晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

日本一のビール 4/24

2007-04-27 | 旅行記

 2007.4.24(火)晴れ、夜雨   
  7:00 起床 
 9:20 奥出雲町サイクリングターミナル発~県道25号線~県道270号線~
横田町郷土資料館~R314~出雲坂根駅~R183~おろちループ~西城郷土資料館~
16:45 三好YH着~三好ベッケンビールレストラン

 サイクリングターミナルは以前にどこかで見たのだが、宿泊もできる全国的な施設であることは知らなかった。今後使用することもあろうかと、ガイドブックをもらってゆく。
お礼を言って県道を南下する。交通量はほとんど無く、気持ちよく登って行く。やがて昨日の鬼の舌震からの道に出合い、その先に隠地タタラ跡という遺跡がある。タタラの跡なのだが橋が腐って落ちでおり現場に行けない。向かい岸から写真を撮るが、説明板もよく解らない。傍らの小川は真っ赤になっている。鉄分が多いのだろうか。Img_4666 Img_4668

隠地タタラ跡と付近の川

 古墳跡や列車の静止保存など楽しみながら峠を登る。丁度田植えの準備で苗代づくりの時期であり、蛙の声の賑やかなこと。峠を下りきったところに横田町の郷土資料館がある。
明治中頃の豪農の家屋を移転し、中に郷土資料を展示している。伝習館では町内のお年寄り達がわらじやわら細工の製作を行っている。地元の文化を残していこうという意気込みが感じられて嬉しい。Img_4674

横田町郷土資料館内部

 その後はJR木次線(きすきせん)に沿って走る。列車が走っているのは見たことがないが、平戸口で見た保守用の車両が走っている。ただし動力はエンジンとなっている。Img_4683 Img_4685_1

保線の気動車とオロチ水

 左の斜面のあちこちから水が湧いており、地下水が豊富な様子である。まず、おろち水というのがある。ポンプでくみ出しており、協力金を払うようになっている。ポンプで汲まなくてもじゃんじゃん湧き出ているのに、味が違うのだろうか。やがてJR出雲坂根の駅に着き、ここには延命水という有名な水がある。流石に数台の車が駐車し、ポリタンクに水を汲んでいる。二つの水源は駅の構内なのだが、地方の駅ゆえ問題ない。古狸がこの水を飲んで、100才以上生きたという言い伝えもあり、信楽の狸が仲良く並んでいる。
ボトルに汲んで飲んでみると、まずまずの味だが特別うまいとは思わない。狸には効き目があるかも知れないが、はたして人間に効果があるか否かは不明である。私が100才以上生きたら効果有りと判断していただきたい。Img_4687 Img_4689

延命水とスイッチバックの駅

 この駅はスイッチバックの駅としても知られている。同じ峠を列車はスイッチバックで、車はおろちループで登っている。各地のスイッチバックが無くなっているだけに、貴重な存在である。
 前方遙か上方に赤い橋が見える、あれがおろちループの終点だ。八岐大蛇はこいつだったのか。わたしはてっきり出雲の奥に広がる暴れ川の事かと思ったのだが、、、。そして八岐大蛇の尾から出てきた宝刀とは、それこそタタラ製鉄から生み出された刀なのではないか。自動車用の傾斜になっているので、楽勝に登って行ける。展望台から見ると、おろちループとは何ともいい名前だ。景色はあまり良くないが、旧道やスイッチバックで登ってくる軌道が見えて楽しい。それでも「ヘビに注意」の立て看やそろばんをイメージした柵
の方が面白い。Img_4700 Img_4696 Img_4697





おろちループとヘビに注意とそろばん玉の柵、なんとなく面白い。

 トンネルを越えると広島県との境になる。ずっと下りなのだが南風が強く、ちっとも進まない。右手には比婆山に向かう道が次々現れる。かつて比婆ゴンで有名になった地域だ。
八岐大蛇以来中国山地は比婆ゴンだのツチノコだの妙な生き物が話題となる。居る居ないは別として、この山深い地域を見ていると、何が居てもおかしくないなという気持になる。
道路に並行して走る鉄路は備後落合から芸備線となる。木次線の場合は列車が走っているのを一度も見なかったが、芸備線は2,3度見かける。一両きりの車両だが、乗客は少なそうだ。備後西城で民俗資料館に立ち寄る。石見も出雲も神楽が盛んであるが、この地も比婆荒神神楽というのがあり、西城では式年を13年として二日二夜行われるそうである。
またかつてこの地は出雲同様タタラ製鉄が盛んであり、豊富な砂鉄と木炭がタタラを支えていた。タタラ製鉄は高殿といわれる製鉄小屋で行われるのだが、大きな天秤鞴(てんびんふいご)で風を送る役が番子(ばんこ)と呼ばれ、重労働のため二人ずつ三交代で風を送っていたそうだ。かわりばんこという言葉はそこから来たそうである。
 この資料館は図書館と併設となっている小さな資料館だが、実は凄いお宝がある。宮田武義翁の所蔵されていた書などが寄贈されたそうだが、徳富蘇峰や川端康成、棟方志功などの書や版画が所蔵されている。Img_4707

