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ドル独歩高:過度に進めば世界経済減速 米に雇用減少懸念

2015年05月30日 08時19分33秒 | 経済
 28日の金融市場は、外国為替市場のドル高・円安が加速し、円相場は約12年半ぶりの水準となる1ドル=124円30銭台まで下落、日経平均株価は10営業日続伸した。外為市場はドル独歩高の側面が強く、当面は米利上げ観測を背景に現状程度の水準で推移するとの見方が強い。日本の輸出企業には追い風で、株価上昇の原動力になっているが、さらなるドル高は、世界経済のけん引役である米国の景気に冷水を浴びせることにもなりかねず、市場は先行きを注視している。

 今回の円安を加速させたのは、いったんは遠ざかったとみられた米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測だ。FRBのイエレン議長が先週末、雇用関係の経済指標の改善などを受け、「年内の利上げが適切」と発言。4月の消費者物価指数が約2年ぶりに高い伸びを示すなど、経済指標も好調に推移しており、「FRBは9月にも利上げを行う」との観測が市場で広がった。



 景気回復に向かう米国が金融緩和の「出口」を模索するのに対し、日本や欧州はいまだ足踏み状態だ。日本は消費者物価指数の上昇率が0%近傍にとどまり、超低金利が続く。欧州はギリシャ債務問題も抱える。このため、金利上昇が見込まれるドルを買い、超低金利の円やユーロを売る動きが強まった。米国の利上げ観測が背景にある以上、外為市場では当面、ドル高基調が続くとの見方が強い。

 ただ、金融市場には、過度なドル高への警戒感も強い。米国ではドル高が輸出産業の業績を圧迫、製造業の雇用者数は伸び悩んでいる。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは「ドル高がさらに進展すれば、議会を中心にドル高是正を求める声が強まり、ドル高の流れは止まる」と指摘、米議会などの動向がドルの上値を抑えると見る。三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジストも「1ドル=130円台に近づけばドルの割高感が強まり、円を買い戻す動きが出てくるだろう」と述べた。

 過度なドル高が進めば、新興国などでドル建ての輸入価格が上昇して消費を下押ししたり、ドル建て債務の返済負担が重くなったりして、世界経済を減速させかねない。野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは「今のドル高は米国の景気が堅調だからこそ。ドル高が行き過ぎると、その米国の景気を下押ししかねない」と指摘する。世界経済の減速懸念が強まるなどすれば、再びドルが弱含む局面も予想される。【中井正裕】

          ◇

 米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利上げ観測を背景にした今回のドル高。ドルの独歩高は米経済の回復には足かせになるが、自らの政策運営に伴うものだけに、米政府は対応に苦慮しそうだ。

 FRBのイエレン議長は、世界経済の弱さやそれに伴うドル高を、米経済の「逆風の一つ」として警戒する考えを示すが、為替政策を所管するルー財務長官は沈黙を守っている。仮に、ルー長官がドル高をけん制する発言をすれば、結局はその起点となるFRBの利上げをけん制したとして、「米当局の足並みが乱れた」と受け止められかねない。市場でも「米財務省は急速な為替変動をけん制することはできても、為替水準そのものは問題視しにくい」(邦銀)との見方が強く、ドル高を是正したくてもできない“自縄自縛”の状態にある。

 ただ、ドル高による雇用減少を懸念する米議会は、いらだちを強めそうだ。休会が明ける6月には、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉合意に不可欠な大統領貿易促進権限(TPA)法案の下院審議が始まる見通しだ。労働組合を支持基盤とする民主党内には、為替操作に対する対抗措置を法案に盛り込み、交渉参加国を警戒させることで、交渉を失敗に導くことを目指す勢力もある。審議の遅れが続くTPA法案には、一層の逆風になる可能性がある。【ワシントン清水憲司】
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3メガバンクの上を行く「最強の地方銀行」 顧客満足度抜群のOKBを知っていますか

2015年05月30日 07時42分22秒 | お役立ち情報
 世の中にあふれるさまざまな統計やデータ。これをもとにしていろいろなランキングが作られるワケだが、中にはなぜそうなるのかの理由が、すぐにはわからないような"世にも不思議なランキング"がある。

 TBSテレビ『世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?』(次回は6月1日よる7時<一部地域はよる8時>放送)は、そんなランキングデータの謎を解き明かす番組だ。「なんで△△が○位にランクインしているのか?」。その裏側を探ると、驚きの事実が次々に明らかになってくる。

 突然だが、「OKB45」をご存知だろうか?

