアが開かない。さっきのセキュリティの男のところへゆき、開けてくれぃ、と頼んだ。出口へ戻ると、同じく閉じ込められたローカルの男の子が二人いて、うろたえていた。セキュリティは、自動ドアにつっかえ棒がしてあるのをはずし、鍵を開け、出してくれた。

人も車も少ないKKの夜。KKでは信号のないところで横断するのは日常茶飯事だが、この時間は横断も容易だ。スクラブでややべとべとしながら、KKの夜道を歩いて帰った。KKの夜の温度感って、適温でとっても好きだ。



☆後日談☆
マッサージ直後のシャワーは避けるように、とよく言われるので、この日はべとべとを我慢して、シャワーは浴びなかった。翌朝、シャワーを浴びて、角質が、見事に落ちているのに気がついた。スクラブの効果絶大。うろたえることは多かったが、マッサージもきいたし、結果オーライってやつだった。技術はよかったのに、設備が残念でならない。安くて場所も便利なので、KKでのじゃらんじゃらん中に、フットやショルダーマッサージにちょっと寄ってみる、という使い方がおすすめの店のように思う。脱がないと受けられないようなサービスは、細かいことを気にしない人以外にはおすすめできない。

マンタナニ・デイトリップ顛末記・2

2009-05-08 21:04:19 |  ダイビング
島に着くと、スタッフの女性が何人か出迎えに来た。
そこはパームピーチと呼ばれる場所だ。
ビーチには、このマンタナニトリップをアレンジするKKのダイブショップの、シンプルな施設がある。木陰にはハンモックがいくつかつるしてあり、あとはテーブルやベンチが点在している。
到着すると、コーヒーや紅茶をセルフサービスでいただき、しばし休憩。ドーナッツもあった。ドーナッツは、家であげて、想像してたより固くなっちゃった、って具合のやつだ。

私は水着着用でやってきたが、島で着替える場所もある。いちおう、トイレとシャワー、更衣室(?)は、それぞれ独立はしている。えー、男女別に、更衣室というよりは、着替えのスペースがそれぞれ3つ、トイレが2つずつあった。着替えのブースは、前にビニールシートをひっかけるだけで、フックの位置が低めなので、背が高い人だったら、外から上半身見えるんじゃないか、と思う。ちょっと前に良く使われた言葉、生着替えのイメージだ。トイレはすぐにフラッシュできなくなり、できるだけ入りたくないと思わせる。シャワーは、男女別なだけで、シャワー単位に仕切りはなく、かつ外からまる見え。水着をぜんぶ脱いで、というわけにはいかない。物のない島だから仕方がないが、地下からくみ上げた水を出すたびに、汚水官が臭う。

そしてマンタナニに着いても、スタッフの段取りの悪さに変わりはなく、なかなかことがすすまない。前もそうだったが、マンタナニには、体験ダイビングや、Cカードは持ってはいても、ダイビングは旅行のついで1日だけ、といった感じの、ダイビング熱低めの人が多い。だからデイトリップ代にレンタル器材込の料金体系になっている。ウェットは、へたったスプリングで、1ミリもないし、ゆるゆる。首、袖、すそ、水の出入りが超よさそうで、寒さが予想される。フィンは、クレッシーの、へにゃへにゃな、おそらくシュノーケリングやレンタルラインものとおぼしきやつ。これがまた整理が悪いので、バスケットにどっさり入ったフィンたちの中から、左右同じサイズをみつけるのに、一枚ずつチェックで時間がかかる。ダイビング器材も、一度積んだセットの半分をボートから降ろしてみたり、何やってんだろう、ってな光景が繰り広げられていた。BCDは知らないメーカー製だが、ファブリックはまだキレイだったし、レギュレータとオクトパスはマレスだった。しかし、オクトとゲージのホースが異常に長いのにクリップもないので、これが水中で邪魔になる。タンクと腰の間にはさんでも、泳いでいるうちにはずれてきて、ロックなどにひっかりがちだ。そして、不明なゲージは、MAX20mを示したが、深度をあげてもずっと9mから動かなくなった。みんなが安全停止をしている位置に並んでも9m。水面でも9m。ボートにEXITしたら突然0に戻った。

かんじんのダイビング、であるが、水中は地味だった。天候が荒れたあとなので、グリーンがかってはいたが、20mくらいは見えていたし、白砂の水底なので明るかった。ところどころ点在するロックやサンゴの根を細かく見れば、なにか見つけられるのではないかと思うが、とにかくガイドの泳ぎが早く、止まることを知らないようだ。このガイド、おっさんで、PSR、ラヤンラヤン、サンガラキ、アンクルチャンで働いた、と自慢をするわりには、腕が悪い。さらに陸上では、うざさ爆発、たいへんなKYだった。この人がみつけたのはウミウシ2体で終了。さらにひどいことに、もう一人の日本人女性に、「あなたはKKでダイビングしたことありますか?ないのなら、マンタナニじゃなくてKKにした方がずっと良かったのに。」とか言っちゃう。あんたがそれをお客に言っちゃ、ダメでしょ。(実際、そのアドバイスに、内心激しく同意な水中だったのだが)

こうして、がっかりダイブ後はランチ。このランチも、はじまりそうでなかなかはじまらなかった。ランチはBBQ系がメインだったが、冬瓜のような野菜の入ったスープがおいしかった。BBQしたコーンがなんだかまずかったが、あとは普通。もう一人の日本人女性によると、コーンはすっぱくなっていたそうだ。

昼すぎになると、風は強めだが、南国らしいいいお天気になった。キナバル山には、雲がかかってきてしまった。



午後はシュノーケリングをする、といってあったが、これまた段取り悪し。突然、今すぐにボートが出るといわれ、ボートに飛び乗った。シュノーケリングポイントは、枝サンゴの群生がとてもきれいだったが、水面がちゃぷちゃぷしていて、弱い人なら、すぐに波酔いしそうだ。それに一面のサンゴ畑なのに、魚影が薄いのだ。私以外のシュノーケラーたちは、皆救命胴衣着用のチャイニーズたちで、わずか15分ほどで撤収となった。ボートで島に戻ったときに、やっとスキューバチームが出ていくところだった。ああ、もうすることもないのに、当分島から帰れないと落胆。

