2019.7.14(日)曇り、雨 (於見のこと-7は2018.9.30)
於見(おうみ・綾部市光野町)が箕地形からきている地名であることは解いてきたが、(2018.9.6~参照)箕の語源がアイヌ語のムイであるという考えは奥歯にものが挟まった感がしてならなかった。
於見の右足部分
箕はハングルでは키 (キイ)と呼び、中国では箕(キ)と呼んでいるようだ。いずれも日本読みmiとはなりそうに無い。アイヌ語のムイならばミーになりそうだという単純な発想なんだが、狩猟採取のアイヌが箕という道具を使っていただろうかというのが気になっていた。
箕はどこから来た言葉か。
農具の多くが縄文末期から弥生時代にかけての農耕の始まる時代に中国、朝鮮から伝わっている。箕も同様に伝わったと考えるのが順当である。そしてその道具と呼び名がアイヌに伝わり今日にムイとして残っていると考えたい。箕地形に気づいた箕踞(ききょ・足を投げ出した座り方)、箕帚(きそう・ちりとり)など”き”という読み方は中国・朝鮮のものだろう。ではなぜ”み”と呼ぶのか、これがネックだった。
ハングルを始めて一年あまり、単語の憶えが著しく悪くなっていることに気づく。そこで韓日読み替え辞書を自分で作ることにした。
自作のハングル読み替え辞典
例えば電話は전화(チョンワー)、電車は전철(チョンチョル)、전は電を表すとわかる。화(ワ-)はそのまま話だし、철(チョル)は車を表すとわかってくる。こういう原則を集めると知らない単語でも何を意味するか想像できるようになる。前後の文脈からその単語が確定でき、これほど面白いことは無い。ところがどうも日本語に繋がらない単語が出てくる、それは別に書き残しているのだが、そのひとつに길 (キル)=道(みち)がある。일 (イル)は日(にち)なので、子音の己(リウル)は”ち”と読み替えられそうだ。そうすると기(キイ)は”み”と読み替えられることになる。
깊다(キプタ-)は”深い”という意味だが、깊(キプ)のプはほとんど聞こえないので기の部分を”み”ときいて深(み)という言葉になったのではないだろうか。深山をみやまと言うがごとしである。つづく