 かの秋元康氏がプロデュースしたAKB48の姉妹グループ、ではなく、岐阜県大垣市にある地方銀行の「大垣共立銀行」がPRのために、女性行員45名を募って結成したユニットだ。大垣(Ogaki)共立(Kyoritsu)銀行(Bank)の頭文字を取っている(以下、大垣共立銀行をOKBと呼称していきたい)。

 「推しメン」ならぬ「推し行員」に会いに行ける――。PRのためにこんな取り組みをする地方銀行なんて、かつてあっただろうか? そんなOKBにまつわる、第11回日経金融機関ランキング調査(2015年1月発表)の顧客満足度ランキングをご覧いただきたい。

 実はOKBの顧客満足度は、全国的に有名な銀行と比べても遜色のないほどの高評価を得ている。もっと言えば、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といった3メガバンクをしのいでいる。従業員数約3400人、総資産5兆2700億円。総資産100兆~200兆円級の3メガバンクと比べると規模は大きくなく、国内の銀行では30~40番手とみられる地方銀行がである。

 そもそもガチガチのお堅いイメージがある銀行で、失礼ながらいち地銀が、どのように顧客満足度を高めるのだろうか。TBSテレビ『世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?』取材班は、この謎に迫った。

 岐阜県大垣市は、県内では岐阜市に次ぐ人口約16万の中型都市。そこにOKBはある。大垣市内では約7割の地元民が利用するという、地域で圧倒的な強さを誇る。

 「銀行とは、金融業ではなくサービスだと思うのです」

 土屋嶢(つちや・たかし)頭取は就任以来、行員の意識改革に取り組んできた。その一環として他行にはない人材育成制度がある。それはコンビニエンスストアやホテル、テレビ局、新聞社などとのコラボ研究だ。行員にサービス業の従事者として自覚してもらう狙いがある。

 OKBの具体的なサービスを紹介しよう。

 便利なサービスのひとつが、手のひらをかざしただけでおカネの出し入れができる、手の平認証ATM「ピピット」だ。今や全国の銀行でこの生体認証を目にするようになったが、実はこれを日本で初めて取り入れたのは、OKBなのである。

 導入のきっかけは2011年の東日本大震災。通帳やカードを無くした人でもおカネを引き出せるように、翌年から導入した。まさに「顧客第一」の理念を象徴している。

 ATMでさらに驚くのが、おカネを預けると画面がピンボールのような表示に変わるシステム。ボールが枠に入ると、少額ながら現金が当たる。さらには、おカネを引き出す時にはスロットゲームが登場し、当たると時間外手数料がタダになる。こうしたシステムの導入も全国の先陣を切った。おカネを出し入れするだけの些細な日常の一コマにワクワクを与えているのが、満足度の高さにつながっている。

 年中無休・手数料無料ATMの設置やポイント制サービス導入のほか、年末年始を含めた土日祝日の窓口営業など、OKBが先駆ける取り組みは枚挙にいとまがない。仰天するのが、車に乗ったままおカネの取引ができるATM。名付けて「ドライブスルーATM」だ。これも全国初で手掛けた。

 ドライブスルーATMは、窓口が車の大きさや停車位置に合わせて、なんと上下左右に幅寄せしてくれる。さらに周りの人に暗証番号を聞かれないよう、その場でPHSを渡してくれて、窓を閉めたままやり取りができるという念の入れようである。まさに痒いところに手が届きまくるこまやかさだ。

 極めつけは、これまた日本初の移動型店舗。その名も「スーパーひだ1号」である。窓口業務のためスタッフが常駐し、ATMも搭載されている。まさに銀行機能がぎっしり詰まったこの移動型店舗は、飛騨の山深い場所に住む利用者のために巡回する。

 利用者が満足する理由は、目白押しの「全国初」だけにとどまらない。女性向けサービスの充実も特筆したい。OKBでは女性行員のアイデアを主体に生まれた数々の女性向けサービスがある。例を挙げていこう。

 ■女性行員のアイデアを主体に生まれた数々の女性向けサービス

 「シングルマザー応援ローン」
「不妊治療関連ローン」
「離婚関連専用ローン」
「エステや美容整形専用ローン」


 顧客目線でサービスを考えるという理念は確実に形として現れそして、結果に繋がっている。大手じゃなくても、大都市にいなくても勝負はできる。OKBに学べることは少なくない。
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