スキューバチームはむこう1時間は帰ってこないだろうし、時間つぶしにマンタナニのビーチを少し歩いてみることにした。ビーチでは、ダイビングもシュノーケリングもしないチャイニーズ女子たちが、アホみたいに焼いている。みんな色白なんだから、いくらSPF値が高いサンスクリーン使ったって、絶対、今日明日寝れないって、と思う焼き加減だ。





ところで、マンタナニのビーチは、細かい白砂がとても美しい。でも、なんとなく、打ち捨てられた感のあるビーチだ。今はこわれてしまっているあずまや風のベンチがいくつかあるので、そこにすわって休んでいたら、ローカルの女の子たちがやってきた。来たな、ローカルキッズ!みんな小学生低~中学年ほどの子たちだけど、ひとりどこにでもいるおませな感じの子がいて仕切りまくり。英語も話し、なかなかやり手っぽい。マンタナニの小学校では、マレーシアの共通学力テストみたいなやつに、一人もパスできない、というニュースをローカル誌で読んだことがあるが、そうとは思えない。「あなたはナニジンなの?」とか、「あの胸のところが大きく開いていて、紐になっている黒い水着の腹の出た女の人はナニジン?」とか聞いてくる。胸のところが紐になっている黒い水着の人とは、同じバスで来た、アジア系カップルの片割れのことだ。彼女はインド系の顔立ちだが、男性は中東系だ。とにかくビーチでやたらチューしまくるし、常にお互いの体のどかに触れていないと気のすまない二人なのだ。そして子どもが言うように、その女性の腹は、妊婦ばりの大きさ。でも、腹の大きくなる位置が妊婦とは明らかに違うから、単なる脂肪層だ。こういう体系の人が、おしみなく水着一丁で歩いていると、私もダイエットしなくていいかも、と勇気づけられたりもする。欧米人も、洋梨体系で堂々としたものだし、日本人は見た目を気にしすぎなのかな。こどもたちに、「あの人たちがナニジンかは知らないよ。」と答えると、おませ少女が他の少女たちに「知らないんだって。」と伝える。人前チューや、水着で肌をさらすのはムスリムではありえないはず。インドだって、リチャード・ギアが女優にキスしたとき、あんなに非難の対象になったんだから。まったくもってナニジンか想像しがたい。こんな離島にいるムスリムキッズの目には、そんな二人の行動が奇異に映って、ナニジンかとりわけ知りたかったのだろう。

こどもたちは、「クラパ・ムダ(ヤングココナッツのこと)を探そうよ!」と言いだし、移動をはじめたので、その間にそそくさとダイビングサービスの敷地へ戻った。スワイン・フルのことがあり、会社では、「海外に行く場合は届けるように」というメールが来ていたが、見なかったことにして、黙ってきてしまった手前、目だった日焼けもできない。ダイビングボートが出て行ってだいぶたっていた。前にマンタナニに来たときは、2ndダイブのエキジット後は、さっさと島を撤収した。戻ってきた人々で混み合う前にすばやくシャワーを浴びて、帰る気まんまん。ところがボートがいっこうに帰ってこない。

しかも、ウォータープルーフバッグに入れておいた50リンギット札1枚を盗まれたことに気がついた。ダイビング代は、当初、1本目のダイビングに出る前に払おうとしたら、ゆっくりでよいと言われた。でも、こうした万が一を考えて、さっさと受け取ってもらっておいた。そのときだって、余分なお金は目にふれないようにしていたのだ。ダイビングに出かける前に、持ち物はどうしたらよいかとたずねたら、ここはスタッフがいっぱいいて、いつも見ているから、そのままテーブルに置いといて大丈夫、といわれたが、大丈夫ではなかった。いちおう予備に50リンギット持ってきたのだが裏目に出てしまった。

とはいうものの、3年前、このショップに、みんなでまとめてダイビング代金を支払ったら、あとになって「ニセ札が混じってました~。」と連絡が来たことがあった。ニセ札は10リンギット札だったように思う。「パサール(ナイトマーケット)とか行きましたか?」と聞かれたが、パサールには行っていなかった。「バーには行ったけど。」と答えたら、「それならバーでニセ札をもらってしまったんだと思います。」と言われた。両替所やスーパーはちゃんとニセ札チェックをしているが、バーやパサールでは、店側には悪気がなくても薄暗くてよく見えないので、ニセ札と識別できずにそのままスルーしてしまう可能性がありそう、とのことだった。「それなら、そのニセ札分、払いますよ。」と言ったら、サービスも銀行に持って行って、「このお札は入金できません。」と言われるまで気づかず、よくチェックしなかったのも悪いので、今回は大丈夫、それより、こういうことがあるから、注意してくださいね、と言ってくれた。そんなこんなで、無理に前回分の穴埋めと考えようとしたが、やっぱり、むかむかむか。

水中はつまらない、ガイドはうざい、お金は盗まれる、トイレは不快と、マンタナニにいても何一ついいことがないので、ますます早く帰りたくてしょうがなくなった。でも、スキューバ組が帰ってきてくれないことには無理だ。あとで2本目も潜りに行った日本人女性から聞いたところ、浮上後水面で、15分くらいボートが拾いに来てくれず酔ってしまったそうだ。さらに別のシュノーケリング組も同乗していたそうで、その人たちをまだ拾いにいっていない、との話だった。彼女が紅茶でやっと落ち着いた頃に、やっとシュノーケリング組が戻ってきた。すでに時計は16時。ショップがメールでくれたスケジュールには、14時半に島出発、15時15分にコタブルのJETTY着とあったので、本来なら、もうKKにむけてバス移動開始していてよい時間なのだ。そして、ことごとく、なのだが、スタッフからは、何時にどこに集合して、という類のアナウンスがまったくないのだ。帰りも、いつになったら出るんだろう、とじりじりしながら待つが、突然スタッフから、「まもなく出発します」と言われた。そして「帰りはぬれるかもしれません」といい、それも「MAYBE YES, MAYBE NOT」というあやふやさ。そしてボートに乗り込んだときには、すでにぬれなさそうな席は、チャイニーズで埋まっていた。私は乗り物に強いので、「ここならぬれないぞ」と、前方の荷物置き場にすわっていたら、「そこは揺れるから」とスタッフに忠告され、「別に揺れて良いんですけど」と言うも、結局後方に追いやられた。そしてすぐにびしょぬれ。うがー。