神楽の衣装


 三好のユースホステルに荷物を置き、食事に行く。マネージャーに美味しいものは何かと聞くと、すかさず「ベッケンビール」とのこと。直営のレストランがあるということで、駅前の通りのレストランに向かう。この地ビールは2005年の地ビールコンテストでデュンケル(黒ビール)が金賞、ピルスナーが銀賞を獲得したそうだ。勿論日本一のデュンケルを注文すると、「昨日発売のデュンケルボックがあります」ということ、デュンケルよりコクがありアルコール濃度も7%ということである。それとステーキ御膳を注文する。はっきり言っておいしい。やはりビールは直営レストランで飲むのが一番である。ちなみにベッケンとは盆地のことだそうだ。Img_4723 Img_4722

限定ビールは最高、一杯で酔える。
  
走行距離92Km(食事往復6Km含む) 累計9,128Km 経費10,761円

★奥出雲サイクリングターミナル(仁多郡奥出雲町) 一泊朝食6,000円
 レストラン有り、大浴場サウナ有り、いろんなスポーツもでき楽しめそう。Img_4663                              
★峠列伝(46)大谷峠 県道450号線 450m 困難度1 景色3 水場有り
 交通量の少ない快適な、緩い峠。

★峠列伝(47)奥出雲おろちループ 国道314号線 困難度2 景色4 水場無し
 実質2Km、時間は20分かかった。

コメント (1)
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鬼の舌震 4/23

2007-04-27 | 旅行記

 2007.4.23(月)曇り   
  7:00 起床 
 9:50 東横イン松江駅前店発~R432~亀嵩温泉(かめだけおんせん)~
16:00 奥出雲町サイクリングターミナル着~鬼の舌震(おにのしたぶるい)~
17:36 奥出雲町サイクリングターミナル着

 遅くまでブログの更新をしていたので、朝がつらい。今日は大山に行き、明日大山に登る予定をしていたのだが、雪などの登山情報が入らずに中止する。私の靴では少しでも雪があったらつらいのだ。県警や山岳クラブの情報を調べるが、古い情報ばかりで、今の状態が解らない。まづは四国に向かうこととして、尾道に向かって南下する。
 432号線を下ってゆくと、風土記の丘八雲に着く。風土記の丘資料館はリニューアル中で今年7月にオープンするそうだ。残念だが、付近には嫌というほど遺跡がある。古代の文化が栄えたところはどのような特徴があるのかと見渡すが、なんてことはない普通の地形で、結構山深い印象がある。土地が肥沃なのは必須だろうが、稲の栽培だけでなく、狩猟や採取もしていたのだろうからやはり山も必要なのだろう。Img_4634 Img_4637

大庭鶏塚は突出部のある方墳、右は山代郷正倉跡

 やがて道は極端に細くなり、峠への登りとなる。久々の本格的な峠のようだ。汗ぐっしょりで登り着くと駒返トンネル(こまがえりとんねる)となる。旧道はまだ続いており、本当の峠はまだまだみたいだ。トンネルを越えると嫌というほど下り続け、山陰の鎌倉と言われる広瀬に着く。松江城の前身がここに有ったそうだ。神社仏閣も多く、温泉もある魅力的な街だ。城跡や伝承館など寄ってみたいところが出てくるが、いずれも国道から2,3キロ以上のところにあり、立ち寄るにはつらい。立ち寄れるのは1Km以内である。
 やがて砂の器の舞台となっている亀嵩(かめだけ)に着く。「亀嵩には亀だけです。兎はいません」という交通安全の立て看板があり、笑ってしまう。道の駅に温泉スタンドがあり、その上方に温泉施設がある。亀嵩温泉玉峰山荘という大きな施設で、いいお湯みたいなので入ってゆく。レストラン、休憩所など設備もしっかりあり、砂湯、家族湯なども付いている。
 「お客さん、このお湯は全身入ってはいけんよ」「どうすんのよ」「ちんちんだけはいりんさい」「なんでよ」「亀だけおんせん」チャンチャン。

