20180107
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2018十八番日記1月(4)闘うガングリオンと踊る米寿
七草粥食べて平日気分になりましたか。今年は、3連中8日まではお休み気分の方も多いかしら。
七草のゴギョウ(御行)は、植物名のハハコグサ(母子草)と書くと春の季語。ゴギョウだと正月の季語。太陽暦に変えたために「新春」という語が春ではなく冬のさなかになってしまったための季語のずれです。
我が家の母子草。相変わらずぐずぐずと生きています。
三が日が終わり、世の中が平日体制に戻って、娘が一番先にしたことは、医院に行くこと。
娘が気にしていたのは、掌にできた「グリグリ」でした。暮れの28日に掌の違和感に気づき、ネットで調べたらどうやら「ガングリオン」という無害のものらしい。
でも、もしもこれが、「胸のしこりに気づいたら、乳がんの症状だった」と世間で言うようなものならたいへんだ、と感じて、暮れも正月も心配のほうがつのって正月気分になれず、この手のしこりが気になっていたのでした。
いっしょに近所の整形外科へ。私は2階で肩こり予防と腰痛予防のマッサージを受けました。その間娘は1階の待合室で30分待ち、私がマッサージを終えてもさらに1時間半待ちました。待合室は風邪引きさんで満杯です。
マスク姿の人が多い中、男の子が咳こんでいます。両手にマンガ本を持ち、読みふけりながらの咳、口を覆うことをしません。どうやら男の子の診察ではなく、母親の受診を待っている様子。ここは病院なのだから、母親は「咳をするときは、口を覆いなさい」と、いつ注意するのか気になっていました。おせっかいにも、知らないオバアがしゃしゃり出て、「咳をするときは、他の人に咳をとばさないために、口を覆ってね」と言うべきかどうか、しばし悩みました。病院でなくても、咳をしているときマスクをするのは、最低限のマナーと思います。
あとから来たお年寄りがバッグからマスクをひとつ出して「坊や、咳が出るなら、これ使って」と言ったのですが、母親は「あ、だいじょうぶです」と言う。あんたの息子が大丈夫かどうかが問題じゃないんだよ、息子の口を覆わない咳が他の人に嫌な気分を起こさせているのがわからないのか、と、腹が立ってきた。
やっと母親の診察の番になって、診察室へ入っていきました。その間にも待合室の男の子は咳をする。母親が隣にいないのを見計らったように、お年寄りは男の子にマスクを渡しました。男の子は案外素直にマスクを口にしました。
診察が終わった母親が出てきて、息子のマスクを見て「あらまあ、咳してたからねぇ」と言いました。息子には「お礼、言ったの?」と聞いています。お年寄りは「言ったよねぇ」と男の子をかばいました。母親は、人様から息子が何かされたことを、あまり快くは思っていないという感じでした。
息子をお医者さんに診てもらうのでなければ、咳をしている子供を狭い医院の待合室に連れてくるべきではないし、連れてくるなら、両手でマンガにふさいでいる息子に、咳のマナーぐらい教えておくべきと、またまた「昔の母親が近頃の若い母親のしつけ力のなさを慨嘆」といういつもの老女愚痴第一弾になってしまいました。
新年早々「他人の咳込みがいやなら、いつもマスクの数枚をバッグに入れておいて、さりげなくプレゼントしたらいい」と、用意の悪さを反省することしきり。
娘は2時間待って、診察室に入り、5分で出てきました。あまりに早いので「えっ、診察終わったの?」と聞くと、「診察も治療も終わった」と。
診察室で掌を診てもらうと、医師はちょっと掌にさわって「ああ、これはガングリオン」
娘がガングリオンについて知識を持っているのを確認すると「良性の腫瘤だから、自然に治るまでほうっておいても大丈夫。痛みがあるなら治療しますけど、どうします」と聞き、娘が「少し痛みがあるから、治療したい」と言うと、掌をアルコールで拭くと、あっという間に注射針刺して、ゼリー状のガングリオンを抜き取って、絆創膏貼って終わり。これで、診察治療5分。
娘は、ほっとしていました。「身体にぐりぐりしたとこがあったら、もし、これが乳がんのしこりみたいなものだったらどうしようって心配しちゃうけれど、お医者さんにはっきりと良性のものだって言ってもらってよかった。でも、どうして関節の潤滑剤みたいなゼリーが外に漏れてガングリオンになるのかわかっていないんだって」と、医者の説明を私にもする。
そういえば、私も手首の親指側に、小さなグリグリが出来たことがあったけれど、いつのまにか消えてなくなったことがありました。あれも、ガングリオンだったんだ。
会計を終えていっしょにスーパーで買い物。