ようやくボートがマンタナニを離れると、ボートは揺れまくった。島に入る時の方が、島から出るよりも楽なことが多いものだが、今回は逆だ。慣れない人々は、船酔いに苦しみ始めた。そんな中、黒い水着の、胸のところが紐になっている女性とその相方はべったり。女性は帰りもひとりボート上、水着一丁の露出ぶり。相当お気に入りの水着とみた。もしくは、相方がほめるのか。とにかく胸よりでかい腹が、見たくもないのに、いやおうなく視界に飛び込んでくる。しかも、何回も立ち上がり、お尻は砂だらけ、その砂を遠慮なく払うので、風下にすわっていた人は、砂を浴びて大迷惑。まったく、このふたりもKYきわまりない人たちだ。ボート上も、つねにさわりあいまくる二人。愛があるということはいいことだが・・・。一方、いちばん船酔いが重症だったチャイニーズ女の子は、ボートがJETTYに着いたあとも、しばらく席から動けず、JETTYにあがったあとも、すごーく気持ち悪そうに口を押さえ続けていた。その後の、彼女のカレシだがダンナに対する態度もずーっとうらめしそうだった。海況がよくない日に、海に慣れていない人たちを連れてきちゃかわいそうだ。

ゲストの何人かは島でシャワーと着替えをすませ、黒い水着の女性のようにJETTYの生着替えスペースで着替えたりシャワーを浴びる人もいる、といった具合で、みんなの足並みがそろわないため、こんどはJETTYでスタック。すっかり日も西に傾いている。ここからKKまで軽く90分のドライブが待っている。JETTYに着いてやっと帰れると喜んだのに、またこれでいらいらしてきた。おまけに、ダイビング代は支払い済なのに、別のスタッフが「ダイビング代金をまだいただいていませんでしたね。」なんて言い出す始末で、愛想もつきた。

JETTYからバスが出たのは、ほぼ18時だった。KKで19時までに両替しないと、レートのいい店は閉まってしまうし、スパにも行っておきたいし、おいしいものも食べたいのに、もう無理だ。朝、迎えに来た薄顔スタッフに、「私はAS SOON AS POSSIBLE、KKに帰らなきゃならないの!」と、暗に早く出発するように、KKに着いたら、さっさとジェッセルトンで降ろすように伝えるが、「デートね。」で片付けられた。18時頃になって車はやっとJETTYを出発し、ほぼノンストップで走り続けるが、メルキュールに着いたのが19時10分。そこからKKまでは20分程度かかってしまう。KKの道は、ロータリーが多く、目的地をすぎて戻ってこなければならない、というパターンが多いが、町を出ても同じこと、数百メートル先まで行ってUターンしないと入れないところが非常に多い。メルキュールホテルひとつとったって、車はいったん猛スピードでホテルの前を通過したあと、先のUターンポイントで折り返し、メルキュールの道に入り、また、そこから来た道をしばらく戻って折り返してきて、メルキュール前を通過して、という構造なのだ。

そんなKKに入れば、ジェッセルトンがいちばん最初に止まるべき位置なのに、あっさり通過して走り続けてくれた。「もうここで止めて。」とミレメワスーパー前で降り、ジェッセルトンまで走って帰った。KKの町を疾走したのは初めてだ。KKでは、走っている人なんていないので、浮いた存在だ。

というわけで、文句だらけのレポートになってしまった。でも、転んでもタダでは起きない私は、KYなDMにも、ジュゴン情報についてはしっかり探りを入れてみた。KYがジュゴンを最後に見たのは1年半くらい前だそうだ。ニッキーが消えたあとも、ジュゴンはこの界隈に、まったくいないわけではないのだ。でも、遠くを泳ぐ姿を見ただけだそうだ。今年、ジュゴンの目撃例があったそうだが、やはり遠かったらしい。そんなわけで、マンタナニはジュゴンが棲息しうる場所ではあるので、将来ジュゴンがまた定着することがあれば、また行ってみる。そんな話が出なければ、もうこれが最後だ。



【備考】
マンタナニ・ディトリップ(2009年5月現在)
2ダイブ 580リンギット
1ダイブ 480リンギット
(80リンギットで追加ダイブ可。事前予約要)
最小催行人員2名。
KKのホテルから島までの送迎、島でのBBQランチ、ソフトドリンク、レンタル器材込。
キナルー、トゥアランのホテル滞在からのピックアップは50リンギット増
ちなみにシュノーケリングオンリーは400リンギット、体験ダイビングは580リンギット。

ショップからもらったモデルスケジュールによれば・・・
 7:15 ピックアップ
 9:15 コタブルのJETTY着
 9:30 コタブルJETTYからマンタナニ島にむけてスピードボートで出発
10:15 マンタナニ到着後、お茶と軽食の後、1stダイブ
12:00 BBQランチ
13:30 2ndダイブ
14:30 マンタナニよりコタブルJETTYへむけて出発
15:15 コタブルJETTY着 
18:30 ホテル着
2ndダイブ開始が13:30で、島発が、14:30ってところが、そもそも非現実的ですね。

ネガティブなコメントになってしまったので、ダイブショップのリンクは貼り付けませんが、マンタナニ取り扱いを大々的に行っているのは、私が使った、ウィスマ・サバにある1件だったような気がします。