 温まって砂の器の碑に行くと、亀嵩そろばんの記事がある。そういえば亀のマークのそろばんありましたなあ。Img_4644 Img_4648

亀嵩温泉と砂の器の碑


 しばらくで奥出雲サイクリングターミナルに着く。荷物を置いて、鬼の舌震(おにのしたぶるい)に行く。変な名前の渓谷であるが、出雲風土記に由来が記されており、上流の馬木に住む姫に恋した日本海のワニ(鮫)が恋いこがれて遡ってくるので、姫は川に大石を投げ、登れないようにしたそうじゃ。それでも何度も岩のもとまで登ってきたそうじゃ。
「ワニの慕ぶる」が訛って、鬼の舌震となったそうな。
 案内図を見ると、上流の駐車場から帰り道がつながっているようである。長門峡よろしく自転車を転がして行く。遊歩道は広いのだが、階段が多い。荷物はないので、なんとか担いで行く。なるほど大きな岩が川を埋め尽くしており、これではワニもあがって来られまい。ワニどころか私が登って行くのも大変困難になってきた。誰もいない遊歩道の階段を、自転車を担いで登っていると、情けなくなってきた。Img_4651

どうするこれ。

 両岸は花崗岩の大きな岩壁となり、桜に代わってつつじが美しい。所々に使われていない小屋が荒れ果てて残っており、気味悪い。そうでなくても薄暗くなって、かわずの声を聞きながら沢を登っていくのはあまり気味のいいものではない。八岐大蛇(やまたのおろち)なんぞ出てきたらどうすんだい。第二駐車場へ抜けるあたりで、渓谷も開け、核心部は終わったようで、道も狭くなり
ここまでとする。駐車場への階段が一番アルバイトであったが、なんとか担ぎ上げ、林道を駆け下る。遊歩道を自転車で行くのはもう止めよう。Img_4654 Img_4658 Img_4659





鬼の舌震、右が最大の難所
  
走行距離71Km(鬼の舌震往復10Km含む) 累計9,036Km 
経費2,351円

★亀嵩温泉玉峰山荘 アルカリ性単純放射能泉 500円 循環、加水、消毒
 30.2℃ 無色無臭  サウナ、露天風呂、ジェットバスなど設備は豊富。別にサンドバス、家族風呂などもあり。休憩所、レストランなど立派でゆっくりできる。下の道の駅に温泉スタンド有り。Img_4646                              

★峠列伝(44)駒返トンネルの峠 454m 国道432号線八雲から広瀬に越える峠。
 困難度4 景色3 水場無し 道細く、登りきつい、新道ができれば緩和されるかも知れない。Img_4640  

★峠列伝(45)久比須峠 380m   国道432号線 安来市と奥出雲町の境。
 困難度1 景色2 水場無し

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正しいお城の見方 4/22

2007-04-27 | 旅行記

 2007.4.22(日)曇り時々雨   
  7:00 起床 
10:00 松江シティホテル発~松江郷土館~松江城~宍道湖温泉~
16:20 東横イン松江駅前店着

 今日の宿の東横インは大橋川の向かいにある。荷物だけを先に預け、市内を逍遙に行く。川沿いの道はしゃれた散歩道となっており、川には遊覧船が出ている。県庁の南に歴史博物館の看板があるが、出雲市に引っ越してしまったのでもぬけの空だ。昨日通ったときに気になっていた竹島資料室もやっているのかいないのか。やってないようだが、どうも案内不行き届きである。Img_4563
 松江市は15年ほど前に訪れ、松江城、小泉八雲記念館など訪問済みである。ところが天守が現存のものであることは知らなかった。一体何を見ていたのだろうと思うが、確かに今は城を見る目が肥えている。もっとも家族や団体で見て回る観光なんて、結局何も見ていないのかも知れない。ここはひとつ徹底的に松江城を見て回ろうと思う。
 自転車を駐輪する都合で県庁の北にある千鳥橋から入場する。明治維新以来、主を無くした各地の城はことごとく解体され、松江城も天守以外の櫓や門などはことごとく解体されたのである。天守については、元の家臣や住民達の要請で残されることとなったそうである。そんなことができるのなら全国でやっとけよなあ。明治維新というのはある意味で封建時代の文化を破壊するという意志があったのだろうか。貴重な文化遺産が灰燼に帰したのは残念なことだ。文化遺産を守る経済的余裕が無かったのは確かだろうが、思想的に旧来の文化を否定する向きもあったのではないか。例えば廃仏毀釈などは極端な例ではないか。ともかく松江城の天守は今日に残った数少ない天守なのだ。天守は最後の楽しみとして、再建された二の丸の櫓を見に行く。お城を見て歩いて面白いのは、建築の依頼者の意図と建築者の技術がそれぞれの城で違っていることである。日本にいくつお城が有るのか知らないが、それぞれ同じものはひとつとしてないはずだ。私が好きなのは、戦闘に対して実用的な城郭である。時代としては戦国時代、江戸時代にしても初期のものがこれに当たる。お城の最前線は櫓である。史実に忠実に再建された二の丸の3つの櫓は見応えがある。南櫓にビデオが有り自由に見ることができる。櫓の再建や石垣の修理、鬼瓦の製作など、詳しく説明されており大変役に立つ。誰も見ていないので、一人でゆっくり見る事ができる。各櫓についても、できる限り往時の方法で作られており、例えば柱など釿(ちょうな)の跡が生々しいものである。Img_4565 Img_4566

