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愛好文化

2008-07-09 07:18:00 | 日記
2008/04/26
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン大学日記>ゴーGo!ハカセ号(1)愛好文化研究

 私の勤務校のひとつに、高校2年修了で大学へ進み、飛び級を重ねて24歳で博士号を取得した人がいます。秀才は、高校入学から博士号までたったの9年。
 鈍才春庭は、高校入学から博士後期課程修了までの期間を合計すると、ちょうど20年になる予定。

 小学校と中学校の義務教育9年間を足せば29年間。人生の半分は学生としてすごしました。
 小学校、中学校、高校、私立大学、専門学校、国立大学、国立大学大学院修士課程、私立大学大学院博士後期課程、

 日本人50代女性のうち、私は、「日本でもっとも長い期間、大学大学院教育を受けた女性」になるだろうと思います。
 と、言っても、後半のほとんどは、教師兼学生だったり、母親兼学生だったり、兼業学生でした。
 「生涯学習の星」と呼んでください。

 これから3年間を予定している大学教師兼博士後期課程学生生活。
 無理せずたのしく仕事を続け、学び続けて、よい研究を実らせたい。
 在学3年間で博士号取得できるかどうかはわからないけれど。(ちと弱気)

 これまでの大学&大学院で教育を受けてきた合計17年間で、私の専門はコロコロと変わった。ように見えます。
 自分の中では「ことばと文化」というテーマは一貫しているつもりなのだけれど、所属の学科や専攻の上では「ころころ」変わったことになっている。

1,私立大学日本文学専攻「日本古典文学・比較神話学」卒論テーマ『古事記』
2,私立大学大学院研究生「演劇学・比較芸能学」ケニア・ナイロビでアフリカンダンス修行をするも、夫と出会い、研究断念。
3,国立大学日本語学専攻「日本語学・言語学」卒論テーマ「日本語の他動詞文」
4,国立大学大学院外国語学研究科、専攻「日本語学・日本語教育学」修論テーマ「現代日本語の再帰構文」

 2番目の専攻、演劇学・比較芸能学について。
 30年前、東アフリカ・ケニアに滞在していたころ。「何しにナイロビへ来たのか」と、問われたとき、相手によって「アフリカンダンスを習いに来た」というときもあったし、「Philo-Cultural Anthropologyフィロアンソロポロジーを研究している」というときがありました。

 Philo-Cultural Anthropologyというのは、私の勝手な造語です。
 「知を愛する」学問がPhilo-sopphyフィロソフィー=哲学。
 「言語を愛する」学問がPhilo-logyフィロロジー=言語学・文献学。
 だったら、文化人類学Cultural-Anthropologyカルチュラル・アンソロポロジィを愛好するのは、Philo-Cultural-Antoropologyでよいではないか、という造語でした。

 余談:「女を愛する」のがPhilo-gynyフィロジニィ=女好き (対義語 Miso-ginyミソジニィ=女嫌い)

 私がこれから学んでいくつもりの分野は、Cultural Studiesカルチュラルスタディーズ=文化研究。
 その中で、比較文学・比較文化を中心に研究します。
 私としては、またまたPhilo-Cultural-Studies 「愛好文化研究」と、造語したいところです。

<つづく>


2008/04/27
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン大学日記>ゴーGo!ハカセ号(2)カルスタ

 1988年以来、日本語教師として仕事を続け、日本語学を研究。
修士論文のテーマも「現代日本語の再帰構文」だったから、言語学研究・日本語学研究を続けている時間が長く、文学研究とは遠ざかる一方でした。
 でも20年間「いつか、文学研究にもどりたい」と、思い続けてきたのです。

 「文化研究」は「Cultural Studies」の翻訳語。
 「文化を広く研究すること」と「文化研究」は意味が異なるので、翻訳せずにカタカナ語で「カルチュラルスタディーズ」と呼ばれることも多い。

 私がカルチュラルスタディーズに興味をもったのは、1995年になってからでした。
 1996年には、カルチュラルスタディーズの大立て者スチュアート・ホールの日本講演とシンポジュームを聞きました。

 友人に「これぞ私が欲していた分野だった。どうしていままでこの分野に出会わなかったのだろう」という手紙を書きました。
 しかし、専門的に研究するチャンスはまだまだ遠かった。
 1996年から12年かかって、ようやくカルチュラルスタディにたどりつきました。

 カルチュラルスタディーズは、現代文化を扱い、サブカルチャーをテーマにすることが多いため、ひところから、「カルスタ」という揶揄を含んだ呼び方がなされるようになりました。
 新アカデミズム派の略称「ニューアカ」に、揶揄の意味を含んでいたのと同じく「一時のはやりすたりもん」と、見なされてきました。

 ウィキペディア解説によれば、
 『 通称カルスタ。しかしこの略称が用いられる時には、厳密な方法論的検討を経ずに多様な学問領域を「お手軽に」横断してしまう研究という、若干軽蔑的なニュアンスが伴っていることも多い 』
 ですって。