マンタナニ・デイトリップ顛末記・1

2009-05-06 20:17:29 |  ダイビング
5月5日のこと。

KKでは正味2日しか時間がない。
1日は、島にもゆきたいし、できれば圧縮空気も吸っておきたい。
KKから15分のマムティック島にゆくか、約2時間半のマンタナニにゆくか悩んだ。

マムティックは、昔、ボルネオ・ダイバーズでIDCを受けたり、PADIのPROJECT AWAREで水中ゴミ拾いをしたり、マクロを楽しんだり、いろいろと思い出のある島だ。

マンタナニにはかつて、ダイバーとたわむれるニッキーというジュゴンの男の子がいた。3年前のことだ。マンタナニでジュゴンと泳げることを、元シパダンのスタッフから聞き、あわててマンタナニ計画をたてたが、そのあとわずか1ヶ月半ほどで、「ジュゴンいなくなっちゃいました」と知らされた。人々の間では、ジュゴンはマンタナニの海草を食べつくして別の海域に移ってしまったとか、ボートにひかれて死んでしまったと、いろいろ噂された。ジュゴンがいないことを承知で、06年6月にマンタナニに潜ったが、パッとしなかったことは否めない。

それでも、南の島らしさを満喫するなら、安くて近いマムティックよりは、遠くて高いマンタナニかなとという思い込みだけで、マンタナニゆきを決めた。

さて、5月4日にマンタナニへ行きたかったのだが、ダイビングサービスから5日にしてくれと言われた。6日の午前中にはKKから飛び立つ予定なので、5日なら午前中1ダイブがやっとだ。別にマンタナニのダイビングに執着はないので、1ダイブでかまわないし、午後はシュノーケリングをすればいいやと、5日でOKした。

5日の朝、6時すぎに起きると雨。雨はほとんど止んでいたが、できることなら出かけるのをやめてしまいたいと思わせるグルーミーという言葉がぴったりの朝だった。ジェッセルトンホテルの宿泊代金には朝食が含まれているので、6時20分頃レストランにゆくが、入り口には誰もおらず、中も薄暗い。まだやってないのかな、と数秒棒立ちになっていたら、ウェイトレスが出てきた。基本はアメリカン・ブレックファストで、それが一番高額メニューなのだが、トーストや卵料理といった気分ではない。前はお粥やミースープがあったが、今の朝メニューにはなかった。かわりにクリスピー・フライドヌードルをお願いした。前日のメルキュールの朝食がショックなくらいおいしくなかったので、今朝は、薄味ではあるが、無難においしくいただけた。こぢんまりとしたホテルのレストランだけに、バフェではなく、オーダーしてから暖かいものを作ってくれるところがよい。

↓携帯でとってぼやけたヌードルと、レストランからの眺め。どんより。


レストランから部屋に戻ったのが7時頃。きのう買ったマンゴを食べたり、ミネラルウォーターを飲んだりしていたら、すぐに時間がたった。この時点になって、朝食にはコーヒーとオレンジジュースがついていたし、水分の取りすぎになっていることに、はたと気づいた。マンタナニへは、まずKKから車でコタブルという町まで90分走り、コタブルのJETTYからスピードボートで45分かかる。今のタワウ空港からマブールよりも時間がかかるのだ。前回は、途中で寄ったトゥアランのシャングリラ・ラサ・リアで、皆ぞろぞろとトイレを借り、さらに、コタブルのJETTYでは民家のトイレを借りたことを思い出した。民家の人はとても親切だったけど、トイレは伝統的なマレースタイルだったので、きつかった。中にはこれなら我慢すると、トイレに入らなかった人もいたほどだ。トイレに行かないですむよう、不要に水分はとらないようにしよう、と思っていたのをすっかり忘れていたが、時すでに遅し、だ。

ダイビングサービスからのピックアップは、7時40分の約束だった。時間どおりにロビーへ降りるが、まだ迎えは来ていない。ソファにすわり、5分、10分と待ちぼうけ。別に急ぐこともないしと、寛大な気持ちで待つことにした。だいぶ待ったあと、いかにもマリンスポーツ斡旋してます、っていう風体の、色黒のごつめのお兄さんが、勢いよく入ってきた。普通、オプションやらマリンスポーツの出迎えの人って、会った瞬間に、お互い、こいつに違いない!と、通じ合うことが多いのに、どうもむこうのりアクションがない。今思えば、きっと私は、彼がピックアップに来たお客と、性別か国籍が明らかに違ったのだろう。でも、他にロビーにゲストがいないので、こちらから声をかけると、「カヤック?」と聞かれて違うことが判明。私は迎えが来ず、彼は客が来ないといった状況だ。天気のせいもあり、いっそこのまま迎えが来ないのなら、来ないでいいや、ってな気持ちになってきた。8時すぎたら撤収しようかな、なんて考えはじめたが、まさに8時、こんどはいかにも、僕はスキューバの仕事に携わってます、っていう風体ではあるが、薄い顔立ちの無難なお兄さんがやってきた。「ジャムがすごくて~」とひととおり謝られた。KKの平日朝夕の渋滞は、毎度のことだろう、とは思ったが、そのときは「ザッツオーケー」と答える寛大な私だった。こうしてようやくジェッセルトンを出たとき、カヤックのお兄さんは、まだゲストに会えずに右往左往していた。

迎えのバスに乗り込むと、車内はキンキンに冷えていた。すでに先客が5人。浅黒い西アジア系カップルと西洋人熟年カップル、あとは日本人女性がひとりが乗っていた。いちおうまとめて「ぐっどもーにんぐ」と挨拶をするが、リアクションがない。挨拶できないダメ大人たちに、ちょっとムッとする。

KKの町を出ると、西海岸っぽい(と私は思う)椰子の木が整然と立ち並ぶ海沿いの道になる。バスはとばしまくるが、常時、ギー、ギュー、グォーといったものすごい音が床下から鳴り続けてくる。車軸は大丈夫なのかしら、どこかのバスみたいに炎上したりしないのかしら、と、ちょっと不安になる音だ。普通の車からはこんな音は出ない。外観はきれいに塗装してあるが、車体はそうとうボロとみた。



