
ロシア正教会ポドヴォリエ
20180128
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2018十八番日記寒の内(4)ロシア正教ポドヴォリエほか、自転車散歩本駒込
自転車散歩。電動アシスト自転車は快調です。
地図を見ながら本駒込をぐるぐると。
本駒込のあたりは、静かな住宅街です。地図の「大和郷」とあるあたりが、品川の島津山とか田園調布と並ぶ高級住宅地なのだそうですが、「高級」には縁がないので、これまで近寄ったこともなし。
目的の建物は、ロシア正教会ポドヴォリエ(ロシア語: подворье旅籠屋という意味 英語podvorie)ポドヴォリエは、ロシア正教会の出張所ということだそうです。
東京にはお茶の水にロシア正教のニコライ堂があります。正教会まで来ることができない人が近所でお祈りするための出張所ということで、「モスクワ総主教庁駐日ポドヴォリエ」が本駒込と下目黒にあります。
在日のロシア正教信徒のために、教会スラヴ語を用いて奉神礼の大半を行っているというポドヴォリエなのですが、地番に出ている本駒込2丁目12番のあたりをぐるぐる回っても、わかりませんでした。正教会なら屋根の上に十字架くらいありそうなのに、と思ってそれらしい建物をさがしたのですが、まったくわかりません。地番は文京区本駒込2-12-17。
でも、やはりこの辺だ、と思って3度目のぐるぐる回遊でようやくわかりました。ちょっともの悲しく寂れた建物でした。信徒の寄付が少ないのか、もうすぐ移転でもするのか、あまり教会っぽくない建物に思えました。もともとは「旧ソ連民間人クラブ」だった建物がソ連崩壊後に教会出張所になったみたいです。建物の建築年も、戦前の築造というくらいしかわかっておらず、そのうち取り壊されるのかもしれません。

かろうじて、正面玄関の上に聖人の絵(生神女)、玄関上に十字架。駒込では平日の奉神礼のみを行うということなので、日曜日には信徒の出入りもなく、寂れた印象のたたずまいでした。
玄関上の十字架

ドア上のプレート

ロシア正教は、敗戦後GHQ派閥とソ連派閥に別れて主導権争いを行った、といういきさつがあり、駒込ポドヴォリエは、モスクワ派の拠点だったそう。
できれば、教会が開いている日に来て、中を覗いてみたかったです。
2016年ニコライ堂は何度か訪れて、そのうちの一回は「日本でいちばんえらい正教会のお坊さんのミサ」に列席しました。信者でもないのに、ただの好奇心のみの参列で、申し訳ないことでしたが、肝心のお坊さんの所作は、祭壇のドアを締め切る形で行われ、一般席からは見ることが出来なかったです。このミサのようす、2016年のブログ休載中のできごとで、ブログメモが残されていません。
次の建物、日本アイソトープ研究所はすぐにわかりましたが、あいにくと工事中。建物の姿はわかりませんでした。
次に「駒込名主屋敷」をめざしたのですが、まったくわからず、駒込病院のわきの細い路地を行ったりきたり。天祖神社のまわりぐるぐる。
交番おまわりさんにたずねましたが、おまわりさんも知らない、ということで、天祖神社に戻りました。3度くらい同じところをぐるぐる回って、ようやく見つけましたが、「入り口は左です」と、門に書いてあるのに、その「左」がどこかわからず、あきらめました。

建物ポタリングがあまりパッとしなかったので、東洋文庫に立ち寄りました。入館料800円。展示は南太平洋の島々についてでしたが、それほど興味をひかれないテーマだったので、ささっと見て、モリソン書庫の前の椅子でいねむりをして、帰りました。モリソン文庫の本の壁を見ていると、本の迫力に圧倒されます。図書館や本屋にも本はたくさん並んでいますが、それとは違う本のオーラがあります。この重厚な本の壁を目の前にすると、もうちょっと本を読むまで生きていようという気分になるのです。居眠りをしただけで、読んだわけでもないのに、本からエネルギーを注入された気になる。

東洋文庫隣の本屋「青いカバ」で古書3000円ほど購入。
前回2017年3月娘といっしょに東洋文庫にきたときに、本屋がオープンしたことに気づいたけれど、染井温泉に行く用事があったので、本屋の中に入って買ったのは、今回はじめてです。古本と新刊を両方とも売っています。新刊の須賀敦子書簡集があったので、買いたかったけれど、すでに古本10冊買った後なので、がまん。
ブックオフなどと違って、志ありそうな本屋さんでうれしい。2017年1月9日オープンで、今は開店1周年。別段セールをやっている訳じゃなかったけれど、丁寧にブックカバーをかけて、青いカバのロゴはんこをおしてくれました。
店主さんは小国貴司さん。池袋リブロの海外小説担当だったけれど、リブロが潰れて三省堂になったため、独立したみたい。
ブックス青いカバ 文京区本駒込2-28-24 谷口ビル1階 03-6883-4507
建物ポタリングはちょっとしょぼいことになったけれど、最後に青いカバは楽しかったので、よい散歩になりました。
古本、「明治の西洋館Ⅰ、Ⅱ」青木保『文化の翻訳』など。エビフライランチ、東洋文庫入館料などで、一日の散歩費用、計7000円。「無料で楽しむ」コンセプトから見るとちょっと散財。ま、たまにはいいか。9月から後期半年間、せっせと働いたご褒美です。
<つづく>