数年前に、FXなどで約4億円の利益を上げ、1億3千万円ほどを脱税したとして、東京都在住の主婦が東京国税局に告発されたというニュースをご存じですか? このニュースをタイムリーにご覧になった方は、「FXってこんなに稼げるの?」「まさか主婦が……!?」など、様々な感想を持たれたのではないでしょうか。
FXを始める際に知らないとマズすぎるのが、“税金”のことです。
そこで今回は、弁護士の大山滋郎先生、税理士の植野正子先生監修の『これだけは知っておきたい「副業」の基本と常識』などを参考に、主婦や働き女子がFXで収入を得た場合の“確定申告のボーダーライン”についてご紹介します。
■専業主婦は“38万円”を超えたら!
扶養家族の専業主婦などがFX投資で、年間(1月~12月)にどのくらいの収入を得たら、確定申告が必要なのでしょうか?
同著によれば、専業主婦については“38万円”を超える利益を得たら、必要とのこと。この“38万円”とは基礎控除と呼ばれるもので、確定申告や年末調整において所得税額の計算をする場合に、総所得金額などから差し引くことができる控除の1つです。
この“38万円”の壁はFXに限らず、アフィリエイトやネットショップの運営、在宅ワークなどの内職をして収入を得た場合も同様です。
■働き女子は“20万円”を超えたら!
会社勤めをしながら、副業としてFXを始めようと考えている働き女子についてはどうでしょうか。
こちらは、本業での給与所得があり、かつ、副業のFXで“20万円”を超える利益が出た場合となります。上述の“38万円”ではありませんのでご注意を。
FX以外にも、何かしらの副業で収入を得ている場合は、“20万円”が目安となりますので覚えておきましょう!
■必要経費として認められるものは?
FX収入に対しては、“一律20.315%”の税率がかかってきます。その内訳としては、所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%ですが、利益の合計額から手数料などの“必要経費”を控除した額に対して課税されます。
また、手数料のほか必要経費として認められているものがありますので、把握しておきましょう。
<・FXの情報収集のための専門性の高い新聞、書籍の購入費や、セミナーの参加費
・取り引きに使用しているパソコン購入金額の一部(取り引きだけに使用していれば全額)>
こういったものは経費として計上できますので、レシートや領収書を必ず保管するようにしてくださいね。
以上、主婦や働き女子がFXで収入を得た場合の“確定申告のボーダーライン”をご紹介しましたが、いかがでしたか?
株の特定口座(源泉徴収あり)やNISAと違って、FXは自分で確定申告をする必要があります。また、損失が出たら“繰越控除”ができる場合も。
FXを始める前には、税金面のことをしっかり把握した上で、始めるようにしてみてくださいね!