ジェッセルトンを出るとき、薄顔スタッフに「もう1件ホテルに寄ります。」と言われていたが、そのホテルに着く前に、車はガソリンスタンドで止まった。まだ早いけれど、せっかくだし、備えあれば憂えなし、トイレに寄る事にしよう。スタンド内のコンビニに入り、「トイレどこですか?」とたずねると、店員の女性が親切に裏にあるトイレまで案内してくれた。ところが鍵がかかっていて入れない。中にいるのは、このコンビニのスタッフらしい。店員はドアをノックしながら、「エナ!空けてちょうだい!お客さんが待っているのよ!」とせかしてくれている。中のエナという人は、「もう片方を使えばいいのよ!」と言い返してくる。隣のトイレは男性用で、そんなことはかまわないが、「隣もふさがってるの!出てきなさい」と店員。買い物もしていないのに申し訳ない。中のエナは、どうもシャワー中らしい。店員は、「外で人が待ってるんだから、早く出てきなさいよ!」と言い残し、ごめんなさいね、という顔をして戻っていった。そのあと、隣の男性用トイレを借用するスキを伺うが、そちらも一人出たと思えばまた入る、切れ目ない状態なので、私が割って入る余地はない。それでもエナは出てこない。こんどは店員の男の子が通りかかり、「空いてないの?」と聞くのでうなずいたら、また激しくノックをし、「エナ、あけなさい!」とはじまった。またエナが、「隣のトイレがあるでしょ!」と同じことを言ってくる。「隣も使用中なんだよ!早く出ろよ!」という応戦を3分くらい繰り返す。男の子は根気よく説得にあたってくれたが、ついにエナが降伏することはなかった。店員たちが誰が中にいるかわかっていて、しつこく出るように言うなんて、もしかすると、エナは常習的なトイレ立てこもり癖があるんだろうか?結局、エナが出てくる気配はなく、私も切羽詰まってるわけでもないので、皆を待たせても悪いしと思ってバスに戻った。コンビニよりは快適であろうホテルのトイレにゆく方がよい。みんなを待たせてしまったかな、と思ったが、バスにはまだ全員が戻ってはいなかった。

さて、もう1件のホテルとは、きのう私がチェックアウトしたメルキュールだった。メルキュールのトイレはロビーにはなく2階にある。不便。2階だから、階段を駆け上がりたいところだが、見当たらないので、エレベーターに走る。昇りはエレベーターのドアがまさにしまるところだったが、中にいた白人の女性は、親切にあけてくれた。トイレからはすばやく出るも、こんどは下りのエレベーターがなかなか来ない。朝のチェックアウトラッシュだから、仕方ないが、みんなを待たせてしまう、といらいらいら。やっと来たエレベーターは、荷物をもったチャイニーズ系で、ほぼ満員になっていたが、止まったからには乗れるはずと、なんとか乗り込む。早く戻らなきゃ、と早足でロビーをすりぬけたが、その必要はなかった。私がトイレに走る前に、薄顔スタッフとゲストは合流していたわりには、まだロビーにいた。

全員がバスに乗ると、薄顔スタッフが、「これからコタブルのJETTYに向かいますが、波が高ければ、マンタナニへゆけないかもしれません。その場合は全額返金です。」と、散らばって座っているゲストおのおののところに出向き、説明してまわった。フィリピンで台風が発生し、その尻尾がサバにかかっていて、海が荒れているんだそうだ。

3年前にマンタナニにトライした際も、1日めは海況が悪いとの情報が現地から入っていて、KKから出ることなく、マムティック・ダイビングへ変更された。2日めも、いけるかどうか、といった出発だった。こうなると、マンタナニって東海汽船の条件付出港みたいなことが多いサイトなのかもしれない。

車がメルキュールを出発すると、工業団地や集落がたまに現れる程度で、本格的な田舎になる。やがて田んぼが広がりはじめる。日本の米どころと同じような感じだが、椰子の木やバナナがあったりするところが違う。5月はカマタンフェスティバル、サバの収穫祭の月であるが、いまのところ田んぼは青々。休耕田とおぼしきところも多かった。去年のカマタン時期には、「サバは今収穫祭だけど、米がない」と言っていた。今年はどうなんだろう。休耕田ぽいところもかなり多いので、収穫量はあんまりないんだろうな。KKのマーケットでも、サバ米は、あまり安くないが、癖がなくて、私は好きだ。



その頃には、太陽も力強くはないが、出てきてくれた。道中キナバル山は、ついさっき右に現れたと思えば、こんどは左に現れ、といった調子で、道はかなり巻き巻きしている。そして、猛スピードで走っても走っても着かない感じのコタブルへのドライブ。だんだん牛とすれ違う機会もふえてきた。なんだかなごむ。3年前は、牛が車道の真ん中に座り込み、牛さん渋滞を繰り広げていたが、今回はそれはない。



コタブルJETTYまであと15分という位置にあるガソリンスタンドでもう一度バスは止まった。どうやら、休憩目的ではなく、現地と海況確認の電話をするためみたい。このごにおよんでも、「とりあえずボートは出るけれど、波が高かったらごめんなさい。」ということだった。やっとJETTYに着くと、マンタナニ到着予定は11時頃と言われ、モデルスケジュールよりすでに45分遅れだ。

コタブルのJETTYから見るキナバル山の形は、KKから見るのと形が違う。サバ州の州旗や、ガイドブックやポストカードでよく見る、なじみのキナバル山の形ではない。裏キナバル?それにより近くて全容が見える感じだ。



さて、JETTYの入り口には、簡易なトイレが3つできていた。民家のスクワット型とはちがい、ビジターむけに型は洋式であるが、だいたいは水洗のノブがばかになっていて、フラッシュできない。結局、ひしゃくでため水をすくう、マニュアル水洗となる。

