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ぽかぽか春庭「直接法ダイレクトメソッド」

2020-02-04 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200208
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>再録・日本語教師日誌(4)直接法ダイレクトメソッド

 春庭コラムから日本語教室記事を再録しています。
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2003-12-18
春庭のBC級ニッポン語教育研究13「サルでもできるHow to teach Nipponia Nippon語」
「直接法(ダイレクトメソッド)の語学教育」

2003/12/18 0: 1 katuyuki22 中国の学生の話をきくと「大地の子」を思いうかべます。
という足跡をいただきました。
 「大地の子」は、春庭にとっても特別な思い出の作品。春庭が出演しているからです。
 出演といっても、俳優としてではなく、ただのエキストラ。長い作品の中で、ほんの5分間くらい画面に映ります。

 中国の大学で教えていたとき、大地の子のロケが行われました。
 仲代達矢と渡辺文夫が、家族の墓参りをするというシーン。

 日本に戻ることなく満州の地に倒れた妻や子をしのんで、皆で泣きながら家族が埋められていると推定される場所に墓を建てる、という場面です。
 春庭は、日本からの墓参訪問団の一員という役まわりのエキストラでした。

 エキストラが中国の方ばかりだと、日本からやってきた訪問団という設定が本物らしく見えない、というNHKの判断で、急遽日本人の教師がエキストラにかり出されたのです。

 ほとんどの先生はテレビドラマのエキストラなどに興味をしめさず、やりたいという人に限って、はずせない授業があったりして、私のところまで話がまわってきました。

 春庭は、好奇心のかたまり。喜び勇んでエキストラに参加しました。

 私と男の先生がふたり。男の先生にはひとことずつセリフが与えられたけれど、私は「墓参団に参加するという設定と年格好が合わない」というので、セリフなし。

 セリフなしでもめげない春庭。主役のうしろに立てば必ずカメラワークに入ると計算して、仲代達也のうしろに立ち、墓参りのシーン撮影に臨みました。

 結果、今年の夏再放送されたロングバージョンの回では、5分間くらい写っています。
 ショートバージョンのビデオの場合、満州墓参団のシーンはカットされているので、映りません。

 25年前、ケニアに滞在していたときは浅野ゆう子の友だち役で『熱中時代スペシャル版』にエキストラ出演。
 10年前の中国では『大地の子』にエキストラ出演。家族へのなによりのおみやげです。

中国で半年間教えている間、中国語を勉強したのですが、最後まで上手になれませんでした。

 え、中国語できなくて、どういうふうに中国の大学で教えるの?と、質問されることもあります。
 中国語ができなくても、英語ができなくても、日本語教えられるのです。

 日本語の授業って、いったいどんなふうにして、外国人に日本語を教えていくのか、見たことある人もいるだろうし、まったく知らない人も。

 一番わかりやすいたとえとして、子どもが中学校に入学して英語を習う際に、英語圏から来た「TA=ティーチングアシスタント」がついたクラスを思い浮かべてください。

 私たちの世代では、日本人の先生が、英語をカタカナ読みした、日本語なまりそのままの英語。カムカムエブリバディ世代の先生に教わりました。

 現在では、英語教育理論をきちんと身につけた外国人教育者を採用している学校が少なくありません。

 TAは、英語だけで、英語の授業を行うことが多いです。少しは日本語を知っているとしても、授業ではなるべく日本語を使わないで、英語だけで教えるのです。

 また、小学校での英語教育も始まろうとしているところです。英語の先取り研究授業、または総合学習「異文化理解教育」として、英語の授業を行っている学校もあります。
 この場合も、TAが英語だけで英語教育を行う場合があります。
 
 日本語教育では、この「英語だけを用いた英語教育」を逆にした「日本語だけを用いた日本語教育(直接法)」が最も広く行われています。

 どのように日本語だけで日本語をわからせていくか、については、「話しことばの通い路」のウェブログハウス春庭「ステップバイステップ日本語教授法」の「最初の授業」に、くわしく書いてあります。読んでね。

 私は、サバイバル日本語として、最初の日に、自己紹介「わたしは○○です。どうぞよろしく」と「○○、ください」を導入する。そして、日本語の音節の発音練習と、ひらがなの読み方(あ行からな行くらいまで)をインストールする。

 英語は、第二言語習得理論の上で、音声から導入する方法が確立しているが、日本語と英語は異なる。

 10/18「いろは歌留多」で説明したように、日本語は開音節の発音で、音節文字であるため、文字と発音を同時に、最初から指導するやりかたが、効率的。

 2日目に「いくらですか」と、数字の数え方を導入(導入というのは「インストール」の教育用語)ひらがなの「な行~わ、を、ん」
 3日目に濁音、拗音、促音、長音。

 「ひらがな」導入のとき、最初はあ行とか行だけでできている名詞を練習する。色カードをみせながら「あか」「あお」、「貝」の絵をみせながら「かい」自分の顔を指し示したり、顔の絵を見せて「かお」を練習する。駅の絵や写真を見せて「えき」

 発音練習ができたら、音声と文字を結びつける。
 さ行、た行の発音ができれば、音の組み合わせもふえて、いろんな単語を絵カードで教えられるようになる。

 そうしたら、「~ください」を導入。八百屋や肉屋、コンビニにいることを想定して「とりにく、ください」「はむ、ください」「ぱん、ください」などを練習する。私が店員の役をして、買い物ごっこをする。

 留学生が、うまくできたら大いにほめて「Now you can buy anything at the Japanese shop.」などと、おだてます。

実際には、まだまだ運用できないことがたくさんあるのだが、「日本語で買いたい物が注文できた!」という喜びを味わうことが大事。


<つづく>
コメント
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