
昼のショーのオープニング。ポリネシアミクロネシアの国々の旗が行進
20190713
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2019十九文屋日記夏の行楽(2)スパリゾートハワイアンズのポリネシアンダンスショー
西欧のホテルのベッドサイトや物入の引き出しには聖書が入っています。アパホテルの引き出しには、元幕僚長の書いた国家防衛論の本が入っています。(No thank youという人多し)
スパリゾートハワイアンズモノリスタワーの引き出しには『フラガール物語』が入っていました。2泊3日で、温泉やダンスショーのあいまに、一冊読み終わりました。速読は私の得意技。(清水一利『常磐音楽舞踊学院50周年史 フラガール物語』講談社 2015)
今ではいっぱしのフラガール通です。

映画『フラガール』のダンスの先生平山まどか(演:松雪泰子)のモデルになった早川和子(1932~カレイナニ早川、Ka-Lei-nani=美しいレイ(花輪))は、当初、まどかの人物設定に納得できませんでした。飲んだくれで借金からに逃げてきた、という設定。松竹歌劇団の踊り子をやっていたけど、都落ちせざるをえなくなりフクシマくんだりまで来た、というのも実像と違う。
早川は、クラシックバレエなどの舞踊を納めたのち28歳でハワイに渡り正統派のフラを学びました。横浜で教室「早川洋舞塾」を持っているダンス教師で、社長の中村豊に頭を下げられ、数年だけならと、ダンス指導を引き受けたのです。
中村が出した条件は、ただのダンス教室ではなく、きちんとした認可を受けた学校にするから、ということでした。常磐音楽舞踊学院は、福島県認可の正規の各種学校です。
それから幾星霜。2019年87歳の早川は学院の最高顧問として、後進の指導にあたっています。常磐音楽舞踊学院は、創立から55年たちました。学院のダンサー指導に一生をかけた早川を、中村豊は「早川先生は学院と結婚してつくしてくれた」と感謝したそうです。
映画公開後に、しずちゃん蒼井優と並ぶ早川和子(画像借り物)

学院一期生だった小野恵美子(1943~旧姓豊田、ハワイアンネーム:レイモミ小野Lei-momi=美しい真珠)の実像も、映画の設定とはちがいます。映画では蒼井優演じる谷川紀美子は、高校卒業したばかりのダンス経験もない女の子になっていました。
豊田恵美子は、常磐炭鉱事務職の父を持ち、幼いころからクラシックバレエのレッスンを受けていました。進学校の福島県立磐城女子高等学校のダンス部の部長をつとめ、常磐音楽舞踊学院発足時には、15歳から21歳までいた一期生18人の中、21歳のリーダー。当初から、他のダンス経験のない一期生を早川の右腕として指導しました。
1966年の開業時から10年間ハワイアンセンターの舞台に立ち、結婚を機に引退。その後は常磐音楽舞踊学院の教授をつとめつつ、自分のダンススクールを持ち、後進を指導しています。
『フラガール物語』によれば、現在は認知症の療養中。ご主人の談話によると、いろいろなことを忘れていっても、曲がかかるとダンスはしっかり踊ることができるそうです。
学院創立当時。右から早川和子、中村豊、豊田恵美子と学院生(画像提供小野恵美子「フラガール物語」より)。 岸部一徳が演じた社長吉本紀夫よりも、モデルになった中村豊社長のほうがずっとダンディでかっこいい。教養あり趣味豊かな、誰にでも気配りのできる社長だったそうです)

フラやポリネシアンダンスの振り付けは、早川やレイモミ小野らの独自の振り付けがなされています。
ハワイ語にして歌われたハナミズキの曲で

そんなフラガール物語を読んでのタヒチアンダンスショー、熱が入りました。
また、フラガールだけでなく、ファイアーナイフダンスという男性ダンサーによる火がついた棒をくるくると回すショーもすごかったです。
もともとは、サモアに伝わる、武器(ナイフ)として火の棒を戦いにつかったものが、儀礼としてダンス化された、ということのようです。日本ではシバオラというこのスパリゾートハワイアンズのグループが、唯一のダンサーチーム。


ダンス大好き春庭は、昼のショーは27日昼ひとりで、後半だけ観覧。28日最前列プレミアム指定席で娘息子と三人で。29日自由席ひとりで。夜のショーは27日夜最前列プレミアム指定席娘とふたりで。28日夜は自由席で娘とふたりで。と、5回も見ました。どんだけ好きかって。
できれば、来年あたり、ミサイルママとフラを発表会プログラムにとりいれるのもいいかなって気持ちもあって、何度も見ました。何度見ても結局振り付け覚えられませんでしたけど。
バンドも専属のハワイアンバンドです。

以下、昼のショーと夜のショーと、順不同。








ソロダンサーは、フラガールたちのあこがれの存在。ハワイアンダンサーネームがもらえて、舞台を独り占めにして踊れます。

ラストのタヒチアンダンスは、映画フラガールで蒼井優がソロダンサーとして舞台に立つ感動シーンで踊ったものが、歴代のソロダンサーに受け継がれ、衣装もふりつけも同じでショーのラストをしめくくっています。

プールの中にあるパネルのうしろに立ってダンサー気分。 ポリネシアンダンサーになったつもりで。

<つづく>