ところでJETTYには、先に着いていたチャイニーズ系の人がたくさんいた。ボート2ハイでゆくのだから、先に着いた人々を、さっさと乗せて行ってあげればいいのに。このJETTYで、名前を書いてサインをするだけの簡単なダイビングの免責フォームに記入するが、その後もしばらく出発する様子がない。いつ出かけるのか、まったく沙汰がなく、これまでのピックアップ状況といい、サービスの段取りの悪さが露見してきた。そして唐突に出発となった。海は見た目、大して荒れてそうにないが、ボートがいったん走り出すと、そこそこうねりはあった。ダイビングインストラクターだと名乗る、これまた普通のお兄さんとだべりながら、島へむかう。なんでも、「きのうはボートで15分走ったところで、波が4m以上あったから戻ってきたんだ」などと言っている。これだけ時間をかけてきて引き返すのはごめんだ。しかし、前方にはマンタナニ、後方にはキナバル山をみながら、ボートは揺れつつも順調に走り、島はどんどん近づいてきた。

UMSの水族館

2009-05-06 19:19:07 |  旅行
5月4日のこと。

メルキュールの部屋から、UMSが見えた。UMSとは、マレー語スペルで、Universiti Malaysia Sabahの頭文字だ。UMSのボルネオ海洋研究所には、一般にも公開している水族館がある。ボルネオ海域の生物をメインに紹介したもので、たぶん、ジンベェもマンタもハンマーもいないと思う。普通種ばかりで、小さな水族館のようだけれど、UMSはすぐそこだし、せっかくだから行ってみなきゃ。

ホテルのレセプションで、「UMSの水族館に行きたいんだけど、歩いて行ける?」とたずねたら、「タクシーよ!」と二人のお姉さんが口をそろえて言った。「それにきょうは日曜だから、明日にした方がいいわ。お役所は土日は休むものなの。役所ってのは、いい仕事よねぇー。」と片方のお姉さんが言う。そりゃあんた、ツーリズムは土日祝日がかきいれどきでんがな、とつっこんでやった。サバ観光局、UMSいずれのサイトを見ても、水曜と国民の祝日が定休となっていても、日曜休みとはどこにも書いていない。それでも、きっと地元の人々の言うことに従った方が無難にちがいない。翌日、KKに移動がてら寄ることにした。

KKの空港から1Borneoに来るとき、UMS入り口と1Borneoは目と鼻の先に感じられた。だから、キャンパスを適当に散歩しながら、水族館を探そう、くらいに思っていたが、そんなもんじゃなかった。タクシーでキャンパスに入っても、まだまだ続く車道。しかもキャンパス内は起伏も多いし、大型のスクールバスも何台もとまっている。日本の大学とは大違いだ。とにかくでかい・・・。キャンパス内の移動に車がいるとは!なんでもUMSは1週10キロあるらしい。それに、東南アジアで一番美しい大学といえるのもうなずける、とてもキレイなキャンパスだ。私が今大学生だったならば、ここに留学してマリンバイオロジーでも学びたいところだ。

学内に入ってから水族館までの距離の方が、メルキュールからUMSの入り口の距離よりも、はるかに遠かった。水族館の中に入ると、そこはシパダンの水中ジオラマになっていた。見上げると、上方にダイバーがおり、バラクーダの群れ、マンタ、ハンマーヘッドもいる。このジオラマは水族館の目玉のようだが、申し訳ないけれど、しょぼいと思う。でも、角度によって見え方も違うし、シパダンを実に簡潔に表現していると思う。





水族館の中は、このシパダンジオラマをはさんで、左右2つの展示室にわかれている。右手には水槽、左手には、クジラの骨の標本が見えた。まず、右手にすすんでみる。

予想通りとても小さな水族館のようだ。奥のほうの水槽は、階段を何段か上がったところにあるが、おそらくあれでつきあたりだろう。そして、館内には誰もいないことに気がついた。遠くから、ネコが鳴くような声がしてくるだけだ。そういえば、WEBに入場はマレーシア人RM5、外国人RM10と書いてあったけど、いったいどこで払うんだろう、と思いながらもどんどんすすむ。

まず、最初の水槽にはロブスター。写真じゃよくみえない。



次は、四角いシーグラスの水槽。近寄ると、奥のほうにいた黄色いシーホースさんと、エビさんが寄ってきた。この2匹、私が左にいけば左、右にいけば右についてきてくれるので、愛着をおぼえてしまった。好奇心が強いのか。それとも自分たちのテリトリーに近づくな、と言いに来ているのか。もしくは、餌の時間をまっているのか。エビさんというのは、すごく視力が弱いときいているが。見えてるのかな。奥の方には、白いシーホースさんがいたが、こちらは無愛想だった。シーホースさんたちにも性格があるもんだ。





お次は、あんまりきれいではないサンゴの水槽。ギチベラが一匹いるが、サンゴともどもパッとしない色彩。カクレクマノミが出てきたが、すぐに隠れられた。





さらに奥にすすむと、階段の手前からいきなりネコが現れた。さわると痒くなったりしそうなので、かまわないでおこう。



ところがネコは足元にすりすりしてくる。とりあえず、どんなにまとわりつこうが、相手にせず、ずっと無視を決め込むことにした。それに私はクールでシャープなネコのみがすきで、やたらなれなれしいネコは好みじゃない。しかし、ネコはしつこさを増すばかりなので、さっさと上の水槽へ移ろうと、階段めざして急ぎ足ですすむ。それなのに、ネコはなお足元にからみつくので、ふりきろうと駆け足で階段をのぼったら、足裏に何かやわらかい感触がした。その刹那、ネコが「ギャー」と叫んだ。私もギャーと叫んだ。ネコの足を思い切りふんづけてしまったのだ。「おー、ごめんよ。だから着いてきちゃだめだよ。」加減なしに踏んだわけなのだが、ネコは絶叫ぶりと、数秒だけ痛そうに前足を気にしたわりには、またこりずにまとわりつきはじめた「また踏まれたいのかい?」

