晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

日本のハワイ 5/15

2007-05-24 | 旅行記

 2007.5.15(火)晴れ    
  7:00 起床 
 9:45 さつき荘発~R313熊居峠~犬挟(いぬばさみ)トンネル~関金温泉~倉吉博物館~R179~県道~
16:15 YH香宝寺着(東伯郡湯梨浜町) 
 
 朝の湯原をもう一度ポタリングする。砂湯は朝から入湯者がいて繁盛である。薬師様の湯を頂いたり、大山椒魚を見たり、本当は温泉民俗資料館に行きたかったのだけれど閉鎖されたとのこと、寂しい限りだ。Img_5594
Img_5603
薬師の薬湯と湯原の温泉街

  湯原からいきなりの登りである。じりじり登って新熊居トンネルに着く。道路には歩道があるがトンネルには無い、これ逆の方がいいのだけれど。
八束は蒜山高原の東端で高原ムード漂うところだ。束というのは塚に通じ墓のことなので八墓村のモデルはこの地かなと思ったのだが全然イメージの違う所であった。犬挟トンネルは西日本の旅では最長のトンネルで、2626mありしかも歩道はない。久々に緊張して挑むが、とにかく交通量が少ないのと下り坂で簡単に越えてしまった。トンネルの中に岡山と鳥取の県境があり、越えたところに道の駅がある。道の駅に峠の名水がある。その場で地下から湧いているもので、味もいい。Img_5609 Img_5610

峠の名水と峠の景色、大山か?

  ボトルに汲んで出発、すぐに関金温泉に着く。
立ち寄り温泉に入ってゆく予定だったが、800円の値段に負けて共同浴場に向かう。探し当てた関の湯は残念ながら休館であった。その下に足湯がある、誰もいなくてひたすらお湯が流れ出ている。贅沢な話だ。昼食のビスケットをかじりながら足湯に入る。暖かくてついうとうとしてしまう。仕事が無いっていいねえと思えるひととき。足湯の前の通りはえぐ芋通りといい、沢にはえぐ芋が生えている。これは沖縄で見た食わず芋ではないか。気温の関係でこちらのは葉がやや小さい。旅の坊さんに美味しい芋をやらなかったためにえぐ芋に変わったという伝説があるのだ。私も旅の坊さんみたいだし、何かくれないかなあ。Img_5611 Img_5613 Img_5616





左:関の湯  中:足湯 右:えぐ芋通り

 倉吉に近づくと国道の西に自転車歩行者専用道路が有る。鉄道の廃止路線で、途中駅の跡の休憩所もあり、短いけれど楽しい道だ。
  倉吉にはいると八橋往来を中心に古い街並みが紹介されている。変に街並み保存するのでなく、自然に有る街を紹介している。私の好きなタイプだ。特段おしゃれではないが、本来のうどん屋さんらしい末廣といううどん屋さんに入る。出前用の黒くてでかい自転車も気に入ったのだ。味も良し、こういう昼食が一番である。
 アーケード街にはいるとそのままレトロというような店や、がらくた屋など楽しい通りである。シャッター街となり変な落書きが増えたら街はおしまいである。そうなる前に街ぐるみで対策を考えないと歯止めが利かない。Img_5627 Img_5628

雰囲気のあるうどん屋とベンガラの塀

 最後に倉吉博物館に行く。次回展示の準備中でワンフロアのみで残念であった。
 倉吉を出て、ハワイ温泉に行く道はシュロ街道で有名である。フェニックスが出来ないので無理もないが、シュロはどうもうら寂しいものがある。どうみても南国ムードというわけには行かない。Img_5647

羽合温泉に行くシュロの街道

  
 走行距離62Km 累計10,270Km 経費7,254円

 
★YH香宝寺の湯 町で配給している温泉で塩化物線だが詳しくは忘れてしまった。
 
★峠列伝(58)熊居峠 真庭市湯原、R313号線 困難度3 景色3 歩道有り ト ンネル有り(トンネル内歩道無し) 水場無し

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湯原再生 5/14

2007-05-24 | 旅行記

 2007.5.14(月)快晴 道中27℃   
  7:00 起床 
 9:05 公共の宿神原荘発~県道302~高梁市郷土資料館~R180~R313
~多和山峠~栗原~県道84~県道32~R181勝山郷土資料館~R313~
16:30 湯原さつき荘着~砂湯 
 
 二日間お世話になった神原荘は元々サイクリングターミナルだったようだが、今は公共の宿として経営されている。職員さんは皆親切で、過ごしやすい。ホールには古いステレオがあり、聞くことができる。レコード数は少ないので、マニアの人は持参すればいいと思う。アナログの良さを再認識することができる。Img_5546

蓄音機の最高峰クレデンザー
 
  歩いてすぐのところに朝霧温泉ゆ・ら・らという施設があるのだが、トレーニングルームやプールなどがセットになっていて1,400円かかる。温泉だけというわけにいかないようだ。一日走り続けて、いまさらトレーニングも無いだろう。お風呂だけでも利用できるようにしないと、意味がないように思う。勿論私は利用しなかった。
 高梁市は備中松山城、武家屋敷、商家資料館など多くの見所があるのだが、吹屋に時間をとられてみることができなかった。せめてと思い、町並と郷土史料館を見に行く。郷土資料館は旧高梁尋常高等小学校の本館で、多くの民具や農機具、生活用具を展示している。気になったものは、麦桿真田(ばっかんさなだ)であり、もう死語となっているものが、この地の大きな産業であったとは驚きである。そういえば、子供の頃麦わら帽子を真田帽と呼んでいたように思う。また、かつては高瀬舟による河川を使った輸送が盛んで、旭川沿いの勝山が岡山への拠点であったように、ここは倉敷への拠点となっている。川は恵みを与えてくれるが、災害も起こる。この地方の大水害は昭和9年と48年が大きいそうだ。当時の写真なども展示してあり、想像を絶する被害である。Img_5561
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高梁市郷土資料館と麦桿真田の帽子