南櫓とその内部の梁

 次に大手門に降りて、石垣を眺める。大手門を入り、左手に古い打ち込みハギの石垣が続く。打ち込みハギというのは大石の隙間に小石を詰めた石垣だが、よくぞ何百年も崩れないで残っているものだ。小石については結構落ちているのだが。先般東海地方の地震の際に亀山城の石垣が崩れ、しかも崩れたのは近年に市が補修のために積んだ部分であるということがあった。先人の技術というものは計り知れないものがある。
 石垣を見ながらゆっくり歩いてゆくと、石にうっすらと家紋であったり、印が掘ってあるのに気付く。大体地域ごとに同じものが掘ってあり、工事の際の何かの目印かと思われる。三ノ門に向かう階段のところには築城の主堀尾家の家紋、分銅紋がいくつか見られる。
言っておくが、ぼーと歩いていてはこれらは見られないものであるぞ。Img_4588 Img_4587
Img_4589




左:打ち込みハギの石垣  中:扇に一文字の印  右:堀尾家の分銅の紋

 さていよいよ天守に向かうが、ここは有料である。入場券550円必要だが、鉄筋でできた大阪城や熊本城などよりうんと値打ちがある。見所は数多くあるが私が気に入ったのは、石垣と柱と付け櫓である。石垣は牛蒡積み(ごぼうづみ)と言われ、石の大きな面を内側にし、小さな面を表に出して隙間に小石を詰めているのである。丁度牛蒡を束ねたときの根の部分を見るようなものか。見た目には良くないのだが、最も丈夫な組み方なのだ。柱は寄木柱で、一本柱でなくその周りに板をそろえ、金輪で締めてある。経済的でもあり、強度も強いという。そして付け櫓は天守に櫓が付属しており、丁度見学の入口となっている。こういうのを複合式天守閣といい、より戦闘的な天守閣であるということがわかる。Img_4601
Img_4607Img_4614 

 


左:牛蒡積  中:寄せ木柱 右:付け櫓

 城内にある郷土館も少し見学して、お城の外周をポタリングする。時間も過ぎているので、松江しんじ湖温泉に向かう。といっても市役所のすぐそばにある温泉街である。大きな旅館が建ち並び、それぞれ立ち寄り湯があるようだが、社会保険センターの展望大浴場が安そうなので、そちらに行く。400円で利用でき、宍道湖の展望も素晴らしい。少し西にお湯掛け地蔵があり、その後ろに無料のお湯汲み場がある。高温なので温泉卵も出来るようだ。汲みに来ている人に聞くと、お湯の出もまちまちで、流れ出ているときも止まっているときも有るそうだ。一畑電鉄の松江しんじ湖温泉駅前には足湯もあり、温泉の街ってうらやましいなあ。Img_4621_1 Img_4625

お湯掛け地蔵と駅前の足湯



 帰り道の京店通りは京都三条通に似せて作られたそうだが、三条通というより、木屋町に近い通りである。
  帰りの大橋の南詰めに小泉八雲ゆかりの地として、源助柱と大庭の音のする石の話が記してある。源助柱は大橋の中央部にあり、橋の工事の際人柱とされたもので、大庭の石とは御城に運ぼうとしたら重くなって、何人かかっても運べなかったということである。なお、この石は南詰めにあり、サヌカイトで音が出るのだろう。実際に石でたたいてみたが、たいした音ではない。やはりカンカン石が最高である。(佐賀県)Img_4626 Img_4629

京店通り、どっかで見たような店が、、
右は大庭の音のする石
 
走行距離13Km  累計8,965Km  経費9,066円

★東横イン松江駅前店 場所的には最高、飲食街も近くとても便利。自転車も室内に預かってくれた。

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温泉着きビジネスホテル 4/21

2007-04-27 | 旅行記

 2007.4.21(土)曇り   
  7:00 起床 
 8:30 ゑびすやYH発~出雲大社~県立古代出雲歴史博物館~R431~県道250~北部広域農道~県道23号線~R431~宍道湖北自転車道~
17:05 松江シティホテル着