階段をあがると、右手にレモラの水槽があった。レモラというのは、私が嫌いな数少ない魚類のひとつだ。頭のすいつくコバンを生理的に受けつけない。



気をとりなおして、一番大きな水槽にゆくと、巨大なグルーパーがいた。ハタ科にはちがいないが、クエか、タマカイか、コッドか、ハタ界に明るくないので識別できない。



そして、ナポレオンが奥をのそーっと泳いでいた。少し移動すると、ナポレオンがこんどは寄ってきた。上方からはハコフグなんかも寄ってきた。



とくに面白みはない水槽だが、ダイビングを始めた頃は、GBRのジャイアントポテトコッドに囲まれたいとか、ナポレオンフィッシュが見たいとか、ずいぶん控えめなウィッシュ・リストだったな、とふと初心を思い出した。

続いて、左手には、もうひとつ、ハタ科の水槽があった。マダラハタだろうか。近づくとみんないっせいに寄ってくる。その間もネコがうざい。



私が水槽に近づくと、水槽のふちにネコがぴょん、と乗っかった。すると、ハタたち、それまでのっそりしてたのに、蜘蛛の子を散らしたように上方へ去った。ネコは危険だと、本能でわかるんだ。そして、ネコが下りると、みんなまた、のっそり戻ってきた。



これがラストの水槽で、生き物が入った水槽は8個しかなかった。そしてこんな小さな建物の中でも、ネコのなわばりは決まっているらしく、シーグラスの水槽に戻った頃には、ネコの姿は見えなり、また奥のほうからみゃおみゃおという声だけが聞こえてきていた。

もう一度、いちばんなごめたシーグラスの水槽へ戻り、別の位置から覗き込むと、砂の上にカブトガニの幼生みたいのがいるのに気づいた。小さくてかわいい。そしてまたもエビさんが、やってきてくれた。かわいい子達だ。





水族館には、マングローブ・ウォークのがあるのだが、そちらには出れなくなっていたので、ふたたびシパダン深海ジオラマを通り、左手の展示室に移ると、そちらは標本の間で生命感がまったくない、白骨ワールド。

まず入り口にクジラの骨。これがおそらく水族館的には第一の目玉なのだろう。Cuvier’s Beaked Whale、アカボウクジラという種らしい。





あとは、さまざまなサンゴの標本が展示してあった。みんな真っ白なので、目には楽しくない。やはり水中で生きてカラフルな状態でないと。



こちらはマブールで採集されたサンゴ。



奥にカメの標本があったが、みんな目玉がないので、近くでみるとこわい。作り物の目玉、入れましょうよ。



こうして最後まで貸切のまま、30分たらずで外に出た。立ち止まらなければ、ものの10分もかからない大きさだ。外に出て、「ここって、お金はどこで払うんざんしょ。」と聞くと、タクシードライバーが「そこ。」と指をさしたところが、受付。いかにも入場券売り場といった窓があいて、10リンギット差し出すと、「フリー!」といわれた。「トゥリマカシ」と帰ってきた。

ボルネオのジンベエについてとか、興味深い記述もあったが、たいしてうんちくが深まることもなく水族館をあとにした。でも、多くの魚がこちらに近づいてきてくれるし、魚市場見学と同じで、魚類とかかわる時間ってのは、ダイバーにとっては少なからず、楽しいもんだ。

1Borneoでの休日

2009-05-06 17:49:59 |  旅行
5月3日のこと。

KK検疫事情
シンガポールからのシルクエアーは、キャビン後方がいつもすいているので、後方から2列目をとってもらった。乗ってみると便はすいていて、後方5列目くらいから後ろは他に誰もいなかった。これじゃインフルエンザを発症する人が万が一機内に出ても、前後3列の人、なんてのにあたらない。

シンガポールの搭乗口では、A4サイズの問診表を渡された。名前、年齢、現地滞在先、連絡先などを記入し、1週間以内に感染エリアに行ったか、感染の疑いがある人と接触したか、というような質問にチェックをする。年齢は何歳何ヶ月まで書く。えーと、私っていくつになったんだっけ?25の頃からずっとそう思い続けている。とくに何ヶ月なんていわれても、ピンと来ない。日本は今のところ、「感染の疑い」がある人は出ているが、感染が確認されてはいないので、NOでいいのかな、なんて思いながら、すべてNOにチェックをした。

飛行機を降りると、ものものしくマスクをつけたナースが5名ほど、大きな体温計を手に待ち構えていた。数分間程度の行列だが、待っているうちに、ちょうど隣のゲートに香港からのドラゴン・エアーが到着をしたのが見えた。香港では感染者が確認されたあとだったので、マスクをしない私でも、機内から人が出てくる前に早く立ち去りたい気がした。シンガポールで渡された問診票をチェックされ、問申告内容に問題がなければそのまま検温にすすむ。額に大きな体温計をあてられる。緊張で熱が少し上がるかと思ったら、「さーてぃーふぁいぶぽいんとえいとでぃぐりー!」と言われ、ナースと爆笑してしまった。いくらなんでも36度はあっていいと思うのに。朝置きぬけでもないのになんという低温。あまりにダイビングをしすぎて低温化したのか?シルクエアーが寒かったので、表面が冷えたのかもしれない。


1Borneoへ
検疫クリア後、イミグレーションもたいして並ばず、チェックドバゲージもないので、さっさと外に出られた。3泊しかしないKK。そのうち初日だけ、1Borneoのメルキュールに泊まる。空港タクシーは、市内まではRM20のところ、メルキュールまでだとRM40。こちらの物価からすると、高いなぁ、と思っていまう。ホテルには12時には着いたが、「チェックアウトは午後2時です」、なんてことは言わずにすぐ部屋に通してくれた。

荷物を運んでくれたベルボーイに、「トゥリマカシ」と言ってドアがしまったところで、しばし呆然自失。最近、近年にない残業続きだったのと、昨日機内で一睡もせず、トランジットも本屋で立ち読みしたり、ネットしたりでほとんど眠らなかったから、さすがに疲れている。1時半頃、気をとりなおしてお隣のハイパーモールへゆく。