娘はすっかり晴れ晴れして「ああ、1週間心配して損した」と言っています。ちょうど年末年始の病院休診に当たってしまったので、1週間も診察に行けなかったのが悪かった。休日診療にいくほどのことでもないけれど、心配は心配、というところでした。
家に帰ると娘は「ガングリオンって、なんか、仮面ライダーとか連隊ヒーローものの悪役怪獣の名前みたいだね」と、笑っています。
ガングリオン、年末年始、我が家にとっては、宇宙怪獣並の害獣でした。退治できてよかった。注射針での退治、30秒。
この調子で、さまざまな世の悪役を退治できたらいいのだけれど、そうはうまくいかないでしょうね。でも、口を覆わない咳込みという小さなことからはじめて、「僕はいやだ」と、叫べる世の中にしないと。私は、咳boyの母親がどんな反応をするにかが気になって「口を覆ってね」と言えなかった。みな、保身に走ってイヤなこともイヤと言えない世の中にならないように。
5日は、ジャズダンスサークルの総会。5人しかいないので、役員決めといっても、それぞれが互いの都合を照らしあいながら、会長はミサイルママ、会計はみやちゃん、e-Naちゃんは発表会係などと決まりました。
発表曲の順番なども決めて、残りの時間、ご主人介護のTTさんの現状報告と3月までは練習休会の承認。姑介護が長かったクニコさんの体験談、みやちゃんが見聞した町で出会った認知症高齢者の事例など。
排泄管理ができない身体になると、おもらししていることに気づかないまま町を徘徊するようになるので、町でオシッコ臭い人とすれ違ったら、声がけをしてあげるほうが、よい、お節介と思われるくらいでちょうどいい、とみやちゃんは話していました。
だれも、なりたくて認知症になるわけではないけれど、やはり、脳と身体を鍛えておけばそれなりの効果はある、という結論、今年もがんばってダンス練習をしていこうと励まし合いました。TTさんは、舞踊家のアキコカンダが75歳で死去する2週間前まで公演して踊っていたことにふれ、「今72歳だけれど、とりあえず、目標は75歳でダンス発表会」と決意を語ります。
私など75歳まであと何年もないので、目標は米寿まで、と大きくでました。あと20年、踊る阿呆にみる阿呆、同じアホなら、踊ります。
2017年は、6人で帽子を回しましたが、
2018年は、この5人でがんばります。

<つづく>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2018十八番日記1月(4)闘うガングリオンと踊る米寿
七草粥食べて平日気分になりましたか。今年は、3連中8日まではお休み気分の方も多いかしら。
七草のゴギョウ(御行)は、植物名のハハコグサ(母子草)と書くと春の季語。ゴギョウだと正月の季語。太陽暦に変えたために「新春」という語が春ではなく冬のさなかになってしまったための季語のずれです。
我が家の母子草。相変わらずぐずぐずと生きています。
三が日が終わり、世の中が平日体制に戻って、娘が一番先にしたことは、医院に行くこと。
娘が気にしていたのは、掌にできた「グリグリ」でした。暮れの28日に掌の違和感に気づき、ネットで調べたらどうやら「ガングリオン」という無害のものらしい。
でも、もしもこれが、「胸のしこりに気づいたら、乳がんの症状だった」と世間で言うようなものならたいへんだ、と感じて、暮れも正月も心配のほうがつのって正月気分になれず、この手のしこりが気になっていたのでした。
いっしょに近所の整形外科へ。私は2階で肩こり予防と腰痛予防のマッサージを受けました。その間娘は1階の待合室で30分待ち、私がマッサージを終えてもさらに1時間半待ちました。待合室は風邪引きさんで満杯です。
マスク姿の人が多い中、男の子が咳こんでいます。両手にマンガ本を持ち、読みふけりながらの咳、口を覆うことをしません。どうやら男の子の診察ではなく、母親の受診を待っている様子。ここは病院なのだから、母親は「咳をするときは、口を覆いなさい」と、いつ注意するのか気になっていました。おせっかいにも、知らないオバアがしゃしゃり出て、「咳をするときは、他の人に咳をとばさないために、口を覆ってね」と言うべきかどうか、しばし悩みました。病院でなくても、咳をしているときマスクをするのは、最低限のマナーと思います。
あとから来たお年寄りがバッグからマスクをひとつ出して「坊や、咳が出るなら、これ使って」と言ったのですが、母親は「あ、だいじょうぶです」と言う。あんたの息子が大丈夫かどうかが問題じゃないんだよ、息子の口を覆わない咳が他の人に嫌な気分を起こさせているのがわからないのか、と、腹が立ってきた。