 出雲大社は早朝から参拝者が多い。お参りもそこそこに宝物殿を見学する。古代の壮大な社やその遺跡、年中の神事などが展示してある。社殿など興味は無かったのだが、なかなか奥の深いものがある。ちなみに拝殿は南側にあるのだが、御神体は西を向いておられるということである。ところで昨年の湯殿山の自転車通行問題はしっかり討議していただけたのだろうか。(9/4参照)
 大社の隣に県立古代出雲歴史博物館なるものがこの春開館し、大賑わいとなっている。博物館も沢山行ったが、少なくとも建物の規模は最大である。出雲は数少ない風土記の存在する国である。数多くの神話が残されており、わかりやすくビデオなどで放映している。Img_4536 Img_4535
この巨大な柱で、右のような神殿が建てられていた。



国造り伝説はともかく、国譲り伝説は、かつて出雲の国が大和の勢力に支配された事を示しているのだろう。それならば大和の勢力はなぜ征服した国にあのような長大な社を建て国ツ神を祭ったのだろう。雲太和二京三というように奈良の大仏殿よりも京都の大極殿よりも高い建物なのである。私の稚拙な推測によると、隼人や蝦夷のように大きな犠牲を払って征服したのではなく、和解というか、無血で支配することに成功したのではないか。大和の勢力はこれに満足し、社を建てたのではないだろうか。
 出雲の考古で特徴的なのは、おびただしい数の銅剣と銅鐸である。その総てが博物館に展示してあるが、圧巻と言うしかない風景である。不思議なことは、この青銅文化が畿内や九州に先駆けて消失していることである。いろいろと想像しながら、見ていると2時前となってしまった。博物館にこれほど長くいたことはない。それほど充実した博物館なのだろう。Img_4540 Img_4544
出雲の神様はこちらを向いておられる(西)
右は新設なった古代出雲歴史博物館



 あわてて出雲そばを食べ、松江に向かう。宍道湖の北を走る国道431号線は平坦で走りやすい道だが、ところどころ狭くてつらいところもある。すぐ北側に旧道だろうか、山手往還という細い道が並行して走っている。そのもう一つ北側に、おそらく山道であろう天平の道というのがある。歩いてみたら楽しそうな古い道のようである。適当に山手往還を走るが、神社仏閣、地蔵様や道標があり、これも歴史の道のようだ。
 途中、「北山の名水」の看板があり、500m程北上して立ち寄る。全国清酒コンクール金賞水とあるのできっと美味しい水なのだろうが、有料なので諦める。Img_4546 Img_4548

道中のお地蔵さん、宮崎のたのかーさんに似ている。
ただ、割れているだけか?


 島根半島の真ん中を宍道湖北部広域農道が走っている。空いているのだが、アップダウンが半端じゃない。一畑まで走って、また431号線に戻る。やがて松江市にはいると宍道湖湖北自転車道が現れ、歩道は無くなる。気持ちよく走っていたが、すぐに一般の歩道と変わりなくなり、やがてたんぼ道となり、知らない間に消滅してしまった。なんとも無責任な自転車道である。方向が解らないままに、走っていると県庁の看板が見え、宿はすぐのところであった。Img_4550 Img_4552
 
天平の道案内と有料の北山銘水


今日の宿の目玉は天然温泉着きということだ。ビジネスホテルでも温泉大浴場のあるホテルは有る様だが、全室温泉着きというのは初めてだ。なるほどバスルームには温泉成分表が貼ってあり、蛇口の周りに湯の花がこびりついている。お湯はかなり熱めなので、水で薄めないと入れない。温泉らしい気はするが、湯船はビジネスホテル特有の小さな湯船なのでゆっくり出来ない。やはり大浴場をひとつ作ってもらう方がいいようだ。ちなみにお湯は宍道湖温泉のお湯で、いいお湯みたいなので明日行ってみることとする。Img_4556 
 
宍道湖北自転車道

走行距離51Km  累計8,952Km  経費9,220円

★松江シティホテル (松江市)素泊まり4,400円  松江大橋の北詰にあり、観光に仕事に便利。私は無線LANの使える部屋に泊まったが、3,900円の部屋もある。朝食付きでリーズナブル。全室温泉着き。  Img_4560                           

バスルームに貼られた成分表


★松江しんじ湖温泉(松江シティホテル)Na、Ca硫酸塩塩化物泉
 源泉76℃ 循環、加温、消毒 無色無臭    湯船小さく、温泉気分にならない

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