ハイパーモールに入った瞬間、こりゃ20分くらいで挫折しそう、と思った。なにか買いあさろうという意欲があれば、そうでもないのだろうが、ただ冷やかすために入ると、このでかさが手に追えない。体が弱っているときには、モールがより大きく感じる。とりあえずはランチにしよう。地上階部分には、多くのレストランがあるが、香港スタイルやウェスタンスタイルが多く、しっくりこない。無難な香港スタイルにするか、いまいちそうだけど、マレーレストランにするか悩むが、決めかねてしまったので、地下におりてみる。地下には、去年9月に年末オープンといわれた水族館がいまだ建設中だった。ホテルのブロッシャーにも、COMING SOONとなっていたが、いつになるやら。ロゴだけは完成していた。




1Borneoの肉骨茶~昼でもバクテが食べられる!
地下を空腹で気だるく歩いていると、突然、バクテの香りがしてきた。その香りに吸い寄せられれるままに歩いていくと、テーブルの土鍋をつつく人々が視界に入ってきた。バクテはKKの「佑記茶室」と思ってはいるが、ここも席が9割方埋まっているから、きっと悪くはないんだろう。それに昼からバクテが食べられるなんてうれしい。バクテは、朝食に開発されたものというのに、KKではなぜか夜しか食べられない。

店の名前や「小二」という。メニューは何種類かあったが、迷わずバクテをオーダー。お湯につかったれんげや皿をながめながら、KKのバクテ屋よりは少し長く待たされた。



お待ちかねのバクテがやってくると、まず何もいれずに一口。小二さんのバクテは、今まで食べたバクテ屋の味とは違い、ほのかな甘みがある。この一口だけで体の底から力がわいてきた。



吹き抜けから見た小二さんの、キノコ型な入り口。



バクテを食べたらパワー全開。豚骨パワーか、バクテのハーブか、いれすぎたチリか、同じくいれすぎたガーリックみじん切りか、これらのいずれのおかげなのか、それとも相乗効果なのかわからないが、とにかく効いた。レバーがきらいな私だって、バクテに入っている内蔵は食べやすいので平気だ。滋養満点、コラーゲンで肌にだっていいはずだ。おいしいバクテを作れるチャイニーズが、オフィス街でバクテ屋開業すれば、絶対OL中心に大当たりすると思う。


ひとりパフ・タルト祭り
バクテで嘘のように元気になったが、チリを入れすぎてあまりにHOTだったので、甘いものがほしくなった。そんなところに、エッグタルトが目に飛び込んできた。朝、シンガポールを飛び立つ前に、チャンギのターミナル2にある、「ベンガワン・ソロ」という店のエッグタルトを食べたので、本日ふたつめのエッグタルトになってしまう。でも、他にもカレーパフやらカヤパフ、ココナッツタルトなんてのもあり、ほっとけない。結局全部買った。エッグタルト1つだけ買って、ぱくぱく食べながら歩こうと思ったが、そのままお持ち帰り。

左上から時計まわりに、エッグタルト、ココナッツタルト、カヤパフ、カレーパフ。4つで4リンギット10セン。



全フロア、冷やかせるだけ冷やかす。QUIKSILVERに入ると、いつも予定外の散財をするが、今回はほしいものもなく。でも、こっちに入ってくるROXYって、なんか違う。ハワイとは明らかにラインがちがう。OZラインかとも思うがなんだかいまいちだ。マーレのクイックシルバーにはけっこう掘り出し物があるんだけどな。

そしてこのモール、でかさのせいでそう思うのかもしれないが、日曜にしては人の入りはいまいちだと思う。店もちょっと高めのお店は閑古鳥だ。レストランも、どこもガラガラのところが多い。こんなんで、このまま存続し続けられるんだろーか。



そんななかでJapaneseなダイソーはローカルで大賑わいだった。なつかしおもちゃ、にょろにょろ、と書かれた、竹でできたへビのおもちゃが入り口近くで売られていた。なかなか笑える陳列ではあった。決して100円レベルではなく、5リンギットレベルが多いように見えた。

赤くさんぜんと輝く(?)サインボードがダイソー。



ぐるりと全フロアまわってみたので、地下に戻って、CD屋で、マレーシアのHUJANGのCDを一枚ゲット。MEET UNCLE HUSSAINというバンドのCDが欲しかったが、みつからなかった。


名前のとおりジャイアント、そしてバクテぎれ
それから、スーパーGiantへ。シンガポールやらマレーシアの大手スーパーといえばジャイアントだ。タワウでも去年鳴り物入りでオープンしたし、KKでは、ワワサンの1階に入っているが、1Borneoのは、とにかくでかい。どこに何があるかわからず入る。とりあえず、ここで、いろいろご自宅用おみやをGET。今回は、キャリーオンバゲージだけにするので、液体が買えないのが残念。部屋で飲む用のタイガービールも買ったら、両手がふさがり、身動きがとれなくなった。ここで、バクテ切れ。なんだかんだで3時間近く、うろうろしたからしようがない。足取りも重く部屋へ戻った。

まだ日没までには時間がある。レセプションで3階にプールがあると言っていたから、せっかくだしプールサイドで少し休もうとプールにゆく。せまいプールサイドで1時間ほど眠ってしまった。目がさめると、プールには入らず、そのまま出てきた。この小一時間の眠りはリフレッシュにはならず、どろどろ感をましてしまった。1BorneoとKKの間にシャトルバスがあるが、夜な夜なKKにゆく元気はなく、そのまま昼買ったエッグタルト、カレーパフ、カヤパフ、ココナッツタルトをいただく。どれも上品な味で、けっこうおいしい。夜9時頃、いきなり「ぶぉーん」という大きな音がしてきた。なんだろう。もちろん窓は開けられないつくりであるが、ふちに指をあてると、少し風が入ってくる。やがて、横殴りの雨がガラスをうちはじめた。雨の前に、風が変わったとき、すごい音がしただけで、その後はまた静かになった。しかしどーにもこーにも眠いので、さっさと就寝。私はその昔、シパダンで「彼女は決して眠らない」と言われたほどの、夜型なのに、こんな早寝はひさびさだ。