2018.11.13(火)曇り
この奇妙なタイトルの本を読もうとした理由はおわかりかと思う。山岳遭難の元研究者としては是非ともこの不可解な事件を解決してみようという試みである。予想した結果は見事に外れ、結果は意外なものであった。これからの読者のために公表は控えるが実に見事な結果であった。
特殊雪崩、強風、先住民の襲撃、武装集団の襲撃、兵器実験の巻き添え、隕石の落下、UFOなどが原因としてあげられたが、いずれもあり得ないこととして消去されてしまった。厳寒の野外に裸同然のスタイルで靴も履かずに飛び出さなければならない状況というのが最大の謎である。テントを裂いてまで急に飛び出すというのはなんだろう。本書の中で取り上げられなかったことがひとつある。獣の襲来である。厳寒のウラル山脈にどのような獣が居るのか、あるいは居ないのか知らないのだが、何か居てもおかしくはなさそうである。しかしそれは原因究明の候補にも挙がっていなかった。UFOや隕石よりも確率は高いと思うのだが。
著者ドニー・アイカーが発見した原因は、そのことが本当に存在するとすれば納得のいくものである。山岳遭難の中にはこの事件以外にも原因が解らないものがあるようだ。読売新聞の書評を服部文祥氏が書いておられるがその末尾に興味深い文がある。
「日本でも1940年1月に朝日連峰で似たような遭難が起こり迷宮入りしている。同じ原因なのだろうか?」
実はこの文も本書を読むに至った原因のひとつでもある。本の中で、例え解説でもいいからこのことについて書かれているのではと期待した。しかしどこにもこの事件については書かれていなかった。とすればこの書評はなんと無責任ではないだろうか。讀賣新聞に電話し、朝日連峰の事件について問い合わせたが解らず、服部氏に問い合わせるよう依頼したが、出来ないということだった。しかし色々と検索してもらって、「日翳の山 ひなたの山」に掲載されているという情報を得た。上田哲農氏の名著で、学生時代に読んだことがある。ひょっとしたら書庫に眠っているかもしれない。また新たな楽しみが生まれた。おわり
【今日のじょん】
プールの日は芝生広場の散歩が楽しみ。広い芝生をチマチマ歩いてんじゃねえよ。
好きなお姉さんはいないかな、プールのぞき魔。