 武家屋敷は行けなかったが、商家町は通過しながら見せていただいた。自然に保存されており、本当は一日掛けてゆっくり眺めたいところだ。
 町を出て、川沿いに進む。堤防が長塀風に作られており、城下町らしさが出ている、素晴らしいアイデアだ。313号線に入ると、静かな田園地帯で、田植えの終わった落ち着いた風景となっている。民家の石垣や田畑の石垣がとても丁寧で、美しい。田の畦も低い石垣で区分されており、中には芸術的な石垣まである。豊富な石材と共に、高度な技術が有ったのだろう。Img_5570 Img_5572
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左:長塀となっている高梁川の堤防  中右:芸術的な石垣、家屋跡と田んぼの畦

 約5Kmの登りで、多和山峠に着く。下りは結構急でカーブも多い。停車して写真を撮っていたとき、もの凄いブレーキ音がして、大型トラックが蛇行している。その前に軽の乗用車が左の脇道に入ろうと減速している。一瞬戦慄が走る。危機一髪で軽が横道に入る。心臓の鼓動が高まったまま止まらない。両車両とも何事もなかったように行き過ぎたが、道路上には蛇行の跡とゴムの焼ける臭いがいつまでも残っている。Img_5575Img_5577
 
高岡神社の看板と大杉

 撮っていた写真は、「県下第二位の大杉、高岡神社」という看板だ。日本一だの、県最大などというのはよく見るが、第二位というのは珍しい。これは見に行かなくてはと思い峠を下りきったところに、大きな鳥居があってその奥にそれらしい杉が立っている。高知県大豊町の杉は有料で見なかったので、比べようがないのだが、中々の名木である。説明には樹齢800年、周囲8.2mと記してある。ところがそれに続いて大鳥居の説明があり、高さ10m、柱の直径1mで県下第二位の大鳥居と記してある。おいおい県下第二位は杉の木ちゃうんかい。それともどちらも第二位なんだろうか。第一位がどこかは記してなかった。農作業をしているおばあちゃんに聞くと、「一軒3万円ずつ寄進してのう、ヘリコプターが来て村中集まったとよ。」なんて、何のことか解らんけん。まだしゃべり続けているおばあちゃんを尻目に先を急ぐ。
 国道を快走すると県道84号線月田方面への道に出合う。勝山に行くにはどう見てもこの道が近そうなのだ。ただ、道路地図では高度が読めないので、一種の賭である。
  道は段々細くなるが、傾斜はさほどでもない。やはり石垣のきれいな村々を登って行く。
少し奥に醍醐桜という桜の名所がある。醍醐と言うから相当のものだろう。峠を一気に下ると月田(つきだ)に出る。岡山県も街道沿いには多くの石碑石塔があるが、特徴的なのは地神という大きめの石碑だ。字のとおり土地、すなわち農耕、五穀豊穣の神様だそうだ。Img_5583
Img_5586 地神様と勝山の高瀬舟発着場跡

 勝山に着くと勝山宿の街並みが保存されているというので寄ってみる。勝山は高梁とよく似た町で、城下町であり、高瀬舟による川の輸送の拠点である。高瀬舟の発着場のところに民俗資料館があるので見て行く。特段のものは無いようで、街並み散歩とする。白壁の商家や酒屋、醤油屋など続いているが、倉敷以来少々食傷気味である。各家が工夫した独特の暖簾を掲げているのはおもしろい。男はつらいよの最終作のロケ地となった酒蔵もあった。最も私はあまり好きでないので、どんな作品か、どんなストーリーかは知らない。
 今日の宿舎を決めるべく国民宿舎に電話する、「今年4月で営業を止めました」電話に出た人は何をやってる人なんだろう。インターネットで探した、安めの宿は「この電話は現在使われておりません」おいおい、やばいなあ、一体どうなってるのか、とりあえず現地に行ってみるか。道中神庭の滝(かんばのたき)など行ってみたいところもあったのだが、それどころじゃない。ようよう湯原温泉にたどり着いて、砂湯の隣の宿に交渉する。
「1万円です。下の方へ行くと少し安いですよ、たねやさんなんかどうです」とまけてはくれないが、親切に他の宿を紹介してくれる。たねやさんに行くと「今日は休んでいます、
さつき荘さんならやってますよ」てな訳でさつき荘に泊まることとなった。荷を解くのもほどほどに砂湯にゆく。以前来た時は夏休みのシーズン中で、芋の子を洗うがごとし混雑であったが、今日はのんびり、ほとんど地元の人である。農作業の話や温泉場の衰退の話が交わされている。美作三湯の奥津と共に湯原も客足が減ってさみしい限りだ。原因は高速道路が開通したことだというのだ。普通高速道路が開通すれば、多くのお客さんが来てくれそうに思うのだが、京阪神からも簡単に来られるので、砂湯に入って帰ってしまうそうだ。確かに高速のないころは、宿に泊まらなければつらい距離である。しかし、豊富な湯があり、露天風呂横綱の砂湯があり、温泉らしい風景があり、あまりある観光資源を持ちながら、それが活かされていないのではないか。奥津にしても同様である。はっきり言って両湯とも割高である。これじゃあ若い人は泊まれない。安くて満足できる宿、それが復活の原点と思うが、いかがかな。Img_5597

砂湯は無料の露天風呂
 
 走行距離85Km 累計10,208Km 経費14,260円

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