やっと母親の診察の番になって、診察室へ入っていきました。その間にも待合室の男の子は咳をする。母親が隣にいないのを見計らったように、お年寄りは男の子にマスクを渡しました。男の子は案外素直にマスクを口にしました。
診察が終わった母親が出てきて、息子のマスクを見て「あらまあ、咳してたからねぇ」と言いました。息子には「お礼、言ったの?」と聞いています。お年寄りは「言ったよねぇ」と男の子をかばいました。母親は、人様から息子が何かされたことを、あまり快くは思っていないという感じでした。
息子をお医者さんに診てもらうのでなければ、咳をしている子供を狭い医院の待合室に連れてくるべきではないし、連れてくるなら、両手でマンガにふさいでいる息子に、咳のマナーぐらい教えておくべきと、またまた「昔の母親が近頃の若い母親のしつけ力のなさを慨嘆」といういつもの老女愚痴第一弾になってしまいました。
新年早々「他人の咳込みがいやなら、いつもマスクの数枚をバッグに入れておいて、さりげなくプレゼントしたらいい」と、用意の悪さを反省することしきり。
娘は2時間待って、診察室に入り、5分で出てきました。あまりに早いので「えっ、診察終わったの?」と聞くと、「診察も治療も終わった」と。
診察室で掌を診てもらうと、医師はちょっと掌にさわって「ああ、これはガングリオン」
娘がガングリオンについて知識を持っているのを確認すると「良性の腫瘤だから、自然に治るまでほうっておいても大丈夫。痛みがあるなら治療しますけど、どうします」と聞き、娘が「少し痛みがあるから、治療したい」と言うと、掌をアルコールで拭くと、あっという間に注射針刺して、ゼリー状のガングリオンを抜き取って、絆創膏貼って終わり。これで、診察治療5分。
娘は、ほっとしていました。「身体にぐりぐりしたとこがあったら、もし、これが乳がんのしこりみたいなものだったらどうしようって心配しちゃうけれど、お医者さんにはっきりと良性のものだって言ってもらってよかった。でも、どうして関節の潤滑剤みたいなゼリーが外に漏れてガングリオンになるのかわかっていないんだって」と、医者の説明を私にもする。
そういえば、私も手首の親指側に、小さなグリグリが出来たことがあったけれど、いつのまにか消えてなくなったことがありました。あれも、ガングリオンだったんだ。
会計を終えていっしょにスーパーで買い物。
娘はすっかり晴れ晴れして「ああ、1週間心配して損した」と言っています。ちょうど年末年始の病院休診に当たってしまったので、1週間も診察に行けなかったのが悪かった。休日診療にいくほどのことでもないけれど、心配は心配、というところでした。
家に帰ると娘は「ガングリオンって、なんか、仮面ライダーとか連隊ヒーローものの悪役怪獣の名前みたいだね」と、笑っています。
ガングリオン、年末年始、我が家にとっては、宇宙怪獣並の害獣でした。退治できてよかった。注射針での退治、30秒。
この調子で、さまざまな世の悪役を退治できたらいいのだけれど、そうはうまくいかないでしょうね。でも、口を覆わない咳込みという小さなことからはじめて、「僕はいやだ」と、叫べる世の中にしないと。私は、咳boyの母親がどんな反応をするにかが気になって「口を覆ってね」と言えなかった。みな、保身に走ってイヤなこともイヤと言えない世の中にならないように。
5日は、ジャズダンスサークルの総会。5人しかいないので、役員決めといっても、それぞれが互いの都合を照らしあいながら、会長はミサイルママ、会計はみやちゃん、e-Naちゃんは発表会係などと決まりました。
発表曲の順番なども決めて、残りの時間、ご主人介護のTTさんの現状報告と3月までは練習休会の承認。姑介護が長かったクニコさんの体験談、みやちゃんが見聞した町で出会った認知症高齢者の事例など。
排泄管理ができない身体になると、おもらししていることに気づかないまま町を徘徊するようになるので、町でオシッコ臭い人とすれ違ったら、声がけをしてあげるほうが、よい、お節介と思われるくらいでちょうどいい、とみやちゃんは話していました。
だれも、なりたくて認知症になるわけではないけれど、やはり、脳と身体を鍛えておけばそれなりの効果はある、という結論、今年もがんばってダンス練習をしていこうと励まし合いました。TTさんは、舞踊家のアキコカンダが75歳で死去する2週間前まで公演して踊っていたことにふれ、「今72歳だけれど、とりあえず、目標は75歳でダンス発表会」と決意を語ります。
私など75歳まであと何年もないので、目標は米寿まで、と大きくでました。あと20年、踊る阿呆にみる阿呆、同じアホなら、踊ります。
2017年は、6人で帽子を回しましたが、

2018年は、この5人でがんばります。

<つづく>