 わたしは、「文化研究」という学術用語でなく、「カルスタ研究」をめざします。
「軽スタ」という揶揄的な呼び方自体が好きですし、私がやろうとしていることは、まさに「厳密な方法論的検討を経ずに多様な学問領域をお手軽に横断してしまおう」ってことですから。
 今までの「春庭の雑学研究」を、これ以後「春庭の軽スタ研究」と、呼ぶことにします。
 カフェコラムのタイトルは、「日々雑記カルスタクラブいろいろあらーな」に変更です。

 mixy日記に
さあて、何年後になるかわからんが、ハカセ号とったら、祝宴をあげるよ。
祝宴の祝い金は、結婚祝い金として私が払った額の倍返しじゃ。
貯金をしておくように。(2008年03月07日16:32 )

と、書いたら、姪から返信

蜜柑(姉の長女)2008年03月07日 17:23
博士と呼ばせて頂きやす(*^艸^) 貯金しなきゃ(笑)

りんご(妹の長女) 2008年03月07日 23:15 合格おめでとうございます
博士号か結婚か、どっちが先か競争だわね…フフフ わたしは論文いつまでに提出とかもぉいいです。わたしの場合は論文ではなく創作でしたが
==================

<つづく>


2008/04/28
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン大学日記>ゴーGo!ハカセ号(3)日本語と日本思想

 息子が、3月30日の新聞書評欄を読んでいて、「これって、ハハが読みそうな本だよね」と、書評欄を目の前にかざしました。
 浅利誠『日本語と日本思想』

 「ふふふ、抜かりはないゼ、3月10日に購入済み」と、息子に本を見せました。
 「興味があるなら、貸そうか」と、私。
 「読むわけないジャン、日本語論なんて」と、豚児。

 うちの与太郎は、ゲーム攻略本か、歴史関連の本しか読まんのです。それも日本中世史のみ。この春めでたく日本史専攻2年生に進級しました。
 ハハが「なんでもアリ」の雑学興味であるのに対して、ストイックな「オンリーワン」読書主義。
 ま、私が担当している日本語教師志望の日本人学部生よりは、よぽど日本語について知っているのがせめてもの救いか。

 現代文化あるいはサブカルチャーと呼ばれる分野のなかで、「私がついていけない文化」であるコンピュータゲームについて、ソフトの面ではとりあえず息子と娘に尋ねれば答えてもらえるので心強い。

 ゲーム文化研究は、カルスタの中でも近年研究が盛んになった分野です。
 私はゲーム文化研究をしないけれど、現代文化を扱うなら、ゲームについての知識も基本的な了解事項になるだろうから、助けて貰おっと。

 息子が、「これって、ハハが読みそうな本だよね」と、書評欄にある『日本語と日本思想』を見つけだしたのは、さすがに「ダテに春庭息子をやってないねっ」と、いうところ。

 『日本語と日本文化』、奥付に2008年2日29日発行とあります。
 この本を本屋で3月10日に見つけたときは、「わぁ、やられた」と思いました。
 「日本語文法論から日本文化を考える」という内容で、「日本語と日本文化」というタイトル。
 「私が、このタイトルこの内容で本を書くつもりだったのに、先にやられた!」。

 藤原書店の季刊雑誌「環」に連載中は「日本語で思考すること」というタイトルだったから、単行本出版時に「日本語と日本思想」と、タイトル変更になるとは思っていなかった。油断した。
 商標登録しておくってことも考えつかなかったのだし、まあ、タイトルは早い者勝ち。

 本居宣長、西田幾多郎、三上章、柄谷行人の論究と、日本語教師として培った日本語文法の知識によって「日本語と日本文化」を語る、って、私がやろうとしていたのもほぼ、じ範囲だけれど、違う視点で書くからまあ、いいや。
 私は、本居春庭、西田幾多郎、山田孝雄、三上章、奥田靖雄、柄谷行人などを扱う予定。

<つづく>
 

2008/04/29
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン大学日記>ゴーGo!ハカセ号(4)カルチュラル・スタディーズ

 さて、今回入学の博士後期課程の専攻は。
 「異文化交流の激しい現代にあって、人類文化への深い知識と洞察力を養いつつ、未来志向の、全人類文化の調和と融合を探求する。
 全人的な学識と高度の専門知識をもち、国際性と創造性に富む研究者を育成する。
 文化及び文学を研究する」
というのが、専攻案内にある説明。

 指導教官は「比較文学」の専門家、現代文学ポストモダンフィクションを研究している女性研究者です。
 私の夫と同学年のはずだけど、はるかに若く見えます。

 先生、入試面接のときは金髪に染めていらした。先生のパートナーは、留学中に知り合った同じ研究をしているアメリカ人。お嬢さんは上海に留学中。
 大学院案内の写真でも美人ということはわかるけれど、実際に見て、人となりや雰囲気がわかりました。すてきな先生だったので、うれしく思いました。

 4月5日の開講式のあと、先生のゼミの人たちとコーヒー屋さんで顔合わせ。
 先生からは、まず、きちんとした研究計画を提出するよう、締め切り日を申し渡されました。
 9月には第一回目の研究発表。忙しくなりそうです。

 めざせハカセ号!!がんばれガクセイ春庭!
コメント
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